以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、電子部品装着装置10を示す。電子部品装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に並んで配設された2つの装着機16とを有している。なお、以下の説明では、装着機16の並ぶ方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、その方向に直角な鉛直方向をZ方向と称する。
各装着機16は、主に、装着機本体20、1対の基板搬送保持装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)24、装着ヘッド25、マークカメラ(図4参照)26、パーツカメラ27、高さセンサ(図4参照)28、供給装置29、制御装置(図4参照)30を備えている。装着機本体20は、フレーム31と、そのフレーム31に上架されたビーム32とによって構成されている。
1対の基板搬送保持装置22の各々は、図2及び図3に示すように、コンベア装置50と、基板保持装置52とを有している。図2は、基板搬送保持装置22を斜め上方からの視点において示す図であり、図3は、図2のAA線からの視点において示す図である。
コンベア装置50は、1対のガイドレール60,62と、各ガイドレール60,62に設けられたコンベアベルト66を有している。1対のガイドレール60,62は、互いに平行に配設されており、各ガイドレール60,62は、1対の支持脚70を介して支持プレート72の上面において支持されている。なお、ガイドレール60,62はX方向に延びるように配設されている。
また、各ガイドレール60,62の側面には2個のプーリ74,76がY方向を軸心として配設されている。それら2個のプーリ74,76は、各ガイドレール60,62の両端部に配設されている。なお、ガイドレール60とガイドレール62とは、互いのプーリ74,76の配設面が対向する状態で配設されている。そして、コンベアベルト66が、各ガイドレール60,62のプーリ74,76に巻き掛けられており、コンベアベルト66は、電磁モータ(図4参照)78の駆動により周回する。
なお、コンベアベルト66は、図3における時計回りの方向と反時計回りの方向との何れの方向にも周回可能とされている。これにより、コンベアベルト66の上に回路基板(図5参照)80が載置されることで、プーリ74が配設されている側からプーリ76が配設されている側に向かう方向および、プーリ76が配設されている側からプーリ74が配設されている側に向かう方向との何れの方向にも回路基板を搬送することが可能とされている。なお、装着機16の側面には、プーリ74と対向する位置に搬入口81が形成され、プーリ76と対向する位置に搬出口82が形成されている。搬入口81は、装着機16に回路基板80を搬入するための開口であり、搬出口82は、装着機16から回路基板80を搬出するための開口である。このため、コンベアベルト66は、装着機16において回路基板80に対する作業を行う際に、回路基板80を搬入口81から搬出口82に向けて搬送するように周回する。このため、搬入口81から搬出口82に向う方向、つまり、プーリ74からプーリ76に向う方向を順方向と記載する場合がある。一方、搬出口82から搬入口81に向う方向、つまり、プーリ76からプーリ74に向う方向を逆方向と記載する場合がある。なお、これら方向とは、装着機16におけるコンベア装置50が回路基板80を搬送可能な方向である。このため、装着機16におけるコンベア装置50が回路基板80を搬送可能な一方の方向を第1の搬送方向とすると、他方の方向が第2の搬送方向となる。また、順方向を第1の搬送方向とすると逆方向が第2の搬送搬送であり、順方向を第2の搬送方向とすると逆方向が第1の搬送搬送となる。
また、1対のガイドレール60,62のプーリ74が配設されている側の端部には、第1検出センサ83が配設されている。第1検出センサ83は、第1投光部84と第1受光部85とにより構成されており、第1投光部84は、ガイドレール60のプーリ74が配設されている側の端部に配設され、第1受光部85は、ガイドレール62のプーリ74が配設されている側の端部に配設されている。なお、第1投光部84と第1受光部85とは、互いに対向するように配設されている。また、1対のガイドレール60,62のプーリ76が配設されている側の端部には、第2検出センサ86が配設されている。第2検出センサ86は、第2投光部87と第2受光部88とにより構成されており、第2投光部87は、ガイドレール60のプーリ76が配設されている側の端部に配設され、第2受光部88は、ガイドレール62のプーリ76が配設されている側の端部に配設されている。なお、第2投光部87と第2受光部88とは、互いに対向するように配設されている。
これにより、第1投光部84から照射された光が、第1受光部85により受光され、第2投光部87から照射された光が、第2受光部88により受光される。そして、第1投光部84と第1受光部85との間に、何らかの物が存在する場合に、その物に、第1投光部84から照射された光が遮られることで、第1検出センサ83により、第1投光部84と第1受光部85との間に何らかのものが存在することが検出される。このような構造により、第1検出センサ83は、搬入口81を介して回路基板80が搬送装置、つまりは装着機16に搬入されたことを検出する。また、第2投光部87と第2受光部88との間に、何らかの物が存在する場合に、その物に、第2投光部87から照射された光が遮られることで、第2検出センサ86により、第2投光部87と第2受光部88との間に何らかのものが存在することが検出される。このような構造により、第2検出センサ86は、搬出口82を介して回路基板80が搬送装置、つまりは装着機16から搬出されることを検出する。
また、基板保持装置52は、昇降テーブル90と、複数のバックアップピン91と、テーブル昇降機構92と、1対のクランプバー93とを有している。昇降テーブル90は、概して矩形をなし、各ガイドレール60,62の1対の支持脚70の間に延びだすように、ガイドレール60,62の下方に配置されている。また、昇降テーブル90の上面には、例えば、複数のバックアップピン91が、3×3列に並んだ状態、つまり、X方向に3列に並び、Y方向に3列に並んだ状態で、昇降テーブル90の上に立設されている。その昇降テーブル90は、テーブル昇降機構92を介して、支持プレート72の上面に配設されており、テーブル昇降機構92は、電磁モータ(図4参照)96の駆動により昇降テーブル90を昇降させる。
また、1対のクランプバー93の各々は、各クランプバー93の両端の間に昇降テーブル90が位置するように、ガイドレール60,62の上面に固定されている。つまり、クランプバー93の下方に昇降テーブル90が延び出すように、クランプバー93がガイドレール60,62の上面に固定されている。なお、クランプバー93は、ガイドレール60,62に配設されているコンベアベルト66の上方に延びだすように、ガイドレール60,62の上面に固定されている。
このような構造により、基板搬送保持装置22では、コンベア装置50により搬送された回路基板80が基板保持装置52によりクランプされる。詳しくは、回路基板80が装着機16に搬入され、コンベア装置50により所定の作業位置まで搬送される。なお、回路基板80が作業位置まで搬送されると、コンベア装置50のコンベアベルト66の上に載置される回路基板80の両縁が、1対のクランプバー93の下方に位置する。
次に、回路基板80が作業位置まで搬送されると、テーブル昇降機構92の作動により、昇降テーブル90が上昇する。この際、バックアップピン91の上端が回路基板80の下面に接触し、昇降テーブル90の上昇に伴って、回路基板80も上昇する。この際、回路基板80がコンベアベルト66から持ち上げられる。そして、更に、昇降テーブル90が上昇することで、回路基板80も上昇し、回路基板80の上面の両端部が1対のクランプバー93の下面に接触する。これにより、回路基板80が、下方からバックアップピン91により支持された状態で、両縁において、クランプバー93に接触することで、基板保持装置52により保持される。
また、図1に示すように、移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ110をX方向にスライドさせる電磁モータ(図4参照)112と、Y方向にスライドさせる電磁モータ(図4参照)114とを備えている。スライダ110には、装着ヘッド25が取り付けられており、その装着ヘッド25は、2つの電磁モータ112,114の作動によって、フレーム31上の任意の位置に移動する。
装着ヘッド25は、回路基板80に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド25は、下端面に設けられた吸着ノズル120を有している。吸着ノズル120は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図4参照)122に通じている。吸着ノズル120は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド25は、吸着ノズル120を昇降させるノズル昇降装置(図4参照)124を有している。そのノズル昇降装置124によって、装着ヘッド25は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
マークカメラ(図4参照)26は、移動装置24のスライダ110に下を向いた状態で固定されており、移動装置24の作動により装着ヘッド25とともに任意の位置に移動する。これにより、マークカメラ26は、フレーム31の任意の位置を撮像する。また、パーツカメラ27は、図1に示すように、フレーム31の上面において、基板搬送保持装置22と供給装置29との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ27は、吸着ノズル120に保持された電子部品を撮像する。なお、マークカメラ26及びパーツカメラ27は、2次元カメラとされており、2次元撮像データを形成する。
高さセンサ28は、マークカメラ26の側方において、移動装置24のスライダ110に鉛直軸線上において下方を向いた状態で固定されており、移動装置24の作動により、装着ヘッド25とともに任意の位置に移動する。高さセンサ28は、光学式センサであり、下方に位置する対象物に向ってレーザ光を照射し、その対象物で反射した反射光を受光する。この際、受光した反射光に基づいて、高さセンサ28と対象物との間の距離が制御装置30によって演算される。これにより、対象物の高さを検出することができる。なお、高さセンサ28は、装着機16に搬入された回路基板80の反りの有無を検出するために用いられる。詳しくは、装着機16に搬入され基板保持装置52により固定的に保持された回路基板80の上方に、移動装置24の作動により、高さセンサ28を移動させる。そして、回路基板80の複数箇所の高さを、高さセンサ28により検出する。この際、検出された回路基板80の複数箇所の高さの相違量が閾値より大きい場合に、回路基板80が反っていると制御装置30によって判断され、回路基板80の複数箇所の高さの相違量が閾値以下である場合に、回路基板80は反っていないと制御装置30によって判断される。
供給装置29は、フィーダ型の供給装置であり、フレーム31の前方側の端部に配設されている。供給装置29は、テープフィーダ130を有している。テープフィーダ130は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ130は、送出装置(図4参照)132によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置29は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において装着ヘッド25に供給する。
制御装置30は、図4に示すように、コントローラ140と複数の駆動回路142とを有している。複数の駆動回路142は、上記電磁モータ78,96,112,114、正負圧供給装置122、ノズル昇降装置124、送出装置132に接続されている。コントローラ140は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路142に接続されている。これにより、基板搬送保持装置22、移動装置24等の作動が、コントローラ140によって制御される。また、コントローラ140は、画像処理装置146にも接続されている。画像処理装置146は、マークカメラ26及びパーツカメラ27により撮像された撮像データを処理するための装置である。これにより、コントローラ140は、撮像データから各種情報を取得する。さらに、コントローラ140は、高さセンサ28、第1検出センサ83、第2検出センサ86にも接続されている。これにより、コントローラ140は、各センサによる検出値を各センサから取得する。
装着機16では、上述した構成によって、基板搬送保持装置22に保持された回路基板80に対して、装着ヘッド25によって装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、回路基板80が搬入口81から装着機16に搬入されると、第1検出センサ83により回路基板の搬入が検出される。そして、コンベア装置50が、コントローラ140の指令により、回路基板80を順方向に向って搬送し、作業位置まで搬送する。そして、その作業位置において、基板保持装置52が回路基板80を固定的に保持する。また、回路基板が基板保持装置52により保持されると、マークカメラ26が、コントローラ140の指令により、回路基板80の上方に移動し、回路基板80を撮像する。これにより、回路基板80の保持位置等に関する情報が得られる。
また、テープフィーダ130は、コントローラ140の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド25が、コントローラ140の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル120によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド25が、パーツカメラ27の上方に移動し、吸着ノズル120によって保持された電子部品が、パーツカメラ27によって撮像される。これにより、部品の保持姿勢や保持位置等に関する情報が得られる。そして、装着ヘッド25が、回路基板の上方に移動し、回路基板の保持位置,電子部品の保持姿勢等に基づいて、電子部品を回路基板80に装着する。このように、電子部品が回路基板80に装着され、その回路基板80への電子部品の装着作業が完了すると、基板保持装置52による回路基板80の保持が解除され、回路基板がコンベア装置50により順方向に向って搬送される。そして、回路基板が、搬出口82を介して装着機16から搬出される。なお、第2検出センサ86により回路基板80が検出され、その検出が途切れることにより搬出されたものと判断される。
このように、装着機16では、回路基板80が装着機16に搬入され、その回路基板80への装着作業が完了すると、装着機16から搬出される。ただし、装着機16の非常停止やエラー停止、あるいは停電等により生産が中断した場合には、装着機16に回路基板が搬入された状態で装着機16が停止する可能性がある。このため、生産が中断し、生産を再開する場合には、装着機16の内部に回路基板があるか否かを判断する必要がある。また、装着機16の電源投入時においても、装着機16の内部に回路基板があるか否かを判断する必要がある。このため、従来は、第1検出センサ83を用いて回路基板の有無が検出されていた。
詳しくは、生産の再開時,電源投入時等において、回路基板を第1検出センサ83に向って搬送するように、つまり、逆方向に搬送するように、コンベア装置50を作動させる。この際、所定時間、コンベア装置50を作動させても、第1検出センサ83により回路基板が検出されない場合に、装着機16の内部に回路基板が無いと判断される。そして、装着機16の内部に回路基板が無いと判断されると、新たな回路基板が装着機16に搬入され、回路基板への作業が開始される。なお、所定時間は、コンベア装置50のコンベアベルト66の回転速度と、装着機16の内部での回路基板の搬送可能距離、例えば、プーリ74とプーリ76との間の距離とに基づいて決定される。所定時間は、基板が、装着機に搬入されたときから装着機から搬出されるときまでに要する時間よりも長い時間に設定される。
一方、コンベア装置50の所定時間の作動に伴って、第1検出センサ83により回路基板が検出された場合には、装着機16の内部に回路基板が有ると判断される。そして、第1検出センサ83により回路基板が検出されたタイミングで、コンベア装置50の作動が停止する。続いて、回路基板を順方向に搬送するように、コンベア装置50を作動させることで、作業位置まで回路基板を搬送する。なお、第1検出センサ83により回路基板が検出される位置と、作業位置との間の距離、あるいは搬送装置が回路基板を搬送する所定速度において回路基板がその距離の移動に要する時間は、コントローラ140に予め設定されているため、その距離、あるいは回路基板がその距離の移動に要する時間、回路基板を順方向に搬送するように、コンベア装置50を作動させることで、回路基板が作業位置まで搬送される。そして、作業位置に搬送された回路基板が基板保持装置52により保持されることで、その回路基板への作業が再開される。
このように、第1検出センサ83を用いることで、装着機16の内部における回路基板の有無を検出することができる。ただし、装着機16の内部に回路基板が有る場合に、コンベアベルト66を勢いよく周回させると、第1検出センサ83により回路基板が検出されたタイミングで、コンベア装置50が停止しても、回路基板がコンベアベルト66の上を滑って、装着機16から飛び出す虞がある。特に、第1検出センサ83は、搬入口81と対向する位置に配設されているため、回路基板が僅かに滑るだけでも、搬入口81から装着機16の外部に出てしまう虞がある。このため、第1検出センサ83を用いて回路基板の有無が検出される際に、コンベアベルト66の周回速度は装着機16から回路基板が飛び出さない程度に低速とされており、回路基板の有無の検出に要する時間が長くなる。
そこで、装着機16では、高さセンサ28を用いて装着機16の内部での回路基板の有無が検出されている。詳しくは、生産の再開時,電源投入時等において、図5に示すように、回路基板80を逆方向に搬送するように、コンベア装置50を作動させる。つまり、図3に示す状態のコンベア装置50では、コンベアベルト66が反時計回りに周回するように、コンベア装置50が作動する。この際、コンベアベルト66に回路基板が載置されていれば、その回路基板は逆方向に搬送されるが、コンベアベルト66に回路基板が載置されていなければ、コンベアベルト66が周回するのみである。なお、コンベアベルト66の周回速度は、第1検出センサ83を用いて回路基板の有無を検出する場合と同様に、低速とされている。
また、コンベア装置50が作動している状態で、移動装置24は、スライダ110に配設されている高さセンサ28を、1対のコンベアベルト66の間の上方において、プーリ74が配設されている側の端部からプーリ76が配設されている側の端部に向って移動させる。つまり、コンベア装置50が回路基板を逆方向に搬送するように作動している状態で、移動装置24は、高さセンサ28を、1対のコンベアベルト66の間の上方において順方向に移動させる。なお、移動装置24は、高さセンサ28を回路基板の検出が可能な予め設定されている設定高さにおいて順方向に移動させる。この際、移動装置24は、コンベア装置50の回路基板の搬送速度に比べて高速で高さセンサ28を移動させており、高さセンサ28は、移動時において、下方に向ってレーザ光を照射している。
これにより、高さセンサ28は、移動時において、高さセンサ28と、高さセンサ28の下方に位置する物との間の距離を検出する。また、コントローラ140には、コンベアベルト66に回路基板80が載置されている場合における回路基板80と、設定高さに位置する高さセンサ28との間の距離が予め入力されている。そして、コントローラ140は、高さセンサ28により検出された距離が、予め入力されている距離(以下、「入力距離」と記載する)と一致するか否かを判断する。なお、入力距離は、誤差を含めた所定の範囲として入力されている。この際、高さセンサ28が、1対のコンベアベルト66の間の上方において、コンベア装置50を逆方向に作動させた状態で、プーリ74が配設されている側の端部からプーリ76が配設されている側の端部に移動する間に、高さセンサ28により検出された距離が入力距離と一致しない場合、あるいは回路基板が検出されない場合に、コンベアベルト66の上に回路基板が載置されていないと判断される。つまり、装着機16の内部に回路基板が無いと判断される。そして、装着機16の内部に回路基板が無いと判断されると、コンベア装置50の逆方向への作動が停止し、コンベア装置50が順方向に作動することで、新たな回路基板が装着機16に搬入されて、回路基板への作業が開始される。
一方、高さセンサ28が、1対のコンベアベルト66の間の上方において、プーリ74が配設されている側の端部からプーリ76が配設されている側の端部に移動する間に、高さセンサ28により検出された距離が入力距離と一致した場合に、コンベアベルト66の上に回路基板が載置されていると判断される。つまり、装着機16の内部に回路基板が有ると判断される。このように、高さセンサ28を用いて回路基板の有無が検出される場合には、高さセンサ28が移動装置24により高速で移動するため、回路基板の有無の検出に要する時間を短縮することが可能となる。特に、移動装置24による高さセンサ28の移動速度は、コンベア装置50による回路基板の搬送速度と比較しても高速であることから、回路基板の有無の検出に要する時間を大きく短縮することが可能となる。さらに言えば、コンベア装置50が、回路基板を逆方向に移動させるように作動している状態で、高さセンサ28が順方向に移動しながら、回路基板の有無を検出している。つまり、例えば、コンベアベルト66に回路基板が載置されている場合に、回路基板と高さセンサ28とが対向する方向に移動しながら、高さセンサ28により回路基板の有無が検出される。このように、コンベアベルト66に回路基板が載置されているか否かに拘わらず、コンベア装置における回路基板の有無の検出に要する時間を、更に短縮することが可能となる。
なお、高さセンサ28により回路基板が有ると判断された場合には、コンベア装置50の逆方向への作動が継続して実行され、回路基板が順方向の上流側にある第1検出センサ83に向って搬送される。そして、第1検出センサ83により回路基板が検出されると、第1検出センサ83により回路基板が検出されたタイミングで、コンベア装置50の作動が停止する。続いて、上述したように、回路基板を順方向に搬送するように、コンベア装置50を作動させることで、回路基板が作業位置まで搬送される。そして、作業位置に搬送された回路基板が基板保持装置52により保持されることで、装着ヘッド25によって、その回路基板への作業が再開される。
ちなみに、上記実施例において、装着機16は、対基板作業機の一例である。基板搬送保持装置22は、搬送装置の一例である。移動装置24は、移動装置の一例である。装着ヘッド25は、作業ヘッドの一例である。高さセンサ28は、検出装置及び高さセンサの一例である。回路基板80は、基板の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、コンベア装置50を、回路基板が逆方向に搬送されるように作動させた状態で、高さセンサ28が順方向に移動しながら、コンベア装置上、つまりは装着機内の回路基板の有無を検出している。一方で、コンベア装置50を、回路基板が順方向に搬送されるように作動させた状態で、高さセンサ28が逆方向に移動しながら、回路基板の有無を検出してもよい。
また、上記実施形態では、コンベア装置50を作動させた状態で、高さセンサ28が移動しながら回路基板の有無を検出しているが、コンベア装置50を作動させることなく、高さセンサ28が移動しながら回路基板の有無を検出してもよい。具体的には、例えば、図6に示すように、移動装置24が、高さセンサ28を1対のコンベアベルト66の間の上方において、プーリ76が配設されている側の端部からプーリ74が配設されている側の端部に向って移動させてもよい。つまり、移動装置24は、高さセンサ28を1対のコンベアベルト66の間の上方において逆方向に移動させてもよい。つまり、コンベア装置50が回路基板を搬送する方向における下流側から上流側に移動装置を移動させてもよい。この際、コンベア装置50は停止した状態とされている。このように、コンベア装置50を停止させた状態で、高さセンサ28が逆方向に移動しながら回路基板の有無を検出してもよい。特に、装着機16において、回路基板への装着作業が完了した場合において、図6に示すように、回路基板が第2検出センサ86により検出された位置で、装着機16からの搬出を待機している場合がある。そのような場合には、高さセンサ28が逆方向に移動しながら回路基板の有無を検出すれば、回路基板の有無を早期に検出することが可能となる。なお、コンベア装置50を停止させた状態で、高さセンサ28が順方向に移動しながら回路基板の有無を検出してもよい。
また、上記実施形態では、高さセンサ28が下方を向いた状態でスライダ110に配設されているため、1対のコンベアベルト66の間の上方において、順方向と逆方向との一方の方向に移動しながら、回路基板の有無を検出している。一方で、高さセンサ28が斜め下の方向、若しくは、側方を向いた状態でスライダ110に配設されている場合には、コンベアベルト66の側方において、順方向と逆方向との一方の方向に移動しながら、回路基板の有無を検出してもよい。
また、上記実施形態では、高さセンサ28が、プーリ74が配設されている側の端部からプーリ76が配設されている側の端部まで移動しながら、回路基板の有無を検出しているが、所定の範囲において移動しながら、回路基板の有無を検出してもよい。例えば、装着機16における回路基板への装着作業位置,第1検出センサ83あるいは第2検出センサ86により回路基板が検出される位置等を含む所定の範囲において、高さセンサ28が移動しながら回路基板の有無を検出してもよい。
また、上記実施形態では、高さセンサ28が1対のコンベアベルト66の間の上方において移動しながら回路基板の有無を検出しているが、高さセンサ28が1対のコンベアベルト66の一方の上方あるいはその近傍において直線的に移動しながら回路基板の有無を検出してもよい。また、上記実施形態では、高さセンサ28が、プーリ74が配設されている側の端部からプーリ76が配設されている側の端部まで移動しながら、回路基板の有無を検出しているため、回路基板が搬送方向の全域に渡って検出されるが、回路基板の一部の部位のみが、移動する高さセンサ28により検出されてもよい。例えば、順方向における回路基板の端部,逆方向における回路基板の端部のみが、移動する高さセンサ28により検出されてもよい。この場合には、制御装置が高さセンサの検出位置に基づいて、コンベヤ装置における回路基板の位置を演算して算出する。
また、高さセンサ28が、順方向と逆方向との一方にのみ移動しながら回路基板の有無を検出する態様に限定されず、高さセンサ28が、順方向に移動した後に逆方向に移動しながら回路基板の有無を検出してもよく、逆方向に移動した後に順方向に移動しながら回路基板の有無を検出してもよい。
また、上記実施形態では、高さセンサ28により回路基板の有無が検出されているが、別の装置により、回路基板の有無が検出されてもよい。例えば、マークカメラ26を、1対のコンベアベルト66の間の上方において順方向若しくは、逆方向に移動させながら、マークカメラ26による撮像を行う。そして、制御装置30がその撮像データを解析することで、回路基板の有無を検出してもよい。また、高さセンサ28の種類として、光センサ、レーザセンサ、近接センサ等、さまざまな種類のセンサを適用できる。
また、上記実施形態では、装着ヘッド25が取り付けられているスライダ110に、高さセンサ28が配設されることで、高さセンサ28が装着ヘッド25とともに、移動装置24により移動する。一方で、装着ヘッド25に直接、高さセンサ28が配設されることで、高さセンサ28が装着ヘッド25とともに、移動装置24により移動してもよい。
また、上記実施形態では、回路基板に電子部品を装着する装着機16に本発明が適用されているが、回路基板にはんだ付け作業を行う対基板作業機,回路基板の検査作業を行う対基板作業機等にも、本発明を適用することが可能である。あるいは、高さセンサが固有の移動装置を備えて移動してもよい。また、移動装置が移動させる高さセンサの経路は直線的ではなく曲線的でもよく、また移動経路が直線的である場合においても回路基板が搬送される方向とは平行でなくある一定の角度を有した経路であっても良い。