JP2004235769A - 画像形成装置ネットワークシステム、画像形成装置、連結動作方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ネットワーク上の画像形成装置が互いにメモリ残量、紙残量及びトナー残量を監視し、自機に処理しきれないジョブがある場合に、他の画像形成装置にこれを割り当て、メモリフル等の異常状態等を回避し、印刷ジョブの中断をなくす。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連結動作手段を有し、複数の画像形成装置で印刷を分担できる画像形成装置ネットワークシステム、画像形成装置、連結動作方法及び連結動作プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置が多用されているが、これらにはネットワークを介して複数の画像形成装置を接続したものがある。このような画像形成装置ネットワークシステムには、複数の画像形成装置によって連結動作を行うことができるものがある。
【0003】
連結動作とは、例えば1枚の原稿を100枚複写する際、作業を与えられた画像形成装置が他の画像形成装置と情報のやり取りをして、2台の画像形成装置で1台あたり50枚ずつ印刷を行うなど、作業を分担して作業時間を短縮するような機能である。
【0004】
ところで、従来の画像形成装置として、コンタクトガラス上にセットされた原稿を読み取ってその画像情報をメモリに記憶する原稿の読み取り動作を行った後、その画像情報に基づいて転写紙上に画像を印刷する印刷動作を繰り返し行うことにより、予め設定された部数(設定部数)のコピーを得られるようにしたもの(例えばデジタル複写機)がある。
【0005】
このような画像形成装置では、原稿の読み取り動作時に残メモリ量を監視し、残メモリ量が「0」になる前にその読み取り動作を中断し、コピー動作を終了させるか、あるいは読み込んだところまでの原稿の画像データの印刷を開始するかをユーザによって選択可能にしている。
【0006】
これは、例えば自動原稿送り装置(以下「ADF」ともいう)を用いて原稿台に載置された原稿をコンタクトガラス上に自動給送するモードを使用する場合、もし原稿の読み取り動作中に残メモリ量が「0」になり、その読み取り動作を中断させるようにしても、その時には既に対応する原稿は排出してしまっているため、印刷後読み取りを再開するとき、ユーザによる原稿台への原稿の戻し操作が必要になるためである。
【0007】
また従来の画像形成装置は、紙や、トナーといった消耗品の残量を監視し、ジョブ開始時もしくは、ジョブ実行中各々がなくなった時点でオペレータに補充してもらう旨のメッセージを出し、補充完了後にジョブを実行している。
【0008】
連結動作を利用するシステムを提示する従来の文献を挙げる。
特許文献1では、印刷部数の割り当てを1つのコンピュータから行い、各複写機で印刷を行う。ある複写機にエラーが発生した場合には、印刷部数の割り当てを再度行い、エラーによる不具合を回避する。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−238035号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような画像形成装置ネットワークシステムにおいて、複数台の画像形成装置のうち、任意の1台(マスタ機)で読み取り完了後、もしくはすでに読み取られて外部記憶手段に蓄積されている原稿の画像情報を他の画像形成装置(スレーブ機)に転送して印刷を分配する場合、印刷を分配する個々の画像形成装置の残メモリ容量は異なる場合があるので、マスタ機の残メモリ量の監視だけでは、やはり原稿の読み取り動作中に残メモリ量が「0」になり、上述したような原稿戻し操作などの煩わしい操作を行う必要がある。
また、紙やトナーといった消耗品がなくなった場合それが補充されるまでジョブを中断し、その後また再開するといった使い勝手の悪さがあった。
【0011】
この発明はこのような問題に鑑み、連結機能という有用な機能を活用することで印刷ジョブ実行をよりスムーズに行い画像形成装置の操作性を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、原稿を読み取る手段と該手段によって読み取られた画像を印刷する手段と、読み取った画像を外部記憶手段に蓄積する手段と、自機とネットワーク上にある他機の消耗品情報を獲得、識別する手段を有する複数台の画像形成装置がネットワークを介して接続され、その複数台の画像形成装置のうちの任意の1台で読み取られた画像情報を他の画像形成装置に転送して印刷を分配する連結動作手段と、単独動作か連結動作かを選択する手段とを有する画像形成装置ネットワークシステムにおいて、次のようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明は、少なくとも1台の画像形成装置Aに、複数の印刷ジョブが割り当てられ、メモリを大量に消費しているような場合にネットワーク上にある監視下の他機Bに対し印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aがメモリフルなどの異常状態を起こさせないようにする手段を備えたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置ネットワークシステムにおいて、上記少なくとも1台の画像形成装置Aに、複数の印刷ジョブが割り当てられた場合に監視している自機の紙残量が総印刷枚数を超えるような場合、ネットワーク上にある監視下の他機Bに対し印刷ジョブを割り当てジョブ実行中に紙の補充をなくすようにする手段を備えたものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置ネットワークシステムにおいて、上記少なくとも1台の画像形成装置Aに、複数の印刷ジョブが割り当てられた場合に監視している自機のトナー残量が総印刷枚数で使用するトナー量がトナー残量を超えるような場合、ネットワーク上にある監視下の他機Bに対し印刷ジョブを割り当てジョブ実行中にトナー補充をなくすようにする手段を備えたものである。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置ネットワークシステムにおいて、印刷ジョブを他機に割り当てた場合にその詳細をオペレータに伝える表示手段をジョブを割り当てた自機に備えたものである。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1の画像形成装置ネットワークシステムにおいて、印刷ジョブを割り当てられた機器にその詳細をオペレータに伝える表示手段をジョブを割り当てられた機器に備えたものである。
【0018】
請求項6の発明である画像形成装置は、原稿を読み取る手段と、上記原稿を読み取る手段によって読み取られた画像を印刷する手段と、読み取った画像を蓄積する手段と、他機の画像形成装置の情報を獲得・識別する手段と、ネットワークに接続する手段と、読み取った画像情報をネットワーク上の他の画像形成装置に転送して印刷を分配する連結動作手段と、単独動作か連結動作かを選択する手段と、ネットワーク上のすべての上記連結動作手段を持つ画像形成装置のメモリ残量を監視する手段と、画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて画像形成装置Aの負荷が重くなっているような場合に、監視下の他の画像形成装置Bに実行中のジョブがない場合、もしくは少ない場合に、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置Bに割り振る手段とを有することを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6に記載の画像形成装置であって、自機及びネットワーク上の他機の紙残量を監視する手段を更に有し、画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて総印刷枚数が画像形成装置Aの紙残量を超えてしまうような場合に、監視下の十分量の紙残量を有する他の画像形成装置Bに印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置に割り振ることを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項6に記載の画像形成装置であって、自機及びネットワーク上の他機のトナー残量を監視する手段を更に有し、画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて総印刷枚数で使用するトナー量が自機のトナー残量を超えてしまうような場合に、監視下の十分量のトナー残量を有する他の画像形成装置Bに印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置に割り振ることを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明は、請求項6に記載の画像形成装置であって、上記連結動作手段を用いて印刷ジョブを他機に割り当てる際、印刷ジョブを他機に割り当てた旨の詳細を自機となる画像形成装置に表示する手段を更に有することを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明は、請求項6に記載の画像形成装置であって、印刷ジョブを割り当てられた際に、割り当てられた印刷ジョブの詳細を表示する手段を更に有することを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明である連結動作方法は、連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する工程と、自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるメモリ量を見積もる工程と、メモリ残量と前記必要とされるメモリ量とを比較する工程と、上記メモリ残量が不足する場合に、上記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する工程と、上記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する工程と、上記他の画像形成装置に画像情報を転送する工程と、上記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する工程と、印刷を実行する工程とを有することを特徴とする。
【0024】
請求項12の発明である連結動作方法は、連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する工程と、自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされる紙量を見積もる工程と、紙残量と上記必要とされる紙量とを比較する工程と、上記紙残量が不足する場合に、上記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する工程と、上記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する工程と、上記他の画像形成装置に画像情報を転送する工程と、上記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する工程と、印刷を実行する工程とを有することを特徴とする。
【0025】
請求項13の発明である連結動作方法は、連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する工程と、自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるトナー量を見積もる工程と、トナー残量と上記必要とされるトナー量とを比較する工程と、上記トナー残量が不足する場合に、上記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する工程と、上記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する工程と、上記他の画像形成装置に画像情報を転送する工程と、上記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する工程と、印刷を実行する工程とを有することを特徴とする。
【0026】
請求項14の発明である連結動作プログラムは、連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する処理と、自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるメモリ量を見積もる処理と、メモリ残量と上記必要とされるメモリ量とを比較する処理と、上記メモリ残量が不足する場合に、上記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する処理と、上記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する処理と、上記他の画像形成装置に画像情報を転送する処理と、上記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する処理と、印刷を実行する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
請求項15の発明である連結動作プログラムは、連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する処理と、自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされる紙量を見積もる処理と、紙残量と上記必要とされる紙量とを比較する処理と、上記紙残量が不足する場合に、上記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する処理と、上記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する処理と、上記他の画像形成装置に画像情報を転送する処理と、上記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する処理と、印刷を実行する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0028】
請求項16の発明である連結動作プログラムは、連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する処理と、自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるトナー量を見積もる処理と、トナー残量と上記必要とされるトナー量とを比較する処理と、上記トナー残量が不足する場合に、上記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する処理と、上記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する処理と、上記他の画像形成装置に画像情報を転送する処理と、上記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する処理と、印刷を実行する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
発明の構成・動作を図を用いて説明する。
図1に本発明の画像形成装置を示す。
自動原稿送り装置(以後ADF)1にある、原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、図2に示す操作部30上のスタートキー34が押下されると、一番上の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。読み取りユニット50によってコンタクトガラス6上の原稿の画像データを読み取り後、読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4及び排送ローラ5によって排出される。さらに、原稿セット検知7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5はモータによって駆動される。
【0030】
図2は、操作部を示した図である。
操作部30には、液晶タッチパネル31、テンキー32、クリア/ストップキー33、プリントキー34、予熱キー35、リセットキー36、コピー/プリンタキー38及び初期設定キー39等があり、液晶タッチパネル31には、後述するモード設定のためのキーや画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0031】
図3は操作部30の液晶タッチパネル31の表示一例37を示した図である。オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチする事で、詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
【0032】
図3において左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右は、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー、デジタル複写機のネットワークを介して多量のプリント動作を複数に分けてプリントアウトする連結モードキーである。
また、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。
【0033】
図4は制御装置の構成を示すブロック図である。
メインコントローラ20は装置全体の制御を行う。メインコントローラ20には操作部30、画像処理ユニット(IPU)49、ADF1等が接続されている。
操作部30は、オペレータに対する表示を行う液晶ディスプレイ31とオペレータからの機能設定入力を行うキー入力32〜35を有する。
IPU49はスキャナの制御、原稿画像を画像メモリに書き込む制御及び画像メモリからの読み出しにおける制御等を行う。
また、メインコントローラ20には、紙搬送等に必要なメインモータ25、各種クラッチ21〜24が接続されている。
【0034】
図1を用いて、本発明における画像読み取り手段、および画像を記録面上に潜像形成するまでの動作を説明する。潜像とは感光体面上に画像を光情報に変換して照射することにより生じる電位分布である。
【0035】
読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されており、光学走査系には、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等々で構成されている。露光ランプ51及び第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55及び第3ミラー56は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。原稿像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジ第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。
【0036】
原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読み取られ、電気信号に変換されて処理される。レンズ53及びCCDイメージセンサ54を図1において左右方向に移動させることにより、画像倍率が変わる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ53及びCCDイメージセンサ54の左右方向に位置が設定される。
【0037】
書き込みユニット57はレーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)が備わっている。
【0038】
レーザ出力ユニット58より照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーで偏光され、結像レンズ59を通り、ミラー60で折り返され、感光体面上に集光結像する。
【0039】
偏光されたレーザ光は感光体が回転する方向と直行する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する画像処理部のセレクタ64より出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって、感光体面上に画像(静電潜像)が形成される。
【0040】
上述のように、書き込みユニット57から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体15に照射される。図示しないが感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、および後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0041】
本実施例における画像処理部(画像読み取り部と画像書き込み部)の構成について、図5を用いて説明する。
露光ランプ51から照射された光は原稿面を照射し、原稿面からの反射光を、CCDイメージセンサ54にて結像レンズ(図示せず)により結像、受光して光電変換し、A/Dコンバータ61にてデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正62がなされた後、画像処理部63にてMTF補正、γ補正等がなされた後、変倍処理回路72で変倍率に合わせて拡大・縮小される。
【0042】
セレクタ64では、画像信号の送り先を、書き込みγ補正部71または、画像メモリコントローラ65への切り替えが行われる。書き込みγ補正部71を経由した画像信号は書き込みユニット57に送られる。画像メモリコントローラ65とセレクタ64間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。図5には特に明示していないが、画像処理部(IPU)には、読み取り部50から入力される画像データ以外にも外部から供給される画像データ(例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力されるデータ)も処理できるよう、複数のデータの入出力の選択を行う機能を有している。
【0043】
画像メモリコントローラ65等への設定や、読み取り部50書き込み部57の制御を行うCPU68、及びそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70を備えている。更にCPU68は、メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66のデータの書き込み、読み出しが行える。また画像メモリ66の内容を退避させたり、保存したりするためのHDD73を備えている。
【0044】
ここで、図6を用いて、セレクタ64における1ページ分の画像信号について説明する。「/」はローアクディブを示す。
/FGATEは、1ページの画像データにおける副走査方向の有効期間を表している。/LSYNCは、1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号が立ち上がった後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号が、/LGATEである。これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、VCLKの1周期に対し1画素のデータが送られてくる。画像処理部(IPU)49は、画像入力、出力それぞれに対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATE及びVCLKの発生機構を有しており、様々な画像入出力の組み合わせが実現可能になる。
【0045】
また、作業分担するために他のデジタル複写機と画像データやコマンドの送受信を行う必要があるが、これは、この実施例では画像データの送受信用にIEEE1394の連結インタフェースを、コマンドの送受信用にシリアル通信ラインを用いている。図5のメモリコントローラ65が連結インターフェース48を介してそれを実現している。
【0046】
次に本画像形成装置内のソフトウェア制御モジュール構成と、画像転送、印刷制御について説明する。図7は、ソフトウェアのモジュール構成を示した図である。
アプリケーション層で設定されたジョブ情報は、スタートキーなどをトリガーにコントロールサービス層に受け渡される。コントロールサービス層は、アプリケーション層からのジョブ情報を解釈し、ハンドラ層を動作させるためのプロセス情報をハンドラマネージャに要求する。ハンドラマネージャは、プロセス情報に従って個々のハンドラを動作させる。
【0047】
ハンドラには、
・読み取りユニットを制御するスキャナハンドラ
・画像メモリへの画像データの入出力を制御する画像メモリハンドラ
・書き込みユニットと用紙搬送、後処理周辺機を制御するプロッタハンドラ
が有り、これらのソフトウェアモジュールが連携して、読み取りから画像メモリへの蓄積と画像形成の処理が行われる。
【0048】
さらに本画像形成装置には、他の画像形成装置と連結するための、連結I/Fドライバを備え、このI/Fを介して画像データとコマンド情報の受け渡しが可能になっている。
【0049】
単体コピージョブでは、画像の読み取りと蓄積、蓄積画像の印刷という手順で行われるが、連結コピージョブでは、前記手順に加え以下の制御が加わる。
親機側で発生した連結コピージョブは、親機のコントロールサービス内でジョブ情報が解釈された後、スキャナで読み取った画像を画像メモリに蓄積するプロセスと、その画像を子機の画像メモリに転送するプロセスに分けてそれぞれ実行される。
【0050】
必要な画像の転送が完了すると、子機のコントロールサービスは、親機のコントロールサービスから受け取った情報に従って、予め転送されている画像データを参照する印刷プロセスを生成し、子機のハンドラマネージャに印刷を要求する。
そして子機のコントロールサービスは、親機に対して自機で処理した印刷ジョブを親機に逐次通知する。この情報に従って親機のコントロールサービスは、自機の印刷ジョブと子機側の印刷ジョブの経過を監視し、必要分の印刷を行う。
【0051】
次に図8は請求項1に記載される動作環境の模式図である。
親機となる画像形成装置Aの実行しようとしているジョブが必要とするメモリサイズが500であって親機Aの残メモリー量がこれに満たない時、子機B、子機C、のメモリ残量がそれぞれ、600、300であった時、親機Aは子機Bに対し、印刷ジョブを割り当てて、子機Bに対し画像転送を行う。子機Bは画像転送を受けて、印刷ジョブの実行に入る。
【0052】
次に動作を図11に従い説明する。
オペレータが直接操作する画像形成装置(親機)でその親機が連結機能を有している場合、ネットワークを介して他の連結機能を有する画像形成装置(子機)の詳細情報を獲得し常に監視する(ステップ1)。
親機に印刷ジョブが実行され、予約ジョブなども発生した時にはそのつど必要なメモリ量、紙量及びトナー量を見積もり(ステップ2)、メモリ残量、紙残量、トナー残量から、その親機の全ジョブが待機や補充の必要なくして実行できるか判定し、実行できる場合は(ステップ3/NO)、そのまま親機のみの単体動作となる。しかし各種残量が、待機や補充をしなければ実行できないと判断された場合には(ステップ3/YES)、ネットワーク上の監視下にある子機にそのジョブを割り当てられるかどうかを判断する(ステップ4)。
【0053】
その割り当てを行おうとするジョブに対し、親機同様、子機に対してもそのジョブが、待機や補充をしなくても実行が可能であると判断された場合には(ステップ4/YES)、そのジョブを子機に対して割り当てる(ステップ5)。
【0054】
また親機の表示手段には、その割り当てたジョブをどの子機に対して行ったか等、詳細を表示し(ステップ6)、その子機に対して画像転送を行う(ステップ7)。またそのジョブを割り当てられた子機の表示手段には、その割り当てられたジョブの詳細を表示する(ステップ8)。
【0055】
ここで、もし子機に対し割り当てを判断し、ネットワーク上にあるすべての子機がそのジョブに対し、実行が不可能である場合には(ステップ4/NO)、親機単体でのジョブ実行となる(ステップ9)。
【0056】
そして、ジョブが子機に対し割り当てられた場合には、親機、子機でのジョブ実行となり、割り当てられなかった場合には親機での単体ジョブ実行となる(ステップ10、11)。
【0057】
図9、図10には表示手段である表示画面例を示す。
親機表示画面には割り当てた子機に関する詳細情報が、子機には割り当てをされたジョブの詳細情報、またどの機器からの割り当てなのか等の情報を表示する。
【0058】
【発明の効果】
従来は複数のジョブを実行中にメモリ残量が足りなくなると、使用されているメモリが開放されて必要量が得られるまで処理を中断したり、エラーを起こしてそのリカバリなどを行ったりしていた。しかし、自機となる画像形成装置が他機のメモリ量を監視し、自機に割り当てられたジョブの負荷が重い場合にそのジョブを他機に割り当てることで効率よく印刷ジョブが消化できる。
【0059】
また従来では連結動作は与えられた印刷ジョブを2つ以上の画像形成装置で分担して行うものであったが、連結機能の利用範囲を広げ、単にジョブの分担だけではなく必要に応じて、ジョブの割り振りや委託を行うことで、より効率良く印刷ジョブを実行することができる。
【0060】
従来は複数のジョブを実行中に紙残量が足りなくなると、オペレータにより紙が補給されるまでジョブを中断していた。しかし、自機となる画像形成装置が他機の紙残量を監視し、自機に割り当てられたジョブの総印刷枚数が紙残量より多い場合にそのジョブを他機に割り当てることで効率よく印刷ジョブが消化できる。
【0061】
従来は複数のジョブを実行中にトナーが足りなくなると、オペレータによりトナーが補給されるまでジョブを中断していた。しかし、自機となる画像形成装置が他機の紙残量を監視し、自機に割り当てられたジョブの総印刷枚数で使用するトナー量がトナー残量より多い場合にそのジョブを他機に割り当てることで効率良く印刷ジョブが消化できる。
【0062】
また、画像形成装置が与えられた印刷ジョブを他機に割り当てた場合、その詳細を表示し、オペレータに伝えることで、どの機器に対して印刷ジョブが割り当てられたのかを明確にし、利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置を示す図である。
【図2】操作部を示す図である。
【図3】操作部の液晶タッチパネルの表示例を示した図である。
【図4】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】画像処理部(画像読み取り部と画像書き込み部)の構成を示すブロック図である。
【図6】1ページ分の画像信号の動作を示す図である。
【図7】ソフトウェアのモジュール構成を示した図である。
【図8】画像形成装置ネットワークシステムの動作環境を示す図である。
【図9】親機における画面表示例を示す図である。
【図10】子機における画面表示例を示す図である。
【図11】画像形成装置ネットワークシステムの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置(ADF)
2 原稿台
30 操作部
50 読み取りユニット
54 CCDイメージセンサ
57 書き込みユニット
64 セレクタ
65 メモリコントローラ
68 CPU
69 ROM
70 RAM
Claims (16)
- 複数の画像形成装置がネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記画像形成装置は、
原稿を読み取る手段と、
前記原稿を読み取る手段によって読み取られた画像を印刷する手段と、
読み取った画像を蓄積する手段と、
他機の画像形成装置の情報を獲得・識別する手段と、
ネットワーク上にある画像形成装置のうちの任意の1台で読み取られた画像情報を他の画像形成装置に転送して印刷を分配する連結動作手段と、
単独動作か連結動作かを選択する手段と、
ネットワーク上のすべての前記連結動作手段を持つ画像形成装置が相互にそれぞれの画像形成装置のメモリ残量を監視する手段と、
一つの画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて画像形成装置Aの負荷が重くなっているような場合に監視下の他の画像形成装置Bに実行中のジョブがない場合、もしくは少ない場合に、その画像形成装置Aのジョブを画像形成装置Bに割り振る手段とを有することを特徴とする画像形成装置ネットワークシステム。 - 前記画像形成装置は自機及び他機の紙残量を監視する手段を更に有し、
画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて総印刷枚数が自機の紙残量を超えてしまうような場合に、監視下の十分量の紙残量を有する他の画像形成装置Bに印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置に割り振ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置ネットワークシステム。 - 前記画像形成装置は自機及び他機のトナー残量を監視する手段を更に有し、
画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて総印刷枚数で使用するトナー量が自機のトナー残量を超えてしまうような場合に、監視下の十分量のトナー残量を有する他の画像形成装置Bに印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置に割り振ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置ネットワークシステム。 - 前記画像形成装置は前記連結動作手段を用いて印刷ジョブを他機に割り当てる際、印刷ジョブを他機に割り当てた旨の詳細を自機となる画像形成装置に表示する手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置ネットワークシステム。
- 前記画像形成装置は印刷ジョブを割り当てられた際に、割り当てられた印刷ジョブの詳細を表示する手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置ネットワークシステム。
- 原稿を読み取る手段と、
前記原稿を読み取る手段によって読み取られた画像を印刷する手段と、
読み取った画像を蓄積する手段と、
他機の画像形成装置の情報を獲得・識別する手段と、
ネットワークに接続する手段と、
読み取った画像情報をネットワーク上の他の画像形成装置に転送して印刷を分配する連結動作手段と、
単独動作か連結動作かを選択する手段と、
ネットワーク上のすべての前記連結動作手段を持つ画像形成装置のメモリ残量を監視する手段と、
画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて画像形成装置Aの負荷が重くなっているような場合に、監視下の他の画像形成装置Bに実行中のジョブがない場合、もしくは少ない場合に、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置Bに割り振る手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 自機及びネットワーク上の他機の紙残量を監視する手段を更に有し、
画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて総印刷枚数が画像形成装置Aの紙残量を超えてしまうような場合に、監視下の十分量の紙残量を有する他の画像形成装置Bに印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置に割り振ることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 自機及びネットワーク上の他機のトナー残量を監視する手段を更に有し、
画像形成装置Aに印刷ジョブが複数割り当てられて総印刷枚数で使用するトナー量が自機のトナー残量を超えてしまうような場合に、監視下の十分量のトナー残量を有する他の画像形成装置Bに印刷ジョブを割り当て、画像形成装置Aのジョブを他の画像形成装置に割り振ることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記連結動作手段を用いて印刷ジョブを他機に割り当てる際、印刷ジョブを他機に割り当てた旨の詳細を自機となる画像形成装置に表示する手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 印刷ジョブを割り当てられた際に、割り当てられた印刷ジョブの詳細を表示する手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する工程と、
自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるメモリ量を見積もる工程と、
メモリ残量と前記必要とされるメモリ量とを比較する工程と、
前記メモリ残量が不足する場合に、前記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する工程と、
前記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する工程と、
前記他の画像形成装置に画像情報を転送する工程と、
前記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する工程と、
印刷を実行する工程とを有することを特徴とする連結動作方法。 - 連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する工程と、
自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされる紙量を見積もる工程と、
紙残量と前記必要とされる紙量とを比較する工程と、
前記紙残量が不足する場合に、前記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する工程と、
前記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する工程と、
前記他の画像形成装置に画像情報を転送する工程と、
前記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する工程と、
印刷を実行する工程とを有することを特徴とする連結動作方法。 - 連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する工程と、
自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるトナー量を見積もる工程と、
トナー残量と前記必要とされるトナー量とを比較する工程と、
前記トナー残量が不足する場合に、前記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する工程と、
前記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する工程と、
前記他の画像形成装置に画像情報を転送する工程と、
前記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する工程と、
印刷を実行する工程とを有することを特徴とする連結動作方法。 - 連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する処理と、
自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるメモリ量を見積もる処理と、
メモリ残量と前記必要とされるメモリ量とを比較する処理と、
前記メモリ残量が不足する場合に、前記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する処理と、
前記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する処理と、
前記他の画像形成装置に画像情報を転送する処理と、
前記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する処理と、
印刷を実行する処理とをコンピュータに実行させる為の連結動作プログラム。 - 連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する処理と、
自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされる紙量を見積もる処理と、
紙残量と前記必要とされる紙量とを比較する処理と、
前記紙残量が不足する場合に、前記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する処理と、
前記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する処理と、
前記他の画像形成装置に画像情報を転送する処理と、
前記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する処理と、
印刷を実行する処理とをコンピュータに実行させる為の連結動作プログラム。 - 連結可能なネットワーク上にある他の画像形成装置の情報を獲得し、監視する処理と、
自機の実行中ジョブ、予約済みジョブから必要とされるトナー量を見積もる処理と、
トナー残量と前記必要とされるトナー量とを比較する処理と、
前記トナー残量が不足する場合に、前記他の画像形成装置にジョブの割り当てができるか判断する処理と、
前記ジョブの割り当てが可能な場合に、ジョブ割り当ての詳細を表示する処理と、
前記他の画像形成装置に画像情報を転送する処理と、
前記他の画像形成装置に割り当てられたジョブの詳細を表示する処理と、
印刷を実行する処理とをコンピュータに実行させる為の連結動作プログラム。
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