JP2004236039A - 受信方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適なタイミングが異なった複数の受信信号を、共通のタイミングでダイバーシティ合成処理する。
【解決手段】メモリ制御部110へは、第1クロック信号200、第1入力パルス信号202、第1入力データ信号204、第2クロック信号208、第2入力パルス信号210、第2入力データ信号212などが入力される。メモリ制御部110は、第1メモリ部112へ第1メモリ書込データ信号222などを出力する。第2メモリ部114に対しても同様である。さらに、メモリ制御部110では、データ読み出し用のタイミング信号である第1メモリ読出イネーブル信号228などを生成する。第1メモリ部112、第2メモリ部114から、第1メモリ読出イネーブル信号228をトリガーにして、第1メモリ読出データ信号232、第2メモリ読出データ信号252を出力する。
【選択図】 図4
【解決手段】メモリ制御部110へは、第1クロック信号200、第1入力パルス信号202、第1入力データ信号204、第2クロック信号208、第2入力パルス信号210、第2入力データ信号212などが入力される。メモリ制御部110は、第1メモリ部112へ第1メモリ書込データ信号222などを出力する。第2メモリ部114に対しても同様である。さらに、メモリ制御部110では、データ読み出し用のタイミング信号である第1メモリ読出イネーブル信号228などを生成する。第1メモリ部112、第2メモリ部114から、第1メモリ読出イネーブル信号228をトリガーにして、第1メモリ読出データ信号232、第2メモリ読出データ信号252を出力する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル変調された信号を受信して復調する受信技術に関する。特に、複数の信号をダイバーシティ合成する受信方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像や音声などの情報を伝送するために、高品質な信号の伝送や周波数利用効率の向上に優れた変調方式として、直交周波数分割多重(以下、「OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing」という)方式が検討されている。OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に多数のサブキャリアを設ける変調方式で、ゴーストやマルチパスによる妨害に強く、移動体での良好な受信を可能にする。このOFDM方式は、映像や音声などの情報化源符号化方式および多重化方式のMPEG−2と共に、地上波デジタルテレビジョン放送方式に採用されている。地上波デジタルテレビジョン放送方式による送信装置は、映像や音声などのアナログ信号の情報をデジタル信号に変換して圧縮する符号化部と、圧縮された複数の情報を組合わせる多重化部と、伝送中に生じる誤りを訂正するための訂正符号化部と、時間インタリーブ、周波数インタリーブした後に情報を効率よく伝送するための変調部とから構成される。
【0003】
また、送信装置は、映像や音声などの情報に加えて、現在伝送に使用されている変調方式、誤り訂正の畳み込み符号化率、時間インタリーブ長などのパラメータを特定するための伝送多重制御(以下、「TMCC:Transmission and Multiplexing Configration Control」という)信号を挿入する。
【0004】
地上波デジタルテレビジョン放送方式におけるデータ信号が割当てられたサブキャリアの変調には、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)、QPSK、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMの4種類が、さらにTMCC信号が割当てられたサブキャリアの変調には、DBPSK(Differential Binary Phase ShiftKeying)が使用されており、それぞれマッピングの方法が異なる(例えば、特許文献1参照。)。また、DQPSKは差動変調方式、その他は同期変調方式と呼ばれ、各方式において挿入されるパイロット信号の種類や配置位置が異なる。
【0005】
ところで、移動体での受信において伝送される信号はフェージングの影響を受けるため、受信電力が大きく変動し、高品質な信号伝送の維持が困難となる。フェージングによる品質劣化を軽減する方式として、ダイバーシティ合成技術がある。この技術は、独立な複数の信号を受信し、これらを適切に用いることによりフェージング変動を軽減する。この技術は、選択合成、等利得合成、最大比合成の3種類を基本とするが、特に選択合成は、複数の受信信号のうち、最も劣化の少ない信号を選択して出力するため、回路規模が小さい。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−103029号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ダイバーシティ合成される複数の受信信号は、一般に伝搬環境によってそれぞれ独立に遅延されるため、それらの最適な受信タイミングが一致しない。そのような複数の受信信号を統一したタイミングでダイバーシティ合成処理すると、受信特性がより劣化する可能性がある。さらに、複数の受信信号をデジタル信号にそれぞれ変換する際に使用されるクロック信号が異なる場合、一般にデジタル変換された複数の受信信号の最適なタイミングも異なる。
【0008】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は最適のタイミングがそれぞれ異なる複数のデジタル信号をダイバーシティ合成する受信方法および装置を提供することである。また、複数のデジタル信号のそれぞれに対応した最適のタイミングをひとつのタイミングに統一させる受信方法および装置を提供することである。また、複数存在するタイミング信号を調整する回路を小規模にし、受信装置全体を低消費電力にさせる受信方法および装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は受信装置である。この装置は、処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力する入力部と、入力した複数の信号をメモリにそれぞれ書き込み、入力した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、メモリからそれぞれ読み出すタイミング調整部と、複数の読み出した信号をそれぞれ信号処理する信号処理部とを含む。この装置において、タイミング調整部は、入力した複数の信号のうち、メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、メモリに続いて書き込んだ信号を、最初に書き込んだ信号と同期して読み出してもよい。
【0010】
入力部は、所定の信号のフーリエ変換結果の信号をひとつの単位として複数入力し、タイミング調整部は、複数の前記ひとつの単位の先頭信号で前記メモリへの書込みをそれぞれ開始してもよい。信号処理部は、前記複数の読み出した信号を合成する合成部を含んでもよい。
【0011】
「合成」には、複数の読み出した信号を加算するのみでなく、複数の読み出した信号に統計的処理を施して加算したり、複数の読み出した信号のうちひとつを選択する場合も含むものとし、複数の読み出した信号に対する所定の処理であればよいものとする。
【0012】
以上の装置により、ダイバーシティ合成の対象となる複数の信号をそれぞれ入力して、メモリに記憶し、対応すべき複数の信号を対応させてから、同一のタイミングで出力するため、複数の信号のそれぞれの最適なタイミングを保持しつつ、ひとつのタイミングに統一できる。
【0013】
本発明の別の態様も受信装置である。この装置は、処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力する入力部と、入力した複数の信号をそれぞれフーリエ変換するフーリエ変換部と、複数のフーリエ変換した信号をそれぞれ復調する復調部と、複数の復調した信号をメモリにそれぞれ書き込み、復調した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、メモリからそれぞれ読み出すタイミング調整部と、複数の読み出した信号を合成する合成部と、合成した信号を信号処理する信号処理部とを含む。この装置において、タイミング調整部は、復調した複数の信号のうち、メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、メモリに続いて書き込んだ信号を、最初に書き込んだ信号と同期して読み出してもよい。
【0014】
本発明のさらに別の態様は受信方法である。この方法は、処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力するステップと、入力した複数の信号をメモリにそれぞれ書き込み、入力した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、メモリからそれぞれ読み出すステップと、複数の読み出した信号をそれぞれ信号処理するステップとを含む。この方法において、メモリから読み出すステップは、入力した複数の信号のうち、メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、メモリに続いて書き込んだ信号を、最初に書き込んだ信号と同期して読み出してもよい。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、地上波デジタルテレビジョン放送方式に関し、送信装置から送信すべき情報をOFDM方式によって変調した信号が送信される。受信装置は、送信された信号を複数のアンテナで受信し、受信した複数の信号について最適な高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)タイミングをそれぞれ生成し、当該FFTタイミングによって対応する受信信号をそれぞれFFTする。複数の受信信号は、異なる伝搬環境を経てそれぞれ受信されているため、一般にそれらの間で最適なFFTタイミングが異なる。その結果、それぞれ最適なFFTタイミングでFFTされた複数の信号どうしは同期していない。
【0017】
本実施の形態では、複数の受信信号間における最適なFFTタイミングの最大時間差を想定し、当該最大時間差の間に含まれる信号を格納可能なメモリが、予めアンテナ数分設けられる。FFTされた複数の信号は、対応するメモリにそれぞれ独立のタイミングで書き込まれ、想定された最大時間経過後に、それぞれのメモリ間で対応すべき信号が組み合わされて、すなわちFFTされた複数の信号間においてFFTの先頭に相当する信号が一致させられて、メモリから読み出される。メモリから読み出す処理は、ひとつのタイミングで実行され、さらにこれに続くダイバーシティ合成処理当の処理も当該ひとつのタイミングで実行される。
【0018】
図1(a)−(d)は、本実施の形態に係るデータ構造を示す。図1(a)は、時間領域における1OFDMフレームの構成を示すが、図示の通り1OFDMフレームは204OFDMシンボルによって構成される。通常、動画像などのテレビプログラムは複数のOFDMフレームによって送信される。図1(b)は、1OFDMシンボルの構成を示す。1OFDMシンボル中には、テレビプログラムのデータに相当する有効信号と、ガードインターバルに相当する無効信号が含まれている。有効信号の期間が高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)タイミングに相当する。図1(c)は、図1(b)の有効信号を周波数領域で示す。有効信号には、等しい周波数帯域幅のOFDMセグメントが13個及び両端にヌル信号が配置されている。地上波デジタルテレビジョン方式では、13OFDMセグメントすべてに対して、ひとつの詳細な画像のテレビプログラムを割当ててもよく、また、13OFDMセグメントを複数に分割して、それぞれに対して異なるテレビプログラムを割当ててもよい。
【0019】
特に、1OFDMセグメントのみにひとつのテレビプログラムを割当て、受信装置において当該1OFDMセグメントのみを受信するサービス形態が部分受信方式である。通常、1OFDMセグメントにひとつのテレビプログラムを割当てる場合、中央のOFDMセグメント、すなわち図1(c)のOFDMセグメント0を使用する。図1(d)は、ひとつのOFDMセグメントの構成を示すが、これはN個のサブキャリアで構成されている。それぞれのサブキャリアに対して、データセグメントと呼ぶデータ信号のグループやパイロット信号が割当てられている。また、Nは、モード1では108、モード2では216、モード3では432とされる。
【0020】
図2は、FFT後の有効信号の構成を示す。この信号には数千のサブキャリアが含まれているが、これらのサブキャリアは、データ信号用のサブキャリアの他、TMCC信号用のサブキャリア、パイロット信号用のサブキャリアなどに分類される。これらのサブキャリアは、前述の通り、13OFDMセグメントに分割され、これら13OFDMセグメントは最大3階層に分割されている。データ信号用のサブキャリアは各階層ごとにTMCC信号によって指定された変調方式で変調されており、TMCC信号用のサブキャリアはDBPSKで変調されている。
【0021】
図3は、実施の形態1に係る受信装置100の構成を示す。受信装置100は、前処理部10、タイミング調整部12、中処理部14、ダイバーシティ合成部16、後処理部18を含む。前処理部10は、第1前処理部20、第2前処理部22を含み、中処理部14は、第1中処理部24、第2中処理部26を含み、後処理部18は、周波数デインタリーブ部82、時間デインタリーブ部84、ビットデインタリーブ部86、ビタビ復号部88、バイトデインタリーブ部90、エネルギー逆拡散部92、RS復号部94、MPEGデコード部96、D/A変換部98を含む。さらに、第1前処理部20は、第1チューナ部50、第1A/D変換部52、第1同期部54、第1FFT部56、第1復調部58を含み、第1中処理部24は、第1情報解析部70、第1プレデマッピング部72、第1信頼性判定部74を含み、第2前処理部22と第2中処理部26は、それぞれ第1前処理部20と第1中処理部24と同一の動作をする要素を含む。
【0022】
第1チューナ部50は、図示しない送信装置において、OFDM変調方式で変調されたRF信号を受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートする。第1A/D変換部52は、アナログ信号をデジタル信号に変換すると共に、ヒルベルト変換などを用いて実軸(以下、「I軸」という)成分の信号と、虚軸(以下、「Q軸」という)成分の信号を生成する。第1同期部54が同期処理を行い、さらに図示しない発振器から入力されるクロック信号をもとに受信装置100で必要となるさまざまな周期の同期クロック信号を生成する。第1FFT部56は、FFTによって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換する。第1復調部58は、変調方式に対応した差動復調などの各種復調処理を行う。
【0023】
さらに、第1復調部58は、パイロット信号のうちSP(ScatteredPilot)信号を用いてSPの分散より各サブキャリアの信頼性の高さを検出する(参考文献:「地上伝送路特性を考慮した誤り制御」、1998年映像情報メディア学会年次大会3−1)。ただし、SPはQPSK、16QAM、64QAMの同期変調方式にのみ含まれるので、信頼性情報は同期変調方式の間だけ検出される。検出結果は後述する軟判定ビタビ復号処理の重み付けに反映できるような3ビット程度の信号として出力する。パイロット信号用のサブキャリアもデータ信号用のサブキャリアと同様にこの信頼性検出を行う。なおSPは、同期変調方式の際、12サブキャリアに1回、4OFDMシンボルに1回挿入されている。
【0024】
第2前処理部22は、第2チューナ部60、第2A/D変換部62、第2同期部64、第2FFT部66、第2復調部68を含むが、第2前処理部22は第1前処理部20と同一の機能を有する。
タイミング調整部12では、第1前処理部20、第2前処理部22からの入力信号における有効信号の開始タイミングを一致させるためにタイミング調整処理を行い、タイミングを調整したデータ信号やその他の信号をそれぞれ後述する第1中処理部24と第2中処理部26に出力する。タイミング調整後においては、第1中処理部24のデータと第2中処理部26のデータは、同一のクロック信号、同一の有効信号の開始タイミングで動作する。
【0025】
第1情報解析部70では、TMCC信号や有効データイネーブル信号等を生成する。第1プレデマッピング部72では、後述するプレデマッピング処理を行う。プレデマッピング処理では、まず各種変調方式のコンスタレーションに対応した基準値を決定する。次に各サブキャリアに割当てられたデータ信号の値に最も近い基準値を求め、16QAMなら4ビットのような、この基準値を表すビットデータと、このサブキャリアが基準値よりI軸方向、Q軸方向のそれぞれどの方向にどれだけの大きさのずれがあるかを表すためのI軸、Q軸それぞれ3ビットのビットデータを組合わせた形をプレデマッピングデータ信号として出力する。
【0026】
第1信頼性判定部74では、第1復調部58で求めた信頼性情報や、基準値との誤差の分散値から検出する別の信頼性情報から、プレデマッピングデータ信号の信頼性を判定し、信頼できないデータ信号は消去と判定して、その情報と共にデータ信号を出力する。すなわち、信頼性情報のうち所定の1ビットのデータが「データ消失」を示していれば、プレデマッピングデータ信号は消失と判定され、0を出力する。一方、「データ消失」でないなら信頼性情報より信頼性を判断し、各サブキャリアに割当てられたそれぞれのデータ信号の値と基準点のずれの大きさに対して、信頼性に応じた補正を行って出力する。また、ダイバーシティ合成処理用に、信頼性に関わる様々な情報をデータ信号と共に出力する。
【0027】
第2中処理部26は、第2情報解析部76、第2プレデマッピング部78、第2信頼性判定部80を含むが、第2中処理部26は、第1中処理部24と同一の機能を有する。
ダイバーシティ合成部16では、ダイバーシティ合成処理を行い、合成されたデータ信号を出力する。ダイバーシティ合成処理としては、第1中処理部24と第2中処理部26間の様々な信頼性情報を比較し、より信頼性の高い方を選択する選択合成やプレデマッピングデータ信号に最も近い基準値がブランチ間で一致していればその基準値をダイバーシティ合成結果のデータ信号として出力する基準値一致判定合成などを含み、さらにユーザの要求に応じてこれらを組合わせる。
【0028】
ダイバーシティ合成部16から出力されたデータ信号は、周波数デインタリーブ部82で周波数デインタリーブ処理され、時間デインタリーブ部84で時間デインタリーブ処理され、ビットデインタリーブ部86でビットデインタリーブ処理された後、ビタビ復号部88で軟判定ビタビ復号処理される。さらに、バイトデインタリーブ部90でバイトデインタリーブ処理され、エネルギー逆拡散部92でエネルギー逆拡散処理され、RS復号部94でリードソロモン符号が復号され、MPEGデコード部96でMPEG2が復号された後、D/A変換部98でアナログ信号に変換されて出力される。
【0029】
プレデマッピング処理とは、時間デインタリーブ処理より前、もしくは周波数デインタリーブ処理より前にデマッピング処理を行うことであり、特開2001−320345号公報にて提案されている。プレデマッピング処理では、通常のデマッピングデータ信号と異なり、変調方式に対応するコンスタレーション上の基準点を示す第1のデータと、その基準点と対象とするデータとのずれの大きさを示す第2のデータとを有するプレデマッピングデータ信号を生成する。プレデマッピングデータ信号は時間デインタリーブ後にデマッピングデータ信号に変換する必要があるが、デマッピングデータ信号は、例えば基準点を示すデータ(最大6ビット)の3倍の情報量(最大18ビット)を必要とするのに対し、プレデマッピングデータ信号は第1のデータが最大6ビット、第2のデータは常に6ビットとなり、合計最大12ビットで表すことができる。
【0030】
例えば、デマッピング処理における「000,000,000,000,101,011」の18ビットのデータは、プレデマッピング処理において「000010,110,011」といった12ビットのデータで表せられる。多くのメモリを必要とする周波数デインタリーブ処理、時間デインタリーブ処理前にプレデマッピング処理によってデータ信号のビット幅を減らすことで、メモリ使用量の削減につながるという利点を有する。
【0031】
図4は、タイミング調整部12の構成を示す。タイミング調整部12は、メモリ制御部110、第1メモリ部112、第2メモリ部114を含む。
【0032】
メモリ制御部110へは、第1前処理部20から第1クロック信号200、第1入力パルス信号202、第1入力データ信号204、第1入力付加情報信号206が入力され、第2前処理部22から第2クロック信号208、第2入力パルス信号210、第2入力データ信号212、第2入力付加情報信号214が入力される。ここで第1クロック信号200と第2クロック信号208は同一の信号とする。メモリ制御部110は、第1入力データ信号204と第1入力付加情報信号206をひとまとめにして第1メモリ部112への書き込みデータである第1メモリ書込データ信号222と第1メモリ書込付加情報信号224とする。さらに、第1メモリ書込クロック信号216、第1メモリ書込イネーブル信号218、第1メモリ書込アドレス信号220も第1メモリ部112へ出力する。ここで、第1メモリ書込イネーブル信号218は有効信号期間の先頭を示す。
【0033】
有効信号期間中は第1メモリ書込アドレス信号220をもとに、第1メモリ書込データ信号222が第1メモリ部112のアドレス0から順に書き込まれ、第1メモリ部112の最終アドレスに書き込んだら次は再びアドレス0から書き込まれ、有効信号期間の終了まで以上の処理が実行される。この際、第1クロック信号200と同一の第1入力パルス信号202を第1メモリ部112の書き込み制御用クロックとして用いる。同様に、第2入力データ信号212と第2入力付加情報信号214をひとまとめにして第2メモリ部114への書き込みデータ信号である第2メモリ書込データ242と第2メモリ書込付加情報信号244とする。さらに、第2メモリ書込クロック信号236、第2メモリ書込イネーブル信号238、第2メモリ書込アドレス信号240も第2メモリ部114へ出力する。
【0034】
有効信号期間中は第2メモリ書込アドレス信号240をもとに、第2メモリ書込データ242が第2メモリ部114のアドレス0から順に書き込まれ、第2メモリ部114の最終アドレスに書き込んだら次は再びアドレス0から書き込まれる。この際、第2クロック信号208と同一の第2メモリ書込クロック信号236を第2メモリ部114の書き込み制御用クロックとして用いる。
【0035】
さらに、メモリ制御部110では、第1前処理部20あるいは第2前処理部22からそれぞれ出力される有効信号開始タイミングを示す第1入力パルス信号202、第2入力パルス信号210のうち、より早いほうを適当なクロック数遅延させ、第1メモリ部112、第2メモリ部114からのデータ読み出し用のタイミング信号である第1メモリ読出イネーブル信号228、第2メモリ読出イネーブル信号248を生成するが、これらは同一の信号である。
【0036】
第1メモリ部112、第2メモリ部114からの読み出し動作としては、この第1メモリ読出イネーブル信号228、第2メモリ読出イネーブル信号248をトリガーにして、第1メモリ読出クロック信号226、第2メモリ読出クロック信号246のクロックで第1メモリ部112、第2メモリ部114に書き込まれたデータ信号をそれぞれ第1メモリ読出アドレス信号230、第2メモリ読出アドレス信号250をもとにアドレス0から順に読み出し、それぞれ第1メモリ読出データ信号232、第2メモリ読出データ信号252として、メモリ制御部110へ出力する。その際、第1メモリ読出付加情報信号234、第2メモリ読出付加情報信号254も同一タイミングで出力される。
【0037】
このような制御を行うことによって、第1メモリ部112、第2メモリ部114のワード数が第1入力パルス信号202と第2入力パルス信号210との時間差を第1クロック信号200や第2クロック信号208のクロック数で表した値の2倍以上であれば、第1入力パルス信号202と第2入力パルス信号210が異なる場合でも、タイミング調整後の第1メモリ読出イネーブル信号228と第2メモリ読出イネーブル信号248を一致させることができる。
【0038】
メモリ制御部110からは、単一のタイミングによって、第1中処理部24へ第1出力イネーブル信号256、第1出力データ信号258、第1出力付加情報信号260が、第2中処理部26へ第2出力イネーブル信号262、第2出力データ信号264、第2出力付加情報信号266が出力される。
【0039】
図5(a)−(m)は、図4の各部におけるタイミングを示す。図5(a)は、図4のP1におけるクロック信号であり、当該クロック信号は図示しない発振器で生成される。なお、前述の通り第1前処理部20、第2前処理部22は共通のクロック信号で動作するものとする。図5(b)は、P2におけるタイミングパルス信号であり、これは第1前処理部20において生成され、有効信号期間の先頭タイミングを示す。図5(c)は、P3におけるデータ信号系列である。ここで図中の数字は、データ信号の順番を示す。図5(d)は、P4におけるタイミングパルス信号であり、図5(e)は、P5におけるデータ信号系列であり、それぞれ図5(b)と図5(c)に対応する。
【0040】
図5(f)は、図5(b)のタイミングパルス信号をもとに生成されたイネーブル信号であり、P6における信号である。ここでは、ローアクティブであり、イネーブル信号生成のための処理遅延は無視するものとする。図5(g)は、P7における第1メモリ部112のアドレスを指定する信号である。図5(h)は、P8における第2メモリ部114用の図5(f)に対応したイネーブル信号であり、図5(i)は、P9における第2メモリ部114用の図5(g)に対応したアドレスを指定する信号である。図5(j)は、P10における第1メモリ部112や第2メモリ部114からデータを読み出す際のイネーブル信号である。図5(k)は、P11におけるデータを読み出す際の第1メモリ部112のアドレスを示す信号である。図5(l)は、P12における読み出されるデータ信号系列である。図5(m)は、P13におけるデータを読み出す際の第2メモリ部114のアドレスを示す信号である。
【0041】
以上の構成による受信装置100の動作は以下の通りである。ふたつのアンテナで受信されたRF信号が第1チューナ部50、第2チューナ部60にそれぞれ入力される。第1A/D変換部52、第2A/D変換部62は、これらの信号をベースバンドのデジタル信号にそれぞれ変換し、第1FFT部56、第2FFT部66は、第1同期部54、第2同期部64によって生成されたベースバンドデジタル信号に最適なタイミングでそれぞれFFTした後に、第1復調部58、第2復調部68が復調する。タイミング調整部12は、復調した信号を、第1同期部54、第2同期部64で生成されたタイミングによって第1メモリ部112、第2メモリ部114に書き込み、共通のタイミングで読み出す。読み出された信号は、第1中処理部24、第2中処理部26でそれぞれ処理され、ダイバーシティ合成部16で合成される。合成された信号は、最終的に後処理部18から出力される。
【0042】
以上の構成により、複数のアンテナでそれぞれ受信した信号をそれぞれに最適なタイミングで復調し、複数のアンテナ間で許容すべき時間差に応じた記憶容量を備えたメモリに、複数の復調した信号をそれぞれ記憶させ、当該許容すべき時間経過後に、複数の復調の信号を互いに対応させつつ出力することによって、複数のアンテナで受信した信号のタイミングを同期できる。また、同期した複数の信号をもとにダイバーシティ処理を実行するため、同期していない場合と比較して、ダイバーシティによる特性の改善が得られる。さらに、メモリに記憶されたデータの読み出しのタイミングの調整のみで実現できるため、回路の小規模化が可能である。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、異なったFFTタイミングによってFFTされた複数の信号のタイミングを調整するが、実施の形態1とは異なり、タイミング調整処理をダイバーシティ合成処理の直前に実行する。すなわち、ダイバーシティ合成処理前の複数の受信信号に対する各種処理は、独立したタイミングでそれぞれ実行される。
【0044】
実施の形態2は、図3における受信装置100のうち、タイミング調整部12の位置が異なる。すなわち、図3において、タイミング調整部12は前処理部10と中処理部14の間に配置されているが、実施の形態2において、タイミング調整部12は、中処理部14とダイバーシティ合成部16の間に配置される。
【0045】
以上の構成による受信装置100の動作は以下の通りである。ふたつのアンテナで受信されたRF信号が第1チューナ部50、第2チューナ部60にそれぞれ入力される。第1A/D変換部52、第2A/D変換部62は、これらの信号をベースバンドのデジタル信号にそれぞれ変換し、第1FFT部56、第2FFT部66は、第1同期部54、第2同期部64によって生成されたベースバンドデジタル信号に最適なタイミングでそれぞれFFTした後に、第1復調部58、第2復調部68が復調する。第1中処理部24、第2中処理部26は、復調した信号をそれぞれ中間処理する。タイミング調整部12は、中間処理した信号を、第1同期部54、第2同期部64で生成されたタイミングで第1メモリ部112、第2メモリ部114に書き込み、共通のタイミングで読み出す。読み出された信号は、ダイバーシティ合成部16で合成される。合成された信号は、最終的に後処理部18から出力される。
【0046】
以上の構成により、前処理部10と中処理部14は独立して異なるタイミングで動作するが、タイミングが同期した複数の信号によって、ダイバーシティ処理の実行が可能である。
【0047】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そうした変形例を以下挙げる。
【0048】
実施の形態1において、第1前処理部20を動作させるための第1クロック信号200と、第2前処理部22を動作させるための第2クロック信号208は、同一の発振器で生成された同一の信号とした。しかし、第1クロック信号200と第2クロック信号208は、同一の信号である必要はなく、異なる発振器で生成された異なる信号であってもよく、また同一の発振器で生成されるが、信号線等による遅延により異なった信号であってもよい。本変形例によって、異なるクロック信号による複数のデータ信号は、タイミングが同期されてからダイバーシティ処理される。
【0049】
実施の形態1において、中処理部14においてプレデマッピング処理を実行しているが、これは、プレデマッピング処理に限らず、デマッピング処理でもかまわない。その際、デマッピング処理を実行する要素が時間デインタリーブ部84の前段、例えば時間デインタリーブ部84とビットデインタリーブ部86の間に配置される。本変形例によって、デマッピング処理にも対応可能である。
【0050】
実施の形態1、2においては、OFDM方式によるデータ受信を例に説明したが、変形例としてはコンスタレーション表示が可能な他の変調方式による伝送方法に本発明を用いてもよい。本発明によれば、さまざまな伝送方法に適用可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、独立した最適タイミングを有する複数のデジタル信号をダイバーシティ合成できる。また、複数のデジタル信号の独立した最適タイミングをひとつのタイミングに統一できる。また、タイミングを調整する回路を小規模にさせ、受信装置全体を低消費電力にさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)−(d)は、実施の形態1、2に係るデータ構造を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るフーリエ変換後の有効信号の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る受信装置の構成を示す図である。
【図4】図3のタイミング調整部の構成を示す図である。
【図5】図5(a)−(m)は、図4のタイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 前処理部、 12 タイミング調整部、 14 中処理部、 16 ダイバーシティ合成部、 18 後処理部、 20 第1前処理部、 22 第2前処理部、 24 第1中処理部、 26 第2中処理部、 50 第1チューナ部、 52 第1A/D変換部、 54 第1同期部、 56 第1FFT部、 58 第1復調部、 60 第2チューナ部、 62 第2A/D変換部、64 第2同期部、 66 第2FFT部、 68 第2復調部、 70 第1情報解析部、 72 第1プレデマッピング部、 74 第1信頼性判定部、76 第2情報解析部、 78 第2プレデマッピング部、 80 第2信頼性判定部、 82 周波数デインタリーブ部、 84 時間デインタリーブ部、86 ビットデインタリーブ部、 88 ビタビ復号部、 90 バイトデインタリーブ部、 92 エネルギー逆拡散部、 94 RS復号部、 96 MPEGデコード部、 98 D/A変換部、 100 受信装置、 110 メモリ制御部、 112 第1メモリ部、 114 第2メモリ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル変調された信号を受信して復調する受信技術に関する。特に、複数の信号をダイバーシティ合成する受信方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像や音声などの情報を伝送するために、高品質な信号の伝送や周波数利用効率の向上に優れた変調方式として、直交周波数分割多重(以下、「OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing」という)方式が検討されている。OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に多数のサブキャリアを設ける変調方式で、ゴーストやマルチパスによる妨害に強く、移動体での良好な受信を可能にする。このOFDM方式は、映像や音声などの情報化源符号化方式および多重化方式のMPEG−2と共に、地上波デジタルテレビジョン放送方式に採用されている。地上波デジタルテレビジョン放送方式による送信装置は、映像や音声などのアナログ信号の情報をデジタル信号に変換して圧縮する符号化部と、圧縮された複数の情報を組合わせる多重化部と、伝送中に生じる誤りを訂正するための訂正符号化部と、時間インタリーブ、周波数インタリーブした後に情報を効率よく伝送するための変調部とから構成される。
【0003】
また、送信装置は、映像や音声などの情報に加えて、現在伝送に使用されている変調方式、誤り訂正の畳み込み符号化率、時間インタリーブ長などのパラメータを特定するための伝送多重制御(以下、「TMCC:Transmission and Multiplexing Configration Control」という)信号を挿入する。
【0004】
地上波デジタルテレビジョン放送方式におけるデータ信号が割当てられたサブキャリアの変調には、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)、QPSK、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMの4種類が、さらにTMCC信号が割当てられたサブキャリアの変調には、DBPSK(Differential Binary Phase ShiftKeying)が使用されており、それぞれマッピングの方法が異なる(例えば、特許文献1参照。)。また、DQPSKは差動変調方式、その他は同期変調方式と呼ばれ、各方式において挿入されるパイロット信号の種類や配置位置が異なる。
【0005】
ところで、移動体での受信において伝送される信号はフェージングの影響を受けるため、受信電力が大きく変動し、高品質な信号伝送の維持が困難となる。フェージングによる品質劣化を軽減する方式として、ダイバーシティ合成技術がある。この技術は、独立な複数の信号を受信し、これらを適切に用いることによりフェージング変動を軽減する。この技術は、選択合成、等利得合成、最大比合成の3種類を基本とするが、特に選択合成は、複数の受信信号のうち、最も劣化の少ない信号を選択して出力するため、回路規模が小さい。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−103029号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ダイバーシティ合成される複数の受信信号は、一般に伝搬環境によってそれぞれ独立に遅延されるため、それらの最適な受信タイミングが一致しない。そのような複数の受信信号を統一したタイミングでダイバーシティ合成処理すると、受信特性がより劣化する可能性がある。さらに、複数の受信信号をデジタル信号にそれぞれ変換する際に使用されるクロック信号が異なる場合、一般にデジタル変換された複数の受信信号の最適なタイミングも異なる。
【0008】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は最適のタイミングがそれぞれ異なる複数のデジタル信号をダイバーシティ合成する受信方法および装置を提供することである。また、複数のデジタル信号のそれぞれに対応した最適のタイミングをひとつのタイミングに統一させる受信方法および装置を提供することである。また、複数存在するタイミング信号を調整する回路を小規模にし、受信装置全体を低消費電力にさせる受信方法および装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は受信装置である。この装置は、処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力する入力部と、入力した複数の信号をメモリにそれぞれ書き込み、入力した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、メモリからそれぞれ読み出すタイミング調整部と、複数の読み出した信号をそれぞれ信号処理する信号処理部とを含む。この装置において、タイミング調整部は、入力した複数の信号のうち、メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、メモリに続いて書き込んだ信号を、最初に書き込んだ信号と同期して読み出してもよい。
【0010】
入力部は、所定の信号のフーリエ変換結果の信号をひとつの単位として複数入力し、タイミング調整部は、複数の前記ひとつの単位の先頭信号で前記メモリへの書込みをそれぞれ開始してもよい。信号処理部は、前記複数の読み出した信号を合成する合成部を含んでもよい。
【0011】
「合成」には、複数の読み出した信号を加算するのみでなく、複数の読み出した信号に統計的処理を施して加算したり、複数の読み出した信号のうちひとつを選択する場合も含むものとし、複数の読み出した信号に対する所定の処理であればよいものとする。
【0012】
以上の装置により、ダイバーシティ合成の対象となる複数の信号をそれぞれ入力して、メモリに記憶し、対応すべき複数の信号を対応させてから、同一のタイミングで出力するため、複数の信号のそれぞれの最適なタイミングを保持しつつ、ひとつのタイミングに統一できる。
【0013】
本発明の別の態様も受信装置である。この装置は、処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力する入力部と、入力した複数の信号をそれぞれフーリエ変換するフーリエ変換部と、複数のフーリエ変換した信号をそれぞれ復調する復調部と、複数の復調した信号をメモリにそれぞれ書き込み、復調した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、メモリからそれぞれ読み出すタイミング調整部と、複数の読み出した信号を合成する合成部と、合成した信号を信号処理する信号処理部とを含む。この装置において、タイミング調整部は、復調した複数の信号のうち、メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、メモリに続いて書き込んだ信号を、最初に書き込んだ信号と同期して読み出してもよい。
【0014】
本発明のさらに別の態様は受信方法である。この方法は、処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力するステップと、入力した複数の信号をメモリにそれぞれ書き込み、入力した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、メモリからそれぞれ読み出すステップと、複数の読み出した信号をそれぞれ信号処理するステップとを含む。この方法において、メモリから読み出すステップは、入力した複数の信号のうち、メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、メモリに続いて書き込んだ信号を、最初に書き込んだ信号と同期して読み出してもよい。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、地上波デジタルテレビジョン放送方式に関し、送信装置から送信すべき情報をOFDM方式によって変調した信号が送信される。受信装置は、送信された信号を複数のアンテナで受信し、受信した複数の信号について最適な高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)タイミングをそれぞれ生成し、当該FFTタイミングによって対応する受信信号をそれぞれFFTする。複数の受信信号は、異なる伝搬環境を経てそれぞれ受信されているため、一般にそれらの間で最適なFFTタイミングが異なる。その結果、それぞれ最適なFFTタイミングでFFTされた複数の信号どうしは同期していない。
【0017】
本実施の形態では、複数の受信信号間における最適なFFTタイミングの最大時間差を想定し、当該最大時間差の間に含まれる信号を格納可能なメモリが、予めアンテナ数分設けられる。FFTされた複数の信号は、対応するメモリにそれぞれ独立のタイミングで書き込まれ、想定された最大時間経過後に、それぞれのメモリ間で対応すべき信号が組み合わされて、すなわちFFTされた複数の信号間においてFFTの先頭に相当する信号が一致させられて、メモリから読み出される。メモリから読み出す処理は、ひとつのタイミングで実行され、さらにこれに続くダイバーシティ合成処理当の処理も当該ひとつのタイミングで実行される。
【0018】
図1(a)−(d)は、本実施の形態に係るデータ構造を示す。図1(a)は、時間領域における1OFDMフレームの構成を示すが、図示の通り1OFDMフレームは204OFDMシンボルによって構成される。通常、動画像などのテレビプログラムは複数のOFDMフレームによって送信される。図1(b)は、1OFDMシンボルの構成を示す。1OFDMシンボル中には、テレビプログラムのデータに相当する有効信号と、ガードインターバルに相当する無効信号が含まれている。有効信号の期間が高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)タイミングに相当する。図1(c)は、図1(b)の有効信号を周波数領域で示す。有効信号には、等しい周波数帯域幅のOFDMセグメントが13個及び両端にヌル信号が配置されている。地上波デジタルテレビジョン方式では、13OFDMセグメントすべてに対して、ひとつの詳細な画像のテレビプログラムを割当ててもよく、また、13OFDMセグメントを複数に分割して、それぞれに対して異なるテレビプログラムを割当ててもよい。
【0019】
特に、1OFDMセグメントのみにひとつのテレビプログラムを割当て、受信装置において当該1OFDMセグメントのみを受信するサービス形態が部分受信方式である。通常、1OFDMセグメントにひとつのテレビプログラムを割当てる場合、中央のOFDMセグメント、すなわち図1(c)のOFDMセグメント0を使用する。図1(d)は、ひとつのOFDMセグメントの構成を示すが、これはN個のサブキャリアで構成されている。それぞれのサブキャリアに対して、データセグメントと呼ぶデータ信号のグループやパイロット信号が割当てられている。また、Nは、モード1では108、モード2では216、モード3では432とされる。
【0020】
図2は、FFT後の有効信号の構成を示す。この信号には数千のサブキャリアが含まれているが、これらのサブキャリアは、データ信号用のサブキャリアの他、TMCC信号用のサブキャリア、パイロット信号用のサブキャリアなどに分類される。これらのサブキャリアは、前述の通り、13OFDMセグメントに分割され、これら13OFDMセグメントは最大3階層に分割されている。データ信号用のサブキャリアは各階層ごとにTMCC信号によって指定された変調方式で変調されており、TMCC信号用のサブキャリアはDBPSKで変調されている。
【0021】
図3は、実施の形態1に係る受信装置100の構成を示す。受信装置100は、前処理部10、タイミング調整部12、中処理部14、ダイバーシティ合成部16、後処理部18を含む。前処理部10は、第1前処理部20、第2前処理部22を含み、中処理部14は、第1中処理部24、第2中処理部26を含み、後処理部18は、周波数デインタリーブ部82、時間デインタリーブ部84、ビットデインタリーブ部86、ビタビ復号部88、バイトデインタリーブ部90、エネルギー逆拡散部92、RS復号部94、MPEGデコード部96、D/A変換部98を含む。さらに、第1前処理部20は、第1チューナ部50、第1A/D変換部52、第1同期部54、第1FFT部56、第1復調部58を含み、第1中処理部24は、第1情報解析部70、第1プレデマッピング部72、第1信頼性判定部74を含み、第2前処理部22と第2中処理部26は、それぞれ第1前処理部20と第1中処理部24と同一の動作をする要素を含む。
【0022】
第1チューナ部50は、図示しない送信装置において、OFDM変調方式で変調されたRF信号を受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートする。第1A/D変換部52は、アナログ信号をデジタル信号に変換すると共に、ヒルベルト変換などを用いて実軸(以下、「I軸」という)成分の信号と、虚軸(以下、「Q軸」という)成分の信号を生成する。第1同期部54が同期処理を行い、さらに図示しない発振器から入力されるクロック信号をもとに受信装置100で必要となるさまざまな周期の同期クロック信号を生成する。第1FFT部56は、FFTによって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換する。第1復調部58は、変調方式に対応した差動復調などの各種復調処理を行う。
【0023】
さらに、第1復調部58は、パイロット信号のうちSP(ScatteredPilot)信号を用いてSPの分散より各サブキャリアの信頼性の高さを検出する(参考文献:「地上伝送路特性を考慮した誤り制御」、1998年映像情報メディア学会年次大会3−1)。ただし、SPはQPSK、16QAM、64QAMの同期変調方式にのみ含まれるので、信頼性情報は同期変調方式の間だけ検出される。検出結果は後述する軟判定ビタビ復号処理の重み付けに反映できるような3ビット程度の信号として出力する。パイロット信号用のサブキャリアもデータ信号用のサブキャリアと同様にこの信頼性検出を行う。なおSPは、同期変調方式の際、12サブキャリアに1回、4OFDMシンボルに1回挿入されている。
【0024】
第2前処理部22は、第2チューナ部60、第2A/D変換部62、第2同期部64、第2FFT部66、第2復調部68を含むが、第2前処理部22は第1前処理部20と同一の機能を有する。
タイミング調整部12では、第1前処理部20、第2前処理部22からの入力信号における有効信号の開始タイミングを一致させるためにタイミング調整処理を行い、タイミングを調整したデータ信号やその他の信号をそれぞれ後述する第1中処理部24と第2中処理部26に出力する。タイミング調整後においては、第1中処理部24のデータと第2中処理部26のデータは、同一のクロック信号、同一の有効信号の開始タイミングで動作する。
【0025】
第1情報解析部70では、TMCC信号や有効データイネーブル信号等を生成する。第1プレデマッピング部72では、後述するプレデマッピング処理を行う。プレデマッピング処理では、まず各種変調方式のコンスタレーションに対応した基準値を決定する。次に各サブキャリアに割当てられたデータ信号の値に最も近い基準値を求め、16QAMなら4ビットのような、この基準値を表すビットデータと、このサブキャリアが基準値よりI軸方向、Q軸方向のそれぞれどの方向にどれだけの大きさのずれがあるかを表すためのI軸、Q軸それぞれ3ビットのビットデータを組合わせた形をプレデマッピングデータ信号として出力する。
【0026】
第1信頼性判定部74では、第1復調部58で求めた信頼性情報や、基準値との誤差の分散値から検出する別の信頼性情報から、プレデマッピングデータ信号の信頼性を判定し、信頼できないデータ信号は消去と判定して、その情報と共にデータ信号を出力する。すなわち、信頼性情報のうち所定の1ビットのデータが「データ消失」を示していれば、プレデマッピングデータ信号は消失と判定され、0を出力する。一方、「データ消失」でないなら信頼性情報より信頼性を判断し、各サブキャリアに割当てられたそれぞれのデータ信号の値と基準点のずれの大きさに対して、信頼性に応じた補正を行って出力する。また、ダイバーシティ合成処理用に、信頼性に関わる様々な情報をデータ信号と共に出力する。
【0027】
第2中処理部26は、第2情報解析部76、第2プレデマッピング部78、第2信頼性判定部80を含むが、第2中処理部26は、第1中処理部24と同一の機能を有する。
ダイバーシティ合成部16では、ダイバーシティ合成処理を行い、合成されたデータ信号を出力する。ダイバーシティ合成処理としては、第1中処理部24と第2中処理部26間の様々な信頼性情報を比較し、より信頼性の高い方を選択する選択合成やプレデマッピングデータ信号に最も近い基準値がブランチ間で一致していればその基準値をダイバーシティ合成結果のデータ信号として出力する基準値一致判定合成などを含み、さらにユーザの要求に応じてこれらを組合わせる。
【0028】
ダイバーシティ合成部16から出力されたデータ信号は、周波数デインタリーブ部82で周波数デインタリーブ処理され、時間デインタリーブ部84で時間デインタリーブ処理され、ビットデインタリーブ部86でビットデインタリーブ処理された後、ビタビ復号部88で軟判定ビタビ復号処理される。さらに、バイトデインタリーブ部90でバイトデインタリーブ処理され、エネルギー逆拡散部92でエネルギー逆拡散処理され、RS復号部94でリードソロモン符号が復号され、MPEGデコード部96でMPEG2が復号された後、D/A変換部98でアナログ信号に変換されて出力される。
【0029】
プレデマッピング処理とは、時間デインタリーブ処理より前、もしくは周波数デインタリーブ処理より前にデマッピング処理を行うことであり、特開2001−320345号公報にて提案されている。プレデマッピング処理では、通常のデマッピングデータ信号と異なり、変調方式に対応するコンスタレーション上の基準点を示す第1のデータと、その基準点と対象とするデータとのずれの大きさを示す第2のデータとを有するプレデマッピングデータ信号を生成する。プレデマッピングデータ信号は時間デインタリーブ後にデマッピングデータ信号に変換する必要があるが、デマッピングデータ信号は、例えば基準点を示すデータ(最大6ビット)の3倍の情報量(最大18ビット)を必要とするのに対し、プレデマッピングデータ信号は第1のデータが最大6ビット、第2のデータは常に6ビットとなり、合計最大12ビットで表すことができる。
【0030】
例えば、デマッピング処理における「000,000,000,000,101,011」の18ビットのデータは、プレデマッピング処理において「000010,110,011」といった12ビットのデータで表せられる。多くのメモリを必要とする周波数デインタリーブ処理、時間デインタリーブ処理前にプレデマッピング処理によってデータ信号のビット幅を減らすことで、メモリ使用量の削減につながるという利点を有する。
【0031】
図4は、タイミング調整部12の構成を示す。タイミング調整部12は、メモリ制御部110、第1メモリ部112、第2メモリ部114を含む。
【0032】
メモリ制御部110へは、第1前処理部20から第1クロック信号200、第1入力パルス信号202、第1入力データ信号204、第1入力付加情報信号206が入力され、第2前処理部22から第2クロック信号208、第2入力パルス信号210、第2入力データ信号212、第2入力付加情報信号214が入力される。ここで第1クロック信号200と第2クロック信号208は同一の信号とする。メモリ制御部110は、第1入力データ信号204と第1入力付加情報信号206をひとまとめにして第1メモリ部112への書き込みデータである第1メモリ書込データ信号222と第1メモリ書込付加情報信号224とする。さらに、第1メモリ書込クロック信号216、第1メモリ書込イネーブル信号218、第1メモリ書込アドレス信号220も第1メモリ部112へ出力する。ここで、第1メモリ書込イネーブル信号218は有効信号期間の先頭を示す。
【0033】
有効信号期間中は第1メモリ書込アドレス信号220をもとに、第1メモリ書込データ信号222が第1メモリ部112のアドレス0から順に書き込まれ、第1メモリ部112の最終アドレスに書き込んだら次は再びアドレス0から書き込まれ、有効信号期間の終了まで以上の処理が実行される。この際、第1クロック信号200と同一の第1入力パルス信号202を第1メモリ部112の書き込み制御用クロックとして用いる。同様に、第2入力データ信号212と第2入力付加情報信号214をひとまとめにして第2メモリ部114への書き込みデータ信号である第2メモリ書込データ242と第2メモリ書込付加情報信号244とする。さらに、第2メモリ書込クロック信号236、第2メモリ書込イネーブル信号238、第2メモリ書込アドレス信号240も第2メモリ部114へ出力する。
【0034】
有効信号期間中は第2メモリ書込アドレス信号240をもとに、第2メモリ書込データ242が第2メモリ部114のアドレス0から順に書き込まれ、第2メモリ部114の最終アドレスに書き込んだら次は再びアドレス0から書き込まれる。この際、第2クロック信号208と同一の第2メモリ書込クロック信号236を第2メモリ部114の書き込み制御用クロックとして用いる。
【0035】
さらに、メモリ制御部110では、第1前処理部20あるいは第2前処理部22からそれぞれ出力される有効信号開始タイミングを示す第1入力パルス信号202、第2入力パルス信号210のうち、より早いほうを適当なクロック数遅延させ、第1メモリ部112、第2メモリ部114からのデータ読み出し用のタイミング信号である第1メモリ読出イネーブル信号228、第2メモリ読出イネーブル信号248を生成するが、これらは同一の信号である。
【0036】
第1メモリ部112、第2メモリ部114からの読み出し動作としては、この第1メモリ読出イネーブル信号228、第2メモリ読出イネーブル信号248をトリガーにして、第1メモリ読出クロック信号226、第2メモリ読出クロック信号246のクロックで第1メモリ部112、第2メモリ部114に書き込まれたデータ信号をそれぞれ第1メモリ読出アドレス信号230、第2メモリ読出アドレス信号250をもとにアドレス0から順に読み出し、それぞれ第1メモリ読出データ信号232、第2メモリ読出データ信号252として、メモリ制御部110へ出力する。その際、第1メモリ読出付加情報信号234、第2メモリ読出付加情報信号254も同一タイミングで出力される。
【0037】
このような制御を行うことによって、第1メモリ部112、第2メモリ部114のワード数が第1入力パルス信号202と第2入力パルス信号210との時間差を第1クロック信号200や第2クロック信号208のクロック数で表した値の2倍以上であれば、第1入力パルス信号202と第2入力パルス信号210が異なる場合でも、タイミング調整後の第1メモリ読出イネーブル信号228と第2メモリ読出イネーブル信号248を一致させることができる。
【0038】
メモリ制御部110からは、単一のタイミングによって、第1中処理部24へ第1出力イネーブル信号256、第1出力データ信号258、第1出力付加情報信号260が、第2中処理部26へ第2出力イネーブル信号262、第2出力データ信号264、第2出力付加情報信号266が出力される。
【0039】
図5(a)−(m)は、図4の各部におけるタイミングを示す。図5(a)は、図4のP1におけるクロック信号であり、当該クロック信号は図示しない発振器で生成される。なお、前述の通り第1前処理部20、第2前処理部22は共通のクロック信号で動作するものとする。図5(b)は、P2におけるタイミングパルス信号であり、これは第1前処理部20において生成され、有効信号期間の先頭タイミングを示す。図5(c)は、P3におけるデータ信号系列である。ここで図中の数字は、データ信号の順番を示す。図5(d)は、P4におけるタイミングパルス信号であり、図5(e)は、P5におけるデータ信号系列であり、それぞれ図5(b)と図5(c)に対応する。
【0040】
図5(f)は、図5(b)のタイミングパルス信号をもとに生成されたイネーブル信号であり、P6における信号である。ここでは、ローアクティブであり、イネーブル信号生成のための処理遅延は無視するものとする。図5(g)は、P7における第1メモリ部112のアドレスを指定する信号である。図5(h)は、P8における第2メモリ部114用の図5(f)に対応したイネーブル信号であり、図5(i)は、P9における第2メモリ部114用の図5(g)に対応したアドレスを指定する信号である。図5(j)は、P10における第1メモリ部112や第2メモリ部114からデータを読み出す際のイネーブル信号である。図5(k)は、P11におけるデータを読み出す際の第1メモリ部112のアドレスを示す信号である。図5(l)は、P12における読み出されるデータ信号系列である。図5(m)は、P13におけるデータを読み出す際の第2メモリ部114のアドレスを示す信号である。
【0041】
以上の構成による受信装置100の動作は以下の通りである。ふたつのアンテナで受信されたRF信号が第1チューナ部50、第2チューナ部60にそれぞれ入力される。第1A/D変換部52、第2A/D変換部62は、これらの信号をベースバンドのデジタル信号にそれぞれ変換し、第1FFT部56、第2FFT部66は、第1同期部54、第2同期部64によって生成されたベースバンドデジタル信号に最適なタイミングでそれぞれFFTした後に、第1復調部58、第2復調部68が復調する。タイミング調整部12は、復調した信号を、第1同期部54、第2同期部64で生成されたタイミングによって第1メモリ部112、第2メモリ部114に書き込み、共通のタイミングで読み出す。読み出された信号は、第1中処理部24、第2中処理部26でそれぞれ処理され、ダイバーシティ合成部16で合成される。合成された信号は、最終的に後処理部18から出力される。
【0042】
以上の構成により、複数のアンテナでそれぞれ受信した信号をそれぞれに最適なタイミングで復調し、複数のアンテナ間で許容すべき時間差に応じた記憶容量を備えたメモリに、複数の復調した信号をそれぞれ記憶させ、当該許容すべき時間経過後に、複数の復調の信号を互いに対応させつつ出力することによって、複数のアンテナで受信した信号のタイミングを同期できる。また、同期した複数の信号をもとにダイバーシティ処理を実行するため、同期していない場合と比較して、ダイバーシティによる特性の改善が得られる。さらに、メモリに記憶されたデータの読み出しのタイミングの調整のみで実現できるため、回路の小規模化が可能である。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、異なったFFTタイミングによってFFTされた複数の信号のタイミングを調整するが、実施の形態1とは異なり、タイミング調整処理をダイバーシティ合成処理の直前に実行する。すなわち、ダイバーシティ合成処理前の複数の受信信号に対する各種処理は、独立したタイミングでそれぞれ実行される。
【0044】
実施の形態2は、図3における受信装置100のうち、タイミング調整部12の位置が異なる。すなわち、図3において、タイミング調整部12は前処理部10と中処理部14の間に配置されているが、実施の形態2において、タイミング調整部12は、中処理部14とダイバーシティ合成部16の間に配置される。
【0045】
以上の構成による受信装置100の動作は以下の通りである。ふたつのアンテナで受信されたRF信号が第1チューナ部50、第2チューナ部60にそれぞれ入力される。第1A/D変換部52、第2A/D変換部62は、これらの信号をベースバンドのデジタル信号にそれぞれ変換し、第1FFT部56、第2FFT部66は、第1同期部54、第2同期部64によって生成されたベースバンドデジタル信号に最適なタイミングでそれぞれFFTした後に、第1復調部58、第2復調部68が復調する。第1中処理部24、第2中処理部26は、復調した信号をそれぞれ中間処理する。タイミング調整部12は、中間処理した信号を、第1同期部54、第2同期部64で生成されたタイミングで第1メモリ部112、第2メモリ部114に書き込み、共通のタイミングで読み出す。読み出された信号は、ダイバーシティ合成部16で合成される。合成された信号は、最終的に後処理部18から出力される。
【0046】
以上の構成により、前処理部10と中処理部14は独立して異なるタイミングで動作するが、タイミングが同期した複数の信号によって、ダイバーシティ処理の実行が可能である。
【0047】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そうした変形例を以下挙げる。
【0048】
実施の形態1において、第1前処理部20を動作させるための第1クロック信号200と、第2前処理部22を動作させるための第2クロック信号208は、同一の発振器で生成された同一の信号とした。しかし、第1クロック信号200と第2クロック信号208は、同一の信号である必要はなく、異なる発振器で生成された異なる信号であってもよく、また同一の発振器で生成されるが、信号線等による遅延により異なった信号であってもよい。本変形例によって、異なるクロック信号による複数のデータ信号は、タイミングが同期されてからダイバーシティ処理される。
【0049】
実施の形態1において、中処理部14においてプレデマッピング処理を実行しているが、これは、プレデマッピング処理に限らず、デマッピング処理でもかまわない。その際、デマッピング処理を実行する要素が時間デインタリーブ部84の前段、例えば時間デインタリーブ部84とビットデインタリーブ部86の間に配置される。本変形例によって、デマッピング処理にも対応可能である。
【0050】
実施の形態1、2においては、OFDM方式によるデータ受信を例に説明したが、変形例としてはコンスタレーション表示が可能な他の変調方式による伝送方法に本発明を用いてもよい。本発明によれば、さまざまな伝送方法に適用可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、独立した最適タイミングを有する複数のデジタル信号をダイバーシティ合成できる。また、複数のデジタル信号の独立した最適タイミングをひとつのタイミングに統一できる。また、タイミングを調整する回路を小規模にさせ、受信装置全体を低消費電力にさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)−(d)は、実施の形態1、2に係るデータ構造を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るフーリエ変換後の有効信号の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る受信装置の構成を示す図である。
【図4】図3のタイミング調整部の構成を示す図である。
【図5】図5(a)−(m)は、図4のタイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 前処理部、 12 タイミング調整部、 14 中処理部、 16 ダイバーシティ合成部、 18 後処理部、 20 第1前処理部、 22 第2前処理部、 24 第1中処理部、 26 第2中処理部、 50 第1チューナ部、 52 第1A/D変換部、 54 第1同期部、 56 第1FFT部、 58 第1復調部、 60 第2チューナ部、 62 第2A/D変換部、64 第2同期部、 66 第2FFT部、 68 第2復調部、 70 第1情報解析部、 72 第1プレデマッピング部、 74 第1信頼性判定部、76 第2情報解析部、 78 第2プレデマッピング部、 80 第2信頼性判定部、 82 周波数デインタリーブ部、 84 時間デインタリーブ部、86 ビットデインタリーブ部、 88 ビタビ復号部、 90 バイトデインタリーブ部、 92 エネルギー逆拡散部、 94 RS復号部、 96 MPEGデコード部、 98 D/A変換部、 100 受信装置、 110 メモリ制御部、 112 第1メモリ部、 114 第2メモリ部。
Claims (5)
- 処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力する入力部と、
前記入力した複数の信号をメモリにそれぞれ書き込み、前記入力した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、前記メモリからそれぞれ読み出すタイミング調整部と、
複数の前記読み出した信号をそれぞれ信号処理する信号処理部とを含み、
前記タイミング調整部は、前記入力した複数の信号のうち、前記メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、前記メモリに続いて書き込んだ信号を、前記最初に書き込んだ信号と同期して読み出すことを特徴とする受信装置。 - 前記入力部は、所定の信号のフーリエ変換結果の信号をひとつの単位として複数入力し、
前記タイミング調整部は、複数の前記ひとつの単位の先頭信号で前記メモリへの書込みをそれぞれ開始することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記信号処理部は、前記複数の読み出した信号を合成する合成部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
- 処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力する入力部と、
前記入力した複数の信号をそれぞれフーリエ変換するフーリエ変換部と、
複数の前記フーリエ変換した信号をそれぞれ復調する復調部と、
複数の前記復調した信号をメモリにそれぞれ書き込み、前記復調した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、前記メモリからそれぞれ読み出すタイミング調整部と、
複数の前記読み出した信号を合成する合成部と、
前記合成した信号を信号処理する信号処理部とを含み、
前記タイミング調整部は、前記復調した複数の信号のうち、前記メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、前記メモリに続いて書き込んだ信号を、前記最初に書き込んだ信号と同期して読み出すことを特徴とする受信装置。 - 処理対象とすべき複数の信号をそれぞれ入力するステップと、
前記入力した複数の信号をメモリにそれぞれ書き込み、前記入力した複数の信号間において対応すべき信号どうしを組み合わせつつ、前記メモリからそれぞれ読み出すステップと、
複数の前記読み出した信号をそれぞれ信号処理するステップとを含み、
前記メモリから読み出すステップは、前記入力した複数の信号のうち、前記メモリに最初に書き込んだ信号を、固定的な期間遅延させ、前記メモリに続いて書き込んだ信号を、前記最初に書き込んだ信号と同期して読み出すことを特徴とする受信方法。
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2003
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