JPH0636704A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

Info

Publication number
JPH0636704A
JPH0636704A JP18946592A JP18946592A JPH0636704A JP H0636704 A JPH0636704 A JP H0636704A JP 18946592 A JP18946592 A JP 18946592A JP 18946592 A JP18946592 A JP 18946592A JP H0636704 A JPH0636704 A JP H0636704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
electrode
ray tube
cathode ray
electron gun
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18946592A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Misono
正義 御園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP18946592A priority Critical patent/JPH0636704A/ja
Publication of JPH0636704A publication Critical patent/JPH0636704A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】ダイナミックフォーカス電圧を供給することな
く画面全域、かつ全電流域で良好な解像度を得る。 【構成】電子銃の陽極に偏向角に応じて蛍光膜上での電
子ビームの収束を制御する収束制御電極39を設けると
共に、主レンズを偏向ヨークの磁界領域内に位置させ
る。 【効果】ダイナミックフォーカス電圧の印加なしに画面
全域で良好なフォーカス特性が得られ、かつ陰極線管の
軸方向寸法を大幅に短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管に係り、特に蛍
光面の全域でしかも電子ビームの全電流域においてフォ
ーカス特性を向上させて良好な解像度を得ることのでき
る電子銃を備えた陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の電極から成る電子銃と偏向装置お
よび蛍光面(蛍光膜を有する画面、以下蛍光膜あるいは
単に画面ともいう)を少なくとも備える陰極線管におい
て、該蛍光面の中心部から周辺部にわたって良好な再生
画像を得るための手段としては従来から次のような技術
が知られている。
【0003】例えば、集束レンズを形成する電極(第2
電極と第3電極)の領域内に非点収差レンズを設けたも
の(特開昭53−18866号公報)、インライン3ビ
ーム電子銃の第1電極と第2電極の電子ビーム通過孔を
縦長とし、それら各電極形状を異ならせたり、センター
電子銃の縦横比をサイド電子銃のそれより小さくしたも
の(特開昭51−64368号公報)、インライン配列
電子銃の第3電極の陰極側に形成したスリットにより非
回転対称レンズを形成し、スリットの電子銃軸方向の深
さをセンタービームの方がサイドビームよりも深くした
少なくとも1個所の非回転対称レンズを介して蛍光面に
電子ビームを射突させるもの(特開昭60−81736
号公報)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】陰極線管におけるフォ
ーカス特性の要求は、画面の全域でしかも電子ビームの
全電流域での解像度が良好で、かつ低電流域ではモアレ
の発生がなく、さらに全電流域での画面全体の解像度の
均一さである。このような複数の特性を同時に満足させ
る電子銃の設計は高度な技術を要する。
【0005】本発明者等の研究によれば、陰極線管に上
記諸特性を兼備させるためには、非点収差付のレンズと
大口径主レンズの組み合わせをもった電子銃を設けるこ
とが不可欠であることが分かった。しかし、上記従来技
術においては、電子銃に非点収差レンズや非回転対称レ
ンズを発生させる電極を用いて画面全域にわたって良好
な解像度を得るためには電子銃の集束電極にダイナミッ
クなフォーカス電圧を印加する等の必要があり、複数の
非点収差レンズを用いてその相乗効果を利用すること
や、非回転対称レンズを形成する電極の数を増加させ各
々の電極の特性の複合作用で総合的なフォーカス特性を
改善し、画面全域で良好な解像度を有する再生画像を得
ることについては考慮されていない。
【0006】更に、上記従来技術においては、偏向磁界
中に位置して電子ビ−ムの偏向角に応じて、電子ビ−ム
の集束状態が変化する構造を持つ電極を設置することに
より画面全域で良好な解像度を有する再生画像を得るこ
とについても考慮されていない。図62は陰極線管用電
子銃の一例であるEA−UB型電子銃の全体側面図、図
63はその要部部分断面図であって、陰極K側から第1
電極1(G1),第2電極2(G2),第3電極3(G
3),第4電極4(G4),第5電極5(G5),第6
電極6(G6)を備えた電子銃である。なお、第5電極
5(G5)は2つの電極51,52で行使されている。
【0007】同各図において、各電極の長さ,電子ビー
ム通過孔の口径等による電界の電子ビームに与える影響
は全て異なる。例えば、陰極Kに近い第1電極1の電子
ビーム通過孔の形状は小電流域の電子ビームのスポット
形状を左右するが、第2電極2の電子ビーム通過孔の形
状は小電流域から大電流域までの電子ビームのスポット
形状を左右する。
【0008】更に第6電極6に陽極電圧を供給して第5
電極5と第6電極6の間に主レンズを形成するものにお
いては、主レンズを構成する第5電極5と第6電極6の
電子ビーム通過孔の形状は大電流域での電子ビームスポ
ット形状には大きな影響を与えるが、小電流域での電子
ビームスポット形状に与える影響は上記大電流域に比較
して小さい。
【0009】さらに、上記電子銃の第4電極4の管軸方
向の長さは最適フォーカス電圧の大きさに影響し、かつ
小電流時と大電流時での各々の最適フォーカス電圧の差
に著しい影響を与えるが、第5電極5の管軸方向の長さ
変化による影響は第4電極4に比較して著しく小さい。
したがって、電子ビームのもつ各々の特性値を最適化す
るためには、各々の特性に最も効果的に作用する電極の
構造を適正化する必要がある。
【0010】また、陰極線管の電子ビーム走査方向と直
角方向の解像度を増すため、電子ビーム走査方向と直角
方向のシャドウマスクピッチを小さくしたり、電子ビー
ム走査線の密度を大きくした場合、特に電子ビームの小
電流域では電子ビームとシャドウマスクとの間で光学的
な干渉が生じるため、モアレコントラストを適正化する
必要がある。しかし、従来の技術では、上記した様々な
問題点を克服することができなかった。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行う
ことなく画面全域でしかも電子ビーム全電流域において
フォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ることが
できると共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を
備えた電子銃を備えた陰極線管を提供することにある。
【0012】例えば、図64はフォーカス電圧の与え方
による電子銃の構造比較のための要部断面模式図であっ
て、(a)はフォーカス電圧固定方式、(b)ダイナミ
ックフォーカス電圧方式を示す。同図(a)のフォーカ
ス電圧固定方式電子銃の電極構成は前記図62,図63
に示したものと同じであり同一作用部分は同一符号を付
してある。
【0013】上記(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃では、その第5電極5を構成する電極52と52には
同一電位のフォーカス電圧Vf1が印加される。一方、
(b)のダイナミックフォーカス電圧方式電子銃では、
2つの電極51,52で構成されている第5電極5(G
5)のそれぞれに異なるフォ−カス電位が供給される。
特に片方の電極52にはダイナミックフォーカス電圧d
f が供給される。更に、このダイナミックフォーカス
電圧方式電子銃では43で示したように他の電極内に入
り組んだ部分も有り(a)に示した電子銃に比べて構造
が複雑で部品のコストが高く、かつ電子銃として組み立
てる場合の作業性が劣るという欠点がある。
【0014】図65は上記図64に示した電子銃に供給
するフォ−カス電位の説明図であって、(a)はフォー
カス電圧固定方式の電子銃におけるフォーカス電圧波
形、(b)はダイナミックフォーカス電圧方式の電子銃
におけるフォーカス電圧の波形図である。同図(b)で
は固定のフォーカス電圧Vf1があり、更に別の固定のフ
ォーカス電圧Vf20にダイナミックフォーカス電圧Vf2
を重畳した波形の電圧を用いている。このために、図6
4(b)に示したダイナミックフォーカス電圧方式の電
子銃では陰極線管のステムのダイナミックフォーカス供
給用ピンが2本必要になり、他のステムピンからの絶縁
に(a)のフォーカス固定方式電子銃以上の注意が必要
になる。このことは、テレビセットに組み込むためのソ
ケットも特別な構造が必要と成り、2系統の固定のフォ
ーカス電源に加えて、更にダイナミックフォーカス電圧
発生回路、テレビセットの組立ラインでのフォーカス電
圧調整に時間を要するなどの問題が有る。
【0015】本発明の他の目的は、上記従来技術の問題
点を解消し、特にダイナミックフォーカス電圧の電圧値
が低くても画面全域でしかも電子ビーム全電流域におい
てフォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ること
ができる構成を備えた電子銃を備えた陰極線管を提供す
ることにある。本発明の更に他の目的は、陰極線管の蛍
光面と電子銃の主収束レンズ間で作用する電子ビ−ムの
空間電荷反発によるフォーカス特性低下を軽減する陰極
線管を提供することにある。
【0016】陰極線管では電子ビ−ムの最大偏向角はほ
ぼ決まっているので、蛍光面のサイズが大形化するほど
蛍光面と電子銃の主収束レンズ間の距離が伸び此の領域
で作用する電子ビ−ムの空間電荷反発によるフォーカス
特性低下を助長する。従って、空間電荷反発によるフォ
ーカス特性低下を軽減する手段があれば蛍光面のサイズ
を縮小したような細い電子ビ−ムを得られるので陰極線
管の解像度は向上する。
【0017】本発明の更にまた他の目的は、上記フォー
カス特性を向上させると同時に、陰極線管の全長を短縮
できる電子銃およびこの電子銃を備えた陰極線管を提供
することにある。現行テレビセットの奥行き寸法は陰極
線管の全長に依存しているがテレビセットを家具と考え
るとその奥行きは短いのが好ましい。更にテレビセット
メ−カなどが沢山のテレビセットを搬送する場合セット
の奥行きの短いのは輸送効率上好ましい。
【0018】上記従来技術においては、陰極線管の管軸
長を短縮することによる陰極線管のネック部における電
子ビ−ム偏向磁界発生構体取付け部の温度上昇抑制につ
いては考慮されていない。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数の電極から成る電子銃と偏向装置お
よび蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、前記
電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビーム偏
向磁界領域に位置して前記電子ビームを特定方向に集束
する収束制御電極を備えたことを特徴とする。
【0020】また、本発明は、前記電子銃の主レンズを
前記偏向装置により形成される電子ビーム偏向磁界領域
に配置すると共に、前記偏向装置により形成される電子
ビーム偏向磁界領域に位置して前記電子ビームを特定方
向に集束する収束制御電極を備えたことを特徴とする。
本発明は、さらに次のような構成を備えた陰極線管とし
たことを特徴とする。 (1)陰極線管の偏向磁界中に位置して、偏向される電
子ビ−ムがその軌道を変化するとき、当該偏向角に応じ
て電子ビ−ムの集束作用が変化する構造の電極をもつ電
子銃を備えたこと。 (2)上記(1)において、電子ビ−ムが画面中央に位
置するとき非点収差を緩和する電極構造を持つ電子銃を
備えたこと。 (3)上記(1)(2)において、当該偏向角に応じて
電子ビ−ムの集束作用が変化する構造の電極の一部に電
子銃の陽極電圧を供給する構造としたこと。 (4)上記(1)(2)において、当該偏向角に応じて
電子ビ−ムの集束作用が変化する構造の電極の少なくと
も一部に電子銃の陽極電圧以外の電圧を供給する構造と
したこと。 (5)上記(4)において、当該偏向角に応じて電子ビ
−ムの集束作用が変化する構造の電極の少なくとも一部
に電子銃の陽極電圧以外の電圧を供給するために必要な
電圧を陰極線管内で発生させる構造としたこと。 (6)上記(5)において、当該偏向角に応じて電子ビ
−ムの集束作用が変化する構造の電極の少なくとも一部
に電子銃の陽極電圧以外の電圧を供給するために必要な
電圧を陰極線管内で発生させるの手段として、陰極線管
内に設置した電気抵抗体の分電圧を用いる構造としたこ
と。 (7)上記(1)〜(6)において、電子銃の主集束レ
ンズを陰極線管の蛍光面に近い位置に設置する構造とし
たこと。 (8)上記(1)〜(7)において、電子銃の集束電極
にダイナミックなフォ−カス電圧を印加することで達成
される。 (9)上記(1)〜(8)において、陰極線管のネック
部の偏向磁界発生構体を、その取付け部の温度上昇を緩
和する構造としたこと。 (10)上記(1)〜(9)において、陰極線管の陰極
加熱構体の消費電力を低減する構造としたこと。 (11)上記(1)〜(10)において、電子銃を構成
する複数の電極に、螢光面の中央部での大電流域の電子
ビームスポットの形状が略円形または略矩形で、かつ電
子ビームの特定走査方向,例えば水平走査方向に作用す
る適正フォーカス電圧の方がこの走査方向と直角方向,
例えば垂直走査方向に作用する適正フォーカス電圧より
高いフォーカス特性を有する静電レンズを形成する電極
と、上記螢光面中央部での小電流域の電子ビームスポッ
トの形状が略円形または略矩形、もしくは水平走査方向
径よりこの走査方向と直角方向(垂直走査方向)径を大
とし、かつ水平走査方向に作用する適正フォーカス電圧
の方が垂直走査方向に作用する適正フォーカス電圧より
高いフォーカス特性を有する静電レンズを形成する電極
とを具備させたこと。 (12)例えば、陰極側から第1電極,第2電極,第3
電極,第4電極,第5電極,第6電極の順で配置し、少
なくとも第2電極と第4電極に制御電圧を印加し、かつ
少なくとも第3電極と第5電極にフォーカス電圧を印加
する形式の電子銃,所謂U−B型電子銃(UPF−BP
Fハイブリッド型電子銃)では、その複数の電極の少な
くとも2箇所に非回転対称電界を発生する構造を付与し
たこと。 (13)上記(12)において、陰極に近い電極(例え
ば第1電極,第2電極)のうち少なくとも1箇所の電子
ビーム通過孔の形状を、電子ビーム走査方向と直角方向
(例えば垂直走査方向)径を電子ビーム走査方向(水平
走査方向)径以下として、特に小電流域においてなお一
層のフォーカス特性を向上させた構造としたこと。 (14)上記(12)または(13)において、第1電
極の電子ビーム通過孔径の縮小に伴う陰極へのローディ
ングの増加を軽減する必要がある場合は、第1電極の電
子ビーム通過孔の垂直走査方向径を小さくした分、水平
走査方向径を大きくして電子ビーム通過孔の開口面積を
減少させない構造としたこと。
【0021】上記した偏向される電子ビ−ムがその軌道
を変化するとき、当該偏向角に応じて電子ビ−ムの集束
作用が変化する構造の電極を、以下収束制御電極とい
う。
【0022】
【作用】上記構成とした本発明の陰極線管においては、 (1)偏向磁界中に位置して電子ビ−ムが偏向されてそ
の軌道が変化するとき偏向角に応じて電子ビ−ムの集束
作用が変化する構造の電極を構成することにより、螢光
面の全域で適正な電子ビ−ムの集束作用が可能になり螢
光面の全域で解像度が良好な特性を得られる。 (2)偏向磁界中に位置して電子ビ−ムが偏向されてそ
の軌道が変化するとき偏向角に応じて電子ビ−ムの集束
作用が変化する構造の電極に陽極電圧を印加すること
で、偏向により当該電極に接近した電子ビ−ムの集束作
用を緩和して蛍光面の中央から離れた位置でも適切な電
子ビ−ムの集束作用を得ることが可能になる。 (3)偏向磁界中に位置して電子ビ−ムが偏向されてそ
の軌道が変化するとき偏向角に応じて電子ビ−ムの集束
作用が変化する構造の電極の一部に陽極電圧以外の電圧
をを印加することで、偏向により当該電極に接近した電
子ビ−ムの集束作用を加速して、特定方向に生じる偏向
磁界に依る電子ビ−ムの集束緩和作用を抑制することで
蛍光面の中央から離れた位置でも適切な電子ビ−ムの集
束作用を得ることが可能になる。 (4)上記陽極電圧以外の電圧は陰極線管の内部でも発
生させることも出来、例えば陰極線管の内部に抵抗値の
大きな電気抵抗体を設置し、その一端を陽極に、他端を
接地等の電位に接続して、その中間部の適当な位置から
所要の電圧を取り出すことで必要な電圧を得ることが出
来る。 (5)電子銃内部で電子ビ−ムの径が最大となる場所は
主集束レンズ付近である。陰極線管において、特にイン
ライン型カラ−受像管やカラ−表示管などでは、一般に
コンバ−ゼンス調整の簡便化から電子ビ−ムの偏向磁界
は非斉一である。このような場合、偏向磁界による電子
ビ−ムの歪みを抑制するために主集束レンズは可能な限
り偏向磁界発生部より離した方が良いため、通常、偏向
磁界発生部は電子銃の主集束レンズよりも蛍光面に近い
位置に設置する。
【0023】一方、電子銃の陰極から主集束レンズ間の
長さは、電子銃の像倍率を縮小して蛍光面上のビ−ムス
ポット径を小さくするためには、長い方が良い。従って
これらの2つの作用に対応した解像度の良い陰極線管は
必然的に管軸長が長くなる。しかし、本発明により、電
子銃の陰極から主集束レンズまでの間の長さを変化させ
ない状態で主集束レンズの位置を蛍光面に近付けること
で、電子銃の像倍率は更に縮小して蛍光面上の電子ビ−
ムスポット径を更に小さく出来、同時に管軸長も短縮で
きる。 (6)主集束レンズの位置が蛍光面に近付くことによ
り、電子ビ−ム中の空間電荷の反発の持続する時間が短
縮されるので、蛍光面上のビ−ムスポット径を更に小さ
く出来る。
【0024】此の状態では主集束レンズ中の電子ビ−ム
は、偏向磁界発生部に近づくか、偏向磁界発生部の中に
入ってしまうので、偏向磁界により歪み易くなるが上記
偏向角に応じて集束作用が変化する本発明による電極構
造の作用で上記歪みは抑制される。 (7)電子ビ−ムスポットが蛍光面の中央に位置する時
は偏向磁界の影響を受けないので、偏向磁界による歪み
対策は不要になるため電子銃のレンズ作用は回転対象の
集束系となり、蛍光面上での電子ビ−ムスポット径をよ
り小さくすることが出来る。 (8)電子銃の集束電極にダイナミックなフォ−カス電
圧を印加することでより一層螢光面の全域で適正な電子
ビ−ムの集束作用が可能になり螢光面の全域で解像度が
良好な特性を得られるが、偏向磁界中に位置して電子ビ
−ムが偏向されてその軌道が変化するとき偏向角に応じ
て電子ビ−ムの集束作用が変化する本発明による電極構
造との組合せにより、必要なダイナミックフォ−カス電
圧を低くすることが可能になる。 (9)電子銃を構成する複数の電極で構成される複数の
静電レンズの作る電界の少なくとも2つを非回転対称電
界とすることにより、螢光面の画面中央部の大電流域で
の電子ビームスポットの形状を略円形または略矩形と
し、かつ電子ビーム走査方向に作用する適正フォーカス
電圧が走査方向と直角方向に作用する適正フォーカス電
圧より高いフォーカス特性を有する静電レンズと、上記
螢光面中央部での小電流域の電子ビームスポットの走査
方向径より走査方向と直角方向の径を走査方向と直角方
向のシャドウマスクピッチや走査線密度に適合させ、か
つ走査方向に作用する適正フォーカス電圧が走査方向と
直角方向に作用する適正フォーカス電圧より高いフォー
カス特性を有する静電レンズが形成され、これらの非回
転対称電界によるレンズは電子ビームを螢光面の画面上
の全域でしかも全電流域においてモアレのない良好なフ
ォーカス特性をもたらす。
【0025】なお、本発明において使用している「非回
転対称」とは、円の如く回転中心から等距離の点の軌跡
で表されるもの以外を意味する。たとえば「非回転対
称」のビームスポットとは非円形のビームスポットのこ
とである。次に、本発明による電子銃を用いたことによ
る陰極線管のフォーカス特性と解像度が向上されるメカ
ニズムを説明する。
【0026】図51はインライン型電子銃を備えたシャ
ドウマスク方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図
であって、7はネック、8はファンネル、9はネック7
に収納した電子銃、10は電子ビーム、11は偏向ヨー
ク、12はシャドウマスク、13は螢光膜、14はパネ
ル(画面)である。同図において、この種の陰極線管
は、電子銃9から発射された電子ビーム10を偏向ヨー
ク11で水平と垂直の方向に偏向させながらシャドウマ
スク12を通過させて螢光膜13を発光させ、この発光
によるパターンをパネル14側から画像として観察する
ものである。
【0027】図52は画面の中央部で円形となる電子ビ
ームスポットで画面の周囲を発光させた場合の電子ビー
ムスポットの説明図であって、14は画面、15は画面
中央部でのビームスポット、16は画面の水平方向(X
−X方向)端でのビームスポット、17はハロー、18
は画面垂直方向(Y−Y方向)端でのビームスポット、
19は画面対角方向(コーナ部)端でのビームスポット
を示す。
【0028】また、図53は陰極線管の偏向磁界分布の
説明図であって、Hは水平偏向磁界分布、Vは垂直偏向
磁界分布を示す。最近のカラー陰極線管では、コンバー
ゼンス調整を簡略化するために図53に示したように水
平偏向磁界Hをピンクッション形、垂直磁界Vをバレル
形の非斉一磁界分布を用いている。
【0029】このような磁界分布のためと、螢光面(画
面)中央部とその周囲とでは電子ビーム10の軌道が異
なることのためと、かつ画面周辺部では電子ビーム10
は螢光膜13に対して斜めに射突するために、画面の周
辺部では電子ビーム10による発光スポットの形状は円
形ではなくなる。図52に示したように、水平方向端に
おけるビームスポット16は中央部でのスポット15が
円形であるのに対し横長となり、かつハロー17が発生
する。このため、水平方向端のビームスポット16の大
きさが大となり、かつハロ−17の発生でスポット16
の輪郭が不明瞭となって解像度が劣化し画像品質を著し
く低下させてしまう。
【0030】さらに、電子ビーム10の電流が少ない場
合は、電子ビーム10の垂直方向の径が過剰に縮小して
シャドウマスク12の垂直方向のピッチと光学的に干渉
を起こし、モアレ現象を呈すると共に、画質の低下をも
たらす。また、画面垂直方向端におけるスポット18
は、垂直方向の偏向磁界によって電子ビーム10が上下
方向(垂直方向)に集束されて横つぶれの形状となると
共にハロー17が発生して画質の低下をもたらす。
【0031】画面のコーナ部での電子ビームスポット1
9は、上記スポット16のように横長となるのと、上記
スポット18のように横つぶれになるのとが相乗的に作
用するのに加え、電子ビーム10の回転が生じ、ハロー
17の発生はもとより、発光スポット径自身も大きくな
って、著しく画質の低下をもたらす。図54は上記した
電子ビームスポット形状の変形を説明する電子銃の電子
光学系の模式図であって、理解を容易にするために上記
系を光学系に置き換えてある。
【0032】同図では、図の上半分を画面の垂直方向
(Y−Y)断面、下半分を画面の水平方向(X−X)断
面を示す。そして、20,21はプリフォーカスレン
ズ、22は前段主レンズ、23は主レンズであり、これ
らのレンズで図51の電子銃9に相当する電子光学系を
構成する。また、24は垂直偏向磁界により生じるレン
ズ、25は水平偏向磁界により生じるレンズと偏向によ
る電子ビームが蛍光膜13に対して斜めに射突すること
により見掛け上水平方向に引き延ばされるのを等価的な
レンズとして表したものである。
【0033】先ず、陰極Kから発射される画面の垂直方
向断面の電子ビーム27はプリフォーカスレンズ20と
21の間で陰極Kから距離l1 のところでクロスオーバ
Pを形成後、前段主レンズ22と主レンズ23で蛍光膜
13に向けて集束される。偏向が零である画面中央部で
は軌道28を通って蛍光膜13に射突するが、画面周辺
部では垂直偏向磁界により生じるレンズ24の作用で軌
道29を通って横つぶれのビームスポットとなる。さら
に、主レンズ23には球面収差があるので、一部の電子
ビームは軌道30で示すように、蛍光膜13に達する前
に焦点を結んでしまう。これが前記図52に示したよう
な画面垂直方向端のビームスポット18のハロー17や
コーナ部のビームスポット19のハロー17が発生する
理由である。
【0034】一方、陰極Kから発射された画面の水平方
向断面の電子ビーム31は上記垂直方向断面の電子ビー
ム27と同様に、プリフォーカスレンズ20,21、前
段主レンズ22,主レンズ23により集束され、偏向磁
界の作用が零である画面中央部では軌道32を通って蛍
光膜13に射突する。偏向磁界が作用する領域でも水平
偏向磁界によるレンズ25の発散作用のために軌道33
を通って横長のスポット形状となるが、水平方向にハロ
ーが発生することはない。
【0035】ただし、画面中央部に比較して主レンズ2
3と蛍光膜13との間の距離が大きくなるため垂直方向
の偏向作用のない図18の水平方向端部16においても
垂直方向の断面では蛍光膜13に到達する以前に一部の
電子ビームは焦点を結ぶため、ハロー17が発生する。
このように、電子銃のレンズ系を、水平方向,垂直方向
共に同一な系となる構造とした回転対称のレンズ系にお
いて画面中央部での電子ビームのスポット形状を円形に
すると、画面周辺部での電子ビームのスポット形状は歪
んでしまい、画質を著しく低下させる。
【0036】図55は図54で説明した画面周辺部での
画質の低下を抑制する手段の説明図であって、図54と
同一符号は同一部分に対応する。同図に示したように、
画面の垂直方向(Y−Y)断面での主レンズ23−1の
集束作用を水平方向(X−X)断面での主レンズ23よ
り弱くする。これにより、電子ビームの軌道は垂直偏向
磁界により生じるレンズ24を通過した後でも図示の軌
道29に示したようになり、図52で説明したような極
端な横つぶれは発生せず、またハローも生じ難くなる。
しかし、画面中央部での軌道28は電子ビームのスポッ
ト径を増す方向にシフトする。
【0037】図56は図55に示したレンズ系を用いた
場合の螢光面14の電子ビームスポット形状を説明する
模式図であって、水平方向端部のビームスポット16と
垂直方向端部のビームスポット18およびコーナ部のビ
ームスポット19、すなわち画面周辺部でのビームスポ
ットではハローが抑制されるので、これらの個所の解像
度は向上する。
【0038】しかし、画面中央部でのビームスポット1
5を見ると、垂直方向のスポット径dYは水平方向のス
ポット径dXより大きくなり、垂直方向の解像度は低下
する。したがって、主レンズ23の画面垂直方向と水平
方向の集束効果が異なった構造とした非回転対称電界系
にすることでは、画面全体の解像度を同時に向上させる
という目的からは根本的解決策とはならない。
【0039】図57は主レンズ23のレンズ強度を非回
転対称とする代わりにプリフォーカスレンズ21の水平
方向(X−X)レンズ強度を強化した電子銃の電子光学
系の模式図であって、クロスオーバ点Pの像を発散させ
る水平方向プリフォーカスレンズ21−1の強度を垂直
方向プリフォーカスレンズ21のそれより大きくし、電
子ビーム31の前段主レンズ22への入射角を増し、主
レンズ23を通過する電子ビームの径を大きくすること
によって、蛍光膜13での水平方向での電子ビームスポ
ット径を小さくすることができる。しかし、画面垂直方
向の電子ビーム軌道は図54に示したものと同様である
のでハロー28の抑制効果はない。
【0040】図58は上記図56の構成にハローの抑制
効果を付加した電子銃の電子光学系の模式図であって、
前段主レンズを22−1に示したように垂直方向(Y−
Y)のレンズ強度を増すことにより、主レンズ23の垂
直方向の電子ビーム軌道が光軸に接近して、焦点深度の
深い結像系となり、ハロー28は目立たなくなって解像
度が向上する。
【0041】図59は上記図58に示した構成のレンズ
系を用いたときの画面14上での電子ビームのスポット
形状を説明する模式図であって、ビームスポット15,
16,18,19に示されたように画面全域にわたって
ハローのない良好な解像度が得られる様子が分かる。以
上は、電子ビームの電流量が比較的大きな場合(大電流
域)の電子ビームスポット形状の説明である。しかし、
電子ビームの電流量が少ない場合(小電流域)では、電
子ビームの軌道は結像系の近軸のみを通過するので、口
径の大きいレンズ21,22,23の水平方向と垂直方
向のレンズ強度の差の影響は少なく、図59に34,3
5,36,37で示したように、ビームスポットは画面
中央部では円形(34)で、画面周辺部では横長(3
5)あるいは斜長(37)となってモアレ発生の原因に
なり、ビームスポット径の横方向径(水平方向径)の増
加により解像度が低下する。
【0042】この対策としては、レンズ口径が小さく、
レンズ強度の非回転対称性が結像系の近軸付近まで影響
する部位のレンズでの対処が必要になる。図60は小電
流時での電子ビームの軌道を説明する電子銃光学系の模
式図であって、この場合は、陰極Kからクロスオーバ点
Pまでの距離l2 は、図54の同距離l1より陰極Kの
近くになる。
【0043】図61はプリフォーカスレンズの内の発散
レンズ側の画面垂直方向(Y−Y)のレンズ強度を大き
くした場合の電子銃の光学系を示す模式図であって、プ
リフォーカスレンズ20を構成する発散レンズの垂直方
向強度を増すことで、クロスオーバPの陰極Kからの距
離l3 は前記l2 よりも長くなる。このため、垂直方向
断面の電子ビーム27がプリフォーカスレンズ21に入
射する位置は図60の場合よりもさらに近軸となり、レ
ンズ21,22−1および23のレンズ効果は小さくな
って画面の垂直方向の焦点深度が深い結像系となる。
【0044】ただし、大電流時と小電流時の各レンズで
の影響は完全には独立しておらず、同図の垂直方向のプ
リフォーカスレンズ20−1のレンズ効果は大電流時の
電子ビームのスポット形状に影響するので、各レンズの
特性を活かして全体のバランスのとれた系にする必要が
ある。特に、主レンズの構造が異なったり、画質のどの
ような項目をより向上すべきか等は陰極線管の使途によ
り異なるので、非回転対称のレンズの位置および各々の
レンズ強度については一意的ではない。
【0045】また、上記のように、通常の陰極線管の使
途では、全電流域での解像度を向上させるためには、大
電流域と小電流域とで別の部位での非回転対称電界を形
成するレンズの設置が必要であり、また各レンズの非回
転対称性には電界強度の変化に限界があり、かつレンズ
部位に依っては非回転対称電界の強度を増すとビーム形
状が極端に歪んで、解像度の低下をもたらす原因とな
る。
【0046】以上は電子ビ−ムのスポットの変形による
フォ−カス特性の低下を抑制する一般的な手段である。
実際の電子銃ではこのような目的のために、前記したよ
うに、フォ−カス電圧を固定の状態で用いる方式のもの
と、陰極線管の画面上で電子ビ−ムの偏向角に応じてそ
の位置での最適フォ−カス電圧をダイナミックに供給す
る方式のものが有る。
【0047】上記2つの方式にはそれぞれ長所短所が有
る。フォ−カス電圧を固定の状態で用いる方式のもは電
子銃のコストが低くかつフォ−カス電圧を供給する電源
回路も簡単で、回路のコストが低い反面、非点収差補正
を行うために陰極線管の画面上での各位置でそれぞれ最
適フォ−カス状態にできるわけではないので、ビ−ムス
ポットの径は最適フォ−カス状態に比べて大きくなる。
【0048】一方、陰極線管の画面上で電子ビ−ムの偏
向角に応じてその位置での最適フォ−カス電圧をダイナ
ミックに供給する方式は、画面上の各点で良好なフォ−
カス特性が得られる反面、電子銃の構造およびフォ−カ
ス電圧を供給する電源回路も複雑になり、さらにテレビ
セットやディスプレイ端末の組立ラインでのフォ−カス
電圧の設定に時間を要するのでコストも上昇する。
【0049】本発明では上記2つの方式のそれぞれの長
所を併せ持ち、かつ短所を除いた電子銃を用いた陰極線
管を提供するものである。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明による陰極線管の1実
施例を説明する断面模式図であって、1は電子銃の第1
電極(G1)、2は第2電極(G2)、3は第3電極
(G3)でこの実施例ではフォ−カス電極である。4は
第4電極(G4)でこの実施例では陽極である。7は電
子銃を収納する陰極線管のネック部、8はファンネル
部、14はパネル部でこれら3つの組合せにより陰極線
管の真空外囲器を構成する。
【0051】また、10は電子銃から発射された電子ビ
−ムであり、シャドウマスク12の開口部を通過してパ
ネル14の内面に形成された蛍光膜13に射突して該蛍
光膜13を発光させ、陰極線管の画面上に表示を行う。
11は電子ビ−ム10を偏向させる偏向ヨ−クで、電子
ビ−ムを制御する映像信号に同期して磁界を発生させ電
子ビ−ム10の蛍光膜13への射突位置を制御する。
【0052】なお、38は電子銃の主レンズで、陰極K
から発射された電子ビ−ム10を第1電極(G1)1,
第2電極(G2)2,第3電極(G3)3を通過後、陽
極4との間に形成される主レンズ38の電界により電子
ビ−ム10を蛍光面13上に焦点を結ぶ作用をする。そ
して、39は偏向ヨ−ク11の磁界内に位置して、電子
ビ−ム10を偏向ヨ−ク11の磁界で偏向するとき、当
該偏向角に応じて電子ビ−ム10の収束状態を制御する
収束制御電極である。
【0053】この収束制御電極39は、陽極4に電気的
に接続かつ機械的に固定され、電子ビ−ム10の垂直方
向上下に各1、計2個の部分で構成されている。なお、
40は電子銃の電極をステムピン(図示せず)に接続す
るリードである。同図では、上記収束制御電極39を構
成する2個の部品の間隔は蛍光膜13側が陽極4側より
やや広くなっているが、実際には上記2個の部品の取付
け位置,蛍光膜13に向かって延びる長さ,偏向磁界の
分布,上記2個の部品間を通過するときの電子ビ−ムの
径,陰極線管の最大偏向角などの組合せで決まるので,
その広がりの程度は一意的ではない。
【0054】図示されたように、本実施例では、電子銃
の主レンズ38は偏向ヨーク11の偏向磁界内で、該偏
向ヨーク取付け位置より蛍光膜13側に寄った位置にあ
るごとく示しているが、この主レンズ38は偏向ヨーク
の磁界領域内であれば図示された位置に限るものではな
い。図2は本発明による陰極線管の作用を説明する要部
断面模式図であって、図1の偏向ヨ−ク11の磁界内に
位置して、電子ビ−ム10を該偏向ヨ−ク11の磁界で
偏向するとき、その偏向角に応じて電子ビ−ム10の収
束状態を制御する収束制御電極39の作用の1例を詳細
に説明するものであり。図1と同じ機能の部分は同一符
号を付してある。なお、38は主レンズ、41は第4電
極4(G4)を構成する部分電極、L1 は主レンズ38
と偏向中心との距離である。
【0055】また、図3は本発明による陰極線管におけ
る収束制御電極39の作用を従来技術と対比説明するた
めに上記収束制御電極39を欠如した図2と同様の要部
断面模式図である。図2,図3において、電子銃の第3
電極(G3)3を通過してきた電子ビ−ム10は第4電
極(G4)との間に形成される主レンズ38により収束
され、偏向ヨーク11で形成される偏向磁界による偏向
を受けない場合(画面中央部)はそのまま直進して蛍光
膜13上に径D1 のビームスポットを結ぶ。
【0056】ここで、蛍光膜13の図中上側に偏向され
る場合を例にとり、収束制御電極39の作用の有り(図
2),無し(図3)で電子ビ−ム10の軌道がどのよう
に変わるか定性的に説明する。図3において、電子ビ−
ム10の外周軌道のうち、下側外周軌道は収束制御電極
39の有り無しにあまり作用されず10D のように進
む。しかし、上側外周軌道10U は収束制御電極39の
作用がないため10U ’のように進み蛍光膜13に到達
する前に下側外周軌道10Uと交差する。この結果、蛍
光膜13上には図3に示した径D2 のスポットを結ぶ。
【0057】これに対して、図2に示したように、収束
制御電極39が作用すると電子ビ−ムの上側に位置する
軌道の部分は収束制御電極39の吸引力を受けて1
U ’のように進み、また電子ビームの下側に位置する
軌道の部分は上記したように収束制御電極39の影響が
殆どないので、前記と同様に10D のように進み蛍光膜
13に到達する前に42aと交差することもなく蛍光膜
13に到達する。この結果蛍光膜13上には上記D2
り小さな径D3 のスポットを結ぶ。
【0058】径D3 のビームスポツトの蛍光膜13上各
位置での分布は収束制御電極39を構成する2つの部品
の取付け位置,蛍光面13に向かって延びる長さ,偏向
磁界の分布,上記2つの部品間を通過するときの電子ビ
−ムの径,陰極線管の最大偏向角などの組合せで適正化
でき、画面中央部でのビームスポツト径D1 との差を小
さくして画面全域で一様な解像度とすることができる。
【0059】以上の結果、本実施例によれば、フォ−カ
ス電圧を電子ビ−ムの偏向角に同期させてダイナミック
に供給しなくても蛍光膜(画面)上で偏向角に同期して
ダイナミックにフォ−カス状態の制御が可能となり、安
価でかつ画面全体での表示の均一な陰極線管を提供可能
となる。図4は主レンズ38と蛍光膜13の間で電子ビ
−ム10に対して空間電荷の反発がどのように影響する
のかを示す説明図であって、L2 は主レンズ38と蛍光
膜13との間の距離である。
【0060】同図において、電子ビ−ム10が陽極4
(第4電極)から十分離れると電子ビ−ムの周囲は陽極
電位となり電界はほぼなくなる。この状態では主レンズ
38による収束作用を受けて進んできた電子ビ−ム10
は空間電荷の反発による軌道変化の作用が増し蛍光膜1
3に到達する前に最小径D4 となり、以後蛍光膜13に
近づくに連れて径は増加して蛍光膜13において径D1
になる。この作用は陰極線管を同一条件で駆動する場合
に主レンズ38と蛍光膜13間の距離L2 に依存し、図
5に示したようにL2 が増加するに連れてD1 も増加す
る。
【0061】カラ−テレビなどに使用する陰極線管を例
にとれば、最大偏向角が決まればL2 は陰極線管の画面
サイズが増すに連れて増加する。従って、陰極線管の画
面サイズが増すと蛍光膜13上の電子ビ−ムスポット径
が増して画面サイズの増加にもかかわらず解像度はそれ
ほど増さない。図6は本発明による陰極線管の1実施例
における寸法例を説明する断面模式図であり、図7は本
発明による陰極線管の1実施例における寸法例を比較す
るための従来技術による陰極線管の断面模式図であっ
て、前記図1と同一符号は同一部分に対応する。
【0062】図6、図7の何れも全く同一仕様の電子銃
を用いている。従って、陰極線管の底部であるステム部
から主レンズ38に至る距離L3 はどちらも等しい。し
かし、図7に示した従来技術による陰極線管では、電子
銃の主レンズ38を通過中の電子ビ−ムが偏向磁界によ
り乱されるのを避けるために該主レンズ38を偏向ヨ−
ク11によって形成される偏向磁界領域から離さなけれ
ばならないので、電子銃は偏向ヨーク11よりネック部
7方向に後退した位置に設置されていたため、主レンズ
38と蛍光膜13との間の距離L2 を偏向ヨーク11と
蛍光膜13間の距離より短くすることができなかった。
【0063】これに対し、図6に示した本発明の1実施
例では、偏向磁界で主レンズ38を通過中の電子ビ−ム
が乱されるの予め見込んで補正する収束制御電極39を
設けた構造としたことで、この距離L2 を偏向ヨーク1
1と蛍光膜13間の距離より短くすることが可能となっ
た。従って、上記本発明の実施例によれば、陰極管の主
レンズと蛍光面間の距離を従来技術による陰極線管のそ
れよりも短縮可能となり、陰極線管の画面サイズが増し
ても空間電荷の反発作用の影響を低減して蛍光膜13上
での電子ビ−ムスポット径を縮小し高解像度の陰極管を
提供できる。
【0064】このように、いままで、電子銃のフォ−カ
ス特性の低下を抑制して電子銃の長さを短縮することは
難しいため、陰極管の全長L4 を短縮することに制約が
あり、困難であったが、図6に示したように、本発明の
1実施例では主レンズ38と蛍光膜13間の距離短縮に
より陰極線管の全長L4 を、電子銃の陰極から主レンズ
に至る部分の変更なしで、従来例に比較して大幅に短縮
できる。
【0065】一般に、カラ−テレビセットやコンピュ−
タ端末のディスプレイ装置では、キャビネットの奥行き
は陰極線管の全長L4 に依存している。特に、最近のカ
ラ−テレビセットでは陰極線管の画面サイズが増す傾向
に有り、一般家庭の住居に設置する場合にキャビネット
の奥行き寸法は無視出来ない状態である。特に他の家具
と並べて設置する場合数十ミリの奥行き寸法が問題にな
るケ−スも有り、キャビネットの奥行き寸法の短縮は設
置効率,使い勝手の観点からみても極めて大きな効果で
あるということができる。
【0066】このように、本発明の上記実施例によれ
ば、陰極管の全長短縮によりフォ−カス特性を損なわず
にキャビネットの奥行き寸法が従来製品より格段に短く
なったカラ−テレビセットを提供でき、大きなセールス
ポイントに成りうる。一般に、カラ−テレビセットや完
成した陰極線管,並びにファンネルのような陰極線管の
材料は、半導体素子のような電子部品に比べて体積が著
しく大きいので単位個数当りの輸送費は高価である。特
に、海外向けなど輸送経路が長大な場合この点は無視出
来なくなる。本発明の上記実施例では、陰極線管の全長
が短く、かつキャビネットの奥行き寸法の短いカラ−テ
レビセットを提供できるので輸送費の節約が可能であ
る。
【0067】次に、本発明の実施例の構造の詳細をさら
に具体的に説明する。図8は本発明による陰極線管に用
いる電子銃の詳細構造例を説明する側面図、図9はその
要部を示す部分破断した側面図であって、前記図62,
図63と同一符号は同一部分を示す。同各図において、
陰極Kから陽極6(第6電極)に至る間に5個の電極
(第1電極1,第2電極2,第3電極3,第4電極4,
第5電極5(電極51,52からなる)を持ち、このう
ち第3電極3と第5電極5にフォ−カス電位を、第2電
極2と第4電極4にスクリ−ン電位をそれぞれ供給す
る。そして、第1電極1には遮蔽電位が与えられ、一般
にはこれを接地して使用する場合が多い。
【0068】なお、図8はインライン配列された一体型
3電子ビ−ム電子銃をインラインと直角方向からみた側
面図、図9は図8の主レンズ付近をインライン方向から
見た側面図である。この電子銃を陰極線管内において、
その偏向ヨ−ク11の磁界内に位置させ、電子ビ−ム1
0を該偏向ヨ−ク11の磁界で偏向するときに偏向角に
応じて電子ビ−ム10の収束状態を制御する収束制御電
極39は、3電子ビ−ムがインライン方向に偏向されな
いときに通過する部分の蛍光面に向かって延びる長さL
5 が3電子ビ−ムがインライン方向に偏向されるときに
通過する部分の蛍光面に向かって延びる長さL6 より短
い。
【0069】また、この収束制御電極39は陽極6に接
続かつ固定されている。このような構造としたことによ
り次のような作用が奏される。この電子銃を前記図1の
ように陰極線管内に配置して、電子ビ−ム10がインラ
イン方向と直角方向にのみ偏向した場合の作用は図2で
説明したものと同様である。しかし、この状態で同時に
インライン方向にも偏向した場合、電子ビ−ム10は収
束制御電極39の長さL6 の長い部分を通過するので図
2で説明した収束制御電極39の作用はより強くなる。
この結果、例えば前記図52に示した画面コ−ナ部のビ
−ムスポツト19におけるハロ−を効果的に抑制でき
る。
【0070】図10,図11,図12,図13,図14
は、偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ムを偏向
ヨ−クの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じて電子
ビ−ムの収束状態を制御する電極、例えば図8,図9の
収束制御電極39のように陽極電位を供給する場合の収
束制御電極の各種の具体的構造例を説明する3面図(図
10,図11,図12)あるいは4面図(図13,図1
4)であって、(a)はインライン方向と直角方向から
みた上面図、(b)は(a)を矢印A方向からみた正面
図、(c)は(a)を矢印B方向からみた側面図、
(d)は(a)を矢印C方向からみたである。なお、図
中、Eは偏向を受けない場合の電子ビームを示す。
【0071】図10の収束制御電極39は、第6電極6
から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−1と
第2板体39−2とから構成され、各板体39−1,3
9−2には3本の電子ビームの通過位置にそれぞれ台形
の切り欠き390を有し、偏向を受けない状態では、こ
の切り欠き390の中央位置を電子ビームが通過するよ
うになっている。そして、この切り欠き390の上底の
蛍光膜13方向の長さがL5 、各板体の蛍光膜13方向
の長さがL6 となっている。
【0072】図11の収束制御電極39は、図10と同
様の形状をもつ第1板体39−3と第2板体39−4と
が蛍光膜13方向に漸次間隔が狭くなるように伸びた構
成とされている。図12の収束制御電極39は、第6電
極6から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−
5と第2板体39−6とから構成され、各板体39−
5,39−6には3本の電子ビームの通過位置にそれぞ
れ半円形の切り欠き391を有し、偏向を受けない状態
では、この切り欠き391の中央位置を電子ビームが通
過するようになっている。そして、この切り欠き391
の中央縁の蛍光膜13方向の長さがL5 、各板体の蛍光
膜13方向の長さがL6 となっている。
【0073】すなわち、上記切り欠き390,391の
中央縁の蛍光膜13方向の長さL5は、3電子ビ−ムが
インライン方向に偏向されるときに通過する部分の蛍光
面に向かって延びる長さL6 より短くなっている。図1
3の収束制御電極39は、第6電極6から蛍光膜13方
向に平行に延びる第1板体39−7と第2板体39−8
とから構成され、蛍光膜13方向に漸次間隔が広くなる
ような曲面とした構成とされている。
【0074】図14の収束制御電極39は、第6電極6
から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−9と
第2板体39−10とから構成され、蛍光膜13方向に
漸次間隔が広くなるような曲面をもつと共に、半楕円形
の切り欠き392を有し、偏向を受けない状態では、こ
の切り欠き392の中央位置を電子ビームが通過するよ
うになっている。そして、この切り欠き392の中央縁
の蛍光膜13方向の長さがL5 、各板体の蛍光膜13方
向の長さ,すなわち、3電子ビ−ムがインライン方向に
偏向されるときに通過する部分の蛍光面に向かって延び
る長さがL6 となっている。
【0075】なお、2枚の板体の間隔は、上記のように
平行な場合、非平行な場合に限らず、インライン方向に
部分的に非平行とすることもできることは言うまでもな
い。図15,図16,図17,図18,図19,図20
は、偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ムを偏向
ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応じて電
子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極を、例えば
図8,図9に示したような位置に設置するが、陽極とは
接続せず、陽極電位よりも低い電位を供給する場合の構
造例を説明する3面図(図15,図16,図17)ある
いは4面図(図18,図19,図20)である。
【0076】同各図において、(a)はインライン方向
と直角方向からみた上面図、(b)は(a)を矢印A方
向からみた正面図、(c)は(a)を矢印B方向からみ
た側面図、(d)は(a)を矢印C方向からみたであ
る。なお、図中、Eは偏向を受けない場合の電子ビーム
を示す。図15の収束制御電極39’は、第6電極6か
ら蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−11と
第2板体39−12の2枚の平板から構成され、各板体
39−11,39−12には3本の電子ビームの通過位
置にそれぞれ図示したような蛍光膜13方向に突出する
突形形状39−3を有し、偏向を受けない状態では、こ
の突形形状39−3の中央位置を電子ビームEが通過す
るようになっている。そして、この突形形状39−3の
蛍光膜13方向の最大突出長さがL5 となって、インラ
イン方向に漸次この突出長さが減少するような形状とさ
れている。
【0077】図16の収束制御電極39’は、第6電極
6から蛍光膜13方向に漸次間隔が大きくなるように延
びる第1板体39−13と第2板体39−14の2枚の
平板から構成され、各板体39−13,39−14には
3本の電子ビームの通過位置にそれぞれ蛍光膜13方向
に突出する図15と同様の突出部39−3を有し、偏向
を受けない状態では、この突形形状39−3の中央位置
を電子ビームEが通過するようになっている。そして、
この突形形状39−3の蛍光膜13方向の最大突出長さ
がL5 となって、インライン方向に漸次この突出長さが
減少するような形状とされている。
【0078】図17の収束制御電極39’は、第6電極
6から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−1
5と第2板体39−16の2枚の平板から構成され、各
板体39−15,39−16には3本の電子ビームの通
過位置にそれぞれ図示したような蛍光膜13方向に突出
する半円形の突出部39−4を有し、偏向を受けない状
態では、この突形部39−4の中央位置を電子ビームE
が通過するようになっている。そして、この突出部39
−4の蛍光膜13方向の最大突出長さがL5 となってい
る。
【0079】図18の収束制御電極39’は、第6電極
6から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−1
7と第2板体39−18の2枚の平板から構成され、各
板体39−11,39−12には3本の電子ビームの通
過位置にそれぞれ図示したような蛍光膜13方向に突出
する突形形状39−3を有すると共に、第6電極6側に
は蛍光膜13方向に凹となる凹部39−5を有し、偏向
を受けない状態では、この凹部39−5と突形形状39
−3の中央位置を電子ビームEが通過するようになって
いる。そして、この突形形状39−3の蛍光膜13方向
の最大突出長さがL5 となって、インライン方向に漸次
この突出長さが減少するような形状とされている。
【0080】図19の収束制御電極39’は、第6電極
6から蛍光膜13方向に漸次間隔が大きくなるように延
びる第1板体39−19と第2板体39−20の2枚の
板体から構成され、各板体39−19,39−20には
3本の電子ビームの通過位置にそれぞれ蛍光膜13方向
に突出する図18と同様の突出部39−6を有すると共
に、各電子ビームEをインライン方向で包む凹面となる
ような波形面を有し、かつ第6電極6側には蛍光膜13
方向に凹となる凹部39−7を有し、偏向を受けない状
態では、この凹部39−7と突出部39−6の中央位置
を電子ビームEが通過するようになっている。そして、
この突形形状39−6の蛍光膜13方向の最大突出長さ
がL5 となって、インライン方向に漸次この突出長さが
減少するような形状とされている。
【0081】図20の収束制御電極39’は、第6電極
6から蛍光膜13方向に平行に延びる第1板体39−2
1と第2板体39−22の2枚の平板から構成され、各
板体39−21,39−22には3本の電子ビームの通
過位置にそれぞれ図17と同様に蛍光膜13方向に突出
する半円形の突出部39−4を有すると共に、第6電極
6側には蛍光膜13方向に凹となる上記突出部39−4
より大なる凹部39−8を有し、偏向を受けない状態で
は、この凹部39−8と突出部39−4の中央位置を電
子ビームEが通過するようになっている。そして、この
突出部39−4の蛍光膜13方向の最大突出長さがL5
となっいる。
【0082】上記した収束制御電極の各例において説明
したように、3電子ビ−ムEがインライン方向に偏向さ
れないときに通過する部分の蛍光膜に向かって延びる長
さL5 は3電子ビ−ムEがインライン方向に偏向される
ときに通過する部分の蛍光膜に向かって延びる長さより
長い形状を有している。この構成により、この収束制御
電極を通過する電子ビームEが偏向を受けた場合、その
軌道は偏向を受けない場合よりも大きく偏向され、偏向
角の変化に伴う蛍光面上のビームスポツトの拡大やハロ
ーの発生を抑制することができるのである。
【0083】上記した図15〜図20における収束制御
電極を構成する2個の板体の間隔は上記で説明したよう
な平行配置,非平行配置,あるいは部分的に非平行配置
としたもの以外に種々の配置が可能であることは言うま
でもない。なお、図15〜図20に示したように、偏向
ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ムを該偏向ヨ−ク
の発生磁界で偏向するときに当該偏向角に応じて電子ビ
−ムの収束状態を制御する収束制御電極を陽極とは接続
せずに、陽極電位よりも低い電位を供給するための上記
陽極電位よりも低い電位を得る手段としては、ステムピ
ンから独立して所要の電圧を供給することもできるが、
陰極線管内部に電気抵抗体を設置して、例えばその一端
を陽極に接続し、他端を他の低電位の電極に接続するか
または、接地し、その中間から適当な電圧を取り出すよ
うにすれば、電子銃への給電構造を従来どおりのままで
上記所要の電圧供給を行うことができる。
【0084】図21,図22,図23,図24,図2
5,図26は、本発明を適用する種々の電極構成の電子
銃基本構造例を説明する断面模式図であり、図中Kはカ
ソード(陰極)、G1 は第1電極、G2 は第2電極、G
3 は第3電極、G4 は第4電極、G5 は第5電極、G6
は第6電極、Vf はフォーカス電圧、Eb は陽極電圧で
ある。
【0085】すなわち、図21はBPF型電子銃、図2
2はUPF型電子銃、図23はHI−FO型電子銃、図
24はHI−UPF型電子銃、図25はB−U型電子
銃、図26はTPF型電子銃である。これらの各形式の
電子銃の主レンズ電極部分を陰極線管の偏向ヨ−クによ
り形成される偏向磁界内に位置させ、その電子ビ−ムを
偏向ヨ−クの発生磁界で偏向するとき、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する前記図8〜図20
で説明した構成の収束制御電極を設置することにより、
本発明の所要の効果を奏することができるのである。
【0086】なお、本発明は、このような形式以外の電
子銃との組合せが可能であることは言うまでもない。図
27は本発明を適用する他の電子銃の構成を説明する模
式図であって、前記説明と同一符号は同一部分に対応
し、1a,1bは第1電極1(G1)のカソード(K)
側,第2電極(G2)側、2a,2bは第2電極(G
2)の第1電極(G1)側,第3電極(G3)側、3
a,3bは第3電極(G3)の第2電極(G2)側,第
4電極(G4)側、4a,4bは第4電極(G4)の第
3電極(G3)側,第5電極(G5)側、5a,5bは
第5電極(G5)の第4電極(G4)側,第6電極(G
6)側、6aは陽極である第6電極(G6)の第5電極
(G5)側の各電子ビーム入口側,出口側を示す。
【0087】同図に示した電子銃は、第1電極(G1)
を接地し、第2電極(G2)と第4電極(G4)に抑制
電圧EC2を、第3電極(G3)と第5電極(G5)にフ
ォーカス電圧Vf を与える構成である。図28は図27
における第2電極の詳細構成の説明図であって、2cは
電子ビーム通過孔、2dは電子ビーム通過孔2cの出口
側2bの周囲に形成されたインライン方向(X−X)と
平行な方向に長軸を有するスリット、W1 ,W2はスリ
ット2dの長辺寸法,短辺寸法、Dは第2電極2の電極
厚寸法である。
【0088】図29は図27における第3電極の詳細構
成の説明図であって、(a)は電子ビームの入口側斜視
図、(b)は(a)のA−A線で切断した断面図であ
る。同図において、3cは電子ビーム通過孔、3dは第
3電極3の電子ビーム入口側の各電子ビーム通過孔の周
囲に形成されたインライン方向と直角方向(Y−Y)に
長軸をもつスリットである。
【0089】図30は図27における第4電極の詳細構
成の説明図であって、4cは電子ビーム通過孔、4dは
第4電極4の電子ビーム出口側の電子ビーム通過孔にイ
ンライン方向と直角方向(Y−Y)に長軸を有するスリ
ットである。上記したように、この形式の電子銃は、図
27に斜線で示した電極面に図28,図29,図30に
示したように、電子ビ−ム通過孔近傍の構造が非円形の
電極を組み合わせることで、非点収差補正を行いフォ−
カス特性を改善したものである。
【0090】このような電子銃を従来のネック部位置に
設置した陰極線管によれば、その画面全体でのフォ−カ
スの均一性が格段に向上する。しかし、さらに画面全体
でのフォ−カスの均一性を増すために非点収差補正の量
を追加すると、画面中央の電子ビ−ムスポット径が増加
して解像度が低下する。このような場合に、本発明のご
とく偏向ヨ−クの磁界内に主レンズを位置させて、かつ
前記した収束制御電極を設けて電子ビ−ムを偏向ヨ−ク
の磁界で偏向させることにより、そのフォ−カス特性を
改善することができる。
【0091】図31,図32,図33,図34,図3
5,図36,図37,図38,図39,図40,図4
1,図42,図43,図344図45,図46,図4
7,図48,図49,図50は本発明による陰極線管の
フォーカス状態を説明するために陰極線管の動作条件を
変えて従来技術の陰極線管と対比して示すテストパター
ン図であって、テスト用の陰極線管は59cm,110
°偏向管、陽極電圧Eb=30kV,1電子銃当りのK
−G1間電流値IKG=0.30mA、ノーインターレー
ス信号、抑制格子電圧EC2=650Vの条件でテストし
た結果である。
【0092】図31〜図40は従来の陰極線管による表
示、図41〜図50は本発明による収束制御電極を有す
る電子銃を備えた陰極線管による表示である。図31〜
図35は、偏向ヨークは従来の位置のままで、フォーカ
ス電圧を7.10kV(図31),7.30kV(図3
2),7.50kV(図33),7.70kV(図3
4),7.90kV(図35)とした場合のテストパタ
ーンであり、図35〜図40は、偏向ヨークを蛍光膜方
向に25mm移動して偏向ヨークの偏向磁界中に主レン
ズを位置させ、フォーカス電圧を7.10kV(図3
1),7.30kV(図32),7.50kV(図3
3),7.70kV(図34),7.90kV(図3
5)とした場合のテストパターンである。
【0093】図41〜図45は本発明による収束制御電
極を有する電子銃を用いた陰極線管で偏向ヨークは従来
の陰極線管と同様の位置に配置し、フォーカス電圧を
7.73kV(図41),7.93kV(図42),
8.13kV(図43),8.33kV(図44),
8.53kV(図45)とした場合のテストパターンで
あり、図46〜図50は偏向ヨークを蛍光膜方向に20
mm移動して偏向ヨークの偏向磁界中に主レンズを位置
させ、フォーカス電圧を7.73kV(図41),7.
93kV(図42),8.13kV(図43),8.3
3kV(図44),8.53kV(図45)とした場合
のテストパターンである。
【0094】これらの各テストパターンから明らかなよ
うに、図46〜図50に示した本発明の陰極線管によれ
ば、画面の中央部と上端部共にハローの少ない良好なフ
ォーカス状態の画像が得られることが分かる。なお、上
記の図31〜図50は写真から作図したものであり、画
面周辺部でのパターン表示の明るさが中央部のそれより
若干低下しており、この明るさの差を線と点で表現した
ため、同図では上端部で画質が劣化しているごとく見ら
れるが、実際は画面全域で均一な解像度となっているも
のである。
【0095】以上のように、本発明の実施例によれば、
特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行うことなく
画面全域でしかも電子ビーム全電流域においてフォーカ
ス特性を向上させ、良好な解像度を得ることができると
共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を備えた電
子銃を備えた陰極線管を提供することができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による構成
とした陰極線管においては、偏向磁界中に主レンズを位
置させて、電子ビ−ムの偏向がなされてその軌道が変化
するときに、当該偏向角に応じて電子ビ−ムの集束作用
が変化する構造の収束制御電極を設けることにより、蛍
光膜(画面)の全域、かつ電子ビームの全電流域で適正
な電子ビ−ムの集束作用を得ることが可能になり、画面
全域における解像度が格段に向上した陰極線管を得るこ
とができる。
【0097】すなわち、上記偏向角に応じて電子ビ−ム
の集束作用が変化する構造の電極に陽極電圧を印加する
ことで、偏向により当該電極に接近した電子ビ−ムの集
束作用を緩和して蛍光面の中央から離れた位置でも適切
な電子ビ−ムの集束作用を得ることが可能になる。ま
た、上記偏向角に応じて電子ビ−ムの集束作用が変化す
る構造の電極の一部に陽極電圧以外の電圧をを印加する
ことで、偏向により当該電極に接近した電子ビ−ムの集
束作用を加速して、特定方向に生じる偏向磁界による電
子ビ−ムの集束緩和作用を抑制することで蛍光面の中央
から離れた位置でも適切な電子ビ−ムの集束作用を得る
ことが可能になる。上記陽極電圧以外の電圧は、例えば
陰極線管の内部に値の大きな電気抵抗体を設置し、その
一端を陽極に、他端を接地等の電位に接続して、その中
間部の適当な位置から所要の電圧を取り出すことが出来
る。
【0098】さらに、電子銃内部で電子ビ−ムの径が最
大となる場所は主集束レンズ付近であり、特にインライ
ン型カラ−受像管やカラ−表示管などでは、一般にコン
バ−ゼンス調整の簡便化から電子ビ−ムの偏向磁界は非
斉一であるが、このような場合、偏向磁界による電子ビ
−ムの歪みを抑制するために主集束レンズは可能な限り
偏向磁界発生部より離した方が良いため、通常、偏向磁
界発生部は電子銃の主集束レンズよりも蛍光面に近い位
置に設置する。一方、電子銃の陰極から主集束レンズ間
の長さは、電子銃の像倍率を縮小して蛍光面上のビ−ム
スポット径を小さくするためには、長い方が良い。従っ
て、これらの2つの作用に対応した解像度の良い陰極線
管は必然的に管軸長が長くなる。しかし、本発明によ
り、電子銃の陰極から主集束レンズまでの間の長さを変
化させない状態で主集束レンズの位置を蛍光面に近付け
ることで、電子銃の像倍率は更に縮小して蛍光面上の電
子ビ−ムスポット径を更に小さく出来、同時に管軸長も
短縮できる。
【0099】この管軸長の短縮により、主レンズの位置
が蛍光膜に近づいて電子ビ−ム中の空間電荷の反発の持
続する時間が短縮されるので、蛍光面上のビ−ムスポッ
ト径を更に小さく出来る。この状態では、主集束レンズ
中の電子ビ−ムは偏向磁界発生部に近づくか、偏向磁界
発生部の中に入ってしまうので、偏向磁界により歪み易
くなるが、上記偏向角に応じて集束作用が変化する収束
制御電極の作用で上記歪みは抑制される。
【0100】そして、電子ビ−ムスポットが画面の中央
に位置する時は偏向磁界の影響を受けないので、偏向磁
界による歪み対策は不要になるため、電子銃のレンズ作
用は回転対象の集束系となり、画面上での電子ビ−ムス
ポット径をより小さくすることが出来る。そして、さら
に電子銃の集束電極にダイナミックなフォ−カス電圧を
印加すれば一層画面の全域で適正な電子ビ−ムの集束作
用が可能になり、画面の全域で解像度が良好な特性を得
られるが、偏向磁界中に位置して電子ビ−ムが偏向され
てその軌道が変化するとき偏向角に応じて電子ビ−ムの
集束作用が変化する本発明による収束制御電極との組合
せにより、必要なダイナミックフォ−カス電圧を低くす
ることが可能になる。
【0101】また、さらに、電子銃を構成する複数の電
極で構成される複数の静電レンズの作る電界の少なくと
も2つを非回転対称電界とすることにより、画面中央部
の大電流域での電子ビームスポットの形状を略円形また
は略矩形とし、かつ電子ビーム走査方向に作用する適正
フォーカス電圧が走査方向と直角方向に作用する適正フ
ォーカス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レン
ズと、上記画面中央部での小電流域の電子ビームスポッ
トの走査方向径より走査方向と直角方向の径を走査方向
と直角方向のシャドウマスクピッチや走査線密度に適合
させ、かつ走査方向に作用する適正フォーカス電圧が走
査方向と直角方向に作用する適正フォーカス電圧より高
いフォーカス特性を有する静電レンズが形成され、これ
らの非回転対称電界によるレンズは電子ビームを螢光面
の画面上の全域でしかも全電流域においてモアレのない
良好なフォーカス特性をもつ陰極線管を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の1実施例を説明する断
面模式図である。
【図2】本発明による陰極線管の1実施例の作用を説明
する要部断面模式図である。
【図3】本発明による陰極線管の1実施例における収束
制御電極の作用を従来技術と対比説明するために収束制
御電極を欠如した図2と同様の要部断面模式図である。
【図4】主レンズと蛍光膜の間で電子ビ−ムに対して空
間電荷の反発がどのように影響するのかを示す説明図で
ある。
【図5】主レンズと蛍光膜間の距離と蛍光膜上のビーム
スポツトの大きさの関係の説明図である。
【図6】本発明による陰極線管の1実施例における寸法
例を説明する断面模式図である。
【図7】本発明による陰極線管の1実施例における寸法
例を比較するための従来技術による陰極線管の断面模式
図である。
【図8】本発明による陰極線管に用いる電子銃の詳細構
造例を説明する側面図である。
【図9】本発明による陰極線管に用いる電子銃の要部を
示す部分破断した側面図である。
【図10】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨ−クの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽極
電位を供給する場合の第1の具体的構造例を説明する3
面図である。
【図11】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨ−クの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽極
電位を供給する場合の第2の具体的構造例を説明する3
面図である。
【図12】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨ−クの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽極
電位を供給する場合の第3の具体的構造例を説明する3
面図である。
【図13】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨ−クの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽極
電位を供給する場合の収束制御電極の第4の具体的構造
例を説明する4面図である。
【図14】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨ−クの磁界で偏向するときに当該偏向角に応じ
て電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽極
電位を供給する場合の収束制御電極の他の具体的構造例
を説明する4面図である。
【図15】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽
極電位よりも低い電位を供給する場合の第1の構造例を
説明する3面図である。
【図16】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽
極電位よりも低い電位を供給する場合の第2の構造例を
説明する3面図である。
【図17】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽
極電位よりも低い電位を供給する場合の第3の構造例を
説明する3面図である。
【図18】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽
極電位よりも低い電位を供給する場合の第4の構造例を
説明する4面図である。
【図19】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽
極電位よりも低い電位を供給する場合の第5の構造例を
説明する4面図である。
【図20】偏向ヨ−クの磁界内に位置して、電子ビ−ム
を偏向ヨークの磁界で偏向するときに、当該偏向角に応
じて電子ビ−ムの収束状態を制御する収束制御電極に陽
極電位よりも低い電位を供給する場合の第6の構造例を
説明する4面図である。
【図21】本発明を適用する第1の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図22】本発明を適用する第2の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図23】本発明を適用する第3の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図24】本発明を適用する第4の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図25】本発明を適用する第5の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図26】本発明を適用する第6の電極構成の電子銃基
本構造例を説明する断面模式図である。
【図27】本発明を適用する他の形式の電子銃の構成を
説明する模式図である。
【図28】図27における第2電極の詳細構成の説明図
である。
【図29】図27における第3電極の詳細構成の説明図
である。
【図30】図27における第4電極の詳細構成の説明図
である。
【図31】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図32】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図33】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図34】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図35】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図36】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図37】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図38】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図39】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図40】従来の陰極線管による収束状態を説明するテ
ストパターン図である。
【図41】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図42】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図43】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図44】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図45】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図46】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図47】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図48】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図49】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図50】本発明による収束制御電極を有する電子銃を
備えた陰極線管の収束状態を説明するテストパターン図
である。
【図51】インライン型電子銃を備えたシャドウマスク
方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図である。
【図52】画面の中央部で円形となる電子ビームスポッ
トで画面の周囲を発光させた場合の電子ビームスポット
の説明図である。
【図53】陰極線管の偏向磁界分布の説明図である。
【図54】電子ビームスポット形状の変形を説明する電
子銃の電子光学系の模式図である。
【図55】画面周辺部での画質の低下を抑制する手段の
説明図である。
【図56】図55に示したレンズ系を用いた場合の画面
上の電子ビームスポット形状を説明する模式図である。
【図57】主レンズ23のレンズ強度を非回転対称とす
る代わりにプリフォーカスレンズ21の水平方向(X−
X)レンズ強度を強化した電子銃の電子光学系の模式図
である。
【図58】図56の構成にハローの抑制効果を付加した
電子銃の電子光学系の模式図である。
【図59】図58に示した構成のレンズ系を用いたとき
の画面上での電子ビームのスポット形状を説明する模式
図である。
【図60】小電流時での電子ビームの軌道を説明する電
子銃光学系の模式図である。
【図61】プリフォーカスレンズの内の発散レンズ側の
画面垂直方向(Y−Y)のレンズ強度を大きくした場合
の電子銃の光学系を示す模式図である。
【図62】陰極線管用電子銃の一例であるEA−UB型
電子銃の全体側面図である。
【図63】陰極線管用電子銃の一例であるEA−UB型
電子銃の要部部分断面図である。
【図64】フォーカス電圧の与え方による電子銃の構造
比較のための要部断面模式図である。
【図65】図64に示した電子銃に供給するフォ−カス
電位の説明図であって、(a)はフォーカス電圧固定方
式の電子銃におけるフォーカス電圧波形、(b)はダイ
ナミックフォーカス電圧方式の電子銃におけるフォーカ
ス電圧の波形図である。
【符号の説明】
1 第1電極 2 第2電極 3 第3電極 4 第4電極 5 第5電極 6 第6電極(陽極) 7 ネック部 8 ファンネル部 10 電子ビーム 11 偏向ヨーク 13 蛍光膜 14 パネル部 38 主レンズ 39 収束制御電極 40 リード

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記電子銃に、前記偏向装置により形成される電子ビー
    ム偏向磁界領域に位置して前記電子ビームを特定方向に
    集束する収束制御電極を備えたことを特徴とする陰極線
    管。
  2. 【請求項2】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記電子銃の主レンズを前記偏向装置により形成される
    電子ビーム偏向磁界領域に配置すると共に、前記偏向装
    置により形成される電子ビーム偏向磁界領域に位置して
    前記電子ビームを特定方向に集束する収束制御電極を備
    えたことを特徴とする陰極線管。
JP18946592A 1992-07-16 1992-07-16 陰極線管 Pending JPH0636704A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18946592A JPH0636704A (ja) 1992-07-16 1992-07-16 陰極線管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18946592A JPH0636704A (ja) 1992-07-16 1992-07-16 陰極線管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0636704A true JPH0636704A (ja) 1994-02-10

Family

ID=16241728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18946592A Pending JPH0636704A (ja) 1992-07-16 1992-07-16 陰極線管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0636704A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995021456A1 (fr) * 1994-02-07 1995-08-10 Hitachi, Ltd. Tube a rayons cathodiques couleur
US6005339A (en) * 1995-05-12 1999-12-21 Hitachi, Ltd. CRT with deflection defocusing correction
US6201344B1 (en) 1996-10-14 2001-03-13 Hitachi, Ltd. CRT having an electron gun with magnetic pieces attached to one of a plurality of electrodes, configured to correct deflection defocusing

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995021456A1 (fr) * 1994-02-07 1995-08-10 Hitachi, Ltd. Tube a rayons cathodiques couleur
KR100248841B1 (ko) * 1994-02-07 2000-03-15 가나이 쓰도무 컬러음극선관
US6005339A (en) * 1995-05-12 1999-12-21 Hitachi, Ltd. CRT with deflection defocusing correction
US6329746B1 (en) 1995-05-12 2001-12-11 Hitachi, Ltd. Method of correcting deflection defocusing in a CRT, a CRT employing same, and an image display system including same CRT
US6201344B1 (en) 1996-10-14 2001-03-13 Hitachi, Ltd. CRT having an electron gun with magnetic pieces attached to one of a plurality of electrodes, configured to correct deflection defocusing
US6376980B1 (en) 1996-10-14 2002-04-23 Hitachi, Ltd. CRT having an electron gun with magnetic pieces attached to one of a plurality of electrodes, configured to correct deflection defocusing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03205746A (ja) カラー受像管装置
US6339293B1 (en) Cathoderay tube
JPH09190773A (ja) 陰極線管用電子銃および陰極線管
US6404149B1 (en) Cathode ray tube apparatus
TW473763B (en) Cathode ray tube
JPH0636704A (ja) 陰極線管
JP3156028B2 (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
KR100244672B1 (ko) 코마수차가 경감된 컬러음극선관
JPH08315751A (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
JPH0778573A (ja) 陰極線管
JP3156038B2 (ja) カラー陰極線管
KR100248841B1 (ko) 컬러음극선관
US6831400B2 (en) Color cathode ray tube apparatus having auxiliary magnetic field generator
US6479951B2 (en) Color cathode ray tube apparatus
JPH07226169A (ja) 陰極線管
KR100646910B1 (ko) 음극선관장치
JPH07282740A (ja) カラ−陰極線管用電子銃
KR100234061B1 (ko) 칼라수상관용 전자총
KR20040076117A (ko) 칼라음극선관용 전자총
KR200154147Y1 (ko) 칼라수상관용 전자총
KR100234053B1 (ko) 칼라수상관용 전자총
JPH07220651A (ja) 陰極線管
JPH07147145A (ja) 陰極線管用電子銃
JPH10116569A (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法
JP2000123756A (ja) カラー陰極線管