JP3594585B2 - デジタル放送受信装置の同期復調回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地上波デジタル放送などで用いられるOFDM(直交周波数分割多重)方式で変調された信号を受信して復調するデジタル放送受信装置の同期復調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像信号または音声信号を伝送するシステムにおいて、高品質な伝送や周波数利用効率の向上に優れた変調方式として、OFDM(直交周波数分割多重、Orthogonal Frequency Multiplexing)方式が提案されている。
【0003】
OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に多数のサブキャリアを立てる変調方式である。このためゴーストに強く、かつ、誤り訂正のためのデータ構成に工夫をすることで選択性フェージングにも耐性を持たせることができるため、地上波デジタルテレビジョン放送等において有効な変調方式である。
【0004】
送信側では、以下の処理が行われる。まず、例えばテレビジョン信号等のアナログ信号をデジタル信号に変換し、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式で圧縮する。続いて、このデータ信号に、ノイズ等の伝送路におけるエラーの発生原因を分散させるために、バイトインタリーブおよびビットインタリーブの処理を施し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying) 、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation) 、64QAM等の変調方式に応じたマッピングを行う。
【0005】
さらに、フェージング、信号の欠落等の伝送路におけるエラー発生原因を分散させるために、時間インタリーブおよび周波数インタリーブの処理を施し、IFFT(高速フーリエ変換)を行って、直交変調後、RF周波数に周波数変換して送出する。
【0006】
図1は、地上波デジタル放送受信機で受信するOFDM方式のデータの構造を示している。
【0007】
1つのOFDMフレームは、No.0〜No.203の204個のOFDMシンボルで構成される。OFDMシンボルは、有効データ区間と、無効データ区間(ガードインターバル、ヌルキャリア)で構成されている。
【0008】
図2は、図1に示した1個のOFDMシンボル内の有効データ区間の構成を示している。
【0009】
1つのOFDMシンボル内の有効データ区間は、No.0〜No.12の13個のOFDMセグメントから構成されている。1つのOFDMセグメントは、データのグループ(データセグメント)にパイロット信号が付加されたものである。
【0010】
地上波デジタル放送の仕様では、No.0〜No.12の13個のOFDMセグメントを最大3つの階層に分割し、階層毎に変調方式を指定することが可能である。
【0011】
図3は、図2に示した1個のOFDMセグメントの構成を示している。
【0012】
1個のOFDMセグメントは、No.0〜No.(n−1)のn個のキャリアからなる。
【0013】
図4は、1個のOFDMセグメントの構成のモード依存性を示している。
【0014】
1個のOFDMセグメントを構成する、データ信号のキャリア数、パイロット信号のキャリア数等は、モード毎に決まっており、このキャリア数の合計がn個となるように設定されている。
【0015】
OFDM方式の変調の種類には、DQPSK(Dofferential)、QPSK、16QAM、64QAMの4種類があり、それぞれマッピング方法が異なる。また、DQPSK方式は差動変調方式と呼ばれ、その他の方式は同期変調方式と呼ばれる。差動変調方式と同期変調方式では、1個のOFDMセグメント内に含まれるパイロット信号の種類や配置位置が異なるが、1個のOFDMセグメント内に含まれるパイロット信号の合計数は図4に示すように規定されている。同期変調方式のパイロット信号を用いて、遅延マルチパスを等化し、歪みを改善している。
【0016】
図5は、モードがモード1である場合の、1個のOFDMシンボルの有効データ(図2に対応する)を示している。図5においては、パイロット信号のうち、同期復調系のパイロット信号SPのみを示している。
【0017】
OFDM方式で変調されたデータ信号は、送信と全く逆の手順の処理で復調される。
【0018】
図6は、従来のOFDM方式の受信装置1000の構成を示している。
【0019】
チューナ11には、アンテナ(図示略)でとらえた高周波信号入力(RF信号入力)が与えられる。チューナ11は、指定されたチャンネルの周波数に対応するRF信号をダウンコンバートして、ベースバンド信号とする。
【0020】
アナログ/デジタル変換回路12は、アナログ信号をデジタル信号に変換するとともにヒルベルト変換等を用いて、実軸(以下、「I軸」という)成分の信号(同相検波軸信号)と、虚軸(以下、「Q軸」という)成分の信号(直交検波軸信号)とを生成する。アナログ/デジタル変換回路12から出力されるI軸信号とQ軸信号とは、同期部13によって同期処理が行われた後、高速フーリエ変換部(以下、「FFT部」という)14に出力される。
【0021】
FFT部14では、入力信号に対して高速フーリエ変換を行い、時間軸データを周波数軸データに変換する。復調部15は、FFT部14から出力される信号に対して復調処理を行って、得られた信号を周波数デインタリーブ部16に出力する。
【0022】
周波数デインタリーブ回路16は、電波の反射等による特定周波数信号の欠落を補うために行われた周波数インタリーブの逆処理を行う。周波数デインタリーブ回路16の出力は、時間デインタリーブ回路17に送られる。時間デインタリーブ回路17は、耐フェージングのために行われた時間インタリーブの逆処理を行う。
【0023】
時間デインタリーブが行われたI軸データおよびQ軸データはデマッピング回路18に送られ、2ビット(QPSK)、4ビット(16QAM)または6ビット(64QAM)のデータに変換される。デマッピングが行われた信号はビットデインタリーブ回路19に送られる。ビットデインタリーブ回路19は、誤り耐性を増す目的で行われたビットインタリーブの逆処理を行う。ビットデインタリーブ回路19の出力は、ビタビ復号化回路20に送られる。ビタビ復号化回路20は、送信側で行われた畳み込み符号を用いて誤り訂正を行う。
【0024】
ビタビ復号が行われた信号は、バイトデインタリーブ回路21に送られる。バイトデインタリーブ回路21は、ビットインタリーブと同様に誤り耐性を増す目的で行われたバイトインタリーブの逆処理を行う。バイトデインタリーブ回路21の出力は、エネルギー逆拡散部22に送られる。エネルギー逆拡散部22は、逆拡散処理を行う。エネルギー逆拡散部22の出力は、RS復号化回路23に送られる。RS復号化回路23は、RS(リードソロモン)復号を行って、誤り訂正を行う。
【0025】
RS復号化回路23の出力は、MPEGデコード回路24に送られる。MPEGデコード回路24は、誤り訂正された信号(圧縮信号)を伸長して、デジタル/アナログ変換回路25に出力する。デジタル/アナログ変換回路25は、MPEGデコーダ24から送られてきたデジタル信号をアナログ信号に変換する。これにより、OFDM方式で変調される前の映像信号および音声信号が生成される。
【0026】
OFDM方式は、同じ伝送レートで比較した場合、シングルキャリア方式よりも変調波のシンボル周期を長くとることができるため、遅延波によるシンボル間干渉の影響を受けにくいという特徴を有している。しかしながら、マルチパス干渉により、伝送路において変調波の振幅・位相の過大な歪みが生じた場合、受信側ではその歪みを補正しなければ、データを正しく復調することはできない。そこで、受信側では、同期変調方式のパイロット信号の振幅と位相を基準として、データを復調部15で復調するようにしている。復調部15では、受信されたパイロット信号から算出された伝送路特性に対し、シンボル方向に等化するシンボルフィルタとキャリア方向に等化するキャリアフィルタとを用いて2次元のフィルタリング処理を施すといった、雑音耐性を改善した等化方式が採用されている。
【0027】
図7は、復調部15の構成を示している。
【0028】
フレーム抽出部30は、FFT部14によって得られた信号に含まれているTMCC信号(伝送多重制御信号)のうちのフレーム同期信号を抽出する。TMCC復号部31はTMCC信号からTMCC情報を抽出し、変調方式の切り替えタイミングの制御等を行うための各種制御信号を作成する。
【0029】
TMCC情報に応じて、差動復調部(差動復調回路)32はDQPSK用に差動復調を行い、同期復調部(同期復調回路)33はQPSK、16QAM、64QAM用にパイロット信号(スキャッタードパイロット、SP)を用いた同期復調を行う。合成部34は、差動復調部32の出力と同期復調部33の出力とを合成することにより、復調データを生成する。
【0030】
図8は、同期復調部33の構成を示している。
【0031】
FFT部14で周波数軸の信号に変換されたOFDM信号をY(l,k)で表すことにする。ここで、lはシンボル番号(図5参照)を表し、kはキャリア番号(図5参照)を表している。
【0032】
OFDM信号Y(l,k)のうちパイロット信号Y(l,kp) は既知の複素振幅を持つため、次式(1) で示すように、複素除算部42で受信パイロット信号Y(l,kp) をパイロット発生部41によって発生した正規のパイロット信号(複素振幅)X(l,kp) で除算することによって、受信信号を伝送するキャリアの伝送路応答H(l,kp) =を求めることができる。
【0033】
H(l,kp) =Y(l,kp) /X(l,kp) …(1)
【0034】
この伝送路応答H(l,kp) は、時間軸方向(シンボル方向)に伝送路応答を平滑化するシンボルフィルタ部43を介してキャリアフィルタ部44に送られる。キャリアフィルタ部44では、シンボルフィルタ部43によって得られた伝送路応答に基づいて、各受信データ信号Y(l,k)に対応する伝送路応答H(l,kd) を推定する。シンボルフィルタ部43によって得られた各受信データ信号Y(l,k)に対応する伝送路応答H(l,kd) は、複素除算部45に送られる。
【0035】
複素除算部45は、次式(2) に示すように、受信データ信号Y(l,k)を、キャリアフィルタ部44によって得られたその受信データ信号Y(l,k)に対応する伝送路応答H(l,kd) で除算することにより、等化後の復調データを算出する。
【0036】
X(l,kd) =Y(l,kd) /H(l,kd) …(2)
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5に示したように、1個のOFDMセグメント内には、パイロット信号SPが、12キャリアに1回、4シンボル毎に同じキャリア位置に挿入されている。
【0038】
キャリアフィルタ部において、周波数軸上、つまり、キャリア軸上の伝送路応答の補間を行う場合、受信シンボルと同一シンボル内のパイロット信号SPから求まる伝送路応答のみを用いる第1方法と、受信シンボルから3シンボル前までのパイロットSPの伝送路応答を保持して補間する第2方法がある。第1方法は、受信シンボルごとに補間を行うため、伝送路応答が時間的に変動する伝送路に適した方法である。第2方法は、時間的変動がゆるやかな伝送路に適した方法である。
【0039】
図9は、第1方法で用いられるパイロット信号SPを示し、図10は第2方法で用いられるパイロット信号SPを示している。
【0040】
FFT部14(図6参照)は、1OFDMシンボル毎にFFTを行う。移動体受信での伝送路のように、伝送路応答が時間的に変動するような伝送路である場合、現在受信しているシンボルの伝送路応答と次の時間のシンボルの伝送路応答とは異なるので、受信シンボルから3シンボル前までのパイロットSPの伝送路応答を保持して補間する第2方法を利用できない。つまり、図10に示すように、3キャリアに1個の割合で現れるパイロット信号SPを利用することができない。
【0041】
したがって、移動体受信の場合には、同期復調部33内のキャリアフィルタ部44(図8参照)に入力されるパイロット信号に対応する伝送路応答は、図9に示した12キャリアに1個の割合で現れるパイロット信号SPに対応するものが用いられている。このように、移動体受信の場合には、キャリア軸上の伝送路応答の補間に用いられるパイロット信号SPに対応する伝送路応答が少ないため、あるパイロット信号SPがノイズ等によって大きく変動した場合、キャリアフィルタ部44から出力されるデータ信号に対する伝送路応答に大きく影響し、等化処理の精度が低くなるという問題がある。
【0042】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、直交周波数分割多重方式で伝送される信号の同期復調に対して行われていた等化処理の精度を高めることができるデジタル放送受信装置の同期復調回路を提供することを目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、直交周波数分割多重方式で伝送される信号を受信するデジタル信号受信装置の同期復調回路であって、受信シンボルと同一シンボル内に配置された各受信パイロット信号毎に、受信パイロット信号を既知の複素振幅で除算することにより、各受信パイロット信号それぞれに対応する第1の伝送路応答を算出する第1の伝送路応答算出手段、第1の伝送路応答算出手段によって算出される第1の伝送路応答に基づいて、受信シンボルと同一シンボル内に存在する各受信データ信号に対応する第2の伝送路応答を算出する第2の伝送路応答算出手段、および各受信データ信号を、その受信データ信号に対応する第2の伝送路応答で除算することにより、等化後のデータを算出する手段を備えたデジタル信号受信装置の同期復調回路において、第1の伝送路応答算出手段と第2の伝送路応答算出手段との間に前処理手段が設けられており、前処理手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の大きさに関する値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の大きさの平均値に関する値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段、および第1の伝送路応答の大きさに関する値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の大きさに関する値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力する選択手段を備えていることを特徴とする。
【0044】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル信号受信装置の同期復調回路において、判別手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の絶対値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の絶対値の平均値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別するものであり、選択手段は、第1の伝送路応答の絶対値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の絶対値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力するものであることを特徴とする。
【0045】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル信号受信装置の同期復調回路において、判別手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の電力値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の電力値の平均値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別するものであり、選択手段は、第1の伝送路応答の電力値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の電力値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力するものであることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図11〜図16を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【0047】
図11は、この発明の実施の形態を示し、デジタル放送受信装置の同期復調部の構成を示している。図11において、図8と同じものには、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0048】
この同期復調部と従来の同期復調部(図8)と比較すると、この同期復調部では、シンボルフィルタ部43と、キャリアフィルタ部44との間に、キャリアフィルタ部44の前処理を行うキャリアフィルタ前処理部100が設けられていることが従来の同期復調部と異なっている。
【0049】
図12は、キャリアフィルタ前処理部100の構成を示している。
【0050】
シンボルフィルタ部43から入力されるデータは、図9に示した12キャリアに1個の割合で現れるパイロット信号SPに対応する伝送路応答H(l,kp) である。この入力データH(l,kp) は、平均値作成部101、平均電力算出部102、単体電力算出部103および遅延回路(ディレイ回路)104に送られる。
【0051】
図13は、モード1の場合の1個のOFDMセグメントを示している。モード2の場合の1個のOFDMセグメントはモード1の場合の1個のOFDMセグメントを2つ繋いだ形態をとり、モード3の場合の1個のOFDMセグメントはモード1の場合の1個のOFDMセグメントを3つ繋いだ形態をとる。
【0052】
平均値作成部101は、モード1の場合には図13に示す1個のOFDMセグメント内の同期復調系の9個のパイロット信号SP0〜SP8(モード2またはモード3の場合には1個のOFDMセグメント内の1部分内の同期復調系の9個のパイロット信号SP0〜SP8)に対応する伝送路応答H0〜H8を1単位として、各伝送路応答H0〜H8毎に伝送路応答平均値を算出する。
【0053】
各伝送路応答H0〜H8毎に算出される伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の絶対値は次式(3) に基づいて求められる。各伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の位相( 符号) としては、元の伝送路応答H0〜H8と同じ位相が用いられる。
【0054】
【0055】
伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の絶対値は、図13に示す9個のパイロット信号SP0〜SP8のうちの、所定の2以上のパイロット信号SP0〜SP8に対応する伝送路応答の絶対値の平均値として求められている。
【0056】
各伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ は、所定のタイミングで、H0’ ,H1’,…H8’ の順番で選択部106に送られる。選択部106には、伝送路応答平均値H0’ ,H1’,…H8’ が入力されるタイミングに同期して、遅延回路104から入力データH0,H1,…H8が入力される。
【0057】
図14および図15は、それぞれ、IQ座標系でデータH0とデータH1を表した場合、H0に対応する伝送路応答平均値H0’ を示している。
【0058】
平均電力算出部102は、図13に示す9個のパイロット信号SP0〜SP8に対応する伝送路応答H0〜H8を1単位として、これらの伝送路応答H0〜H8の電力の平均値を次式(4) によって求める。
【0059】
【0060】
単体電力算出部103は、各伝送路応答H0〜H8の電力を算出する。この単体電力算出部103と、平均電力算出部102内において各伝送路応答H0〜H8の電力を算出するために用いられる回路とは、共用することが可能である。
【0061】
平均電力算出部102によって算出された電力平均値と、単体電力算出部103によって算出された各伝送路応答H0〜H8の電力とは、比較部105に送られる。比較部105は、各伝送路応答Hi(i=0,1,…,8)の電力(個別電力値)と電力平均値とを比較し、個別電力値が電力平均値を中心とする所定範囲内である場合には、選択部106が遅延回路104から送られてきた入力データHiを選択し、個別電力値が電力平均値を中心とする所定範囲外である場合には、選択部106が平均値作成部101から送られてきた伝送路応答平均値Hi’を選択するように、選択部106を制御する。
【0062】
したがって、あるパイロット信号SPがノイズ等によって大きく変動した場合には、そのパイロット信号SPから算出された伝送路応答に代えて、伝送路応答平均値がキャリアフィルタ部44に送られるので、キャリアフィルタ部44で行われる等化処理の精度が向上する。
【0063】
なお、平均値作成部101によって算出される各伝送路応答H0〜H8毎の伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の絶対値を、次式(5) に示すように、9個のパイロット信号SP0〜SP8に対応する伝送路応答H0〜H8の絶対値を平均することによって求めてもよい。
【0064】
|H0’ | 〜|H8’ |=(|H0|+|H1|+… +|H8|)/9 …(5)
【0065】
また、上記式(3) または式(5) の右辺の|H0|〜|H8|の代わりに、その電力値(H0 の電力値〜H8の電力値) を用いてもよい。電力値を求めるための回路としては、単体電力算出部103または平均電力算出部102内において各伝送路応答H0〜H8の電力を算出するために用いられる回路を利用することが可能である。
【0066】
図16は、キャリアフィルタ前処理部100の他の構成例を示している。図
において、図12と同じものには、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0067】
このキャリアフィルタ前処理部100では、図12の平均電力算出部102の代わりに絶対平均値算出部202が用いられ、図12の単体電力算出部103の代わりに単体絶対値算出部203が用いられている点が図12のキャリアフィルタ前処理部100と異なっている。
【0068】
絶対平均値算出部202は、次式(6) に示すように、各伝送路応答H0〜H8の絶対値の平均( 絶対平均値) を算出する。
【0069】
絶対平均値=(|H0|+|H1|+… +|H8|)/9 …(6)
【0070】
単体絶対値算出部203は、各伝送路応答H0〜H8の絶対値|H0|〜|H8|を算出する。
【0071】
比較部105は、単体絶対値算出部203によって算出された各伝送路応答H0〜H8の絶対値(個別絶対値)と絶対平均値算出部202によって算出された絶対平均値とを比較し、個別絶対値が絶対平均値を中心とする所定範囲内である場合には、選択部106が遅延回路104から送られてきた入力データHiを選択し、個別絶対値が絶対平均値を中心とする所定範囲外である場合には、選択部106が平均値作成部101から送られてきた伝送路応答平均値Hi’を選択するように、選択部106を制御する。
【0072】
【発明の効果】
この発明によれば、直交周波数分割多重方式で伝送される信号の同期復調に対して行われていた等化処理の精度を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地上波デジタル放送受信機で受信するOFDM方式のデータの構造を説明するための模式図である。
【図2】1OFDMシンボルの構成を示す模式図である。
【図3】1OFDMセグメントの構成を示す模式図である。
【図4】1つのOFDMセグメントの構成のモード依存性を説明するための模式図である。
【図5】1OFDMセグメント内の同期復調系のパイロット信号SPの分布を示す図である。
【図6】従来のOFDM方式の受信装置1000の構成を示すブロック図である。
【図7】復調部15の構成を示すブロック図である。
【図8】同期復調部33の構成を示すブロック図である。
【図9】受信シンボルと同一シンボル内のパイロット信号SPから求まる伝送路応答のみを用いてキャリア軸上の伝送路応答を補間する第1方法で用いられるパイロット信号SPを示す模式図である。
【図10】受信シンボルから3シンボル前までのパイロットSPの伝送路応答を保持してキャリア軸上の伝送路応答を補間する第2方法で用いられるパイロット信号SPを示す模式図である。
【図11】この発明の実施の形態であるデジタル放送受信装置の同期復調部の構成を示すブロック図である。
【図12】キャリアフィルタ前処理部100の構成を示すブロック図である。
【図13】モード1である場合の1個のOFDMセグメント内の同期復調系の9個のパイロット信号SP0〜SP8を示す模式図である。
【図14】IQ座標系でデータH0とデータH1を表した場合、H0に対応する伝送路応答平均値H0’ を示す模式図である。
【図15】IQ座標系でデータH0とデータH1を表した場合、H0に対応する伝送路応答平均値H0’ を示す模式図である。
【図16】キャリアフィルタ前処理部100の他の例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
44 キャリアフィルタ部
100 キャリアフィルタ前処理部
101 平均値作成部
102 平均電力算出部
103 単体電力算出部
104 遅延回路
105 比較部
106 選択部
202 絶対平均値算出部
203 単体絶対値算出部
【発明の属する技術分野】
この発明は、地上波デジタル放送などで用いられるOFDM(直交周波数分割多重)方式で変調された信号を受信して復調するデジタル放送受信装置の同期復調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像信号または音声信号を伝送するシステムにおいて、高品質な伝送や周波数利用効率の向上に優れた変調方式として、OFDM(直交周波数分割多重、Orthogonal Frequency Multiplexing)方式が提案されている。
【0003】
OFDM方式は、1チャンネルの帯域内に多数のサブキャリアを立てる変調方式である。このためゴーストに強く、かつ、誤り訂正のためのデータ構成に工夫をすることで選択性フェージングにも耐性を持たせることができるため、地上波デジタルテレビジョン放送等において有効な変調方式である。
【0004】
送信側では、以下の処理が行われる。まず、例えばテレビジョン信号等のアナログ信号をデジタル信号に変換し、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式で圧縮する。続いて、このデータ信号に、ノイズ等の伝送路におけるエラーの発生原因を分散させるために、バイトインタリーブおよびビットインタリーブの処理を施し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying) 、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation) 、64QAM等の変調方式に応じたマッピングを行う。
【0005】
さらに、フェージング、信号の欠落等の伝送路におけるエラー発生原因を分散させるために、時間インタリーブおよび周波数インタリーブの処理を施し、IFFT(高速フーリエ変換)を行って、直交変調後、RF周波数に周波数変換して送出する。
【0006】
図1は、地上波デジタル放送受信機で受信するOFDM方式のデータの構造を示している。
【0007】
1つのOFDMフレームは、No.0〜No.203の204個のOFDMシンボルで構成される。OFDMシンボルは、有効データ区間と、無効データ区間(ガードインターバル、ヌルキャリア)で構成されている。
【0008】
図2は、図1に示した1個のOFDMシンボル内の有効データ区間の構成を示している。
【0009】
1つのOFDMシンボル内の有効データ区間は、No.0〜No.12の13個のOFDMセグメントから構成されている。1つのOFDMセグメントは、データのグループ(データセグメント)にパイロット信号が付加されたものである。
【0010】
地上波デジタル放送の仕様では、No.0〜No.12の13個のOFDMセグメントを最大3つの階層に分割し、階層毎に変調方式を指定することが可能である。
【0011】
図3は、図2に示した1個のOFDMセグメントの構成を示している。
【0012】
1個のOFDMセグメントは、No.0〜No.(n−1)のn個のキャリアからなる。
【0013】
図4は、1個のOFDMセグメントの構成のモード依存性を示している。
【0014】
1個のOFDMセグメントを構成する、データ信号のキャリア数、パイロット信号のキャリア数等は、モード毎に決まっており、このキャリア数の合計がn個となるように設定されている。
【0015】
OFDM方式の変調の種類には、DQPSK(Dofferential)、QPSK、16QAM、64QAMの4種類があり、それぞれマッピング方法が異なる。また、DQPSK方式は差動変調方式と呼ばれ、その他の方式は同期変調方式と呼ばれる。差動変調方式と同期変調方式では、1個のOFDMセグメント内に含まれるパイロット信号の種類や配置位置が異なるが、1個のOFDMセグメント内に含まれるパイロット信号の合計数は図4に示すように規定されている。同期変調方式のパイロット信号を用いて、遅延マルチパスを等化し、歪みを改善している。
【0016】
図5は、モードがモード1である場合の、1個のOFDMシンボルの有効データ(図2に対応する)を示している。図5においては、パイロット信号のうち、同期復調系のパイロット信号SPのみを示している。
【0017】
OFDM方式で変調されたデータ信号は、送信と全く逆の手順の処理で復調される。
【0018】
図6は、従来のOFDM方式の受信装置1000の構成を示している。
【0019】
チューナ11には、アンテナ(図示略)でとらえた高周波信号入力(RF信号入力)が与えられる。チューナ11は、指定されたチャンネルの周波数に対応するRF信号をダウンコンバートして、ベースバンド信号とする。
【0020】
アナログ/デジタル変換回路12は、アナログ信号をデジタル信号に変換するとともにヒルベルト変換等を用いて、実軸(以下、「I軸」という)成分の信号(同相検波軸信号)と、虚軸(以下、「Q軸」という)成分の信号(直交検波軸信号)とを生成する。アナログ/デジタル変換回路12から出力されるI軸信号とQ軸信号とは、同期部13によって同期処理が行われた後、高速フーリエ変換部(以下、「FFT部」という)14に出力される。
【0021】
FFT部14では、入力信号に対して高速フーリエ変換を行い、時間軸データを周波数軸データに変換する。復調部15は、FFT部14から出力される信号に対して復調処理を行って、得られた信号を周波数デインタリーブ部16に出力する。
【0022】
周波数デインタリーブ回路16は、電波の反射等による特定周波数信号の欠落を補うために行われた周波数インタリーブの逆処理を行う。周波数デインタリーブ回路16の出力は、時間デインタリーブ回路17に送られる。時間デインタリーブ回路17は、耐フェージングのために行われた時間インタリーブの逆処理を行う。
【0023】
時間デインタリーブが行われたI軸データおよびQ軸データはデマッピング回路18に送られ、2ビット(QPSK)、4ビット(16QAM)または6ビット(64QAM)のデータに変換される。デマッピングが行われた信号はビットデインタリーブ回路19に送られる。ビットデインタリーブ回路19は、誤り耐性を増す目的で行われたビットインタリーブの逆処理を行う。ビットデインタリーブ回路19の出力は、ビタビ復号化回路20に送られる。ビタビ復号化回路20は、送信側で行われた畳み込み符号を用いて誤り訂正を行う。
【0024】
ビタビ復号が行われた信号は、バイトデインタリーブ回路21に送られる。バイトデインタリーブ回路21は、ビットインタリーブと同様に誤り耐性を増す目的で行われたバイトインタリーブの逆処理を行う。バイトデインタリーブ回路21の出力は、エネルギー逆拡散部22に送られる。エネルギー逆拡散部22は、逆拡散処理を行う。エネルギー逆拡散部22の出力は、RS復号化回路23に送られる。RS復号化回路23は、RS(リードソロモン)復号を行って、誤り訂正を行う。
【0025】
RS復号化回路23の出力は、MPEGデコード回路24に送られる。MPEGデコード回路24は、誤り訂正された信号(圧縮信号)を伸長して、デジタル/アナログ変換回路25に出力する。デジタル/アナログ変換回路25は、MPEGデコーダ24から送られてきたデジタル信号をアナログ信号に変換する。これにより、OFDM方式で変調される前の映像信号および音声信号が生成される。
【0026】
OFDM方式は、同じ伝送レートで比較した場合、シングルキャリア方式よりも変調波のシンボル周期を長くとることができるため、遅延波によるシンボル間干渉の影響を受けにくいという特徴を有している。しかしながら、マルチパス干渉により、伝送路において変調波の振幅・位相の過大な歪みが生じた場合、受信側ではその歪みを補正しなければ、データを正しく復調することはできない。そこで、受信側では、同期変調方式のパイロット信号の振幅と位相を基準として、データを復調部15で復調するようにしている。復調部15では、受信されたパイロット信号から算出された伝送路特性に対し、シンボル方向に等化するシンボルフィルタとキャリア方向に等化するキャリアフィルタとを用いて2次元のフィルタリング処理を施すといった、雑音耐性を改善した等化方式が採用されている。
【0027】
図7は、復調部15の構成を示している。
【0028】
フレーム抽出部30は、FFT部14によって得られた信号に含まれているTMCC信号(伝送多重制御信号)のうちのフレーム同期信号を抽出する。TMCC復号部31はTMCC信号からTMCC情報を抽出し、変調方式の切り替えタイミングの制御等を行うための各種制御信号を作成する。
【0029】
TMCC情報に応じて、差動復調部(差動復調回路)32はDQPSK用に差動復調を行い、同期復調部(同期復調回路)33はQPSK、16QAM、64QAM用にパイロット信号(スキャッタードパイロット、SP)を用いた同期復調を行う。合成部34は、差動復調部32の出力と同期復調部33の出力とを合成することにより、復調データを生成する。
【0030】
図8は、同期復調部33の構成を示している。
【0031】
FFT部14で周波数軸の信号に変換されたOFDM信号をY(l,k)で表すことにする。ここで、lはシンボル番号(図5参照)を表し、kはキャリア番号(図5参照)を表している。
【0032】
OFDM信号Y(l,k)のうちパイロット信号Y(l,kp) は既知の複素振幅を持つため、次式(1) で示すように、複素除算部42で受信パイロット信号Y(l,kp) をパイロット発生部41によって発生した正規のパイロット信号(複素振幅)X(l,kp) で除算することによって、受信信号を伝送するキャリアの伝送路応答H(l,kp) =を求めることができる。
【0033】
H(l,kp) =Y(l,kp) /X(l,kp) …(1)
【0034】
この伝送路応答H(l,kp) は、時間軸方向(シンボル方向)に伝送路応答を平滑化するシンボルフィルタ部43を介してキャリアフィルタ部44に送られる。キャリアフィルタ部44では、シンボルフィルタ部43によって得られた伝送路応答に基づいて、各受信データ信号Y(l,k)に対応する伝送路応答H(l,kd) を推定する。シンボルフィルタ部43によって得られた各受信データ信号Y(l,k)に対応する伝送路応答H(l,kd) は、複素除算部45に送られる。
【0035】
複素除算部45は、次式(2) に示すように、受信データ信号Y(l,k)を、キャリアフィルタ部44によって得られたその受信データ信号Y(l,k)に対応する伝送路応答H(l,kd) で除算することにより、等化後の復調データを算出する。
【0036】
X(l,kd) =Y(l,kd) /H(l,kd) …(2)
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5に示したように、1個のOFDMセグメント内には、パイロット信号SPが、12キャリアに1回、4シンボル毎に同じキャリア位置に挿入されている。
【0038】
キャリアフィルタ部において、周波数軸上、つまり、キャリア軸上の伝送路応答の補間を行う場合、受信シンボルと同一シンボル内のパイロット信号SPから求まる伝送路応答のみを用いる第1方法と、受信シンボルから3シンボル前までのパイロットSPの伝送路応答を保持して補間する第2方法がある。第1方法は、受信シンボルごとに補間を行うため、伝送路応答が時間的に変動する伝送路に適した方法である。第2方法は、時間的変動がゆるやかな伝送路に適した方法である。
【0039】
図9は、第1方法で用いられるパイロット信号SPを示し、図10は第2方法で用いられるパイロット信号SPを示している。
【0040】
FFT部14(図6参照)は、1OFDMシンボル毎にFFTを行う。移動体受信での伝送路のように、伝送路応答が時間的に変動するような伝送路である場合、現在受信しているシンボルの伝送路応答と次の時間のシンボルの伝送路応答とは異なるので、受信シンボルから3シンボル前までのパイロットSPの伝送路応答を保持して補間する第2方法を利用できない。つまり、図10に示すように、3キャリアに1個の割合で現れるパイロット信号SPを利用することができない。
【0041】
したがって、移動体受信の場合には、同期復調部33内のキャリアフィルタ部44(図8参照)に入力されるパイロット信号に対応する伝送路応答は、図9に示した12キャリアに1個の割合で現れるパイロット信号SPに対応するものが用いられている。このように、移動体受信の場合には、キャリア軸上の伝送路応答の補間に用いられるパイロット信号SPに対応する伝送路応答が少ないため、あるパイロット信号SPがノイズ等によって大きく変動した場合、キャリアフィルタ部44から出力されるデータ信号に対する伝送路応答に大きく影響し、等化処理の精度が低くなるという問題がある。
【0042】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、直交周波数分割多重方式で伝送される信号の同期復調に対して行われていた等化処理の精度を高めることができるデジタル放送受信装置の同期復調回路を提供することを目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、直交周波数分割多重方式で伝送される信号を受信するデジタル信号受信装置の同期復調回路であって、受信シンボルと同一シンボル内に配置された各受信パイロット信号毎に、受信パイロット信号を既知の複素振幅で除算することにより、各受信パイロット信号それぞれに対応する第1の伝送路応答を算出する第1の伝送路応答算出手段、第1の伝送路応答算出手段によって算出される第1の伝送路応答に基づいて、受信シンボルと同一シンボル内に存在する各受信データ信号に対応する第2の伝送路応答を算出する第2の伝送路応答算出手段、および各受信データ信号を、その受信データ信号に対応する第2の伝送路応答で除算することにより、等化後のデータを算出する手段を備えたデジタル信号受信装置の同期復調回路において、第1の伝送路応答算出手段と第2の伝送路応答算出手段との間に前処理手段が設けられており、前処理手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の大きさに関する値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の大きさの平均値に関する値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段、および第1の伝送路応答の大きさに関する値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の大きさに関する値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力する選択手段を備えていることを特徴とする。
【0044】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル信号受信装置の同期復調回路において、判別手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の絶対値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の絶対値の平均値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別するものであり、選択手段は、第1の伝送路応答の絶対値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の絶対値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力するものであることを特徴とする。
【0045】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のデジタル信号受信装置の同期復調回路において、判別手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の電力値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の電力値の平均値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別するものであり、選択手段は、第1の伝送路応答の電力値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の電力値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力するものであることを特徴とする。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図11〜図16を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【0047】
図11は、この発明の実施の形態を示し、デジタル放送受信装置の同期復調部の構成を示している。図11において、図8と同じものには、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0048】
この同期復調部と従来の同期復調部(図8)と比較すると、この同期復調部では、シンボルフィルタ部43と、キャリアフィルタ部44との間に、キャリアフィルタ部44の前処理を行うキャリアフィルタ前処理部100が設けられていることが従来の同期復調部と異なっている。
【0049】
図12は、キャリアフィルタ前処理部100の構成を示している。
【0050】
シンボルフィルタ部43から入力されるデータは、図9に示した12キャリアに1個の割合で現れるパイロット信号SPに対応する伝送路応答H(l,kp) である。この入力データH(l,kp) は、平均値作成部101、平均電力算出部102、単体電力算出部103および遅延回路(ディレイ回路)104に送られる。
【0051】
図13は、モード1の場合の1個のOFDMセグメントを示している。モード2の場合の1個のOFDMセグメントはモード1の場合の1個のOFDMセグメントを2つ繋いだ形態をとり、モード3の場合の1個のOFDMセグメントはモード1の場合の1個のOFDMセグメントを3つ繋いだ形態をとる。
【0052】
平均値作成部101は、モード1の場合には図13に示す1個のOFDMセグメント内の同期復調系の9個のパイロット信号SP0〜SP8(モード2またはモード3の場合には1個のOFDMセグメント内の1部分内の同期復調系の9個のパイロット信号SP0〜SP8)に対応する伝送路応答H0〜H8を1単位として、各伝送路応答H0〜H8毎に伝送路応答平均値を算出する。
【0053】
各伝送路応答H0〜H8毎に算出される伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の絶対値は次式(3) に基づいて求められる。各伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の位相( 符号) としては、元の伝送路応答H0〜H8と同じ位相が用いられる。
【0054】
【0055】
伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の絶対値は、図13に示す9個のパイロット信号SP0〜SP8のうちの、所定の2以上のパイロット信号SP0〜SP8に対応する伝送路応答の絶対値の平均値として求められている。
【0056】
各伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ は、所定のタイミングで、H0’ ,H1’,…H8’ の順番で選択部106に送られる。選択部106には、伝送路応答平均値H0’ ,H1’,…H8’ が入力されるタイミングに同期して、遅延回路104から入力データH0,H1,…H8が入力される。
【0057】
図14および図15は、それぞれ、IQ座標系でデータH0とデータH1を表した場合、H0に対応する伝送路応答平均値H0’ を示している。
【0058】
平均電力算出部102は、図13に示す9個のパイロット信号SP0〜SP8に対応する伝送路応答H0〜H8を1単位として、これらの伝送路応答H0〜H8の電力の平均値を次式(4) によって求める。
【0059】
【0060】
単体電力算出部103は、各伝送路応答H0〜H8の電力を算出する。この単体電力算出部103と、平均電力算出部102内において各伝送路応答H0〜H8の電力を算出するために用いられる回路とは、共用することが可能である。
【0061】
平均電力算出部102によって算出された電力平均値と、単体電力算出部103によって算出された各伝送路応答H0〜H8の電力とは、比較部105に送られる。比較部105は、各伝送路応答Hi(i=0,1,…,8)の電力(個別電力値)と電力平均値とを比較し、個別電力値が電力平均値を中心とする所定範囲内である場合には、選択部106が遅延回路104から送られてきた入力データHiを選択し、個別電力値が電力平均値を中心とする所定範囲外である場合には、選択部106が平均値作成部101から送られてきた伝送路応答平均値Hi’を選択するように、選択部106を制御する。
【0062】
したがって、あるパイロット信号SPがノイズ等によって大きく変動した場合には、そのパイロット信号SPから算出された伝送路応答に代えて、伝送路応答平均値がキャリアフィルタ部44に送られるので、キャリアフィルタ部44で行われる等化処理の精度が向上する。
【0063】
なお、平均値作成部101によって算出される各伝送路応答H0〜H8毎の伝送路応答平均値H0’ 〜H8’ の絶対値を、次式(5) に示すように、9個のパイロット信号SP0〜SP8に対応する伝送路応答H0〜H8の絶対値を平均することによって求めてもよい。
【0064】
|H0’ | 〜|H8’ |=(|H0|+|H1|+… +|H8|)/9 …(5)
【0065】
また、上記式(3) または式(5) の右辺の|H0|〜|H8|の代わりに、その電力値(H0 の電力値〜H8の電力値) を用いてもよい。電力値を求めるための回路としては、単体電力算出部103または平均電力算出部102内において各伝送路応答H0〜H8の電力を算出するために用いられる回路を利用することが可能である。
【0066】
図16は、キャリアフィルタ前処理部100の他の構成例を示している。図
において、図12と同じものには、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0067】
このキャリアフィルタ前処理部100では、図12の平均電力算出部102の代わりに絶対平均値算出部202が用いられ、図12の単体電力算出部103の代わりに単体絶対値算出部203が用いられている点が図12のキャリアフィルタ前処理部100と異なっている。
【0068】
絶対平均値算出部202は、次式(6) に示すように、各伝送路応答H0〜H8の絶対値の平均( 絶対平均値) を算出する。
【0069】
絶対平均値=(|H0|+|H1|+… +|H8|)/9 …(6)
【0070】
単体絶対値算出部203は、各伝送路応答H0〜H8の絶対値|H0|〜|H8|を算出する。
【0071】
比較部105は、単体絶対値算出部203によって算出された各伝送路応答H0〜H8の絶対値(個別絶対値)と絶対平均値算出部202によって算出された絶対平均値とを比較し、個別絶対値が絶対平均値を中心とする所定範囲内である場合には、選択部106が遅延回路104から送られてきた入力データHiを選択し、個別絶対値が絶対平均値を中心とする所定範囲外である場合には、選択部106が平均値作成部101から送られてきた伝送路応答平均値Hi’を選択するように、選択部106を制御する。
【0072】
【発明の効果】
この発明によれば、直交周波数分割多重方式で伝送される信号の同期復調に対して行われていた等化処理の精度を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地上波デジタル放送受信機で受信するOFDM方式のデータの構造を説明するための模式図である。
【図2】1OFDMシンボルの構成を示す模式図である。
【図3】1OFDMセグメントの構成を示す模式図である。
【図4】1つのOFDMセグメントの構成のモード依存性を説明するための模式図である。
【図5】1OFDMセグメント内の同期復調系のパイロット信号SPの分布を示す図である。
【図6】従来のOFDM方式の受信装置1000の構成を示すブロック図である。
【図7】復調部15の構成を示すブロック図である。
【図8】同期復調部33の構成を示すブロック図である。
【図9】受信シンボルと同一シンボル内のパイロット信号SPから求まる伝送路応答のみを用いてキャリア軸上の伝送路応答を補間する第1方法で用いられるパイロット信号SPを示す模式図である。
【図10】受信シンボルから3シンボル前までのパイロットSPの伝送路応答を保持してキャリア軸上の伝送路応答を補間する第2方法で用いられるパイロット信号SPを示す模式図である。
【図11】この発明の実施の形態であるデジタル放送受信装置の同期復調部の構成を示すブロック図である。
【図12】キャリアフィルタ前処理部100の構成を示すブロック図である。
【図13】モード1である場合の1個のOFDMセグメント内の同期復調系の9個のパイロット信号SP0〜SP8を示す模式図である。
【図14】IQ座標系でデータH0とデータH1を表した場合、H0に対応する伝送路応答平均値H0’ を示す模式図である。
【図15】IQ座標系でデータH0とデータH1を表した場合、H0に対応する伝送路応答平均値H0’ を示す模式図である。
【図16】キャリアフィルタ前処理部100の他の例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
44 キャリアフィルタ部
100 キャリアフィルタ前処理部
101 平均値作成部
102 平均電力算出部
103 単体電力算出部
104 遅延回路
105 比較部
106 選択部
202 絶対平均値算出部
203 単体絶対値算出部
Claims (3)
- 直交周波数分割多重方式で伝送される信号を受信するデジタル信号受信装置の同期復調回路であって、受信シンボルと同一シンボル内に配置された各受信パイロット信号毎に、受信パイロット信号を既知の複素振幅で除算することにより、各受信パイロット信号それぞれに対応する第1の伝送路応答を算出する第1の伝送路応答算出手段、第1の伝送路応答算出手段によって算出される第1の伝送路応答に基づいて、受信シンボルと同一シンボル内に存在する各受信データ信号に対応する第2の伝送路応答を算出する第2の伝送路応答算出手段、および各受信データ信号を、その受信データ信号に対応する第2の伝送路応答で除算することにより、等化後のデータを算出する手段を備えたデジタル信号受信装置の同期復調回路において、
第1の伝送路応答算出手段と第2の伝送路応答算出手段との間に前処理手段が設けられており、前処理手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の大きさに関する値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の大きさの平均値に関する値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段、および第1の伝送路応答の大きさに関する値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の大きさに関する値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力する選択手段を備えていることを特徴とするデジタル信号受信装置の同期復調回路。 - 判別手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の絶対値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の絶対値の平均値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別するものであり、
選択手段は、第1の伝送路応答の絶対値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の絶対値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力するものであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル信号受信装置の同期復調回路。 - 判別手段は、各受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答毎に、第1の伝送路応答の電力値が、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の電力値の平均値を中心とする所定範囲内にあるか否かを判別するものであり、
選択手段は、第1の伝送路応答の電力値が上記所定範囲内である場合には、当該第1の伝送路応答を第2の伝送路応答算出手段に出力し、第1の伝送路応答の電力値が上記所定範囲外である場合には、当該受信パイロット信号に代えて、受信シンボルと同一シンボル内の所定の2以上の受信パイロット信号に対応する第1の伝送路応答の平均値を第2の伝送路応答算出手段に出力するものであることを特徴とする請求項1に記載のデジタル信号受信装置の同期復調回路。
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