JP2004228326A - 基板停止位置制御方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】搬送経路の基準位置に基板が搬入されたことを基板センサが検出した後、この基板の種類に応じた固有移動距離だけ基板をさらに搬送して目標位置に停止する。目標位置に停止された基板の基準マークを基板カメラで読取って目標位置に対する基板停止位置のズレ量を求める。これにより、基板を基板形状に拘わりなく各基板の種類に固有の目標位置に簡単な構成で停止し、設定位置に対する基板停止位置のズレ量を容易に検出して補正することができる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板を搬送経路での目標位置に搬送する基板搬送方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を基板上に実装する部品実装機においては、例えばXYZ移動形の部品移載装置が供給装置から電子部品を取り出して基板搬送装置により目標位置に投入された基板上に装着するように構成されている。図17に示すように、基板搬送装置40の入口側及び出口側には搬入コンベア90と搬出コンベア96が配置され、基板搬送装置40と併設して部品供給装置10が配置される。また、基板搬送装置40と部品供給装置10の部品取出部13との間の途中には部品カメラ70が配置され、部品移載装置の部品吸着ヘッドが部品取出部13から電子部品Pを取出し、一旦部品カメラ70上を経由して、基板搬送装置40により目標位置に停止されたプリント基板PB(以下、基板PBという。)上に装着する。部品カメラ70は部品移載装置の吸着ヘッドに対する部品の装着ズレを検出し、この装着ズレ情報を勘案して基板PB上の実装座標系が部品実装装置の座標系に変換される。
【0003】
基板搬送装置40に投入される基板PBは、前端縁がストッパ100に当接して位置決めされる。基板搬送装置40により目標位置に投入された基板PBは各種のものがあり、それらの長さ(搬送方向の寸法)は大小まちまちである。ストッパ100の設置位置は、通常、最長の基板PB001の後端が基板搬送装置40からはみ出さないように基板PB001の前端縁に係合する位置、つまり基板搬送装置40の搬送方向の前端部に設定される。特開平10−200299号公報は、上述したストッパを用いて基板を実装作業位置である目標位置に停止する形式の部品実装機を開示している。この公知の部品実装機では、ストッパにより停止される基板上の基準マークを基板カメラが認識して基板の位置ズレ量を読取り、部品吸着ヘッドを移動させて部品を基板PB上に実装するために部品移載装置に出力する実装指令位置を補正するようにしている。
【0004】
また、最近の部品実装機では、基板搬送装置が、長さの異なる大小様々な長方形の基板のみならず、基板の前端縁などが凸凹形状になった所謂異型基板、基板両面に部品を高い実装密度で実装する基板などを部品実装に適した目標位置に正確に停止することができて多品種混流生産に対応できることが要求されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−200299号公報(第4,5頁、図1)
【0006】
【発明が解決すべき課題】
従来の部品実装機においては、基板搬送装置40上で基板PBを位置決めするストッパ100が基板搬送装置40の前端部の所定位置に設置されるので、最大長さの基板PB001は長さ方向の中央が基板搬送装置40の搬送方向中央とほぼ一致して位置決めされるが、長さの短い基板PB002、PB003は、基板搬送装置40の搬送方向前方部に偏って位置決めされる。このため、例えばPB003のような長さの短い基板の実装作業は、部品カメラ70から比較的距離が長くなる基板搬送装置40の搬送方向の前部で行われることとなる。この結果、部品供給装置から部品カメラ70を経て部品装着位置に至る部品移送距離が長くなり、部品装着作業の能率が低下されていた。
【0007】
また、例えば図9に例示するような搬送方向の前端縁が凸凹する異型基板の場合では、基板の搬送方向と直交する幅方向におけるストッパ100の設置位置が不適切となり、前端縁の凹部にストッパが当接するとき、凸部が基板搬送装置40の前端部から搬出コンベア96側へはみ出してしまうこととなる。この不具合を解消するため、異型基板の前端縁の凸凹に応じて、凸部と整合するようにストッパを搬送方向と直交する方向に位置調整或いは変更する機構が必要となり、実装機の構成を一層複雑にし、コストアップの原因となる。
【0008】
一般に、基板搬送装置により目標位置に投入された基板は、部品移載装置による部品実装時の押え込みによるたわみを防止するためにバックアップピンにより下側から支持される。近年の実装密度が高い基板PBでは、実装済みの一方面を下側にして他方面に実装する場合、バックアップピンで支持できる領域が非常に小さくなる。このためバックアップピンが実装済み部品と干渉しないようにするために、基板を目標位置に正確に停止させることが望まれている。
【0009】
本発明は、係る従来の不具合を解消するためになされたもので、各基板を基板形状に拘わりなく基板の種類に固有の目標位置に簡単な構成で容易に正確に停止できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、基板を搬送経路での目標位置に搬送する基板搬送装置において、前記基板が前記搬送経路の基準位置に搬入されたことを基板センサが検出した後、この搬入された基板の種類に応じた固有移動距離だけ前記基板を前記基準位置からさらに搬送して前記目標位置に停止し、この目標位置に停止された前記基板の基準マークを基板カメラで読取って前記目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求めることである。
【0011】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記基板カメラの視野内に前記基準マークが入らない場合、前記基板カメラを搬送方向に所定距離移動して前記基準マークを読取ることである。
【0012】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2において、前記固有移動距離は、前記基板の主要箇所情報および前記搬送経路上の整列位置情報に基づいて演算されるか、または固有移動距離情報として与えられることである。
【0013】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記搬送経路に隣接して部品移載装置および部品供給装置を配置し、前記部品移載装置が前記部品供給装置から部品を採取して前記目標位置に停止された基板上に実装することである。
【0014】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、前記目標位置は、前記部品移載装置が前記部品を前記基板上に実装するのに適した位置であり、前記基板の主要箇所である主実装箇所の中央部が、前記基板搬送装置の搬送方向中央部と一致する位置、前記部品供給装置の主使用部と搬送方向で一致する位置、及び前記部品移載装置により採取された部品を撮像する部品カメラと搬送方向で一致する位置のいずれかの位置であることである。
【0015】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、基板搬送装置が基板を搬送経路での目標位置に搬送して停止し、基板カメラが前記目標位置に停止された前記基板の基準マークを読取って前記目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める基板停止位置制御方法において、前記基板カメラの視野内に前記基準マークが入らない場合、前記基板カメラを搬送方向に所定距離移動して前記基準マークを読取ることである。
【0016】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記位置ズレ量が許容値以上の場合、前記基板を前記基板搬送装置により前記位置ズレ量に応じて修正移動することである。
【0017】
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記基板に設けられた前記基準マーク以外の他の読取り箇所を読取るために前記基板カメラを該他の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、該他の読取り箇所の座標位置を前記位置ズレ量に応じて位置補正することである。
【0018】
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記基板と同一種類の基板を前記基板搬送装置により前記目標位置に搬送して停止するとき、前記基板搬送装置の制御装置の基板搬送パラメータを前記位置ズレ量に基づいて変更することである。
【0019】
請求項10に係る発明の構成上の特徴は、請求項9において、前記基板搬送パラメータは、前記固有移動距離を前記位置ズレ量に基づいてオフセットするためのオフセット値、搬送速度、加減速パラメータ、前記基板搬送装置を駆動するモータの制動距離、および前記基準位置データの少なくとも一つであることである。
【0020】
請求項11に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至10のいずれかに記載の基板停止位置制御方法が、前記基板搬送装置に搬送される基板の種類切替え後の最初の基板について実行されることである。
【0021】
請求項12に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至10のいずれかに記載の基板停止位置制御方法が、前記基板搬送装置の制御装置に専用コマンドで指令することにより、自動生産とは別に前記基板搬送装置に基板を流して実行できることである。
【0022】
請求項13に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、前記基板搬送装置により搬送される同一種類の基板について、前記位置ズレ量を統計処理して前記基板搬送パラメータを変更することである。
【0023】
請求項14に係る発明の構成上の特徴は、基板を搬送経路の目標位置に搬送する基板搬送装置において、前記搬送経路に搬入される基板に関する基板情報を記憶する記憶手段と、前記搬送経路の基準位置に前記基板が搬入されたことを検出する基板センサと、この搬入された基板の種類に応じた固有移動距離を前記基板情報に基づいて求める手段と、この固有移動距離だけ前記基板を前記基準位置からさらに搬送して前記目標位置に停止する手段と、この目標位置に停止された前記基板の基準マークを読取る基板カメラと、この基板カメラに読取られた基準マークの位置から前記目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める手段とを設けたことである。
【0024】
請求項15に係る発明の構成上の特徴は、請求項14において、前記基板カメラの視野内に前記基準マークが入らない場合、前記基板カメラを搬送方向に所定距離移動する手段と、この所定距離移動した位置で前記基準マークを読取る手段を設けたことである。
【0025】
請求項16に係る発明の構成上の特徴は、請求項14または15において、前記搬送経路に隣接して配置された部品供給装置と、この部品供給装置から部品を採取して前記目標位置に停止された基板上に実装する部品移載装置とを設けたことである。
【0026】
請求項17に係る発明の構成上の特徴は、請求項14乃至16のいずれかにおいて、前記基板に設けられた前記基準マーク以外の他の読取り箇所を読取るために前記基板カメラを該他の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、該他の読取り箇所の座標位置を前記位置ズレ量に応じて位置補正する手段を設けたことである。
【0027】
【発明の作用および効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、搬送経路の基準位置に基板が搬入されたことを基板センサが検出した後、この基板の種類に応じた固有移動距離だけ基板をさらに搬送して目標位置に停止する。目標位置に停止された基板の基準マークを基板カメラで読取って目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める。これにより、基板を基板形状に拘わりなく基板の種類に固有の目標位置に簡単な構成で停止し、目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を容易に検出することができる。
【0028】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、基板カメラの視野内に基板の基準マークが入らない場合、基板カメラを搬送方向に所定距離移動して基準マークを読取るようにしたので、基板の停止位置が目標位置に対して基板カメラの視野以上にズレた場合でも、目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を検出することができる。
【0029】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、基板を基板センサが検出した後さらに搬送する固有移動距離を、基板の主要箇所情報および搬送経路上の整列位置情報に基づいて演算するので、各基板の主要箇所が基板の種類に応じて所望整列位置に一致するように各基板を搬送経路上で停止させる目標位置を融通性を高くしてソフト上で容易にセットすることができる。また、事前に計算して固有移動距離として容易にセットすることもできる。
【0030】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、搬送経路に隣接して部品移載装置および部品供給装置を配置する。部品移載装置は部品供給装置から部品を採取して目標位置に停止された基板上に実装する。これにより、部品実装装置において、基板を部品実装に適した目標位置に容易に停止することができる。
【0031】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、基板の主実装箇所中央部が、基板搬送装置の搬送方向中央部、部品供給装置の主使用部、及び部品カメラのいずれかと搬送方向で一致する位置に基板を停止するので、部品移載装置が部品を実装するのに適した位置に各基板を容易に停止することができる。
【0032】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、基板搬送装置が基板を搬送経路での目標位置に搬送して停止する。基板カメラが目標位置に停止された基板の基準マークを読取って目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める。基板カメラの視野内に基準マークが入らない場合、基板カメラを搬送方向に所定距離移動して基準マークを読取るので、基板の停止位置が目標位置に対して基板カメラの視野以上にズレた場合でも、目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を検出することができる。
【0033】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、位置ズレ量が許容値以上の場合、基板を基板搬送装置により位置ズレ量に応じて修正移動するので、基板を目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を許容値以内にして停止することができる。これにより、実装密度の高い基板においてもバックアップピンが実装済み部品と干渉することを防止できる。
【0034】
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、基板に設けられた基準マーク以外の他の読取り箇所を読取るために基板カメラを他の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、他の読取り箇所の座標位置を目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量に応じて位置補正するので、読取り箇所を間違いなく迅速に読取ることができる。
【0035】
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、先に搬送した基板と同一種類の基板を基板搬送装置により目標位置に搬送して停止するとき、基板搬送装置の制御装置の基板搬送パラメータを目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量に基づいて変更するので、先に搬送した基板と同一種類の基板を目標位置に正確に停止することができる。
【0036】
上記のように構成した請求項10に係る発明においては、先に搬送した基板と同一種類の基板を基板搬送装置により目標位置に搬送して停止するとき、基板を基準位置からさらに搬送する固有移動距離、搬送速度、加減速パラメータ、基板搬送装置を駆動するモータの制動距離、および基準位置データの少なくとも一つを目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量に基づいて変更するので、先に搬送した基板と同一種類の基板を目標位置に正確に停止することができる。
【0037】
上記のように構成した請求項11に係る発明においては、上述の基板停止位置制御方法を基板搬送装置に搬送される基板の種類切替え後の最初の基板について実行するので、種類切替え後の基板を基板搬送装置により目標位置に正確に停止させることができる。
【0038】
上記のように構成した請求項12に係る発明においては、上述の基板停止位置制御方法を基板搬送装置の制御装置に専用コマンドで指令して、自動生産とは別に基板を流して実行できるので、自動生産中に基板の停止精度が悪くなったような場合、必要に応じて基板の目標位置に対する停止位置の位置ズレ量を求めて調整することができる。
【0039】
上記のように構成した請求項13に係る発明においては、基板搬送装置により搬送される同一種類の基板について、基板の目標位置に対する停止位置の位置ズレ量を統計処理して基板搬送装置の制御装置の基板搬送パラメータを変更するので、基板の停止位置を高信頼性で安定して調整することができる。
【0040】
上記のように構成した請求項14に係る発明においては、基板を搬送経路での目標位置に搬送する基板搬送装置において、搬送経路に搬入される基板に関する基板情報を記憶手段に記憶する。搬送経路の基準位置に前記基板が搬入されたことを基板センサが検出した後、基板の種類に基づいて出力される固有移動距離だけ基板をさらに搬送して目標位置に停止する。この目標位置に停止された基板の基準マークを基板カメラで読取る。この基板カメラに読取られた基準マークの位置から目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める。これにより、基板を基板形状に拘わりなく基板の種類に固有の目標位置に停止し、目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を容易に検出することができる構造が簡単で安価な基板停止位置制御装置を提供することができる。
【0041】
上記のように構成した請求項15に係る発明においては、基板カメラの視野内に基準マークが入らない場合、基板カメラを搬送方向に所定距離移動し、この所定距離移動した位置で基準マークを読取るようにしたので、基板の停止位置が目標位置に対して基板カメラの視野以上にズレた場合でも、目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を迅速に検出可能な基板停止位置制御装置を提供することができる。
【0042】
上記のように構成した請求項16に係る発明においては、搬送経路に隣接して配置された部品移載装置が、部品供給装置から部品を採取して目標位置に停止された基板上に実装する実装装置において、基板を部品実装に適した搬送経路上の目標位置に容易に停止することができる。
【0043】
上記のように構成した請求項17に係る発明においては、基板に設けられた基準マーク以外の他の読取り箇所を読取るために、基板カメラを他の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、他の読取り箇所の座標位置を目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量に応じて位置補正するので、読取り箇所を間違いなく迅速に読取り可能な基板停止位置制御装置を提供することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る基板停止位置制御方法及び装置を部品実装機に適用した実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。図1は部品実装機の概略斜視図であり、この実装機は、部品を供給する部品供給装置10と、部品供給装置10より供給される部品Pを取り出し配線パターンが形成された基板PBに実装する部品移載装置としての実装ヘッド装置20と、基板PBを搬送経路40aに沿って搬送して目標位置に位置決めする基板搬送装置40を主たる構成要素とする。
【0045】
部品供給装置10は、複数列の部品供給リール11を支承する本体12と、本体12の先端に設けた部品取出部13からなる。部品供給リール11は、部品Pが所定ピッチで封入されたテープ(図示せず)を巻回保持する。このテープは、スプロケット(図示せず)により上記所定ピッチ毎に引き出されてテープガイド機構13aの多数のガイドスロットに沿って送られ、部品Pの封入が解除されて部品Pが部品取出部13に順次送り込まれる。
【0046】
実装ヘッド装置20は、実装ヘッド30を水平なX−Y平面で移動させる走行駆動系と、ノズルを上下のZ軸方向に移動させる上下駆動機構を備えている。走行駆動系の水平なY軸方向に移動する移動台24が、部品供給装置10と基板搬送装置40の上方で機枠15の天井部15aに取り付けられた一対のY軸方向レール21に摺動可能に装架され、ボールねじ22及びナット22aを介しサーボモータ23によりY軸方向に移動される。Y軸方向レール21と直角で水平方向に延在する一対のX軸方向レール28が設けられた筐体25が移動台24の下面に固定されている。実装ヘッド30のヘッド本体33が、X軸方向レール28に摺動可能に装架され、筐体25に回転可能に軸承されたボールねじ26を介してサーボモータ27によりX軸方向に移動される。
【0047】
実装ヘッド30は、円筒状のノズルホルダ31がヘッド本体33に垂直軸線回りに回転可能に装架され、サーボモータ37により割出し回転される。ノズルホルダ31には、複数のスピンドル32が垂直軸線を中心とする円周上に等ピヅチ間隔でZ軸方向に往復動可能に支承され、通常は図略の圧縮スプリングのばね力により上昇端に付勢されている。各スピンドル32の下端には、ノズルNが取り付けられている。ヘッド本体33には、昇降レバー36がZ軸方向に移動可能に装架され、昇降レバー36はボールねじ35を介してサーボモータ34により昇降される。ノズルホルダ31の回転により昇降レバー36の下方に割り出されてこれと係合したスピンドル32は、サーボモータ34により昇降レバー36を介してZ軸方向に昇降される。
【0048】
基板搬送装置40を図1のA−A線矢視方向に沿って破断した図2及び図2のB−B線矢視方向に沿って破断した図3に示すように、基板搬送装置40は、搬送方向正面から観て左右一対の基台41上に基板PBの幅(基板PBの搬送方向と直交する方向の長さ)に対応して配設されて前記搬送経路40aを構成する一対のガイドレール42、43と、ガイドレール42、43に沿って直下に設けられベルトガイド44、45により案内される断面凸形の一対のエンドレスのコンベアベルト46、47と、該コンベアベルト46、47によって目標位置まで搬送された基板PBを位置決めクランプするクランプ装置50より構成されている。コンベアベルト46、47にはタイミングベルトを使用し、駆動プーリ64、前後一対の搬送ガイドプーリ61及び方向変換プーリ63は、タイミングプーリとするのがよい。
【0049】
このクランプ装置50は、搬送する複数種の基板に対応して適宜配置される複数の支持ピン51が立設した上下動する台座52を有する。基板PBがレール42、43でガイドされつつコンベアベルト46、47により実装位置に搬入されると、複数のパイロットバー53により案内された台座52が流体圧シリンダ54により駆動されて上昇し、支持ピン51にて基板PBを上方に押し上げてガイドレール42、43に設けた係合凸部42a、43aとの間でクランプする。基板PBの搬出は台座52を下降して基板PBをコンベアベルト46、47上に載せて行なわれる。
【0050】
左右のエンドレスのコンベアベルト46、47は、図2に示すように、前後一対の搬送ガイドプーリ61、前後一対の戻しプーリ62、方向変換プーリ63、駆動プーリ64、及びテンション付与プーリ65間に巻装されている。駆動プーリ64は、スプライン軸66と一体回転されるように支持され、スプライン軸66はパルスモータ67と結合されて回転駆動される。
【0051】
ガイドレール42には、図3に示すように、基板PBの搬送方向の前端縁を検出する基板センサ68が基板PBの一側面向けて取り付けられている。この基板センサ68は基板PBの一側面に対向してないときは「OFF」信号を、また一側面と対向するときは「ON」信号を出力するON−OFF動作形のものである。この基板センサ68の搬送方向における取付位置は、基板搬送装置40の中央位置よりも少し上流側に寄った位置である。基板センサ68による検出位置が基板PBの搬送経路40a上の最適な実装作業位置である目標位置への搬送動作制御の基準位置となる。
【0052】
本実施の形態では、搬送方向に長さが異なる複数種類の基板PBが選択的に基板搬送装置40内へ搬入され、実装ヘッド装置20により部品Pが実装される。図4に概略図示するように、複数種類の各基板PBは、その搬送方向の任意な部位、好ましくは、多数の部品が装着される主実装箇所の中央部が指定部位Bjとして基板前端縁からの3桁の数字(nnn)で指定される。通常、この指定部位Bjと基板の搬送方向中央Bmとはほぼ一致するが、基板によっては主実装箇所が基板の搬送方向の前方側或いは後方側に偏奇しており、このような基板の主実装箇所の中央部を任意に特定するために前記指定部位Bjが指定される。
【0053】
そして、基板PBは、基板上の整列部位である中央Bm又は任意の指定部位Bjが搬送経路40a上の整列位置に整列するように目標位置に位置決め決め停止される。ここで、整列位置とは、部品移載装置としての実装ヘッド装置20が各種の電子部品Pを搬送経路40a上の基板PB上に実装するのに適した位置である。具体的には、搬送方向において搬送経路上で基板センサ68と整列する基板センサ整列位置P0、部品カメラ70と整列する部品カメラ整列位置P1、基板搬送装置40の搬送方向中央部と整列する基板搬送装置中央位置P2、或いは部品供給装置の主使用部、つまり部品取出部13のうちで取出頻度の多い部品を収納している部位と整列する位置P3である。
【0054】
再び図1において、符号39は実装ヘッド30のヘッド本体33に取り付けられた基板カメラを示し、このカメラ39は、実装位置にクランプされた基板PBに形成された第1、第2基準マークMK1,Mk2を撮像し、基板PBのクランプ位置の位置ズレ、角度ズレをモニタする。また、前述した部品カメラ70は、部品取出部13と基板搬送装置40との間で機枠15に固定設置され、実装ヘッド30のノズルNに吸着された部品Pのノズルに対する位置ズレ、角度ズレをモニタする。
【0055】
図5は、上記のように構成される部品実装機の制御装置の構成を示すブロック図である。この制御装置は中央処理装置CPUにROMとRAMがデータバスにより接続された演算処理部71を含む。この処理部71に、テンキー等の入力装置72、デスプレイ等の表示装置73、記憶装置74、図略のホストコンピュータに接続された通信装置75、サーボモータ23、27を駆動するXY軸駆動装置77、サーボモータ34、37を駆動するZ軸駆動装置78、ノズルNを開閉するノズル駆動装置79、基板カメラ39及び部品カメラ70からのカメラデータを受け入れるカメラインターフェース80が接続されている。さらに、演算処理部71には、基板センサ68からの検出信号が入力されるセンサインターフェース81と、前記パルスモータ67を制御して基板搬送装置40上における各種基板PBの停止位置を制御する基板搬送駆動装置82と、前記クランプ装置50の流体圧シリンダ54のようなアクチエータを制御するアクチエータ制御装置83が接続されている。
【0056】
XY軸駆動装置77は、サーボモータ23、27を駆動して前述したヘッド本体33をX軸方向及びY軸方向に沿って移動させ、ノズルNを部品取出部13から基板PB上の多数の指令箇所まで搬送する。Z軸駆動装置78は、サーボモータ37を駆動してノズルホルダ31をR軸回りに回転させ、吸着する部品Pに対応するノズルNが取り付けられたスピンドル32をレバー36と対向させ、サーボモータ34を駆動してスピンドル32をばね力に抗して下降させ、ノズルNを先端が部品背面位置に極めて接近するまで下降させる。ノズル駆動装置79は、切換弁を切り換えてノズルNに負圧を選択的に供給及び遮断し、ノズルNに部品Pを吸着又は離脱させる。基板搬送駆動装置81は、パルスモータ67を駆動制御してベルトコンベア46、47を駆動することにより基板PBを実装位置に搬入すると共にここから搬出し、またアクチエータ制御装置83は流体圧シリンダ54を制御して台座52を昇降させ、基板PBをクランプ又はアンクランプする。
【0057】
実装データは、複数の基板ID毎の実装部品の種類、部品の装着位置及び部品毎の適合ノズル情報からなる。このデータは、部品の実装順番を設定する基礎データであり、予めホストコンピュータから演算処理部71に送られ、記憶装置74に記憶される。基板カメラ39により得られる基板PBの位置ズレ、角度ズレデータは、基板PBに対する部品Pの実装位置を示すために基板PBに対応して設定された基板座標系を部品実装機の機械座標系に変換する座標変換のデータとして使用される。部品カメラ70から得られる部品PのノズルNに対する位置ズレ、角度ズレデータは、装着位置データを補正するのに使用される。ROMには、部品実装順序設定プログラムなどが登録されている。
【0058】
図6は、図5の記憶装置74内に形成される基板情報テーブルBDTであり、このテーブルBDTは、基板Sの種別番号PB001〜PBn毎に、基板長(L)と、演算幅(K)と、基板PB上の整列部位B(Bm/Bj)、搬送経路上の整列位置(P0〜P3)及びその基板PBに対し実装ヘッド装置20が実行すべき実装プログラムの番号PR001〜PRnを記憶する。これら情報は、予め図略のホストコンピュータから転送されるか、或いは入力装置72を用いて入力される。基板長(L)、演算幅(K)及び基板PB上の整列部位(Bm/Bj)は、長さの異なる各種の基板PBを搬送経路40a上の整列位置(P0〜P3)の選択された1つの位置に整列させるために使用する情報である。さらに、テーブルBDTには、識別フラッグFLGが設けられ、対応する基板PBについての実装作業がホストコンピュータから指示されるか、或いは入力装置72により予め設定された生産スケジュールに従って逐次指示されるとき、対応フラッグFLGに論理値「1」が記憶されるようになっている。
【0059】
図7は、図5に示す制御装置により制御される基板実装機40の動作の概略を示す動作説明図で、同図を参照して以下に上記構成の実施形態の動作を説明する。 今、図8(a)に2点鎖線で示すように、種別番号PB001の基板が基板搬送装置40の入口側に設置した搬入コンベア装置90の一対のガイドレール92、93に案内されて待機しているものと仮定する。この待機位置で適宜識別センサ(例えば、バーコード読取器)94により基板PBの種類の識別が行われる。このような状況において、動作指令が与えられると、図7の処理が開始され、ステップS1において実装動作の対象となる基板PBが識別され、識別された基板PBの種別、この場合、基板情報テーブルBDTのPB001の識別フラッグに「1」がセットされる。
【0060】
続くステップS2においては、前記基板センサ68による前端縁の検出位置(基準位置)からさらに基板PBが前進すべき固有移動距離Xnが演算される。このステップは移動距離演算手段を構成する。ここで、固有移動距離Xnの演算は、基板上の中央Bm或いは指定部位Bjである整列部位を搬送経路40a上の整列位置P0〜P3のいずれに整列させるかによって異なるが、この演算は、図6に示す基板情報テーブルBDTに記憶されたデータに基づいて後述するように実行される。
【0061】
ステップS2において搬送基準位置P0からの固有移動距離Xnが演算された後、ステップS3が実行され、制御装置の演算処理部71は、基板搬送駆動装置82に搬送動作指令を与え、搬入コンベア装置90および基板搬送装置40のパルスモータ67を同期駆動して基板PBを基板搬送装置40内に搬入させる。この場合、演算処理部71は、この搬送動作指令の投与の間中、センサインターフェース81が基板センサ68の「ON」動作信号を受領したかどうかの監視を微小時間インターバルで行う。そして、センサインターフェース81が基板センサ68から「ON」動作信号を受領した瞬間において、演算処理部71はそれ以降の目標移動量をステップS2において演算した固有移動距離Xnに設定し、基板搬送駆動装置82に対し基板PBの前端縁が基板センサ68と整合した位置P0を基準としてこの基準位置から固有移動距離Xnだけ基板PBを前進させるように制御を行う。
【0062】
この固有移動距離Xnの移動制御中において、ステップS4の実行が開始され、演算処理部71は、固有移動距離Xnを時々刻々と減算し、そしてこの固有移動距離Xnの残値が所定数に達すると基板搬送駆動装置82に公知の減速パターンに従う減速制御を実行させ、基板PBが基準位置から固有移動距離Xn進んだ目標位置へ基板PBを円滑に停止させる。
【0063】
基板PBが停止されると、ステップS5が実行される。ヘッド本体33は、X−Y平面で移動して、基板PBに穿設された第1基準マークを基板カメラ39が捕捉する第1基準マーク検出位置に移動する。この第1基準マーク検出位置は、基板PBの種類と搬送経路40a上で停止される停止位置P0〜P3に応じて演算処理部71により自動決定され、XY軸駆動装置77に対し指定される。
【0064】
つまり、基板PBの搬送方向前端縁のコーナーに対する第1基準マークMK1の位置が基板PBの種類毎に予め記憶装置74に記憶されており、この第1基準マークMK1位置情報と基板情報テーブルBDTに指定された整列部位・整列位置情報(Bm/Bj,P0〜P3)に基づいて演算処理部71は停止された基板PB上の第1基準マークMK1の機械座標系のX−Y平面における位置を特定でき、この特定した位置の真上に基板カメラ39を割り出すように制御動作する。これにより、この第1基準マークMK1の位置情報がカメラインターフェース80に入力され、基板PBの実装プログラムを作成する上で想定された基板PBの目標位置に対する実際に基板PBが位置決めされた基板停止位置の位置ズレ量が検出される。 続きステップS6においては、検出された位置ズレ量が許容値である所定の閾値と大小比較され、この位置ズレ量は、閾値以内のとき、基板PBに対する部品Pの実装位置を示すために基板PBに対応して設定された基板座標系を部品実装機の機械座標系に変換する座標変換のデータとして使用される。
【0065】
これに対し、位置ズレ量が前記閾値を超えるときは、演算処理装置71からこの位置ズレを補正する指令が基板搬送駆動装置82に与えられ、パルスモータ67を再び駆動してコンベアベルト46、47を移動し、搬送経路40aに対する基板PBの位置を前記位置ズレ量分だけ位置補正するのである。つまり、小さな位置ズレ量のときは、基板座標系を部品実装機の機械座標系に変換する際にこの位置ズレ量と後述する第2基準マークMK2の位置ズレ量とから補正を加えて対処し、一方大きな位置ズレ量のときは、基板PBを基板搬送装置40により位置ズレ量だけ移動した後に、再度基板カメラ39で第1基準マークMK1を読取って位置ズレ量を検出する。
【0066】
このようにして位置補正を完了すると、ステップS7において、演算処理部71はアクチエータ制御回路83に指令を与え、クランプ装置50の流体圧シリンダ54を動作させて台座52を上昇し、基板PBを図3の鎖線で示すクランプ位置に固定する。基板PBのクランプ確認が公知の検出手段により確認されると、部品実装動作が開始される。この実装動作は、基板情報テーブルBDTに指定された実装プログラム、例えば、基板の種類別番号PB001のときはそれに対応して予め作成されたプログラムPR001が特定され、このプログラムPR001が記憶装置74のプログラム記憶領域から読み出されて演算処理部71により1ステップづつ実行される。このような実装プログラムは公知であるので詳細には説明しないが、このプログラムに従って実装ヘッド装置20が動作される。すなわち、ノズルホルダ31がX−Y平面及びZ軸に沿って移動される共に順次旋回割り出しされ、部品取出部13の複数のテープスロットから順次必要な部品Pを次々と吸着する。ノズルヘッド31は、その後部品カメラ70の真上に位置決めされ、各部品PのノズルNに対する位置ズレ、角度ズレが検出される。この検出データは、実装プログラムに定義されている装着位置データを補正するのに使用される。部品カメラ70の位置を経由した後、実装すべき部品Pを吸着したノズルNが装架されたノズルホルダ31は、旋回割り出しと共に基板PB上の複数の装着位置に移動され、複数の部品Pを基板PBに実装していく。このようにしてノズルホルダ31のノズルNに吸着された全ての部品Pの実装が完了すると、ノズルホルダ31は、再び部品取出部13の上方位置へ復帰して複数の部品を吸着し、上述の動作を繰返し実行する。
【0067】
このようにして、基板に対する全ての部品Pの実装動作が実装プログラムに従って完了するとき、ノズルホルダ31は、部品取出部13の上方で部品カメラ70に隣接して設定された原位置へ復帰される。これと共に、クランプ装置50がアンクランプ動作され、パルスモータ67によりコンベアベルト46、47が前進送りされることにより、基板PBを図8(a)に示す搬出コンベア96へ搬出し、基板PBに対する基板搬送装置40上での実装処理を終了するのである。
【0068】
次に、上述したステップ2における固有移動距離Xnの演算処理の詳細について説明する。ここにおいて、説明の便宜上、図8(a)〜(c)に示す長さ(L)が大、中、小の3種類の基板PB001、PB002及びPB003を例にして説明する。図8(a)は、基板PBを部品カメラ70位置P1に整列させる例を示す。この場合、長さの大きな基板PB001上の整列部位を指定する情報として「中央」が基板情報テーブルBDTに指定されるときは、基板センサ整列位置P0(基準位置)に対する部品カメラ整列位置P1のオフセット値Aに基板長L1の半分を加算する式(X1=A+L1/2)を用いて、固有移動距離X1が算出され、基板PB001はその中央Bmを部品カメラ整列位置P1に整列する目標位置で停止される。基板PB001上の指定部位Bjを部品カメラ整合位置P1に整合させる場合は、前記オフセット値Aに指定部位Bjの数値情報nnnを加算する式(X1=A+nnn)を用いて固有移動距離X1が算出され、基板PB001は指定部位Bjを部品カメラ整列位置P1に整列する目標位置で停止される。
【0069】
図8(b)及び図8(c)は、基板PBをそれぞれ基板搬送装置40の搬送方向中央位置P2及び部品取出部13の主使用部位置P3に整列させる例を示す。長さが中及び小の基板PB002とPB003を例にした場合は、基板情報テーブルBDTに示すように、整列部位が直接数値情報nnnとして指定され、これにより、基板センサ整列位置P0に対する基板搬送装置40の中央位置P2及び部品取出部13の主使用部位置P3のオフセット値B及びCにこの数値情報nnnを加算する式(X2=B+nnn、X3=C+nnn)を用いて、固有移動距離X2及びX3が算出され、基板PB002及びPB003はその指定部位Bjを基板搬送装置40中央位置P2及び部品取出部13主使用位置P3にそれぞれ整列する目標位置で停止される。なお、固有移動距離Xnの演算式は、Xn=α+Ln/2の形態及びXn=α+nnnの形態に一般化して演算処理部71、例えばROMに予め登録させてある。
【0070】
図9は、上記した実施の形態における別の変形例を示す説明図である。この変形例においては、前端縁が凸凹の異形基板PBであり、基板長Lnに加えて演算幅Knが基板情報テーブルBDTに登録される。この場合、基板PBの中央Bmを基板センサ68整列位置P0に整列して停止させるには、式(Xn=Kn−Ln/2)を用いて固有移動距離Xnを算出する。例えば、Kn=150mm、Ln=200mmであるとき、Xn=50mmとなり、基板センサ68が基板PBの凹部Reの前端縁を検出してから基板PBを50mm前進させた位置で停止する。これにより、前端縁が凸凹の異形基板PBの場合でも、従来装置におけるストッパ100による位置決め方式において凸部が2点鎖線で示すように基板搬送装置40からはみ出る等の不具合を生じさせずに、基板PBの中央Bmを基板センサ68位置P0に整列させて停止させることを可能にしている。勿論、上記演算式に停止位置P0(基準位置)に対する他の停止位置P1〜P3(図4参照)のオフセット値A、B又はCを加算するときは、これら停止位置P1〜P3への整列停止が可能となる。また、上記演算式中の「Ln/2」に代えて、基板PB上の任意な部位Bjを直接指定する数値情報nnnを算入するときは、その部位Bjを停止位置P0〜P3のいずれとも整列させることが可能となる。
【0071】
パルスモータ67の停止制御は、基板センサ68が「ON」動作した時点からの残りの移動距離を計算することで行われる。残りの移動距離は、位置制御可能なパルスモータやサーボモータの場合ではパルス数として指示され、パルス概念の無いモータの場合は、モータの回転速度、加減速距離などから距離を時間に換算し、制動を行うようする。小さい基板では、基板センサ68の「ON」動作時に直ぐに制動をかけても制動距離の関係で本来止めたい位置に基板を停止できない場合がある。この点を考慮して、基板センサ68の設置位置は大きい基板よりも制動距離相当分だけ上流側に移動させて設定するようにしてもよい。なお、上述した実施の形態においては、基板搬送装置40の前端部にストッパを設けることは不要であるが、基板搬送装置40外つまり搬出コンベア96内へのオーバラン対策等の理由でストッパを設けるようにしてもよい。
【0072】
図10は、本実施の形態における基板カメラ39の第1基準マーク探索動作の概略を説明するための説明図である。実装ヘッド30のヘッド本体33と共にXY水平移動する基板カメラ39は、図1に示す待機位置から、X及びY方向に前進して第1基準マーク検出位置へ割り出しされる。前述したように、第1基準マーク検出位置は基板の種類に応じて基板PBの整列部位が搬送経路上の整列位置P0〜P3のいずれか整列するように停止される目標位置に基づいて演算処理部71により自動決定されて指令される。この第1基準マーク検出位置に到達すると、基板カメラ39は、基板BP上に形成された例えば丸穴状の第1基準マークMK1を視野に入れ、この第1基準マークMK1を撮像する。ここで、第1基準マーク検出位置は第1探索位置TF1であり、後述するその他の探索位置と区別される。演算処理部71は、第1探索位置TF1に位置決めされたときに、基板PBに形成された第1基準マークMK1がCCD素子の画面フィールドSF内に存在するか否かを判定すると共に、その第1基準マークMK1が画面フィールドSFの中心軸AXSに対してズレている方向(+方向か−方向か)とズレ量eを検出する。第1基準マークMK1のフィールド中心軸AXSに対するズレの方向±と量eは、例えば、第1基準マークMK1を感知したCCDの画素の明暗階調が他の部分と異なることを検出し、この異なる部分(図例では円)の中心の画素のアドレスを抽出することにより検出できる。
【0073】
もし、第1探索位置TF1で第1基準マークMK1を検出できないときは、基板カメラ39は、この第1基準マークMK1が検出できるまでその探索位置をTF2、TF3、TF4及びTF5とX軸方向(基板搬送方向)に予め設定した距離(U、2U)順次シフトするように動作される。第2及び第3探索位置TF2、TF3は、それぞれ第1探索位置TF1に対し+方向及び−方向(基板搬送方向の前進方向と逆方向)に1画面分シフトさせた位置で、第4及び第5探索位置TF4、TF5は、それぞれ2画面分シフトさせた位置である。そして隣接する画面フィールドは、一部がラップするようにしてある。
【0074】
図11は、演算処理部71が実行する基準マーク探索ルーチンの詳細を示す。このルーチンにより、ステップS501で探索位置指定変数TFが初期値「1」にセットされ、基板カメラ39はステップS502においてこの変数で指定される第1探索位置TF1へ位置決めされ(図10参照)、ステップS503で画面フィールドSF内に第1基準マークMK1が存在するか否かが判定される。ここで「No」のとき、ステップS504で確認される変数TFの数値に依存してこれに対応する探索位置へ順次シフトされるようになる。このシフト位置の歩進指定はステップS506で行われる。そして、最終のシフト位置でも第1基準マークMK1が検出されないときは、位置ズレ量が異常に大きいとしてステップS507で異常が報知され、例えば、実装機の連続運転を停止する等の処置がとられる。
【0075】
例えば図10に示すように、第2探索位置TF2において第1基準マークMK1が基板カメラ39の画面フィールドSF内に確認されるとき、ステップS508において画面軸AXSに対するズレの方向+、−と量eが検出される。そして、ステップS509により第1基準マークMK1を確認したときの基板カメラ39の位置に応じて位置ズレの方向と総量Eが算出される。すなわち、第1探索位置TF1で第1基準マークMK1が検出されるときは、ステップS508で検出した画面内位置ズレの方向+、−と量eがそのまま基板BPの停止位置ズレE=±eとして図12に示す位置ズレ履歴テーブルPHTに記録される。これに対し、基板カメラ39をシフトした位置で第1基準マークMK1が検出されるときは、第1探索位置とシフトされた探索位置との間の位置偏差±U又は±2Uに画面内位置ズレ量±eを加算した値Eが基板BPの位置ズレ量として位置ズレ履歴テーブルPHTに記録される。第1探索位置に対する第2〜4シフト探索位置の位置偏差は、それぞれ+U、−U、+2U、−2Uである。なお、位置ズレ履歴テーブルPHTは、記憶装置74内に形成されたもので、基板の種類別毎にその種類の各基板の位置ズレ量の履歴を登録できるようになっている。
【0076】
このようにして、ステップS5において、搬入した基板BPの目標停止位置に対する位置ズレの方向と量を検出し、その位置ズレ量が許容値を超えるとき、ステップS6において基板BPの停止位置が修正される。そして、基板BPの位置修正が行われた後、前述したように、ステップS7においてクランプ装置50が動作され、基板PBガイドレール42、43の係合凸部42a、43aの下面に押し当てられてクランプされ、基板PBに対する実装作業が前述したように実行されるのである。
【0077】
本発明は、図13に示す別の実施の形態にて実施可能である。この実施形態では、基板実装機は、図7の概略動作説明図を参照して記述された動作に代えて、図13の概略動作説明図のように動作される。この実施形態では、生産すべき基板PBについて種類の切替えの有無に応じて処理が変更される(ステップS1a)。ロット生産において基板の種類が切り替えられるとき、その基板の種類の最初の基板PBについては、図7を参照して説明したステップS1〜S5を行い、基板PBの目標位置に対する実際の基板停止位置の位置ズレ量が求められ、ステップ5aでこの位置ズレ量に応じて基板搬送パラメータが修正される。これに対し、搬入される基板PBがそのロットの最初のものでないことがステップS1aにおいて判定されたときは、ステップS2aで固有移動距離Xnが算出され、最初の基板についての位置ズレ量に応じて変更された基板搬送パラメータが加味され(ステップS2b)、パルスモータ67が駆動されて基板PBが目標位置に搬送される(ステップS3a,S4a)。
【0078】
基板搬送パラメータとは、コンベアベルト46,47を送り制御する際にパルスモータ67を駆動する基板搬送駆動装置82に設定する各種の設定値や基板搬送駆動装置82に対する指令値を演算するために演算処理部71に設定されている種々の設定値としてのパラメータである。具体的には、基板搬送パラメータとして、ステップS2で算出された固有移動距離Xnを前記位置ズレ量に基づいてオフセットする停止オフセット値や、パルスモータ46の動作速度としての搬送速度、加減速パラメータ、制動距離、搬送経路40a上の基準位置データ等々各種のパラメータであり、演算処理部71は一つ又は複数の基板搬送パラメータの設定値を位置ズレ量に応じて変更できるようになっている。種々の大きさの位置ズレ量とこれを減少するこれらパラメータの設定値との関係は、部品実装機の調整作業時に行われるトライアンドエラーにより学習し、事前に確立することができる。
【0079】
基板搬送パラメータの一つである停止オフセット値は、目標位置に対する基板PBの停止位置の位置ズレ量が例えば正方向に3mmであるとき、負方向にこれよりも小さな数値である2.6mmに設定されるように、パルスモータ46の制御系の諸特性を考慮し、検出された位置ズレ量±Eに対し所定の比率(1以下から1を超える範囲内の割合)を乗算して求める。この比率は、基板質量、コンベアベルト材質、パルスモータ特性、制御装置特性、その他制御諸条件特性等々の種々の条件に依存して変更される。設定された停止オフセット値は、ステップS2bにおいて固有移動距離Xnに加算される。これにより、同一ロットの2番目以降の基板については、基板カメラ39による位置ズレ検出動作とそれに続く位置補正動作が省略され、基板PBの位置決め時間が短縮される。
【0080】
上記実施の形態では、生産すべき基板PBについて種類の切替えがあった場合、最初の基板のみについて目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求めたが、種類の切替え後、適当数の基板について基板カメラ39により位置ズレ量を検出して平均値を算出する等の統計処理を行い、位置ズレ量の平均値に基づいて基板搬送パラメータの設定値を変更するようにすると基板PBをより正確に安定して目標位置に停止することができる。また、種類の切替え後、一番目の基板PBの位置ズレ量の1/2を停止オフセット値として固有移動距離Xnに加算して2番目の基板を目標位置に停止し、2番目の基板の位置ズレ量の1/4を停止オフセット値に加算した停止オフセット値を固有移動距離Xnに加算して3番目の基板を目標位置に停止し、3番目の基板の位置ズレ量の1/16を停止オフセット値に加算して停止オフセット値を変更することを繰返し、位置ズレ量が所定値以下になった以降の基板については基板カメラ39による位置ズレ量の検出を行わないで、基板センサ68が基板PBを検出してから固有移動距離Xnにそのときの停止オフセット値を加算した値だけ基板PBを搬送して目標位置に停止するようにしてもよい。
【0081】
上述した基板PBの位置ズレ量検出動作は、基板PBへの電子部品の実装作業を行う自動生産において基板の種類を切替えた時などに自動的に実行されるが、基板カメラ39による位置ズレ量の検出を行わない状態で基板の搬送、実装動作が行われているときに、位置ズレ量が大きくなって位置ズレ量の検出が必要になった場合など、自動生産での指令とは別の基板搬送テスト用の専用コマンドを作業者が入力装置72から入力することにより、基板搬送装置40の搬送動作及び基板カメラ39による位置ズレの検出動作が実行されるようにしてもよい。
【0082】
図14に示す実施の形態では、基板PBに設けられた第1基準マークMK1以外の他の読取り箇所、例えば第2基準マークMK2を読取るために基板カメラ39を第2基準マークMK2の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、第2基準マークMK2の読取り箇所の座標位置が、基板カメラ39により第1基準マークMK1を撮像して検出した位置ズレ量に応じて位置補正される。第1及び第2基準マークMK1とMKが点線図示の位置決め目標位置に対し位置ズレ+E1、+E2を持って実線図示の姿勢で停止されたと仮定する。この場合、基板カメラ39は、最初、実線で示す第1探索位置TF1へ位置決めされるが、画面フィールドSF内に基準マークMK1を検出することができない。このため、基板カメラ39は、破線で示す第2探索位置(図9のTF2)までX方向に前進され、この位置で画面フィールドSF内に第1基準マークMK1を検出する。図14に例示する場合では、画面中心軸AXSに対し第1基準マークMK1は−e1のズレ量を持つので、第1基準マークMK1の目標停止位置に対する位置ズレ量+E1は、U+(−e1)として算出される。
【0083】
続いて、第2基準マークMK2の探索が行われる。この場合、基板カメラ39は、画面中心軸AXSが目標位置に正確に位置決めされた基板PB上の第2基準マークMK2の中心と一致する位置に対して第1基準マークMK1の位置ズレ量+E1だけX方向にシフトして第2基準マーク検出位置に位置決めされる。これにより、基板カメラ39を第2基準マーク検出位置に位置決めするだけで第2基準マークMK2は基板カメラ39の視野内に入り、第2基準マークMK2の読取り時間を短縮することができる。基板カメラ39に撮像された第2基準マークMK2が画面フィールドの中心軸AXSに対し−e2だけズレていたとすると、第2基準マークMK2のX方向の位置ズレ量は、−e2に基板カメラ39をX方向に位置補正した第1基準マークMK2のズレ量+E1を加算した(−e2+E1)となる。
【0084】
上記した実施の形態においては、コンベアベルト46、47を周回運動する駆動手段としてパルスモータ67を使用したが、回転エンコーダ付のサーボモータに代用してもよい。この場合、図7のステップ5における固有移動距離Xnの前進送りの制御は、前記回転エンコーダの出力によりコンベアベルト46、47の送り量を検出し、実際の送り量が目標送り量である前記固有移動距離Xnに一致する時、サーボモータを停止するように制御される。勿論、目標送り量に対し実際の送り位置が接近するとき、減速制御が行われる。
【0085】
また、基板PBが搬送経路の基準位置に搬入されたことを検出するために、搬送装置40のガイドレール42に基板PBの搬送方向の前端縁を検出する基板センサ68を基板PBの一側面向けて取り付けているが、基板PBを搬入するとき基板カメラ39が基準位置に対向するようにヘッド本体33をサーボモータ23,27によりX,Y軸方向に位置決めし、基板PBが基準位置に搬入されたことを基板カメラ39で捉えた基板画像から検出するようにしてもよい。その後にヘッド本体33は基板カメラ39が第1基準マークを捕捉する第1基準マーク検出位置に移動される。基板カメラに基板センサの機能をも行わせることにより、コスト低減とともに、基板形状、サイズに応じて基板センサの位置をX,Y軸方向に任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施形態の基板停止位置制御方法および装置が適用される部品実装機の全体構成を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線矢視方向に破断した基板搬送装置の縦断面図。
【図3】図2のB−B線矢視方向に破断した基板搬送装置の要部断面図。
【図4】基板の整列部位と搬送経路の整列位置との位置関係を示す説明図。
【図5】図1に示す部品実装機の制御装置の構成を示すブロック線図。
【図6】基板情報テーブルを説明するための説明図。
【図7】基板搬送制御動作の概略を示すフロー図。
【図8】(a)、(b)及び(c)は搬送方向の長さが大、中、小の基板を基板搬送装置上に位置決め制御するための動作を説明する説明図。
【図9】基板搬送装置上に投入される異型基板の例を示す説明図。
【図10】基板カメラが実行する基準マーク探索動作及び基板カメラの画面フィールドを説明するための説明図。
【図11】基板カメラによる基準マーク探索動作及び位置ズレ演算処理の制御ルーチンを示すフロー図。
【図12】位置ズレ履歴テーブルを説明するための説明図。
【図13】他の実施の形態における基板搬送制御動作の概略を示すフロー図。
【図14】第1及び第2基準マークを基板カメラが探索する動作を説明する説明図。
【図15】従来の基板搬送装置上に位置決めされた大、中、小の長さの基板上に電子部品を実装する際の部品移載装置の搬送経路を説明するための説明図。
【符号の説明】
10…部品供給装置、13…部品取出部、P…電子部品、20…実装ヘッド装置(部品移載装置)、30…実装ヘッド、39…基板カメラ、PB…基板、40…基板搬送装置、40a…搬送経路、42,43…ガイドレール、68…基板センサ、70…部品カメラ、BDT…基板情報テーブル(記憶手段)、71…演算処理部、74…記憶装置、67… パルスモータ、46、47…コンベアベルト、50…クランプ装置、90…搬入コンベア、94…バーコード読取器、96…搬出コンベア、MK1,MK2…第1、第2基準マーク、TF1〜TF5…探索位置、SF…画面フィールド、A、B、C…オフセット値、E…位置ズレ量、PHT…位置ズレ履歴テーブル。
Claims (17)
- 基板を搬送経路での目標位置に搬送する基板搬送装置において、前記基板が前記搬送経路の基準位置に搬入されたことを基板センサが検出した後、この搬入された基板の種類に応じた固有移動距離だけ前記基板を前記基準位置からさらに搬送して前記目標位置に停止し、この目標位置に停止された前記基板の基準マークを基板カメラで読取って前記目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求めることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1において、前記基板カメラの視野内に前記基準マークが入らない場合、前記基板カメラを搬送方向に所定距離移動して前記基準マークを読取ることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1または2において、前記固有移動距離は、前記基板の主要箇所情報および前記搬送経路上の整列位置情報に基づいて演算されるか、または固有移動距離情報として与えられることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記搬送経路に隣接して部品移載装置および部品供給装置を配置し、前記部品移載装置が前記部品供給装置から部品を採取して前記目標位置に停止された基板上に実装することを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項4において、前記目標位置は、前記部品移載装置が前記部品を前記基板上に実装するのに適した位置であり、前記基板の主要箇所である主実装箇所の中央部が、前記基板搬送装置の搬送方向中央部と一致する位置、前記部品供給装置の主使用部と搬送方向で一致する位置、及び前記部品移載装置により採取された部品を撮像する部品カメラと搬送方向で一致する位置のいずれかの位置であることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 基板搬送装置が基板を搬送経路での目標位置に搬送して停止し、基板カメラが前記目標位置に停止された前記基板の基準マークを読取って前記目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める基板停止位置制御方法において、前記基板カメラの視野内に前記基準マークが入らない場合、前記基板カメラを搬送方向に所定距離移動して前記基準マークを読取ることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記位置ズレ量が許容値以上の場合、前記基板を前記基板搬送装置により前記位置ズレ量に応じて修正移動することを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記基板に設けられた前記基準マーク以外の他の読取り箇所を読取るために前記基板カメラを該他の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、該他の読取り箇所の座標位置を前記位置ズレ量に応じて位置補正することを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記基板と同一種類の基板を前記基板搬送装置により前記目標位置に搬送して停止するとき、前記基板搬送装置の制御装置の基板搬送パラメータを前記位置ズレ量に基づいて変更することを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項9において、前記基板搬送パラメータは、前記固有移動距離を前記位置ズレ量に基づいてオフセットするためのオフセット値、搬送速度、加減速パラメータ、前記基板搬送装置を駆動するモータの制動距離、および前記基準位置データの少なくとも一つであることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の基板停止位置制御方法が、前記基板搬送装置に搬送される基板の種類切替え後の最初の基板について実行されることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の基板停止位置制御方法が、前記基板搬送装置の制御装置に専用コマンドで指令することにより、自動生産とは別に前記基板搬送装置に基板を流して実行できることを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 請求項1乃至10のいずれかにおいて、前記基板搬送装置により搬送される同一種類の基板について、前記位置ズレ量を統計処理して前記基板搬送パラメータを変更することを特徴とする基板停止位置制御方法。
- 基板を搬送経路の目標位置に搬送する基板搬送装置において、前記搬送経路に搬入される基板に関する基板情報を記憶する記憶手段と、前記搬送経路の基準位置に前記基板が搬入されたことを検出する基板センサと、この搬入された基板の種類に応じた固有移動距離を前記基板情報に基づいて求める手段と、この固有移動距離だけ前記基板を前記基準位置からさらに搬送して前記目標位置に停止する手段と、この目標位置に停止された前記基板の基準マークを読取る基板カメラと、この基板カメラに読取られた基準マークの位置から前記目標位置に対する基板停止位置の位置ズレ量を求める手段とを設けたことを特徴とする基板停止位置制御装置。
- 請求項14において、前記基板カメラの視野内に前記基準マークが入らない場合、前記基板カメラを搬送方向に所定距離移動する手段と、この所定距離移動した位置で前記基準マークを読取る手段を設けたことを特徴とする基板停止位置制御装置。
- 請求項14または15において、前記搬送経路に隣接して配置された部品供給装置と、この部品供給装置から部品を採取して前記目標位置に停止された基板上に実装する部品移載装置とを設けたことを特徴とする基板停止位置制御装置。
- 請求項14乃至16のいずれかにおいて、前記基板に設けられた前記基準マーク以外の他の読取り箇所を読取るために前記基板カメラを該他の読取り箇所の座標位置に位置決めするとき、該他の読取り箇所の座標位置を前記位置ズレ量に応じて位置補正する手段を設けたことを特徴とする基板停止位置制御装置。
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