JP2004245545A - 熱風処理装置 - Google Patents

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Kichiya Nishio
吉也 西尾
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Abstract

【課題】上ノズルと下ノズルの各吹出し口から吹き出した熱風のシート材表面に衝突後において、シート材に衝突後の熱風がシート材の幅方向に対して重なり合うことなく、一定の風速でスムーズに流れるようにする。
【解決手段】隣接する上ノズル7と下ノズル8を、シート材3の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて交互にV字型に開くようにして設置することにより、シート材3に衝突後の熱風はシート材3の幅方向に対して重なり合うことが少なく、ノズル間排気用通路12を通して略一定の風速でスムーズに流れることによって、シート材3の幅方向にわたって熱伝達係数が略一定となり、シート材3に対して良好な乾燥処理を行うことができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送される布帛等のシート材に対してノズルの吹出し口から吹き出される熱風で乾燥処理や熱処理を施す熱風処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
搬送される布帛等のシート材に対して複数のノズルから吹き出される熱風で乾燥処理や熱処理を施す熱風処理装置は、従来より種々提案され実用化されている。この種の熱風処理装置では、例えば図6に示すように、搬送される布帛等のシート材20の上下両面側或いはどちらか一方の面側にシート材20の幅方向にわたって多数の熱風吹出し口21aを有するノズル21を、シート材20の移動方向(矢印方向)に対して直交するようにして一定間隔で複数設置している。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭51−29570号公報(第4図〜第6図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示したように、従来では各ノズル21の各熱風吹出し口21aからそれぞれ吹き出した熱風aは、排気ファン(不図示)を有する排気口(不図示)の吸引によって、搬送されるシート材20表面に衝突後に各ノズル21の間の排気用通路を略中央から左右方向(図6の上下方向)に分かれて流れ、ノズル21の両端側に設けた排気口(不図示)から排気される。
【0005】
しかしながら、図6に示したような従来の構成では、各ノズル21間の間隔は広くなく、かつ各ノズル21は搬送されるシート材20の幅方向にわたって間隔が一定であるため、シート材20の表面に衝突後の熱風がシート材20の側面側で密に重なり合うことによって、シート材20の幅方向において熱風の風量に差が生じる。即ち、図6に示すように、シート材20の幅方向に対して中央部よりもその両側面側(図6の上下端側)ほど風量が多く、かつ流速も速くなることによって、シート材20の幅方向の両側面側の方が熱伝達係数が高くなる。
【0006】
このため、シート材20の幅方向において乾燥むらが生じ、乾燥後のシート材20の品質に悪影響が生じるおそれがあった。
【0007】
また、図6に示したような従来の構成では、排気口(不図示)の吸い込み力が弱いと、ノズル21の各熱風吹出し口21aから吹き出した熱風の一部は、シート材20の搬送方向及びその逆方向にも流れ、更に、各熱風吹出し口21aから吹き出した熱風がシート材20の両側面方向に向かって流れることによって、シート材20表面への衝突速度が弱まり、熱処理効率が低下して良好な乾燥処理を行うことができなかった。
【0008】
そこで本発明は、シート材に衝突後の熱風がシート材の幅方向に対して側面側で密に重なり合うことなく、一定の風速でスムーズに流れるようにすることができる熱風処理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、排気口の吸い込み力が弱い場合でも熱処理効率の低下を防止することができる熱風処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、搬送されるシート材の上下両面側又はどちらか一方の面側に、熱風を吹き出す吹出し口を有する複数のノズルを、搬送されるシート材の幅方向にわたるようにして前記シート材の搬送方向に沿って設置し、搬送される前記シート材に前記各ノズルの吹出し口から熱風を吹き付けて熱風処理を施す熱風処理装置において、隣接する前記各ノズルが交互に、前記シート材の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて開くようにして設置することを特徴としている。
【0010】
また、隣接する前記各ノズルの吹出し口から吹き出して前記シート材に衝突した熱風を、隣接する前記各ノズルの前記シート材の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて開いている側に排気させることを特徴としている。
【0011】
また、隣接する前記各ノズルは、前記シート材の幅方向に対して左右対称に一方の側面側から他方の側面側に向けて開いていることを特徴としている。
【0012】
また、前記吹出し口は、前記ノズルの長手方向に沿って複数形成した小径の円形孔であることを特徴としている。
【0013】
また、前記吹出し口は、前記ノズルの長手方向に沿って形成したスリット状の開口であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0015】
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施の形態1に係る熱風処理装置を示す概略断面図である。この熱風処理装置1は、装置本体2の一側面側(図1の左側)の中央部に布帛等のシート材3を搬入する搬入口2aを有し、他側面側(図1の右側)の中央部に布帛等のシート材3を搬出する搬出口2bを有しており、搬入口2aから装置本体2内を通して搬出口2bの同一平面上の搬送路4には、搬送されるシート材3を搬送ガイドする複数のガイドロール5が設置されている。
【0016】
装置本体2内の搬送路4の上側と下側には、対向するようにして複数(本実施の形態では、上下にそれぞれ2つ)の熱風ダクト6a、6b、6c、6dが設けられている。搬送路4の上側に設けた熱風ダクト6a、6bの搬送路4側には複数の上ノズル7が設けられており、搬送路4の下側に設けた熱風ダクト6c、6dの搬送路4側には複数の下ノズル8が設けられている。上ノズル7と下ノズル8は、搬送路4に対して略平行に設置されている。熱風ダクト6aと6bは隔壁2cによって仕切られており、熱風ダクト6cと6dは隔壁2dによって仕切られている。
【0017】
各上ノズル7は、図2に示すように、隣接する各上ノズル7の端部同士が略接し、かつシート材3の幅方向(シート材3の搬送方向(矢印A方向)と直交する方向)に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて交互にV字型に開くようにして設置されている。また、各下ノズル8も、同様に隣接する各下ノズル8の端部同士が略接し、かつシート材3の幅方向(シート材3の搬送方向(矢印A方向)と直交する方向)に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて交互にV字型に開くようにして設置されている。
【0018】
各上ノズル7と下ノズル8は、シート材3の搬送方向(矢印A方向)に沿ってその中央部に対して対称となるように配置されている。また、隣接するV字型に開いた各上ノズル7と下ノズル8は、それぞれシート材3の幅方向に対して左右対称である。上ノズル7と下ノズル8の搬送されるシート材3側には、それぞれ小径の円形孔からなる吹出し口7aと8aが不連続に多数形成されている。
【0019】
装置本体2内には、ヒータ9とファン10が設置されており、ヒータ9で加熱された空気(装置本体2内で循環する空気と外気から取り込む空気)がファン10の回転によって、風路(不図示)を通して各熱風ダクト6a、6b、6c、6dに送風されるように構成されている。また、装置本体2の上部には、複数の排気口2eが設けられており、各排気口2eには排気ファン(不図示)が連結されている。また、隣接する各上ノズル7と下ノズル8の交互にV字型に開いたそれぞれの前方には、各排気口2eと連通するようにして設けた排気通路11の先端が位置している。
【0020】
次に、上記した熱風処理装置1による乾燥処理動作について説明する。
【0021】
熱風処理装置1で乾燥処理する布帛等のシート材3には、熱風処理装置1内に搬入される前の工程において、樹脂を有機溶剤や水等の溶媒に溶解又は分散させた液体塗料が塗布されている。そして、この液体塗料が塗布されたシート材3は、巻出し装置(不図示)によって熱風処理装置1の搬入口2aに搬入され、ガイドロール5でガイドされながら搬送路4上を搬送される。
【0022】
熱風処理装置1では、ヒータ9で加熱された空気がファン10の回転によって、風路(不図示)を通して各熱風ダクト6a、6b、6c、6dに送風され、各上ノズル7と下ノズル8にそれぞれ形成した多数の吹出し口7aと8aから熱風が吹き出される。各上ノズル7と下ノズル8の多数の吹出し口7aと8aから吹き出した熱風は、搬送されるシート材3の上下の表面に吹き付けられ、乾燥処理を施す。
【0023】
この乾燥処理において、本実施の形態では、上述したように各上ノズル7と下ノズル8は、シート材3の幅方向(シート材3の搬送方向(矢印A方向)と直交する方向)に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて交互にV字型に開くようにして設置され、更に、隣接する各上ノズル7と下ノズル8の交互にV字型に開いた各ノズル間排気用通路12の前方には、排気ファン(不図示)を有する各排気口2eと連通するようにして設けた排気通路11の先端が位置している。
【0024】
これにより、V字型に開いた隣接する各上ノズル7と下ノズル8の位置では、図3に示すように各吹出口7aから吹き出した熱風aは、搬送されるシート材3に衝突した後に、各ノズル間排気用通路12を通して排気ファン(不図示)の回転によって排気通路11の先端開口から吸引されることにより、隣接する各上ノズル7と下ノズル8のV字型に開口している側のシート材3の幅方向にそれぞれ流れる。なお、図3では上ノズル7側しか示していないが、下ノズル8側においても同様である。
【0025】
よって、V字型に開いた隣接する各上ノズル7と下ノズル8の位置では、各吹出し口7aと8aから吹き出してシート材3に衝突後の各熱風はシート材3の幅方向に対して重なり合うことが少なく、各ノズル間排気用通路12を略一定の風速でスムーズに流れ、排気通路11を通して上部の各排気口2eから排気される。乾燥処理を施されたシート材3は、搬出口2bから排出されて巻取り装置(不図示)に巻き取られる。
【0026】
このように、シート材3に衝突後の各熱風はシート材3の幅方向に対して重なり合うことが少なく、各ノズル間排気用通路12を略一定の風速でスムーズに流れることによって、シート材3の幅方向にわたって熱伝達係数が略一定となり、良好な乾燥処理を行うことができる。更に、同一位置における上ノズル7と下ノズル8の各V字型の部分では、各吹出し口7aと8aから吹き出してシート材3に衝突後にその幅方向に流れる熱風の方向はそれぞれ逆方向であり、かつ両者の風量が略均一なことによって、シート材3の乾燥処理時においてその幅方向にわたってしわの発生を防止することができる。
【0027】
また、各排気口2eからの吸引が弱い場合でも、シート材3に衝突後の熱風aは、排気ファン(不図示)の回転によって排気通路11の先端開口から効果的に吸引されることにより、隣接する各上ノズル7と下ノズル8のV字型に開口している側のシート材3の幅方向にそれぞれスムーズに流れることによって、熱処理効率の低下を防止して良好な乾燥処理を行うことができる。
【0028】
また、本実施の形態において、V字型に開いた隣接する各上ノズル7と下ノズル8の一端側の開き具合は、シート材3の幅やシート材3の搬送速度等に応じて任意に設定してもよい。
【0029】
〈実施の形態2〉
図4は、本発明の実施の形態2に係る熱風処理装置を示す概略断面図である。なお、図1に示した実施の形態1の熱風処理装置と同一機能を有する部材には同一符合を付し、重複する説明は省略する。
【0030】
本実施の形態における熱風処理装置1aは、シート材3が搬送される搬送路4の上側と下側に設置した各熱風ダクト6a、6b、6c、6dの各上ノズル7と下ノズル8の各吹出口7aと8aからそれぞれ吹き出される熱風によって、シート材3を搬送路4上にフローティングさせながら乾燥処理する装置である。そして、各熱風ダクト6a、6b、6c、6dの各上ノズル7と下ノズル8の構成は、図2、図3に示した実施の形態1と同様に、シート材3の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて交互にV字型に開くようにして設置され、隣接する各上ノズル7と下ノズル8の交互にV字型に開いた前方には、排気ファン(不図示)を有する各排気口2eと連通するようにして設けた排気通路11の先端が位置している。
【0031】
このようにフローティング型の熱風処理装置1aにおいても、上述した実施の形態1と同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態の熱風処理装置1aでは、図6に示した従来例のように各ノズルをシート材の搬送方向に対して直交方向に一定間隔で設置する場合に比べて、シート材3をその搬送方向に対してより連続的に熱風を吹き付けて安定してフローティング支持することができる。
【0032】
また、上述した実施の形態1、2では、上ノズル7と下ノズル8の各吹出し口7aと8aは小径の円形孔に形成した構成であったが、図5に示すように上ノズル7と下ノズル8の搬送されるシート材3側に、長手方向に細長いスリット状に開口した吹出し口7bと8bを設けてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、隣接する各ノズルが交互に、シート材の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて開くようにして設置することにより、シート材に衝突後の熱風はシート材の幅方向に対して重なり合うことが少なく、略一定の風速でスムーズに流れることによって、シート材の幅方向にわたって熱伝達係数が略一定となり、シート材に対して乾燥処理などの熱風処理を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る熱風処理装置を示す概略断面図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る熱風処理装置における熱風ダクトの上ノズルと下ノズルを示す図。
【図3】熱風ダクトの上ノズルから吹き出してシート材に衝突後の熱風の流れを示す図。
【図4】本発明の実施の形態2に係る熱風処理装置を示す概略断面図。
【図5】変形例における上ノズルと下ノズルのスリット状の吹出口を示す図。
【図6】従来例における熱風処理装置の上ノズルから吹き出してシート材に衝突後の熱風の流れを示す図。
【符号の説明】
1、1a 熱風処理装置
2 装置本体
3 シート材
5 ガイドロール
6a、6b、6c、6d 熱風ダクト
7 上ノズル
7a、7b 吹出し口
8 下ノズル
8a、8b 吹出し口
9 ヒータ
10 ファン
11 排気通路
12 ノズル間排気用通路

Claims (5)

  1. 搬送されるシート材の上下両面側又はどちらか一方の面側に、熱風を吹き出す吹出し口を有する複数のノズルを、搬送されるシート材の幅方向にわたるようにして前記シート材の搬送方向に沿って設置し、搬送される前記シート材に前記各ノズルの吹出し口から熱風を吹き付けて熱風処理を施す熱風処理装置において、
    隣接する前記各ノズルが交互に、前記シート材の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて開くようにして設置する、
    ことを特徴とする熱風処理装置。
  2. 隣接する前記各ノズルの吹出し口から吹き出して前記シート材に衝突した熱風を、隣接する前記各ノズルの前記シート材の幅方向に対して一方の側面側から他方の側面側に向けて開いている側に排気させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱風処理装置。
  3. 隣接する前記各ノズルは、前記シート材の幅方向に対して左右対称に一方の側面側から他方の側面側に向けて開いている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱風処理装置。
  4. 前記吹出し口は、前記ノズルの長手方向に沿って複数形成した小径の円形孔である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱風処理装置。
  5. 前記吹出し口は、前記ノズルの長手方向に沿って形成したスリット状の開口である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱風処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014528878A (ja) * 2011-09-30 2014-10-30 テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニムTetra Laval Holdings & Finance S.A. 注入可能な食品をパッケージングするための機械のためのパッケージング材料からなるウェブを滅菌するためのユニット
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