JP2004230438A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Makoto Namieno
誠 波江野
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Abstract

【課題】ビームエキスパンダの機能を持ちつつ装置の小型化を図ることが可能なレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】レーザ光源10から出射されガルバノミラー20Vに向うレーザ光Lの光路途中に、入光したレーザ光のビーム径を放射状に広げる拡大レンズ30が配されている。また、ガルバノミラー20Wにて反射し収束レンズ20Zに向うレーザ光Lの光路途中に、入光した放射状のレーザ光を平行光に変えるコリメータレンズ31が配されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばレーザマーキング装置9は、図2に示すように、レーザ光源1から出射されたレーザ光Lを一対のガルバノミラー2,2によって方向を変えて収束レンズ3を通して被印字対象物4上に照射させるよう構成されている。そして、所望の文字、図形、記号等(以下、「文字等」)のマーキング情報に基づいて上記一対のガルバノミラー2,2を駆動することで被印字対象物4上でレーザ光Lの照射点(以下、「マーキングスポット5」)を2次元的に走査して、上記文字等を印字するようになっている。
【0003】
ところで、このようなレーザマーキング装置9には、図2に示すように、レーザ光源1から出射されガルバノミラー2,2に向うレーザ光Lの光路上に、レーザ光源1からのレーザ光Lのビーム径を放射状に広げる拡大レンズ6と、その拡大されたレーザ光Lを略平行光にするコリメータレンズ7とからなるビームエキスパンダ8を備えたものがある(特許文献1〜3参照)。
【0004】
このような構成は、被印字対象物4上に形成されるマーキングスポット5の大きさをより微小にするために設けられている。即ち、図3に示すように、レーザ光源1からのレーザ光L(ビーム径d2)をそのまま収束レンズ3に通すよりも(同図(B))、レーザ光源1からのレーザを一旦拡大レンズ6によってビーム径を広げた後(ビーム径d2<d1)に収束レンズ3に通す方が(同図(A))、被印字対象物4上に形成されるマーキングスポット5の大きさをより微小にすることができるからである(d3<d4)。
【0005】
このように被印字対象物4上に微小なマーキングスポット5を形成することができれば、例えばICチップのような微小な被印字対象物4にも印字を行うことが可能になるとともに、マーキングスポット5におけるレーザ光Lの光強度がより強くなるから、高いレーザエネルギが必要な被印字対象物4に対しても印字を行うことができるという利点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−351279号公報
【特許文献2】
特開平4−258396号公報
【特許文献3】
特開平7−1364号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレーザマーキング装置9では、上述したようにビームエキスパンダ8がレーザ光源1から出射されガルバノミラー2,2に向うレーザ光Lの光路上に配置されている。即ち、上記従来構成のものでレーザ光源1とガルバノミラー2,2との間にビームエキスパンダ8を配置するためのスペースが必要になる。また、このビームエキスパンダ8によって所望の大きさのビーム径を得るには、拡大レンズ6とコリメータレンズ7との間の距離をある程度確保する必要がある。従って、ビームエキスパンダ8自体がある程度の大きさを有し、装置全体として大型化してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ビームエキスパンダの機能を持ちつつ装置の小型化を図ることが可能なレーザ加工装置を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るレーザ加工装置は、レーザ光源から出射されるレーザ光を、ガルバノミラーによって方向を変えつつ収束レンズを通して被加工対象物上に照射させることにより加工を施すレーザ加工装置であって、レーザ光の光路途中に、レーザ光のビーム径を広げる拡大レンズと、その拡大レンズにてビーム径が拡大されたレーザ光を平行光にする補正レンズとを配して、補正レンズにて平行光にされたレーザ光を収束レンズを通して被加工対象物に照射させるよう構成されたレーザ加工装置において、拡大レンズが、レーザ光源とガルバノミラーとの間に配されるとともに、補正レンズが、ガルバノミラーと収束レンズとの間に配されているところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用及び効果】
本発明の構成によれば、レーザ光のビーム径を広げる拡大レンズが、レーザ光源とガルバノミラーとの間に配されるとともに、レーザ光を略平行光にする補正レンズが、ガルバノミラーと収束レンズとの間に配されている。つまり、従来の加工装置に備えられたビームエキスパンダの構成に相当する拡大レンズと補正レンズとの間にガルバノミラーを介在させる構成になっている。このような構成であれば、拡大レンズにて放射状にビーム径が広げられたレーザ光は、ガルバノミラーにて向きが変えられて補正レンズに達することになり、そのガルバノミラーーでの光路の折り返しによって拡大レンズと補正レンズとの間の光路長を稼ぐことができる。
従って、レーザ光源とガルバノミラーとの間にビームエキスパンダを配置した前述の従来構成に比べて装置全体を小型にすることができるとともに、従来構成と同様、被加工対象物上に微小なレーザスポットを形成させる、いわゆるビームエキスパンダ機能を持たせることができる。
【0011】
更に、拡大レンズを通ったレーザ光は、次第にビーム径が大きくなり、補正レンズにてそこに至ったときのビーム径の平行光に変えられる。従って、従来構成では、補正レンズを通ったときの最大のビーム径のレーザ光がガルバノミラーに入射することになるが、本発明の構成では、補正レンズに至る前の最大ビーム径より小さいビーム径のレーザ光をガルバノミラーに入射させることができる。つまり、従来構成に比べてガルバノミラー自体の小型化・軽量化を図ることができ、ひいてはガルバノミラーの駆動トルクの軽減を図り走査速度を高速化させて加工時間の短縮化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について被印字対象物W(本発明でいう「被加工対象物」に相当)上に印字を行うレーザマーキング装置10に適用した場合を例に挙げて図1を参照しつつ説明する。
【0013】
図1において、符号11はレーザ光源であって、ここから出射されたレーザ光Lはガルバノスキャナ20によって向きが変更されて被印字対象物W上に照射される。ガルバノスキャナ20は、一対のガルバノミラー20V,20Wと収束レンズ21を備えており、一方のガルバノミラー20Vは、駆動手段20Xによって横方向に反射角度を変位させることができ、他方のガルバノミラー20Wは、駆動手段20Yによって縦方向に反射角度を変位させることができる。
【0014】
これら両ガルバノミラー20V,20Wによりレーザ光Lは直交する2次元方向において向きを調整可能とされ、その結果、レーザ光Lの照射点(マーキングスポットS)が被印字対象物W上のいずれの位置にも移動可能となる。また、収束レンズ21は例えばfθレンズから構成されており、ガルバノミラー20V,20Wで反射されたレーザ光Lを収束して被印字対象物W上に焦点を結ばせる機能を有する。
【0015】
上記ガルバノスキャナ20の各駆動手段20X,20Yは図示しない制御装置により制御される。この制御装置にはコンソールが接続され、マーキングしたい所望の文字・記号・図形等をそのコンソールに設定すると、制御装置がそれに応じた制御データを各駆動手段20X,20Yに与える。
【0016】
より詳細には、制御装置には文字・記号・図形等のフォントデータを記憶したメモリが内蔵され、マーキングすべき文字等が設定されるとそのフォントデータが読み出され、これに基づいて図示しないCPUが被印字対象物Wへの照射位置を決定する座標データを生成し、D/A変換してガルバノスキャナ20の各駆動手段20X,20Yに与えるようになっている。そして、各駆動手段20X,20Yによって対応するガルバノミラー20V,20Wがそれぞれ駆動されることで被印字対象物W上でマーキングスポットSを2次元的に走査して、上記文字等を印字することができる。
【0017】
さて、本実施形態に係るレーザマーキング装置10においても、被印字対象物Wに微小なマーキングスポットSを形成するための、いわゆるビームエキスパンダ機能に相当する機能を有している。
具体的には、図1に示すように、レーザ光源11から出射され上記一方のガルバノミラー20Vに向うレーザ光Lの光路途中に、入光したレーザ光のビーム径を放射状に広げる拡大レンズ30が配されている。また、他方のガルバノミラー20Wにて反射し収束レンズ21に向うレーザ光Lの光路途中に、入光した放射状のレーザ光を平行光に変えるコリメータレンズ31(本発明の「補正レンズ」に相当)が配されている。
【0018】
以上の構成によって、レーザ光源11から出射されたレーザ光Lは、拡大レンズ30によってビーム径が放射状に広げられてガルバノスキャナ20に入射する(このレーザ光Lを「放射レーザ光L1」という)。そして、放射レーザ光L1は、一対のガルバノミラー20V,20Wでそれぞれ反射して向きが変えられて、コリメータレンズ31に至る。そして、このコリメータレンズ31にて放射レーザが平行光(このレーザ光Lを「平行レーザ光L2」という)に変えられて収束レンズ21を通って収束されて被印字対象物Wに照射される。
【0019】
従って、レーザ光源11から出射されたレーザ光Lをそのまま収束レンズ21に入射させるのではなく、上記拡大レンズ30とコリメータレンズ31によって一旦ビーム径を広げた後に収束レンズ21に入射させて収束する構成なので、被印字対象物W上に形成されるマーキングスポットSをより微小な大きさにすることができる。なお、被印字対象物W上でより微小なマーキングスポットSを得るには、拡大レンズ30とコリメータレンズ31との光路長を長くしてレーザ光Lのビーム径をより広げる必要がある。本実施形態では、拡大レンズ30とコリメータレンズ31との間にレーザマーキング装置の既存構成であるガルバノスキャナ20を配置する構成なので、一対のガルバノミラー20V,20Wでの反射によるレーザ光Lの光路の折り返しによって拡大レンズ30とコリメータレンズ31との光路長を稼ぐことができる。
【0020】
以上のように、本実施形態に係るレーザマーキング装置10は、従来のレーザマーキング装置に備えられたビームエキスパンダの構成に相当する拡大レンズ30とコリメータレンズ31との間にガルバノスキャナ20(ガルバノミラー20V,20W)を介在させる構成になっている。従って、レーザ光源とガルバノミラーとの間にビームエキスパンダを配置した前述の従来構成に比べて装置全体を小型にすることができるとともに、従来構成と同様にビームエキスパンダ機能を持たせることができる。
【0021】
更に、拡大レンズ30を通った放射レーザ光L1は、次第にビーム径が大きくなり、コリメータレンズ31にてそこに至ったときのビーム径の平行レーザ光L2に変えられる。従って、従来構成では、補正レンズを通ったときの最大のビーム径(図1中、符号D1)の平行レーザ光L2がガルバノミラーに入射することになるが、本実施形態では、コリメータレンズ31に至る前の最大ビーム径D1より小さいビーム径(同図中、符号D2,D3<D1)の放射レーザ光L1をガルバノミラー20V,20Wに入射させることができる。つまり、従来構成に比べてガルバノミラー20V,20W自体の小型化・軽量化を図ることができ、ひいてはガルバノミラー20V,20Wの駆動トルクの軽減を図り走査速度を高速化させることができる。
【0022】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、被印字対象物W上に印字を行うレーザマーキング装置10に適用した例を説明したが、これに限らず、被加工対象物にレーザ光を照射させて加工(被加工対象物の形状加工等)を施す装置であれば、本発明を適用することによって上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
(2)また、上記実施形態では、一対のガルバノミラーを備えたレーザマーキング装置10としたが、これに限らず、1枚のガルバノミラーで一次元的にマーキングスポットを走査させるものであってもよく、また、3枚以上のガルバノミラーを備えたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザマーキング装置の全体構成図
【図2】従来のレーザマーキング装置の全体構成図
【図3】異なるビーム径のレーザ光を収束した場合のマーキングスポットの径を示した模式図
【符号の説明】
10…レーザマーキング装置
11…レーザ光源
20V,20W…ガルバノミラー
21…収束レンズ
30…拡大レンズ
31…コリメータレンズ(補正レンズ)
D1,D2,D3…ビーム径
L(L1,L2)…レーザ光
S…マーキングスポット
W…被印字対象物(被加工対象物)

Claims (1)

  1. レーザ光源から出射されるレーザ光を、ガルバノミラーによって方向を変えつつ収束レンズを通して被加工対象物上に照射させることにより加工を施すレーザ加工装置であって、前記レーザ光の光路途中に、レーザ光のビーム径を広げる拡大レンズと、その拡大レンズにてビーム径が拡大されたレーザ光を平行光にする補正レンズとを配して、前記補正レンズにて平行光にされたレーザ光を前記収束レンズを通して前記被加工対象物に照射させるよう構成されたレーザ加工装置において、
    前記拡大レンズが、前記レーザ光源と前記ガルバノミラーとの間に配されるとともに、
    補正レンズが、前記ガルバノミラーと前記収束レンズとの間に配されていることを特徴とするレーザ加工装置。
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