JP2004231824A - オルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少なく、基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゲルを与える付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、連鎖延長剤としての特定のジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサン、架橋剤としての特定のオルガノ水素ポリシロキサン、及びヒドロシリル化触媒から成り、かつ前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数と前記架橋剤中及び前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数の合計数との比、並びにアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中に存在するケイ素原子に結合したアルケニル基の数と前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数との比が特定である付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物。
【選択図】 なし
【解決手段】特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、連鎖延長剤としての特定のジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサン、架橋剤としての特定のオルガノ水素ポリシロキサン、及びヒドロシリル化触媒から成り、かつ前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数と前記架橋剤中及び前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数の合計数との比、並びにアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中に存在するケイ素原子に結合したアルケニル基の数と前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数との比が特定である付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少なく、基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゴムのゲル状硬化物を与える付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴムのゲル状硬化物であるシリコーンゲルは、シリコーンゴムの架橋密度を下げて硬化させた寒天状の材料であり、低架橋密度の網目構造(固体状部分)と網目構造の内部に含まれる未架橋シリコーンポリマー(液状部分)から構成されている。シリコーンゲルの分子鎖はシロキサン結合からなるため、従来のシリコーンゴムと同様に耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性などの優れた特性を有することに加え、低弾性率、熱膨張・収縮による応力緩和特性に優れる、振動・衝撃吸収性に優れる、粘着性・密着性に優れるなどのシリコーンゲル特有の性質をも有している。
【0003】
このように、シリコーンゲルは優れた柔軟性と耐環境性に優れることから、電気・電子用途の有機系ポッティング材料(エポキシ、ウレタン樹脂など)では対応できない外部応力に対して非常に敏感な素子などの保護、例えば、イグナイター、レギュレーター、ABS、エアフロセンサーなどのカーエレクトロニクス製品、各種パワーモジュール、センサー類などのコーティング材料、ポッティング材料などのシール材料として使用されており、最近の電子機器の小型軽量化、高機能化に伴いその需要は増加の一途である。
【0004】
しかしながら、上述の優れた特性を有するシリコーンゲルではあるが、近年、電子機器がより一層苛酷な環境で使用されるようになった結果、加圧・高温下で長期間使用した場合、シリコーンゲル内部の架橋していない液状のシリコーンポリマーが滲み出してセンサー部や周辺電子部品を汚損するという問題が発生している。また、温度変化の厳しい環境下で使用した場合、基材の膨張・収縮に追随できず、基材から剥がれる、などの問題もあり、液状のシリコーンポリマーの滲み出し低減、並びに基材との粘着性改良の検討が行われている。
【0005】
液状のシリコーンポリマーの滲み出しを改良する従来の方法としては、ビニル基を両末端のみに配した線状オルガノポリシロキサンとビニル基を片末端のみに配した線状オルガノポリシロキサンとを併用し、これらとオルガノ水素ポリシロキサンとを白金系触媒により付加反応硬化させるもの(例えば、特許文献1参照。)、ケイ素原子に結合したビニル基及び水素原子を有するビニル基含有オルガノ水素ポリシロキサンに架橋剤としてのオルガノ水素ポリシロキサンを白金系触媒により付加反応硬化させるもの(例えば、特許文献2参照。)、1分子中にケイ原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上及び少なくとも1個のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノ水素ポリシロキサンとを白金系触媒により付加反応硬化させるもの(例えば、特許文献3参照。)がある。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−89255号公報(第1−2頁)
【特許文献2】
特許第2519563号公報(第1−2頁)
【特許文献3】
特公平7−122021号公報(第1−2頁)
【0007】
しかしながら、これらの組成物から得られるシリコーンゲルは、液状のシリコーンポリマーの滲み出しは改良されるものの、シリコーンゲルの柔軟性の指標となる針入度が小さく、基材との粘着性も不十分であった。
【0008】
また、基材との結合性を保持するために、ビニル基を末端に有する第1のオルガノポリシロキサンと、連鎖延長剤としてのケイ素原子に結合した水素原子を2個有する第2のジシロキサンまたは液状のジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサンとを併用し、これに架橋剤としてのオルガノ水素ポリシロキサンを白金系触媒により付加反応硬化させるものがある(例えば、特許文献4第2頁参照。)。この場合、前記連鎖延長剤中に存在するケイ素に結合した水素原子の数は、前記連鎖延長剤と前記オルガノ水素ポリシロキサンの組み合わせの中に存在するケイ素結合した水素原子の合計数の少なくとも80%、かつ前記第1のオルガノポリシロキサン中に存在するビニル基に対する前記連鎖延長剤中に存在するケイ素に結合した水素原子のモル比は0.8〜1.2である。
【0009】
【特許文献4】
特開平7−188559号公報
【0010】
しかしながら、特許文献4には、該組成物は強靱なシリコーンゲルを形成することにより、基材との結合性を保持することができるとの記載はあるものの、液状のシリコーンポリマーの滲み出しについては何ら示唆されていない。さらに、特許文献4の実施例に代表される連鎖延長剤は、該連鎖延長剤中のケイ素結合した水素原子の濃度を最大限にし、かつ硬化組成物の粘度を最小限にするため、比較的低粘度のものを選択することが好ましいため、低い架橋密度の柔らかいシリコーンゲルを得ようとすると、液状のシリコーンポリマーが滲み出るという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みなされたもので、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少なく、基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゲルを与える付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、連鎖延長剤としての特定のジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサン、架橋剤としての特定のオルガノ水素ポリシロキサン、及びヒドロシリル化触媒から成り、かつ前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数と前記架橋剤中及び前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数の合計数との比、並びにアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中に存在するケイ素原子に結合したアルケニル基の数と前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数との比が特定である硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基が1分子中に平均約2個存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン 100重量部、
【0014】
(B)末端単位が式(1)、
【0015】
【化3】
【0016】
末端ではないオルガノポリシロキサン単位が式(2)
【0017】
【化4】
【0018】
であり(ただし、Rは脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である)、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサン 40重量部以上120重量部以下、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に平均で少なくとも3個以上存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下であるオルガノ水素ポリシロキサン、及び
(D)当該組成物の硬化を促進する触媒量のヒドロシリル化触媒、からなることを特徴とする硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物である。
【0019】
ただし、前記(B)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数(NH)と、(C)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数とNHの合計数(NHT)との比が0.7≦(NH/NHT)<1であり、かつ(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の数(NA)とNHとの比が0.5≦(NH/NA)≦0.8である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明について、具体的に説明する。
本発明の(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基が1分子中に平均約2個、好ましくは1.6個以上2.2個以下存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。
【0021】
(A)成分のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基などの炭素原子数2〜8のアルケニル基を例示することができ、好ましくはビニル基、アリル基であり、特に好ましくはビニル基である。これらのアルケニル基は、後記(C)成分と反応して網目構造を形成し、分子中に平均約2個、好ましくは1.6個以上2.2個以下存在していることが必要である。かかるアルケニル基は、分子鎖の末端のケイ素原子に結合していてもよいし、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していてもよい。硬化反応速度の面からは、アルケニル基が分子鎖末端のケイ素原子のみに結合したアルケニル基オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0022】
(A)成分のケイ素原子に結合した他の有機基は、好ましくは炭素数1〜12の脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基;これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基などの置換炭化水素基などが挙げられる。特に好ましい有機基はメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0023】
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状でも分岐状でもよく、また、これらの混合物であってもよい。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造される。本発明のオルガノポリシロキサン組成物をコーティング材料、ポッティング材料などに使用するためには、本組成物は適当な流動性を備えていることが必要であり、かつ硬化したシリコーンゲルにおいても適当な物理的特性を有していることが必要である。この様な見地から、(A)成分の粘度は、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは100mPa・s以上10,000mPa・s以下、特に好ましいのは200mPa・s以上5,000mPa・s以下の範囲である。
【0024】
さらに、本発明の解決すべき課題の1つである液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少ないシリコーンゲルを得るためには、(A)成分の200℃で1時間加熱後の重量減少が0.2重量%以下であることがより好ましく、特に好ましい重量減少は0.1重量%以下である。200℃で1時間加熱後の重量減少を小さくする方法としては、特に限定されないが(A)成分を合成後に薄膜蒸留装置などを用い高真空下で加熱除去する方法を挙げることができる。
【0025】
連鎖延長剤である本発明の(B)成分は、末端単位が式(1)、
【0026】
【化5】
【0027】
末端ではないオルガノポリシロキサン単位が式(2)
【0028】
【化6】
【0029】
であり(ただし、Rは脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である)、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサンである。
【0030】
(B)成分のRは、例えば、炭素数1〜12の脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基;これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基などの置換炭化水素基などが挙げられる。好ましいRはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、特に好ましいRはメチル基である。
【0031】
本発明の特定の(B)成分が、本発明のオルガノポリシロキサン組成物中に存在することが本発明の課題を解決するために必須である。硬化中に(B)成分の分子鎖末端のケイ素に結合した水素原子と(A)成分のケイ素に結合したアルケニル基とが反応して、2以上の(A)成分と(B)成分とが結合することによって、成形作業時には適当な流動性を備えていていながら、硬化後には液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少ないシリコーンゲルが得られる。これは、2以上の(A)成分と(B)成分とが連鎖した前記オルガノポリシロキサンが架橋剤である(C)成分と反応していない状態であっても、分子鎖が十分に長くなっているために網目構造(固体状部分)と絡み合い、滲み出し難くなるからである。なお、滲み出し低減に関しては、高粘度のオルガノポリシロキサンを用いても同じ効果を得ることができるものの、高粘度のオルガノポリシロキサンを使用すると流動性が大幅に低下して成形作業性が悪化するという欠点があり、実用的ではない。
【0032】
(B)成分の連鎖延長剤は、直鎖状でも分岐状でもよく、また、これらの混合物であってもよく、直鎖状がより好ましい。このジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造される。また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物をコーティング材料、ポッティング材料などに使用するためには、本組成物は適当な流動性を備えていることが必要であり、かつ(A)成分との連鎖延長による効果を発揮するために適当な粘度が選択される。この様な見地から、(B)成分の粘度は、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは100mPa・s以上10,000mPa・s以下、特に好ましいのは200mPa・s以上5,000mPa・s以下の範囲である。さらに、(A)成分との連鎖延長による効果をより発揮するためには、(A)成分と(B)成分が同レベルの粘度を有することが望ましく、(A)成分の粘度に対する(B)成分の粘度の比が0.5以上1.5以下であることがより好ましく、0.8以上1.2以下であることが特に好ましい。
【0033】
また、本発明の解決すべき課題の1つである液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少ないシリコーンゲルを得るためには、(B)成分の200℃で1時間加熱後の重量減少が0.2重量%以下であることがより好ましく、特に好ましい重量減少は0.15重量%以下である。200℃で1時間加熱後の重量減少を小さくする方法としては、特に限定されないが(B)成分を合成後に薄膜蒸留装置などを用い高真空下で加熱除去する方法を挙げることができる。
【0034】
本発明の(B)成分の配合量は、(A)成分との反応による連鎖延長と、架橋剤である後述の(C)成分と(A)成分との架橋反応とのバランスで決まり、(A)成分100重量部に対して40重量部以上120重量部以下である。より好ましい(B)成分の配合量は50重量部以上100重量部以下である。
【0035】
本発明の架橋剤である(C)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に平均で少なくとも3個以上存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは50mPa・s以上2,000mPa・s以下、特に好ましいのは100mPa・s以上1,000mPa・s以下の範囲であるオルガノ水素ポリシロキサンである。
【0036】
(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子は分子鎖の末端、分子鎖途中のいずれに位置するものであっても、また、両方に位置するものであってもよい。さらに、オルガノ水素ポリシロキサンの構造は線状、分岐状、環状または網状であってもよく、また、これらの混合物であってもよい。このオルガノ水素ポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造される。
【0037】
(C)成分のケイ素原子に結合した他の有機基は、好ましくは炭素数1〜12の脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基;これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基などの置換炭化水素基などが挙げられる。特に好ましい有機基はメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0038】
本発明の(A)成分に対する(B)成分と(C)成分の配合量は次の関係を満たすように決められる。(B)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数(NH)と、(C)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数とNHの合計数(NHT)との比が0.7≦(NH/NHT)<1であり、かつ(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の数(NA)とNHとの比が0.5≦(NH/NA)≦0.8である。NH/NHTが0.7≦(NH/NHT)<1の範囲にあるのは、NH/NHTが0.7未満では(A)成分と(B)成分による連鎖延長が十分ではなく、基材との粘着性も低下し、NH/NHTが1では十分に硬化できないためである。NH/NHTのより好ましい範囲は0.8≦(NH/NHT)≦0.95である。NH/NAが0.5≦(NH/NA)≦0.8の範囲にあるのは、NH/NAが0.5未満では本発明の目的を達成できず、0.8を超えると適度で均一な架橋が得られないためである。NH/NAのより好ましい範囲は0.65≦(NH/NA)≦0.78である。
【0039】
特許文献4第4頁段落番号[0018]によれば、「硬化性組成物が、アルケニル基の1モルにつき0.8モルより少ない、または1.2モルより多い(連鎖延長剤中の)ケイ素に結合した水素原子を含むと、その組成物は十分に硬化することができない。」、即ちNH/NAが0.8より小さい場合には十分に硬化することができないと記載されている。しかしながら、驚くべきことに本発明の特定の(B)成分を選択したところ、十分に硬化するばかりではなく、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゲルが得られたのである。
【0040】
本発明の(D)成分である本発明のオルガノポリシロキサン組成物を硬化させるためのヒドロシリル化触媒は、通常使用されるものであり、金属及びその化合物としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、及びイリジウム、有利には白金を使用することができる。金属は場合により微粒子状の担体材料(例えば、活性炭、酸化アルミニウム、酸化ケイ素)に固定する。ヒドロシリル化触媒としては、白金及び白金化合物を使用することが好ましい。白金化合物としては、白金ハロゲン化物(例えば、PtCl4、H2PtCl4・6H2O、Na2PtCl4・4H2O、H2PtCl4・6H2Oとシクロヘキサンからなる反応生成物)、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、白金−エーテル錯体、白金−アルデヒド錯体、白金−ケトン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、ビス−(γ−ピコリン)−白金ジクロライド、トリメチレンジピリジン−白金ジクロライド、ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオクタジエン−白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白金ジクロライド)、ビス(アルキニル)ビス(トリフェニルホスフィン)白金錯体、ビス(アルキニル)(シクロオクタジエン)白金錯体などが挙げられる。また、ヒドロシリル化触媒はマイクロカプセル化した形で使用することもできる。この場合触媒を含有し、かつオルガノポリシロキサン中に不溶の微粒子固体は、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂またはシリコーン樹脂)である。また、ヒドロシリル化触媒は包接化合物の形で、例えば、シクロデキストリン内で使用することも可能である。ヒドロシリル化触媒の添加量は触媒量であり、白金触媒を使用する場合、オルガノポリシロキサン組成物中の白金金属として0.1〜500ppm、特に1〜200ppmの範囲が好ましい。
【0041】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物においては、上記の(A)〜(D)成分以外にも、それ自体公知の各種配合剤を添加することもできる。例えばヒュームドシリカ、シリカアエロジル、沈降性シリカ、粉砕シリカ、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、カーボンブラックなどの無機充填剤を添加して、本発明組成物から得られるゲル硬化物の硬さ、機械的強度などを調整できる。また、顔料、染料、難燃剤、耐熱向上剤、紫外線安定剤、中空無機質充填剤、中空有機質充填剤、シリコーン樹脂またはゴム質の球状充填剤なども添加できる。さらに、ポリメチルビニルシロキサン環式化合物、アセチレン化合物、有機リン化合物などの反応制御剤を添加して硬化反応の制御を行うことも可能である。これらの配合剤の使用量は、得られるシリコーンゲルの特性を損なわない限りにおいて任意である。
【0042】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、室温で全成分を混合することにより調製することができる。この目的のため、従来技術で開示の任意の混合技術と装置が使用可能である。使用する特定の装置は、成分と最終的な硬化性組成物の粘度によって決めることができる。適切なミキサーにはパドルミキサー、ニーダーミキサー、プラネタリーミキサーなどがある。成分を冷却しながら混合することが、組成物の早期の硬化を避けるために望ましいことがある。
【0043】
シリコーンゲルの成形は、適当な型内に、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を注入して該組成物の硬化を行うか、該組成物を適当な基材上に塗布した後に硬化を行なうなどの従来公知の方法により行われる。硬化は、通常60〜160℃の温度で、10〜180分間程度の加熱処理によって行なうことができる。
【0044】
以上説明したように、本発明の付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物は、硬化後のシリコーンゲルからの液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性、応力緩和特性が優れているので、電気・電子用途の外部応力に対して非常に敏感な素子などの保護、例えば、イグナイター、レギュレーター、ABS、エアフロセンサーなどのカーエレクトロニクス製品、各種パワーモジュール、センサー類などのコーティング材料、ポッティング材料などのシール材料として好適に使用できるものである。
【0045】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
分子鎖末端のケイ素原子に結合したビニル基が1分子中に平均約2個存在する粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.06重量%であるビニル基含有ジメチルポリシロキサン((A)成分)100重量部、連鎖延長剤である分子鎖両末端がジメチル水素シロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.13重量%であるジメチル水素シロキシ末端ジメチルポリシロキサン((B)成分)68重量部、架橋剤であるケイ素原子に結合した水素原子が0.18重量%存在する粘度200mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)のメチル水素ポリシロキサン((C)成分)0.8重量部、本実施例の組成物中に白金金属が100ppm含まれる量の白金−ビニルシロキサン錯体((D)成分)、エチニルシクロヘキサノール0.1重量部をミキサーで混合し組成物を得た。該組成物のNH/NHTは0.86、NH/NAは0.71であった。次に該組成物を150℃で60分加熱処理してシリコーンゲルを得た。さらに、該シリコーンゲルについて針入度、ブリード量、粘着性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
【0046】
針入度:JISK2220に準じて、1/4インチミクロ稠度計を用いて、5秒後の針入度を測定した。
【0047】
ブリード量:ろ紙に円柱状のシリコーンゲル(直径が約40mm、厚さが約6mm)を載せて250gの荷重をかけ、荷重をかけたままの状態で110℃に加熱したオーブン内に放置した。500時間後、オーブンからシリコーンゲルを取り出して荷重を開放し、荷重によって変形したシリコーンゲルの直径d0(mm)とろ紙に染み込んだ液状のシリコーンポリマーの直径d1(mm)とをろ紙裏面方向から測定し、下記式に従ってブリード量(mm)を求めた。なお、ブリード量の測定は試験片の3箇所で行い、平均値を該試験片のブリード量とした。
ブリード量=d1−d0
【0048】
粘着性:表面が清浄な鉄球(直径12.5mm)をシリコーンゲル中へ深さ10mmまで沈めた後、約2m/分の速度で鉄球を上方に引き上げ、鉄球からシリコーンゲルが剥がれるまでの伸びを測定し粘着性とした。
【0049】
[実施例2]
(B)成分を68重量部から56重量部、(C)成分を0.8重量部から1.0重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、シリコーンゲルを得た。該組成物のNH/NHTは0.80、NH/NAは0.57であった。さらに、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表1に示した。
【0050】
[実施例3]
(B)成分を68重量部から76重量部、(C)成分を0.8重量部から0.6重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、シリコーンゲルを得た。該組成物のNH/NHTは0.91、NH/NAは0.78であった。さらに、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表1に示した。
【0051】
[比較例1]
(B)成分を68重量部から88重量部、(C)成分を0.8重量部から0.4重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を得た。次に実施例1と同様にして加熱処理を行い、実施例1と同様にして針入度を測定したが、数値のバラツキが大きく、架橋が不均一であることが判明したため、ブリード量と粘着性は測定しなかった。該組成物のNH/NHTは0.94、NH/NAは0.91であった。
【0052】
[比較例2]
(B)成分を68重量部から44重量部、(C)成分を0.8重量部から1.4重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、シリコーンゲルを得た。該組成物のNH/NHTは0.69、NH/NAは0.46であった。さらに、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表2に示した。
【0053】
[比較例3]
分子鎖末端のケイ素原子に結合したビニル基が1分子中に平均約2個存在する粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.46重量%であるビニル基含有ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端がジメチル水素シロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.26重量%であるジメチル水素シロキシ末端ジメチルポリシロキサンを使用する以外は比較例2と同様にしてシリコーンゲルを調製し、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表2に示した。
【0054】
表1及び表2から明らかなように、本発明の付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物を硬化して得られるシリコーンゲルは、比較例に対し、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性が高い。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】
本発明の付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物は、硬化後のシリコーンゲルからの液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性、応力緩和特性が優れているので、電気・電子用途の外部応力に対して非常に敏感な素子などの保護、例えば、イグナイター、レギュレーター、ABS、エアフロセンサーなどのカーエレクトロニクス製品、各種パワーモジュール、センサー類などのコーティング材料、ポッティング材料などのシール材料として好適に使用できるものであり、極めて有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少なく、基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゴムのゲル状硬化物を与える付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴムのゲル状硬化物であるシリコーンゲルは、シリコーンゴムの架橋密度を下げて硬化させた寒天状の材料であり、低架橋密度の網目構造(固体状部分)と網目構造の内部に含まれる未架橋シリコーンポリマー(液状部分)から構成されている。シリコーンゲルの分子鎖はシロキサン結合からなるため、従来のシリコーンゴムと同様に耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性などの優れた特性を有することに加え、低弾性率、熱膨張・収縮による応力緩和特性に優れる、振動・衝撃吸収性に優れる、粘着性・密着性に優れるなどのシリコーンゲル特有の性質をも有している。
【0003】
このように、シリコーンゲルは優れた柔軟性と耐環境性に優れることから、電気・電子用途の有機系ポッティング材料(エポキシ、ウレタン樹脂など)では対応できない外部応力に対して非常に敏感な素子などの保護、例えば、イグナイター、レギュレーター、ABS、エアフロセンサーなどのカーエレクトロニクス製品、各種パワーモジュール、センサー類などのコーティング材料、ポッティング材料などのシール材料として使用されており、最近の電子機器の小型軽量化、高機能化に伴いその需要は増加の一途である。
【0004】
しかしながら、上述の優れた特性を有するシリコーンゲルではあるが、近年、電子機器がより一層苛酷な環境で使用されるようになった結果、加圧・高温下で長期間使用した場合、シリコーンゲル内部の架橋していない液状のシリコーンポリマーが滲み出してセンサー部や周辺電子部品を汚損するという問題が発生している。また、温度変化の厳しい環境下で使用した場合、基材の膨張・収縮に追随できず、基材から剥がれる、などの問題もあり、液状のシリコーンポリマーの滲み出し低減、並びに基材との粘着性改良の検討が行われている。
【0005】
液状のシリコーンポリマーの滲み出しを改良する従来の方法としては、ビニル基を両末端のみに配した線状オルガノポリシロキサンとビニル基を片末端のみに配した線状オルガノポリシロキサンとを併用し、これらとオルガノ水素ポリシロキサンとを白金系触媒により付加反応硬化させるもの(例えば、特許文献1参照。)、ケイ素原子に結合したビニル基及び水素原子を有するビニル基含有オルガノ水素ポリシロキサンに架橋剤としてのオルガノ水素ポリシロキサンを白金系触媒により付加反応硬化させるもの(例えば、特許文献2参照。)、1分子中にケイ原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上及び少なくとも1個のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノ水素ポリシロキサンとを白金系触媒により付加反応硬化させるもの(例えば、特許文献3参照。)がある。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−89255号公報(第1−2頁)
【特許文献2】
特許第2519563号公報(第1−2頁)
【特許文献3】
特公平7−122021号公報(第1−2頁)
【0007】
しかしながら、これらの組成物から得られるシリコーンゲルは、液状のシリコーンポリマーの滲み出しは改良されるものの、シリコーンゲルの柔軟性の指標となる針入度が小さく、基材との粘着性も不十分であった。
【0008】
また、基材との結合性を保持するために、ビニル基を末端に有する第1のオルガノポリシロキサンと、連鎖延長剤としてのケイ素原子に結合した水素原子を2個有する第2のジシロキサンまたは液状のジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサンとを併用し、これに架橋剤としてのオルガノ水素ポリシロキサンを白金系触媒により付加反応硬化させるものがある(例えば、特許文献4第2頁参照。)。この場合、前記連鎖延長剤中に存在するケイ素に結合した水素原子の数は、前記連鎖延長剤と前記オルガノ水素ポリシロキサンの組み合わせの中に存在するケイ素結合した水素原子の合計数の少なくとも80%、かつ前記第1のオルガノポリシロキサン中に存在するビニル基に対する前記連鎖延長剤中に存在するケイ素に結合した水素原子のモル比は0.8〜1.2である。
【0009】
【特許文献4】
特開平7−188559号公報
【0010】
しかしながら、特許文献4には、該組成物は強靱なシリコーンゲルを形成することにより、基材との結合性を保持することができるとの記載はあるものの、液状のシリコーンポリマーの滲み出しについては何ら示唆されていない。さらに、特許文献4の実施例に代表される連鎖延長剤は、該連鎖延長剤中のケイ素結合した水素原子の濃度を最大限にし、かつ硬化組成物の粘度を最小限にするため、比較的低粘度のものを選択することが好ましいため、低い架橋密度の柔らかいシリコーンゲルを得ようとすると、液状のシリコーンポリマーが滲み出るという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を鑑みなされたもので、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少なく、基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゲルを与える付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、連鎖延長剤としての特定のジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサン、架橋剤としての特定のオルガノ水素ポリシロキサン、及びヒドロシリル化触媒から成り、かつ前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数と前記架橋剤中及び前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数の合計数との比、並びにアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中に存在するケイ素原子に結合したアルケニル基の数と前記連鎖延長剤中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数との比が特定である硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基が1分子中に平均約2個存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン 100重量部、
【0014】
(B)末端単位が式(1)、
【0015】
【化3】
【0016】
末端ではないオルガノポリシロキサン単位が式(2)
【0017】
【化4】
【0018】
であり(ただし、Rは脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である)、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサン 40重量部以上120重量部以下、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に平均で少なくとも3個以上存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下であるオルガノ水素ポリシロキサン、及び
(D)当該組成物の硬化を促進する触媒量のヒドロシリル化触媒、からなることを特徴とする硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物である。
【0019】
ただし、前記(B)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数(NH)と、(C)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数とNHの合計数(NHT)との比が0.7≦(NH/NHT)<1であり、かつ(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の数(NA)とNHとの比が0.5≦(NH/NA)≦0.8である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明について、具体的に説明する。
本発明の(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基が1分子中に平均約2個、好ましくは1.6個以上2.2個以下存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。
【0021】
(A)成分のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基などの炭素原子数2〜8のアルケニル基を例示することができ、好ましくはビニル基、アリル基であり、特に好ましくはビニル基である。これらのアルケニル基は、後記(C)成分と反応して網目構造を形成し、分子中に平均約2個、好ましくは1.6個以上2.2個以下存在していることが必要である。かかるアルケニル基は、分子鎖の末端のケイ素原子に結合していてもよいし、分子鎖の途中のケイ素原子に結合していてもよい。硬化反応速度の面からは、アルケニル基が分子鎖末端のケイ素原子のみに結合したアルケニル基オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0022】
(A)成分のケイ素原子に結合した他の有機基は、好ましくは炭素数1〜12の脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基;これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基などの置換炭化水素基などが挙げられる。特に好ましい有機基はメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0023】
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状でも分岐状でもよく、また、これらの混合物であってもよい。このアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造される。本発明のオルガノポリシロキサン組成物をコーティング材料、ポッティング材料などに使用するためには、本組成物は適当な流動性を備えていることが必要であり、かつ硬化したシリコーンゲルにおいても適当な物理的特性を有していることが必要である。この様な見地から、(A)成分の粘度は、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは100mPa・s以上10,000mPa・s以下、特に好ましいのは200mPa・s以上5,000mPa・s以下の範囲である。
【0024】
さらに、本発明の解決すべき課題の1つである液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少ないシリコーンゲルを得るためには、(A)成分の200℃で1時間加熱後の重量減少が0.2重量%以下であることがより好ましく、特に好ましい重量減少は0.1重量%以下である。200℃で1時間加熱後の重量減少を小さくする方法としては、特に限定されないが(A)成分を合成後に薄膜蒸留装置などを用い高真空下で加熱除去する方法を挙げることができる。
【0025】
連鎖延長剤である本発明の(B)成分は、末端単位が式(1)、
【0026】
【化5】
【0027】
末端ではないオルガノポリシロキサン単位が式(2)
【0028】
【化6】
【0029】
であり(ただし、Rは脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基である)、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサンである。
【0030】
(B)成分のRは、例えば、炭素数1〜12の脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基;これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基などの置換炭化水素基などが挙げられる。好ましいRはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、特に好ましいRはメチル基である。
【0031】
本発明の特定の(B)成分が、本発明のオルガノポリシロキサン組成物中に存在することが本発明の課題を解決するために必須である。硬化中に(B)成分の分子鎖末端のケイ素に結合した水素原子と(A)成分のケイ素に結合したアルケニル基とが反応して、2以上の(A)成分と(B)成分とが結合することによって、成形作業時には適当な流動性を備えていていながら、硬化後には液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少ないシリコーンゲルが得られる。これは、2以上の(A)成分と(B)成分とが連鎖した前記オルガノポリシロキサンが架橋剤である(C)成分と反応していない状態であっても、分子鎖が十分に長くなっているために網目構造(固体状部分)と絡み合い、滲み出し難くなるからである。なお、滲み出し低減に関しては、高粘度のオルガノポリシロキサンを用いても同じ効果を得ることができるものの、高粘度のオルガノポリシロキサンを使用すると流動性が大幅に低下して成形作業性が悪化するという欠点があり、実用的ではない。
【0032】
(B)成分の連鎖延長剤は、直鎖状でも分岐状でもよく、また、これらの混合物であってもよく、直鎖状がより好ましい。このジオルガノ水素シロキシ末端オルガノポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造される。また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物をコーティング材料、ポッティング材料などに使用するためには、本組成物は適当な流動性を備えていることが必要であり、かつ(A)成分との連鎖延長による効果を発揮するために適当な粘度が選択される。この様な見地から、(B)成分の粘度は、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは100mPa・s以上10,000mPa・s以下、特に好ましいのは200mPa・s以上5,000mPa・s以下の範囲である。さらに、(A)成分との連鎖延長による効果をより発揮するためには、(A)成分と(B)成分が同レベルの粘度を有することが望ましく、(A)成分の粘度に対する(B)成分の粘度の比が0.5以上1.5以下であることがより好ましく、0.8以上1.2以下であることが特に好ましい。
【0033】
また、本発明の解決すべき課題の1つである液状のシリコーンポリマーの滲み出しが少ないシリコーンゲルを得るためには、(B)成分の200℃で1時間加熱後の重量減少が0.2重量%以下であることがより好ましく、特に好ましい重量減少は0.15重量%以下である。200℃で1時間加熱後の重量減少を小さくする方法としては、特に限定されないが(B)成分を合成後に薄膜蒸留装置などを用い高真空下で加熱除去する方法を挙げることができる。
【0034】
本発明の(B)成分の配合量は、(A)成分との反応による連鎖延長と、架橋剤である後述の(C)成分と(A)成分との架橋反応とのバランスで決まり、(A)成分100重量部に対して40重量部以上120重量部以下である。より好ましい(B)成分の配合量は50重量部以上100重量部以下である。
【0035】
本発明の架橋剤である(C)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に平均で少なくとも3個以上存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上10,000mPa・s以下の範囲にあることが望ましく、より好ましくは50mPa・s以上2,000mPa・s以下、特に好ましいのは100mPa・s以上1,000mPa・s以下の範囲であるオルガノ水素ポリシロキサンである。
【0036】
(C)成分のケイ素原子に結合した水素原子は分子鎖の末端、分子鎖途中のいずれに位置するものであっても、また、両方に位置するものであってもよい。さらに、オルガノ水素ポリシロキサンの構造は線状、分岐状、環状または網状であってもよく、また、これらの混合物であってもよい。このオルガノ水素ポリシロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造される。
【0037】
(C)成分のケイ素原子に結合した他の有機基は、好ましくは炭素数1〜12の脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基などのアラルキル基;これらの炭化水素基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、クロロフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、ジフルオロフェニル基、β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基、β−シアノプロピル基などの置換炭化水素基などが挙げられる。特に好ましい有機基はメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。
【0038】
本発明の(A)成分に対する(B)成分と(C)成分の配合量は次の関係を満たすように決められる。(B)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数(NH)と、(C)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数とNHの合計数(NHT)との比が0.7≦(NH/NHT)<1であり、かつ(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の数(NA)とNHとの比が0.5≦(NH/NA)≦0.8である。NH/NHTが0.7≦(NH/NHT)<1の範囲にあるのは、NH/NHTが0.7未満では(A)成分と(B)成分による連鎖延長が十分ではなく、基材との粘着性も低下し、NH/NHTが1では十分に硬化できないためである。NH/NHTのより好ましい範囲は0.8≦(NH/NHT)≦0.95である。NH/NAが0.5≦(NH/NA)≦0.8の範囲にあるのは、NH/NAが0.5未満では本発明の目的を達成できず、0.8を超えると適度で均一な架橋が得られないためである。NH/NAのより好ましい範囲は0.65≦(NH/NA)≦0.78である。
【0039】
特許文献4第4頁段落番号[0018]によれば、「硬化性組成物が、アルケニル基の1モルにつき0.8モルより少ない、または1.2モルより多い(連鎖延長剤中の)ケイ素に結合した水素原子を含むと、その組成物は十分に硬化することができない。」、即ちNH/NAが0.8より小さい場合には十分に硬化することができないと記載されている。しかしながら、驚くべきことに本発明の特定の(B)成分を選択したところ、十分に硬化するばかりではなく、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性、応力緩和特性に優れたシリコーンゲルが得られたのである。
【0040】
本発明の(D)成分である本発明のオルガノポリシロキサン組成物を硬化させるためのヒドロシリル化触媒は、通常使用されるものであり、金属及びその化合物としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、及びイリジウム、有利には白金を使用することができる。金属は場合により微粒子状の担体材料(例えば、活性炭、酸化アルミニウム、酸化ケイ素)に固定する。ヒドロシリル化触媒としては、白金及び白金化合物を使用することが好ましい。白金化合物としては、白金ハロゲン化物(例えば、PtCl4、H2PtCl4・6H2O、Na2PtCl4・4H2O、H2PtCl4・6H2Oとシクロヘキサンからなる反応生成物)、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、白金−エーテル錯体、白金−アルデヒド錯体、白金−ケトン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、ビス−(γ−ピコリン)−白金ジクロライド、トリメチレンジピリジン−白金ジクロライド、ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオクタジエン−白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白金ジクロライド)、ビス(アルキニル)ビス(トリフェニルホスフィン)白金錯体、ビス(アルキニル)(シクロオクタジエン)白金錯体などが挙げられる。また、ヒドロシリル化触媒はマイクロカプセル化した形で使用することもできる。この場合触媒を含有し、かつオルガノポリシロキサン中に不溶の微粒子固体は、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂またはシリコーン樹脂)である。また、ヒドロシリル化触媒は包接化合物の形で、例えば、シクロデキストリン内で使用することも可能である。ヒドロシリル化触媒の添加量は触媒量であり、白金触媒を使用する場合、オルガノポリシロキサン組成物中の白金金属として0.1〜500ppm、特に1〜200ppmの範囲が好ましい。
【0041】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物においては、上記の(A)〜(D)成分以外にも、それ自体公知の各種配合剤を添加することもできる。例えばヒュームドシリカ、シリカアエロジル、沈降性シリカ、粉砕シリカ、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、カーボンブラックなどの無機充填剤を添加して、本発明組成物から得られるゲル硬化物の硬さ、機械的強度などを調整できる。また、顔料、染料、難燃剤、耐熱向上剤、紫外線安定剤、中空無機質充填剤、中空有機質充填剤、シリコーン樹脂またはゴム質の球状充填剤なども添加できる。さらに、ポリメチルビニルシロキサン環式化合物、アセチレン化合物、有機リン化合物などの反応制御剤を添加して硬化反応の制御を行うことも可能である。これらの配合剤の使用量は、得られるシリコーンゲルの特性を損なわない限りにおいて任意である。
【0042】
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、室温で全成分を混合することにより調製することができる。この目的のため、従来技術で開示の任意の混合技術と装置が使用可能である。使用する特定の装置は、成分と最終的な硬化性組成物の粘度によって決めることができる。適切なミキサーにはパドルミキサー、ニーダーミキサー、プラネタリーミキサーなどがある。成分を冷却しながら混合することが、組成物の早期の硬化を避けるために望ましいことがある。
【0043】
シリコーンゲルの成形は、適当な型内に、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を注入して該組成物の硬化を行うか、該組成物を適当な基材上に塗布した後に硬化を行なうなどの従来公知の方法により行われる。硬化は、通常60〜160℃の温度で、10〜180分間程度の加熱処理によって行なうことができる。
【0044】
以上説明したように、本発明の付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物は、硬化後のシリコーンゲルからの液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性、応力緩和特性が優れているので、電気・電子用途の外部応力に対して非常に敏感な素子などの保護、例えば、イグナイター、レギュレーター、ABS、エアフロセンサーなどのカーエレクトロニクス製品、各種パワーモジュール、センサー類などのコーティング材料、ポッティング材料などのシール材料として好適に使用できるものである。
【0045】
【実施例】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
分子鎖末端のケイ素原子に結合したビニル基が1分子中に平均約2個存在する粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.06重量%であるビニル基含有ジメチルポリシロキサン((A)成分)100重量部、連鎖延長剤である分子鎖両末端がジメチル水素シロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.13重量%であるジメチル水素シロキシ末端ジメチルポリシロキサン((B)成分)68重量部、架橋剤であるケイ素原子に結合した水素原子が0.18重量%存在する粘度200mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)のメチル水素ポリシロキサン((C)成分)0.8重量部、本実施例の組成物中に白金金属が100ppm含まれる量の白金−ビニルシロキサン錯体((D)成分)、エチニルシクロヘキサノール0.1重量部をミキサーで混合し組成物を得た。該組成物のNH/NHTは0.86、NH/NAは0.71であった。次に該組成物を150℃で60分加熱処理してシリコーンゲルを得た。さらに、該シリコーンゲルについて針入度、ブリード量、粘着性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
【0046】
針入度:JISK2220に準じて、1/4インチミクロ稠度計を用いて、5秒後の針入度を測定した。
【0047】
ブリード量:ろ紙に円柱状のシリコーンゲル(直径が約40mm、厚さが約6mm)を載せて250gの荷重をかけ、荷重をかけたままの状態で110℃に加熱したオーブン内に放置した。500時間後、オーブンからシリコーンゲルを取り出して荷重を開放し、荷重によって変形したシリコーンゲルの直径d0(mm)とろ紙に染み込んだ液状のシリコーンポリマーの直径d1(mm)とをろ紙裏面方向から測定し、下記式に従ってブリード量(mm)を求めた。なお、ブリード量の測定は試験片の3箇所で行い、平均値を該試験片のブリード量とした。
ブリード量=d1−d0
【0048】
粘着性:表面が清浄な鉄球(直径12.5mm)をシリコーンゲル中へ深さ10mmまで沈めた後、約2m/分の速度で鉄球を上方に引き上げ、鉄球からシリコーンゲルが剥がれるまでの伸びを測定し粘着性とした。
【0049】
[実施例2]
(B)成分を68重量部から56重量部、(C)成分を0.8重量部から1.0重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、シリコーンゲルを得た。該組成物のNH/NHTは0.80、NH/NAは0.57であった。さらに、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表1に示した。
【0050】
[実施例3]
(B)成分を68重量部から76重量部、(C)成分を0.8重量部から0.6重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、シリコーンゲルを得た。該組成物のNH/NHTは0.91、NH/NAは0.78であった。さらに、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表1に示した。
【0051】
[比較例1]
(B)成分を68重量部から88重量部、(C)成分を0.8重量部から0.4重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を得た。次に実施例1と同様にして加熱処理を行い、実施例1と同様にして針入度を測定したが、数値のバラツキが大きく、架橋が不均一であることが判明したため、ブリード量と粘着性は測定しなかった。該組成物のNH/NHTは0.94、NH/NAは0.91であった。
【0052】
[比較例2]
(B)成分を68重量部から44重量部、(C)成分を0.8重量部から1.4重量部にする以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、シリコーンゲルを得た。該組成物のNH/NHTは0.69、NH/NAは0.46であった。さらに、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表2に示した。
【0053】
[比較例3]
分子鎖末端のケイ素原子に結合したビニル基が1分子中に平均約2個存在する粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.46重量%であるビニル基含有ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端がジメチル水素シロキシ基で封鎖された粘度1,000mPa・s(25℃、せん断速度0.9s− 1)、かつ200℃で1時間加熱後の重量減少が0.26重量%であるジメチル水素シロキシ末端ジメチルポリシロキサンを使用する以外は比較例2と同様にしてシリコーンゲルを調製し、該シリコーンゲルについて実施例1と同様の試験を行い、結果を表2に示した。
【0054】
表1及び表2から明らかなように、本発明の付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物を硬化して得られるシリコーンゲルは、比較例に対し、液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性が高い。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】
本発明の付加反応硬化型のオルガノポリシロキサン組成物は、硬化後のシリコーンゲルからの液状のシリコーンポリマーの滲み出しが小さく、かつ基材との粘着性、応力緩和特性が優れているので、電気・電子用途の外部応力に対して非常に敏感な素子などの保護、例えば、イグナイター、レギュレーター、ABS、エアフロセンサーなどのカーエレクトロニクス製品、各種パワーモジュール、センサー類などのコーティング材料、ポッティング材料などのシール材料として好適に使用できるものであり、極めて有用である。
Claims (8)
- (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基が1分子中に平均約2個存在し、ケイ素原子に結合した他の有機基が脂肪族不飽和を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が10mPa・s以上30,000mPa・s以下であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100重量部、(B)末端単位が式(1)、
ただし、前記(B)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数(NH)と、(C)成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の数とNHの合計数(NHT)との比が0.7≦(NH/NHT)<1であり、かつ(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の数(NA)とNHとの比が0.5≦(NH/NA)≦0.8である。 - (A)成分の25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が100mPa・s以上10,000mPa・s以下、かつ(B)成分の25℃、せん断速度0.9s− 1における粘度が100mPa・s以上10,000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物。
- 前記NH/NAが0.65≦(NH/NA)≦0.78であることを特徴とする請求項1または2記載の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物。
- 前記NH/NHTが0.8≦(NH/NHT)≦0.95であることを特徴とする請求項3記載の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物。
- (A)成分の粘度に対する(B)成分の粘度の比が0.5以上1.5以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物。
- (A)成分が、分子鎖末端のケイ素原子のみにアルケニル基が結合したアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化可能なオルガノポリシロキサン組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
- 硬化物が電気・電子部品用シール材であることを特徴とする請求項7の硬化物。
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