JP2685822B2 - カラー受像管装置 - Google Patents
カラー受像管装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はカラー受像管装置に係り、特にインライン配
列された3本の電子ビームを、これらの電子ビームに共
通な大口径電子レンズにより集束ならびに集中させる電
子銃を有するカラー受像管装置に関する。
列された3本の電子ビームを、これらの電子ビームに共
通な大口径電子レンズにより集束ならびに集中させる電
子銃を有するカラー受像管装置に関する。
(従来の技術) 一般的なカラー受像管装置の水平断面を第8図に示
す。
す。
同図において、カラー受像管装置1は、スクリーン面
2をもつフェースプレート3と、このフェースプレート
3の側壁部3aにファンネル4を介し連結されたネック5
と、このネック5に内装された電子銃6と、ファンネル
4からネック5にかけてこの外壁に装着される偏向装置
7と、前記スクリーン面2と所定間隔をもって対設され
た多数のアパーチャ8を有するシャドウマスク9と、前
記ファンネル4の内壁から前記ネック5の一部にかけて
一様に塗布された内部導電膜10とファンネル4の外部に
塗布された外部導電膜11と、ファンネル4の一部に設け
られた陽極端子(図示せず)とを具備している。
2をもつフェースプレート3と、このフェースプレート
3の側壁部3aにファンネル4を介し連結されたネック5
と、このネック5に内装された電子銃6と、ファンネル
4からネック5にかけてこの外壁に装着される偏向装置
7と、前記スクリーン面2と所定間隔をもって対設され
た多数のアパーチャ8を有するシャドウマスク9と、前
記ファンネル4の内壁から前記ネック5の一部にかけて
一様に塗布された内部導電膜10とファンネル4の外部に
塗布された外部導電膜11と、ファンネル4の一部に設け
られた陽極端子(図示せず)とを具備している。
そして、スクリーン面2には赤色発光蛍光体、緑色発
光蛍光体および青色発光蛍光体がストライプ状又は点状
に多数塗布されており、電子銃6から出た3本の電子ビ
ームBR,BGおよびBBはシャドウマスク9により選択され
てそれぞれの蛍光体を衝撃し、これを発光させる。
光蛍光体および青色発光蛍光体がストライプ状又は点状
に多数塗布されており、電子銃6から出た3本の電子ビ
ームBR,BGおよびBBはシャドウマスク9により選択され
てそれぞれの蛍光体を衝撃し、これを発光させる。
また、電子銃6はインライン配列の平行な3本の電子
ビームBR,BGおよびBBを発生、加速ならびに制御するた
めの電子ビーム形成部GEと、これらの電子ビームを集
束、集中させるための主電子レンズ部MLを有している。
そして、3本の電子ビームBR,BGおよびBBを前記偏向装
置7によりスクリーン全面に偏向走査することにより、
ラスタを形成する。
ビームBR,BGおよびBBを発生、加速ならびに制御するた
めの電子ビーム形成部GEと、これらの電子ビームを集
束、集中させるための主電子レンズ部MLを有している。
そして、3本の電子ビームBR,BGおよびBBを前記偏向装
置7によりスクリーン全面に偏向走査することにより、
ラスタを形成する。
3電子ビームを集中させる方法は、例えば米国特許第
2957106号明細書に示されているように、陰極から射出
される電子ビームをはじめから傾斜して集中する技術が
あり、又、米国特許第3772554号明細書に示されるよう
に、電子銃電極に設けられた3電子ビーム通過用開口の
うち一部電極の両側の開口を電子銃の中心軸から僅かに
外側へ偏芯させることにより、電子ビームの集中を行な
っている技術があり、いずれも広く採用されている。偏
向装置は基本的には電子ビームを水平方向に偏向する水
平偏向磁界を発生するための水平偏向コイルおよび電子
ビームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生するた
めの垂直偏向コイルとを有している。実際のカラー受像
管装置においては電子ビームを偏向したときに、3電子
ビームスポットのフェースプレートでの集中がくずれて
くるので、この集中のくずれを防止するため工夫が施さ
れている。これはコンバーゼンスフリーシステムと称さ
れ、水平偏向磁界をピンクッション形垂直偏向磁界をバ
レル形にすることにより、自己集中型磁界蛍光面全域に
於いて、3電子ビームが集中するようにしたものであ
る。
2957106号明細書に示されているように、陰極から射出
される電子ビームをはじめから傾斜して集中する技術が
あり、又、米国特許第3772554号明細書に示されるよう
に、電子銃電極に設けられた3電子ビーム通過用開口の
うち一部電極の両側の開口を電子銃の中心軸から僅かに
外側へ偏芯させることにより、電子ビームの集中を行な
っている技術があり、いずれも広く採用されている。偏
向装置は基本的には電子ビームを水平方向に偏向する水
平偏向磁界を発生するための水平偏向コイルおよび電子
ビームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を発生するた
めの垂直偏向コイルとを有している。実際のカラー受像
管装置においては電子ビームを偏向したときに、3電子
ビームスポットのフェースプレートでの集中がくずれて
くるので、この集中のくずれを防止するため工夫が施さ
れている。これはコンバーゼンスフリーシステムと称さ
れ、水平偏向磁界をピンクッション形垂直偏向磁界をバ
レル形にすることにより、自己集中型磁界蛍光面全域に
於いて、3電子ビームが集中するようにしたものであ
る。
以上述べた如く、カラー受像管は多くの開発技術の採
用により品位は向上しているが管の大型化、高品位化が
普及するにつれて新たな問題がクローズアップされつつ
ある。
用により品位は向上しているが管の大型化、高品位化が
普及するにつれて新たな問題がクローズアップされつつ
ある。
即ち電子ビームのスクリーン上でのスポット径の問
題、偏向されたときのスクリーン周辺部での電子ビー
ムスポットの歪の問題、スクリーン全面でのコンバー
ゼンスの問題がある。
題、偏向されたときのスクリーン周辺部での電子ビー
ムスポットの歪の問題、スクリーン全面でのコンバー
ゼンスの問題がある。
管が大形になると電子銃からスクリーン面までの距離
が長くなり電子レンズの電子光学的倍率が大きくなって
スクリーン上でのスポット径を大きくしてしまい解像度
を劣化させてしまう。スポット径を小さくするには電子
銃の電子レンズの性能を向上させねばならない。
が長くなり電子レンズの電子光学的倍率が大きくなって
スクリーン上でのスポット径を大きくしてしまい解像度
を劣化させてしまう。スポット径を小さくするには電子
銃の電子レンズの性能を向上させねばならない。
一般に主電子レンズ部は開口を有する複数の電極が同
軸上に配置されそれぞれ所定の電位が印加されることに
よって形成される。このような静電レンズは電極構成の
違いによりいくつかの種類があるが、基本的は電極開口
径を大きくした大口径レンズを形成させるか又は、電極
間の距離を長くして緩やかな電位変化にして長焦点レン
ズを形成することによりレンズ性能を向上させることが
できる。
軸上に配置されそれぞれ所定の電位が印加されることに
よって形成される。このような静電レンズは電極構成の
違いによりいくつかの種類があるが、基本的は電極開口
径を大きくした大口径レンズを形成させるか又は、電極
間の距離を長くして緩やかな電位変化にして長焦点レン
ズを形成することによりレンズ性能を向上させることが
できる。
しかし、カラー受像管の電子銃は一般に細いガラス円
筒であるネック内に封入されるため、まず電極の開口、
即ちレンズ口径が物理的に制約される。また、電極間に
形成される集束電界がネック内の他の不所望な電界の影
響を受けないようにするために電極間の距離が制限され
る。
筒であるネック内に封入されるため、まず電極の開口、
即ちレンズ口径が物理的に制約される。また、電極間に
形成される集束電界がネック内の他の不所望な電界の影
響を受けないようにするために電極間の距離が制限され
る。
特に、シャドウマスク型カラー受像管のように3本の
電子銃がデルタ配列やインライン配列として一体化した
場合には前述した如く電子ビーム間隔(Sg)が小さなも
の程、3本の電子ビームをスクリーン全面の近傍で一点
に集中させ易いし、また偏向電力が小さいという利点が
あるので、電子銃間隔を小さくするために電極の開口は
さらに小さくせざるを得ない。
電子銃がデルタ配列やインライン配列として一体化した
場合には前述した如く電子ビーム間隔(Sg)が小さなも
の程、3本の電子ビームをスクリーン全面の近傍で一点
に集中させ易いし、また偏向電力が小さいという利点が
あるので、電子銃間隔を小さくするために電極の開口は
さらに小さくせざるを得ない。
そこで、同一平面上に並んだ3個の電子レンズを完全
に重ね合わせ1個の大きな電子レンズとし、この大口径
電子レンズにより電子レンズ性能を最大限に発揮させよ
うとする方法が考えられる。第9図はこれを光学的に図
示したものである。図に示す通り、映出される電子ビー
ムのコアは小さくなるが電子ビーム全体でみるとまだ不
十分な結果である。すなわち、ビーム間隔がSgである3
本の平行電子ビーム(BR),(BG),(BB)が1個の共
通大口径電子レンズLELを通過すると、第12図の様に中
央の電子ビーム(BG)が適正集束した状態では両側の電
子ビーム(BR),(BB)は過集束状態、且つ過集中状態
となると共に大きなコマ収差を伴ないスクリーン(10
1)上では、3本のビームスポット(SPR),(SPG),
(SPB)は大きく離れ両側のビームは歪む。
に重ね合わせ1個の大きな電子レンズとし、この大口径
電子レンズにより電子レンズ性能を最大限に発揮させよ
うとする方法が考えられる。第9図はこれを光学的に図
示したものである。図に示す通り、映出される電子ビー
ムのコアは小さくなるが電子ビーム全体でみるとまだ不
十分な結果である。すなわち、ビーム間隔がSgである3
本の平行電子ビーム(BR),(BG),(BB)が1個の共
通大口径電子レンズLELを通過すると、第12図の様に中
央の電子ビーム(BG)が適正集束した状態では両側の電
子ビーム(BR),(BB)は過集束状態、且つ過集中状態
となると共に大きなコマ収差を伴ないスクリーン(10
1)上では、3本のビームスポット(SPR),(SPG),
(SPB)は大きく離れ両側のビームは歪む。
これら3本の電子ビームの集束状態を合せ、コマ収差
分を減少させるには、電子レンズLELのレンズ口径Dに
対する3本のビームの間隔Sgをある程度小さくしてゆけ
ば実用上問題はなくなるが、3本のビームのスクリーン
上での集中状態に関してはSgを極めて小さくしなければ
ならず、電子ビーム発生部の機械的配置の面で限界があ
る。
分を減少させるには、電子レンズLELのレンズ口径Dに
対する3本のビームの間隔Sgをある程度小さくしてゆけ
ば実用上問題はなくなるが、3本のビームのスクリーン
上での集中状態に関してはSgを極めて小さくしなければ
ならず、電子ビーム発生部の機械的配置の面で限界があ
る。
そこで、特公昭49−5591号公報(米国特許第3,448,31
6号明細書)及び米国特許第4,528,476号明細書では第10
図に示す如く電子レンズLELに入射する3本の電子ビー
ムに予め傾斜θをもたせておいて3本の電子ビームが同
時に電子レンズLELの中央部を通過するようにして3本
のビームの集束状態を合せ、その後、発散していく両側
のビームを第2のレンズLEL2により反対方向に強く(φ
゜)偏向させスクリーン上で3本のビームが集中する様
にしている。その結果3電子ビームの集束および集中が
改善される。しかしながら両側のビームには大きな偏向
収差又はコマ収差が発生するという問題を残している。
6号明細書)及び米国特許第4,528,476号明細書では第10
図に示す如く電子レンズLELに入射する3本の電子ビー
ムに予め傾斜θをもたせておいて3本の電子ビームが同
時に電子レンズLELの中央部を通過するようにして3本
のビームの集束状態を合せ、その後、発散していく両側
のビームを第2のレンズLEL2により反対方向に強く(φ
゜)偏向させスクリーン上で3本のビームが集中する様
にしている。その結果3電子ビームの集束および集中が
改善される。しかしながら両側のビームには大きな偏向
収差又はコマ収差が発生するという問題を残している。
以上の如く3本の電子ビームに共通に働く大口径電子
レンズを利用することは難しく大口径電子レンズの性能
を最大限に発揮させることができない。
レンズを利用することは難しく大口径電子レンズの性能
を最大限に発揮させることができない。
そこで、発明者らは特願昭63−95411により、大口径
電子レンズの性能を充分に発揮する電子銃を備えたカラ
ー受像管装置を提案した。かかるカラー受像管装置に内
蔵される電子銃は、3本の電子ビームを発生、加速、制
御する電子ビーム形成部と、この電子ビームを集束、集
中させる主電子レンズ部とを備え、この主電子レンズ部
には、3本の電子ビームに共通に作用する大口径非対称
電子レンズを有し、この非対称電子レンズは3本の電子
ビームそれぞれに作用する水平方向の集束力が垂直方向
の集束力よりも弱くしたものであり、この非対称電子レ
ンズに入射する3本の電子ビーム軸は、相互に平行であ
り、個々の電子ビームは水平方向よりも垂直方向に強く
発散するビームとしたものである。
電子レンズの性能を充分に発揮する電子銃を備えたカラ
ー受像管装置を提案した。かかるカラー受像管装置に内
蔵される電子銃は、3本の電子ビームを発生、加速、制
御する電子ビーム形成部と、この電子ビームを集束、集
中させる主電子レンズ部とを備え、この主電子レンズ部
には、3本の電子ビームに共通に作用する大口径非対称
電子レンズを有し、この非対称電子レンズは3本の電子
ビームそれぞれに作用する水平方向の集束力が垂直方向
の集束力よりも弱くしたものであり、この非対称電子レ
ンズに入射する3本の電子ビーム軸は、相互に平行であ
り、個々の電子ビームは水平方向よりも垂直方向に強く
発散するビームとしたものである。
このような大口径非対称電子レンズ部に前記特定した
ような電子ビームが入射すると入射ビームは大口径非対
称電子レンズのレンズ作用を受けて、スクリーン上に映
出される3電子ビームは良好に集中し、個々の電子ビー
ムは小径で歪のないものとなる。しかも3電子ビームは
大口径レンズを通過するので大口径レンズとしてのメリ
ットを最大限に得ることができる。
ような電子ビームが入射すると入射ビームは大口径非対
称電子レンズのレンズ作用を受けて、スクリーン上に映
出される3電子ビームは良好に集中し、個々の電子ビー
ムは小径で歪のないものとなる。しかも3電子ビームは
大口径レンズを通過するので大口径レンズとしてのメリ
ットを最大限に得ることができる。
しかしながら、このような構成のカラー受像管装置
は、中央の電子ビームと両側の電子ビーム集束状態が一
致しないという問題点がある。すなわち、電子銃の各電
極の電圧を変えることにより大口径電子レンズの強さを
調節して中央の電子ビームスポットを水平,垂直方向と
も最適集束状態とすると、両側の電子ビームスポットは
垂直方向は最適集束状態となるが、水平方向は過集束状
態となる。また、大口径電子レンズの強さを調節して両
側の電子ビームスポットを水平,垂直方向とも最適集束
状態とすると、中央の電子ビームスポットは垂直方向は
最適集束状態となるが、水平方向は集束不足状態とな
る。このように、電子銃の各電極の電圧を調節しても、
中央の電子ビームスポットと両側の電子ビームスポット
において、同時に水平方向の最適集束状態を得ることが
できない。
は、中央の電子ビームと両側の電子ビーム集束状態が一
致しないという問題点がある。すなわち、電子銃の各電
極の電圧を変えることにより大口径電子レンズの強さを
調節して中央の電子ビームスポットを水平,垂直方向と
も最適集束状態とすると、両側の電子ビームスポットは
垂直方向は最適集束状態となるが、水平方向は過集束状
態となる。また、大口径電子レンズの強さを調節して両
側の電子ビームスポットを水平,垂直方向とも最適集束
状態とすると、中央の電子ビームスポットは垂直方向は
最適集束状態となるが、水平方向は集束不足状態とな
る。このように、電子銃の各電極の電圧を調節しても、
中央の電子ビームスポットと両側の電子ビームスポット
において、同時に水平方向の最適集束状態を得ることが
できない。
(発明が解決しようとする課題) 以上述べたように、カラー受像管装置の画像性能を更
に向上させるためには、3本の電子ビームに共通な大口
径電子レンズを用いることにより電子銃の性能を向上さ
せ、スクリーン面上のビームスポット径を小さくするこ
とが有効であり、このため、3本の電子ビームに共通に
作用する大口径非対称電子レンズを有し、この非対称電
子レンズは3本の電子ビームそれぞれに作用する水平方
向の集束力が垂直方向の集束力よりも弱いものとし、こ
の非対称電子レンズに入射する3本の電子ビーム軸は、
相互に平行なものとし、個々の電子ビームは水平方向よ
りも垂直方向に強く発散するビームとするカラー受像管
装置によりスクリーン上に映出される3電子ビームは良
好に集中し、小径で歪のないビームスポットとなるが、
中央の電子ビームと両側の電子ビームの集束状態が一致
しないという問題がある。
に向上させるためには、3本の電子ビームに共通な大口
径電子レンズを用いることにより電子銃の性能を向上さ
せ、スクリーン面上のビームスポット径を小さくするこ
とが有効であり、このため、3本の電子ビームに共通に
作用する大口径非対称電子レンズを有し、この非対称電
子レンズは3本の電子ビームそれぞれに作用する水平方
向の集束力が垂直方向の集束力よりも弱いものとし、こ
の非対称電子レンズに入射する3本の電子ビーム軸は、
相互に平行なものとし、個々の電子ビームは水平方向よ
りも垂直方向に強く発散するビームとするカラー受像管
装置によりスクリーン上に映出される3電子ビームは良
好に集中し、小径で歪のないビームスポットとなるが、
中央の電子ビームと両側の電子ビームの集束状態が一致
しないという問題がある。
本発明はかかる上述した課題を解決すべくなされたも
ので、3本の電子ビームの最適集束状態を3本の電子ビ
ーム同時に得ることができるものであって、3本の電子
ビームに共通な大口径電子レンズの性能を充分に発揮さ
せうる電子銃を備えたカラー受像管装置を提供すること
を目的とする。
ので、3本の電子ビームの最適集束状態を3本の電子ビ
ーム同時に得ることができるものであって、3本の電子
ビームに共通な大口径電子レンズの性能を充分に発揮さ
せうる電子銃を備えたカラー受像管装置を提供すること
を目的とする。
(課題を解決するための手段) すなわち本発明のカラー受像管装置は、インライン形
電子銃部、偏向部、およびスクリーン部を備え、前記電
子銃から発揮される電子ビームを垂直方向および水平方
向に偏向走査するカラー受像管装置において、前記電子
銃部は3本の電子ビームを発生、加速、制御する電子ビ
ーム形成部と、この電子ビームを集束、集中させる主電
子レンズ部とを備え、この主電子レンズ部には、3本の
電子ビームに共通に作用する大口径非対称電子レンズを
有し、かかる非対称電子レンズの前段にはこの非対称電
子レンズに入射する3本の電子ビーム軸が、相互に平行
であり、個々の電子ビームが水平方向よりも垂直方向に
強く発散し、且つ前記大口径非対称電子レンズに入射す
る電子ビームは中央の電子ビームが両側の電子ビームよ
りも水平方向に強く集束する電子ビームとなるビーム形
成手段を有することを特徴とするカラー受像管装置であ
る。
電子銃部、偏向部、およびスクリーン部を備え、前記電
子銃から発揮される電子ビームを垂直方向および水平方
向に偏向走査するカラー受像管装置において、前記電子
銃部は3本の電子ビームを発生、加速、制御する電子ビ
ーム形成部と、この電子ビームを集束、集中させる主電
子レンズ部とを備え、この主電子レンズ部には、3本の
電子ビームに共通に作用する大口径非対称電子レンズを
有し、かかる非対称電子レンズの前段にはこの非対称電
子レンズに入射する3本の電子ビーム軸が、相互に平行
であり、個々の電子ビームが水平方向よりも垂直方向に
強く発散し、且つ前記大口径非対称電子レンズに入射す
る電子ビームは中央の電子ビームが両側の電子ビームよ
りも水平方向に強く集束する電子ビームとなるビーム形
成手段を有することを特徴とするカラー受像管装置であ
る。
(作 用) 本発明において、電子銃の主電子レンズに入射する3
本の電子ビームのビーム軸は相互に平行であり、個々の
電子ビームは水平方向よりも垂直方向に強く発散するも
のであり、中央の電子ビームは両側の電子ビームよりも
水平方向に強く集束するようにデザインされている。
本の電子ビームのビーム軸は相互に平行であり、個々の
電子ビームは水平方向よりも垂直方向に強く発散するも
のであり、中央の電子ビームは両側の電子ビームよりも
水平方向に強く集束するようにデザインされている。
一方主電子レンズ部には3本の電子ビームに共通に作
用する大口径非対称電子レンズを有し、この非対称電子
レンズは電子ビームに作用する水平方向の集束力が垂直
方向の集束力よりも弱くなるようにデザインされてい
る。
用する大口径非対称電子レンズを有し、この非対称電子
レンズは電子ビームに作用する水平方向の集束力が垂直
方向の集束力よりも弱くなるようにデザインされてい
る。
このような大口径非対称電子レンズ部では、両側の電
子ビームのほうが中央の電子ビームよりも水平方向に強
い集束力を受けるため、前記特定したような3電子ビー
ムが入射すると、中央の電子ビームと両側の電子ビーム
を同時に最適集束状態にすることができる。また、大口
径電子レンズのレンズ作用を受けて、3電子ビームは良
好に集中し、小径で歪のないビームスポットが得られ
る。このように、3電子ビームとも大口径レンズとして
のメリットを最大限に得ることができ、かつ、3電子ビ
ームが同時に最良の集束状態とすることができる。
子ビームのほうが中央の電子ビームよりも水平方向に強
い集束力を受けるため、前記特定したような3電子ビー
ムが入射すると、中央の電子ビームと両側の電子ビーム
を同時に最適集束状態にすることができる。また、大口
径電子レンズのレンズ作用を受けて、3電子ビームは良
好に集中し、小径で歪のないビームスポットが得られ
る。このように、3電子ビームとも大口径レンズとして
のメリットを最大限に得ることができ、かつ、3電子ビ
ームが同時に最良の集束状態とすることができる。
(実施例) 以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
第1図は、本発明を実施したカラー受像管装置のネッ
ク部付近にスクリーン部の一部分のX−Z面の断面を示
し、第2図は電子銃部のみのY−Z面の断面を示す。
ク部付近にスクリーン部の一部分のX−Z面の断面を示
し、第2図は電子銃部のみのY−Z面の断面を示す。
第1図,第2図に於いて、ネック(5)内に配置され
ている電子銃部(100)は、カソード(陰極)K,第1グ
リッドG1,第2グリッドG2,第3グリッドG3,第4グリッ
ドG4,第5グリッドG5,第6グリッドG6,第7グリッドG7
とこれらを支持する絶縁支持体BG及びバルブスペーサ
(112)から成り、電子銃(100)はネック下部のステム
ピン(113)に固定されている。
ている電子銃部(100)は、カソード(陰極)K,第1グ
リッドG1,第2グリッドG2,第3グリッドG3,第4グリッ
ドG4,第5グリッドG5,第6グリッドG6,第7グリッドG7
とこれらを支持する絶縁支持体BG及びバルブスペーサ
(112)から成り、電子銃(100)はネック下部のステム
ピン(113)に固定されている。
前記カソードKは、内部にそれぞれヒータをもってお
り、3本の電子ビームBR,BG,BBを発生する。
り、3本の電子ビームBR,BG,BBを発生する。
また、第1グリッドG1,第2グリッドG2は前記3個の
カソードKに対応して3つの比較的小さなビーム通過孔
を有し、この部分においてカソードKからの電子ビーム
を制御,加速し、いわゆる電子ビーム形成部GEとなる。
次いで、第3グリッドG3,第4グリッドG4,第5グリッド
G5は同じく3つのカソードKに対応して3つの比較的大
きなビーム通過孔を有する。
カソードKに対応して3つの比較的小さなビーム通過孔
を有し、この部分においてカソードKからの電子ビーム
を制御,加速し、いわゆる電子ビーム形成部GEとなる。
次いで、第3グリッドG3,第4グリッドG4,第5グリッド
G5は同じく3つのカソードKに対応して3つの比較的大
きなビーム通過孔を有する。
第5グリッドG5の第6グリッドG6側にはインライン配
列方向(X−Z面)に垂直な方向に4枚の電極(20),
(21),(22),(23)が3つのビーム通過孔(52
R),(52G),(52B)を挟むように配置してあり、第
6グリッドG6は第5グリッドG5側にインライン配列方向
に平行に2片の電極(24),(25)が3つのビーム通過
孔(61R),(61G),(61B)の上下に配置してあり、
第5グリッドG5側の4枚の電極(20),(21),(2
2),(23)と第6グリッドG6側の2片の電極(24),
(25)は互いに重なるように配置されている。また、第
6グリッドG6の第5グリッドG5側には第5グリッドG5の
ビーム通過孔(52R),(52G),(52B)と同じ大きさ
の3個のビーム通過孔(61R),(61G),(61B)が設
けてあり、第7グリッドG7側には1個の大きな円形のビ
ーム通過孔(62)が設けてある実質的に円筒状の電極で
ある。そしてこの円筒電極内部であって、その長さ方向
中間部にインライン配列方向(X方向)に長径をもつト
ラツクフィールド形状のビーム通過孔(63)をもつ電極
(60)が配置してある。
列方向(X−Z面)に垂直な方向に4枚の電極(20),
(21),(22),(23)が3つのビーム通過孔(52
R),(52G),(52B)を挟むように配置してあり、第
6グリッドG6は第5グリッドG5側にインライン配列方向
に平行に2片の電極(24),(25)が3つのビーム通過
孔(61R),(61G),(61B)の上下に配置してあり、
第5グリッドG5側の4枚の電極(20),(21),(2
2),(23)と第6グリッドG6側の2片の電極(24),
(25)は互いに重なるように配置されている。また、第
6グリッドG6の第5グリッドG5側には第5グリッドG5の
ビーム通過孔(52R),(52G),(52B)と同じ大きさ
の3個のビーム通過孔(61R),(61G),(61B)が設
けてあり、第7グリッドG7側には1個の大きな円形のビ
ーム通過孔(62)が設けてある実質的に円筒状の電極で
ある。そしてこの円筒電極内部であって、その長さ方向
中間部にインライン配列方向(X方向)に長径をもつト
ラツクフィールド形状のビーム通過孔(63)をもつ電極
(60)が配置してある。
このビーム通過孔(63)は、第6グリッドG6の第7グ
リッド側端部から所定距離aだけ離れたところにあり、
大円形ビーム通過孔(62)の直径D6に対し、a<D6の関
係にある。
リッド側端部から所定距離aだけ離れたところにあり、
大円形ビーム通過孔(62)の直径D6に対し、a<D6の関
係にある。
第7グリッドG7は、第6グリッドG6と一部重なり、円
筒状電極である第6グリッドG6を包含した実質的に円筒
状の電極であり、第6グリッドG6の円形のビーム通過孔
(62)との間に実質的に大口径円筒レンズを形成する。
筒状電極である第6グリッドG6を包含した実質的に円筒
状の電極であり、第6グリッドG6の円形のビーム通過孔
(62)との間に実質的に大口径円筒レンズを形成する。
第7グリッドG7の円筒状電極の内部であって、第6グ
リッド端部からスクリーン部(2)側へ所定距離bだけ
離れたところに、インライン配列方向(X方向)に短径
をもつトラックフィールド形状のビーム通過孔(73)を
もつ電極(70)が設けてあり、第7グリッドG7の円筒径
D7に対し、b<D7の関係にある。
リッド端部からスクリーン部(2)側へ所定距離bだけ
離れたところに、インライン配列方向(X方向)に短径
をもつトラックフィールド形状のビーム通過孔(73)を
もつ電極(70)が設けてあり、第7グリッドG7の円筒径
D7に対し、b<D7の関係にある。
また、本実施例においてはa>bとしている。第7図
に電極(60)と(70)を示す。
に電極(60)と(70)を示す。
第7グリッドG7の先端外周には、バルブスペーサ(1
2)が付いていて、ファンネル(4)内壁からネック
(5)内壁に塗布してある導電膜(10)と接触してい
て、ファンネルに設けてある陽極端子から陽極高電圧を
供給するようになっている。第7グリッドG7の先端に
は、偏向ヨークによる磁界に対する磁界修正素子を置く
こともできる。以上カソードK,第1グリッドG1から第7
グリッドG7まで絶縁支持体BGによって固定支持されてい
る。
2)が付いていて、ファンネル(4)内壁からネック
(5)内壁に塗布してある導電膜(10)と接触してい
て、ファンネルに設けてある陽極端子から陽極高電圧を
供給するようになっている。第7グリッドG7の先端に
は、偏向ヨークによる磁界に対する磁界修正素子を置く
こともできる。以上カソードK,第1グリッドG1から第7
グリッドG7まで絶縁支持体BGによって固定支持されてい
る。
また、ネツク(5)からファンネル(4)にかけて偏
向ヨーク(7)が取り付けられており、電子銃からの3
本の電子ビームBR,BG,BBを水平,垂直に偏向するための
水平偏向コイルと垂直偏向コイルから成る。さらにビー
ムの軌道の調整のために多極磁石(51)が配置してあ
る。
向ヨーク(7)が取り付けられており、電子銃からの3
本の電子ビームBR,BG,BBを水平,垂直に偏向するための
水平偏向コイルと垂直偏向コイルから成る。さらにビー
ムの軌道の調整のために多極磁石(51)が配置してあ
る。
前記電子銃は、第7グリッドG7を除いて全ての電極は
ステムピン(113)を通じ外部より所定の電圧が印加さ
れるようになっている。
ステムピン(113)を通じ外部より所定の電圧が印加さ
れるようになっている。
以上の電極構成において、例えば、カソードKは約15
0Vのカットオフ電圧とし、これに映像信号を加え、第1
グリッドG1は接地電位とし、第2グリッドG2は500V〜1k
V,第3グリッドG3は5〜10kV,第4グリッドG4は500〜3k
V,第5グリッドG5は5〜10kV,第6グリッドG6は第5グ
リッドG5より僅かに高く5〜10kV,第7グリッドG7は陽
極高電圧の25〜35kVを印加する。
0Vのカットオフ電圧とし、これに映像信号を加え、第1
グリッドG1は接地電位とし、第2グリッドG2は500V〜1k
V,第3グリッドG3は5〜10kV,第4グリッドG4は500〜3k
V,第5グリッドG5は5〜10kV,第6グリッドG6は第5グ
リッドG5より僅かに高く5〜10kV,第7グリッドG7は陽
極高電圧の25〜35kVを印加する。
このような電位構成とすることによって、各カソード
Kからその変調信号に応じて発生したビームはカソード
K,第1グリッドG1,第2グリッドG2により第4図,第5
図の如くクロスオーバCOを形成して、第2グリッドG2,
第3グリッドG3によるプリフォーカスレンズPLにより僅
かに集束され、仮想クロスオーバVCOを形成して、第3
グリッドG3の中へ発散しながらはいっていく。第3グリ
ッドG3へはいってきた各ビームBR,BG,BBは第3グリッド
G3から第7グリッドG7による主電子レンズ部ML1におい
て、集束作用且つ両側のビームは集中作用を受けてスク
リーン(2)上に集束・集中する。第4図,第5図はそ
れぞれ第1図,第2図に対応する等価光学的モデルであ
る。
Kからその変調信号に応じて発生したビームはカソード
K,第1グリッドG1,第2グリッドG2により第4図,第5
図の如くクロスオーバCOを形成して、第2グリッドG2,
第3グリッドG3によるプリフォーカスレンズPLにより僅
かに集束され、仮想クロスオーバVCOを形成して、第3
グリッドG3の中へ発散しながらはいっていく。第3グリ
ッドG3へはいってきた各ビームBR,BG,BBは第3グリッド
G3から第7グリッドG7による主電子レンズ部ML1におい
て、集束作用且つ両側のビームは集中作用を受けてスク
リーン(2)上に集束・集中する。第4図,第5図はそ
れぞれ第1図,第2図に対応する等価光学的モデルであ
る。
第3グリッドG3から第7グリッドG7までの主電子レン
ズ部のレンズ作用を第4図,第5図に示す等価光学モデ
ルを用いてさらに詳しく説明していく。
ズ部のレンズ作用を第4図,第5図に示す等価光学モデ
ルを用いてさらに詳しく説明していく。
仮想クロスオーバVCOを形成して第3グリッドG3へは
いってきた個々の電子ビームは第3グリッドG3,第4グ
リッドG4,第5グリッドG5によって形成される個々の弱
いユニポテンシャルレンズEL2(第2の電子レンズ)に
よりそれぞれ少し集束される。
いってきた個々の電子ビームは第3グリッドG3,第4グ
リッドG4,第5グリッドG5によって形成される個々の弱
いユニポテンシャルレンズEL2(第2の電子レンズ)に
よりそれぞれ少し集束される。
さて、第5グリッドG5には前述したようにインライン
配列方向(X−Z平面)に垂直な方向に4枚の電極(2
0),(21),(22),(23)が配置してあり、第6グ
リッドG6にはインライン配列方向に平行な方向に2片の
電極(24),(25)が配置してあるので、第5グリッド
G5と第6グリッドG6間に電圧を印加すると、これらの電
極間に四極子レンズQELが形成される。従ってここに入
射する電子ビームはレンズ作用を受けて、水平方向より
も垂直方向に強く発散するように大口径電子レンズLEL
に向けて進行していく。
配列方向(X−Z平面)に垂直な方向に4枚の電極(2
0),(21),(22),(23)が配置してあり、第6グ
リッドG6にはインライン配列方向に平行な方向に2片の
電極(24),(25)が配置してあるので、第5グリッド
G5と第6グリッドG6間に電圧を印加すると、これらの電
極間に四極子レンズQELが形成される。従ってここに入
射する電子ビームはレンズ作用を受けて、水平方向より
も垂直方向に強く発散するように大口径電子レンズLEL
に向けて進行していく。
ここで、第6グリッドG6に配置してある2片の電極
(24),(25)は第3図に示すように、中央の電子ビー
ム通過孔部における2片の電極間距離VGは両側の電子ビ
ーム通過孔部における2片の電極間距離VRBよりも小さ
くなっているため(VG<VRB)、中央の電子ビームに対
して形成される四極子レンズQEL(G)は両側の電子ビ
ームに対して形成される四極子レンズQEL(R)およびQ
EL(B)よりも強い四極子レンズとなる。このため中央
の電子ビームは両側の電子ビームよりも水平方向に強く
集束されて大口径電子レンズLELに入射していく。
(24),(25)は第3図に示すように、中央の電子ビー
ム通過孔部における2片の電極間距離VGは両側の電子ビ
ーム通過孔部における2片の電極間距離VRBよりも小さ
くなっているため(VG<VRB)、中央の電子ビームに対
して形成される四極子レンズQEL(G)は両側の電子ビ
ームに対して形成される四極子レンズQEL(R)およびQ
EL(B)よりも強い四極子レンズとなる。このため中央
の電子ビームは両側の電子ビームよりも水平方向に強く
集束されて大口径電子レンズLELに入射していく。
このような四極子レンズQELを通過した電子ビームは
大口径レンズLELに入射すると、大口径レンズのレンズ
作用を受けて、最終的なスクリーンに映出される電子ビ
ームは良好な集中、集束特性を示す。
大口径レンズLELに入射すると、大口径レンズのレンズ
作用を受けて、最終的なスクリーンに映出される電子ビ
ームは良好な集中、集束特性を示す。
この点は第1図,第6図を用いて詳細に説明する。
大口径電子レンズ部LELは、前段部のレンズCLと後段
部のレンズDLとを有し、全体的には一つの大口径電子レ
ンズLELとして見ることができる。
部のレンズDLとを有し、全体的には一つの大口径電子レ
ンズLELとして見ることができる。
即ち、第6グリッドG6の円筒電極内部には水平方向に
細長いビーム通過口(63)があるので、第7グリッドか
ら浸透する高圧電界はビーム通過口(63)によって歪
み、水平方向(X方向)には弱い集束力、垂直方向(Y
方向)には強い集束力が作用する前段の集束レンズCLが
出来ることになる。一方、第7グリッドG7の円筒電極内
部には垂直方向に細長いビーム通過口(73)があるの
で、第6グリッドから浸透する低圧電界はビーム通過口
(73)によって歪み、水平方向(X方向)には強い発散
力、垂直方向(Y方向)には弱い発散力が作用する後段
の発散レンズDLが出来ることになる。そして、、大口径
電子レンズLEL全体としては、水平方向(X方向)に弱
い集束が、垂直方向(Y方向)に強い集束が働くように
している。
細長いビーム通過口(63)があるので、第7グリッドか
ら浸透する高圧電界はビーム通過口(63)によって歪
み、水平方向(X方向)には弱い集束力、垂直方向(Y
方向)には強い集束力が作用する前段の集束レンズCLが
出来ることになる。一方、第7グリッドG7の円筒電極内
部には垂直方向に細長いビーム通過口(73)があるの
で、第6グリッドから浸透する低圧電界はビーム通過口
(73)によって歪み、水平方向(X方向)には強い発散
力、垂直方向(Y方向)には弱い発散力が作用する後段
の発散レンズDLが出来ることになる。そして、、大口径
電子レンズLEL全体としては、水平方向(X方向)に弱
い集束が、垂直方向(Y方向)に強い集束が働くように
している。
即ち、共通大口径非対称レンズを形造っている。ここ
で実施例における集中および集束特性について説明す
る。
で実施例における集中および集束特性について説明す
る。
共通大口径レンズLELに入射する3本の電子ビーム
は、その軸が相互に平行であるから、大口径レンズLEL
の水平方向の弱い集束力を受けて、スクリーン上に良好
に集中する。
は、その軸が相互に平行であるから、大口径レンズLEL
の水平方向の弱い集束力を受けて、スクリーン上に良好
に集中する。
これは、第10図で示すように共通大口径レンズLELの
水平方向の集束力が弱い場合には、スクリーン上で3ビ
ームが過集中することと対照的である。
水平方向の集束力が弱い場合には、スクリーン上で3ビ
ームが過集中することと対照的である。
電子ビームの集束特性について説明する。
四極子レンズQELを通過する電子ビームはここを通過
する間に水平方向には僅かながら集束作用を受け、垂直
方向には発散作用を受ける。そして、大口径レンズLEL
では水平方向には弱いながら集束作用を受け、さらに垂
直方向には強く集束作用を受けるのでスクリーン上では
良好に集束したビームとなる。
する間に水平方向には僅かながら集束作用を受け、垂直
方向には発散作用を受ける。そして、大口径レンズLEL
では水平方向には弱いながら集束作用を受け、さらに垂
直方向には強く集束作用を受けるのでスクリーン上では
良好に集束したビームとなる。
また、3本の電子ビームに対しては、大口径レンズLE
Lでは中央の電子ビームよりも両側の電子ビームのほう
が、水平方向に強い集束作用を受ける。このため、前に
述べたように四極子レンズQELにおいて中央の電子ビー
ムを両側の電子ビームよりも強く集束している。これに
より、スクリーン上においては、3電子ビームとも同時
に良好に集束される。
Lでは中央の電子ビームよりも両側の電子ビームのほう
が、水平方向に強い集束作用を受ける。このため、前に
述べたように四極子レンズQELにおいて中央の電子ビー
ムを両側の電子ビームよりも強く集束している。これに
より、スクリーン上においては、3電子ビームとも同時
に良好に集束される。
前記実施例の詳細な仕様は例えば以下のようになって
いる。
いる。
カソード間隔 Sg=4.92mm 各電極の開孔径 G1φ,G2φ=0.62mm G3φ,G4φ,G5φ,G6Bφ=4.52mm G6Tφ=D6=25.0mm G7φ=D7=28.0mm 各電極の長さ G3=6.2mm G4=2.0mm G5=35.4mm G6=30.0mm 電極(20)〜(23)=4mm 電極(24),(25)間距離 VG=4.0mm VRB=5.0mm また、前記実施例では、共通大口径非対称レンズLEL
へ入射する独立した3本の電子ビームの各々を水平方向
断面で略平行に、垂直平行断面で発散系とするために第
5グリッドG5と第6グリッドG6の間に非対称レンズQEL
を設けているが、本発明はこれに限らず前述したよう
に、第4グリッドG4部に非対称レンズを作ることもでき
るし、或いは電子ビーム形成部において非対称レンズを
作り、各電子ビームの水平方向断面を略平行ビームとす
ることもできる。
へ入射する独立した3本の電子ビームの各々を水平方向
断面で略平行に、垂直平行断面で発散系とするために第
5グリッドG5と第6グリッドG6の間に非対称レンズQEL
を設けているが、本発明はこれに限らず前述したよう
に、第4グリッドG4部に非対称レンズを作ることもでき
るし、或いは電子ビーム形成部において非対称レンズを
作り、各電子ビームの水平方向断面を略平行ビームとす
ることもできる。
以上述べたように、本発明のカラー受像管装置によれ
ば、共通大口径電子レンズの性能を充分に発揮させて、
この共通大口径電子レンズによりカソードから発生した
平行な3本の電子ビームをそれぞれ同時に最適集束状態
ならびに最適集中状態でスクリーン面上に集束させるこ
とができる。
ば、共通大口径電子レンズの性能を充分に発揮させて、
この共通大口径電子レンズによりカソードから発生した
平行な3本の電子ビームをそれぞれ同時に最適集束状態
ならびに最適集中状態でスクリーン面上に集束させるこ
とができる。
したがって、スクリーン面上で非常に小さいビームス
ポットを実現することができ、画像性能の向上されたカ
ラー受像管装置を得ることができる。
ポットを実現することができ、画像性能の向上されたカ
ラー受像管装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明を実施したカラー受像管装置の要部X−
Z断面図、第2図は本発明を実施したカラー受像管装置
の要部Y−Z断面図、第3図は本発明の四極子レンズを
形成するための電極を示す正面図、第4図および第5図
は第1図および第2図に対応する光学的等価図、第6図
は本発明の大口径電子レンズを説明する模式図、第7図
は本発明の大口径非対称レンズを形成するための電極を
示す図、第8図は一般的なカラー受像管装置の概略断面
図、第9図および第10図は従来技術の説明のための光学
的等価図である。 1……カラー受像管装置図 100……電子銃部 7……偏向装置 2……スクリーン GE……電子ビーム形成部 ML1……主電子レンズ部 QEL……非対称レンズ LEL……共通大口径レンズ
Z断面図、第2図は本発明を実施したカラー受像管装置
の要部Y−Z断面図、第3図は本発明の四極子レンズを
形成するための電極を示す正面図、第4図および第5図
は第1図および第2図に対応する光学的等価図、第6図
は本発明の大口径電子レンズを説明する模式図、第7図
は本発明の大口径非対称レンズを形成するための電極を
示す図、第8図は一般的なカラー受像管装置の概略断面
図、第9図および第10図は従来技術の説明のための光学
的等価図である。 1……カラー受像管装置図 100……電子銃部 7……偏向装置 2……スクリーン GE……電子ビーム形成部 ML1……主電子レンズ部 QEL……非対称レンズ LEL……共通大口径レンズ
フロントページの続き (72)発明者 下河邊 慈郎 埼玉県深谷市幡羅町1―9―2 株式会 社東芝深谷ブラウン管工場内 (56)参考文献 特開 平1−267939(JP,A) 特開 昭61−188838(JP,A) 特開 昭53−69(JP,A) 特開 昭61−250933(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】インライン形電子銃部、偏向部、およびス
クリーン部を備え、前記電子銃から発射される電子ビー
ムを偏向部により垂直方向および水平方向に偏向走査す
るカラー受像管装置において、前記電子銃部は3本の電
子ビームを発生、加速、制御する電子ビーム形成部と、
この電子ビームを集束、集中させる主電子レンズ部とを
備え、この主電子レンズ部には、3本の電子ビームに共
通に作用し且つ電子ビームに作用する水平方向の集束力
よりも垂直方向の集束力の方が強くされた大口径非対称
電子レンズを有し、この非対称電子レンズは、3本の電
子ビームに対して共通な円筒電子レンズと、この円筒電
子レンズのレンズ領域内にあって、3電子ビームを共通
に通過させる非円形ビーム通過口を有し、前記大口径非
対称電子レンズの前段にはこの大口径非対称電子レンズ
に入射する3本の電子ビーム軸が、相互に平行であり、
個々の電子ビームが水平方向よりも垂直方向に強く発散
し、且つ中央の電子ビームが両側の電子ビームよりも水
平方向に強く集束する電子ビームとからなるビーム形成
手段を有することを特徴とするカラー受像管装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19608588A JP2685822B2 (ja) | 1988-08-08 | 1988-08-08 | カラー受像管装置 |
KR1019890005236A KR910009989B1 (ko) | 1988-04-20 | 1989-04-19 | 칼라 수상관 장치 |
EP89107165A EP0338570B1 (en) | 1988-04-20 | 1989-04-20 | Improvement in an electron gun assembly for a color cathode ray tube |
DE68927720T DE68927720T2 (de) | 1988-04-20 | 1989-04-20 | Elektronenkanone für eine Farbbildröhre |
US07/707,923 US5162695A (en) | 1988-04-20 | 1991-05-28 | Electron gun assembly for a color cathode ray tube |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19608588A JP2685822B2 (ja) | 1988-08-08 | 1988-08-08 | カラー受像管装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0246632A JPH0246632A (ja) | 1990-02-16 |
JP2685822B2 true JP2685822B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=16351960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19608588A Expired - Fee Related JP2685822B2 (ja) | 1988-04-20 | 1988-08-08 | カラー受像管装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685822B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11219667A (ja) * | 1998-01-30 | 1999-08-10 | Hitachi Ltd | カラー陰極線管 |
-
1988
- 1988-08-08 JP JP19608588A patent/JP2685822B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0246632A (ja) | 1990-02-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |