JP2005050650A - 陰極線管、投影型表示装置の制御方法及び投影型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プロジェクタ用の単色陰極線管における輝度及び解像度の向上を図る。
【解決手段】 2つのカソードが設けられ、無偏向のとき、カソード10a,10bから出射した2つの電子ビーム12a,12bが水平走査線間隔の2倍以上の間隔に分離した2つのスポット17a,17bを形成するビーム軌道をとるようにして成る。
【選択図】 図2
【解決手段】 2つのカソードが設けられ、無偏向のとき、カソード10a,10bから出射した2つの電子ビーム12a,12bが水平走査線間隔の2倍以上の間隔に分離した2つのスポット17a,17bを形成するビーム軌道をとるようにして成る。
【選択図】 図2
Description
本発明は、陰極線管、この陰極線管を備えた投影型表示装置の制御方法及び投影型表示装置に関する。
近年、投影型表示装置、いわゆる3管式プロジェクタは解像度の増加とともに輝度の増加が求められている。これらの要求を満たすため、複数の電子ビームを用いて一つの電子ビーム当りの電流値を大きくせずに、スポットの大きさを小さくして解像度を増加させると共に、複数の電子ビームを利用することにより電子ビームの電流値の合計を大きくして輝度を増加させるという技術が知られている。特許文献1には、プロジェクタに用いられる単色の陰極線管において、2本の電子ビームを蛍光面で一致させるのではなく、画面の上下方向に時間的にずらして走査させることにより、電流密度上昇を抑え、輝度飽和起こりにくくさせることが記載されている。
また、同一色に対して2つの電子ビームを出射させるようにした従来技術の例としては、次のようなものが挙げられる。
第1は、特許文献2、特許文献3に示されているように、蛍光面上において垂直方向に略走査線間隔の1/2の間隔だけ離れた位置を保って同時に走査する、という技術である。
第2は、特許文献4に示されているように、複数の電子ビームを陰極線管内の所定の蛍光面体に重畳する、という技術である。
特開2002−270112号公報
特公平4−30236号公報
特公平4−30237号公報
特開平11−67121号公報
第1は、特許文献2、特許文献3に示されているように、蛍光面上において垂直方向に略走査線間隔の1/2の間隔だけ離れた位置を保って同時に走査する、という技術である。
第2は、特許文献4に示されているように、複数の電子ビームを陰極線管内の所定の蛍光面体に重畳する、という技術である。
赤、緑、青の各単色陰極線管を用いた3管式プロジェクタにおいて、上述の従来技術を適用した場合で、特に青色の陰極線管に適用した場合に、複数電子ビームの電流値の合計を例えば2倍にしたとしても、輝度は1.5倍程度にしか増加しない。これは、蛍光体の輝度飽和特性のためであり、特に青色蛍光体の飽和が大きい。
すなわち、後述する2つのビームスポット間隔と輝度比の関係を示す図5から分るように、横軸のスポット間隔0のとき、つまり2つのビームスポットを重ね合わせてたときの輝度比は、略1.5程度にしか増加しない。
また、2つの電子ビームを時間をずらして走査する場合でも、時間差が小さいと十分な輝度増加が得られない。すなわち、電子ビームにより励起した蛍光体からの光は残光特性を有する。従って蛍光面のポイントAについて見ると、第1の電子ビームで励起し発光した後に、残光量が十分残っている状態で次の第2の電子ビームでポイントA を励起しても、単なる足し算にならず、輝度は倍増しない。
本発明は、上述の点に鑑み、輝度と解像度の向上を可能にした単色用の陰極線管、この陰極線管を備えた投影型表示装置の制御方法及び投影型表示装置を提供するものである。
本発明に係る陰極線管は、2つのカソードが設けられ、無偏向のとき、カソードから出射した2つの電子ビームが、蛍光面上の略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に分離した2つのスポットを形成するビーム軌道をとるようにした構成とする。
上記陰極線管においては、無偏向のとき、蛍光面上の分離した2つのスポットが水平方向に互いに所要間隔だけ離れるように構成することができる。
上記陰極線管においては、無偏向のとき、蛍光面上の分離した2つのスポットが水平方向に関して同じ位置に存するよう構成することができる。
上記陰極線管においては、無偏向のとき、蛍光面上の分離した2つのスポットが水平方向に関して同じ位置に存するよう構成することができる。
本発明の陰極線管では、2つのカソードを設け、無偏向時に蛍光面上で2つのスポットの間隔が水平走査線間隔の2倍以上にすることにより、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避される。2つのカソードを有するので、1つの電子ビーム当りの電流値を大きくせずに、スポットを小さくすることができ、解像度が上がる。
本発明に係る投影型表示装置の制御方法は、2つのカソードが設けられた電子銃と、カソードから出射された電子ビームの軌道をダイナミックに調整する電子ビーム軌道調整手段とを有した陰極線管を備え、投影スクリーン上に画像を投影する投影型表示装置の制御方法であって、電子ビームの偏向時に、偏向に同期した制御電圧又は制御電流を電子ビーム軌道調整手段に供給し、投影スクリーン上に結像した2つのスポットの間隔を全走査領域に亘って垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に保つようにする。
上記投影型表示装置の制御方法においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号を供給する。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号を供給する。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号を供給する。
本発明の投影型表示装置の制御方法では、電子ビームの偏向時に、偏向に同期した制御電圧又は制御電流を電子ビーム軌道調整手段に供給するので、投影スクリーン上で歪みのない走査パターンが得られる。また、投影スクリーン上に結像した2つのスポットの間隔を全走査領域に亘って垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に保つようにするので、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避される。
2つのカソードに対して、水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号を供給する、または水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号を供給することにより、2つの電子ビームによる映像が重畳頂上されて1枚の画像が形成される。
2つのカソードに対して、水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号を供給する、または水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号を供給することにより、2つの電子ビームによる映像が重畳頂上されて1枚の画像が形成される。
本発明に係る投影型表示装置は、2つのカソードが設けられた電子銃、カソードから出射された電子ビームの軌道をダイナミックに調整する電子ビーム軌道調整手段及び電子ビーム軌道調整手段を駆動する駆動手段を有した陰極線管と、投影レンズ系と、陰極線管の画像を投影レンズ系を介して投影する投影スクリーンとを備え、動作時に、全走査領域に亘って投影スクリーン上に形成される2つのスポットの間隔が、垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に設定された構成とする。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給されるように構成することができる。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるように構成することができる。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるように構成することができる。
本発明の投影型表示装置では、動作時に、全走査領域に亘って投影スクリーン上に形成される2つのスポットの間隔が、垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に設定された構成であるので、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避される。
2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給される、または2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるので、2つの電子ビームによる映像が重畳頂上されて1枚の画像が形成される。
2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給される、または2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるので、2つの電子ビームによる映像が重畳頂上されて1枚の画像が形成される。
本発明に係る投影型表示装置は、赤色、緑色及び青色の単色陰極線管を備え、青色の単色陰極線管にのみ、2つのカソードが設けられ、動作時に、全走査領域に亘って投影スクリーン上に形成される2つのスポットの間隔が、垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に設定された構成とする。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給されるように構成することができる。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるように構成することができる。
上記投影型表示装置においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるように構成することができる。
本発明の投影型表示装置では、青色の単色陰極線管の動作時に、全走査領域に亘って投影スクリーン上に形成される2つのスポットの間隔が、垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に設定された構成であるので、青色蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避される。従って、赤、緑及び青の輝度のバランスがとれる。
青色の単色陰極線管においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給される、または2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるので、2つの電子ビームによる映像が重畳頂上されて1枚の画像が形成される。
青色の単色陰極線管においては、2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給される、または2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給されるので、2つの電子ビームによる映像が重畳頂上されて1枚の画像が形成される。
本発明に係る陰極線管によれば、蛍光体の輝度飽和が起り難く明るい画像を得ることができる。特に輝度飽和し易い青色蛍光体の輝度向上を図ることができる。同時に解像度の向上を図ることができる。
本発明に係る投影型表示装置の制御方法によれば、投影スクリーン上で歪みのない画像を得ることができると共に、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避され、明るい画像が得られる。2つのカソードに対して、時間差を持たせて映像信号を供給するので、2つの電子ビームによる映像を重畳して1枚のフィールド(フレーム)の画像が得られる。
本発明に係る投影型表示装置によれば、投影スクリーン上で歪みのない画像を表示することができると共に、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避され、明るい画像を表示することができる。2つのカソードに対して、時間差を持たせて映像信号を供給するので、2つの電子ビームによる映像を重畳して1枚のフィールド(フレーム)の画像を表示することができる。
本発明に係る投影型表示装置によれば、青色の単色陰極線管において、青色蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化が回避され、投影型表示装置として、赤、緑及び青のバランスがとれ、明るい画像を表示することができる。青色の単色陰極線管では、2つのカソードに対して、時間差を持たせて映像信号を供給するので、2つの電子ビームによる映像を重畳して1枚のフィールド(フレーム)の画像を表示することができる。
本発明の実施の形態の特徴は、単色の陰極線管において2つのカソードを配置して2つの電子ビームを出射し、この電子ビームが電子銃を通過した後、蛍光面に2つのビームスポット(以下、スポットという)を形成し、この蛍光面上に形成された2つのスポットを投射レンズにて投影スクリーン上に結像させる。このとき、全走査領域に亘ってスクリーン上に結像した2つのスポットの垂直方向の距離を略走査線間隔の2倍以上の略一定間隔に保ち、且つ全走査領域に亘ってスクリーン上に結像した2つのスポットの水平方向の距離が略一定間隔に保持するように制御する。また、2つのカソードには、スポット間隔に応じた時間差を持つ映像信号を供給する。
ここで、2つのスポット間隔を規定する走査線間隔とは、厳密な走査線間隔、及び許容範囲内、つまり多少のずれがあっても、2つのスポットで描画される画像が重なって見える範囲を含めて、略走査線間隔と定義する。
ここで、2つのスポット間隔を規定する走査線間隔とは、厳密な走査線間隔、及び許容範囲内、つまり多少のずれがあっても、2つのスポットで描画される画像が重なって見える範囲を含めて、略走査線間隔と定義する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に適用される3管式プロジェクタに用いられる単色陰極線管の概略構成を示す。このプロジェクタ用の陰極線管1は、パネル2、ファンネル3及びネック4kらなるガラス管体5を有し、パネル2の内面に単色蛍光面6が形成され、ネック4内に2つのカソード10a、10bを有し2つの電子ビーム12a、12bを出射する電子銃11が配置されて成る。ガラス管体5の外側には2つの電子ビーム10a、10bを水平、垂直方向に偏向・走査させるための偏向ヨーク14が配置される。
図2は、本発明に係る陰極線管、即ち3管式プロジェクタに用いられる単色陰極線管の第1実施の形態を示す。同図は要部のみを示し、他の構成は図1と同様であるので、重複説明を省略する。
第1実施の形態に係る単色の陰極線管101は、2つのカソード10a、10bを有する電子銃111を備え、2つのカソード10a、10bから夫々出射した2つの電子ビーム12a、12bが電子銃11を通過した後に途中で交差することなく蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するように成す。すなわち、電子銃111を通過した後に蛍光面6に至るまでの2つの電子ビーム10a、10bの軌道が交差しないように構成される。カソード10aと10bは主走査方向(水平走査方向)に対して垂直に並んで配置される。そして、2つのカソード10a、10bから出射された電子ビーム12a、12bで形成される2つのスポット、即ち主走査方向に対して垂直に離れて並ぶ2つのスポット17aと17bは、互いに略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の間隔に設定される。
第1実施の形態に係る単色の陰極線管101は、2つのカソード10a、10bを有する電子銃111を備え、2つのカソード10a、10bから夫々出射した2つの電子ビーム12a、12bが電子銃11を通過した後に途中で交差することなく蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するように成す。すなわち、電子銃111を通過した後に蛍光面6に至るまでの2つの電子ビーム10a、10bの軌道が交差しないように構成される。カソード10aと10bは主走査方向(水平走査方向)に対して垂直に並んで配置される。そして、2つのカソード10a、10bから出射された電子ビーム12a、12bで形成される2つのスポット、即ち主走査方向に対して垂直に離れて並ぶ2つのスポット17aと17bは、互いに略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の間隔に設定される。
ここで、陰極線管101をプロジェクタに適用したとき、光学系(投影レンズ系)の歪みのため、投影されたスクリーン上で画像が真四角になるということは、陰極線管上では画像がたる型に歪むことになる。従って2つのスポット間隔を設定する際の水平走査線間隔はスクリーン上で定義する。陰極線管で水平走査線間隔を定義する場合は、電子ビームが無偏向のとき、つまり電子ビームが画面中心に照射されるときが正確に定義できる。
また、2つのカソード10a、10bには同じ映像信号を供給するが、いずれか一方のカソード、本例では」カソード10aには他方のカソード10bに供給される映像信号より遅延した映像信号が供給される。即ち、カソード10aには、カソード10bに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間だけ遅延した映像信号が供給される。カソード10aへの映像信号の入力は、遅延回路を介して行う。遅延時間は10H〜20H(Hは水平走査時間)程度が好ましく、例えば実際の使用には10H遅延させることができる。
次に、第1実施の形態に係る陰極線管101の動作を説明する。
1フィールド(フレーム)期間について考える。2つのスポット17aと17b間の間隔を主走査線に対して垂直方向に略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍だけ離すことにより、蛍光面6上の任意の1箇所にある蛍光体は、電子ビーム12aと12bによって水平走査時間のN倍の時間差をもって励起される。最初に励起された蛍光体の発光は、蛍光体の発光減衰時間(Decay Time:通常は輝度のピークの1/10となる時間で定義される)によって減衰する。次に励起されるまでの時間が長いほど蛍光体の輝度飽和が起こり難い。
1フィールド(フレーム)期間について考える。2つのスポット17aと17b間の間隔を主走査線に対して垂直方向に略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍だけ離すことにより、蛍光面6上の任意の1箇所にある蛍光体は、電子ビーム12aと12bによって水平走査時間のN倍の時間差をもって励起される。最初に励起された蛍光体の発光は、蛍光体の発光減衰時間(Decay Time:通常は輝度のピークの1/10となる時間で定義される)によって減衰する。次に励起されるまでの時間が長いほど蛍光体の輝度飽和が起こり難い。
この現象を輝度飽和特性が顕著な青色蛍光体について実測したグラフを図5に示す。図
5において、横軸は2つのスポット10a、10bの間隔、即ち水平走査線間隔を単位として表す。縦軸は2つのカソード10a、10bのうち、1つのカソードのみから電子ビームを出射して走査したときの輝度を基準にして2つのカソードに同じ電流値の電子ビームを出射して走査したときの輝度を基準輝度との比で表す。図5のグラフから2つのスポット17a、17bの間隔を、水平走査線間隔の略2倍以上にすると、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。2つのスポット間隔の上限は、水平走査線間隔の略20倍程度が好ましい。
5において、横軸は2つのスポット10a、10bの間隔、即ち水平走査線間隔を単位として表す。縦軸は2つのカソード10a、10bのうち、1つのカソードのみから電子ビームを出射して走査したときの輝度を基準にして2つのカソードに同じ電流値の電子ビームを出射して走査したときの輝度を基準輝度との比で表す。図5のグラフから2つのスポット17a、17bの間隔を、水平走査線間隔の略2倍以上にすると、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。2つのスポット間隔の上限は、水平走査線間隔の略20倍程度が好ましい。
また、後述で明らかになるが、2つのカソード10a、10bのうち、一方のカソード10bに水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間だけ遅延した映像信号を供給することにより、電子ビーム12aが蛍光面6上に形成する映像と、電子ビーム10bが蛍光面6上に形成する映像とが重畳されて1枚のフィールド(フレーム)の画像を形成することができる。この場合、例えば映像信号の入力端子から一方のカソード10bに遅延回路を介して遅延した映像信号を供給し、他方のカソード10aには入力端子からそのまま遅延しない映像信号を供給するようになす。
上述の第1実施の形態に係る単色の陰極線管101によれば、2つのカソード10a、10bを設けた電子銃111を備え、蛍光面6上に形成される2つのスポット17aと17bとの間隔を垂直方向に関して水平走査線間隔の略2倍以上に設定し、一方のカソード10aには他方のカソード10bより水平走査時間の2倍以上の時間だけ遅延した映像信号を供給することにより、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。特に輝度飽和特性が顕著な青色蛍光体の輝度の向上を図ることができる。また、2つの電子ビームを利用するので、1つの電子ビームあたりの電流値を大きくせず、スポット17a、17bの径を小さくすることで、解像度を向上することができる。
図3は、本発明に係る陰極線管、即ち3管式プロジェクタに用いられる単色陰極線管の第2実施の形態を示す。同図は要部のみを示し、他の構成は図1と同様であるので、重複説明を省略する。
第2実施の形態に係る単色の陰極線管102は、2つのカソード10a、10bを有する電子銃112を備え、2つのカソード10a、10bから夫々出射した2つの電子ビーム12a、12bが電子銃11を通過した後に途中で交差して蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するように成す。すなわち、電子銃111を通過した後に蛍光面6に至るまでの2つの電子ビーム10a、10bの軌道が交差するように構成される。カソード10aと10bは主走査方向に対して垂直に並んで配置される。そして、2つのカソード10a、10bから出射された電子ビーム12a、12bで形成される2つのスポット、即ち主走査方向に対して垂直に離れて並ぶ2つのスポット17aと17bは、互いに略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の間隔に設定される。
第2実施の形態に係る単色の陰極線管102は、2つのカソード10a、10bを有する電子銃112を備え、2つのカソード10a、10bから夫々出射した2つの電子ビーム12a、12bが電子銃11を通過した後に途中で交差して蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するように成す。すなわち、電子銃111を通過した後に蛍光面6に至るまでの2つの電子ビーム10a、10bの軌道が交差するように構成される。カソード10aと10bは主走査方向に対して垂直に並んで配置される。そして、2つのカソード10a、10bから出射された電子ビーム12a、12bで形成される2つのスポット、即ち主走査方向に対して垂直に離れて並ぶ2つのスポット17aと17bは、互いに略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の間隔に設定される。
また、2つのカソード10a、10bには同じ映像信号を供給するが、いずれか一方のカソード、本例では」カソード10bには他方のカソード10aに供給される映像信号より遅延した映像信号が供給される。即ち、カソード10bには、カソード10aに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間だけ遅延した映像信号が供給される。その他の構成は、第1実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
上述の第2実施の形態に係る単色の陰極線管102によれば、2つのカソード10a、10bを設けた電子銃112を備え、蛍光面6上に形成される2つのスポット17aと17bとの間隔を垂直方向に関して水平走査線間隔の略2倍以上に設定し、一方のカソード10bには他方のカソード10aより水平走査時間の2倍以上の時間だけ遅延した映像信号を供給することにより、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。特に輝度飽和特性が顕著な青色蛍光体の輝度の向上を図ることができる。また、2つの電子ビームを利用するので、1つの電子ビームあたりの電流値を大きくせず、スポット17a、17bの径を小さくすることで、解像度を向上することができる。
図4は、本発明に係る陰極線管、即ち3管式プロジェクタに用いられる単色陰極線管の第3実施の形態を示す。同図は要部のみを示し、他の構成は図1と同様であるので、重複説明を省略する。
第3実施の形態に係る単色の陰極線管103は、2つのカソード10a、10bを有する電子銃112を備え、2つのカソード10a、10bから夫々出射した2つの電子ビーム12a、12bが電子銃11を通過した後に途中で交差せず、又は交差して、本例では交差せずに蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するように成す。すなわち、電子銃111を通過した後に蛍光面6に至るまでの2つの電子ビーム10a、10bの軌道が交差するように構成される。カソード10aと10bは主走査方向に対して傾斜するように斜めに配置され、2つのカソード10a、10bから出射された電子ビーム12a、12bで形成される2つのスポットが、主走査方向に対して斜め方向に離れて形成される。そして、2つのスポット17aと17bは、互いに略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の間隔に設定される。
第3実施の形態に係る単色の陰極線管103は、2つのカソード10a、10bを有する電子銃112を備え、2つのカソード10a、10bから夫々出射した2つの電子ビーム12a、12bが電子銃11を通過した後に途中で交差せず、又は交差して、本例では交差せずに蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するように成す。すなわち、電子銃111を通過した後に蛍光面6に至るまでの2つの電子ビーム10a、10bの軌道が交差するように構成される。カソード10aと10bは主走査方向に対して傾斜するように斜めに配置され、2つのカソード10a、10bから出射された電子ビーム12a、12bで形成される2つのスポットが、主走査方向に対して斜め方向に離れて形成される。そして、2つのスポット17aと17bは、互いに略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の間隔に設定される。
また、2つのカソード10a、10bには同じ映像信号を供給するが、いずれか一方のカソード、本例では」カソード10aには他方のカソード10bに供給される映像信号より遅延した映像信号が供給される。即ち、カソード10aには、カソード10bに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間+αだけ遅延した映像信号が供給される。その他の構成は、第1実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
なお、図4では蛍光面6上における2つのスポットを、2つのスポット17a、17bの結ぶ線と垂直線とのなす角が+θとなるように斜め配列したが、逆に2つのスポット17a、17bの結ぶ線と垂直線とのなす角が−θとなるように斜め配列することもできる。この場合は、カソード10aには、カソード10bに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間−αだけ遅延した映像信号が供給される。
上述の第3実施の形態に係る単色の陰極線管103によれば、2つのカソード10a、10bを設けた電子銃112を備え、蛍光面6上に形成される2つのスポット17aと17bとの間隔を垂直方向関して水平走査線間隔の略2倍以上に設定し、一方のカソード10aには他方のカソード10bより水平走査時間の2倍以上の時間±αだけ遅延した映像信号を供給することにより、前述の第1実施の形態で説明したと同様に、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。特に輝度飽和特性が顕著な青色蛍光体の輝度の向上を図ることができる。また、2つの電子ビームを利用するので、1つの電子ビームあたりの電流値を大きくせず、スポット17a、17bの径を小さくすることで、解像度を向上することができる。
図6及び図7は、夫々図2及び図3の陰極線管101及び102をプロジェクタに適用し、且つ電子ビーム軌道調節手段がない場合の、投影スクリーン上における電子ビームの走査パターンを示す。
図6は、2つの電子ビーム12a、12bが交差しないで蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成した場合である。図7は、2つの電子ビーム12a、12bが交差して蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成した場合である。これら2つの電子ビーム12a、12bが偏向ヨーク14により走査され、蛍光面6上で得られた画像が投影レンズ(図示せず)を介して投影スクリーン20上に投影される。
図6は、2つの電子ビーム12a、12bが交差しないで蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成した場合である。図7は、2つの電子ビーム12a、12bが交差して蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成した場合である。これら2つの電子ビーム12a、12bが偏向ヨーク14により走査され、蛍光面6上で得られた画像が投影レンズ(図示せず)を介して投影スクリーン20上に投影される。
図6では、投影スクリーン20上に結像したスポット21aで走査パターン22aが描かれ、同様に結像したスポット21bで走査パターン22bが描かれる。画面の中心においては、スポット21aと21b間が垂直方向に水平走査線間隔の略2倍以上の間隔になっている。しかし、例えば画面中心から画面右及び左側においては、間隔が狭まり、上下の関係が逆転する場所もあり、また主走査線に対して垂直な位置関係が画面全体では保たれないことを示している。
図7では、投影スクリーン20上に結像したスポット21aで走査パターン22aが描かれ、同様に結像したスポット21bで走査パターン22bが描かれる。画面の中心においては、スポット21aと21b間が垂直方向に水平走査線間隔の略2倍以上の間隔になっている。しかし、例えば画面中心から画面右及び左側においては、間隔が広がり、また主走査線に対して垂直な位置関係が画面全体では保たれないことを示している。
図8及び図9は、夫々図2及び図3の陰極線管101及び102を備えた本発明に係る投影型表示装置、すなわち3管式プロジェクタの実施の形態を示す。なお、同図は要部のみを示す。
図8は、図2に示す2つの電子ビーム12a、12bが交差しないで蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するようにした陰極線管101を備えた第4実施の形態である。図9は、図3に示す2つの電子ビーム12a、12bが交差して蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するようにした陰極線管102を備えた第5実施の形態である。
図8は、図2に示す2つの電子ビーム12a、12bが交差しないで蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するようにした陰極線管101を備えた第4実施の形態である。図9は、図3に示す2つの電子ビーム12a、12bが交差して蛍光面6上に2つのスポット17a、17bを形成するようにした陰極線管102を備えた第5実施の形態である。
第4実施の形態及び第5実施の形態に係るプロジェクタは、いずれも陰極線管101、102を備えると共に、陰極線管の画像を拡大投影するための投影レンズ(図示せず)、投影スクリーン20を備えて成る。さらに、陰極線管101,102の偏向ヨーク14の電子銃側の近傍に電子ビーム軌道をダイナミックに調整する電子ビーム軌道調整手段25が設けられる。電子ビーム軌道調整手段25としては、例えば静電偏向電極または四重極磁界発生コイルで構成される。電子ビーム軌道調整手段25に四重極磁界発生コイル25を用いるときは、図8、図9に示すように、ガラス管体の外側において偏向ヨーク14の電子銃側の近傍に四重極磁界は発生コイルを配置することができる。この四重極磁界発生コイルによる電子ビーム軌道調整手段25は、電子ビーム軌道を垂直方向(又は水平方向)のみの場合派軌道調整手段を1つの四重極コイルで構成する。実際には、垂直、水平方向共に電子ビームを軌道調整するので、垂直方向に調整する四重極磁界発生コイルと水平方向に調整する四重極磁界発生コイルの2つを具備する。
電子ビーム軌道調整手段25に静電偏向電極を用いるときは、電子銃の蛍光面側に静電偏向電極を配置して構成することができる。例えば、垂直方向の軌道調整用の静電偏向電極は、電子銃の蛍光面側の前段に3枚の偏向電極板を配置し、中央の偏向電極板に調整信号を印加し、両側の外側偏向電極板に夫々アノード電圧を印加して構成される。一方の外側偏向電極板と中央の偏向電極板間に2つのうちの一方の電子ビームが透過され、他方の外側偏向電極板と中央の偏向電極板間に他方の電子ビームが透過され、垂直軌道調整される。電子ビームが主走査方向に対し垂直に並ぶ場合の水平方向軌道調整手段には四重極磁界発生コイルを用いる場合もある。
電子ビーム軌道調整手段25に静電偏向電極を用いるときは、電子銃の蛍光面側に静電偏向電極を配置して構成することができる。例えば、垂直方向の軌道調整用の静電偏向電極は、電子銃の蛍光面側の前段に3枚の偏向電極板を配置し、中央の偏向電極板に調整信号を印加し、両側の外側偏向電極板に夫々アノード電圧を印加して構成される。一方の外側偏向電極板と中央の偏向電極板間に2つのうちの一方の電子ビームが透過され、他方の外側偏向電極板と中央の偏向電極板間に他方の電子ビームが透過され、垂直軌道調整される。電子ビームが主走査方向に対し垂直に並ぶ場合の水平方向軌道調整手段には四重極磁界発生コイルを用いる場合もある。
そして、プロジェクタの動作時、すなわち電子ビームの偏向時には、電子ビーム軌道調整手段25(例えば静電偏向電極の場合)に偏向に同期した制御電圧を印加し、あるいは電子ビーム軌道調整手段25(例えば四重極磁界発生コイルの場合)に偏向に同期した制御電流を供給する。投影スクリーン20上に結像した2つのスポット21aと21bとの間隔は、全走査領域に亘って水平方向には間隔が0(いわゆる2つのスポット21a、21bが主走査方向に対して垂直に並ぶ)となり、垂直方向には略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の略一定間隔に保たれる。2つのカソード10a、10bに供給する映像信号は、水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせるようになす。
上述の実施の形態のプロジェクタとしては、赤、緑、青の輝度バランスを考えて、赤色及び緑色の単色陰極線管には通常の1つのカソードの電子銃を用い、青色の単色陰極線管には上記の2つのカソードの電子銃を用いて構成することができる。
本実施の形態のプロジェクタによれば、図8及び図9に示すように、電子ビーム軌道調節手段25である例えば四重極磁界発生コイルに偏向に同期した制御電流を流すことにより、投影スクリーン2上でのスポット17a、17bの走査パターンの歪みが補正され、2つのスポット17aと17bの間隔を全走査領域に亘って水平方向には略0とし、垂直方向には略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍の略一定間隔を保った走査パターン22a及び22bが得られる。そして、2つのカソードのうち、図8ではカソード10aに対してカソード10bに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間だけ遅延した映像信号を供給し、図9ではカソード10bに対してカソード10aに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間だけ遅延した映像信号を供給するので、2つのスポット17a、17bで描画される画像を重ね合わせることができる。
従って、3管式プロジェクタにおいて、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。特に青色陰極線管における輝度飽和特性が顕著な青色蛍光体の輝度の向上を図ることができる。また、2つの電子ビームを利用するので、1つの電子ビームあたりの電流値を大きくせず、スポット17a、17bの径を小さくすることで、解像度を向上することができる。
図10は、図3の陰極線管103を備えた本発明に係る投影型表示装置、すなわち3管式ポロジェクタの実施の形態を示す。なお、同図は要部のみを示す。図10は、図3に示す2つの電子ビーム12a、12bが蛍光面6上で斜め配列となる2つのスポット17a、17bを形成するようにした陰極線管101を備えた第6実施の形態である。
第6実施の形態に係るプロジェクタは、陰極線管103を備えると共に、陰極線管の画像を拡大投影するための投影レンズ(図示せず)、投影スクリーン20を備えて成る。さらに、陰極線管103の偏向ヨーク14の電子銃側の近傍に電子ビーム軌道をダイナミックに調整する電子ビーム軌道調整手段25が設けられる。電子ビーム軌道調整手段25としては、例えば静電偏向電極または四重極磁界発生コイルで構成される。本例では前述と同様に四重極磁界発生コイル25が用いられる。
そして、プロジェクタの動作時、すなわち電子ビームの偏向時には、電子ビーム軌道調整手段25(例えば静電偏向電極の場合)に偏向に同期した制御電圧を印加し、あるいは電子ビーム軌道調整手段25(例えば四重極磁界発生コイルの場合)に偏向に同期した制御電流を供給する。投影スクリーン20上に結像した2つのスポット21aと21bとの間隔は、全走査領域に亘って水平方向には所要の間隔となり、垂直方向には略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍以上の略一定間隔に保たれる。2つのカソード10a、10bに供給する映像信号は、水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間±α、本例では水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間+αの時間差を持たせるようになす。
第6実施の形態のプロジェクタによれば、図10に示すように、電子ビーム軌道調節手段25である例えば四重極磁界発生コイルに偏向に同期した制御電流を流すことにより、投影スクリーン2上でのスポット17a、17bの走査パターンの歪みが補正され、2つのスポット17aと17bの間隔を全走査領域に亘って水平方向には所定の間隔を保ち、垂直方向には略水平走査線間隔のN(Nは2以上の整数)倍の略一定間隔を保った走査パターン22a及び22bが得られる。そして、2つのカソード10aには、カソード10bに供給する映像信号よりも水平走査時間のN(Nは2以上の整数)倍の時間+αの時間だけ遅延した映像信号を供給するので、2つのスポット17a、17bで描画される画像を重ね合わせることができる。
従って、3管式プロジェクタにおいて、蛍光体の輝度飽和特性による輝度劣化を回避することができる。特に青色陰極線管における輝度飽和特性が顕著な青色蛍光体の輝度の向上を図ることができる。これにより、赤、緑、及び青の輝度をのバランスさせることができ、明るく、画質のよい画像が得られる。また、2つの電子ビームを利用するので、1つの電子ビームあたりの電流値を大きくせず、スポット17a、17bの径を小さくすることで、解像度を向上することができる。
上述では、1つの電子銃において2つのカソードを設ける構成としたが、その他、2つ以上の複数のカソードを設けることも可能である。但し、上例では2つの電子ビームに各々速度変調をかけているが、電子ビームが3つになると各々に独立に速度変調をかけることが極めて困難になる。従って、カソードは2つが好ましい。
1、101、102、103・・陰極線管、2・・パネル、3・・ファンネル、4・・ネック、5・・ガラス管体、6・・蛍光面、10a,10b・・過祖、11、111、112,113・・電子銃、12a,12b・・電子ビーム、14・・偏向ヨーク、17a,17b・・スポット、20・・投影スクリーン、22a,22b・・走査パターン、25・・電子ビーム軌道調整手段
Claims (12)
- 2つのカソードが設けられ、
無偏向のとき、前記カソードから出射した2つの電子ビームが、蛍光面上の略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に分離した2つのスポットを形成するビーム軌道をとるようにして成る
ことを特徴とする陰極線管。 - 無偏向のとき、前記蛍光面上の分離した2つのスポットが、水平方向に互いに所要間隔だけ離れるようにして成る
ことを特徴とする請求項1記載の陰極線管。 - 無偏向のとき、前記蛍光面上の分離した2つのスポットが、水平方向に関して同じ位置に存するようにして成る
ことを特徴とする請求項1記載の陰極線管。 - 2つのカソードが設けられた電子銃と、前記カソードから出射された電子ビームの軌道をダイナミックに調整する電子ビーム軌道調整手段とを有した陰極線管を備え、投影スクリーン上に画像を投影する投影型表示装置の制御方法であって、
前記電子ビームの偏向時に、偏向に同期した制御電圧又は制御電流を前記電子ビーム軌道調整手段に供給し、前記投影スクリーン上に結像した2つのスポットの間隔を全走査領域に亘って垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に保つようにする
ことを特徴とする投影型表示装置の制御方法。 - 前記2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号を供給する
ことを特徴とする請求項4記載の投影型表示装置の制御方法。 - 前記2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号を供給する
ことを特徴とする請求項4記載の投影型表示装置の制御方法。 - 2つのカソードが設けられた電子銃、前記カソードから出射された電子ビームの軌道をダイナミックに調整する電子ビーム軌道調整手及び前記電子ビーム軌道調整手段を駆動する駆動手段を有した陰極線管と、
投影レンズ系と、
前記陰極線管の画像を前記投影レンズ系を介して投影する投影スクリーンとを備え、
動作時に、全走査領域に亘って前記投影スクリーン上に形成される2つのスポットの間隔が、垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に設定されて成る
ことを特徴とする投影型表示装置。 - 前記2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給される
ことを特徴とする請求項7記載の投影型表示装置。 - 前記2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給される
ことを特徴とする請求項7記載の投影型表示装置。 - 赤色、緑色及び青色の単色陰極線管を備え、
前記青色の単色陰極線管にのみ、2つのカソードが設けられ、動作時に、全走査領域に亘って投影スクリーン上に形成される2つのスポットの間隔が、垂直方向に略水平走査線間隔の2倍以上の間隔に設定されて成る
ことを特徴とする投影型表示装置。 - 前記2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍±αの時間差を持たせて映像信号が供給される
ことを特徴とする請求項10記載の投影型表示装置。 - 前記2つのカソードに水平走査時間N(Nは2以上の整数)倍の時間差を持たせて映像信号が供給される
ことを特徴とする請求項10記載の投影型表示装置。
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JP2003281137A JP2005050650A (ja) | 2003-07-28 | 2003-07-28 | 陰極線管、投影型表示装置の制御方法及び投影型表示装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010045039A (ja) * | 2004-12-01 | 2010-02-25 | Nanopacific Inc | 両極型パルス電源によって駆動される電界放出装置 |
-
2003
- 2003-07-28 JP JP2003281137A patent/JP2005050650A/ja active Pending
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