JP2004233749A - パターン描画装置用照明システムおよびパターン描画装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光ユニット内に、複数の微小光ファイバ束23A、23Bを射出面に設けた光ファイバ束23およびDMD22を設ける。レーザユニットから放射された光を、光ファイバ束23、照明レンズ24を介してDMD22に照射させる。このとき、複数の微小光ファイバ束23A、23Bを、照明レンズ24の光軸Eに対してγだけ傾けた状態で配置する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原版となるフォトマスク(レクチル)やプリント基板などの被描画体に対して、回路パターンなどの描画パターンを形成するパターン描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンウェハやLCD(Liquid Crystal Display)、PWB(Printed Wiring Board)などフォトマスクとなる被描画体の表面に、フォトリソグラフィによって回路パターンを形成する描画装置が知られており、あらかじめ作成されたパターンデータに基づき、電子ビームやレーザビームによって露光面が走査される。フォトマスクの表面上においてフォトレジストなどの感光材料が光に反応し、その結果、回路パターンが形成される。また、フォトマスクを介さずにプリント基板などの被描画体へ直接回路パターンを形成する描画装置(露光装置)も実現されており、光の強度変調素子としてDMD(Digital Micro−mirror Device)を使用した露光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。DMDを使用する場合、光源から放射された光は照明光学系を介してDMDに入射し、入射した光はマイクロミラー毎に選択的に反射され、反射光に基づき回路パターンが形成される。さらに、微細な回路パターンを形成する、すなわちパターンの解像度を向上させるため、複数の分割された光ファイバ束から射出される光を露光面に向けて照射する露光方法が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−168003号公報(図23、図26、図27)
【特許文献2】
特開平7−130621号公報(図1)
【特許文献3】
特開平6−29189号公報(図1)
【特許文献4】
特開平5−217854号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
光ファイバ束から射出される光の強度分布は、概して中心部の強度が高く、周辺部の強度が低い。したがって、光の照射量は光変調素子の露光面内で不均一となり、微細なパターンを均一な線幅で形成するのが難しい。
【0005】
そこで本発明では、照明光の光強度分布特性に従って、露光面に対する光の照射量を均一にする照明光学系およびパターン描画装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン描画装置は、被パターン形成体の露光面にパターンを形成する装置であって、光を放射する光源と、光源からの光が入射端に入射され、射出端から射出するように光を伝達する光ファイバ束と、光ファイバ束からの光をそれぞれ露光面および露光面以外のいずれかへ選択的に導く複数の光変調素子が配列された光変調ユニットと、光ファイバ束と光変調ユニットとの間に設けられた照明光学系とを備える。光源としては、例えばレーザビームを放出するレーザ発振器や、LED(light Emitting Diode)などが適用される。光変調ユニットは、例えば、光変調素子としてマイクロミラーにより構成されるDMD(Digital Micro−mirror Device)や、LCD(Liquid Crystal Device)が適用される。照明光学系は、光ファイバ束からの光を光軸に沿って平行な光束にする。光変調ユニットは、露光面へ選択的に導く光軸に対して垂直になるよう配置される。
【0007】
本発明のパターン描画装置では、光ファイバによって構成される光ファイバ束(ライトガイドバンドル)が、照明光学系(光変調ユニット)の側において複数の微小光ファイバ束を有する。例えば、光ファイバ束は独立した複数の微小光ファイバ束によって構成される。あるいは、1つの光ファイバ束が、照明光学系の側において分岐され、複数の微小光ファイバ束を形成してもよい。光源が上述したようにレーザ発振器やダイオードの場合、光束断面における光強度分布は、中心を通り互いに直交する2軸方向に沿ってそれぞれ対称性を有し、中心ほど強度が大きくなる。通常、光強度分布はガウス分布になる傾向がある。また、光ファイバ束を使用した場合、開口数(NA)に従って光が射出するため、射出端面から射出する光は、中心ほど強度の高い不均一な光強度分布を有する。本発明のパターン描画装置では、複数の射出端面の中心軸が、露光面における光の全体照射量が略均一となるように、照明光学系の光軸に対してそれぞれ所定の角度で傾く。すなわち、複数の射出端面は、照明光学系の光軸に対して傾いて配置される。各射出端面からは不均一な強度分布をもつ光が射出されるが、複数の射出端面からの強度中心が各々異なる位置に配置される為、露光面における全体の光の照射量が略均一となり、露光面全体に微細なパターンを均一に形成することができる。光源からの光を効率的に取得して露光面に光を照射するため、複数の射出端面は、光軸の近傍で照明光学系の焦点距離に従った位置に配置するのがよい。
【0008】
複数の射出端面から射出される光が、ガウス分布などのように、対称性があって中心に近いほど強度が大きい光強度分布を有する光であり、各射出端面から射出される光の光強度分布が同じ場合、複数の射出端面は、光軸に対して対称性を有するように配置すればよい。このような特性をもつ光強度分布であれば、光強度分布において光強度が低い周辺領域を重ね合わせることによって容易かつ確実に照射量を均一にすることができる。また、光変調ユニットが矩形状である場合、光変調ユニット前面にできるだけ多くの照射量を均一に供給するため、複数の射出端面は、光変調ユニットの対角線方向に沿って配置するのがよい。
【0009】
本発明のパターン描画装置は、被パターン形成体の露光面にパターンを形成するため光を放出する光源と、入射端に入射される光源からの光を伝達して射出端面から射出させる光ファイバ束と、光ファイバ束から射出された光を露光面および露光面以外のいずれかへ選択的に導く複数の光変調素子が配列された光変調ユニットと、光ファイバ束と光変調ユニットとの間に設けられた照明光学系であって、光ファイバ束からの光を光軸に沿って平行にする照明光学系と、露光面を光変調ユニットに対して相対的に移動させ、所定のパターンを露光面に形成させるように光変調ユニットを制御する露光制御手段とを備え、光ファイバ束が、複数の射出端面を有する複数の微小光ファイバ束を有し、複数の射出端面それぞれの中心軸が、露光面における光の照射量を全体的に略均一とするように、照明光学系の光軸に対してそれぞれ所定の角度で傾いていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態であるパターン描画装置について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施形態であるパターン描画装置を模式的に示した斜視図であり、図2は、パターン描画装置に設けられた露光ユニットを模式的に示した図である。そして、図3は、ステージの移動に伴う露光エリアの移動を示した図である。本実施形態のパターン描画装置は、プリント基板へ直接光を照射することによって回路パターンを形成する。
【0012】
パターン描画装置10は、ゲート状構造体12、基台14を備えており、基台14には、Xステージ18を支持するXステージ駆動機構19が搭載され、Xステージ18上にはプリント基板SWが設置されている。ゲート状構造体12には、Yステージ17を支持するYステージ駆動機構(図示せず)が搭載されYステージにはプリント基板SWの表面に回路パターンを形成するための露光ユニット20が設けられており、Xステージ18、Yステージ17の移動に合わせて露光ユニット20が動作する。また、描画装置10は、Xステージ18、Yステージ17の移動および露光ユニット20の動作を制御する描画制御部(図示せず)を備えている。
【0013】
図2に示すように、露光ユニット20は、レーザユニット21、DMD(Digital Micro−mirror Device)22、光ファイバ束23、照明レンズ24、結像光学系26を備えており、光ファイバ束23とDMD22との間に照明レンズ24が配置され、互いに平行に配置されたDMD22とプリント基板SWとの間に結像光学系26が配置されている。光ファイバ束23は、第1および第2の光ファイバ束23A、23Bから構成されている。
【0014】
レーザユニット21は、第1および第2の光ファイバ束23A、23Bそれぞれの入射端23K、23Lへ入射するように単一または複数のレーザを備えており、レーザユニットから一定の強度で連続的に放射される光(レーザビーム)がそれぞれ入射端23K、23Lに入射する。入射した光は光ファイバ束23A、23B内を通って射出端面23S、23Tからそれぞれ射出する。照明レンズ24はビーム整形用のコリメータレンズであり、射出端面23S、23Tから射出した光を平行束にする。照明レンズ24を通った平行束の光は、DMD22に到達する。
【0015】
DMD22は、μmオーダーである微小のマイクロミラー(図示せず)がマトリクス状に配列された光変調ユニットであり、各マイクロミラーは、静電界作用により回転変動する。マイクロミラーは、レーザユニット21からの光LBをプリント基板SWの露光面SUの方向へ反射させる第1の姿勢と、露光面SUの方向以外へ反射させる第2の姿勢いずれかの姿勢で位置決めされ、描画制御部からの制御信号に従って姿勢が切り替えられる。マイクロミラーが第1の姿勢で位置決めされている場合、マイクロミラー上で反射した光は、結像光学系26の方向へ導かれる。結像光学系26を通った光は、露光面SUにおいて所定のスポットを照射する。一方、マイクロミラーが第2の姿勢で位置決めされた場合、マイクロミラーで反射した光は、光吸収板(図示せず)の方向へ導かれ、露光面SUには到達しない。以下では、マイクロミラーが第1の姿勢で支持されている状態をON状態、第2の姿勢で支持されている状態をOFF状態と定める。
【0016】
マイクロミラーはそれぞれ独立してON/OFF制御され、DMD22全体に照射した光は、各マイクロミラーにおいて選択的に反射された光の光束から構成される光となって分割される。その結果、露光面SUの対応する照射エリアには、その場所に形成すべき回路パターンに応じた光が照射される。本実施形態では、ラスタ走査に従い、Xステージ18が走査方向(X方向)に沿って一定速度で移動する(図3参照)。DMD22のマイクロミラーは、回路パターンに応じたラスタデータに基づいてそれぞれ独立に制御されており、Xステージ18の移動に伴う露光エリアEAの相対的移動に従ってマイクロミラーが順次ON/OFF制御され、その結果、走査方向に沿って回路パターンが形成されていく。1ライン分の走査が終了すると、次のラインを露光するためYステージ17が副走査方向(Y方向)へ移動し、折り返しXステージ18が走査方向に沿って移動する。すべてのラインが露光されることにより、プリント基板SW上に回路パターンが形成される。
【0017】
図4は、第1の光ファイバ束23Aを照明レンズ24の光軸Eに沿って配置した場合における光の強度分布を示した図であり、図5は、本実施形態における光ファイバ束23の配置および露光面SU上の光の強度分布を示した図である。図4、図5を用いて、光の照射量の均一化について説明する。ただし、図4、図5では、1次元的に光強度分布を表している。また、図4、図5の光強度分布の横軸方向は、DMD22の傾斜方向、すなわち光軸Eに垂直な平面に対して角度θ1傾いた方向に対応する。
【0018】
図4では、第1の光ファイバ束23Aから射出された光によってDMD22の表面に到達する光の強度分布が示されている。第1の光ファイバ束23Aは、射出端面23Sの軸(中心軸)が照明レンズ24の光軸Eを通るように配置され、射出端面23Sと照明レンズ24との距離は照明レンズ24の焦点距離に従う。また、DMD22と照明レンズの距離は略照明レンズ24の焦点距離に従う。
【0019】
レーザユニット21から放射され、第1の光ファイバ束23Aの射出端面23Sから射出されるレーザビームの強度分布は、光ファイバ束23Aの開口数に応じたガウス分布に従う。開口数は以下の式で求められる。
NA=n×sinθ ・・・・(3)
ただし、開口数をNA、光軸Eに対する光の射出広がり角をθ、屈折率をnで表す。
【0020】
図4に示された光のガウス分布Gに関してはは、軸Eを通る中心点における強度をI0とすると、半径rにおける強度をIは以下の式によって表される。
I=I0×EXP(−2×(r/ω)2) ・・・・(4)
ただし、ビーム半径ωは、ガウス分布Gの光強度I=1/e2における有効半径を示す。
【0021】
一方、照明レンズ24の焦点距離をfとした場合、ビーム半径ωは、図4に示すように以下の式で求められる。
ω=f×tanθ/cosθ1・・・・(5)
第2の光ファイバ束23Bを第1の光ファイバ束23Aの代わりに配置した場合においても、同様の光強度分布Gが得られる。
【0022】
図5には、本実施形態における第1および第2の光ファイバ束23A、23Bの配置が表されている。第1および第2の光ファイバ束23A、23Bは、照明レンズ24の光軸Eを向くように角度γだけ傾いた状態で配置される。すなわち、射出端面23S、23Tの軸23F、23Gが光軸Eに対して角度γだけ傾いており、射出端面23S、23Tは光軸Eに垂直な平面に対して、角度γ傾く。また、射出端面23S、23Tは光軸Eの近傍に密接して配置され、射出端面23S、23Tと照明レンズ24との距離は実質的に焦点距離fに等しい。
【0023】
第1の光ファイバ束23Aの射出端面23Sから射出された光は光軸Eに対してγだけ傾いて進行し、射出された光の軸E1は光軸Eに対してγだけ傾いている。そのため、照明レンズ24によって光軸Eに平行な光束となってDMD22に到達した光のガウス分布G1は、図5に示すように光軸Eに対して全体的に負の方向(光軸Eに関して第1の光ファイバ束23Aと反対側)へ相対移動する。このとき、光強度が最も高い中心(強度中心)の位置C1は、光軸Eに対して距離ΔS1だけずれる(以下ではΔS1を第1の強度中心ずれ量という)。第1の強度中心ずれ量ΔS1は、以下の式によって求められる。
ΔS1=f×tanγ ・・・・・(6)
【0024】
光ファイバ束23Bの射出端面23Tから射出されたレーザビームの軸E2も光軸Eに対して角度γだけ傾いているため、照明レンズ24を通ってDMD22に到達した光の光強度分布G2は、光軸Eに対して負の方向とは逆の正の方向へ全体的に相対移動する。このときの光強度中心のずれΔS2(以下では、第2の強度中心ずれ量という)は、第1の強度中心ずれ量ΔS1と同じであり、ftanγによって求められる。
【0025】
従って、図5に示すように、DMD22に到達した光の強度分布IRは、所定区間Kにおいて略一定となる。すなわち、照射量が均一となる。その結果、露光面SUに到達する光の照射量も略均一となる。図4、図5に表した光強度の分布方向以外の任意方向に対しても同様の強度分布が得られるため、露光面SUには光量が略均一な光が照射される。なお、DMD22は光の入射方向に対してθ1傾いているため、露光面SU上の強度分布は図4、図5に示した光強度分布曲線(G,G1、G2)と同一でないが、強度分布の対称性を維持したまま光は露光面SUに到達するため、露光面SU上においても光は略均一に照射される。
【0026】
このように本実施形態によれば、露光ユニット20内に、第1および第2の光ファイバ束23A、23Bから構成される光ファイバ束23およびDMD22が設けられており、レーザユニット21から放射された光は、光ファイバ束23、照明レンズ24を通ってDMD22上で反射し、結像レンズ26を介して露光面SUに照射する。そして、第1および第2の光ファイバ束23A、23Bが照明レンズ24の光軸Eに対してγだけ傾いた状態で配置される。これにより、フライアイレンズやロッドレンズなどを複雑かつ効果な光学系を用いることなく、光路長を短くした状態で微細な回路パターンが形成される。
【0027】
第1および第2光ファイバ束23A、23Bの射出端面23S、23Tを光軸Eから離して配置させてもよい。この場合、光軸Eに関して対称的に配置される。
【0028】
射出端面23S、23Tから射出される光の強度分布は異なっていてもよい。この場合、露光面SUにおける光の照射量が均一となるように光軸Eに対する傾きが第1および第2の光ファイバ束それぞれについて定められる。
【0029】
次に、図6、図7を用いて第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、4つの光ファイバ束が配置されるとともに、DMD全体に対して照射量がより均一化される。
【0030】
図6は、DMDの反射面における光の照射量分布を示した図である。図7は、4つの光ファイバ束の配置を示した図である。なお、DMDのアスペクト比は3:4等のテレビ規格に基づいている。
【0031】
まず、DMD22の反射面を含む平面上のビーム半径ωを、DMD22の外接円GCの半径Rに対し1.4倍に設定する。このビーム半径ωに従って焦点距離fが定められる。そして、4本の光ファイバ束121、122、123、124の光強度中心がそれぞれDMD22の4つの端点A1、A2、A3、A4に位置するように、光ファイバ束の射出端面がそれぞれ所定角度だけ傾けられた状態で配置される。DMD22の対角線K1に沿って光ファイバ束121、123の光強度中心A1、A3は定められ、図7に示すように、光ファイバ束121、123の射出端面121S、123Sの軸121Z、123Zは、ともに対角線K1に沿って角度γ’だけ傾いている。同様に、光ファイバ束122、124の射出端面122S、124Sの軸121Z、123Zは、対角線K2に沿って角度γ’だけ傾いている。
【0032】
図6の斜線で示された領域MAは、レーザビームにより得られる最大照射量のうち95%〜100%の照射量が得られる領域を示す。また、DMD22のうち領域MAを除いた領域AAでは、最大照射量の90%〜95%の照射量が得られる。ここで、DMD22に全体に照射された光の照射量のうち、最大照射量と最小照射量との差を光量ムラDと定義した場合、光量ムラDは10%以下になる。したがって、第2の実施形態では、DMD22に対する光の照射量は全体的に均一となり、露光面SU上での光の照射量も実質的に均一となる。
【0033】
次に、図8を用いて第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、所定の条件式を満たすように4本の光ファイバ束が配置される。それ以外の構成については、第1および第2の実施形態と同じである。
【0034】
DMD22の反射面上で互いに直交する2軸をX、Y軸として規定した場合、4つの光ファイバ束121、122、123、124の強度分布は、以下の式に示すようにX,Y座標系で表される。
I1=I0×EXP(−2((X−ΔX1)2+(Y−ΔY1))2/ω2)・・(7)
I2=I0×EXP(−2((X−ΔX2)2+(Y−ΔY2))2/ω2)・・(8)
I3=I0×EXP(−2((X−ΔX3)2+(Y−ΔY3))2/ω2)・・(9)
I4=I0×EXP(−2((X−ΔX4)2+(Y−ΔY4))2/ω2)・・(10)
ただし、各光ファイバ束の強度中心位置は、X,Y座標系で中心からのズレ量ΔS(ΔXi、ΔYi)として表されており、|ΔS|=√(ΔXi)2+(ΔYi)2(i=1〜4)である。
【0035】
ここで、図8に示すように、DMD22の外接円GCの直径を「DM」、DMD22の反射面上に分布する光の直径(=2ω)を「W」、4つの光ファイバ束121〜124から射出される光それぞれの強度中心IZ1、IZ2、IZ3、IZ4を結ぶ円CCの直径を「P」で表した場合、光量ムラDが10%以下となるためには、以下の条件式を満たす必要がある。
P=DM ×(W/DM×0.6+0.2) ・・・(11)
W/DM ≧ 1.2 ・・・(12)
例えば第2の実施形態の場合、W/DM=1.4、P=DMであることから、(1)式によりP=1.04Dとなる。ただし、図7ではW/DM<1の状態を示している。
【0036】
ここでP=2×f×tanγであることから、(11)、(12)式から以下の式が導かれる。
ftanγ ≧ 0.92×DM ・・・(13)
よって、(13)式を満たすように、焦点距離fと角度γが定められる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、照明光の光強度分布特性に従って、露光面に対する光の照射量を均一にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態であるパターン描画装置を模式的に示した斜視図である。
【図2】パターン描画装置に設けられた露光ユニットを模式的に示した図である。
【図3】ステージの移動に伴う露光エリアの移動を示した図である。
【図4】第1の光ファイバ束による光の強度分布を示した図である。
【図5】光ファイバ束の配置および露光面上の光の強度分布を示した図である。
【図6】第2の実施形態におけるDMDの反射面における光の照射量分布を示した図である。
【図7】第2の実施形態における4つの光ファイバ束の配置を示した図である。
【図8】第3の実施形態における光の強度中心の分布を示した図である。
【符号の説明】
SW プリント基板(被パターン形成体)
SU 露光面
21 レーザユニット(光源)
22 DMD(光変調ユニット)
23 光ファイバ束
23A 第1の光ファイバ束(微小光ファイバ束)
23B 第2の光ファイバ束(微小光ファイバ束)
23S 射出端面
23T 射出端面
24 照明レンズ(照明光学系)
E 光軸(照明光学系の光軸)
23F、23G 射出端面の軸(射出端面の中心軸)
f 焦点距離
γ 傾き角度
Claims (8)
- 被パターン形成体の露光面にパターンを形成するため光を放出する光源と、
入射端に入射される前記光源からの光を伝達して射出端面から射出させる光ファイバ束と、
前記光ファイバ束から射出された光を前記露光面および前記露光面以外のいずれかへ選択的に導く複数の光変調素子が配列された光変調ユニットと、
前記光ファイバ束と前記光変調ユニットとの間に設けられた照明光学系であって、前記光ファイバ束からの光を光軸に沿って平行にする照明光学系とを備え、
前記光ファイバ束が、複数の射出端面を有する複数の微小光ファイバ束を有し、
前記複数の射出端面それぞれの中心軸が、前記露光面における光の照射量を全体的に略均一とするように、前記照明光学系の光軸に対してそれぞれ所定の角度で傾いていることを特徴とするパターン描画装置用照明システム。 - 前記光ファイバ束が、独立した複数の微小光ファイバ束によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置用照明システム。
- 前記複数の射出端面が、前記照明光学系の光軸の近傍で前記照明光学系の焦点距離に応じた位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置用照明システム。
- 前記複数の射出端面が、前記照明光学系の光軸に対して対称性を有するように配置されることを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置用照明システム。
- 前記複数の射出端面が、前記光変調ユニットの対角線方向に沿って配置されることを特徴とする請求項4に記載のパターン描画装置用照明システム。
- 前記光ファイバ束が、独立した4本の光ファイバ束から構成され、
4つの射出端面が、前記光変調ユニットの外接円上に光の強度中心が位置するように、前記照明光学系の光軸に対して対称的に配置されることを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置用照明システム。 - 前記光ファイバ束が、独立した4本の光ファイバ束から構成され、
4つの射出端面が、以下の式を満たすように前記照明光学系の光軸に対して対称的に配置されることを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置用照明システム。
P=DM×(W/DM×0.6+0.2) ・・・(1)
W/DM≧1.2 ・・・(2)
ただし、Pは4つの射出端面による光の強度中心を結ぶ円の直径、DMは前記光変調ユニットの外接円の直径、Wは前記光源から放出される光の有効直径を示す。 - 被パターン形成体の露光面にパターンを形成するため光を放出する光源と、
入射端に入射される前記光源からの光を伝達して射出端面から射出させる光ファイバ束と、
前記光ファイバ束から射出された光を前記露光面および前記露光面以外のいずれかへ選択的に導く複数の光変調素子が配列された光変調ユニットと、
前記光ファイバ束と前記光変調ユニットとの間に設けられた照明光学系であって、前記光ファイバ束からの光を光軸に沿って平行にする照明光学系と、
前記露光面を前記光変調ユニットに対して相対的に移動させ、所定のパターンを前記露光面に形成させるように前記光変調ユニットを制御する露光制御手段とを備え、
前記光ファイバ束が、複数の射出端面を有する複数の微小光ファイバ束を有し、
前記複数の射出端面それぞれの中心軸が、前記露光面における光の照射量を全体的に略均一とするように、前記照明光学系の光軸に対してそれぞれ所定の角度で傾いていることを特徴とするパターン描画装置。
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