JP2004265799A - ビームインデックス型陰極線管及びその駆動方法 - Google Patents

ビームインデックス型陰極線管及びその駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子ビームのスポットサイズが画面周辺部で拡大するため、蛍光体のストライプ幅を広くしないと色純度が低下してしまう。
【解決手段】陰極線管本体1の内部でかつ陰極線管本体1の左右両側に位置するように一対のフォーカス電極部材13A,13Bを設けるとともに、これら一対のフォーカス電極部材13A,13Bに対して、陰極線管のアノード端子12に印加されるアノード電圧よりも低いフォーカス電圧を、それぞれに対応する中継端子14A,14Bを介して印加することにより、画面周辺部に偏向される電子ビームに一対のフォーカス電極部材13A,13Bから静電場力を作用させてビームスポット幅の拡大を抑える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単一ビームによって画像を再現するビームインデックス型陰極線管とその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管を用いた表示装置では、省エネルギー、高輝度化、薄型化が望まれている。通常のシャドウマスク(アパーチャグリルを含む)を用いた陰極線管(以下、シャドウマスク型陰極線管)で高輝度化を実現するには、より大きな電流で蛍光面を発光させる必要があるため、省エネルギーに相反することになる。特に、シャドウマスク型陰極線管の場合は、電子銃から出射した電子ビームの一部を色選別のためにシャドウマスクで遮るため、蛍光面に照射されずにシャドウマスクで消費される電子ビームの割合が全体の約80%と高く、その分だけ電子ビームの利用率が低くいものとなっている。そこで、シャドウマスクを使用しないタイプの陰極線管として、ビームインデックス方式の陰極線管(以下、ビームインデックス型陰極線管)が提案されている。
【0003】
図6はビームインデックス型陰極線管の基本的な構成例を示す概略図である。図6において、ビームインデックス型陰極線管の本体(ガラスバルブ)1は、パネル部2、ファンネル部3及びネック部4により構成されている。パネル部2とファンネル部3は、フリットガラスを用いて接合されている。また、ネック部4は、ファンネル部3と一体に形成されている。
【0004】
パネル部2の内面には蛍光面5が形成されている。蛍光面5は、赤色の蛍光体5R、緑色の蛍光体5G及び青色の蛍光体5Bを用いて構成されている。各々の蛍光体5R,5G,5Bは、画面の上下方向となる垂直方向に沿ってストライプ状に形成されている。また、各々の蛍光体5R,5G,5Bは、遮光性を有するブラックストライプ(不図示)によって区画されている。
【0005】
一方、ネック部4には、電子ビームの出射源となる電子銃6が組み込まれている。また、ネック部4からファンネル部3に至るコーン部には偏向ヨーク7が装着されている。偏向ヨーク7は、電子銃6から出射された電子ビームの軌道上に偏向磁界を形成し、この偏向磁界によって電子ビームを偏向するものである。
【0006】
上記構成のビームインデックス型陰極線管においては、電子銃6から単一の電子ビーム8が出射されるとともに、この電子ビーム8を偏向ヨーク7の偏向磁界により上下左右(水平方向及び垂直方向)に偏向することにより、パネル部2内面の蛍光面5上で電子ビーム8のスポット(以下、ビームスポットとも記す)が水平方向及び垂直方向に走査される。これにより、各色の蛍光体5R,5G,5Bが発光することにより、陰極線管の画面上にカラー画像が表示される。
【0007】
その際、特定の蛍光体、例えば、青色の蛍光体5Bに電子ビーム8が照射されると、この蛍光体5Bの発光によってインデックス光(例えば紫外線)9が発生する。このインデックス光9は、蛍光面5上で電子ビーム8を走査するときに、電子ビームの位置情報を取得するうえで必要になるインデックス信号を生成するために、陰極線管の背面側(ファンネル部2)に設けられた受光センサ(この場合は紫外線センサ)10で検知される。これに対して、色信号切換回路11では、受光センサ10から入力されるインデックス信号(パルス信号)に基づいて、電子銃6に印加する3色の色信号(ビデオ信号)の出力タイミングを切り換えることにより、陰極線管の画面上に表示されるカラー画像を制御する。
【0008】
このようなビームインデックス型陰極線管では、上記シャドウマスク型陰極線管のようにシャドウマスクで電子ビームが遮られることがない。そのため、ビームインデックス型陰極線管は、電子ビームの利用率が高く、しかも単一の電子ビームで画像を表示するため、構造が簡単で消費電力が少ないという利点を有している。ただし、ビームインデックス型陰極線管の場合は、陰極線管の画面上で狙いとする色の蛍光体だけを発光させるために、蛍光面5に照射される電子ビーム8のスポットサイズを各色の蛍光体5R,5G,5Bの幅(ストライプ幅)と同等レベルまで小さくする必要がある。従来では、電子ビームのスポットサイズを全体的に縮小すると、画像表示に必要とされる適正な電流量(明るさ)を確保できなくなる場合があるため、電子ビームを水平方向でのみ小さく絞ることにより、ビームスポット形状を縦長にする技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−304959号公報(段落0010)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ビームインデックス型陰極線管で電子ビームのスポット形状を縦長にしたとしても次のような問題が生じる。すなわち、電子銃6によって形成される静電レンズの中心を基点に考えた場合、この基点から蛍光面5までの距離は、画面中央部よりも画面周辺部の方が長くなる。そのため、上記基点から蛍光面5までの距離差に応じて電子銃6のレンズ系の像倍率が変化(増減)し、これにしたがって、電子ビーム8のスポットサイズは、画面中央部よりも画面周辺部の方が大きくなる。さらに、画面周辺部では蛍光面5に対して電子ビーム8が斜めに入射するため、画面中央部では電子ビーム8のスポット形状が縦長になっていても、画面周辺部(水平方向の端部)では、電子ビーム8のスポットが横長の楕円形状に潰れて肥大化する。そのため、画面中央部では電子ビーム8が狙いとする蛍光体だけに照射されていても、画面周辺部では電子ビーム8が狙いとする蛍光体と同時にその隣の蛍光体にも照射され、これによって色純度が低下してしまう。
【0011】
この対策としては、画面中央部と画面周辺部での像倍率差を小さくするために、偏向ヨーク7による電子ビーム8の偏向角度を90°程度に小さくすることが考えられるが、この場合は偏向角度の縮小に伴って陰極線管の奥行き寸法が大きくなってしまう。また、他の対策として、画面中央部から画面周辺部に向かって蛍光体のストライプ幅を徐々に広くすることが考えられるが、この場合はストライプ幅の拡大に伴って画像表示の解像度が低下してしまう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るビームインデックス型陰極線管は、陰極線管の内部でかつ陰極線管の左右両側に配置された一対のフォーカス電極部材と、これら一対のフォーカス電極部材に対して、陰極線管のアノード端子に印加されるアノード電圧よりも低いフォーカス電圧を印加する電圧印加手段とを備えた構成となっている。
【0013】
上記構成のビームインデックス型陰極線管においては、一対のフォーカス電極部材にアノード電圧よりも低いフォーカス電圧を印加することにより、画面周辺部に偏向される電子ビームに対して、その偏向磁場力と逆向きの静電場力が作用するようになる。そのため、蛍光面に照射される電子ビームのスポットサイズが水平方向で縮められる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態においては、上記従来技術で述べた構成要素と同様の部分に同じ符号を付して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係るビームインデックス型陰極線管の構成を説明するもので、図中(A)は陰極線管を正面から見たときの内部構造(パネル部を取り外した状態)を示す概略図であり、(B)は陰極線管を水平面で断面したときの構造を示す概略図であり、(C)は陰極線管を背面から見たときの構造を示す概略図である。この図1においては、ビームインデックス型陰極線管の左右方向をX軸方向(水平方向)、同上下方向をY軸方向(垂直方向)、同中心軸方向(管軸方向)をZ軸方向としている。
【0016】
図示したビームインデックス型陰極線管は、主として、パネル部2、ファンネル部3及びネック部4から成る陰極線管本体(ガラスバルブ)1と、この陰極線管本体1のネック部4に組み込まれた電子銃6と、陰極線管本体1のコーン部に装着された偏向ヨーク7とを備えた構成となっている。パネル部2の内面には、赤、緑、青の各色の蛍光体をストライプ状に配列した蛍光面(不図示)と、この蛍光面を覆う導電膜(一般的にはアルミニウム膜)が形成されている。
【0017】
ファンネル部3には、アノード端子12がガラス中に埋め込んだ状態で設けられている。アノード端子12は、図示しない高圧電源で生成された高圧のアノード電圧を上記導電膜に加えるために設けられたもので、アノードボタンとも呼ばれる。このアノード端子12には高圧電源(不図示)によって高圧(例えば、25kV程度)のアノード電圧が印加される。また、ファンネル部3には、インデックス光を検知(受光)してインデックス信号を発生する受光センサ10が組み込まれている。
【0018】
さらに、陰極線管本体1の内部には一対のフォーカス電極部材13A,13Bが設けられている。一対のフォーカス電極部材13A,13Bは、陰極線管本体1の左右両側に分かれて配置されている。各々のフォーカス電極部材13A,13Bは、例えば、金属(ステンレス鋼等)等の導電性材料によって薄い板状に形成されている。また、各々のフォーカス電極部材13A,13Bは、これを平面的に見るとファンネル部3の断面形状に沿うように円弧状に形成配置され、これを正面から見ると陰極線管の上端から他端にわたって縦長の長方形に形成配置されている。
【0019】
また、ファンネル部3の水平軸(X軸)上には、各々のフォーカス電極部材13A,13Bの取付位置に対応して2つの中継端子14A,14Bが固定状態に設けられている。これらの中継端子14A,14Bは、上記アノード端子12と同様にガラス中に埋め込んだ状態でファンネル部3に固定されている。また、一方の中継端子14Aは溶接等によって一方のフォーカス電極部材13Aに接合され、他方の中継端子14Bは溶接等によって他方のフォーカス電極部材13Bに接合されている。これにより、中継端子14Aはフォーカス電極部材13Aに電気的に接続された状態(導通状態)となっており、中継端子14Bはフォーカス電極部材13Bに電気的に接続された状態(導通状態)となっている。
【0020】
各々の中継端子14A,14Bは、電気的な接続のための中継機能のほか、それぞれに対応するフォーカス電極部材13A,13Bを陰極線管本体1の内部で機械的に支持する支持機能を果たすものであってもよい。また、中継端子14A,14Bとは別に、フォーカス電極部材13A,13Bを固定状態に支持する支持手段を陰極線管本体1の内部に設けた構成としてもよい。
【0021】
上記一対のフォーカス電極部材13A,13Bには、それぞれに対応する中継端子14A,14Bを介して、アノード電圧よりも低いフォーカス電圧が印加される。図2にフォーカス電圧生成回路の具体的な構成例を示す。図示したフォーカス電圧生成回路は、大きくは、高圧電源となる高圧出力回路15と、一対の分電圧抵抗回路16A,16Bとを備えて構成されている。高圧出力回路15は、もともと高圧のアノード電圧を生成するために用いられるもので、一次側のコイルL1と、二次側のコイルL2,L3と、各々のコイルL2,L3に直列に接続されたダイオードD1,D2とを用いて構成されている。なお、ここでは説明を簡素化するために、コイルとダイオードによる直列接続の段数を2段にしている。ダイオードD1の出力端はアノード端子12に接続され、その間でコンデンサC1がグランドに接続されている。このコンデンサC1は陰極線管本体1がもつ静電容量によって構成されるものである。
【0022】
一方、一対の分電圧抵抗回路16A,16Bのうち、一方の分電圧抵抗回路16Aは、互いに直列に接続された3つの抵抗R1,R2,R3によって構成され、他方の分電圧抵抗回路16Bは、互いに直列に接続された3つの抵抗R4,R5,R6によって構成されている。抵抗R1,R4の各一端は、上記ダイオードD2の出力端に接続され、その間でコンデンサC2がグランドに接続されている。このコンデンサC2も陰極線管本体1がもつ静電容量によって構成されるものである。また、抵抗R3,R6の各一端はグランドに接続(アース)されている。さらに、抵抗R2の中間点には中継端子14Aが接続され、抵抗R5の中間点には中継端子14Bが接続されている。
【0023】
上記構成からなるフォーカス電圧生成回路において、先ず、高圧出力回路15では、水平偏向周期に同期した水平偏向パルス(パルス電圧)φHが一次側のコイルL1に供給され、そのパルス電圧の二次側出力が、ダイオードD1,D2とコイルL2,L3の直列回路によって整流かつ昇圧されることにより、直流のアノード電圧(高電圧)が生成されるとともに、このアノード電圧がアノード端子12に印加される。また、上記パルス電圧の二次側出力は、ダイオードD2とコイルL3の直列回路によって整流かつ昇圧されることにより、上記アノード電圧よりも低い電圧(中電圧)が一対の分電圧抵抗回路16A,16Bに加えられるとともに、各々の分電圧抵抗回路16A,16Bで分圧調整された電圧がそれぞれフォーカス電圧として中継端子14A,14Bに印加される。
【0024】
上記構成のビームインデックス型陰極線管においては、電子銃6から単一の電子ビームが出射されるとともに、この電子ビームを偏向ヨーク7の偏向磁界によって上下左右(水平方向及び垂直方向)に偏向することにより、パネル部2内面の蛍光面上で電子ビームのスポットが水平方向及び垂直方向に走査される。このとき、パネル部2内面の導電膜につながるアノード端子12にはアノード電圧が印加され、一対のフォーカス電極部材13A,13Bにつながる中継端子14A,14Bにはアノード電圧よりも低いフォーカス電圧が印加される。
【0025】
これにより、一対のフォーカス電極部材13A,13Bにフォーカス電圧が供給されるため、パネル部2内面の蛍光面を覆う導電膜の電位状態(以下、蛍光面電位とも記す)に対して、フォーカス電極部材13A,13Bの電位がそれよりも低くなる。そのため、偏向ヨーク7の偏向磁界にしたがって電子ビームを画面周辺部に偏向した際には、そこを走査する電子ビームがフォーカス電極部材13A又は13Bから偏向磁場力と逆向きの静電場力を受ける。この静電場力はアノード電圧とフォーカス電圧との電位差によって発生するものである。電子ビームに作用する静電場力は、導電膜に供給されるアノード電圧とフォーカス電極部材13A,13Bに供給されるフォーカス電圧との電位差が大きくなるほど大きくなるとともに、電子ビームがフォーカス電極部材13A又は13Bに近づくほど大きくなる。
【0026】
このように一対のフォーカス電極部材13A,13Bにフォーカス電圧を供給(印加)して電子ビーム8に静電場力を作用させることにより、例えば、図3(A)に示すように、フォーカス電極部材が存在しない場合は、画面周辺部で蛍光面5に照射される電子ビーム8のスポット形状が横長に潰れた楕円形状になるものの、図3(B)に示すように、フォーカス電極部材(13A,13B)が存在する場合は、画面周辺部で蛍光面5に照射される電子ビーム8のスポット形状がフォーカス電極部材13A又は13Bからの静電場力によって水平方向に絞られ、これによって電子ビームのスポットサイズが水平方向で縮められる。したがって、画面中央部で縦長のスポット形状とした電子ビームを、画面周辺部でも縦長のスポット形状に維持することが可能になる。また、画面中央部と画面周辺部で電子ビームのスポット幅をほぼ一定に維持することが可能になる。
【0027】
図4は、フォーカス電極部材が無しの場合と、フォーカス電極部材が有りでこれに印加されるフォーカス電圧を変えた場合とで、それぞれ電子ビームの走査位置を画面中心(Z軸)からの距離で表したときのビームスポット幅(水平軸方向の電子ビームのスポットサイズ)の変化を示すものである。図4において、フォーカス電極部材が無しの場合は、電子ビームの走査位置が画面中心から離れるにしたがってビームスポット幅が大きくなっている。また、フォーカス電極部材が有りでこれに印加されるフォーカス電圧をアノード電圧(HV)の70%とした場合は、電子ビームの走査位置が画面中心から離れるにしたがってビームスポット幅が大きくなっているものの、その割合はフォーカス電極部材が無しの場合よりも小さくなっている。
【0028】
また、フォーカス電極部材が有りでこれに印加されるフォーカス電圧をアノード電圧(HV)の40%とした場合は、電子ビームの走査位置が画面中心から離れてもビームスポット幅が一定のままで推移している。また、フォーカス電極部材が有りでこれに印加されるフォーカス電圧をアノード電圧(HV)の30%とした場合は、電子ビームの走査位置が画面中心から離れるにしたがってビームスポット幅が小さくなっている。したがって、このような状況では、フォーカス電極部材に印加されるフォーカス電圧をアノード電圧(HV)の40%に設定することにより、画面中央部と画面周辺部で電子ビームのビームスポット幅を一定に維持することが可能となる。
【0029】
図5は本発明を適用したビームインデックス型陰極線管を用いて、フォーカス電極部材に印加するフォーカス電圧と、画面周辺部で走査される電子ビームの形状、幅及び高さとの関係を測定した結果を示すものである。図示のように、フォーカス電極部材に印加するフォーカス電圧を、アノード電圧(蛍光面電位)との相対比で100%(アノード電圧と同電位)、70%、50%、40%と変化させると、電子ビームのスポット形状、スポット幅及びスポット高さは次のように変化する。すなわち、電子ビームのスポット形状は、横長の楕円形状から徐々に横幅が縮まって真円またはそれに近い形状となり、そこから更に変化して縦長の楕円形状となる。また、電子ビームのスポット幅は、ビームスポット形状の変化に応じて徐々に小さくなり、電子ビームのスポット高さは、ビームスポット形状の変化に応じて徐々に高くなる。
【0030】
このような測定結果からも、一対のフォーカス電極部材13A,13Bにフォーカス電圧を印加することが、電子ビームのスポット形状とスポット幅を一定に維持するうえで非常に有効であることが容易に理解できる。
【0031】
なお、本発明は、パネル部の内面に3色(R,G,B)の蛍光体を用いて蛍光面を形成したカラー陰極線管に限らず、ビームインデックス方式を採用したプロジェクション用の単色陰極線管にも同様に適用可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、陰極線管の画面(蛍光面)全域にわたって電子ビームの形状を縦長とし、かつそのビームスポット幅をほぼ一定に維持することができるため、画面全域で良好な解像度を得ることが可能となる。また、電子銃と蛍光面との間の距離を縮めて像倍率を小さくした場合でもビームスポット幅の拡大を抑えることができるため、画面周辺部で表示画像の色純度や解像度を低下させることなく、陰極線管の薄型化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るビームインデックス型陰極線管の構成を説明する図である。
【図2】フォーカス電圧生成回路の構成例を示す図である。
【図3】蛍光面に照射される電子ビームの状態を比較する図である。
【図4】フォーカス電極部材によるビームスポット幅の抑制効果を説明する図(その1)である。
【図5】フォーカス電極部材によるビームスポット幅の抑制効果を説明する図(その2)である。
【図6】ビームインデックス型陰極線管の基本的な構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…陰極線管本体、2…パネル部、3…ファンネル部、4…ネック部、5…蛍光面、6…電子銃、7…偏向ヨーク、8…電子ビーム、9…インデックス光、10…受光センサ、11…色信号切換回路、12…アノード端子、13A,13B…フォーカス電極部材、14A,14B…中継端子、15…高圧出力回路、16A,16B…分電圧抵抗回路

Claims (3)

  1. 陰極線管本体の内部でかつ当該陰極線管本体の左右両側に配置された一対のフォーカス電極部材と、
    前記一対のフォーカス電極部材に対して、陰極線管のアノード端子に印加されるアノード電圧よりも低いフォーカス電圧を印加する電圧印加手段と
    を備えることを特徴とするビームインデックス型陰極線管。
  2. 前記電圧印加手段は、高圧電源から前記アノード端子に印加される前記アノード電圧を分圧して前記フォーカス電圧を生成する
    ことを特徴とする請求項1記載のビームインデックス型陰極線管。
  3. 陰極線管本体の内部でかつ陰極線管本体の左右両側に位置するように一対のフォーカス電極部材を設けるとともに、前記一対のフォーカス電極部材に対して、陰極線管のアノード端子に印加されるアノード電圧よりも低いフォーカス電圧を印加することにより、前記一対のフォーカス電極部材から電子ビームに静電場力を作用させる
    ことを特徴とするビームインデックス型陰極線管の駆動方法。
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