以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、電子部品装着装置10を示す。電子部品装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に並んで配設された2つの装着機16とを有している。なお、以下の説明では、装着機16の並ぶ方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、その方向に直角な鉛直方向をZ方向と称する。
各装着機16は、主に、装着機本体20、1対の基板搬送保持装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)24、装着ヘッド26、供給装置28、制御装置(図7参照)30を備えている。装着機本体20は、フレーム31と、そのフレーム31に上架されたビーム32とによって構成されている。
1対の基板搬送保持装置22の各々は、図2乃至図5に示すように、コンベア装置50と、基板保持装置52とを有している。図2は、基板搬送保持装置22を斜め上方からの視点において示す図であり、図3は、基板搬送保持装置22を上方からの視点において示す図である。また、図4は、図3のAA線からの視点において示す図であり、図5は、図3のBB線からの視点において示す図である。
コンベア装置50は、1対のガイドレール60,62と、各ガイドレール60,62に設けられたコンベアベルト66を有している。1対のガイドレール60,62は、互いに平行に配設されており、各ガイドレール60,62は、1対の支持脚70を介して支持プレート72の上面において支持されている。なお、ガイドレール60,62の延びる方向をX方向、そのX方向に水平に直行する方向をY方向、X方向及びY方向の両方に直交する方向をZ方向と称する。
また、各ガイドレール60,62の側面には2個のプーリ74,76がY方向を軸心として配設されている。それら2個のプーリ74,76は、各ガイドレール60,62の両端部に配設されている。なお、ガイドレール60とガイドレール62とは、互いのプーリ74,76の配設面が対向する状態で配設されている。そして、コンベアベルト66が、各ガイドレール60,62のプーリ74,76に巻き掛けられており、コンベアベルト66は、電磁モータ(図7参照)78の駆動により周回する。
なお、コンベアベルト66の周回方向は、図4での時計回りの方向とされている。これにより、コンベアベルト66の上に回路基板(図5参照)80を載置することで、回路基板80は、プーリ74が配設されている側からプーリ76が配設されている側に向かって、コンベアベルト66によって搬送される。
また、コンベア装置50は、幅変更装置(図7参照)81を有しており、ガイドレール60とガイドレール62との間の距離を変更することが可能とされている。詳しくは、ガイドレール62を支持する1対の支持脚70は、Y方向にスライド可能とされている。そして、それら1対の支持脚70は、電磁モータ(図7参照)82の駆動によりY方向の任意の位置に移動する。この際、それら1対の支持脚70により支持されているガイドレール62は、ガイドレール60と平行な状態で、ガイドレール60に対して接近・離間する。これにより、ガイドレール60とガイドレール62との間の距離が変更される。このように、ガイドレール60とガイドレール62との間の距離が変更されることで、種々のサイズの回路基板80を搬送することが可能となる。
また、ガイドレール62の1対の支持脚70には、検出センサ83が配設されている。検出センサ83は、投光部84と受光部85とにより構成されており、投光部84は、1対の支持脚70の一方に配設され、受光部85は、1対の支持脚70の他方に配設されている。なお、投光部84と受光部85とは、互いに対向するように配設されている。これにより、投光部84から照射された光が、受光部85により受光される。そして、投光部84と受光部85との間に、何らかの物が存在する場合に、その物に、投光部84から照射された光が遮られることで、検出センサ83により、投光部84と受光部85との間に何らかのものが存在することが検出される。
また、基板保持装置52は、昇降テーブル86と、複数のバックアップピン88と、テーブル昇降機構90と、クランプ装置92とを有している。昇降テーブル86は、概して矩形をなし、各ガイドレール60,62の1対の支持脚70の間に延びだすように、ガイドレール60,62の下方に配置されている。また、昇降テーブル86の上面には、例えば、複数のバックアップピン88が、3×3列に並んだ状態、つまり、X方向に3列に並び、Y方向に3列に並んだ状態で、昇降テーブル86の上に立設されている。その昇降テーブル86は、テーブル昇降機構90を介して、支持プレート72の上面に配設されており、テーブル昇降機構90は、電磁モータ(図7参照)96の駆動により昇降テーブル86を昇降させる。
また、クランプ装置92は、1対のクランプバー100と、1対のクランププレート102とを有している。クランプバー100は、概して板状をなし、クランプバー100の長さ寸法が、昇降テーブル86のX方向における長さ寸法より長くされている。そして、1対のクランプバー100の各々は、各クランプバー100の両端の間に昇降テーブル86が位置するように、ガイドレール60,62の上面に固定されている。つまり、クランプバー100の下方に昇降テーブル86が延び出すように、クランプバー100がガイドレール60,62の上面に固定されている。なお、クランプバー100は、ガイドレール60,62に配設されているコンベアベルト66の上方に延びだすように、ガイドレール60,62の上面に固定されている。
また、クランププレート102は、概して矩形の板状をなし、クランププレート102の長手方向における長さ寸法が、クランプバー100の長さ寸法と略同じとされている。クランププレート102は、コンベアベルト66の上方に延びだすクランプバー100の下方において、クランプバー100と同じ方向に延び出しており、立設した状態で、ガイドレール60,62により上下方向にスライド可能に保持されている。つまり、ガイドレール60,62のコンベアベルト66が配設された側の側面に、保持具108が配設されている。そして、そのガイドレール60,62の側面と、クランププレート102の側面とが対向した状態で、クランプバー100の下方において、クランププレート102が保持具108により上下方向にスライド可能に保持されている。
なお、ガイドレール60,62により上下方向にスライド可能に保持されたクランププレート102が、最も下方にスライドした際に、図5に示すように、クランププレート102の上端は、コンベアベルト66の上面より下方に位置しており、クランププレート102の下端は、上昇していない状態での昇降テーブル86の上面より上方に位置している。
このような構造により、基板搬送保持装置22では、コンベア装置50により搬送された回路基板80が基板保持装置52によりクランプされる。詳しくは、回路基板80が電子部品装着装置10に搬入され、コンベア装置50により所定の作業位置まで搬送される。なお、回路基板80が作業位置まで搬送されると、コンベア装置50のコンベアベルト66の上に載置される回路基板80の両縁が、図5に示すように、上下方向においてクランプバー100とクランププレート102との間に位置する。
次に、回路基板80が作業位置まで搬送されると、テーブル昇降機構90の作動により、昇降テーブル86が上昇する。この際、クランププレート102の下端が昇降テーブル86の上面に接触し、昇降テーブル86の上昇に伴って、クランププレート102も上昇する。そして、クランププレート102の上昇に伴って、クランププレート102の上端が、コンベアベルト66により支持されている回路基板80の下面に接触する。また、昇降テーブル86の上面に載置されているバックアップピン88の高さ寸法は、クランププレート102の上下方向の長さ寸法と同じとされている。
このため、クランププレート102の上端が、コンベアベルト66により支持されている回路基板80の下面に接触したタイミングで、バックアップピン88の上端も、回路基板80の下面に接触する。そして、昇降テーブル86が上昇することで、コンベアベルト66により支持されていた回路基板80が、クランププレート102とバックアップピン88とによりコンベアベルト66から持ち上げられ、上昇する。この際、図6に示すように、回路基板80の上面がクランプバー100の下面に接触する位置まで、テーブル昇降機構90が作動し、回路基板80が、クランププレート102とバックアップピン88とにより持ち上げられる。これにより、回路基板80が、中央部において、下方からバックアップピン88により支持された状態で、両縁において、クランプバー100とクランププレート102とによって挟持される。
また、図1に示すように、移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ110をX方向にスライドさせる電磁モータ(図7参照)112と、Y方向にスライドさせる電磁モータ(図7参照)114とを備えている。スライダ110には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータ112,114の作動によって、フレーム31上の任意の位置に移動する。
装着ヘッド26は、回路基板80に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、下端面に設けられた吸着ノズル120を有している。吸着ノズル120は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図7参照)122に通じている。吸着ノズル120は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル120を昇降させるノズル昇降装置(図7参照)124を有している。そのノズル昇降装置124によって、装着ヘッド26は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
供給装置28は、フィーダ型の供給装置であり、フレーム31の前方側の端部に配設されている。供給装置28は、テープフィーダ130を有している。テープフィーダ130は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ130は、送出装置(図7参照)132によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置28は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
制御装置30は、図7に示すように、コントローラ140と複数の駆動回路142とを有している。複数の駆動回路142は、上記電磁モータ78,82,96,112,114、正負圧供給装置122、ノズル昇降装置124、送出装置132に接続されている。コントローラ140は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路142に接続されている。これにより、基板搬送保持装置22、移動装置24等の作動が、コントローラによって制御される。また、コントローラ140は、基板搬送保持装置22の検出センサ83に接続されている。このため、検出センサ83による検出結果が、コントローラ140に入力される。
電子部品装着装置10では、上述した構成によって、基板搬送保持装置22に保持された回路基板80に対して、装着ヘッド26によって装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、コントローラ140の指令により、コンベア装置50が、回路基板80を作業位置まで搬送し、その位置において、基板保持装置52が回路基板80をクランプする。また、テープフィーダ130は、コントローラ140の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド26が、コントローラ140の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル120によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド26は、コントローラ140の指令により、回路基板80の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板80に装着する。
このように、電子部品装着装置10では、作業位置まで搬送された回路基板80が、基板保持装置52によってクランプされ、そのクランプされた状態の回路基板80に対して電子部品の装着作業が実行される。基板保持装置52によりクランプされた状態の回路基板80では、回路基板80がクランプバー100とクランププレート102とにより挟持され、固定されることで、適切な電子部品の装着作業が担保される。また、回路基板80が基板保持装置52によりクランプされた状態において、回路基板80の中央部は、バックアップピン88により支持される。これにより、回路基板80の撓みなど防止した状態での電子部品の装着作業が担保される。
ただし、基板搬送保持装置22の上に電子部品が落下する場合があり、このような場合に、落下した電子部品が要因となり、バックアップピン88を昇降テーブル86の上面に適切に配設することができない、あるいは、回路基板80を適切にクランプできない虞がある。例えば、基板搬送保持装置22の上に落下した電子部品150が、昇降テーブル86の上面において、ガイドレール62の下方に位置する場合がある。このような場合に、昇降テーブル86が上昇すると、図8に示すように、昇降テーブル86の上面とガイドレール62の下端との間に、電子部品150が挟まることで、昇降テーブル86の上昇が阻害される。この際、バックアップピン88とクランププレート102とにより、コンベアベルト66から持ち上げられた回路基板80が、クランプバー100に接触する前、つまり、クランプバー100とクランププレート102とにより挟持される前に、昇降テーブル86の上昇が停止する。このような場合には、回路基板80を、クランプバー100とクランププレート102とにより挟持することができず、固定できない。
また、基板搬送保持装置22の上に落下した電子部品150が、昇降テーブル86の上面において、クランププレート102の下方に位置する場合がある。このような場合に、昇降テーブル86が上昇すると、図9に示すように、昇降テーブル86の上面とクランププレート102の下端との間に、電子部品150が挟まることで、クランププレート102の上端位置が、バックアップピン88の上端位置より、電子部品150の高さ寸法に相当する距離、高くなる。このため、昇降テーブル86の上昇に伴って、回路基板80が、クランプバー100とクランププレート102とにより挟持されることで、固定されるが、バックアップピン88により下方から支持されない。
このように、基板搬送保持装置22の上に落下した電子部品150が、昇降テーブル86の上面において、ガイドレール62及びクランププレート102の下方に位置するような場合には、回路基板80を適切にクランプすることができない虞がある。そこで、昇降テーブル86の上に落下した電子部品150の有無が検出センサ83によって検出される。なお、検出センサ83は、昇降テーブル86の所定の位置に載置されたバックアップピン88の有無を検出するために設けられたものである。
具体的には、検出センサ83を構成する投光部84と受光部85とは、ガイドレール62を支持する1対の支持脚70に配設されている。また、ガイドレール62を支持する1対の支持脚70は、ガイドレール60とガイドレール62との間の距離を変更するために、Y方向にスライド可能とされている。このように、ガイドレール62を支持する1対の支持脚70がY方向にスライド可能とされ、ガイドレール60とガイドレール62との間の距離が変更されることで、種々のサイズの回路基板に対する装着作業を実行することができる。
このため、例えば、大きなサイズの回路基板への装着作業が実行された後に、その回路基板より小さいサイズの回路基板が作業対象となる場合には、ガイドレール62をガイドレール60に向かってスライドさせることで、ガイドレール60とガイドレール62との間の距離が短くされる。この際、大きなサイズの回路基板の装着作業時に昇降テーブル86の上に載置されていたバックアップピン88は、ガイドレール62をスライドさせる前に、昇降テーブル86の上から取り除かれるが、作業者がバックアップピン88を取り除く作業を忘れる場合がある。このような場合に、ガイドレール62をガイドレール60に向かってスライドさせると、昇降テーブル86の上に残存しているバックアップピン88にクランププレート102,ガイドレール62などが接触し、クランププレート102,ガイドレール62,バックアップピン88などが破損する虞がある。
このため、ガイドレール62を支持する支持脚70に検出センサ83が設けられており、ガイドレール62のスライド時において、検出センサ83による検出が行われる。つまり、投光部84から光が照射され、受光部85による光の受光の有無が検出される。そして、ガイドレール62のスライド時において、受光部85により光が検出されている場合には、ガイドレール62は、継続してスライドする。一方、ガイドレール62のスライド時において、受光部85による光の検出が途絶えると、そのタイミングにおいて、ガイドレール62のスライドが停止する。これにより、ガイドレール62のスライド時において、昇降テーブル86の上に残存しているバックアップピン88へのクランププレート102,ガイドレール62などの接触が防止される。また、ガイドレール62のスライド時において、受光部85による光の検出が途絶えたタイミングで、エラー報知がなされる。これにより、昇降テーブル86の上からバックアップピン88を取り除く作業を、作業者に促すことができる。
このように、ガイドレール62を支持する1対の支持脚70には、昇降テーブル86に残存するバックアップピン88の有無を検出するための検出センサ83が設けられている。そこで、その検出センサ83を利用して、昇降テーブル86の上に落下した電子部品150の有無が検出される。具体的には、例えば、段取り替え時などの、電子部品装着装置10から回路基板が搬出された後のタイミング、電子部品装着装置10に回路基板が搬入される前のタイミングにおいて、昇降テーブル86の上から全てのバックアップピン88が取り除かれる。つまり、電子部品装着装置10において、回路基板80が搬送されていないタイミングにおいて、昇降テーブル86の上から全てのバックアップピン88が取り除かれる。
そして、バックアップピン88が取り除かれた昇降テーブル86の上面のうちの、ガイドレール62がスライド可能な全領域において、検出センサ83により電子部品150の有無が検出される。つまり、例えば、ガイドレール62がガイドレール60から最も離間した位置から、ガイドレール60に向かってスライドし、その際に、検出センサ83による検出が行われる。この際、受光部85による光の検出が途絶えることなく、ガイドレール62がガイドレール60に最も接近する位置までスライドした場合に、昇降テーブル86の上に異物、つまり、電子部品150は落下していない。そこで、受光部85による光の検出が途絶えることなく、ガイドレール62がガイドレール60に最も接近する位置までスライドした場合に、コンベア装置50による回路基板80の搬送及び、バックアップピン88の配置、そして、基板保持装置52による回路基板80のクランプが実行される。
一方、ガイドレール62のスライド時に、受光部85による光の検出が途絶えた場合に、昇降テーブル86に落下している電子部品150が検出され、エラー報知がなされる。これにより、作業者が、昇降テーブル86の上に落下している電子部品150を認識し、電子部品150を取り除くことが可能となる。そして、作業者が電子部品150を取り除いた後に、ガイドレール62のスライド時における電子部品150の検出を再開するためのボタンを操作することで、ガイドレール62がガイドレール60に向ってスライドし、検出センサ83による電子部品150の検出が再開される。この際、受光部85による光の検出が途絶えることなく、ガイドレール62がガイドレール60に最も接近する位置までスライドした場合に、コンベア装置50による回路基板80の搬送及び、基板保持装置52による回路基板80のクランプが実行される。これにより、昇降テーブル86の上に落下した電子部品150が要因となり、バックアップピン88の配置不良や、回路基板80を適切にクランプできない状況をなくすことができる。なお、バックアップピン88が取り除かれた昇降テーブル86において、受光部85による光の検出が途絶えた場合には、昇降テーブル86に落下した電子部品150だけでなく、置き忘れられた冶具,大きな埃等も、検出センサ83により検出される。このため、バックアップピン88が取り除かれた昇降テーブル86では、昇降テーブル86に落下した電子部品150,置き忘れられた冶具,大きな埃等の異物が、検出センサ83により検出される。
また、バックアップピン88が載置されていない状態において、昇降テーブル86の上面のうちの、ガイドレール62がスライド可能な全領域において、検出センサ83による異物の検出を行うことが好ましいが、検出に要する時間が長くなる。このため、検出センサ83による異物の検出時間を短縮したい場合、例えば、段取り替え時間が短い場合などには、基板保持装置52によるクランプ時に電子部品150等の異物が挟まる虞のある領域のみを所定の領域として、検出センサ83により検出される。
詳しくは、上述したように、基板保持装置52によるクランプ時において、昇降テーブル86が上昇した際に、昇降テーブル86の上に落下している電子部品150は、ガイドレール62若しくはクランププレート102と、昇降テーブル86とによって挟まれる。このため、ガイドレール62及びクランププレート102の下方に、電子部品150等の異物が落下していなければ、基板保持装置52によるクランプは担保される。そこで、ガイドレール62がスライド可能な昇降テーブル86の全領域のうちの、ガイドレール62及びクランププレート102の下方の領域のみが、検出センサ83により検出される。これにより、検出時間の短縮を図るとともに、基板保持装置52によるクランプを担保することが可能となる。
なお、ガイドレール62がスライド可能な昇降テーブル86の全領域のうちの、ガイドレール62及びクランププレート102の下方の領域には、当然、バックアップピン88は載置されていないため、昇降テーブル86の上からバックアップピン88を取り除く作業も必要ない。このため、検出センサ83による検出時間の短縮だけでなく、検出センサ83により異物を検出するための前準備に要する時間をも短縮することができる。つまり、昇降テーブル86のバックアップピン88が載置されていない領域であって、基板保持装置52による回路基板80のクランプを邪魔する領域のみを所定の領域として、検出センサ83により検出することで、短時間の作業によって、基板保持装置52によるクランプを担保することができる。
ちなみに、上記実施例において、基板搬送保持装置22は、搬送装置の一例である。コンベア装置50は、コンベア装置の一例である。回路基板80は、基板の一例である。検出センサ83は、検出センサの一例である。昇降テーブル86は、載置台の一例である。バックアップピン88は、支持ピンの一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、昇降テーブル86の上に載置されているバックアップピン88が取り除かれた後に、そのバックアップピン88が取り除かれた領域を所定の領域として、検出センサ83による異物の検出が実行されているが、昇降テーブル86の上にバックアップピン88が載置された状態で、そのバックアップピン88が載置された位置を含む領域を所定の領域として、検出センサ83による異物の検出が実行されてもよい。つまり、バックアップピン88が載置されていない領域だけでなく、バックアップピン88が載置された位置をも、検出センサ83により異物の検出が実行されてもよい。ただし、ガイドレール62等とバックアップピン88との当接を防止するべく、図10に示すように、ガイドレール62を支持する1対の支持脚70に、ガイドレール60に向って延び出す1対のアーム160を配設する。そして、1対のアーム160の一方の先端部に、投光部84を配設し、1対のアーム160の他方の先端部に、受光部85を配設する。このように、投光部84及び受光部85を配設することで、検出センサ83による異物の検出時に、ガイドレール62をガイドレール60に向ってスライドさせても、ガイドレール62等とバックアップピン88との当接を防止することができる。ただし、昇降テーブル86の上にバックアップピン88が載置された状態で、検出センサ83による異物の検出が実行される場合には、バックアップピン88の載置位置に関する情報が制御装置30に予め記憶されている。そして、バックアップピン88の載置位置において、検出センサ83により異物が検出されても、つまり、バックアップピン88が異物として検出されても、その検出結果がキャンセルされる。このため、制御装置30に記憶されている情報に応じたバックアップピン88の載置位置以外で異物が検出された場合にのみ、エラー報知がなされる。言い換えれば、バックアップピン88の載置位置で異物が検出された場合に、その検出結果がキャンセルされるため、エラー報知はなされない。これにより、昇降テーブル86の上にバックアップピン88が載置された領域であっても、結果的は、バックアップピン88が塔置されていない領域を所定の領域として、検出センサ83による電子部品150等の異物の検出を行うことができる。
また、上記実施例では、異物の有無が、投光部84と受光部85とにより構成される検出センサ83によって検出されるが、他の種類の検出センサにより異物の有無が検出されてもよい。具体的には、例えば、高さセンサなどを利用して、昇降テーブル86の上面から突出した箇所を検出することで、異物を検出してもよい。
また、上記実施例では、検出センサ83は1対の支持脚70に配設されているが、移動する側のガイドレール、あるいは移動する側のガイドレールとともに移動する別の構造物に配設されてもよい。
また、検出センサ83によって検出された昇降テーブル86の上に落下している電子部品の正確な位置の確認や取り除きを、作業者管理ではなく、自動で行なってもよい。例えば、正確な位置の確認を装着ヘッド26とともに移動する撮像装置(例えば、マークカメラ)で、電子部品の取り除きを装着ヘッド26が備える部品保持具(例えば、吸着ノズル)で行なってもよい。
また、検出センサ83で用いられる光は平行光が望ましく、例えば、レーザーやレーザー光などを用いてもよい。