JP2003152397A - 電気部品装着システムおよび電気回路製造方法 - Google Patents

電気部品装着システムおよび電気回路製造方法

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JP2003152397A
JP2003152397A JP2001344316A JP2001344316A JP2003152397A JP 2003152397 A JP2003152397 A JP 2003152397A JP 2001344316 A JP2001344316 A JP 2001344316A JP 2001344316 A JP2001344316 A JP 2001344316A JP 2003152397 A JP2003152397 A JP 2003152397A
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Takeyoshi Isogai
武義 磯貝
Noriaki Iwaki
範明 岩城
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Fuji Machine Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着精度等についての信頼性の高い電気部品
装着システムを得る。 【解決手段】 システムを構成する基板撮像装置31
4、部品撮像装置316、装着装置310等の装置間の
相対位置誤差を検出し、それに基づいて装着位置を補正
し、回路基板12の適正な被装着位置に電子部品16を
装着する。例えば、部品撮像装置316に付された基準
マークを基板撮像装置314により撮像し、あるいは、
装着装置310の基準マークを部品撮像装置316によ
り撮像して、装着装置310と部品撮像装置316との
相対位置誤差を検出する。この相対位置誤差の検出は、
当該システムが装着作業を連続して行っている途中で行
うことができる。また、上記基準マークとして一直線上
にない3つのマークを採用すれば、熱膨張等に伴って発
生する装着装置移動装置12に起因する動的な相対位置
誤差についても検出でき、システムの信頼性はより向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気部品(電子部
品を含む)を回路基板に装着する電気部品装着システ
ム、および、電気部品を回路基板に装着する工程を含む
電気回路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気部品装着システムは、部品供給装置
から供給される電気部品を装着ヘッドで保持し、その装
着ヘッドを移動させ、基板保持装置によって保持された
回路基板の表面に装着する方式のものが多く採用されて
いる。電気回路の高密度化等の要求から、電気部品装着
システムは、その信頼性が高いことが望まれる。例え
ば、回路基板に対して電気部品を正確な位置に装着でき
ること、つまり、高い装着精度を有すること、そして、
その高い装着精度が維持されること等が要求されるので
ある。
【0003】電気部品の装着位置のずれの原因として考
えられるものに、例えば、装着ヘッドに保持された電気
部品の保持位置誤差、基板保持装置に保持された回路基
板の保持位置誤差等がある。従来の電気部品装着システ
ムにおいては、これらの誤差はシステムに配備された基
板撮像装置、部品撮像装置等により検出され、装着の際
その誤差に基づく補正が行われることで、装着精度の向
上が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】上記基板撮像装置、部品撮像装置等を始めとして、
電気部品装着システムは種々の装置を含んで構成され
る。システムにおけるこれら種々の装置の位置誤差も、
装着精度に大きな影響を与える。例えば、装着ヘッドを
備えた装着装置を移動させる移動装置と、基板撮像装
置、部品撮像装置との相対位置誤差が生じる場合等がそ
うであるように、種々の装置間に相対位置誤差が生じて
いる場合は、その相対位置誤差を含んだ状態で、電気部
品の装着が行われるため、装着精度の低下に繋がる。ま
た、装置間の相対位置誤差は、常に一定ではなく、例え
ば、システムの稼動による発熱等の影響、システムの長
期使用による劣化の進行等により変化するため、一定の
装着精度を得られないことに繋がる。したがって、装置
間の相対位置誤差に起因する装着精度の低下、変化は、
電気部品装着システムの信頼性を低下させる一因とな
り、ひいてはそのシステムで装着された電気回路の信頼
性を低下させる一因となる。
【0005】そこで、本発明は、電気部品装着システム
を構成する装置間の相対位置誤差を把握することで、信
頼性の高い電気部品装着システムを得ること、および、
信頼性の高い電気回路の製造方法を得ることを課題とし
てなされたものであり、本発明によって、下記各態様の
電気部品装着システムおよび電気回路製造方法が得られ
る。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号
を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記
載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にする
ためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれら
の組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解
釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が
記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採
用しなければならないわけではない。一部の事項のみを
選択して採用することも可能である。
【0006】なお、以下の各項において、(1)項が請
求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請
求項3に、(4)項が請求項4に、(7)項が請求項5
に、(12)項が請求項6に、(13)項が請求項7に、
(21)項が請求項8にそれぞれ相当する。
【0007】(1)回路基板を保持する基板保持装置
と、部品供給部において電気部品を保持して前記基板保
持装置に保持された回路基板の表面に装着する装着ヘッ
ドを有する装着装置と、前記部品供給部と前記保持され
た回路基板とにわたって前記装着装置を移動させる装着
装置移動装置と、前記保持された回路基板の表面を撮像
可能な基板撮像装置と前記装着ヘッドによって保持され
た電気部品を撮像可能な部品撮像装置との2つの撮像装
置と、それら基板保持装置、装着装置、装着装置移動装
置、2つの撮像装置を制御するシステム制御装置とを含
む電気部品装着システムであって、前記2つの撮像装置
のいずれかによって撮像されることが可能な1以上の装
置基準マークが付された基準マーク付設部を含み、か
つ、前記システム制御装置が、前記2つの撮像装置のい
ずれかに前記装置基準マークを撮像させてその2つの撮
像装置のいずれかと前記基準マーク付設部との相対位置
誤差を検出する相対位置誤差検出部を備えることを特徴
とする電気部品装着システム。
【0008】本項に記載した態様の電気部品装着システ
ムは、上述したシステムを構成する各装置の有する相対
位置誤差のうち、装着精度に影響を与えやすい撮像装置
との間の相対位置誤差を把握することができ、高い装着
精度での電気部品の装着が可能となる。また、各装置の
システムへの取り付けの緩み、ガタ等の異常の発見も可
能となる。したがって、本項に記載の電気部品装着シス
テムは、信頼性の高いシステムとなる。
【0009】ここでいう「基準マーク付設部」は、基板
撮像装置、部品撮像装置との間の相対位置誤差を検出可
能な当該システムの一部分を意味する。例えば、ベース
等を含んだシステム本体(システム本体も装置の一種で
ある)の一部分であってもよく、システム本体に固定さ
れたあるいは固定されずに移動可能な他の装置(例え
ば、基板保持装置、装着装置、部品供給部を構成する部
品供給装置等)自体であっても、また、それらの装置の
一部分であってもよい。つまり、上記相対位置誤差は、
基準マーク付設部がシステム本体である場合には、上記
撮像装置とシステム本体との誤差となり、また、他の装
置である場合には、他の装置と撮像装置との誤差とな
る。さらに、2つの撮像装置の一方が基準マーク付設部
となる場合は、上記相対位置誤差は、2つの撮像装置間
の相対位置誤差となる。なお、基準マーク付設部と、そ
の基準マーク付設部との相対誤差を検出するための撮像
装置とは、両者がともにシステムに対してその位置が固
定されたものである必要がなく、両者の一方があるいは
両方がシステムに対してその位置が移動するものであっ
てもよい。両者のうちの一方が、その位置が固定された
ものである場合には、上記相対位置誤差は、移動する側
の装置についての固定された装置を基準とした相対位置
誤差として把握することができ、利用価値の高いものと
なる。
【0010】また、基準マーク付設部に付される「装置
基準マーク」は、貼着、刻設、描画等された表示子あっ
てよい。また、必ずしも表示子に限られず、上記撮像装
置によって撮像可能であり、撮像して得られた撮像デー
タを画像処理等することによって相対位置誤差が検出で
きるものであればよい。例えば、基準マーク付設部に上
述した各種装置が設けられているような場合には、装置
自体あるいは装置の一部分自体が、装置基準マークとし
ての機能を発揮し得る。したがって、「装置基準マー
ク」は、広義に解釈し、かかる装置自体および装置の一
部自体も装置基準マークに含まれるものとする。例え
ば、部品撮像装置自体が基準マーク付設部となるような
場合において、撮像デバイスとなるカメラのレンズフレ
ーム自体を基準マークとして利用する態様、撮像デバイ
スを保持する取付部材のコーナーエッジを基準マークと
して利用する態様等が該当し、装着装置が基準マーク付
設部となるような場合において、その装着装置が備える
装着ヘッドの中心部を基準マークとして利用する態様、
例えば、吸着ノズルの先端部を基準マークと擬制して撮
像するような態様等が該当する。
【0011】(2)前記システム制御装置が、前記基板
撮像装置に前記保持された回路基板の表面に付された基
板基準マークを撮像させてその回路基板の保持位置誤差
である基板保持位置誤差を検出する基板位置誤差検出部
と、前記部品撮像装置に前記保持された電気部品を撮像
させてその電気部品の保持位置誤差である部品保持位置
誤差を検出する部品位置誤差検出部と、前記検出された
基板保持位置誤差、部品保持位置誤差および相対位置誤
差に基づいて、前記保持された電気部品を前記保持され
た回路基板の適正な被装着位置に装着させる装着制御部
とを備えた(1)項に記載の電気部品装着システム。
【0012】本項に記載の電気部品装着システムは、基
板保持位置誤差、部品保持位置誤差に加え、上述した装
置間の相対位置誤差に基づいて、電気部品の装着を行う
ことができ、装着された電気部品の装着位置ずれが抑制
された、つまり、高精度な装着作業が実現できる。
【0013】(3)前記1以上の装置基準マークが、一
直線上に付されていない3以上のものを含む(1)項また
は(2)項に記載の電気部品装着システム。
【0014】電気部品装着システムでは、回路基板の表
面に平行な平面内における誤差が装着精度に大きな影響
を与える。装置間の相対位置誤差は、その平面内の誤差
において、概ね以下の4つに分類することができる。そ
の1つは、シフト的誤差と称することができ、いずれか
の装置が上記平面内において一方向にずれた(シフトし
た)場合に発生するような誤差である。また、もう1つ
の誤差は、回転的誤差と称することができ、いずれかの
装置が上記平面内において回転ずれを生じた場合に発生
するような誤差である。これら2つの誤差は、静的相対
位置誤差と観念でき、複合して発生し得る。残る2つの
誤差は、両装置が相対的に移動させられるものである場
合において発生する誤差であり、動的相対位置誤差と観
念することができる。その1つは、伸縮的誤差と称する
ことができ、所定の移動量の相対移動を指示した場合
に、その指示移動量に対する実際の相対移動量が変化し
たようなときに発生する誤差である。具体的にいえば、
例えば、一方の装置がXYロボット装置によって移動さ
せられるような場合に、そのロボット装置の有する送り
のためのボールねじが熱により伸長して、ボールねじの
所定量の回転角度指示に対するその一方の装置の実際の
移動距離が長くなってしまうような現象が発生するとき
に生じる誤差である。また、もう1つの誤差は傾斜的誤
差と称することができ、例えば、一方の装置がXYロボ
ット装置によって移動させられるような場合に、そのロ
ボット装置のX軸とY軸とが何らかの理由で相対的に傾
斜(両軸のなす角度が変化すること)し、指示位置に対
して実際の移動位置が傾くようにずれてしまうような現
象が生じる場合に発生する誤差である。これら2つの動
的相対位置誤差は、複合して発生し得る。また、相対位
置誤差は、動的相対位置誤差と上記静的相対位置誤差と
が複合された誤差となる場合もある。
【0015】上述の伸縮的誤差は、例えば、X軸ガイド
およびY軸ガイドにリニアエンコーダ等のリニアスケー
ル手段を取付けて、そのリニアスケール手段からの位置
情報に基づいた制御を行えば軽減できる。ところが、か
かるリニアスケール手段は、温度の変化によってもその
スケールの変化が極めて少ないものを用いる必要があ
り、システムの価格を押し上げることになってしまう。
また、リニアスケール手段をもってしても、上記傾斜的
誤差を解消することは困難である。本項記載の態様のよ
うに、一直線上に位置しない装置基準マークを3つ付す
場合には、それらの基準マークのそれぞれについての位
置ずれ量を検出し、幾何学的演算手法により、それら位
置ずれ量から上述の伸縮的誤差、傾斜的誤差をも含んだ
装置間相対位置誤差を検出することが可能となる。した
がって、例えば、ある程度の範囲を移動させられる装置
(例えば装着装置、基板撮像装置等)との相対位置誤差
を検出する場合等に、本項に記載の態様の装置は、有効
的である。
【0016】なお、装置基準マークが1つの場合、それ
が1点を示すものであるときには、その装置基準マーク
を撮像して得られる相対位置誤差は、上記シフト的位置
誤差にとどまる。上記回転的誤差はシフト的誤差に比較
して装着精度に与える影響は小さく、通常の装着におい
ては、シフト的誤差を検出すれば充分であることも覆
い。その場合、装置基準マークを1つ付設する態様は、
簡便に相対位置誤差を検出できるという利点を有する。
また、装置基準マークが2つの場合、あるいは、1つで
あってもそのマークが回転方向ま検出可能な表示である
場合には、上記回転的誤差を含んだ相対位置誤差を検出
することが可能である。
【0017】(4)前記2つの撮像装置の一方が、前記
基準マーク付設部に設けられ、前記相対位置誤差検出部
が、前記2つの撮像装置の他方に前記装置基準マークを
撮像させて前記2つの撮像装置間の相対位置誤差を検出
するものである(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の電
気部品装着システム。
【0018】電気部品装着システムにおいて、2つの撮
像装置の位置ずれは、装着精度に大きな影響を与える。
そのため、高精度装着を担保する、システムの健全性を
確認する等の上で、この両者の相対位置誤差は重要な要
因となる。したがって、両者の相対位置誤差を検出可能
な本項記載の態様の電気部品装着システムは、信頼性の
高いものとなる。なお、本項の態様は、一方の撮像装置
自体が、基準マーク付設部となる態様を含むものであ
る。例えば、撮像装置自体に装置基準マークが付されて
いる場合がそうである。また、撮像装置がブラケット等
の取付部材で何らかの装置に取り付けられており、その
取付部材に装置基準マークが付設されているような場合
には、撮像装置とブラケットとを含んだものの全体が基
準マーク付設部として機能する態様となる。
【0019】(5)前記基板撮像装置が前記装着装置に
取り付けられ、前記相対位置誤差検出部が、前記装着装
置と前記部品撮像装置との相対位置誤差を検出するもの
である(4)項に記載の電気部品装着システム。
【0020】基板撮像装置が装着装置に取り付けられ、
基板撮像装置が装着装置とともに装着装置移動装置によ
って移動させられているような場合、その取り付けがし
っかりとしているときには、基板撮像装置と装着装置と
の相対位置誤差は、実質的に影響を与えないほど小さい
場合もある。その場合、両撮像装置間の相対位置誤差
は、結果的に装着装置と部品撮像装置との相対位置誤差
として検出される。本項に記載の態様では、装着精度に
大きな影響を与える装着装置に関する相対位置誤差の検
出が容易に行えるることになる。
【0021】(6)前記装着装置と部品撮像装置との相
対位置誤差が、前記装着装置移動装置に起因する誤差を
含む(5)項に記載の電気部品装着システム。
【0022】装着装置が装着装置移動装置で移動させら
れる場合、高速でしかも何度も部品供給部と回路基板と
の間を移動されれるため、装着装置移動装置が発熱する
等によって、装着装置移動装置が膨張、変形等する可能
性が高い。かかる装着装置移動装置の膨張等は、装着精
度に大きな影響を与える。特に、XYロボット型の移動
装置の場合、例えば、その移動距離が長く、膨張等が装
着位置精度に与える影響は相当なものになることもあ
る。したがって、装着装置移動装置に起因する相対位置
誤差を検出する本項記載の態様の電気部品装着システム
は、より信頼性の高いシステムとなる。
【0023】(7)当該電気部品装着システムが、1以
上の前記装置基準マークとしての第1装置基準マークが
付された第1基準マーク付設部と、1以上の前記装置基
準マークとしての第2装置基準マークが付された第2基
準マーク付設部との2つの前記基準マーク付設部を含
み、前記相対位置誤差検出部が、前記部品撮像装置に前
記第1装置基準マークを撮像させてその部品撮像装置と
前記第1基準マーク付設部との前記相対位置誤差である
第1相対位置誤差を検出し、かつ、前記基板撮像装置に
前記第2装置基準マークを撮像させてその基板撮像装置
と前記第2基準マーク付設部との前記相対位置誤差であ
る第2相対位置誤差を検出するものである(1)項ないし
(3)項のいずれかに記載の電気部品装着システム。
【0024】本項に記載の態様では、基準マーク付設部
を2つ設け、それらのそれぞれに付された装置基準マー
クを、基板撮像装置と部品撮像装置との両者のそれぞれ
に撮像させ、それぞれの相対位置誤差を検出するもので
ある。したがって、システムの信頼性はより向上し、ま
た。より高精度な装着作業が実現できる。
【0025】本項に記載の電気部品装着システムでは、
2つの撮像装置のそれぞれに装置基準マークを付して、
互いに相対位置誤差を検出するような態様のシステムと
することもできる。つまり、基板撮像装置を第1基準マ
ーク付設部とし、部品撮像装置を第2基準マーク付設部
とする態様である。この場合、2つの相対位置誤差値を
平均する等すれば、相対位置誤差検出精度の向上が期待
できる。また、一方の撮像装置あるいはその一部分が位
置ずれ等を生じやすいものであると認識しているような
場合に、その位置ずれ量等を検出し得る。より具体的に
いえば、例えば、基板撮像装置が装着装置に取り付けら
れているような場合において、撮像デバイスである基板
撮像カメラとそれを固定する取付部材との間で位置ずれ
の可能性が高いとされているような場合に、その取付部
材に第1装置基準マークを付してそれを部品撮像装置で
撮像し、かつ、部品撮像装置のいずれかの箇所に第2装
置基準マークを付してそれを基板撮像装置で撮像し、こ
れら2つの撮像によって検出した相対位置誤差を比較す
れば、それら基板撮像カメラと取付部材との間の位置ず
れ量を推認することが可能である。つまり、1つの撮像
装置内における構成部品間あるいは構成部分間の位置ず
れ等の不具合を検出する態様での実施も可能である。
【0026】(8)前記装着装置が前記第1基準マーク
付設部に設けられ、前記相対位置誤差検出部が、前記第
1相対位置誤差として、前記装着装置と前記部品撮像装
置との相対位置誤差を検出するものである(7)項に記載
の電気部品装着システム。
【0027】基板撮像装置が装着装置に取り付けられて
いるか否かに関わらず、基板撮像装置と部品撮像装置と
装着装置との3者の相対位置誤差は、高精度な部品装着
を行う上で重要である。この3者の相対位置誤差を把握
できる本項に記載の電気部品装着システムは、より高精
度な部品装着作業が可能である。なお、本項の態様は、
装着装置自体が第1基準マーク付設部となる態様を含む
ものである。
【0028】上述したような基板撮像装置が装着装置に
取り付けられているような場合であっても、基板撮像装
置と装着装置との間に位置ずれが生じる可能性の高い場
合もあり得る。例えば、装着装置が有する装着ヘッド自
体あるいはその一部分を第1装置基準マークとして利用
し、これを部品撮像装置で撮像して、装着装置と部品撮
像装置との相対位置誤差を検出しておき、それととも
に、基板撮像装置と部品撮像装置との相対位置誤差を第
2相対位置誤差として検出すれば、かかる場合において
も、基板撮像装置と装着装置との間の相対位置誤差が検
出できるため、システムの信頼性は向上し、装着精度の
高い装着作業を実行できる。
【0029】(9)前記装着装置と部品撮像装置との相
対位置誤差が、前記装着装置移動装置に起因する誤差を
含む(8)項に記載の電気部品装着システム。
【0030】前記(6)項に関する説明から解るように、
装着装置が装着装置移動装置で移動させられる場合は、
その装着装置移動装置に起因する相対誤差が部品の装着
位置精度にに与える影響は大きい。したがって、かかる
相対位置誤差を検出する本項記載の態様の電気部品装着
システムは、より信頼性の高いシステムとなる。
【0031】(10)当該電気部品装着システムが、前
記基板撮像装置を移動させる基板撮像装置移動装置を含
む(7)項ないし(9)項のいずれかに記載の電気部品装着シ
ステム。
【0032】基板撮像装置が基板移動装置で移動させら
れる場合は、装着装置が移動装置で移動させられる場合
と同様に、基板撮像装置に関する相対位置誤差を検出す
ることは重要である。特に、基板撮像装置と装着装置と
が、それぞれ別の移動装置で移動させられる場合は、両
者の有する相対位置誤差が重なってその影響は相当なも
のとなる。したがって、基板撮像装置に関する相対位置
誤差を把握できる本項に記載の電気部品装着システム
は、信頼性の高いものとなる。
【0033】(11)前記第2相対位置誤差が、前記基
板撮像装置移動装置に起因する誤差を含む(10)項に記載
の電気部品装着システム。
【0034】前記(6)項および(9)項に記載の説明から解
るように、基板撮像装置が基板撮像装置移動装置で移動
させられる場合は、その基板撮像装置移動装置に起因す
る相対誤差が部品の装着位置精度にに与える影響は大き
い。したがって、かかる相対位置誤差を検出する本項記
載の態様の電気部品装着システムは、より信頼性の高い
システムとなる。
【0035】(12)前記相対位置誤差検出部が、当該
電気部品装着システムが電気部品の装着作業を連続して
行っている途中で、前記相対位置誤差を検出するもので
ある(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の電気部品装
着システム。
【0036】上述した相対位置誤差は、どんな原因でい
つ発生するか予測がつかない場合も多い。例えば、当初
それぞれの装置間の相対位置誤差がないように調整した
としても、本電気部品装着システムの稼動に伴って発生
する振動等に起因して生じることもある。また、前述し
たように、稼動の最中にその相対位置誤差の量は変化す
る。例えば、連続稼動によるいずれかの装置の発熱に起
因する熱膨張等に依拠して、相対位置誤差量が、刻々と
変化する等の場合である。したがって、当該システムの
稼動中に相対位置誤差を検出可能な本項に記載の電気部
品装着システムは、相対位置誤差の発生、変化を早期に
発見でき、また、その相対位置誤差の変化に基づく電気
部品の装着位置の補正を速やかに実行できることから、
高精度装着が充分に維持される。
【0037】(13)前記相対位置誤差検出部が、当該
電気部品装着システムが予め設定された条件を満たすま
で連続して装着作業を行った後に、前記相対位置誤差を
検出するものである(12)項に記載の電気部品装着システ
ム。
【0038】稼動中の相対位置誤差の検出のタイミン
グ、頻度等は特に限定するものではないが、相当程度の
時間的間隔、頻度で行うことが望ましい。また、装着作
業を阻害するものでないことが望ましい。かかる点を考
慮すれば、適切な条件下で相対位置誤差を検出可能な本
項に記載の態様では、効率的な装着作業、システムの稼
動が担保される。例えば、1つの回路基板への電気部品
の装着が完了した時点あるいは装着を開始する時点で行
う、つまり、回路基板毎に相対位置誤差を検出するもの
であってもよい。また、一定数の回路基板の装着作業が
終了した後に行う、あるいは、一定時間が経過した時点
で装着作業が行われている回路基板の装着が終了した後
に行うものであってもよい。あるいは、例えば、電気部
品装着システムが下流側で装着結果検査装置とリンクし
ているような場合、その検査装置によって装着不良であ
ると判定されたとき、また、その検査装置によって得ら
れた装着不良率、装着不良連続回数等のパラメータが設
定された値を超えたとき等に、上記相対位置誤差の検出
が行われるもの等であってもよい。つまり、相対位置誤
差検出のための上記条件は、当該システムの作業情報に
関する条件、検査情報に関する条件等、目的に応じて種
々の条件を設定できる。
【0039】(21)回路基板を保持する基板保持装置
と、部品供給部において電気部品を保持して前記基板保
持装置に保持された回路基板の表面に装着する装着ヘッ
ドを有する装着装置と、前記部品供給部と前記保持され
た回路基板とにわたって前記装着装置を移動させる装着
装置移動装置と、前記保持された回路基板の表面を撮像
可能な基板撮像装置と前記装着ヘッドによって保持され
た電気部品を撮像可能な部品撮像装置との2つの撮像装
置とを含む電気部品装着システムにより、回路基板に電
気部品を装着する電気部品装着工程と、その電気部品装
着工程において装着された電気部品をその電気部品が装
着されている回路基板にはんだ付けするはんだ付け工程
とを含む電気回路製造方法であって、前記電気部品装着
工程が、前記電気部品装着システムの基準マーク付設部
に付された1以上の装置基準マークを前記2つの撮像装
置のいずれかにより撮像して、その2つの撮像装置のい
ずれかと前記基準マーク付設部との相対位置誤差を検出
する相対位置誤差検出工程を含み、かつ、前記基板保持
装置によって保持された回路基板の表面に付された基板
基準マークを前記基板撮像装置により撮像して検出され
たその回路基板の保持位置誤差である基板保持位置誤差
と、前記装着ヘッドに保持された電気部品を前記部品撮
像装置により撮像して検出されたその電気部品の保持位
置誤差である部品保持位置誤差と、前記相対位置誤差検
出工程において検出された前記相対位置誤差とに基づい
て、前記保持された電気部品を前記保持された回路基板
の適正な被装着位置に装着することを特徴とする電気回
路製造方法。
【0040】本電気回路製造方法は、例えば、上記本発
明の電気部品装着システムを用いて電気回路の製造を行
うような場合が該当する。電気部品の装着精度が高く、
また、その精度が維持された電気回路の製造を容易に行
うことができる。上記電気部品装着システムに関する各
項に掲げた技術的特徴を、本電気回路製造方法に適用す
ることも可能である。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態の一例
として、2つの実施形態およびそれぞれの変形態様につ
いて、図を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下
の実施形態等に限られるものではなく、以下の形態等の
他、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段
および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実
施することができる。
【0042】〔第1実施形態〕 <電子部品装着システムの構成>図1に、本実施形態の
電子部品装着システムの概略的な平面図を示し、図2
に、装着モジュールを中心とした側面図を、図3に、装
着モジュールを中心とした正面図をそれぞれ示す。本電
子部品装着システムは、電気部品装着システムの一種で
あり、電気部品の一種である電子部品を、複数の装着モ
ジュールにより回路基板に装着するトランスファー型の
システムである。
【0043】本電子部品装着システムは、システム本体
10と、システム本体10に配設されて回路基板12を
搬送する基板搬送装置14と、システム本体に配設され
て基板搬送装置14により搬送される回路基板12に電
子部品16を装着する複数の装着モジュール18と、本
システムに回路基板12を搬入する基板搬入装置として
の基板搬入コンベア20と、本システムから電子部品1
6が装着された回路基板12を搬出する基板搬出装置と
しての基板搬出コンベア22と、図1〜図3では示して
いないが、回路基板12を基板搬入コンベア20から基
板搬送装置14に移載する搬入基板移載装置24(図
4,図8参照)と、回路基板12を基板搬出装置14か
ら基板搬出コンベア22に移載する搬出基板移載装置2
6(図8参照)と、それらの各装置を統括して制御する
システム制御装置28を含んで構成される。なお、本電
子部品装着システムは、特開平11−214897号公
報に記載のシステムと同様の構成であり、本明細書にお
ける説明は簡単なものにとどめる。
【0044】基板搬送装置14は、回路基板12を保持
する基板保持装置としての複数の基板パレット30を有
する。また、基板搬送装置14は、パレット間欠移動装
置32を有し、この装置により、回路基板12を保持し
た基板パレット30は、図1における左方に存在する基
板搬入領域34から右方に存在する基板搬出領域36ま
で、複数が整列させられた状態で一斉に所定ピッチで間
欠移動させられる。これにより、回路基板12は、すべ
ての装着モジュール18にわたって、間欠的に移動させ
られることになる。また、基板搬送装置14は、パレッ
ト逆送装置38を有しており、基板搬出領域36で電気
部品16の装着が完了した回路基板12が搬出された後
の空の基板パレット30は、図示しないパレット移載装
置により、パレット逆送装置38に移載され、このパレ
ット逆送装置38によって、図1の左方に向かって搬送
される。逆送された空の基板パレット30は、図示しな
いパレット移載装置により、パレット間欠移動装置32
の基板搬入領域34に戻され、ここで次の回路基板12
が搬入されるまで待機する。参考までに、図1におい
て、基板パレットの30の移動を、矢印で示してある。
なお、基板搬送装置14は、特開平7−45995号公
報に記載されたものと同様の構成であるため、詳細な説
明は省略する。
【0045】基板搬入コンベア20から基板搬送装置1
4の基板搬入領域34への回路基板12の移載は、図4
に示す搬入基板移載装置24によって行われる。搬入基
板移載装置24は基板搬入コンベア20および基板搬入
領域34の上方に配設されており、基板搬送方向に平行
な方向(X軸方向)に往復移動可能な移載Xスライド5
0と、移載Xスライド50をその方向に移動させるXス
ライド移動装置52(Xガイド54、サーボモータ5
6、ボールねじ機構58等を含んで構成されている)
と、移載Xスライド50に設けられた基板把持装置60
とを含んで構成されている。基板把持装置60は、移載
Xスライド50に対して昇降可能であり、かつ、回路基
板12を両側において掴む一対の基板把持チャック62
を有している。基板搬入コンベア20において、回路基
板12は、基板把持装置60が下降して基板把持チャッ
ク62によって把持された後、基板把持装置60ととも
に上昇させられる。そして、移載Xスライド50が移動
させられることによって、基板搬送装置14の基板搬入
領域34へ移動させられる。基板搬入領域34におい
て、回路基板12は、下降させられた後、図示していな
い基板パレット30の有する保持爪により当該基板パレ
ット30に固定される。固定された後、基板把持チャッ
ク62による把持が解かれ、基板把持装置60は上昇さ
せられる。
【0046】さらに、搬入基板移載装置24は、回路基
板12の表面を撮像可能な基板撮像装置64を有してい
る。この基板撮像装置64は、撮像デバイスとしてのC
CDカメラを含んでおり、後に詳しく説明するが、回路
基板12の表面に付されて当該回路基板12の位置基準
を示す基板基準マークを撮像することが可能となってい
る。基板撮像装置64は、Xスライド50に設けられた
Yスライド装置66(駆動源をサーボモータ68とし、
図示しないボールねじ機構を有する)により、基板搬送
方向に直角でかつ回路基板に平行な方向(Y軸方向)に
移動させられる。つまり、この搬入基板移載装置24
は、基板撮像装置64と、基板撮像装置64を回路基板
の表面に平行な一平面内を移動させるための基板撮像装
置移動装置を含んで構成されているといえる。このよう
な見方をした場合、その基板撮像装置移動装置は、移載
Xスライド50、Xスライド移動装置52、Yスライド
装置66を含むものであり、XYロボット型の移動装置
であるといえる。なお、基板撮像装置によって撮像され
て得られた基板基準マークの撮像データは、基板画像処
理ユニット(図6参照)によって処理され、基板パレッ
ト30による回路基板12の保持位置誤差である基板保
持位置誤差が検出され、電子部品16の装着の際に利用
される。
【0047】また、基板搬送装置14の基板搬出領域3
6から基板搬出コンベア20への移載は、搬出基板移載
装置によって行われる。この搬出基板移載装置は、上記
搬入基板移載装置24から基板撮像装置64およびYス
ライド装置66を除いたものと同様の構成であるため、
説明は省略する。
【0048】複数配備されている装着モジュール18の
各々は、装着モジュール18における部品供給部に配設
された電子部品供給装置80と、部品供給部において電
子部品16を保持して基板パレット30に保持された回
路基板12の表面にその電子部品16を装着する装着ヘ
ッド82を有する装着装置84と、部品供給部と保持さ
れた回路基板12とにわたって装着装置84を移動させ
る装着装置移動装置86と、装着ヘッド82によって保
持された電気部品16を撮像可能な部品撮像装置88を
含んで構成される。
【0049】それぞれの装着モジュール18の電子部品
供給装置80は、システム本体10に部品供給部を構成
する部品供給テーブル90上に固定して配設され、複数
のテープフィーダ92がX軸方向に並ぶように整列させ
られてユニット化されたものである。それぞれのテープ
フィーダ92は、テープに保持された電子部品を順次送
り出し、所定の供給位置にて供給する。1つのテープフ
ィーダ92からは1種の電子部品16が供給されるよう
になっている。
【0050】図5に拡大して示すように、装着装置84
は、ハウジング98と一体化された装着装置本体100
と、装着装置本体100に配設された装着ヘッド82と
を含んで構成される。装着ヘッド82は、自身の軸線が
X軸方向およびY軸方向に直角な方向(Z軸方向)に向
くように配設され、また、装着装置本体100に対して
Z軸方向に移動可能にかつ自身の軸線周りに回転可能に
配設されている。装着ヘッド82は、先端部に電子部品
16を吸着保持可能な吸着ノズル102を着脱可能に有
しており、この吸着ノズル102は、例えばプログラム
等にしたがって自動的に、あるいは、作業者自らの作業
によって交換可能となっている(交換のための吸着ノズ
ルとそれらのノズルの収納場所は図示していない)。吸
着ノズル102は、図示しない負圧源に接続されてお
り、負圧により電子部品16を吸着し、負圧供給を断つ
あるいは正圧を供給することで電子部品90は吸着状態
から解除される。
【0051】また、装着装置84は、電動モータ104
を駆動源として装着ヘッド82を昇降させる装着ヘッド
昇降装置106と、図示しない電動モータを駆動源と
し、装着ヘッド82をその軸線周りに回転させる装着ヘ
ッド回転装置108とを、ハウジング98に固定的に備
える。装着ヘッド82は、装着装置84が前述の部品供
給位置に対応する部品取得位置および回路基板12にお
ける電子部品16の被装着位置に対応する装着位置に位
置する場合において、装着ヘッド昇降装置106によっ
て昇降させられ、電子部品16を吸着保持あるいは回路
基板12の表面に装着する。また、設定された電子部品
16の装着方位および保持された部品の保持姿勢に応じ
て、装着ヘッド82は、その姿勢を補正するために装着
ヘッド回転装置108によって自らの軸線を中心として
その軸線周りに回転させられる。装着装置84について
は特許第3093339号公報に記載のものと略同様に
構成されており、ここでは、この程度の簡単な説明にと
どめる。
【0052】それぞれの装着モジュール18の装着装置
移動装置は、XYロボット型の移動装置であり、支柱1
20によってシステム本体10に上架された移動装置本
体122と、Yスライド装置124と、Xスライド装置
126とを含んで構成される。Yスライド装置124
は、移動装置本体122に取り付けられたYガイド12
8と、Yガイド128に沿って移動させられるYスライ
ド130と、図示しないサーボモータを駆動源としてボ
ールねじ機構132によりYスライド130を移動させ
るYスライド移動装置134とを含んで構成され、Xス
ライド装置126は、Yスライド130に取り付けられ
たXガイド136と、図では明確にされていないがXガ
イド136に沿って移動させられるXスライドと、サー
ボモータ138を駆動源としてボールねじ機構140に
よりXスライドを移動させるXスライド移動装置142
とを含んで構成されている。そして、装着装置84がX
スライドに取り付けられていることで、装着装置84
は、部品供給部と間欠移動させられる基板パレット30
に保持された回路基板12とにわたって、回路基板12
に平行な平面に沿って移動させられる。
【0053】部品撮像装置88は、部品供給部と基板搬
送装置14のパレット間欠移動装置32との間に、シス
テム本体10に固定されて配設されており、撮像デバイ
スとしてのCCDカメラを備えるものである。装着装置
84は、部品供給部で電子部品16を保持して回路基板
12に向かう途中で、部品撮像装置88の上方で停止さ
せられ、保持した電子部品16は、その部品撮像装置8
8によって下方から撮像される。得られた撮像データ
は、部品画像処理ユニット(図6参照)によって処理さ
れ、部品保持位置誤差が検出され、電子部品16の装着
の際に利用される。
【0054】それぞれの装着モジュール18における装
着領域148は、図1に示すように、回路基板より小さ
いが、パレット間欠移動装置の間欠送りのピッチもそれ
に応じたピッチとされており、回路基板の全面にわたっ
てすべての装着モジュール18の装着作業が可能とされ
ている。それぞれの装着モジュール18の装着領域に位
置する回路基板12の部分に対して、それぞれの装着モ
ジュール18が装着プログラムにしたがって、予め定め
られた電子部品16を回路基板に対して予め定められた
被装着位置に装着する。すべての装着モジュール18が
自らの装着領域148についての電子部品16の装着が
完了した後、回路基板12は間欠送りされ、装着領域1
48に対応する次の回路基板に対する装着作業が開始す
る。これらの装着作業が繰り返されることで、本電子部
品装着システムは、複数の装着モジュール18が共同し
て1つの回路基板12に対する電子部品の装着を行うの
である。
【0055】上記各装置は、システム制御装置28によ
って制御される。図6に、システム制御装置28のブロ
ック図を、本発明に関係の深い部分を中心に示す。シス
テム制御装置26は、PU160,ROM162,RA
M164,入出力インターフェース166およびそれら
を接続するバス268を有するコンピュータ170を主
体とするものである。入出力インターフェース266に
は、システム制御装置28内にあるそれぞれの駆動回路
172を介して、基板保持装置である基板パレット30
を含む基板搬送装置14,基板撮像装置移動装置として
も機能する搬入基板移載装置24,搬出基板移載装置2
6、各装着モジュール18ごとの電子部品供給装置8
0,装着ヘッド昇降装置106,装着ヘッド回転装置1
08,装着装置移動装置86が接続されている。また、
入出力インターフェース166には、基板撮像装置64
が基板画像処理ユニット174を介して、各装着モジュ
ール18ごとの部品撮像装置88が部品画像処理ユニッ
ト176を介して、それぞれ接続されており、上述した
ように、回路基板12の基板パレット30に対する基板
保持位置誤差が、および、電子部品16についての部品
保持位置誤差がそれぞれ検出される。ROM162に
は、本電子部品装着システムの基本動作プログラム等が
記憶されており、また、RAM164には、作業に供さ
れる回路基板に応じた電子部品装着作業プログラム、上
記部品保持位置誤差、基板保持位置誤差、後に詳しく説
明する装置間の相対位置誤差等が記憶される。なお、装
着作業における本装着機の基本的な動作は、前記特開平
11−214897号公報および特開平7−45995
号公報に記載されているものと略同様であり、本明細書
においては上記説明の程度にとどめる。
【0056】<装置間の相対位置誤差の検出とそれに基
づく装着>本電子部品装着システムにおける電子部品の
装着位置のずれについて説明する。システムを構成する
各装置が正確な位置に配設され、また、調整を行って各
装置間に相対的な位置誤差が発生していない場合、電子
部品16の装着位置ずれ(回路基板12における被装着
位置のずれ)は、主に、以下の2つの要因によって発生
する。その1つは、回路基板12が基板保持装置として
の基板パレット30に保持された姿勢、つまり、基板パ
レット30に対する位置ずれであり、もう1つは、装着
ヘッド82に保持された電子部品16のその装着ヘッド
82に対する位置ずれである。すなわち、基板保持位置
誤差および部品保持位置誤差が生じることによって、電
子部品の装着位置ずれが発生する。
【0057】本電子部品装着システムにおいて、基板保
持位置誤差は、以下のように検出される。図7に、回路
基板が基板パレットに保持されている様子を模式的に示
す。パレット間欠移動装置32の基板搬入領域34にお
いて搬入基板移載装置24によって移載された回路基板
12は、基板パレット30に対して、左方におよび下方
に対してずれを、また、左回りに回転ずれを生じてい
る。シフト的な誤差、詳しくはX軸方向誤差をΔXb
Y軸方向誤差をΔYbとし、回転的誤差を、Δθbとす
る。回路基板12には、その基板の位置基準を表示する
基板基準マーク200が、対角のコーナ部にそれぞれ1
つずつ、計2つ付されており、基板撮像装置64は、基
板撮像装置移動装置としての搬入基板移載装置24によ
って移動させられて、それぞれの基板基準マーク200
を撮像する。システム制御装置28のRAM164は、
基準マーク位置記憶部を有し、この基準マーク位置記憶
部には、適正に保持された場合において視野中心にそれ
ぞれの基板基準マーク200が位置するときの基板撮像
装置64のそれぞれの移動位置(厳密には、搬入基板移
載装置24への移動位置指値)が記憶されており、基板
撮像装置64は、この移動位置に移動させられて、それ
ぞれの基板基準マーク200を撮像するのである。そし
て、得られた撮像データを基板画像処理ユニット174
で画像処理して、撮像視野中心からの基板基準マーク2
00のずれ量を取得し、それぞれの基板基準マーク20
0のずれ量に基づいて、基板保持位置誤差である上記シ
フト的誤差ΔXb,ΔYbおよび回転的誤差Δθbが検出
される。検出された基板保持位置誤差は、RAM164
の基板保持位置誤差記憶部に記憶され、各装着モジュー
ル18による装着作業時に、装着位置補正のために利用
される。
【0058】なお、上記基板保持位置誤差の検出は、以
下のように観念することもできる。回路基板12は、電
子部品16が装着される被装着位置の基準となる自らの
座標(装着座標)を有していると考えることができ、装
着プログラムにおける電子部品の被装着位置は、この座
標における位置で指定される。また、本電子部品装着シ
ステムも、各装置の基準となる座標であるシステム座標
を有していると考えることができる。基板基準マーク2
00は、装着座標に対して正確に付されている。システ
ム座標に従って移動させられる基板撮像装置64による
上記基板保持誤差の検出は、上記装置座標とシステム座
標との相互変換を可能にするパラメータの取得であると
考えることができる。つまり、この場合において、基板
保持位置誤差は、その装着座標とシステム座標とのずれ
を意味するものと考えることができる。
【0059】部品保持位置誤差は以下のように検出され
る。図8に、電子部品が吸着ノズル102によって吸着
されて装着ヘッド82に保持された状態を、下方から見
た図として模式的に示す。保持された電子部品16は、
装着ヘッド82に対して、図における上方および右方に
ずれ、また、左回りに回転ずれを生じている。シフト的
誤差、詳しくはX軸方向誤差をΔXp、Y軸方向誤差を
ΔYpとし、回転的誤差を、Δθpとする。各装着モジュ
ール18において、装着装置84が部品供給部から回路
基板12に向かって移動させられる途中に、部品撮像装
置88によって、保持された電子部品16が下方より撮
像される。詳しく言えば、装着ヘッド82の中心軸と部
品撮像装置88の撮像視野の中心とが一致する位置に装
着装置84は移動させられ、電子部品16が撮像され
る。この位置は、システム制御装置28のRAM164
の部品撮像位置記憶部に装着装置移動装置86の移動位
置指令値として記憶されている。また、RAM164
は、標準部品パターン記憶部を有し、その標準部品パタ
ーン記憶部は、その電子部品16についての標準画像パ
ターンデータを記憶している。撮像されて得られた撮像
データを、部品画像処理ユニット176によって、標準
画像パターンデータとを比較、演算する等の画像処理す
ることで、保持された電子部品16の部品保持位置誤差
である上記シフト的誤差ΔXp,ΔYpおよび回転的誤差
Δθpが検出される。検出された部品保持位置誤差は、
RAM164の部品保持位置誤差記憶部に記憶され、そ
の電子部品16の装着作業時に、装着位置補正のために
利用される。
【0060】装着装置84による電子部品16の回路基
板12への装着は、装着装置移動装置86によって装着
装置84が回路基板12の上方の装着移動位置へ移動さ
せられ、また、装着ヘッド12が装着ヘッド回転装置1
08によって装着回転位置まで回転させられて、その装
着移動位置およびその装着回転位置を保ったままの状態
で、装着ヘッド82が下降させられて行われる。RAM
164は、装着プログラムとして、回路基板12におけ
るその電気部品16の予定被装着位置が記憶されてい
る。前述した装着座標という概念によれば、予定被装着
位置は、その装着座標における座標位置X0、Y軸方向
の座標位置Y0、および電気部品16の回転方向位置
(上記装着方位を意味する)θ0といった値で示すこと
ができる。基板保持位置誤差および部品保持位置誤差が
ない場合は、上記装着移動位置および装着回転位置は、
予定被装着位置X0,Y0,θ0にのみ基づいて決定され
たとしても、その電子部品16は、回路基板12の適正
な被装着位置に装着される。ところが、実際には、基板
保持位置誤差および部品保持位置誤差を有するものとな
っており、被装着位置はその誤差分ずれることとなる。
【0061】本電子部品装着システムでは、対象となる
回路基板12の基板保持位置誤差ΔXb,ΔYb,Δθb
および対象となる電子部品16の部品保持位置誤差ΔX
p,ΔYp,Δθpが、RAM164に記憶されており、
その記憶されている誤差に基づいて、上記装着装置84
の装着移動位置および装着ヘッド82の装着回転位置が
補正されて決定される。そして、その補正された装着移
動位置に装着装置84が移動させられ、また、その補正
された装着回転位置に装着ヘッド82が回転させられて
装着が行われる。したがって、基板保持位置誤差および
部品保持位置誤差が発生している場合であっても、その
電子部品16は、回路基板12の適正な被装着位置に装
着される。先に説明した装着座標の概念を持ち出せば、
基板保持位置誤差に基づいて装着座標上の被装着位置が
システム座標上の装着位置に変換され、さらに、その被
装着位置が、部品保持位置誤差に基づいて補正されて、
上記装着移動位置および装着回転位置が決定されるので
ある。なお、以上の、基板保持位置誤差、部品保持位置
誤差の検出、位置補正の演算処理等は、幾何学的演算手
法に従うものであることから、その説明は省略する。
【0062】次に、装置間の相対位置誤差が発生する場
合について考える。電気部品装着システムでは、基板撮
像装置、部品撮像装置、装着装置相互間の相対位置誤差
が特に重要となる。すべての装置がシステム本体に対し
てその位置が固定されている場合はそれほどの影響がな
いが、移動を伴う装置との間において相対位置誤差は発
生しやすい。本電子部品装着システムでは、基板撮像装
置64は、XYロボット型の装置である搬入基板移載装
置24によって移動させられる。また、装着装置84も
XYロボット型の移動装置である装着装置移動装置86
によって移動させられる。したがって、こられらの移動
装置に起因する相対位置誤差が特に問題となる。なお、
基板固定装置である基板パレット30も移動させらる
が、その機構から、いずれの移動位置においてもシステ
ム本体10に対する相対位置誤差は発生しにくいものと
考えることができ、また、そのように仮定しても装着精
度に関して実質的は問題はない。さらに、部品撮像装置
88も、システム本体10に固定されており、その位置
ずれ等も考慮する必要がないものと考えてよい。また、
本電気部品装着システムでは、装着ヘッド82の装着装
置84における位置も安定しており、こられの間の相対
位置誤差はないものとして扱うことが可能である。これ
らの前提の上にたって、以後の説明を展開する。
【0063】XYロボット型の移動装置は、その機構
上、位置誤差を発生しやすい。特に、高速で移動させら
る場合、ボールねじ機構を採用するようなときには、発
熱等によってそのボールねじが伸長する。また、Xガイ
ドとYガイドとの直角度も変化しやすい。かかる現象が
生じた場合、前述したようなシフト的誤差、回転的誤差
といった静的相対位置誤差に加え、伸縮的誤差,傾斜的
誤差といった動的相対位置誤差を含んだ相対位置誤差が
発生する。先のシステム座標という概念を持ち出せば、
そのXYロボット型の移動装置によって移動させられる
基板撮像装置および装着装置は、システム座標とは別の
移動座標を移動させられると考えることができる。そし
て相対位置誤差が生じている場合は、実際の移動座標が
システム座標に対して変形ないしずれが生じているもの
と考えることができる。これを、図9に概念的に示す。
図9(a)は、シフト的誤差が生じている場合を、図9
(b)は回転的誤差が生じている場合を、図9(c)
は、伸縮的誤差が発生している場合を、図9(d)は、
傾斜的誤差が生じている場合をそれぞれ示す。なお、こ
れらの図のいずれも、システム座標210が破線で、移
動座標212が実線で示してある。また、実際の相対位
置誤差は、これらが複合したものとなる。
【0064】このような相対位置誤差が基板撮像装置6
4とシステム本体との間に発生している場合、基板撮像
装置64を移動させて、基板基準マーク200を撮像
し、その撮像データに基づいて、基板保持位置誤差を検
出したとしても、その誤差は、その相対位置誤差を含ん
だものとなる。したがって、その基板保持位置誤差に基
づく装着位置の補正を行って装着装置84を移動させ、
装着ヘッド82を回転させたとしても、回路基板12の
適正な被装着位置に装着ができない。また、装着装置8
4とシステム本体10との間に相対位置誤差が生じてい
る場合も同様に、部品撮像装置88によって検出される
部品保持位置誤差は、その相対位置誤差を含むものとな
り、また、回路基板12の被装着位置についても、その
相対位置誤差が影響してずれることになる。本電子部品
装着システムの場合、基板装着装置64と装着装置84
とが別の移動装置によって移動させられるため、異なる
移動座標上を移動させられると考えることができ、いず
れか一方に上記相対位置誤差が発生した場合、それは両
者の間に存在する相対位置誤差となり、その影響は大き
い。
【0065】そこで、本電子部品装着システムでは、以
下の2つの手段を採用して、相対位置誤差を検出してい
る。その1つは、装着装置84に自らの位置基準を表わ
す3つの装置基準マークを付設し、その装置基準マーク
を、システム本体に固定されて配設されている部品撮像
装置88に撮像させて、装着装置84と部品撮像装置8
8との相対位置誤差、すなわち装着装置84とシステム
本体10との相対位置誤差を検出するというものであ
る。図10に、装着装置84に装置基準マークが付され
ている様子を示す。図10は、Xスライド装置126に
取り付けられた装着装置84を下方から見た図であり、
装着装置84のハウジング98の下面に、一直線上に位
置しない3つの装着装置基準マーク220が付設されて
いる。相対位置誤差の発生していない状態においての、
それぞれの装着装置基準マーク220が部品撮像装置8
8の撮像視野の中心に位置する場合の装着装置84の位
置は、RAM164の装着装置基準マーク位置記憶部
に、装着装置移動装置86の移動位置指令値として記憶
されており、この移動位置指令値に基づいて装着装置8
4は移動させられ、それぞれの装着装置基準マーク22
0が撮像される。なお、装着装置基準マーク220の撮
像にあたっては、電子部品を撮像する場合と撮像距離が
異なるため、図示していないが、撮像デバイスであるC
CDカメラの焦点距離を変更するためのアダプタレンズ
がCCDカメラの前方に置かれるようになっている。
【0066】相対位置誤差が発生している場合、それぞ
れの装着装置基準マーク220についての撮像データを
部品画像処理ユニット176で画像処理することによ
り、それぞれの装着装置基準マーク220についての装
着装置84と部品撮像装置88との位置ずれ量δX,δ
Yが得られる。先に説明したように、部品撮像装置88
は、システム本体10に対して固定されており、これら
の位置ずれ量δX,δYは、システム本体10に対する
位置ずれ量をして把握することができる。そしてそれら
位置ずれ量δX,δYを幾何学的演算手法に従って解析
することにより、上述のシステム座標に対する装着装置
84の実際の移動座標が求まり、その結果として、装着
装置84とシステム本体10との相対位置誤差が検出さ
れるのである。なお、解析に用いられる位置ずれ量δ
X,δYが一直線上にない3点についてのものであるが
故、前述した伸縮的誤差、傾斜的誤差といった動的相対
位置誤差を検出できるのである。こうして検出された相
対位置誤差は、RAM164の装着装置相対位置誤差記
憶部に記憶される。
【0067】もう1つの相対位置誤差検出のための手段
は、基板搬送装置14の基板搬入領域34の近傍に装置
基準マークを付設し、その装置基準マークを、基板撮像
装置64に撮像させて、基板撮像装置64に関する相対
位置誤差を検出するというものである。図11に、基板
搬入領域34の近傍に装置基準マークが付されている様
子を概念的に示す。図11は、基板搬送装置14の基板
搬入領域34を上方から見た図である。3つの基準マー
ク付設部材222が、システム本体10に固定して立設
され、これら基準マーク付設部材222のそれぞれの上
面に、基板撮像装置基準マーク224が付設されてい
る。基準マーク付設部材222は、基板パレット30に
保持された回路基板12の装着表面と同じ高さに位置し
ている。基板撮像装置64は、これら3つの基板撮像装
置基準マーク224をも撮像可能に移動差させられるよ
うになっている。相対位置誤差が発生していない場合に
おいての、それぞれの基板撮像装置基準マーク224が
基板撮像装置64の撮像視野の中心に位置する場合の位
置は、RAM164の基板撮像装置基準マーク位置記憶
部に、搬入基板移載装置24の移動位置指令値として記
憶されており、この移動位置指令値に基づいて基板撮像
装置64は移動させられ、それぞれの基板撮像装置基準
マーク224が撮像される。
【0068】相対位置誤差が発生している場合、それぞ
れの基板撮像装置基準マーク224についての撮像デー
タを基板画像処理ユニット174で画像処理することに
より、それぞれの基板撮像装置基準マーク224につい
ての基板撮像装置64とシステム本体10との位置ずれ
量δX,δYが得られる。上記装着装置に関する相対位
置誤差の場合と同様、それら位置ずれ量δX,δYを幾
何学的演算手法に従って解析することにより、上述のシ
ステム座標に対する基板撮像装置64の実際の移動座標
が求まる。その結果として、基板撮像装置64とシステ
ム本体10との相対位置誤差が検出されるのである。な
お、この場合も同様に、解析に用いられる位置ずれ量δ
X,δYが一直線上にない3点についてのものであるが
故、前述した伸縮的誤差、傾斜的誤差といった動的相対
位置誤差を検出できるのである。検出された相対位置誤
差は、RAM164の基板撮像装置相対位置誤差記憶部
に記憶される。
【0069】基板撮像装置64の上記相対位置誤差が検
出された後は、以後の基板撮像装置64の移動は、その
相対位置誤差に基づいて、その相対位置誤差を解消する
ような補正がなされつつ行われる。つまり、基板撮像装
置64が適正な移動座標上を移動するように、搬入基板
移動装置24への移動指示値を変換する処理を行ない、
その移動指示値に基づいて搬入基板移載装置24が作動
させられるのである。適正な移動座標上を基板撮像装置
24が移動することで、基板パレット30に保持された
回路基板12の基板基準マーク200の撮像による基板
保持位置誤差の検出において、基板撮像装置64が有す
るその相対位置誤差を含まない基板保持位置誤差が検出
される。また、同様に、装着装置84の上記相対位置誤
差が検出された後には、以後の装着装置84の移動は、
その相対位置誤差を解消するような補正が行われつつ行
われる。つまり、装着装置84が適正な移動座標上を移
動するように、装着装置移動装置86への移動指示値を
変換する処理を行ない、その移動指示値に基づいて装着
装置が作動させられるのである。適正な移動座標上を装
着装置84が移動することで、装着ヘッド82に保持さ
れた電子部品16の撮像による部品保持位置誤差の検出
において、装着装置84が有するその相対位置誤差を含
まない部品保持位置誤差が検出される。また、装着位置
への装着装置84においても、同様に、その相対位置誤
差が消滅させられて装着装置84が移動させられる。よ
って、本電子部品装着システムによる装着作業は、装着
精度の高い作業となる。
【0070】以上の相対位置誤差の検出およびその相対
位置誤差に基づく装着作業に関して、本電子部品装着シ
ステムの構成を説明すれば、以下のようになる。部品撮
像装置88の相対位置誤差を検出する目的で付された装
着装置基準マーク224が第1装置基準マークに該当
し、その装着装置基準マーク224が付された装着装置
84が第1基準マーク付設部に該当し、それら部品撮像
装置88と装着装置84との相対位置誤差(本システム
ではシステム本体10と装着装置84との相対位置誤差
と擬制できる)が第1相対位置誤差に該当する。同様
に、基板撮像装置64の相対位置誤差を検出する目的で
付された基板撮像装置基準マーク220が第2装置基準
マークに該当し、その基板撮像装置基準マーク220が
付されたシステム本体10の部分が第2基準マーク付設
部に該当し、それら基板撮像装置64とシステム本体1
0との相対位置誤差が第2相対位置誤差に該当する。ま
た、それら相対位置誤差の検出は、システム制御装置2
8の制御下で行われることから、システム制御装置28
のうちそのような制御を行う部分が、相対位置誤差検出
部に該当する。また、部品保持位置誤差を検出する部分
が部品位置誤差検出部に、基板保持位置誤差を検出する
部分が基板位置誤差検出部にそれぞれ該当する。そし
て、検出された相対位置誤差に基づく装着作業も、シス
テム制御装置28の制御下にて行われる、基板保持位置
誤差、部品保持位置誤差に加え相対位置誤差に基づいて
補正された移動位置に装着装置84を移動させる等して
装着作業を行うように制御する部分が、適正装着制御部
に該当する。
【0071】<本電子部品装着システムによる装着作業
>図12に、本電子部品装着システムによる1つの回路
基板に対する装着作業のフローチャートを示す。各ステ
ップの内容は、先に詳しく説明されているものもあり、
ここでは簡単な説明にとどめる。まず、基板搬入コンベ
ア20によって搬送されてきた回路基板12(装着表面
には、クリーム状はんだが印刷塗布されている)は、ス
テップ1(S1:以下「ステップ」をSと略す)におい
て、基板搬送装置14の基板搬入領域34に空の基板コ
ンベア30が位置するのを待って、搬入基板移載装置2
4によって、その基板コンベア30に移載される。そし
て基板コンベア30は、移載された回路基板12を略予
定した位置に固定して保持する。次いで、S2におい
て、基板撮像装置64が基板移載装置24によって移動
させられ、回路基板12の基板基準マーク200が撮像
される。そして、その撮像データが画像処理されて基板
保持位置誤差が検出される。次いで、S3において、パ
レット間欠移動装置32によって基板パレット30が間
欠移動させられることにより、回路基板12が間欠移動
させられる。間欠移動させられた回路基板12は、複数
の装着モジュール18の最初のものの装着領域148に
入り、続くS4〜S8までのルーチンである当該装着領
域の装着作業が開始される。
【0072】S4〜S7については、RAM164に記
憶されている装着モジュール18ごとの装着プログラム
に従って行われる。S4において、装着装置84が部品
供給部の所定の位置に移動させられ、吸着ノズル102
で電子部品16を吸着することで装着ヘッド82がその
電子部品16を保持する。次いで、S5において、装着
ヘッド82に電子部品16を保持した装着装置84が部
品撮像装置88の上方まで移動させられ、その電子部品
16の部品保持位置誤差が検出される。次いで、S6に
おいて、その部品保持位置誤差とS2で検出された基板
保持位置誤差とに基づいて、装着位置の補正がなされ
る。装着位置の補正は、装着装置移動装置86による装
着装置84の移動の際の移動位置の補正、装着ヘッド回
転装置108による装着ヘッド82の回転の際の回転位
置の補正の2つを含むものである。装着位置が補正され
た後、S7において、保持されている電子部品16が回
路基板の表面に装着される。次に、S8において、当該
装着領域148におけるすべての電子部品16の装着が
終了したかが判断され、まだ装着予定の電子部品16が
存在する場合は、S4に戻って次の電子部品16の装着
作業が開始される。その装着領域148における装着作
業が終了した場合は、S9において、すべての装着モジ
ュール18による装着作業が終了したのか否かが判定さ
れ、まだ終了していない場合は、S3にもどって、回路
基板12が間欠移動させられ、次の装着領域148の装
着作業が開始される。すべての装着モジュール18によ
る装着が終了した場合には、S10において、回路基板
12が間欠移動させられて、回路基板12は基板搬出領
域36に位置させられる。そして、S11において、回
路基板12は、基板パレット30による保持が解除さ
れ、搬出基板移載装置26によって、基板搬出コンベア
22に移載される。その後、基板搬出装置コンベア22
により、システム外に搬出される。
【0073】なお、本電子部品装着システムでは、複数
の回路基板12の装着を複数の装着モジュール18で行
う、詳しくは、1つの回路基板12が複数の装着モジュ
ール18にわたって順次移動させられて、その回路基板
12に対する装着作業が行われる。つまり、複数の装着
モジュール18の装着、回路基板12の搬入、搬出等
は、並行して行われる。したがって、回路基板12の間
欠移動は、すべての装着モジュール18による装着作業
が終了した時点で行われ、実際には、図12のフローチ
ャートでは示していないが、待機動作が含まれるものと
なる。
【0074】上述したように、本電子部品装着システム
では、複数の回路基板に対する装着作業が連続して行わ
れる。前述の相対位置誤差検出は、その連続作業の途中
で行われる。より詳しく言えば、予め設定された条件を
満たすまで連続して装着作業を行った後に行われる。そ
の1つである基板撮像装置64に関する前記相対位置誤
差(第2相対位置誤差)の検出は、一定の数量の回路基
板が装着作業に供せられた後に行われる。システム制御
装置28は、搬入された回路基板の数量を数える搬入基
板カウント部を備え、このカウント部による計数が設定
された値となった場合、次の回路基板が上記S1の基板
搬入が行われた際に、その相対位置誤差の検出が行われ
るのである。具体的な検出方法は、前述のとおりであ
り、基板搬入領域34において、基板基準マーク付設部
材222に付された3つの基板撮像装置基準マーク22
4の各々が基板撮像装置64にて撮像されて、システム
本体10と基板撮像装置64との相対位置誤差が検出さ
れる。前述したように、この相対位置誤差は、主に、基
板撮像装置移動装置として機能する搬入基板移載装置2
4に起因する誤差であり、伸縮的誤差、傾斜誤差の動的
相対位置誤差を含むものである。以後の基板保持位置誤
差検出は、検出されたその相対位置誤差に基づいて基板
撮像装置64の移動位置が補正された状態を維持しつつ
行われる。つまり、前述のように、相対位置誤差の影響
が排除された移動座標系に基づく移動位置指令により、
基板撮像装置64が移動させられるのである。なお、相
対位置誤差検出が実行された際には、上記搬入基板カウ
ント部が計数する回路基板数量はリセットされる。
【0075】もう1つの相対位置誤差である部品撮像装
置88と装着装置84との相対位置誤差、すなわち、シ
ステム本体10と装着装置84との相対位置誤差(第1
相対位置誤差)の検出は、一定時間の経過後に行われ
る。システム制御部28は、装着モジュール稼動タイマ
部を備え、装着モジュール18の稼動時間が計測される
ようになっている。その稼動時間が設定された時間とな
った場合に、装着作業を行っている回路基板に対するそ
の行っている装着作業がすべて終了した時点で、それぞ
れの装着モジュール18についての上記相対位置誤差の
検出が行われる。複数の装着モジュール18のすべてに
ついて、同時期に相対位置誤差の検出が行われる。より
詳しく言えば、回路基板が間欠移動させられた後、次の
装着作業が開始される前の時点で行われる。具体的な検
出方法は、前述のとおりであり、装着装置84が装着装
置移動装置86により、部品撮像装置88の上方に移動
させられ、装着装置84に付設された3つの装着装置基
準マーク220の各々が撮像されて、部品撮像装置88
すなわちシステム本体10と装着装置84との相対位置
誤差が検出される。前述したように、この相対位置誤差
は、主に、装着装置移載装置86に起因する誤差であ
り、伸縮的誤差、傾斜誤差の動的相対位置誤差を含むも
のである。以後の部品保持位置誤差検出、装着等の装着
装置84の移動を伴う動作は、検出されたその相対位置
誤差に基づいて装着装置84の移動位置が補正された状
態を維持しつつ行われる。つまり、前述のように、相対
位置誤差の影響が排除された移動座標系に基づく移動位
置指令により、装着装置84が移動させられるのであ
る。なお、相対位置誤差検出が実行された際には、上記
装着モジュール稼動タイマ部が計測する稼働時間はリセ
ットされる。
【0076】以上の説明したような内容の装着作業が、
本電子部品装着システムによって行われる。電気回路の
製造において、その装着作業の工程が、電子部品装着工
程に該当する。この工程の後、はんだ付け工程におい
て、リフロー炉によって、装着された電子部品12は、
その装着されている回路基板12に対してはんだ付けさ
れる。なお、本電子部品装着システムによる電子部品装
着工程は、2つの相対位置誤差検出工程を含むものであ
る。
【0077】<変形態様>上記実施形態では、第1相対
位置誤差および第2相対位置誤差の2つの相対位置誤差
を検出し、その両者に基づく装着位置の補正を行ってい
る。これに代え、いずれか一方の相対位置誤差のみを検
出し、それに基づいて装着位置を補正する態様で実施す
ることもできる。例えば、装着装置移動装置86と基板
撮像装置移動装置としての搬入基板移載装置24との一
方が、システム本体10との相対位置誤差が殆ど発生し
ないと認識されているような場合にあっては、それにつ
いての相対位置誤差の検出およびそれに基づく装着位置
の補正を省略すれば、装着精度が高く、それでいて簡易
な電子部品装着システムが実現される。
【0078】また、上記実施形態の電子部品装着システ
ムにおいて、他の装置あるいは装置の一部に関する相対
位置誤差を検出し、その相対位置誤差に基づいて装着位
置を補正することが妨げられるものではない。例えば、
上記電子部品装着システムは、複数の吸着ノズル102
の中から1つの吸着ノズル102を交換して装備するよ
うに構成されており、それぞれの吸着ノズル102の中
心軸と装着ヘッド82の中心軸とのずれもまた、装着精
度に影響を与える。このような場合、基準となる吸着ノ
ズル102を決定しておき、他の吸着ノズル102とそ
の基準となる吸着ノズル102との間の相対位置誤差を
部品撮像装置88により検出し、その吸着ノズル102
で装着作業を行う際に、その相対位置誤差に基づく装着
位置の補正を行うことも可能である。
【0079】上記実施形態の電子部品装着システムで
は、基板撮像装置64および部品撮像装置88の撮像デ
バイスとしてCCDカメラを利用している。撮像装置を
構成する撮像デバイスは、CCDカメラに限定されるも
のではなく、実質的に同様な機能を果たすものであれば
よい。例えば、ラインセンサー等を撮像デバイスに用
い、被撮像物との間で一定速度で相対移動させることに
より、2次元画像データを取得し、そのデータを画像処
理することによって、基板保持位置誤差、部品保持位置
誤差、装置間の相対位置誤差を検出する態様で実施する
こともできる。
【0080】〔第2実施形態〕 <電子部品装着システムの構成>図13に、本実施形態
の電子部品装着システムの平面図を示し、図14に、全
体側面図を、図15に、装着装置およびその周辺をそれ
ぞれ示す。本電子部品装着システムは、電気部品の一種
である電子部品を回路基板に装着するシステムであり、
XYロボット型の装着システムである。
【0081】本電子部品装着システムは、システム本体
300と、システム本体300に配設されて回路基板1
2を固定保持する基板保持装置302と、基板保持装置
302の手前側(図13における下方)に配設されたフ
ィーダ型部品供給装置304と、基板固定装置302の
奥側(図13における上方)に配設されたトレイ型部品
供給装置306と、部品供給部を構成するこれら2つの
部品供給装置304,306にて電子部品16を保持し
て基板保持装置302に保持された回路基板12の表面
に装着する装着ヘッド308を有する装着装置310
と、部品供給部と保持された回路基板12とにわたって
装着装置310を移動させる装着装置移動装置312
と、装着装置310に取り付けられて回路基板12の表
面を撮像可能な基板撮像装置314と、装着ヘッド30
8によって保持された電子部品16を撮像可能な部品撮
像装置316と、それら各装置を統括して制御するシス
テム制御装置318(図17参照)とを含んで構成され
る。なお、本電子部品装着システムは、特許第2824
378号公報に記載のものと略同様に構成されており、
また、トレイ型部品供給装置306については特公平2
−57719号公報に記載のものと略同様に、装着装置
310については特許第3093339号公報に記載の
ものと略同様に構成されており、ここでは、簡単な説明
にとどめる。
【0082】基板保持装置302は、基板コンベア33
0によって搬送させられてきた回路基板12を、装着作
業のために、略予定された位置で固定して保持する装置
である。フィーダ型部品供給装置304は、部品供給部
を構成する部品供給テーブル332上に、複数のテープ
フィーダ334がX軸方向(図13における左右方向)
に並んで整列させられたものであり、それぞれのテープ
フィーダ334は、テープに保持された電子部品を順次
送り出して供給する。1つのテープフィーダ334から
は1種の電子部品16が供給されるようになっている。
トレイ型部品供給装置306は、電子部品16を複数収
納する複数のトレイ336がスタックされており、それ
ぞれのトレイ336から装着装置310が電子部品16
を取得可能な状態に、これらのトレイ336を順次移動
させることによって電子部品の供給を行う。
【0083】装着装置310は、ハウジング350と一
体化された装着装置本体352と、先端部に電子部品1
6を吸着保持可能な吸着ノズル354を着脱可能に有し
て装着装置本体352に回転可能にかつ昇降可能に保持
された装着ヘッド308と、電動モータ356を駆動源
として装着ヘッド308を昇降させる装着ヘッド昇降装
置358と、図示しない電動モータを駆動源とし、装着
ヘッド308をその軸線周りに回転させる装着ヘッド回
転装置360とを含んで構成されている。装着ヘッド3
08は、部品供給位置および部品装着位置において装着
ヘッド昇降装置358によって昇降させられ、電子部品
16を吸着保持あるいは回路基板12の表面に装着す
る。また、保持された部品の保持姿勢に応じて、装着ヘ
ッド308は、その姿勢を補正するため等に装着ヘッド
回転装置358によって自らの軸線を中心としてその軸
線周りに回転させられる。吸着ノズル354は図示しな
い負圧源に連結され、負圧により電子部品16を吸着す
る。また、基板保持装置302のX軸方向の両傍らに
は、吸着ノズル308が収容されるノズル収容装置36
2が配設されており、本電子部品装着システムでは合計
8つの吸着ノズル308を収容可能なように収容部36
4が設けられている(吸着ノズル354は図示を省
略)。装着装着がノズル収容装置362の上方に移動し
て、装着ヘッド308は、装着プログラムに従って、予
定された吸着ノズル354を交換して取り付けることが
可能である。
【0084】装着装置移動装置312は、XYロボット
型の移動装置で、Xロボット装置200とYロボット装
置372とを含んで構成され、Xロボット装置370
は、システム本体300に設けられており、Xスライド
374とそれをX軸方向に移動させるXスライド移動装
置376とを含んで構成され、Yロボット装置372
は、Xスライド374に設けられおり、Yスライド37
8とそれをY軸方向に移動させるYスライド移動装置2
80とを含んで構成されている。また、Xロボット装置
370およびYロボット装置372は、いずれも駆動源
がサーボモータ382,384であり、ボールねじ機構
386,388を有している。装着装置310は、Yス
ライド378に設けられている。
【0085】装着装置310には、基板撮像装置314
が取り付けられている。基板撮像装置314は、撮像デ
バイスとしてのCCDカメラ390を備え、また取り付
けのための取付部材392を有してその取付部材392
により装着装置に取り付けられている。したがって、基
板撮像装置314の移動は、装着装置移動装置312に
よって行われることになる。つまり、装着装置移動装置
312は、基板撮像装置移動装置としての役割をも果た
している。基板基準マークを基板撮像装置314によっ
て撮像することで得られた撮像データは、基板画像処理
ユニット(図17参照)によって処理され、基板保持装
置302による回路基板12の保持位置誤差である基板
保持位置誤差が検出され、電子部品16の装着の際に利
用される。
【0086】部品撮像装置316は、撮像デバイスとし
てのCCDカメラ394を備え、フィーダ型部品供給装
置304と基板保持装置302との間においてシステム
本体300に、取付部材396によって、固定して配設
されている。装着装置310は、部品供給部で電子部品
16を保持して回路基板12に向かう途中で、部品撮像
装置316の上方で停止させられ、保持した電子部品1
6は、その部品撮像装置316によって下方から撮像さ
れる。得られた撮像データは、部品画像処理ユニット
(図17参照)によって処理され、部品保持位置誤差が
検出され、電子部品16の装着の際に利用される。
【0087】なお、本電子部品装着システムは、実装一
貫ラインとしての電気回路製造ライン中に配備される。
図16に、本電子部品装着システムが配備された電気回
路製造ラインを模式的に示す。本電気部品製造ライン
は、上流側(図において左側)より下流側に向かって、
順に、クリームはんだを回路基板に印刷するはんだ塗布
機400、本電子部品装着システム402、本電子部品
装着システム402による装着作業の結果を検査する装
着検査機404、回路基板に装着された電子部品をはん
だ付けするリフロー炉406の4つの対基板作業機が配
備されている。また、それら各対基板作業機間には、そ
れらの各々を繋ぐ基板搬送機408が、はんだ塗布機4
00の上流には、本ラインに回路基板を搬入する基板搬
入機(ローダ)410が、リフロー機406の下流に
は、本システムから回路基板を搬出する基板搬出機(ア
ンローダ)412が配備されている。そして、それぞれ
の対基板作業機は、それらが互いに作業に関する情報を
やり取りするための情報伝達バスとなる通信ケーブル4
14によって繋がっている。
【0088】本電子部品装着システムを構成する上記各
装置は、システム制御装置318によって制御される。
図17に、システム制御装置318のブロック図を、本
発明に関係の深い部分を中心に示す。システム制御装置
318は、PU440,ROM442,RAM444,
入出力インターフェース446およびそれらを接続する
バス448を有するコンピュータ450を主体とするも
のである。入出力インターフェース446には、システ
ム制御装置318内にあるそれぞれの駆動回路452を
介して、基板保持装置302,装着装置移動装置31
2,フィーダ型部品供給装置304,トレイ型部品供給
装置306,装着ヘッド昇降装置358,装着ヘッド回
転装置360が接続されている。また、入出力インター
フェース446には、基板撮像装置314が基板画像処
理ユニット454を介して、部品撮像装置316が部品
画像処理ユニット456を介して、それぞれ接続されて
おり、上述したように、回路基板12の基板保持装置3
02に対する基板保持位置誤差が、および、電子部品1
6についての部品保持位置誤差がそれぞれ検出される。
さらに、入出力インターフェース446には、送受信制
御回路458が接続されている。送受信制御回路458
には通信ケーブル414が接続され、他の作業機との間
で各種情報のやり取りが行われる。ROM442には、
本電子部品装着システムの基本動作プログラム等が記憶
されており、また、RAM444には、作業に供される
回路基板に応じた電子部品装着作業プログラム、上記部
品保持位置誤差、基板保持位置誤差、後に詳しく説明す
る装置間の相対位置誤差等が記憶される。なお、装着作
業における本装着機の基本的な動作は、前記特許282
4378号公報および本出願人による特願2000−3
43641に係る出願明細書等に記載されているものと
略同様であり、ここでは説明を省略する。
【0089】<装置間の相対位置誤差の検出とそれの利
用>本電子部品装着システムにおいて、各装置間に相対
的な位置誤差が発生していない場合の電子部品の装着位
置ずれについては、上記第1実施形態の場合と同様、主
に、基板保持位置誤差および部品保持位置誤差によって
発生する。そして装着位置ずれを防止するため行う基板
保持位置誤差の検出、部品保持位置誤差の検出およびそ
れらに基づく装着時の補正についても、上記第1実施形
態における場合と同様であるため、それらについての以
下の説明は簡単に行う。
【0090】対象となる回路基板12は、図7に示すよ
うに、対角のコーナー部のそれぞれに計2つの基板基準
マーク200が付されており、基板保持装置302に回
路基板12が保持された状態において、基板保持位置誤
差の検出を行う。基板撮像装置314は装着装置310
に取り付けられており、装着基板撮像装置移動装置とし
ても機能する装着装置移動装置312によって、基板撮
像装置314は移動させられる。システム制御装置31
8のRAM444の基準マーク位置記憶部には、適正に
保持された場合において視野中心にそれぞれの基板基準
マーク200が位置するときの基板撮像装置314のそ
れぞれの移動位置が記憶されており、それぞれの移動位
置においてそれら基板基準マーク200を撮像し、その
撮像データから基板基準マーク200のずれ量が取得さ
れる。この取得されたずれ量に基づき、基板保持位置誤
差である前述のシフト的誤差ΔXb,ΔYbおよび回転的
誤差Δθbが演算されて検出される。
【0091】部品保持位置誤差は、装着装置310の装
着ヘッド308によって電子部品16が保持された状態
(図8参照)において、装着装置310が部品供給部か
ら回路基板12に向かって移動させられる途中に、部品
撮像装置316によって、その電子部品16が下方より
撮像されて検出される。詳しく言えば、装着ヘッド30
8の中心軸と部品撮像装置316の撮像視野の中心とが
一致する装着装置310の移動位置は、RAM444の
部品撮像位置記憶部に記憶されており、その位置におい
て撮像された撮像データと、RAM444の標準部品パ
ターン記憶部に記憶されたその電子部品16についての
標準画像パターンデータとを比較等する等することで、
保持された電子部品16の部品保持位置誤差である前述
のシフト的誤差ΔXp,ΔYpおよび回転的誤差Δθp
検出される。
【0092】回路基板12における電気部品16の予定
被装着位置は、第1実施形態の場合と同様、RAM44
4に、装着座標における座標位置X0、Y軸方向の座標
位置Y0、および電気部品16の回転方向位置θ0といっ
た形式で記憶されており、この予定装着位置を、上記基
板保持位置誤差および部品保持位置誤差とに基づいて補
正することにより、装着装置310の移動位置、装着ヘ
ッド回転装置360の回転位置が決定され、適正な被装
着位置に電子部品が装着されることになる。以上が、本
電子部品装着システムにおける基板保持位置誤差の検
出、部品保持位置誤差の検出およびそれらに基づく装着
時の補正の概要である。
【0093】次に、本電子部品装着システムにおける装
置間の相対位置誤差について考える。本システムでは、
基板保持装置302、部品撮像装置316は、システム
本体300に固定されており、それらの間の相対位置誤
差の影響は、少ないものと考えても構わない。また、基
板撮像装置314が装着装置310に取り付けられてお
り、両者が同じ移動装置、つまり装着装置移動装置31
2によって移動させられるため、電子部品の被装着位置
に関して、装着装置310とシステム本体300との相
対位置誤差の影響は少ない。つまり、基板撮像装置31
4と装着装置との相対位置誤差は実質的にはなく、前述
の装着座標と装着装置310の移動座標と略一致するた
め、基板保持位置誤差に基づく補正を行えば、回路基板
の被装着面内において、装着のための装着装置310の
移動位置に対してその相対位置誤差が殆ど出現しないと
考えることができるからである。したがって、部品保持
位置誤差の検出において、その部品撮像装置316と装
着装置310との相対位置誤差が含まれなければ、適正
な被装着位置に電子部品が装着できることになる。つま
り、本電子部品装着システムでは、部品撮像装置316
と装着装置との相対位置誤差が装着精度に与える影響が
大きく、この相対位置誤差を検出して、部品保持位置誤
差検出時に補正すれば、高い装着精度が得られることに
なる。
【0094】本実施形態において、装着装置310と部
品撮像装置316との相対位置誤差は、以下のように検
出される。図13および図15において図示するよう
に、本電気部品装着システムでは、部位品撮像装置31
6に、詳しくは、撮像デバイであるCCDカメラ394
をシステム本体300に取り付けるための取付部材39
6の上部であってそのCCDカメラ394の近傍に、円
筒状の基準ブロック470が固定的に取り付けられてい
る。その基準ブロック470の上面(回路基板12の装
着面と略同じ高さである)が、装置基準マークとして機
能する。相対位置誤差の発生していない状態において基
準ブロック470が撮像視野の中心に位置する場合の基
板撮像装置314の位置は、RAM444の基準ブロッ
ク位置記憶部に、装着装置移動装置312の移動位置指
令値として記憶されており、この移動位置指令値に基づ
いて基板撮像装置314は移動させられ、基準ブロック
470が撮像される。
【0095】上記相対位置誤差が発生している場合、そ
の撮像データを部品画像処理ユニット454で画像処理
することにより、基板撮像装置314と部品撮像装置3
16との位置ずれ量δX,δYが得られる。この位置ず
れ量δX,δYは、直接的には、基板撮像装置314と
部品撮像装置316との相対位置誤差として検出される
が、装着装置310に基板撮像装置314が取り付けら
れているため、結果的に、部品撮像装置316と装着装
置31との上記相対位置誤差が検出されるのである。ま
た、部品撮像装置316が、システム本体300に対し
て固定されていることで、この相対位置誤差は、システ
ム本体300と基板撮像装置314との相対位置誤差、
システム本体300と装着装置310との相対位置誤差
としても把握することができる。検出された相対位置誤
差は、RAM444の相対位置誤差記憶部に記憶され
る。本電子部品装着システムでは、原則として、上述の
ように、基板撮像装置と部品撮像装置との相対位置誤差
をモニタリングすることによって、結果的に、装着装置
移動装置312に起因する装着装置310と部品撮像装
置310(システム本体300)との相対位置誤差を把
握するものであり、その相対位置誤差が、部品保持位置
誤差の検出のための装着装置310が移動させれる位置
の補正に利用される。具体的には、前述のRAM444
の部品撮像位置記憶部に記憶されている移動位置、つま
り、装着ヘッド308の中心軸と部品撮像装置316の
撮像視野の中心とが一致する装着装置310の移動位置
に関する指令値が、上記相対位置誤差に基づいて補正さ
れ、その補正された指令値に基づいて、装着装置310
が移動させられることになる。
【0096】本電子部品装着システムでは、基板撮像装
置314が装着装置310に取り付けられている。詳し
くは、撮像デバイスであるCCDカメラ390が取付部
材392によって装着装置310に取り付けられてい
る。装着装置310は、装着動作において迅速に移動さ
せられるため、この取付部材392の緩み等が発生し、
CCDカメラ390ががたつくことも考えられえる。つ
まり、装着装着310と基板撮像装置314との間の相
対位置誤差が発生する可能性を有している。そこで、本
電子部品装着システムでは、基板撮像装置314と装着
装置との相対位置誤差を、別の手段により、さらに検出
する。その手段は、装着装置310の一部分を装置基準
マークとして機能させ、その一部分を部品撮像装置31
6によって撮像することで、部品撮像装置316と装着
装置310との相対位置誤差を検出し、その相対位置誤
差と、先の基板撮像装置314と部品撮像装置316と
の相対位置誤差と比較することで、基板撮像装置314
と装着装置310との間の相対位置誤差を検出するとい
うものである。
【0097】より詳しく説明すれば、装着ヘッド308
の下部に位置する吸着ノズル354の先端部を撮像する
ことにより、装着装置310のうちの装着ヘッド308
の中心軸と部品撮像装置316との相対位置誤差を検出
して行う。ノズル収容装置362に収納されている複数
の吸着ノズル308のうちの1つが、基準ノズルとされ
ており、この基準ノズルを装着ヘッド308に交換して
取付て行う。なお、基準ノズルは、治具的に用いられる
ものであり、装着ヘッド308の中心軸と一致するよう
に精度よく形成されたものである。つまり、基準ノズル
の撮像される先端部が装置基準マークとして機能するの
である。上記検出された基板撮像装置314と部品撮像
装置316との相対位置誤差によって補正された移動指
令値に基づいて、装着装置310を移動させて基準ノズ
ルを撮像すれば、基板撮像装置314と装着装置との間
に相対位置誤差が発生していない場合は、部品撮像装置
316の視野の中心に基準ノズルの先端が位置する。こ
れに対して、基板撮像装置314と装着装置との間に相
対位置誤差が発生している場合は、基板撮像装置314
と装着装置310との間にずれが生じていることにな
る。すなわち、本実施形態では、基板撮像装置314の
装着装置310に対する取付に不具合が生じていること
を推認する情報として相対位置誤差を用いており、この
態様は、システム自体の健全性を判断するための一実施
形態に該当する。
【0098】以上の相対位置誤差の検出およびその相対
位置誤差に基づく装着作業等に関して、本電子部品装着
システムの構成を説明すれば、以下のようになる。部品
撮像装置316と基板撮像装置314の相対位置誤差が
第2相対位置誤差に該当し、それを検出する目的で部品
撮像装置316に取り付けられている基準ブロックが第
2装置基準マークに該当し、その基準ブロック470が
設けられている部品撮像装置316が、第2基準マーク
付設部に該当する。同様に、基板撮像装置314と装着
装置310との相対位置誤差を間接的に検出することを
目的として、直接的に検出される装着装置310と部品
撮像装置316との相対位置誤差が、第1相対位置誤差
に該当する。そして、装着ヘッド308の下部に取り付
けた上記基準ノズルの先端部が、第1装置基準マークに
該当し、基準ノズルを有する装着ヘッド308を備えた
装着装置310が、第1基準マーク付設部に該当する。
また、それら相対位置誤差の検出は、システム制御装置
318の制御下で行われることから、システム制御装置
318のうちそのような制御を行う部分が、相対位置誤
差検出部に該当する。また、部品保持位置誤差を検出す
る部分が部品位置誤差検出部に、基板保持位置誤差を検
出する部分が基板位置誤差検出部にそれぞれ該当する。
そして、検出された相対位置誤差に基づいて装着装置3
10を移動させて行う電子部品撮像を含んだ装着作業
も、システム制御装置318の制御下にて行われる。か
かる態様で相対位置誤差を利用した装着作業も、基板保
持位置誤差、部品保持位置誤差および相対位置誤差に基
づいて適正な被装着位置に装着させる作業であるとい
え、かかる装着作業を行うように制御する部分が、適正
装着制御部に該当する。
【0099】<相対位置誤差の検出と電子部品の装着>
図18に、本電子部品装着システムによる複数枚の回路
基板に対する連続した装着作業のフローチャートを示
す。各ステップの内容は、先に詳しく説明されているも
のもあり、それらについては、ここでは簡単な説明にと
どめる。装着対象となる回路基板12は、はんだ塗布機
400によりクリームはんだが印刷塗布されたものであ
り、基板搬送機408を経て、順次、基板コンベア33
0によって本システムに搬送されてくる。
【0100】まず、ステップ1(S1:以下「ステッ
プ」をSと略す)において、基板保持装置302に回路
基板12が搬入され、基板保持装置302によって略予
定された位置に固定保持される。本システムでは、シス
テム制御装置318は搬入された回路基板12の枚数を
数える搬入基板カウント部を備え、このカウント部によ
る計数値は、S2において判断される。S2において、
搬入された回路基板12の枚数が設定値を超えた場合、
S21に進み、上記第2相対位置誤差の検出が行われ
る。この第2相対位置誤差検出では、上述したように、
基板撮像装置314によって部品撮像装置316が有す
る基準ブロック470が撮像され、その撮像データが基
板画像処理ユニット454で画像処理されて基板撮像装
置314と部品撮像装置316との相対位置誤差が検出
される。この誤差は、先に述べたように、装着装置31
0と部品撮像装置316との相対位置誤差に合致するも
のとなる。なお、第2相対位置誤差が検出された時点に
おいて、上記カウント部の計数値はリセットされる。S
2において、搬入された回路基板12の枚数が設定値を
超えていない場合は、相対位置誤差の検出は行われず、
S3が実行される。
【0101】次にS3において、基板保持装置302に
保持されている回路基板12の基板保持位置誤差が検出
される。この基板保持位置誤差に基づいて、回路基板1
2の被装着面内における装着装置310の装着のための
移動位置(詳しくは、装着装置移動装置312の移動指
令値)が決定されることになる。次に、S4において、
RAM444に記憶されている装着プログラムに従っ
て、部品供給装置304,306から装着対象となる電
子部品16が、装着装置310詳しくは装着ヘッド30
8によって吸着保持される。装着装置310は、電子部
品16を保持したままで、部品位置誤差検出のために、
部品撮像装置316の位置まで移動させられるのである
が、前述したように、部品撮像装置316と装着装置3
10との相対位置誤差が生じている場合もあるため、S
5において、その部品撮像のための移動位置が補正され
る。つまり、相対位置誤差が発生していない場合の装着
装置310の移動位置が、検出されている装着装置31
0と部品撮像装置316との相対位置誤差に基づいて補
正されるのである。そして、S6において、補正された
移動位置に装着装置310が移動させられ、部品撮像装
置316によって、保持した電子部品16の撮像され、
その撮像データが部品画像処理ユニット456によって
画像処理され、その電子部品16ついての部品保持位置
誤差が検出される。上記相対位置誤差が生じている場合
てあっても、部品撮像装置316に対して正確な撮像位
置に装着装置310が位置させられることから、検出さ
れた部品保持位置誤差は、上記相対位置誤差を含まない
正確なものとなっている。
【0102】次に、S7において、その電子部品16
は、装着プログラムに従って、回路基板12の被装着面
に装着される。この装着では、先に検出された基板保持
位置誤差および部品保持位置誤差に基づいて、装着装置
310の装着のための移動位置および装着ヘッド308
の装着のための回転位置が補正され、電子部品16は、
回路基板12の適正な被装着位置に装着される。1つの
電子部品16の装着が終了した後、S8において、その
回路基板12に対して装着対象となるすべての電子部品
16が装着されたか否かが判定される。電子部品の装着
が完了していない場合は、S4に戻って、装着プログラ
ムに従って、次の電子部品16についての装着作業が開
始される。すべての電子部品16の装着が完了したと判
定された場合は、その回路基板12についての装着作業
は終了させられ、S9において、保持されている回路基
板12の固定保持が解除され、その後、基板コンベア3
30によって、その回路基板12が搬出される。
【0103】なお、搬出された回路基板12は、基板搬
送機408を経て、装着検査機404に搬送される。装
着検査機404は、本電子部品装着システムによって装
着された電子部品16の装着位置を検査するものであ
り、装着位置ずれ量が設定された値を超えたような場合
に、その回路基板12が装着不良であると判定する。こ
の装着不良に関する情報は、通信ケーブル414を介し
て、本電子部品装着システムに伝達されるようになって
いる。
【0104】フローチャートに戻って説明を続ける。回
路基板12の搬出が完了した後、S10において、既に
装着が終了して検査された回路基板12(今回装着作業
が終了した回路基板12以前のもの)についての不良情
報の有無が確認される。先の回路基板12に対しての装
着不良情報を受け取っていない場合は、S11におい
て、今回電子部品装着を予定しているすべての回路基板
12の装着が完了したか否かについて判定され、装着作
業に供されるべき回路基板12が残存している場合は、
S1に戻って、次の回路基板12についての装着作業が
開始される。すべての回路基板12に対する装着作業が
終了したと判断された場合は、本電子部品装着システム
による装着作業が終了させられる。
【0105】S15において、以前の回路基板12に装
着不良が発生している旨の不良情報を本電子部品装着シ
ステムが受け取っていると判断された場合は、S31に
移行し、上記第1相対位置誤差が検出される。第1相対
位置誤差は、部品撮像装置316と装着装置310との
相対位置誤差を直接検出するのものである。具体的に
は、上術したように、装着ヘッド308がノズル収容装
置362において基準ノズルを装備させられて、先の第
2相対位置誤差に基づいて補正されている部品撮像位置
に装着装置310が移動させられ、その位置において、
基準ノズルが部品撮像装置316によって撮像される。
そしてその撮像データが部品画像処理ユニット456に
より画像処理されて第1相対位置誤差が検出される。次
いで、S32において、検出された第1相対位置誤差と
第2相対位置誤差とが比較される。基板撮像装置314
と装着装置310との間に位置ずれが生じていない場合
は、両者に誤差は殆どなく、システム自体が健全である
と判断されて、S11に戻って装着作業が再開させられ
る。ところが、上記位置ずれが生じている場合は、第1
相対位置誤差と第2相対位置誤差との間に誤差が発生す
る。この誤差が設定された値を超えている場合は、シス
テムが健全な状態ではないと判断され、警報が発せられ
るとともに、本電子部品装着システムは停止させられ
る。そして、作業者等によって、システムの調整が行わ
れる。システムの調整が完了した後、S11に戻って、
装着作業が再開される。
【0106】以上のような装着作業が本電子部品装着シ
ステムによって行われる。前述の第1実施形態の場合と
同様、本電子部品装着システムは、基板保持位置誤差、
部品保持位置誤差および装置間の相対位置誤差に基づい
た装着位置の補正を行いつつ、装着作業が行われる。ま
た、本実施形態の場合、装置間の相対位置誤差は、装置
間の相対位置ずれといった不具合の発見のためにも利用
されている。また、第1相対位置誤差および第2相対位
置誤差の検出は、連続した装着作業の中で行われ、装着
作業に供される回路基板の数量、下流側の対基板作業機
からの一定の情報の有無といった条件、つまり、設定さ
れた条件を満たした後に行われている。なお、第1実施
形態の場合と同様、本電子部品装着システムによる装着
作業が、電気回路の製造において、電子部品装着工程に
該当し、リフロー炉406によるはんだ付けがはんだ付
け工程に該当する。また、その電部品装着工程は、2つ
の相対位置誤差検出工程を含むものとなっている。
【0107】<変形態様>上記実施形態においては、、
直接検出された基板撮像装置314と部品撮像装置31
6との相対位置誤差である第2相対位置誤差を利用し
て、装着装置移動装置312に起因する装着装置310
と部品撮像装置316との相対位置誤差を検出し、その
相対位置誤差も基づいて装着位置の補正を行っている。
そして、直接検出された部品撮像装置316と装着装置
310との相対位置誤差である第1相対位置誤差を利用
して、基板撮像装置314と装着装置310との位置ず
れを判断している。この態様に代え、上記第1相対位置
誤差にもとづいて装着位置の補正を行い、上記第2相対
位置誤差を利用して、基板撮像装置314と装着装置3
10との位置ずれを判断するものであってもよい。すな
わち、2つの相対位置誤差の利用形態を逆にしたもので
ある。
【0108】上記実施形態では、基板撮像装置314と
装着装置310との位置ずれを検出して、システムの健
全性を判断している。この態様に限らず、システムを構
成する各種の装置間のいずれかの位置ずれを、基板撮像
装置314あるいは部品撮像装置316による撮像によ
って検出して、その位置ずれに基づいてシステムの健全
性を判断するであってもよい。つまり、位置ずれの検出
対象となる装置は特に限定されるものではない。
【0109】なお、先の第1実施形態における変形態様
において説明した吸着ノズルに関する補正、撮像デバイ
スの変更等についても、本第2実施形態の電子部品装着
システムに適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電子部品装着システムの概略的
な平面図を示す。
【図2】第1実施形態の電子部品装着システムの装着モ
ジュールを中心とした側面図を示す。
【図3】第1実施形態の電子部品装着システムの装着モ
ジュールを中心とした正面図を示す。
【図4】第1実施形態の電子部品装着システムが備える
搬入基板移載装置の斜視図を示す。
【図5】第1実施形態の電子部品装着システムが備える
装着装置を示す。
【図6】第1実施形態の電子部品装着システムが備える
システム制御装置のブロック図を示す。
【図7】第1実施形態の電子部品装着システムにおい
て、回路基板が基板パレットに保持されている様子を模
式的に示す。
【図8】第1実施形態の電子部品装着システムにおい
て、電子部品が装着ヘッドに保持された状態を下方から
見た図として模式的に示す。
【図9】伸縮的誤差、傾斜的誤差が発生している場合の
機械座標と移動させられる移動体の移動座標との関係を
概念的に示す。
【図10】第1実施形態の電子部品装着システムにおい
て、装着装置に装置基準マークが付されている様子を示
す。
【図11】第1実施形態の電子部品装着システムにおい
て、基板搬送装置の基板搬入領域の近傍に装置基準マー
クが付されている様子を概念的に示す。
【図12】第1実施形態の電子部品装着システムによる
1つの回路基板に対する装着作業のフローチャートを示
す。
【図13】第2実施形態の電子部品装着システムの平面
図を示す。
【図14】第2実施形態の電子部品装着システムの全体
側面図を示す。
【図15】第2実施形態の電子部品装着システムの装着
装置およびその周辺を示す。
【図16】第2実施形態の電子部品装着システムが配備
された電気部品製造ラインを模式的に示す。
【図17】第2実施形態の電子部品装着システムが備え
るシステム制御装置のブロック図を示す。
【図18】第2実施形態の電子部品装着システムによる
複数枚の回路基板に対する連続した装着作業のフローチ
ャートを示す。
【符号の説明】
10:システム本体 12:回路基板 14:基板搬送
装置 16:電子部品 18:装着モジュール 24:搬入基板移載装置 2
8:システム制御装置 30:基板パレット 64:基板撮像装置 80:電子
部品供給装置 82:装着ヘッド 84:装着装置 8
6:装着装置移動装置 102:吸着ノズル 106:
装着ヘッド昇降装置 108:装着ヘッド回転装置 1
74:基板画像処理ユニット 176:部品画像処理ユ
ニット 200:基板基準マーク 220:装着装置基
準マーク 224:基板撮像装置基準マーク 300:システム本体 302:基板保持装置 30
4:フィーダ型部品供給装置 306:トレイ型部品供
給装置 308:装着ヘッド 310:装着装置 312:装着装置移動装置 314:基板撮像装置 3
16:部品撮像装置 318:システム制御装置 354:吸着ノズル 35
8:装着ヘッド昇降装置 360:装着ヘッド回転装置 402:電子部品装着シ
ステム 404:装着検査機 406:リフロー炉 4
54:基板画像処理ユニット 456:部品画像処理ユ
ニット 470:基準ブロック
フロントページの続き Fターム(参考) 5E313 AA01 AA11 DD12 EE02 EE03 EE24 FF11 FF24 FF28 FF32 FG06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路基板を保持する基板保持装置と、 部品供給部において電気部品を保持して前記基板保持装
    置に保持された回路基板の表面に装着する装着ヘッドを
    有する装着装置と、 前記部品供給部と前記保持された回路基板とにわたって
    前記装着装置を移動させる装着装置移動装置と、 前記保持された回路基板の表面を撮像可能な基板撮像装
    置と前記装着ヘッドによって保持された電気部品を撮像
    可能な部品撮像装置との2つの撮像装置と、 それら基板保持装置、装着装置、装着装置移動装置、2
    つの撮像装置を制御するシステム制御装置とを含む電気
    部品装着システムであって、 前記2つの撮像装置のいずれかによって撮像されること
    が可能な1以上の装置基準マークが付された基準マーク
    付設部を含み、かつ、 前記システム制御装置が、前記2つの撮像装置のいずれ
    かに前記装置基準マークを撮像させてその2つの撮像装
    置のいずれかと前記基準マーク付設部との相対位置誤差
    を検出する相対位置誤差検出部を備えることを特徴とす
    る電気部品装着システム。
  2. 【請求項2】 前記システム制御装置が、 前記基板撮像装置に前記保持された回路基板の表面に付
    された基板基準マークを撮像させてその回路基板の保持
    位置誤差である基板保持位置誤差を検出する基板位置誤
    差検出部と、 前記部品撮像装置に前記保持された電気部品を撮像させ
    てその電気部品の保持位置誤差である部品保持位置誤差
    を検出する部品位置誤差検出部と、 前記検出された基板保持位置誤差、部品保持位置誤差お
    よび相対位置誤差に基づいて、前記保持された電気部品
    を前記保持された回路基板の適正な被装着位置に装着さ
    せる装着制御部とを備えた請求項1に記載の電気部品装
    着システム。
  3. 【請求項3】 前記1以上の装置基準マークが、一直線
    上に付されていない3以上のものを含む請求項1または
    請求項2項に記載の電気部品装着システム。
  4. 【請求項4】 前記2つの撮像装置の一方が、前記基準
    マーク付設部に設けられ、 前記相対位置誤差検出部が、前記2つの撮像装置の他方
    に前記装置基準マークを撮像させて前記2つの撮像装置
    間の相対位置誤差を検出するものである請求項1ないし
    請求項3のいずれかに記載の電気部品装着システム。
  5. 【請求項5】 当該電気部品装着システムが、1以上の
    前記装置基準マークとしての第1装置基準マークが付さ
    れた第1基準マーク付設部と、1以上の前記装置基準マ
    ークとしての第2装置基準マークが付された第2基準マ
    ーク付設部との2つの前記基準マーク付設部を含み、 前記相対位置誤差検出部が、前記部品撮像装置に前記第
    1装置基準マークを撮像させてその部品撮像装置と前記
    第1基準マーク付設部との前記相対位置誤差である第1
    相対位置誤差を検出し、かつ、前記基板撮像装置に前記
    第2装置基準マークを撮像させてその基板撮像装置と前
    記第2基準マーク付設部との前記相対位置誤差である第
    2相対位置誤差を検出するものである請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の電気部品装着システム。
  6. 【請求項6】 前記相対位置誤差検出部が、当該電気部
    品装着システムが電気部品の装着作業を連続して行って
    いる途中で、前記相対位置誤差を検出するものである請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電気部品装着
    システム。
  7. 【請求項7】 前記相対位置誤差検出部が、当該電気部
    品装着システムが予め設定された条件を満たすまで連続
    して装着作業を行った後に、前記相対位置誤差を検出す
    るものである請求項6に記載の電気部品装着システム。
  8. 【請求項8】 回路基板を保持する基板保持装置と、部
    品供給部において電気部品を保持して前記基板保持装置
    に保持された回路基板の表面に装着する装着ヘッドを有
    する装着装置と、前記部品供給部と前記保持された回路
    基板とにわたって前記装着装置を移動させる装着装置移
    動装置と、前記保持された回路基板の表面を撮像可能な
    基板撮像装置と前記装着ヘッドによって保持された電気
    部品を撮像可能な部品撮像装置との2つの撮像装置とを
    含む電気部品装着システムにより、回路基板に電気部品
    を装着する電気部品装着工程と、 その電気部品装着工程において装着された電気部品をそ
    の電気部品が装着されている回路基板にはんだ付けする
    はんだ付け工程とを含む電気回路製造方法であって、 前記電気部品装着工程が、 前記電気部品装着システムの基準マーク付設部に付され
    た1以上の装置基準マークを前記2つの撮像装置のいず
    れかにより撮像して、その2つの撮像装置のいずれかと
    前記基準マーク付設部との相対位置誤差を検出する相対
    位置誤差検出工程を含み、かつ、 前記基板保持装置によって保持された回路基板の表面に
    付された基板基準マークを前記基板撮像装置により撮像
    して検出されたその回路基板の保持位置誤差である基板
    保持位置誤差と、前記装着ヘッドに保持された電気部品
    を前記部品撮像装置により撮像して検出されたその電気
    部品の保持位置誤差である部品保持位置誤差と、前記相
    対位置誤差検出工程において検出された前記相対位置誤
    差とに基づいて、前記保持された電気部品を前記保持さ
    れた回路基板の適正な被装着位置に装着することを特徴
    とする電気回路製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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