JP2004229193A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラッチアップを防止して安定的に動作電圧を内部回路に供給することが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】ロジック回路ユニット21に対して入力される活性化信号ENは、ロジック回路ユニット20に入力される活性化信号ENよりも遅延段DUにより遅延して入力される。つまり、活性化信号ENがリークカットトランジスタをオンするタイミングがロジック回路ユニット毎に異なるため、電源線VLにかかる電源電圧供給時の負荷が軽減される。これに伴い、電源電圧VCC供給時におけるピーク電流の最大値が低減され、ピーク電流に基づくラッチアップを防止することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】ロジック回路ユニット21に対して入力される活性化信号ENは、ロジック回路ユニット20に入力される活性化信号ENよりも遅延段DUにより遅延して入力される。つまり、活性化信号ENがリークカットトランジスタをオンするタイミングがロジック回路ユニット毎に異なるため、電源線VLにかかる電源電圧供給時の負荷が軽減される。これに伴い、電源電圧VCC供給時におけるピーク電流の最大値が低減され、ピーク電流に基づくラッチアップを防止することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特にリーク電流をカットするリークカット用のMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)を用いた回路構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ/信号を処理するシステムの小型化、高速および低消費電力化のために、1つの半導体チップに所定の処理を行なうロジック回路部と、このロジック回路部に必要なデータを格納するメモリとを集積化するシステムLSIが普及してきている。システムLSIにおいては、ロジック回路部とメモリとがチップ上配線により相互接続されるため、信号線の負荷が小さく、高速で信号を転送することができる。また、ロジック回路部とメモリとの間においては、ピン端子が存在しないため、ピン端子のピッチの制約を受けることなく、内部配線のピッチ条件で、ロジック回路部とメモリとを相互接続することができ、データビット数を増大させることができ、高速のデータ転送が実現される。
【0003】
このシステムLSIにおいては、ロジック回路部、メモリ等を、同一半導体チップ上に形成するため同一製造工程で、できるだけ高い集積度で作製することが要求される。一般的に、ロジック回路部はCMOS構成で設計され、その構成要素であるMOSトランジスタは、スケーリング則に従って微細化され、高い集積度を充足することが可能である。さらに、近年の微細化および動作高速化の要求に伴い、MOSトランジスタの閾値電圧は低下する傾向にある。
【0004】
しかしながら、閾値電圧を低下させた場合、MOSトランジスタの待機時におけるサブスレッショルド電流(以下、リーク電流とも称する)が増加する。
【0005】
したがって、MOSトランジスタの閾値電圧を低くしつつ、リーク電流を低減することが重要な問題となってきている。
【0006】
このリーク電流を抑制(カット)する方式として、特開2001−52476号公報においては、動作電圧を供給する側に、比較的閾値電圧の高い、いわゆるリークカット用のMOSトランジスタ(以下、リークカットトランジスタとも称する)を配置する構成が開示されている。具体的には、動作時においてはリークカットトランジスタをオンすることにより動作電圧を供給し、待機時においてはリークカットトランジスタをオフすることにより動作電圧の供給をカットして、ロジック回路部におけるトランジスタのリーク電流を抑制することが可能である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−52476号公報,図9,p12,13
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リークカットトランジスタをオンした場合、そのオン時の急激な電圧変動に伴う過渡的なピーク電流がロジック回路部に流れ込む場合がある。
この過渡的なピーク電流は、ロジック回路部を構成するCMOS構成の内部回路におけるいわゆるラッチアップのトリガ作用を引き起こすおそれがある。
【0009】
このラッチアップが生じれば内部回路に大電流が流れ込み、内部回路の動作を狂わせるだけでなく、チップそれ自体を熱的に破壊してしまう可能性がある。
【0010】
特に、ロジック回路部が複数の回路ブロックで構成され、複数の回路ブロックにそれぞれ対応して複数のリークカットトランジスタが設けられ、共通の電源線から動作電圧が供給される構成においては、一斉に複数のリークカットトランジスタをオンした場合、共通の電源配線から一斉に各回路ブロックに動作電圧が供給されるために電源系統への負荷が増大し、電源配線を流れる過渡的なピーク電流値はさらに増大するおそれがある。
【0011】
本発明は、内部回路を構成するMOSトランジスタの待機時においてリーク電流を抑制するとともに、安定的に動作電圧を内部回路に供給することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体装置は、複数の回路ブロックと、電源線と、複数のトランジスタと、調整回路とを含む。複数の回路ブロックは、各々が所定の機能を実行する。電源線は、複数の回路ブロックに対応して設けられ、電源電圧を供給する。複数のトランジスタは、複数の回路ブロックにそれぞれ対応して設けられ、活性化信号に応じて各々が電源線と電気的に結合される。調整回路は、活性化信号を受け、複数のトランジスタを導通させるタイミングに時間差を設ける。
【0013】
また、半導体装置は、所定の機能を実行する少なくとも1つの回路ブロックと、スイッチ部とを含む。スイッチ部は、回路ブロックに対応して設けられ、活性化時に電源電圧を供給する。スイッチ部は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタとを含む。第1のトランジスタは、第1のタイミングで活性化され、電源電圧を回路ブロックに供給する。第2のトランジスタは、第1のトランジスタと並列に配置され、第2のタイミングで活性化されて、電源電圧を回路ブロックに供給する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰返さない。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に従うシステムLSI1の全体構成図である。
システムLSI1は、大容量のデータを保持するメモリとして用いられるDRAM部10と、種々の論理計算を実行するロジック回路部11と、高速にデータを処理するためのメモリとして用いられるSRAM部12と、各部の制御等に用いられる周辺回路帯13とを備える。また、システムLSI1は、デバイス周辺に設けられた複数の外部パッドPDをさらに備える。
【0016】
本例においては代表的に、ロジック回路部11を構成する所定の機能を実行するロジック回路ユニットの待機時におけるリーク電流を低減する構成について説明する。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態に従うロジック回路部11を構成する複数のロジック回路ユニットの概念図である。
【0018】
図2を参照して、ロジック回路部11は、ロジック回路ユニット20および21と、外部電源電圧ext.VCC(以下、単に電源電圧VCCとも称する)が供給される電源線VLと、電源線VLとロジック回路ユニット20および21との間にそれぞれ配置され、リークカット用のトランジスタとして設けられるリークカットトランジスタTp1,Tp2と、接地電圧GNDとロジック回路ユニット20および21との間に配置され、リークカット用のトランジスタとして設けられるリークカットトランジスタTn1,Tn2とを含む。リークカットトランジスタTp1は、活性化信号ENの入力を受ける。また、リークカットトランジスタTn1は、インバータI3を介する活性化信号ENの反転信号の入力を受ける。なお、本例においては、一例としてロジック回路部11の活性化時あるいは電源投入時等において周辺回路帯13から活性化信号ENが出力されるものとする。また、リークカットトランジスタTn1,Tn2は、一例としてNチャネルMOSトランジスタとする。また、リークカットトランジスタTp1,Tp2は、一例としてPチャネルMOSトランジスタとする。
【0019】
まず、本発明の実施の形態に従う動作について説明する前に、上述したラッチアップの原理について説明する。
【0020】
ラッチアップとは、一般的にCMOS構成のトランジスタを基板に形成した場合、本質的に有している寄生バイポーラ構造によるPNPNサイリスタがオンすることで、電源電圧VCC−接地電圧GND間に過大な大電流が流れることである。このPNPNサイリスタがオンし、一旦電流を流し始めると、正帰還作用により電流が増幅され、大電流を流し続けるためCMOS構成のトランジスタで形成された回路は熱破壊に至る。
【0021】
図3は、P基板Nウェルのデバイスの断面構造の模式図を示す。
一例として、リークカットトランジスタTp1およびTn1とを用いてラッチアップについて説明する。
【0022】
図3を参照して、Nウェルには、活性化信号ENをゲートに受けるリークカットトランジスタTp1が形成される。一方、Pウェルには、インバータI3を介する活性化信号ENの反転信号をゲートに受けるリークカットトランジスタTn1が形成される。
【0023】
この場合において、仮想的な寄生抵抗および寄生トランジスタについて考える。
【0024】
Nウェル中のP+層をエミッタ、Nウェルをベース、P基板層をコレクタとする寄生トランジスタであるPNPトランジスタ30と、P基板中のN+層をエミッタ、P基板をベース、Nウェル層をコレクタとする寄生トランジスタであるNPNトランジスタ31とが形成される。NウェルのN+層とPNPトランジスタ30のゲートとの間には寄生抵抗R1が存在する。また、PNPトランジスタ30のベースとNPNトランジスタ31のコレクタとの間にも寄生抵抗R2が存在する。また、PNPトランジスタ30のコレクタとNPNトランジスタのベースとの間にも寄生抵抗R3とが存在する。またNPNトランジスタ31のベースとPウェルのP+層との間にも寄生抵抗R4が存在する。これらを等価回路で表わすと図4のようになる。
【0025】
図4の等価回路図において、寄生抵抗R1およびR4に流れる電流を、それぞれPNPトランジスタ30およびNPNトランジスタ31のベース−エミッタ間リーク電流とする。また、寄生抵抗R2およびR3をコレクタ抵抗に含めて考えれば、PNPトランジスタ30およびNPNトランジスタ31の特性だけでラッチアップを考えることができる。ここで、PNPトランジスタ30およびNPNトランジスタ31の電流増幅率をそれぞれαPおよびαNとする。高インピーダンス状態においては、逆接合となっている両方のトランジスタのコレクタ−ベース領域を流れる電流Iは、PNPトランジスタ30のコレクタ電流αP×IとNPNトランジスタ31のコレクタ電流αN×Iと、Nウェル−P基板間を流れる逆方向リーク電流Irとを加えたものに等しい。
【0026】
つまり、次式を得る。
I=αP×I+αN×I+Ir
したがって、整理すると以下の関係式を得ることができる。
【0027】
I=Ir/(1−(αP+αN))
ただし、この式が成立するには、αP+αN<1である高インピーダンス状態のときである。一方、αP+αN≧1の状態になると、低インピーダンス状態になり、ラッチアップ状態になる。この時に流れる電流は、寄生抵抗R2およびR3に分流して流れ、電圧・電流特性は、1/(R3‖R4)に近い傾きを持つことになる。
【0028】
このラッチアップ状態は、寄生トランジスタのベースやエミッタにトリガ信号を与えることで寄生サイリスタのスイッチング電圧よりも低い電圧で引き起こされる場合がある。
【0029】
このようなトリガラッチアップと呼ばれる現象は、実際のCMOS構成のデバイスでは、急激な電源電圧の変動に基づき流れるいわゆる上述したピーク電流がトリガ信号となる場合がある。
【0030】
特に、本構成の如く電源電圧VCCが供給される共通の電源線VLと各ロジック回路ユニットとが接続される場合において、仮に一斉に電源電圧VCCが各ロジック回路ユニットに供給される場合には、上述したように共通の電源線VLから各ロジック回路ユニットに供給する際の負荷が大きいため急激な電圧変動に基づく過大なピーク電流が流れることとなる。このピーク電流が特定のロジック回路ユニットに流れ込んだ場合、図4で説明したノードN2の電圧レベルが上昇しする。これに伴い、NPNトランジスタ31がオンし、上述したラッチアップが生じるおそれがある。
【0031】
したがって、リークカットトランジスタをオンするときに電源線VLに流れるピーク電流を抑制する必要がある。
【0032】
再び図2を参照して、本実施の形態においては、ロジック回路ユニット21に対応して、活性化信号ENを所定期間遅延させるための遅延段DUをさらに設ける。遅延段DUは、複数の直列に接続されたインバータで構成され、本例においては2個のインバータI1およびI2で形成される。遅延段DUを通過した活性化信号ENは、リークカットトランジスタTp2のゲートに入力される。また、インバータI4を介する反転信号がリークカットトランジスタTn2のゲートに入力される。これに伴い、ロジック回路ユニット21のリークカットトランジスタには、遅延段DUにより所定期間遅延した活性化信号ENが入力されることとなる。なお、遅延段のインバータの個数を調整することにより簡易に活性化信号ENが入力されるタイミングを調整することができる。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態に従う活性化信号ENの入力されるタイミング波形図である。
【0034】
図5に示されるように、初期状態においては、活性化信号ENは、「H」レベルに設定されている。したがって、各リークカットトランジスタはオフしている。すなわち、ロジック回路ユニット20および21には、電源電圧VCCは供給されず、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタのリーク電流を抑制することができる。一方、ロジック回路部11の活性化時においては、活性化信号ENは、「L」レベルに設定される。
【0035】
ここで、ロジック回路ユニット21に対して入力される活性化信号ENは、ロジック回路ユニット20に入力される活性化信号ENよりも遅延段DUによりΔTだけ遅延して入力される。すなわち、電源電圧VCCがロジック回路ユニット20および21に投入されるタイミングがそれぞれ異なる。つまり、活性化信号ENがリークカットトランジスタをオンするタイミングがロジック回路ユニット毎に異なるため、電源線VLにかかる電源電圧供給時の負荷が軽減される。これに伴い、電源電圧VCC供給時におけるピーク電流の最大値が低減されることとなる。
【0036】
したがって、本構成とすることによりラッチアップのトリガとして作用するピーク電流の最大値を低減することができ、各ロジック回路ユニットにおいてラッチアップを防止することができる。
【0037】
また、ロジック回路部11の非活性化時において、活性化信号ENを「H」レベルに設定することにより、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタのリーク電流を抑制することができる。
【0038】
また、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタを薄膜の閾値電圧の低いMOSトランジスタに設計し、リークカットトランジスタを厚膜の閾値電圧の高いMOSトランジスタに設計することにより、ロジック回路ユニットにおける回路の動作高速性を担保しつつ、リーク電流を効果的に抑制することができる。
【0039】
(実施の形態の変形例)
図6は、本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路部を構成するロジック回路ユニット20の概念図である。
【0040】
図6を参照して、ロジック回路ユニット20の電源側には、電源電圧VCCの供給を受けるサブ電源線SVLと、電源線VLとサブ電源線SVLとの間の電気的な接続を制御するスイッチ部SWとがさらに設けられる。スイッチ部SWは、リークカットトランジスタTp3およびTp4とを含む。
【0041】
リークカットトランジスタTp3は、電源線VLとサブ電源線SVLとの間に配置され、そのゲートは活性化信号ENの入力を受ける。リークカットトランジスタTp4は、電源線VLとサブ電源線SVLとの間に配置され、そのゲートは、遅延段DUを通過する活性化信号ENの入力を受ける。その他のリークカットトランジスタTn1およびインバータI3については図2と同様の接続関係であるのでその詳細な点は繰り返さない。なお、遅延段DUを構成するインバータの個数を調整することにより容易に活性化信号ENを入力するタイミングを調整することができる。
【0042】
本実施の形態の変形例においては、スイッチ部SWにおいて2種類のリークカットトランジスタTp3およびTp4を設ける。具体的には、リークカットトランジスタTp3よりもリークカットトランジスタTp4の方が駆動能力を高く設計する。具体的には、リークカットトランジスタTp3のトランジスタサイズをリークカットトランジスタTp4のトランジスタサイズよりも小さくなるように設計する。
【0043】
図7は、本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路ユニット20の電圧供給時のサブ電源線SVLの電圧レベルを指し示す図である。
【0044】
図7を参照して、活性化信号ENの入力に応答してリークカットトランジスタTp3がオンする。これに伴い、サブ電源線SVLにリークカットトランジスタTp3を介して電源電圧VCCが供給される。ここで、駆動能力を低く設計しているためにサブ電源線SVLの電圧レベルは急激に上昇せずに徐々に上昇する。
次に、遅延段DUにより遅延した遅延期間tR経過後にリークカットトランジスタTp4がオンする。リークカットトランジスタTp4は、駆動能力を高く設計しているためにサブ電源線SVLは、所定の電源電圧VCCレベルに高速に設定される。
【0045】
本構成においては、過渡的なピーク電流が流れる最初の電源供給時には、駆動能力の小さなリークカットトランジスタを用いて徐々に電圧を供給し、電圧供給が安定した時点において、駆動能力の高いリークカットトランジスタを用いることによりサブ電源線SVLを所望の電圧レベルに高速に設定する。
【0046】
これにより、通常のトランジスタがオンした場合におけるサブ電源線SVLの急激な電圧変動を抑制することにより、ロジック回路ユニット20に流れ込む過渡的なピーク電流の値を抑制することができる。すなわち、ピーク電流の最大値を低減することによりラッチアップを抑制することができる。
【0047】
図8は、上記の図2で説明した構成に本発明の実施の形態の変形例を適用した概念図である。
【0048】
図8を参照して、リークカットトランジスタTp1およびTp2とスイッチ部SW0およびSW1とがそれぞれ置換される。また、図2の遅延段DUの代わりに、ロジック回路ユニット20および21にそれぞれ対応してサブ電源線SVL0,SVL1および遅延段DU0,DU1が設けられる。その他の点は同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。なお、遅延段DU0およびDU1は本例においては同様の構成とするが、遅延段DU0および遅延段DU1それぞれの遅延期間をインバータの個数を調整することにより異ならせることも可能である。
【0049】
スイッチ部SW0は、駆動能力の低いリークカットトランジスタTp3および駆動能力の高いリークカットトランジスタTp4を含む。回路の接続関係は、図6で説明したのと同様である。具体的には、リークカットトランジスタTp3は、活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL0に供給する。また、リークカットトランジスタTp4は、遅延段DU0を通過した活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL0に供給する。
【0050】
スイッチ部SW1は、駆動能力の低いリークカットトランジスタTp5および駆動能力の高いリークカットトランジスタTp6を含む。スイッチ部SW1は、スイッチ部SW0と同様の構成である。具体的には、リークカットトランジスタTp5は、活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL1に供給する。また、リークカットトランジスタTp6は、遅延段DU1を通過した活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL1に供給する。
【0051】
本構成、すなわちロジック回路ユニット20および21に対応して上記のスイッチ部SW0およびSW1を設けることにより、各ロジック回路ユニットにおけるラッチアップを抑制することができる。
【0052】
また、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタを薄膜の閾値電圧の低いMOSトランジスタに設計し、リークカットトランジスタを厚膜の閾値電圧の高いMOSトランジスタに設計することにより、ロジック回路ユニットにおける回路の動作高速性を担保しつつ、リーク電流を効果的に抑制することができる。
【0053】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0054】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、複数の回路ブロックにそれぞれ対応して設けられ、各々が電源線と接続された複数のトランジスタの活性化タイミングを調整することができる。これに伴い、急激な負荷を電源線に掛けることなく、電源電圧を供給することができるため過渡的なピーク電流を抑制することができる。
したがって、電源供給時に生じるラッチアップを防止することができる。
【0055】
また、活性化時に電源電圧を供給する第1および第2のトランジスタを設け、第1のトランジスタを第1のタイミングで活性化し、第2のトランジスタを第2のタイミングで活性化する。これに伴い、トランジスタのトランジスタサイズにより、電源電圧の供給レベルを調整することができ、過渡的なピーク電流を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うシステムLSI1の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うロジック回路部11を構成する複数のロジック回路ユニットの概念図である。
【図3】P基板Nウェルのデバイスの断面構造の模式図を示す。
【図4】仮想的な寄生抵抗および寄生トランジスタの等価回路図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う活性化信号ENの入力されるタイミング波形図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路部を構成するロジック回路ユニット20の概念図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路ユニット20の電圧供給時のサブ電源線SVLの電圧レベルを指し示す図である。
【図8】図2で説明した構成に本発明の実施の形態の変形例を適用した概念図である。
【符号の説明】
1 システムLSI、10 DRAM部、11 ロジック回路部、12 SRAM部、13 周辺回路帯、20,21 ロジック回路ユニット、SW,SW0,SW1 スイッチ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特にリーク電流をカットするリークカット用のMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)を用いた回路構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ/信号を処理するシステムの小型化、高速および低消費電力化のために、1つの半導体チップに所定の処理を行なうロジック回路部と、このロジック回路部に必要なデータを格納するメモリとを集積化するシステムLSIが普及してきている。システムLSIにおいては、ロジック回路部とメモリとがチップ上配線により相互接続されるため、信号線の負荷が小さく、高速で信号を転送することができる。また、ロジック回路部とメモリとの間においては、ピン端子が存在しないため、ピン端子のピッチの制約を受けることなく、内部配線のピッチ条件で、ロジック回路部とメモリとを相互接続することができ、データビット数を増大させることができ、高速のデータ転送が実現される。
【0003】
このシステムLSIにおいては、ロジック回路部、メモリ等を、同一半導体チップ上に形成するため同一製造工程で、できるだけ高い集積度で作製することが要求される。一般的に、ロジック回路部はCMOS構成で設計され、その構成要素であるMOSトランジスタは、スケーリング則に従って微細化され、高い集積度を充足することが可能である。さらに、近年の微細化および動作高速化の要求に伴い、MOSトランジスタの閾値電圧は低下する傾向にある。
【0004】
しかしながら、閾値電圧を低下させた場合、MOSトランジスタの待機時におけるサブスレッショルド電流(以下、リーク電流とも称する)が増加する。
【0005】
したがって、MOSトランジスタの閾値電圧を低くしつつ、リーク電流を低減することが重要な問題となってきている。
【0006】
このリーク電流を抑制(カット)する方式として、特開2001−52476号公報においては、動作電圧を供給する側に、比較的閾値電圧の高い、いわゆるリークカット用のMOSトランジスタ(以下、リークカットトランジスタとも称する)を配置する構成が開示されている。具体的には、動作時においてはリークカットトランジスタをオンすることにより動作電圧を供給し、待機時においてはリークカットトランジスタをオフすることにより動作電圧の供給をカットして、ロジック回路部におけるトランジスタのリーク電流を抑制することが可能である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−52476号公報,図9,p12,13
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リークカットトランジスタをオンした場合、そのオン時の急激な電圧変動に伴う過渡的なピーク電流がロジック回路部に流れ込む場合がある。
この過渡的なピーク電流は、ロジック回路部を構成するCMOS構成の内部回路におけるいわゆるラッチアップのトリガ作用を引き起こすおそれがある。
【0009】
このラッチアップが生じれば内部回路に大電流が流れ込み、内部回路の動作を狂わせるだけでなく、チップそれ自体を熱的に破壊してしまう可能性がある。
【0010】
特に、ロジック回路部が複数の回路ブロックで構成され、複数の回路ブロックにそれぞれ対応して複数のリークカットトランジスタが設けられ、共通の電源線から動作電圧が供給される構成においては、一斉に複数のリークカットトランジスタをオンした場合、共通の電源配線から一斉に各回路ブロックに動作電圧が供給されるために電源系統への負荷が増大し、電源配線を流れる過渡的なピーク電流値はさらに増大するおそれがある。
【0011】
本発明は、内部回路を構成するMOSトランジスタの待機時においてリーク電流を抑制するとともに、安定的に動作電圧を内部回路に供給することが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体装置は、複数の回路ブロックと、電源線と、複数のトランジスタと、調整回路とを含む。複数の回路ブロックは、各々が所定の機能を実行する。電源線は、複数の回路ブロックに対応して設けられ、電源電圧を供給する。複数のトランジスタは、複数の回路ブロックにそれぞれ対応して設けられ、活性化信号に応じて各々が電源線と電気的に結合される。調整回路は、活性化信号を受け、複数のトランジスタを導通させるタイミングに時間差を設ける。
【0013】
また、半導体装置は、所定の機能を実行する少なくとも1つの回路ブロックと、スイッチ部とを含む。スイッチ部は、回路ブロックに対応して設けられ、活性化時に電源電圧を供給する。スイッチ部は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタとを含む。第1のトランジスタは、第1のタイミングで活性化され、電源電圧を回路ブロックに供給する。第2のトランジスタは、第1のトランジスタと並列に配置され、第2のタイミングで活性化されて、電源電圧を回路ブロックに供給する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰返さない。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に従うシステムLSI1の全体構成図である。
システムLSI1は、大容量のデータを保持するメモリとして用いられるDRAM部10と、種々の論理計算を実行するロジック回路部11と、高速にデータを処理するためのメモリとして用いられるSRAM部12と、各部の制御等に用いられる周辺回路帯13とを備える。また、システムLSI1は、デバイス周辺に設けられた複数の外部パッドPDをさらに備える。
【0016】
本例においては代表的に、ロジック回路部11を構成する所定の機能を実行するロジック回路ユニットの待機時におけるリーク電流を低減する構成について説明する。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態に従うロジック回路部11を構成する複数のロジック回路ユニットの概念図である。
【0018】
図2を参照して、ロジック回路部11は、ロジック回路ユニット20および21と、外部電源電圧ext.VCC(以下、単に電源電圧VCCとも称する)が供給される電源線VLと、電源線VLとロジック回路ユニット20および21との間にそれぞれ配置され、リークカット用のトランジスタとして設けられるリークカットトランジスタTp1,Tp2と、接地電圧GNDとロジック回路ユニット20および21との間に配置され、リークカット用のトランジスタとして設けられるリークカットトランジスタTn1,Tn2とを含む。リークカットトランジスタTp1は、活性化信号ENの入力を受ける。また、リークカットトランジスタTn1は、インバータI3を介する活性化信号ENの反転信号の入力を受ける。なお、本例においては、一例としてロジック回路部11の活性化時あるいは電源投入時等において周辺回路帯13から活性化信号ENが出力されるものとする。また、リークカットトランジスタTn1,Tn2は、一例としてNチャネルMOSトランジスタとする。また、リークカットトランジスタTp1,Tp2は、一例としてPチャネルMOSトランジスタとする。
【0019】
まず、本発明の実施の形態に従う動作について説明する前に、上述したラッチアップの原理について説明する。
【0020】
ラッチアップとは、一般的にCMOS構成のトランジスタを基板に形成した場合、本質的に有している寄生バイポーラ構造によるPNPNサイリスタがオンすることで、電源電圧VCC−接地電圧GND間に過大な大電流が流れることである。このPNPNサイリスタがオンし、一旦電流を流し始めると、正帰還作用により電流が増幅され、大電流を流し続けるためCMOS構成のトランジスタで形成された回路は熱破壊に至る。
【0021】
図3は、P基板Nウェルのデバイスの断面構造の模式図を示す。
一例として、リークカットトランジスタTp1およびTn1とを用いてラッチアップについて説明する。
【0022】
図3を参照して、Nウェルには、活性化信号ENをゲートに受けるリークカットトランジスタTp1が形成される。一方、Pウェルには、インバータI3を介する活性化信号ENの反転信号をゲートに受けるリークカットトランジスタTn1が形成される。
【0023】
この場合において、仮想的な寄生抵抗および寄生トランジスタについて考える。
【0024】
Nウェル中のP+層をエミッタ、Nウェルをベース、P基板層をコレクタとする寄生トランジスタであるPNPトランジスタ30と、P基板中のN+層をエミッタ、P基板をベース、Nウェル層をコレクタとする寄生トランジスタであるNPNトランジスタ31とが形成される。NウェルのN+層とPNPトランジスタ30のゲートとの間には寄生抵抗R1が存在する。また、PNPトランジスタ30のベースとNPNトランジスタ31のコレクタとの間にも寄生抵抗R2が存在する。また、PNPトランジスタ30のコレクタとNPNトランジスタのベースとの間にも寄生抵抗R3とが存在する。またNPNトランジスタ31のベースとPウェルのP+層との間にも寄生抵抗R4が存在する。これらを等価回路で表わすと図4のようになる。
【0025】
図4の等価回路図において、寄生抵抗R1およびR4に流れる電流を、それぞれPNPトランジスタ30およびNPNトランジスタ31のベース−エミッタ間リーク電流とする。また、寄生抵抗R2およびR3をコレクタ抵抗に含めて考えれば、PNPトランジスタ30およびNPNトランジスタ31の特性だけでラッチアップを考えることができる。ここで、PNPトランジスタ30およびNPNトランジスタ31の電流増幅率をそれぞれαPおよびαNとする。高インピーダンス状態においては、逆接合となっている両方のトランジスタのコレクタ−ベース領域を流れる電流Iは、PNPトランジスタ30のコレクタ電流αP×IとNPNトランジスタ31のコレクタ電流αN×Iと、Nウェル−P基板間を流れる逆方向リーク電流Irとを加えたものに等しい。
【0026】
つまり、次式を得る。
I=αP×I+αN×I+Ir
したがって、整理すると以下の関係式を得ることができる。
【0027】
I=Ir/(1−(αP+αN))
ただし、この式が成立するには、αP+αN<1である高インピーダンス状態のときである。一方、αP+αN≧1の状態になると、低インピーダンス状態になり、ラッチアップ状態になる。この時に流れる電流は、寄生抵抗R2およびR3に分流して流れ、電圧・電流特性は、1/(R3‖R4)に近い傾きを持つことになる。
【0028】
このラッチアップ状態は、寄生トランジスタのベースやエミッタにトリガ信号を与えることで寄生サイリスタのスイッチング電圧よりも低い電圧で引き起こされる場合がある。
【0029】
このようなトリガラッチアップと呼ばれる現象は、実際のCMOS構成のデバイスでは、急激な電源電圧の変動に基づき流れるいわゆる上述したピーク電流がトリガ信号となる場合がある。
【0030】
特に、本構成の如く電源電圧VCCが供給される共通の電源線VLと各ロジック回路ユニットとが接続される場合において、仮に一斉に電源電圧VCCが各ロジック回路ユニットに供給される場合には、上述したように共通の電源線VLから各ロジック回路ユニットに供給する際の負荷が大きいため急激な電圧変動に基づく過大なピーク電流が流れることとなる。このピーク電流が特定のロジック回路ユニットに流れ込んだ場合、図4で説明したノードN2の電圧レベルが上昇しする。これに伴い、NPNトランジスタ31がオンし、上述したラッチアップが生じるおそれがある。
【0031】
したがって、リークカットトランジスタをオンするときに電源線VLに流れるピーク電流を抑制する必要がある。
【0032】
再び図2を参照して、本実施の形態においては、ロジック回路ユニット21に対応して、活性化信号ENを所定期間遅延させるための遅延段DUをさらに設ける。遅延段DUは、複数の直列に接続されたインバータで構成され、本例においては2個のインバータI1およびI2で形成される。遅延段DUを通過した活性化信号ENは、リークカットトランジスタTp2のゲートに入力される。また、インバータI4を介する反転信号がリークカットトランジスタTn2のゲートに入力される。これに伴い、ロジック回路ユニット21のリークカットトランジスタには、遅延段DUにより所定期間遅延した活性化信号ENが入力されることとなる。なお、遅延段のインバータの個数を調整することにより簡易に活性化信号ENが入力されるタイミングを調整することができる。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態に従う活性化信号ENの入力されるタイミング波形図である。
【0034】
図5に示されるように、初期状態においては、活性化信号ENは、「H」レベルに設定されている。したがって、各リークカットトランジスタはオフしている。すなわち、ロジック回路ユニット20および21には、電源電圧VCCは供給されず、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタのリーク電流を抑制することができる。一方、ロジック回路部11の活性化時においては、活性化信号ENは、「L」レベルに設定される。
【0035】
ここで、ロジック回路ユニット21に対して入力される活性化信号ENは、ロジック回路ユニット20に入力される活性化信号ENよりも遅延段DUによりΔTだけ遅延して入力される。すなわち、電源電圧VCCがロジック回路ユニット20および21に投入されるタイミングがそれぞれ異なる。つまり、活性化信号ENがリークカットトランジスタをオンするタイミングがロジック回路ユニット毎に異なるため、電源線VLにかかる電源電圧供給時の負荷が軽減される。これに伴い、電源電圧VCC供給時におけるピーク電流の最大値が低減されることとなる。
【0036】
したがって、本構成とすることによりラッチアップのトリガとして作用するピーク電流の最大値を低減することができ、各ロジック回路ユニットにおいてラッチアップを防止することができる。
【0037】
また、ロジック回路部11の非活性化時において、活性化信号ENを「H」レベルに設定することにより、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタのリーク電流を抑制することができる。
【0038】
また、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタを薄膜の閾値電圧の低いMOSトランジスタに設計し、リークカットトランジスタを厚膜の閾値電圧の高いMOSトランジスタに設計することにより、ロジック回路ユニットにおける回路の動作高速性を担保しつつ、リーク電流を効果的に抑制することができる。
【0039】
(実施の形態の変形例)
図6は、本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路部を構成するロジック回路ユニット20の概念図である。
【0040】
図6を参照して、ロジック回路ユニット20の電源側には、電源電圧VCCの供給を受けるサブ電源線SVLと、電源線VLとサブ電源線SVLとの間の電気的な接続を制御するスイッチ部SWとがさらに設けられる。スイッチ部SWは、リークカットトランジスタTp3およびTp4とを含む。
【0041】
リークカットトランジスタTp3は、電源線VLとサブ電源線SVLとの間に配置され、そのゲートは活性化信号ENの入力を受ける。リークカットトランジスタTp4は、電源線VLとサブ電源線SVLとの間に配置され、そのゲートは、遅延段DUを通過する活性化信号ENの入力を受ける。その他のリークカットトランジスタTn1およびインバータI3については図2と同様の接続関係であるのでその詳細な点は繰り返さない。なお、遅延段DUを構成するインバータの個数を調整することにより容易に活性化信号ENを入力するタイミングを調整することができる。
【0042】
本実施の形態の変形例においては、スイッチ部SWにおいて2種類のリークカットトランジスタTp3およびTp4を設ける。具体的には、リークカットトランジスタTp3よりもリークカットトランジスタTp4の方が駆動能力を高く設計する。具体的には、リークカットトランジスタTp3のトランジスタサイズをリークカットトランジスタTp4のトランジスタサイズよりも小さくなるように設計する。
【0043】
図7は、本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路ユニット20の電圧供給時のサブ電源線SVLの電圧レベルを指し示す図である。
【0044】
図7を参照して、活性化信号ENの入力に応答してリークカットトランジスタTp3がオンする。これに伴い、サブ電源線SVLにリークカットトランジスタTp3を介して電源電圧VCCが供給される。ここで、駆動能力を低く設計しているためにサブ電源線SVLの電圧レベルは急激に上昇せずに徐々に上昇する。
次に、遅延段DUにより遅延した遅延期間tR経過後にリークカットトランジスタTp4がオンする。リークカットトランジスタTp4は、駆動能力を高く設計しているためにサブ電源線SVLは、所定の電源電圧VCCレベルに高速に設定される。
【0045】
本構成においては、過渡的なピーク電流が流れる最初の電源供給時には、駆動能力の小さなリークカットトランジスタを用いて徐々に電圧を供給し、電圧供給が安定した時点において、駆動能力の高いリークカットトランジスタを用いることによりサブ電源線SVLを所望の電圧レベルに高速に設定する。
【0046】
これにより、通常のトランジスタがオンした場合におけるサブ電源線SVLの急激な電圧変動を抑制することにより、ロジック回路ユニット20に流れ込む過渡的なピーク電流の値を抑制することができる。すなわち、ピーク電流の最大値を低減することによりラッチアップを抑制することができる。
【0047】
図8は、上記の図2で説明した構成に本発明の実施の形態の変形例を適用した概念図である。
【0048】
図8を参照して、リークカットトランジスタTp1およびTp2とスイッチ部SW0およびSW1とがそれぞれ置換される。また、図2の遅延段DUの代わりに、ロジック回路ユニット20および21にそれぞれ対応してサブ電源線SVL0,SVL1および遅延段DU0,DU1が設けられる。その他の点は同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。なお、遅延段DU0およびDU1は本例においては同様の構成とするが、遅延段DU0および遅延段DU1それぞれの遅延期間をインバータの個数を調整することにより異ならせることも可能である。
【0049】
スイッチ部SW0は、駆動能力の低いリークカットトランジスタTp3および駆動能力の高いリークカットトランジスタTp4を含む。回路の接続関係は、図6で説明したのと同様である。具体的には、リークカットトランジスタTp3は、活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL0に供給する。また、リークカットトランジスタTp4は、遅延段DU0を通過した活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL0に供給する。
【0050】
スイッチ部SW1は、駆動能力の低いリークカットトランジスタTp5および駆動能力の高いリークカットトランジスタTp6を含む。スイッチ部SW1は、スイッチ部SW0と同様の構成である。具体的には、リークカットトランジスタTp5は、活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL1に供給する。また、リークカットトランジスタTp6は、遅延段DU1を通過した活性化信号ENの入力に応答して電源電圧VCCをサブ電源線SVL1に供給する。
【0051】
本構成、すなわちロジック回路ユニット20および21に対応して上記のスイッチ部SW0およびSW1を設けることにより、各ロジック回路ユニットにおけるラッチアップを抑制することができる。
【0052】
また、ロジック回路ユニットを構成するMOSトランジスタを薄膜の閾値電圧の低いMOSトランジスタに設計し、リークカットトランジスタを厚膜の閾値電圧の高いMOSトランジスタに設計することにより、ロジック回路ユニットにおける回路の動作高速性を担保しつつ、リーク電流を効果的に抑制することができる。
【0053】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0054】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、複数の回路ブロックにそれぞれ対応して設けられ、各々が電源線と接続された複数のトランジスタの活性化タイミングを調整することができる。これに伴い、急激な負荷を電源線に掛けることなく、電源電圧を供給することができるため過渡的なピーク電流を抑制することができる。
したがって、電源供給時に生じるラッチアップを防止することができる。
【0055】
また、活性化時に電源電圧を供給する第1および第2のトランジスタを設け、第1のトランジスタを第1のタイミングで活性化し、第2のトランジスタを第2のタイミングで活性化する。これに伴い、トランジスタのトランジスタサイズにより、電源電圧の供給レベルを調整することができ、過渡的なピーク電流を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に従うシステムLSI1の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うロジック回路部11を構成する複数のロジック回路ユニットの概念図である。
【図3】P基板Nウェルのデバイスの断面構造の模式図を示す。
【図4】仮想的な寄生抵抗および寄生トランジスタの等価回路図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う活性化信号ENの入力されるタイミング波形図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路部を構成するロジック回路ユニット20の概念図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に従うロジック回路ユニット20の電圧供給時のサブ電源線SVLの電圧レベルを指し示す図である。
【図8】図2で説明した構成に本発明の実施の形態の変形例を適用した概念図である。
【符号の説明】
1 システムLSI、10 DRAM部、11 ロジック回路部、12 SRAM部、13 周辺回路帯、20,21 ロジック回路ユニット、SW,SW0,SW1 スイッチ部。
Claims (5)
- 各々が、所定の機能を実行する複数の回路ブロックと、
複数の回路ブロックに対応して設けられ、電源電圧を供給する電源線と、
複数の回路ブロックにそれぞれ対応して設けられ、活性化信号に応じて各々が前記電源線と電気的に結合される複数のトランジスタと、
前記活性化信号を受け、前記複数のトランジスタを導通させるタイミングに時間差を設ける調整回路とを備える、半導体装置。 - 前記調整回路は、前記活性化信号を遅延させるための少なくとも1個の遅延段を含み、
前記複数のトランジスタにそれぞれ対応して設けられる前記遅延段の個数は互いに異なる、請求項1記載の半導体装置。 - 所定の機能を実行する、少なくとも1つの回路ブロックと、前記回路ブロックに対応して設けられ、活性化時に電源電圧を供給するスイッチ部とを備え、
前記スイッチ部は、
第1のタイミングで活性化され、前記電源電圧を前記回路ブロックに供給する第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタと並列に配置され、第2のタイミングで活性化されて、前記電源電圧を前記回路ブロックに供給する第2のトランジスタとを含む、半導体装置。 - 前記第1および第2のトランジスタは、活性化信号に応答して、前記電源電圧を対応する回路ブロックに供給し、
前記半導体装置は、前記第2のトランジスタに対応して設けられ、前記活性化信号を遅延させるための遅延段をさらに備える、請求項3記載の半導体装置。 - 前記第1のトランジスタは、前記第2のトランジスよりもトランジスタサイズが小さくなるように設計される、請求項3記載の半導体装置。
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