JP2758231B2 - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JP2758231B2
JP2758231B2 JP25066489A JP25066489A JP2758231B2 JP 2758231 B2 JP2758231 B2 JP 2758231B2 JP 25066489 A JP25066489 A JP 25066489A JP 25066489 A JP25066489 A JP 25066489A JP 2758231 B2 JP2758231 B2 JP 2758231B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はカラー受像管装置に係り、特にインライン配
列された3本の電子ビームを、これらの電子ビームに共
通な大口径電子レンズにより集束ならびに集中させる電
子銃を有するカラー受像管装置に関する。
(従来の技術) 一般的なカラー受像管装置の水平断面を第6図を示
す。
同図において、カラー受像管装置1は、スクリーン面
2をもつフェースプレート3と、このフェースプレート
3の側壁部3aにファンネル4を介して連結されたネック
5と、このネック5に内装された電子銃6と、ファンネ
ル4からネック5にかけてこの外壁に装着された偏向装
置7と、前記スクリーン面2と所定間隔をもって対設さ
れた多数のアパーチャを有するシャドウマスク9と、前
記ファンネル4の内壁から前記ネック5の一部にかけて
一様に塗布された内部導電膜10とファンネル4の外部に
塗布された外部導電膜11と、ファンネル4の一部に設け
られた陽極端子(図示せず)とを具備している。そし
て、スクリーン面2には赤、緑および青色発光発光体が
ストライプ状または点状に多数塗布されており、電子銃
6から出た3本の電子ビームBR,BGおよびBBはシャドウ
マスク9により選択されてそれぞれの蛍光体を衝撃し、
これを発光させる。また、電子銃6はインライン配列の
平行な3本の電子ビームBR,BGおよびBBを発生、制御な
らびに加速するための電子ビーム形成部GEと、これらの
電子ビームを集束、集中させるための主電子レンズ部ML
を有している。そして、3本の電子ビームBR,BGおよび
BBを前記偏向装置7によりスクリーン全面に偏向走査す
ることにより、ラスタを形成する。
3電子ビームを集中させる方法は、例えば米国特許第
2957106号明細書に示されているように、陰極から射出
される電子ビームをはじめから傾斜して集中する技術が
ある。また、米国特許第3772554号明細書に示されるよ
うに、電子銃電極に設けられた3電子ビーム通過用開口
のうち一部電極の両側の開口を電子銃の中心軸から僅か
に外側へ偏心させることにより、電子ビームの集中を行
なっている技術があり、いずれも広く採用されている。
偏向装置は基本的には、電子ビームを水平方向に偏向す
る水平偏向磁界を発生するための水平偏向コイルおよび
電子ビームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生す
るための垂直偏向コイルとを有している。実際のカラー
受像管装置においては電子ビームを偏向したときに、3
電子ビームスポットのフェースプレートでの集中がくず
れてくるので、この集中のくずれを防止するため工夫が
施されている。これはコンバーゼンスフリーシステムと
称され、水平偏向磁界をピンクッション形垂直偏向磁界
をバレル形にすることにより、自己集中型磁界蛍光面全
域に於いて、3電子ビームが集中するようにしたもので
ある。
以上述べた如く、カラー受像管は多くの開発技術の採
用により品位は向上しているが、管の大型化、高品位化
が普及するにつれて新たな問題がクローズアップされつ
つある。即ち、電子ビームのスクリーン上でのスポッ
ト径の大きさの問題、偏向されたときのスクリーン周
辺部での電子ビームスポット形状の歪の問題、スクリ
ーン全面でのコンバーゼンスの問題がある。管が大形に
なると電子銃からスクリーン面までの距離が長くなり電
子レンズの電子光学的倍率が大きくなってスクリーン上
でのスポット径を大きくしてしまい解像度を劣化させて
しまう。スポット径を小さくするには、電子銃の電子レ
ンズの性能を向上させなければならない。
一般に主電子レンズ部は、開口を有する複数の電極が
同軸上に配置されそれぞれ所定の電位が印加されること
によって形成される。このような静電レンズは、電極構
成の違いによりいくつかの種類があるが、基本的には電
極開口径を大きくした大口径レンズを形成させるかまた
は、電極間の距離を長くして、緩やかな電位変化にして
長焦点レンズを形成することによりレンズ性能を向上さ
せることができる。
しかし、カラー受像管の電子銃は、一般に細いガラス
円筒であるネック内に封入されるため、まず電極の開
口、即ち、レンズ口径が物理的に制約される。また、電
極間に形成される集束電界がネック内の他の不所望な電
界の影響を受けないようにするために電極間の距離が制
限される。
特に、シャドウマスク型カラー受像管のように、3本
の電子銃がデルタ配列やインライン配列として一本化し
た場合には、前述した如く電子ビーム間隔(Sg)が小さ
なもの程、3本の電子ビームをスクリーン全面の近傍で
一点に集中させ易い。また偏向電力が小さいという利点
があるので、電子銃間隔を小さくするために電極の開口
はさらに小さくせざるを得ない。
そこで、同一平面上に並んだ3個の電子レンズを完全
に重ね合わせ1個の大きな電子レンズとし、この大口径
電子レンズにより電子レンズ性能を最大限に発揮させよ
うとする方法が考えられる。第7図は、これを光学的に
図示したものである。図に示す通り、映出される電子ビ
ームのコアは小さくなるが電子ビーム全体でみるとまだ
不十分な結果である。すなわち、ビーム間隔がSgである
3本の平行電子ビーム(BR),(BG),(BB)が1個の
共通大口径電子レンズLELを通過すると、第7図の様に
中央の電子ビーム(BG)が適正集束した状態では、両側
の電子ビーム(BR),(BB)は過集束状態、且つ過集中
状態となると共に大きなコマ収差を伴ないスクリーン
(101)上では、3本のビームスポット(SPR),(S
PG),(SPB)は大きく離れ両側のビームは歪む。
これら3本の電子ビームの集束状態を合せ、コマ収差
分を減少させるには、電子レンズLELのレンズ口径Dに
対する3本のビームの間隔Sgをある程度小さくしてゆけ
ば実用上問題はなくなるが、3本のビームのスクリーン
上での集中状態に関してはSgを極めて小さくしなければ
ならず、電子ビーム発生部の機械的配置の面で限界があ
る。
そこで、特公昭49−5591号公報(米国特許第3,448,31
6号明細書)及び米国特許4,528,476号明細書では第8図
に示す如く、電子レンズLELに入射する3本の電子ビー
ムに予め傾角θをもたせておいて、3本の電子ビームが
同時に電子レンズLELの中央部を通過するようにして3
本のビームの集束状態を合せ、その後、発散していく両
側のビームを第2のレンズLEL2により反対方向に強く
(φ°)偏向させスクリーン上で3本のビームが集中す
る様にしている。その結果、3電子ビームの集束および
集中が改善される。しかしながら、両側のビームには、
大きな偏向収差または、コマ収差が発生するという問題
を残している。
そこで、両側の電子ビームの過集中とコマ収差を補正
するために、第10図に示す3つの縦長のビーム通過孔を
持つ電極(51)を大口径共通電子レンズの陰極側レンズ
領域に配置する方法を本発明者らは先に提案した。この
電子銃の構造を第9図に示す。この方法によれば、3つ
の縦長のビーム通過孔を持つ電極によって制御された集
束性電界により両側の電子ビームが受けるコマ収差と、
大口径円筒電子レンズにより両側の電子ビームが受ける
コマ収差とが打ち消し合うため、両側の電子ビームのコ
マ収差は著しく改善される。
しかしながら、この方法では3つの縦長の電極孔を持
つ電極(51)を用いて大口径共通レンズの集束側電界を
制御しているため、大口径共通電子レンズは水平方向の
集束力が垂直方向の集束力よりも強いレンズとなってい
る。このため、スクリーン上に集束する電子ビームスポ
ットの水平方向径は、大口径レンズの作用により非常に
小さくなるが、電子ビームスポットの垂直方向径は大口
径レンズの作用をあまり受けないため、あまり小さくな
らない。
(発明が解決しようとする課題) 両側の電子ビームの過集束とコマ収差を補正するため
に3つの縦長のビーム通過孔を有する電極を大口径共通
電子レンズの集束領域に配置すると、これにより大口径
電子レンズは水平方向の集束力が垂直方向の集束力より
も強いレンズとなるため、スクリーン上のビームスポッ
トは水平方向径は非常に小さくなるが、垂直方向は大口
径電子レンズの特性が生かしきれず、スポット径があま
り小さくならない。このため得られる画像の垂直解像度
が悪いという問題点がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、3
本の電子ビームに共通な大口径電子レンズにより各電子
ビームの集束と集中を容易に行うことができ、特に垂直
方向の集束特性を改善した電子銃を備えたカラー受像管
装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は1本の中央電子ビームと2本の両側電子ビ
ームからなる3本の電子ビームを発生、制御、加速する
電子ビーム形成部と、前記電子ビームを集束、集中させ
る主電子レンズ部とを有するインライン型電子銃部、偏
向部、およびスクリーン部を備え、前記電子銃部から発
射される電子ビームを偏向部により垂直方向および水平
方向に偏向走査するカラー受像管装置において、前記主
電子レンズ部には、3本の電子ビームに共通に作用する
大口径電子レンズと、 この大口径電子レンズ領域内にあって、前記両側電子
ビームが前記大口径電子レンズから受ける収差成分を打
消す方向の収差を発生するよう前記3本の電子ビームに
対して個別に作用する個別電子レンズと、 前記大口径電子レンズ領域内にあり、少くとも前記1
本の電子ビームに対して垂直方向の集束力を強める集束
力補正手段とを有することを特徴とするカラー受像管装
置である。
(作用) 本発明では、主電子レンズ部に3本の電子ビームに共
通に作用する大口径共通電子レンズを有しており、かか
る大口径共通電子レンズのレンズ作用により3電子ビー
ムの集束および集中を行う。また、かかる大口径共通レ
ンズのみでは両側の電子ビームは過集中し、収差を生じ
るため、前記大口径共通電子レンズの集束側領域内に、
3つの非円形のビームを通過孔を有する電極を配置して
いる。この電極によって大口径共通電子レンズの水平方
向集束電界を制御し、3電子ビームが良好に集中するよ
うになされていると共に、第3図(a)に示す如く、両
側の電子ビームをビーム通過孔の中心部より内側の位置
に入射させることにより共通円筒電子レンズにより生じ
る収差と逆方向の収差を生じさせ、これを打ち消してい
る。このように3つの非円形のビーム通過孔を有する電
極により両側の電子ビームの集中特性と収差を改善して
いるが、これだけでは、大口径電子レンズの垂直方向の
集束力が弱いため、垂直方向においては大口径電子レン
ズを最大限に生かしてはおらず、垂直方向の集束特性が
悪い。このため、本発明では大口径共通電子レンズの集
束領域内に配置した電極の、3つの非円形のビーム通過
孔の上下位置に、共通円筒レンズの中心部方向に向かっ
てインランイ配列方向と平行な1対の電界制御電極を有
している。
この電界制御電極により、垂直方向の電位分布は第4
図に示すようになり、1対の電界制御電極の間のビーム
通過領域に電位が浸透することにより、大口径円筒電子
レンズの垂直方向の集束力が強められる。これにより、
垂直方向においても大口径電子レンズの作用を十分に生
かすことができ、歪のない小さなビームスポットを得る
ことができる。また、1対の電界制御電極は2個のサイ
ドビーム通過孔のみに設けても良いし、センタービーム
通過孔のみに設けても良い。さらに3個の電子ビーム通
過孔に設けても良い。
(実施例) 以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明を実施したカラー受像管装置のネッ
ク部付近にスクリーン部の一部分のX−Z面の断面を示
し、第2図は電子銃部のみのY−Z面の断面を示す。
第1図、第2図に於いて、ネック(5)内に配置され
ている電子銃部(100)は、カソード(陰極)K,第1グ
リッドG1,第2グリッドG2,第3グリッドG3,第4グリ
ッドG4,第5グリッドG5,第6グリッドG6とこれらを支
持する絶縁支持体(30)およびバルブスペーサ(112)
からなり、電子銃(100)はネック下部のステムピン(1
13)に固定されている。前記カソードKは、内部にそれ
ぞれヒータをもっており、3本の電子ビームBR,BG,BB
を発生する。また、第1グリッドG1,第2グリッドG2
前記3個のカソードKに対応して3つの比較的小さなビ
ーム通過孔を有し、この部分においてカソードKからの
電子ビームを制御、加速し、いわゆる電子ビーム形成部
GEとなる。次いで、第3グリッドG3,第4グリッドG4
第5グリッドG5は同じく3つのカソードKに対応して3
つの比較的大きなビーム通過孔を有する。
また、第5グリッドG5の第6グリッドG6側は1個の大
きな円形のビーム通過孔(G5T)が設けてある実質的に
円筒状の電極である。そしてこの円筒電極内部に、3つ
の縦長の電子ビーム通過孔を有し、3つの電子ビーム通
過孔の上下位置から第6グリッドG6側へ向かって高さ
(b)だけ突出している1対の電界制御電極(G5H)を
有する板状電極(G5D)が配置してある。この板状電極
(G5D)は、第5グリッドG5の第6グリッド側端部から
所定距離aだけ離れたところにある。第3図(a),
(b)は板状電極(G5D)を示す。
第6グリッドG6は、第5グリッドG5と一部重なり、円
筒状電極である第5グリッドG5を包含した実質的に円筒
状の電極であり、第5グリッドG5の大円形ビーム通過孔
(G5T)との間に実質的に大口径の円筒レンズを形成す
る。第6グリッドG6の先端外周には、バルブスペーサ
(112)が付いていて、ファンネル(4)内壁からネッ
ク(5)内壁に塗布してある導電膜(10)と接触してい
て、ファンネルに設けてある陽極端子から陽極高電圧を
供給するようになっている。第6グリッドG6の先端に
は、偏向ヨークによる磁界に対する磁界修正素子を置く
こともできる。以上カソードK、第1グリッドG1から第
6グリッドG6まで絶縁支持体(30)によって固定支持さ
れている。また、ネック(5)からファンネル(4)に
かけて偏向ヨーク(7)が取り付けられており、電子銃
からの3本の電子ビームBR,BG,BBを水平,垂直に偏向
するための水平偏向コイルと垂直偏向コイルからなる。
さらにビームの軌道の調整のための多極磁石(61)が配
置してある。前記電子銃は、第6グリッドG6を除いて全
ての電極はステムピン(113)を通じ、外部より所定の
電圧が印加されるようになっている。
以上の電極構成において、例えば、カソードKは約15
0Vのカットオフ電圧とし、これに映像信号を加え、第1
グリッドG1は接地電位とし、第2グリッドG2は500V〜1K
V,第3グリッドG3は5〜10KV,第4グリッドG4は500〜3K
V,第5グリッドG5は5〜10KV,第6グリッドG6は陽極高
電圧の25〜35KVを印加する。
このような電位構成とすることによって、各カソード
Kからその変調信号に応じて発生したビームはカソード
K,第1グリッドG1,第2グリッドG2によりクロスオーバ
を形成して、第2グリッドG2,第3グリッドG3によるプ
リフォーカスレンズにより僅かに集束され、仮想クロス
オーバを形成して、第3グリッドG3の中へ発散しながら
はいっていく。第3グリッドG3へはいってきた各ビーム
BR,BG,BBは第3グリッドG3から第6グリッドG6による
主電子レンズ部ML1において、集束作用且つ両側のビー
ムは集中作用を受けてスクリーン上に集束・集中する。
第3グリッドG3から第6グリッドG6までの主電子レン
ズ部のレンズ作用をさらに詳しく説明していく。仮想ク
ロスオーバを形成して第3グリッドG3へはいってきた個
々の電子ビームは第3グリッドG3,第4グリッドG4,第
5グリッドG5によって形成される個々の弱いユニポテン
シャルレンズによりそれぞれ少し集束される。大口径電
子レンズは第5グリッドG5と第6グリッドG6により形成
され、第5グリッドG5には第3図(a)および(b)に
示す3個の縦長のビーム通過孔および1対の電界制御電
極(G5H)を有する板状電極(G5D)が設けられており、
大口径電子レンズの低電位側電界を制御している。
大口径電子レンズは、第5グリッドG5と第6グリッド
G6により形成されるが、第5グリッドG5の途中の第6グ
リッドG6側近くに設けてある非円形開孔をもつ板状電極
(G5D)と1対の電界制御電極(G5H)により第6グリッ
ドG6側からの高電圧の浸透が制御されているので、結
局、第5グリッドG5の先端部と第6グリッドG6の円筒に
より大きな1つの電子レンズが形成されると共に、この
レンズ領域内において、その低電圧側に3個の個別の電
子レンズが形成されることになる。
従って、まず3本の電子ビームがスクリーン付近に集
中するように電子レンズの強さがほぼ決定され、集束に
関する不足分を3個の個別の電子レンズによりそれぞれ
補うようになっている。
次に、本実施例における両側の電子ビームのコマ収差
の補正について説明する。第4図、第5図にそれぞれ第
1図のY−Z断面、X−Z断面の電位分布を示す。第5
図からわかるように、大口径共通電子レンズでは両側の
電子ビームは、レンズの中心から離れた位置を通過する
ためコマ収差を受ける。しかし、第5グリッドG5に設け
られた36つの縦長のビーム通過孔において、第3図
(a)に示すようにビーム入射位置がビーム通過孔中心
部より内側にずれているため、このビーム通過孔によっ
て制御された大口径共通電子レンズの低圧側電界によ
り、両側の電子ビームは、共通円筒レンズによるコマ収
差と逆方向のコマ収差を受ける。このため両側の電子ビ
ームが第5グリッド内部の縦長ビーム通過孔および共通
円筒レンズにより受けるコマ収差はたがいに打ち消し合
い、スクリーン上の電子ビームスポットは歪みのないも
のになる。
次に、本実施例における集束特性について説明する。
本実施例の主電子レンズでは、第5グリッドG5と第6グ
リッドG6の間に形成される大口径共通レンズの低電位側
電界を、第5グリッドG5の内部に配置した3つの縦長の
ビーム通過孔を持ち、ビーム通過孔の上下位置から第6
グリッドG6側へ向って突出した1対の電界制御電極(G5
H)を有する板状電極(G5D)によって制御している。こ
の板状電極のビーム通過孔部では、その形状が縦長であ
るため、第5図に示すように電位が浸透し、水平方向の
集束作用を強めるように低圧側電界を制御する。
これに対し、1対の電界制御電極(G5H)では第4図
に示すように電位が浸透するため、垂直方向の集束作用
を強めるように低圧側電界を制御する。従って、主電子
レンズ全体では垂直方向と水平方向がほぼ同じ大きさの
集束作用を受けてスクリーン上にほぼ円形のビームとし
て集束する。ここで、各電子ビームは第5グリッドG5
第6グリッドG6間の大口径電子レンズの作用により良好
に集束され、スクリーン上では非常に小さいビームスポ
ットが得られる。
前記実施例の詳細な仕様は例えば以下のようになって
いる。
カソード間隔 Sg=4.92mm 各電極の開孔径 G1φ,G2φ=0.62mm G3φ,G4φ,G5Bφ=4.52mm G5Tφ=D5=25.0mm G6=D6=28.0mm 各電極の長さ G3=6.2mm G4=2.0mm G5=55.0mm G6=40.0mm 各電極の間隔 G1/G2=0.36mm G2/G3=1.2mm G3/G4,G4/G5=0.6mm a=12〜17mm 1〜3mm 本実施例における大口径円筒電子レンズの陰極側レン
ズ領域内に設けられた3つの非円形ビーム通過孔をもつ
板状電極(G5D)には、第3図に示すように、1対の電
界制御電極(G5H)が取り付けられているが、電界制御
電極を設けず、第11図(a)および(b)に示すように
3つの非円形ビーム通過孔部分全体が突出した電極を用
いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
本実施例の第2の実施例を以下に説明する。
第12図は、本発明を実施したカラー受像管装置のネッ
ク部付近とスクリーン部の一部分のX−Z面の断面を示
す。第12図に於いて、ネック(5)内に配置されている
電子銃部(100)は、カソード(陰極)K,第1グリッドG
1,第2グリッドG2,第3グリッドG3,第4グリッド
G4,第5グリッドG5,第6グリッドG6,第7グリッド
G7,第8グリッドG8とこれらを支持する絶縁支持体(3
0)およびバルブスペーサ(112)からなり、電子銃(10
0)はネック下部のステムピン(113)に固定されてい
る。前記カソードKは、内部にそれぞれヒータをもって
おり、3本の電子ビームBR,BG,BBを発生する。また、
第1グリッドG1,第2グリッドG2は前記3個のカソード
Kに対応して3つの比較的小さなビーム通過孔を有し、
この部分においてカソードKからの電子ビームを制御,
加速し、いわゆる電子ビーム形成部GEとなる。次いで、
第3グリッドG3,第4グリッドG4,第5グリッドG5は同
じく3つのカソードKに対応して3つの比較的大きなビ
ーム通過孔を有する。ここで、第3グリッドG3,第4グ
リッドG4,第5グリッドG5の第4グリッド側のビーム通
過孔形状は第13図に示すように円形となっている。この
ため、第3グリッドG3,第4グリッドG3,第5グリッド
G5から形成されるユニポテンシャルレンズは垂直方向と
水平方向で同じ大きさの集束力を持つレンズとなる。
また、第5グリッドG5の第6グリッド側電極、および
第6グリッドG6、および第7グリッドG7の第6グリッド
側電極のビーム通過孔は第14図に示すように3電子ビー
ムに共通で、水平方向孔径が垂直方向孔径の約5倍以上
の大きさとなる形状となっている。このため第5グリッ
ドG5,第6グリッドG6,第7グリッドG7から形成される
ユニポテンシャルレンズは、水平方向にはほとんどレン
ズ作用を持たず、垂直方向にのみ集束作用を持つレン
ズ、すなわち、いわゆる平行平板レンズとなる。
従って、第7グリッドG7,第8グリッドG8からなる大
口径電子レンズに入射する電子ビームは、垂直方向より
も水平方向に大きく発散するビームとなる。
また、第7グリッドG7の第8グリッドG8側は1個の大
きな円形のビーム通過孔(G7T)が設けてある実質的に
円筒状の電極である。そしてこの円筒電極内部に、3つ
の縦長の電子ビーム通過孔を有し、両側の電子ビーム通
過孔の上下位置から第8グリッドG8側へ向かって長さb
だけ突出している2対の電界制御電極(G7H)を有する
補助電極(G7D)が配置してある。この補助電極(G7D)
は、第7グリッドG7の第8グリッド側端部から所定距離
aだけ離れたところにある。第15図は補助電極(G7D)
を示す。
第8グリッドG8は、第7グリッドG7と一部重なり、円
筒状電極である第7グリッドG7を包含した実質的に円筒
状の電極であり、第7グリッドG7の大円形ビーム通過孔
(G7T)との間に実質的に大口径円筒レンズを形成す
る。
以上の電極構成において、例えば、カソードKは約15
0Vのカットオフ電圧とし、これに映像信号を加え、第1
グリッドG1は接地電位とし、第2グリッドG2は500V〜1K
V、第3グリッドG3は5〜10KV、第4グリッドG4は500〜
3KV、第5グリッドG5は5〜10KV、第6グリッドG6は第
5グリッドG5より低く3〜9KV、第7グリッドG7は5〜1
0KV、第8グリッドG8は陽極高電圧の25〜35KVを印加す
る。
このような電位構成とすることによって、各カソード
Kからその変調信号に応じて発生したビームはカソード
K,第1グリッドG1,第2グリッドG2によりクロスオーバ
を形成して、第2グリッドG2,第3グリッドG3によるプ
リフォーカスレンズにより僅かに集束され、仮想クロス
オーバを形成して、第3グリッドG3の中へ発散しながら
はいっていく。第3グリッドG3へはいってきた各ビーム
BR,BG,BBは第3グリッドG3,第4グリッドG4,第5グ
リッドG5によって形成される個々の弱いユニポテンシャ
ルレンズ(第2の電子レンズ)によりそれぞれ少し集束
され、第5グリッドG5,第6グリッドG6,第7グリッド
G7によって形成される平行平板レンズに入射する。
平行平板レンズに入射した電子ビームは、垂直方向に
のみ集束作用を受け、垂直方向よりも水平方向に大きく
発散するビームとなって第7グリッドG7,第8グリッド
G8によって形成される大口径電子レンズに入射する。
この実施例においては、第6グリッドG6に供給する電
圧が、偏向ヨーク(7)への水平,垂直偏向電流H,Vと
同期して、パラボラ状に可変するように外部にて動的補
正回路(72)が接続されている。
したがって、偏向ヨークによる水平偏向磁界が強いピ
ンクッション磁界の場合、電子ビームがスクリーン周辺
部へ偏向されるときピンクッション磁界により垂直方向
に強く過集束状態となるが、これに同期して電子レンズ
の集束が弱くなり、垂直断面方向において集束不足状態
にもっていくので、上記偏向歪が補正され、丸いビーム
になっていく。
なお、本実施例において、平行平板レンズはユニポテ
ンシャルレンズで構成しているが、バイポテンシャルレ
ンズで構成しても良い。
また、第1の実施例では補助電極の3つの電子ビーム
通過孔の上下位置に1対の電界制御電極を配置していた
のに対し、本実施例では補助電極の両側電子ビーム通過
孔の上下位置にのみ2対の電界制御電極を配置してい
る。これは、第1の実施例における、中央電子ビームに
対する集束特性と両側電子ビームに対する集束特性に若
干差が生じるという問題点を改善するものであり、本実
施例において大口径電子レンズを形成する浸透電界を最
適に制御することにより、中央電子ビームと両側電子ビ
ームの集束特性を合わせることができ、第1の実施例よ
りもさらに優れた集束特性が得られる。
なお、本実施例における補助レンズの形状は第15図の
ようにしているが、第16図のように中央の電子ビーム通
過孔を両側ビーム通過孔に比べて垂直・水平方向ともに
孔径を小さくしてもよい。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明のカラー受像管装置によれ
ば、大口径共通電子レンズによりカソードから発生した
平行な3本の電子ビームをそれぞれ最適集束状態ならび
に最適集中状態でスクリーン面上に集束させることがで
きる。特に、本発明により垂直方向の集束特性を水平方
向の集束特性と同じになるように向上させ、大口径電子
レンズの性能を十分に発揮させることができる。
従って、スクリーン面上でほぼ円形で非常に小さいビ
ームスポットを実現することができ、画像性能の向上さ
れたカラー受像管装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施したカラー受像管装置の要部X−
Z断面図、第2図は、本発明を実施したカラー受像管装
置の要部Y−Z断面図、第3図(a)および(b)はそ
れぞれ本発明の大口径電子レンズを制御する電極を示す
正面図および断面図、第4図は本発明の大口径電子レン
ズ部のY−Z断面における電位分布を示す模式図、第5
図は本発明の大口径電子レンズ部のX−Z断面における
電位分布を示す模式図、第6図は一般的なカラー受像管
装置の概略断面図、第7図および第8図は従来の電子銃
の光学的等価図、第9図は従来の電子銃の概断面図、第
10図は従来の電極を示す正面図、第11図(a)および
(b)はそれぞれ本発明の大口径電子レンズを制御する
電極を示す正面図および断面図で、第12図は本発明を実
施したカラー受像管装置の要部X−Z断面図、第13図、
第14図は本発明に用いられる電極を示す図、第15図、第
16図は本発明の大口径電子レンズを制御する電極を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下河辺 慈郎 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番地2号 株式会社東芝深谷ブラウン管工場内 (56)参考文献 特開 平1−31333(JP,A) 特開 平1−38946(JP,A) 特開 平1−236554(JP,A) 特開 平2−129833(JP,A) 特開 平2−304844(JP,A) 特開 昭59−54151(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 29/48 - 29/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1本の中央電子ビームと2本の両側電子ビ
    ームからなる3本の電子ビームを発生、制御、加速する
    電子ビーム形成部と、前記電子ビームを集束、集中させ
    る主電子レンズ部とを有するインライン型電子銃部、偏
    向部、およびスクリーン部を備え、前記電子銃部から発
    射される電子ビームを偏向部により垂直方向および水平
    方向に偏向走査するカラー受像管装置において、前記主
    電子レンズ部には、3本の電子ビームに共通に作用する
    大口径電子レンズと、 この大口径電子レンズ領域内にあって、前記両側電子ビ
    ームが前記大口径電子レンズから受ける収差成分を打消
    す方向の収差を発生するよう前記3本の電子ビームに対
    して個別に作用する個別電子レンズと、 前記大口径電子レンズ領域内にあり、少くとも前記1本
    の電子ビームに対して垂直方向の集束力を強める集束力
    補正手段とを有することを特徴とするカラー受像管装
    置。
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