JP4637424B2 - 基板コンベヤの幅合わせ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板コンベヤの幅変更方法および幅合わせ方法に関するものであり、特に、幅変更および幅合わせに要するコストの低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板コンベヤは、回路基板に電気部品(電子部品を含む)を装着する電気部品装着システム等、種々の基板作業システムおよび装置に設けられ、回路基板を搬送する。そのため、基板コンベヤは、例えば、送り装置および1対のガイドレールを含んで構成される。送り装置は、回路基板を一直線に沿って送り、1対のガイドレールは1対の案内面を有し、送り装置により送られる回路基板の上記一直線に平行な両側面をそれぞれ案内する。
【0003】
このような基板コンベヤにおいては、搬送される回路基板の幅が変われば、それに合わせて1対のガイドレールの案内面の間隔が変更される。この間隔変更は、例えば、1対のガイドレールの一方を位置が固定の固定ガイドレール、他方を一方に対して接近,離間可能な可動ガイドレールとし、可動ガイドレールを間隔変更装置によって移動させることにより自動で行われる。間隔変更装置は、例えば、サーボモータを駆動源として構成される。サーボモータは回転角度の精度の良い制御が可能な電動モータであり、その回転角度は、例えば、エンコーダにより検出され、その検出値に基づいてサーボモータの回転角度が制御される。したがって、エンコーダ付きのサーボモータを駆動源として可動ガイドレールを移動させれば、可動ガイドレールの位置を取得することができ、可動ガイドレールを回路基板の案内に適した位置へ移動させ、1対の案内面の間隔を、搬送すべき回路基板の幅に適した間隔に精度良く変更することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、エンコーダ付きの電動モータを用いてコンベヤ幅を変更すれば、部品点数が増え、装置コストが高くなる。また、間隔変更装置が大形となり、基板コンベヤの取付けに要するスペースが大きくなる。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景とし、基板コンベヤの幅変更および位置合わせを安価にかつコンパクトに行うことができる基板コンベヤの幅変更方法および位置合わせ方法を提供することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の基板コンベヤの幅変更方法および基板コンベヤの幅合わせ方法が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0006】
なお、以下の各項において、 (10)項が請求項1に相当し、その請求項1に(1)項に記載の事項を追加したものが請求項2に、その請求項2に(2)項に記載の事項を追加したものが請求項3に、 請求項2または3に(3)項に記載の事項を追加したものが請求項4に、請求項2ないし4のいずれかに(7)項に記載の事項を追加したものが請求項5にそれぞれ相当する。
【0007】
(1)(a)回路基板を一直線に沿って送る送り装置、 (b)その送り装置により送られる回路基板の前記一直線に平行な両側面を案内する案内面をそれぞれ有する1対のガイドレール、および (c)それら1対のガイドレールの少なくとも一方を他方に対して接近,離間させることにより、それら1対のガイドレールの1対の前記案内面の間隔を変更する間隔変更装置を備えた基板コンベヤと、
その基板コンベヤにより搬送され、所定位置に停止させられた回路基板に対して予め定められた作業を行う作業装置と、
前記所定位置に停止させられた回路基板の一部である基板被検出部を撮像する撮像装置と、
その撮像装置を少なくとも前記1対のガイドレールの接近,離間方向に移動させる撮像装置移動装置と
を含む基板作業システムにおいて前記基板コンベヤの幅を変更する方法であって、
前記基板コンベヤを幅が既知の状態とする幅既知化工程と、
その幅既知化工程の後、前記撮像装置移動装置に前記撮像装置を、前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方の予め定められた部分であるレール被検出部を撮像可能な位置へ移動させ、撮像装置にレール被検出部を撮像させる撮像工程と、
その撮像工程における前記撮像装置の位置と、撮像された画像内における前記レール被検出部の位置とに基づいて、レール被検出部の位置を取得する位置取得工程と、
その位置取得工程において取得された位置と、前記既知の幅と、次に前記基板コンベヤが搬送すべき回路基板の幅とに基づいて決まる位置に前記レール被検出部が位置するように、前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方を移動させる幅変え工程と
を含む基板コンベヤの幅変更方法。
作業装置は、例えば、回路基板の表面に平行な基準平面内の任意の位置へ移動可能な塗布ヘッドにより、回路基板の予め定められた複数箇所に接着剤等の高粘性流体を塗布する塗布装置としたり、複数の貫通穴を有するスクリーンとそのスクリーンに沿って移動するスキージとにより、回路基板の予め定められた複数箇所にクリーム状半田等の高粘性流体を印刷するスクリーン印刷装置としたり、回路基板の予め定められた複数箇所に電気部品を装着する装着装置としたりすることができる。
上記送り装置は、例えば、1対のガイドレールの長手方向に往復移動可能に設けられ、往動時に回路基板の一部と係合してその回路基板を移動させ、復動時には回路基板と係合しない往復動部材と、それを往復移動させる駆動装置とを含むものや、直線部において回路基板の両縁部をそれぞれ支持する1対の巻き掛け部材たるエンドレスベルトと、それら1対のエンドレスベルトを周回させる巻き掛け部材駆動装置たるベルト駆動装置とを含むものが採用可能である。
ガイドレールなる用語は、ガイドレール自体は勿論、ガイドレールに固定されてガイドレールと一体的に移動する部材も包含する広義の用語として使用し、かつ、ガイドレールの予め定められた部分なる用語は、例えば、位置検出の目的で設けられた基準マークは勿論、回路基板の側面を案内するためのガイド部等、別の目的で設けられた特定の部分をも包含する広義の用語として使用する。
1対のガイドレールは、一方を位置固定の固定ガイドレールとし、他方が固定ガイドレールに接近,離間可能な可動ガイドレールとしてもよく、あるいは両方を互いに接近,離間可能な可動ガイドレールとしてもよい。
回路基板には、例えば、絶縁基板に設けられたプリント配線の全部に電気部品が搭載されていないプリント配線板、プリント配線の一部に既に電気部品が搭載されたプリント配線板、プリント配線に電気部品が搭載されるとともに、半田付け接合を終えて実装を完了したプリント回路板、少数の電気部品が装着される小形の回路板、チップ部品が容器により保護されたパッケージ電気部品の半田バンプが形成される基材がある。
基板コンベヤの幅既知化工程は、基板コンベヤがその時点においてあるがままの状態で1対の案内面間の幅を測長器によって測ることにより既知の状態としたり、測長器により1対の案内面間の距離を測定しつつ基板コンベヤの幅を所望の値に調整することによって幅既知の状態にしたりすることや、 (2)項において説明するように、基準板を用いて行うようにすることができる。基準板を用いる場合、基準板の幅に1対の案内面との間の隙間を加えた値が既知の幅になる。
撮像装置による基板被検出部の撮像は、例えば、回路基板の位置を取得し、作業装置による作業精度を向上させるために行われる。そのため、撮像装置移動装置は、撮像装置の位置取得可能に構成され、撮像装置によってレール被検出部を撮像すれば、その位置を取得することができ、次に基板コンベヤが搬送すべき回路基板の幅と、基板コンベヤの既知の幅(1対のガイドレールの各案内面間の距離)と、幅が既知の状態でのガイドレールの位置とに基づいて、1対の案内面間の間隔を次に搬送すべき回路基板に適した間隔にするための1対のガイドレールの少なくとも一方の目標位置または既知の幅に対応する位置からの目標移動量が得られる。したがって、間隔変更装置は、ガイドレールを移動させる機能を有すればよく、モータ回転角度検出装置等、ガイドレールの位置を取得する装置を設けなくてもよく、部品点数が少なく、安価に構成することができる。基板被検出部を撮像する撮像装置および撮像装置移動装置を利用し、間隔変更装置を安価に構成しつつ、コンベヤ幅を精度良く変更することができるのである。また、モータ回転角度検出装置が不要な分、間隔変更装置が小形となり、基板コンベヤの取付スペースを小さくすることができる。
【0008】
(2)前記幅既知化工程が、幅が既知の基準板を前記基板コンベヤに支持させ、前記1対の案内面の間隔がその基準板に適した大きさになるように基板コンベヤの幅を調整する工程を含む (1)項に記載の基板コンベヤの幅変更方法。
基準板は、専用の基準板でもよく、回路基板でもよい。後者の場合、例えば、基板コンベヤの幅変え前に搬送されていた回路基板を基準板として利用することができる。さらに具体的に説明すれば、搬送すべき回路基板の幅が変わる場合に、まず、撮像装置によりレール被検出部を撮像することにより、前記少なくとも一方のガイドレールの現在の位置を検出し、その検出位置のデータと、それまで搬送されていた回路基板の幅データと次に搬送すべき回路基板の幅データとの差とに基づいて、前記少なくとも一方のコンベヤレールの目標移動量または目標位置を決定するのである。
本項によれば、幅調整を行うために、スケールが不要となるとともに、基板コンベヤの幅を、回路基板と1対の案内面との間に回路基板の搬送に適した隙間が存在する大きさに調整することが容易となる。
(3)前記基板被検出部と前記レール被検出部との少なくとも一方として、前記回路基板と前記ガイドレールとの少なくとも一方に設けた基準マークを使用する(1)項または (2)項に記載の基板コンベヤの幅変更方法。
基準マークは、種々の形状を有するものとされ、例えば、円形でもよく、三角形,正方形,長方形等の多角形でもよく、楕円形でもよく、十字形でもよい。また、線でもよい。
基準マークは、種々の態様で形成される。例えば、印刷により設けられ、あるいはシールの貼付により設けられる。突起あるいは凹部を設けて基準マークを形成してもよい。基準マークは、撮像により得られる基準マークの像が、背景を形成する部材の像と、輝度,色相等、光学的特性を異にし、明瞭に区別して処理されるものとされる。
【0009】
(4)前記基板作業システムが、
前記予め定められた作業を行う作業ヘッドと、
その作業ヘッドを前記所定の位置に停止させられた回路基板の表面に平行な基準平面内の任意の位置へ移動させるヘッド移動装置と
を含み、当該基板コンベヤの幅変更方法が、前記撮像装置を前記ヘッド移動装置に保持させ、そのヘッド移動装置を前記撮像装置移動装置として利用するものである (1)項ないし (3)項のいずれかに記載の基板コンベヤの幅変更方法。
作業ヘッドは、例えば、作業装置が高粘性流体塗布装置であれば、塗布ヘッドとなり、スクリーン印刷装置であれば、印刷ヘッドとなり、電気部品装着装置であれば装着ヘッドとなる。
本項によれば、撮像装置を移動させるための専用の移動装置が不要であり、基板コンベヤの幅をより安価に変えることができる。
(5)前記位置取得工程が、前記撮像装置を、前記レール被検出部がその撮像装置の撮像領域内の予め定められた位置に位置する状態とし、そのときの撮像装置の位置を前記レール被検出部の位置として取得する工程を含む (1)項ないし (4)項のいずれかに記載の基板コンベヤの幅変更方法。
レール被検出部の位置は、レール被検出部が、実際に撮像装置の撮像領域内の予め定められた位置に位置する状態で取得してもよく、実際に位置せず、レール被検出部が撮像領域内の予め定められた位置とは異なる位置に位置する状態で取得してもよい。本項は前者の態様である。後者の場合、撮像時における撮像装置の位置と、撮像領域内におけるレール被検出部の予め定められた位置に対する位置とに基づいて演算により、レール被検出部が撮像領域内の予め定められた位置に位置する状態での位置が得られる。
例えば、撮像装置移動装置がサーボモータを駆動源とする装置により構成され、サーボモータの回転角度がエンコーダ等の回転角度検出装置によって検出されるのであれば、回転角度検出装置の検出値に基づいて撮像装置の位置が得られ、レール被検出部の位置が得られる。
【0010】
(6)前記間隔変更装置が、ステップモータを駆動源とするものであり、前記幅変え工程が、前記ステップモータを、前記既知の幅と次に搬送すべき回路基板の幅および適正な隙間との差に対応する角度回転させる工程を含む (1)項ないし (5)項のいずれかに記載の基板コンベヤの幅変更方法。
ステップモータは回転角度の制御が可能な電動回転モータであり、回転角度の制御によりガイドレールを回路基板の案内に適した位置へ移動させることができる。そのため、次項において説明するコンベヤ幅の確認を行うことは不可欠ではない。
【0011】
(7)前記幅変え工程が、前記撮像装置により前記レール被検出部を撮像することによって、前記基板コンベヤの幅が前記次に搬送すべき回路基板に適した幅となったことを確認する幅確認工程を含む (1)項ないし (6)項のいずれかに記載の基板コンベヤの幅変更方法。
撮像装置移動装置は、撮像装置の位置が取得可能であり、撮像装置によってレール被検出部を撮像させれば、撮像装置の位置および撮像領域内におけるレール被検出部の位置に基づいてレール被検出部の実際の位置が得られ、可動ガイドレールが位置すべき位置に位置し、基板コンベヤの幅が次に搬送すべき回路基板に適した幅になったか否かを確認することができ、コンベヤ幅を回路基板に合わせてより正確に変更することができる。
(8)前記幅確認工程が、前記撮像装置を、前記撮像工程の実行時における位置から、前記既知の幅と前記搬送すべき回路基板の幅および適正な隙間との差だけ、前記接近,離間方向に隔たった位置へ移動させるとともに、その移動後の位置において前記レール被検出部の撮像を行わせ、その撮像結果に基づいて前記確認を行う工程を含む (7)項に記載の基板コンベヤの幅変更方法。
【0012】
(9)それぞれ前記基板コンベヤと同様に送り装置,1対のガイドレールおよび間隔変更装置を備え、前記基板コンベヤの上流側に設けられた上流側コンベヤと下流側に設けられた下流側コンベヤとの少なくとも一方を含み、その少なくとも一方の前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方の予め定められた部分であるレール被検出部を前記撮像装置により撮像することによって、基板コンベヤと、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との前記少なくとも一方のガイドレールの前記接近,離間方向における位置の一致を確認するガイドレール一致確認工程を含む (1)項ないし (7)項のいずれかに記載の基板コンベヤの幅変更方法。
【0013】
上流側コンベヤ,下流側コンベヤにおいては、作業装置による作業が行われてもよく、行われなくてもよい。上流側コンベヤ,下流側コンベヤは、基板コンベヤと共に基板作業システムを構成するコンベヤでもよく、別の基板作業システム,装置等を構成するコンベヤでもよい。基板コンベヤと共に基板作業システムを構成する上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方を設ければ、それらを例えば、回路基板を待機させる待機領域として機能させることができる。上流側コンベヤであれば、例えば、基板コンベヤにより搬送される回路基板への作業装置による作業中に、上流側コンベヤに回路基板を搬入し、作業が行われている間、待機させ、作業終了後、回路基板が基板コンベヤから搬出されるのと並行して、あるいは回路基板の搬出の直後に、待機中の回路基板を上流側コンベヤから基板コンベヤに搬入し、作業を開始することができる。
また、下流側コンベヤであれば、例えば、基板作業システムから作業済みの回路基板を受け取る受取装置や別の基板作業システム等の下流側の装置,システムが何らかの事情で直ちに回路基板を受け取ることができない場合に、下流側コンベヤにおいて搬出に備えて待機させることができる。その間、基板コンベヤにより支持された回路基板に作業装置によって作業を行うことができ、作業済みの回路基板が搬出されるまで作業を中断しなくて済む。
このように基板コンベヤの他に、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方を含む場合に、それら上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方の幅を基板コンベヤと同様に変更することにより、安価な装置で幅を変更することができる。例えば、個々のコンベヤの幅変更装置を回転角度検出装置付きの電動モータを駆動源とする装置とすれば、部品点数が増え、コストが増大するのに対し、本項に記載の幅変更方法によれば、部品点数,コストの増大を回避しつつ、全部のコンベヤの幅を変更することができるのである。
本項においては、基板コンベヤと、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との少なくとも一方のガイドレールの位置の一致が確認されるため、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方と基板コンベヤとの間のずれが小さくて済み、あるいはずれがなく、コンベヤ間における回路基板の受渡しが支障なく行われる。
【0014】
(10) (a)回路基板を一直線に沿って送る送り装置、 (b)その送り装置により送られる回路基板の前記一直線に平行な両側面を案内する案内面をそれぞれ有する1対のガイドレール、および (c)それら1対のガイドレールの少なくとも一方を他方に対して接近,離間させることにより、それら1対のガイドレールの1対の前記案内面の間隔を変更する間隔変更装置を備えた基板コンベヤと、
それぞれその基板コンベヤと同様に前記送り装置,1対のガイドレールおよび間隔変更装置を備え、基板コンベヤの上流側に設けられた上流側コンベヤと下流側に設けられた下流側コンベヤとの少なくとも一方と、
前記基板コンベヤにより搬送され、所定位置に停止させられた回路基板に対して予め定められた作業を行う作業装置と、
前記所定位置に停止させられた回路基板の一部である基板被検出部を撮像する撮像装置と、
その撮像装置を前記所定の位置に停止させられた回路基板の表面に平行な基準平面内の任意の位置へ移動させる撮像装置移動装置と
を含む基板作業システムにおいて、前記基板コンベヤと、前記上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との幅を一致させる方法であって、
前記撮像装置移動装置に前記撮像装置を、前記基板コンベヤの前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方の予め定められた部分であるレール被検出部を撮像可能な位置へ移動させ、撮像装置にレール被検出部を撮像させる第一撮像工程と、
その第一撮像工程の後にまたは前に、前記撮像装置移動装置に前記撮像装置を、前記上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方の前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方の予め定められた部分であるレール被検出部を撮像可能な位置へ移動させ、撮像装置にレール被検出部を撮像させる第二撮像工程と、
それら第一,第二撮像工程の撮像結果に基づいて、前記基板コンベヤと、前記上流側コンベヤと前記下流側コンベヤとの少なくとも一方との幅を一致させる幅一致工程と
を含む基板コンベヤの幅合わせ方法。
前記 (1)項ないし (9)項の各々に記載の特徴を本項のコンベヤ幅合わせ方法に適用することができる。
上流側コンベヤおよび下流側コンベヤについては、 (9)項の説明がそのまま当てはまる。
基板コンベヤと、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との互いに一致させられる幅は、予め設定された幅でもよく、基板コンベヤおよび上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方のいずれかの幅でもよい。前者の場合、基板コンベヤと、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方とは、その幅が設定された幅に変更され、互いに一致させられることとなる。この際、コンベヤ幅が変更される順序は問わず、いずれのコンベヤから幅を変更してもよい。この場合、各コンベヤにおいて、撮像装置によるレール被検出部の撮像に基づいて設定された幅が得られるようにコンベヤ幅が変更されるのであれば、それが撮像結果に基づく基板コンベヤと、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との幅の一致であることとなる。コンベヤについて撮像装置によるレール被検出部の撮像を行うことなくコンベヤ幅をおおよそ目的とする大きさに変更した後に、撮像装置にレール被検出部を撮像させ、その撮像結果に基づいて幅を正確に一致させてもよい。
基板コンベヤと、上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との互いに一致させられる幅が、基板コンベヤおよび上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方のいずれかの幅であれば、例えば、回路基板の送り方向において上流側に位置するコンベヤの幅に、下流側のコンベヤの幅が合わされ、全部のコンベヤの幅が一致させられる。あるいは下流側に位置するコンベヤの幅に、上流側のコンベヤの幅が合わされる。
いずれにしても、撮像装置によるレール被検出部の撮像により、複数のコンベヤの各幅が互いに一致させられるべき幅にあるか否か、幅が不一致であれば、その不一致の方向および量が得られ、幅を一致させることができる。基板被検出部を撮像する撮像装置および撮像装置移動装置を利用することにより、安価にコンベヤ幅を一致させることができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、本発明の実施形態の1つである配線板コンベヤの幅変更方法および幅合わせ方法が実施される基板作業システムの一種である電子部品装着システムが図示されている。図1において10は、電子部品装着システムのシステム本体としてのベースである。ベース10上には、作業装置としての部品装着装置12,部品供給装置14および配線板搬送装置16等が設けられており、電気部品の一種である電子部品の回路基板としてのプリント配線板18への装着が行われる。配線板搬送装置16のプリント配線板18の搬送方向(図1においては左右方向であり、以下、配線板搬送方向と称する。)と水平面内において直交する方向(図1においては上下方向)の一側には、部品供給装置14が位置を固定して設けられている。
【0016】
部品供給装置14は、フィーダ支持テーブル20およびフィーダ支持テーブル20に着脱可能に取り付けられた複数のフィーダ22を備えている。フィーダ22は、例えば、電子部品24(図4参照)を部品保持テープに保持させてテーピング電子部品とした状態で供給するものとされており、部品供給部から電子部品24を1個ずつ供給する。複数のフィーダ22は、フィーダ支持テーブル20上に、各部品供給部が一線、図示の例では配線板搬送方向に平行な一直線に沿って並ぶ状態で設けられている。
【0017】
部品装着装置12を説明する。
部品装着装置12は、図4に示す部品保持ユニットたる部品装着ユニット28および部品装着ユニット28をXY座標面内の任意の位置へ移動させるXYロボット30(図1参照)を備えている。XY座標面は、本電子部品装着システムの全体について水平に設定されており、本実施形態では、前記配線板搬送方向は、X軸方向に平行な方向である。
【0018】
図1に示すように、ベース10の配線板搬送装置16のY軸方向における両側にはそれぞれ、送りねじとしてのボールねじ34がX軸方向に平行に設けられている。一方のボールねじ34は、配線板搬送装置16と部品供給装置14との間に設けられている。これら2本のボールねじ34はそれぞれ、X軸スライド36に設けられたナット38(図3には1個のみ図示されている)の各々に螺合されており、これらボールねじ34がそれぞれ、X軸スライド移動用モータ40(図1参照)により同期して回転させられることにより、X軸スライド36がX軸方向に移動させられる。X軸スライド36の移動は、ベース10上に設けられた案内部材たるガイドレール42(図3参照)およびX軸スライド36に設けられた被案内部材たるガイドブロック44を含む案内装置により案内される。
【0019】
X軸スライド36上には、送りねじとしてのボールねじ46(図3参照)がY軸方向に平行に設けられるとともに、Y軸スライド48がナット50において螺合されている。このボールねじ46がY軸スライド移動用モータ52(図1参照)によって回転させられることにより、Y軸スライド48は案内部材たる1対のガイドレール54を含む案内装置により案内されてY軸方向に移動させられる。以上、ナット38,ボールねじ34およびX軸スライド移動用モータ40等がX軸スライド移動装置60を構成し、ナット50,ボールねじ46およびY軸スライド移動用モータ52等がY軸スライド移動装置62を構成し、これらがX軸スライド36,Y軸スライド48と共にXYロボット30ないしヘッド移動装置を構成している。X軸スライド移動用モータ40およびY軸スライド移動用モータ52は、オペレータのインチング操作により回転させることができる。
【0020】
部品装着ユニット28は、図3および図4に示すように、部品保持具としての吸着ノズル70,ノズルホルダ72,ノズルホルダ72を前記水平なXY座標面に直角な方向である垂直方向に平行な方向であって、その軸線に平行な方向に移動させ、昇降させて部品供給装置14に接近,離間させるホルダ移動装置ないし接近・離間装置たるホルダ昇降装置74,ノズルホルダ72をその垂直な回転軸線まわりに回転させるホルダ回転装置76を含み、Y軸スライド48上に設けられている。
【0021】
ホルダ昇降装置74は、Y軸スライド48に垂直方向に移動可能に設けられた移動部材たる昇降部材80および昇降部材移動装置82を備えている。昇降部材移動装置82は、昇降用モータ86を駆動源とし、その回転が、駆動プーリ88,被駆動プーリ90および駆動ベルト92を含む回転伝達装置により送りねじたるボールねじ94に伝達される。ボールねじ94は、Y軸スライド48に垂直軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられるとともに、昇降部材80に固定のナット96に螺合されており、ボールねじ94が回転させられることにより、昇降部材80が昇降させられる。昇降部材80の昇降は、Y軸スライド48に垂直方向に設けられた1対のレール状の案内部材(図3には1つが図示されている)98を含む案内装置により案内される。
【0022】
前記ノズルホルダ72は、昇降部材80に垂直軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられ、吸着ノズル70を着脱可能に保持しており、ノズルホルダ72が回転させられることにより、吸着ノズル70が垂直な回転軸線まわりに回転させられる。ノズルホルダ72は、本実施形態では、例えば、特許第3093339号公報に記載のノズルホルダと同様に構成されており、詳細な図示および説明は省略する。これらノズルホルダ72および吸着ノズル70が作業ヘッドとしての装着ヘッド100を構成しており、装着ヘッド100はXYロボット30によりXY座標内の任意の位置へ移動させられ、予め定められた作業、すなわち部品供給装置14からの電子部品24の受取り,プリント配線板18への装着を行う。ノズルホルダ72までが装着ヘッドを構成し、装着ヘッドは吸着ノズルを含まないと考えてもよい。
【0023】
前記ホルダ回転装置76は、昇降部材80に設けられている。ホルダ回転装置76は、回転用モータ100を駆動源とし、ホルダ回転用モータ100の回転が駆動ギヤ102,被駆動ギヤ104によりノズルホルダ72に伝達され、ノズルホルダ72が垂直軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させられる。
【0024】
前記吸着ノズル70は、ノズル本体110およびノズル本体110に嵌合された吸着管112を有し、ノズルホルダ72により、軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に保持されている。吸着ノズル70は負圧により電子部品24を吸着するものであり、ノズルホルダ72内等に設けられた通路等を経て、図示を省略する負圧源,正圧源および大気に接続されており、電磁方向切換弁装置(図示省略)の切換えにより、吸着管112が負圧源,正圧源および大気に択一的に連通させられて電子部品20を保持し、解放する。
【0025】
また、被駆動ギヤ104には、発光体たる発光板120が相対回転不能に設けられ、吸着ノズル70のまわりに配設されている。発光板120は、図示の例では、円板状を成し、その下面には蛍光塗料が塗布されて発光面122を構成している。
【0026】
Y軸スライド48にはまた、図4に示すように、プリント配線板18に設けられた基板被検出部たる基準マーク130(図1参照)を撮像する基準マーク撮像システム132が設けられている。基準マーク130は、複数、図示の例では2個、プリント配線板18の対角線に隔たった位置にそれぞれ設けられている。基準マーク撮像システム132は、撮像装置たる基準マークカメラ134(図4参照)および照明装置136を備えている。
【0027】
基準マークカメラ134は、本実施形態においては、固体イメージセンサの一種であるCCD(電荷結合素子)を有する撮像部と、結像レンズを含むレンズ系とを備え、被写体の二次元像を一挙に取得する撮像装置の一種である面撮像装置とされている。CCDは、一平面上に多数の微小な受光素子が配列されたものであり、各受光素子の受光状態に応じた電気信号を発生させる。多数の受光素子により撮像領域ないし撮像画面が形成されている。基準マークカメラ134は、その中心軸線が垂直となり、かつ下向きの姿勢で設けられている。照明装置136は、被写体に可視光線を照射し、被写体およびその周辺を照明する。
【0028】
Y軸スライド48に設けられた基準マークカメラ134は、部品装着ユニット28と同様に、XYロボット30により、XY座標面内の任意の位置へ移動させられる。本実施形態においては、基準マークカメラ134がXYロボット30により保持され、ヘッド移動装置としてのXYロボット30が撮像装置移動装置たるカメラ移動装置として利用される。
【0029】
配線板搬送装置16を説明する。
配線板搬送装置16は、図1に示すように、XY座標面内において互いに直交する2軸の一方であるX軸方向(図1においては左右方向)に配設された基板コンベヤとしてのメインコンベヤ140,配線板搬送方向においてメインコンベヤ140の上流側と下流側とにそれぞれ隣接して設けられた上流側コンベヤとしてのインコンベヤ142および下流側コンベヤとしてのアウトコンベヤ144を備えている。これらコンベヤ140,142,144の構成は、ほぼ同じであり、配線板コンベヤ140を代表的に説明する。
【0030】
配線板コンベヤ140は、図5および図6に示すように、送り装置152,1対のガイドレールたる固定ガイドレール154,可動ガイドレール156および間隔変更装置158を備えている。
【0031】
固定ガイドレール154および可動ガイドレール156は、X軸方向に平行であって水平に設けられ、固定ガイドレール154はベース10に位置を固定して設けられ、可動ガイドレール156は、固定ガイドレール154に対して接近,離間可能であって、Y軸方向(図5においては上下方向)に移動可能に設けられている。
【0032】
固定ガイドレール154および可動ガイドレール156の互いに対向する面にはそれぞれ、図5に示すように、長手方向の両端部にそれぞれ回転部材たる溝型プーリ160が回転可能に取り付けられるとともに、固定ガイドレール154,可動ガイドレール156のそれぞれ1対ずつの溝型プーリ160の間の部分には、図7に固定ガイドレール154について代表的に示すように、長手形状を成す案内部材たるベルトガイド162が固定されている。これら1対ずつの溝型プーリ160およびベルトガイド162にそれぞれ、巻掛部材たる無端のエンドレスべルト164が巻き掛けられ、エンドレスべルト164の移動を案内する。エンドレスべルト164の内周面には、幅方向の中央に突条が設けられ、溝型プーリ160の溝に長手方向に相対移動可能に、かつ幅方向においては相対移動不能に嵌合されており、エンドレスべルト164が幅方向において位置決めされている。ベルトガイド162の上面にも、図示は省略するが、溝型プーリ160と同様に溝が形成され、エンドレスべルト164を幅方向において位置決めするようにされている。
【0033】
固定ガイドレール154側のエンドレスべルト164は更に、図7に示すように、固定ガイドレール154に回転可能に取り付けられた複数の張力付与部材たるテンションプーリ168および複数の回転部材たる溝型プーリ170に巻き掛けられるとともに、被駆動回転部材たる被駆動プーリ172に巻き掛けられている。被駆動プーリ172は、図5および図6に示すように、固定ガイドレール154および支持部材176によって両端部を回転可能に支持された回転伝達軸たるスプライン軸178に固定されている。支持部材176は、本実施形態では、図5に示すように長手形状を成し、可動ガイドレール156の外側、すなわち固定ガイドレール154とは反対側に可動ガイドレール156と平行な姿勢で位置を固定して設けられている。スプライン軸178には、スプロケット180が固定されるとともに、駆動源の一種である電動モータたる配線板搬送用モータ182の出力軸184に固定の回転部材たるスプロケット186に巻掛部材たるチェーン188によって連結されている。
【0034】
また、可動ガイドレール156側のエンドレスべルト164は、図6に示すように、可動ガイドレール156に回転可能に取り付けられた複数の張力付与部材たるテンションプーリ196および複数の溝型プーリ198に巻き掛けられるとともに(図6には、テンションプーリ196および溝型プーリ198は1つのみ図示されている)、被駆動回転体たる被駆動プーリ200に巻き掛けられている。被駆動プーリ200は、可動ガイドレール156に回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられるとともに、前記スプライン軸178にスプライン嵌合されている。スプライン軸178に、軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合されているのである。したがって、配線板搬送用モータ182が起動されれば、スプロケット186,180が回転させられるとともに、スプライン軸178が回転させられ、被駆動プーリ172,200が回転させられて1対のエンドレスべルト164が同期して周回させられる。
【0035】
プリント配線板18は、その両縁部において1対のエンドレスべルト164の各直線部上に載せられ、エンドレスべルト164との間の摩擦によりエンドレスべルト164の移動に伴ってX軸方向に一直線に沿って水平な姿勢で送られる。本実施形態においては、これら配線板搬送用モータ182,チェーン188,スプロケット186,180,溝型プーリ160,170,198,被駆動プーリ172,200等によってベルト駆動装置202が構成され、1対のエンドレスべルト164と共に送り装置152を構成している。
【0036】
固定ガイドレール154および可動ガイドレール156の上面にはそれぞれ、図5ないし図7に示すように、案内部材210が固定されており、固定後は固定ガイドレール154および可動ガイドレール156の案内部として機能し、案内手段を構成する。案内部材210は板状を成し、固定ガイドレール154,可動ガイドレール156とほぼ同じ長さを有するとともに、垂直な案内面212を有する。これら1対の案内面212はプリント配線板18の幅方向の両側から、送り装置152により送られるプリント配線板18の一直線状の送り方向に平行な両側面216を適正な隙間をもって案内し、プリント配線板18を固定ガイドレール154および可動ガイドレール156の長手方向に案内する。2つの案内部材210にはそれぞれ、押さえ部214が長手方向に沿って一体的に設けられており、送り時にプリント配線板18の浮き上がりを防止するとともに、電子部品装着時にプリント配線板18をクランプするようにされている。
【0037】
なお、メインコンベヤ140の配線板搬送方向において下流側の端部側には、図1に示すように、停止装置220が設けられ、プリント配線板18を所定の停止位置に停止させるようにされている。所定の停止位置は、例えば、プリント配線板18が配線板搬送方向において、部品供給装置14のほぼ中央に対応する位置に位置する状態となる位置である。
【0038】
停止装置220は、プリント配線板18に係合してその移動を停止させる停止部材222と、停止部材222を、プリント配線板18の移動経路内に進入させてプリント配線板18の移動を停止させる停止位置と、移動経路から退避させ、プリント配線板18の移動を許容する退避位置とに移動させる停止部材移動装置(図示省略)とを含む。停止部材移動装置は、例えば、流体圧アクチュエータの一種である流体圧シリンダとしてのエアシリンダを駆動源として構成され、停止部材222を自動で移動させる。プリント配線板18が停止装置220によって所定の停止位置に停止させられたことは、図示を省略する配線板停止検出装置により検出され、その検出信号に基づいて送り装置152によるプリント配線板18の送りが停止される。
【0039】
また、固定ガイドレール154と可動ガイドレール156との間の部分であって、停止装置220によって停止させられたプリント配線板18に対応する位置には、基板保持装置としてのプリント配線板保持装置226(図1参照)が設けられ、プリント配線板18を下方から支持するようにされている。プリント配線板保持装置226はプリント配線板18を支持する複数の支持部材を有し、プリント配線板18を下方から水平な姿勢で支持するとともに、クランプ部材が設けられ、固定ガイドレール154,可動ガイドレール156に設けられた押さえ部214との間にプリント配線板18を挟み、プリント配線板18をその表面が水平な姿勢で保持するようにされている。前記XY座標面は、停止装置220により所定の停止位置に停止させられたプリント配線板18の表面に平行であり、基準平面を構成しており、前記基準マークカメラ134は、XYロボット30により、所定の位置に停止させられたプリント配線板18の表面に平行な基準平面内の任意の位置へ移動させられる。
【0040】
上記固定ガイドレール154および支持部材176により、図5に示すように、複数本の案内部材たるガイドロッド230の両端部がそれぞれ、位置を固定して支持されるとともに、複数本の送りねじたるボールねじ232の両端部がそれぞれ回転可能にかつ軸方向の移動不能に支持されている。ガイドロッド230およびボールねじ232はY軸方向に平行に設けられているのである。可動ガイドレール156は、それに固定のレールナット236においてボールねじ232に螺合されるとともに、被案内部たるガイドブロック240においてガイドロッド230に軸方向に摺動可能に嵌合されている。複数のボールねじ232の固定ガイドレール154から外側へ、すなわち可動ガイドレール156とは反対側へ延び出させられた端部にはそれぞれ、回転体たるスプロケット242が相対回転不能に取り付けられている。
【0041】
また、固定ガイドレール154の外側には、複数のテンションスプロケット246がスプロケット242の回転軸線と平行な軸線まわりに回転可能に設けられ、これらスプロケット242,246に巻掛部材たる無端のチェーン248が巻き掛けられている。2本のボールねじ232の一方には、駆動源たる電動モータの一種である幅変更用モータ250の回転が減速機252を介して伝達され、そのボールねじ232が幅変更用モータ250によって直接駆動される。幅変更用モータ250の回転は、スプロケット242およびチェーン248によって他方のボールねじ232に伝達される。それにより2本のボールねじ232が同期して回転させられ、可動ガイドレール156が長手方向において一様にY軸方向に平行な方向に移動させられ、固定ガイドレール154に対して接近,離間させられて、両ガイドレール154,156の各案内面212の間隔(距離)が変更され、メインコンベヤ140の幅が変更される。メインコンベヤ140の幅は、1対の案内面212間の距離である。幅変更用モータ250は、交流モータの使用も可能であるが、本実施形態においては、直流モータが使用され、通電時間を短くすることにより速度が小さくなるように構成されている。本実施形態においては、スプロケット242,チェーン248等が回転伝達装置を構成し、ボールねじ232,レールナット236,幅変更用モータ250等と共に間隔変更装置158を構成している。前記送り装置152の被駆動プーリ200は可動ガイドレール156と共に移動させられるが、スプライン軸178にスプライン嵌合されており、可動ガイドレール156の位置が変わっても、配線板搬送用モータ182の回転が被駆動プーリ200に伝達され、エンドレスベルト164が周回させられる。
【0042】
なお、本実施形態においては、オペレータはインチング操作を行うことによって幅変更用モータ250を回転させ、可動ガイドレール156を移動させることができる。また、図5に二点鎖線で示すように、複数のボールねじ232の1つに操作部材たるハンドル258を相対回転不能に係合させ、オペレータがハンドル258を操作し、ボールねじ232を回転させることによっても可動ガイドレール156を移動させ、配線板コンベヤ140の幅を変更することができる。
【0043】
可動ガイドレール156には、図5に示すように、レール被検出部としてのレール基準マーク270が設けられている。本実施形態においてレール基準マーク270は、可動ガイドレール156とは別体に設けられ、可動ガイドレール156に固定されており、固定後は可動ガイドレール156の一部として機能する。
【0044】
可動ガイドレール156の配線板搬送方向において中間部には、マーク形成部材272が固定されるとともに、マーク形成部材272の上面にレール基準マーク270が設けられている。本実施形態においてレール基準マーク270は円形を成し、背景、すなわちマーク形成部材272の上面のレール基準マーク270以外の部分と明確に区別し得る光学的特性を有するように設けられている。例えば、レール基準マーク270は、背景と異なるコントラストを有する輝度あるいは色彩とされ、本実施形態では、レール基準マーク270が白色、背景が黒色とされている。逆でもよい。レール基準マーク270は、本実施形態では印刷によって設けられている。シールを貼って基準マークを設けてもよい。また、本実施形態では、マーク形成部材270の上面は、電子部品装着時におけるプリント配線板18の表面とほぼ同じ高さの位置に設けられている。
【0045】
インコンベヤ142およびアウトコンベヤ144は、メインコンベヤ140とほぼ同様に構成され、全部の図示は省略するが、送り装置152,固定ガイドレール154,可動ガイドレール156および間隔変更装置158を備えており、各可動ガイドレール156のメインコンベヤ140側の端部にはそれぞれ、レール基準マーク280,282が基準マーク270と同様に設けられている。インコンベヤ142,アウトコンベヤ144のそれぞれメインコンベヤ140側の端部は、部品供給装置14の配線板搬送方向に隔たった両端部に対応する位置に位置し、基準マーク280,282はXYロボット30による基準マークカメラ134の移動領域内に設けられている。XYロボット30による基準マークカメラ134の移動領域、すなわち装着ヘッド100の移動領域は、部品供給装置14の全部のフィーダ22の各部品供給部から電子部品24を取り出し、プリント配線板18に装着するのに十分な領域とされている。
【0046】
また、インコンベヤ142,アウトコンベヤ144にはそれぞれ、図1に概略的に示すように、前記停止装置220と同様に、停止部材290,292を有する停止装置294,296が設けられ、プリント配線板18を所定の停止位置に停止させるようにされているが、プリント配線板保持装置は設けられていない。停止装置294による所定の停止位置は、例えば、プリント配線板18の配線板搬送方向において下流側の端部がインコンベヤ142のメインコンベヤ140側の端に位置する位置であり、停止装置296による所定の停止位置は、例えば、プリント配線板18の配線板搬送方向において下流側の端部が、アウトコンベヤ144のメインコンベヤ140とは反対側の端側に位置する位置である。インコンベヤ142,アウトコンベヤ144については、停止装置294,296を省略してもよい。なお、図1においては、理解を容易にするために、基準マーク270等は実際より大きく図示されている。
【0047】
X軸スライド36には、図1および図2に示すように、ちょうどX軸スライド36を移動させるボールねじ34の一方に対応する位置であって、部品供給装置14とプリント配線板18との間の位置に、部品撮像システム300が移動不能に取り付けられている。部品撮像システム300は、特開2001−160135公報に記載の部品撮像システムと同様に構成されており、簡単に説明する。
【0048】
部品撮像システム300は、図3に示すように、撮像装置302および照明装置304を備えている。本実施形態において撮像装置302は、電子部品24等を撮像する部品カメラ306および導光装置308を備え、導光装置308は、反射装置としての反射鏡310,312を有している。反射鏡310,312は、図示を省略するブラケットによりX軸スライド36の下部に固定されており、部品カメラ306は、X軸スライド36に保持部材316により下向きに固定されている。本実施形態においては、部品カメラ306は、前記基準マークカメラ190と同様に、面撮像装置であって、CCDカメラとされている。
【0049】
照明装置304は、吸着ノズル70に向かって紫外線と可視光線とを選択的に照射するように構成されている。吸着ノズル70について設けられた発光板120は、紫外線を吸収して可視光線を放射する。部品装着ユニット28がXYロボット30によって移動させられ、Y軸方向においてボールねじ34に対応する位置であって、反射鏡310上に位置する位置に至れば、部品カメラ306は電子部品24を撮像することができる。部品カメラ306は、照明装置304により照射される光に応じて被写体の正面像あるいは投影像を撮像する。
【0050】
本電子部品装着システムは、図8に示す制御装置350により制御される。ただし、図8は本システムのうち本発明に関連の深い部分のみを取り出して示したものである。制御装置350はコンピュータ351を主体とするものであり、コンピュータ351は、プロセッシングユニット(PUと略記する)352,リードオンリメモリ(ROM)354,ランダムアクセスメモリ(RAM)356,入力ポート358および出力ポート360がバスラインによって接続されたものである。
【0051】
入力ポート358には、前記基準マークカメラ134,部品カメラ306により撮像された画像のデータを解析する画像処理コンピュータ362,エンコーダ364,365を始め、種々の検出器やコンピュータが接続されている。出力ポート360には、それぞれ駆動回路366を介して前記X軸スライド移動用モータ40等、各種アクチュエータが接続されている。RAM356には、図9にフローチャートで表すコンベヤ幅変えルーチンを始めとする種々の制御プログラムやデータ等が格納されており、これら制御プログラムの実行により電子部品24が自動でプリント配線板18に装着されて電子回路が組み立てられる。
【0052】
なお、上記X軸スライド移動用モータ40等は、駆動源たる電動モータの一種であり、本実施形態では、幅変更用モータ250以外のモータはサーボモータとされているが、回転角度を制御可能なモータであれば採用可能であり、ステップモータ等を用いることもできる。サーボモータの回転角度は、回転角度検出装置としてのエンコーダにより検出される。図8には、X軸スライド移動用モータ40,Y軸スライド移動用モータ52について設けられたエンコーダ364,365を代表的に示す。
【0053】
以上のように構成された電子部品装着システムにおける電子部品24のプリント配線板18への装着を説明する。
本電子部品装着システムにおいては、電子部品24の装着開始に先立ってメインコンベヤ140,インコンベヤ142,アウトコンベヤ144の各幅が変更され、各1対のガイドレール154,156の案内面212間の間隔が、電子部品24が装着されるプリント配線板18の幅、すなわち搬送方向に直角な方向の寸法に合った間隔であって、プリント配線板18の搬送に適した大きさに変更される。これらコンベヤ140,142,144の各幅変えは同様に行われるため、メインコンベヤ140の幅変えを代表的に説明する。
【0054】
幅変更は、幅が既知の基準板をメインコンベヤ140に支持させ、ガイドレール154,156の各案内面212の間隔が基準板に適した大きさになるようにメインコンベヤ140の幅が調整された際の可動ガイドレール156のレール基準マーク270の位置(以後、レール基準位置と称する)を取得し、そのレール基準位置と、基準板の幅と、メインコンベヤ140によって搬送されるべきプリント配線板18の幅とに基づいて目標位置を設定し、その目標位置にレール基準マーク270が位置するように可動ガイドレール156を移動させることにより自動で行われる。基準板として、実際のプリント配線板18を使用することも可能であるが、本実施形態では幅調整専用の基準板が使用される。基準板は、図示は省略するが、本実施形態においては、プリント配線板18と同様に矩形の板状を成し、1種類のものが準備されており、プリント配線板18と同様にメインコンベヤ140により支持される。基準板は、複数種類のものが準備され、次に搬送すべきプリント配線板18と同じか、またはそれに近い幅の基準板を選択して使用することが可能である。
【0055】
レール基準位置は予め、例えば、装着作業の開始前であって、例えば、始業点検時に取得される。取得時には、オペレータが手動で、例えば、幅変更用モータ250をインチング操作して可動ガイドレール156を移動させ、基準板をメインコンベヤ140の1対のエンドレスベルト164上に載せ、1対の案内面212の間隔が基準板に適した大きさになるように、すなわち基準板の、プリント配線板18の1対の側面216に相当する1対の側面が1対の案内面212によって適正な隙間をもって案内されるようにメインコンベヤ140の幅を調整する。基準板の幅は既知であり、基準板を用いてメインコンベヤ140の幅を調整することにより、メインコンベヤ140の幅が既知の状態になる。基準板の幅に、基準板と1対の案内面212との間の隙間を加えた値がメインコンベヤ140の既知の幅になるのである。
【0056】
幅調整後、XYロボット30に基準マークカメラ134を移動させ、レール基準マーク270を撮像させる。この際、基準マークカメラ134はオペレータの手動操作により移動させられる。X軸スライド移動用モータ40,Y軸スライド移動用モータ52をオペレータがインチング操作し、基準マークカメラ134を、レール基準マーク270が撮像領域内の予め定められた位置に位置する位置、例えば、レール基準マーク270の中心が撮像領域の中心である撮像中心と一致する状態となる位置へ移動させ、レール基準マーク270を撮像させるのであり、その際の基準マークカメラ134の位置がレール基準マーク270の位置であるレール基準位置として取得される。レール基準マーク270の中心が撮像中心と一致する状態でのX軸スライド移動用モータ40,Y軸スライド移動用モータ52の各回転角度をそれぞれ検出するエンコーダ364,365の値がレール基準位置を規定する値としてRAM356に記憶されるのである。
【0057】
次いで、本システムにおいて電子部品24の装着が予定されている複数種類のプリント配線板18の各々について、各プリント配線板18を搬送する際の可動ガイドレール156の目標位置が設定され、プリント配線板18の種類と対応付けてRAM356に記憶される。レール基準位置から、プリント配線板18の幅(搬送方向と直角な方向の寸法)と、基準板の幅との差だけY軸方向(可動ガイドレール156の固定ガイドレール154に対する接近,離間方向)に離れた位置が目標位置であり、目標位置はレール基準マーク270について設定され、X軸,Y軸スライド移動用モータ40,52の回転角度を検出するエンコーダ364,365の値で記憶される。なお、複数種類のプリント配線板18の各幅および基準板の幅はRAM356に記憶されている。
【0058】
コンベヤ幅変えを図9に示すコンベヤ幅変えルーチンに従って説明する。
コンベヤ幅変えを概略的に説明する。幅変え時には、まず、基準マークカメラ134にレール基準マーク270を撮像させ、可動ガイドレール156の現在の位置を取得し、可動ガイドレール156を目標位置へ移動させるための移動距離および方向が求められ、間隔変更装置158により可動ガイドレール156を目標位置へ移動させる。この際、基準マークカメラ134を可動ガイドレール156より先に目標位置へ移動させてレール基準マーク270を撮像させ、可動ガイドレール156が目標位置へ接近したならば減速させ、目標位置へ到達したならば停止させる。
【0059】
コンベヤ幅変えルーチンのステップ1(以後、S1と記載する。他のステップについても同じ。)においてフラグF1がONにセットされているか否かの判定が行われる。フラグF1は図示を省略するメインルーチンの初期設定等においてOFFにリセットされており、S1の判定はNOになってS2が実行され、フラグF2がONにセットされているか否かが判定される。フラグF2もOFFにリセットされており、S2の判定はNOになってS3が実行され、可動ガイドレール156の現在の位置が取得される。
【0060】
可動ガイドレール156の現在位置は、基準マークカメラ134によってレール基準マーク270を撮像することにより検出される。現在のメインコンベヤ140により搬送されるプリント配線板18について設定された可動ガイドレール156の目標位置がRAM356から読み出され、その目標位置データに従って基準マークカメラ134がXYロボット30により移動させられる。目標位置は、エンコーダ364,365の値によって規定されており、それらエンコーダ364,365の検出値が設定された値となる位置へ基準マークカメラ134が移動させられれば、撮像中心が目標位置に位置させられ、その状態で基準マークカメラ134がレール基準マーク270を撮像する。なお、本実施形態においては、一連の装着作業の開始前には、メインコンベヤ140の幅は、基準板の案内に適した幅に調整されており、電子部品24が装着される複数種類のプリント配線板18のうち、最初の種類のプリント配線板18についてのコンベヤ幅の変更は、コンベヤ幅が基準板の案内に適した幅に調整された状態から行われる。そのため、基準マークカメラ134は前記レール基準位置へ移動させられてレール基準マーク270を撮像し、可動ガイドレール156の現在の位置が取得される。
【0061】
レール基準マーク270に関するデータ、例えば、レール基準マーク270の形状,寸法,色等のデータは画像処理コンピュータ362に記憶されており、撮像データが画像処理コンピュータ362により画像処理され、レール基準マーク270の中心位置が可動ガイドレール156の位置として取得される。画像処理コンピュータ362においては、レール基準マーク270の中心の撮像中心に対する位置が求められ、コンピュータ351に供給される。そして、その位置と、目標位置とに基づいて、レール基準マーク270の中心の位置がエンコーダ364,365の値で求められる。このレール基準マーク270の位置が可動ガイドレール156の現在の位置である。画像処理コンピュータ362に可動ガイドレール156の目標位置を記憶させ、画像処理コンピュータ362においてレール基準マーク270の中心位置がエンコーダ364,365の値で求められ、コンピュータ351に供給されるようにしてもよい。
【0062】
可動ガイドレール156の現在位置が検出されたならば、S4が実行され、可動ガイドレール156および基準マークカメラ134が、次に搬送されるべきプリント配線板18について設定された可動ガイドレール156の目標位置に向かって移動を開始させられる。基準マークカメラ134は、エンコーダ364,365が目標位置を規定する値となる位置へ移動させられる。可動ガイドレール156については、次に搬送すべきプリント配線板18について設定された可動ガイドレール156の目標位置と、可動ガイドレール156の現在の位置とから、可動ガイドレール156の移動方向および移動距離が求められ、間隔変更装置158により移動させられる。幅変更用モータ250の起動指令が出力されて幅変更用モータ250が起動され、レール基準位置と、基準板の幅と、次に搬送すべきプリント配線板18の幅とに基づいて決まる目標位置にレール基準マーク270が位置するように、可動ガイドレール156が目標位置に向かって移動を開始させられるのである。また、フラグF2がONにセットされる。
【0063】
次いでS5が実行され、基準マークカメラ134が目標位置へ到達したか否かが判定される。基準マークカメラ134は可動ガイドレール156より高速で移動させられ、可動ガイドレール156より先に目標位置へ到達するようにされる。基準マークカメラ134が目標位置へ到達していなければ、S5の判定はNOになってルーチンの実行は終了する。
【0064】
次にS2が実行されるとき、その判定はYESになり、S3,S4がスキップされてS5が実行され、基準マークカメラ134が目標位置へ到達するまでS1,S2およびS5が繰り返し実行される。基準マークカメラ134が目標位置へ到達すれば、S5の判定がYESになってS6が実行され、基準マークカメラ134が停止させられるとともに、フラグF1がONにセットされる。
【0065】
次いで、S7が実行され、可動ガイドレール156が目標位置へ接近したか否かが判定される。この判定は、本実施形態では、可動ガイドレール156が移動を開始した後、現在位置(移動開始時の位置)から目標位置へ移動するのに要する時間より短く、その時間に対して予め設定された率の時間であって、目標位置へ接近したと言うことができる位置に到達するのに要する時間が経過したか否かにより行われる。この時間は、可動ガイドレール156の現在位置から目標位置への移動距離および可動ガイドレール156の移動速度パターンに基づいて取得される。S7の判定は当初はNOであり、ルーチンの実行は終了する。
【0066】
可動ガイドレール156が目標位置に接近するまで、S1,S7が繰り返し実行され、到達すれば、S7の判定がYESになってS8が実行され、フラグF3がONにセットされているか否かが判定される。フラグF3はメインルーチンの初期設定等においてOFFにリセットされており、S8の判定はNOになってS9が実行され、可動ガイドレール156の移動速度の減速指令が発せられ、可動ガイドレール156が減速させられるとともに、フラグF3がONにセットされる。
【0067】
次いでS10が実行され、基準マークカメラ134が撮像を行わされる。撮像データは画像処理コンピュータ362により処理され、その処理結果がコンピュータ351に供給される。そして、S11においては、画像処理データに基づいて、可動ガイドレール156が基準マークカメラ134の撮像領域内に進入したか否かの判定が行われる。この判定は、レール基準マーク270が撮像されたか否かにより行われる。例えば、撮像領域に形成されるレール基準マーク270の像の面積が、レール基準マーク270の平面視の面積に対して予め設定された比率を超える大きさになれば、撮像領域に進入したと判定される。レール基準マーク270の全部の像が形成された場合、あるいはレール基準マーク270の中心が撮像領域内に位置する状態となった場合に、レール基準マーク270が撮像領域に進入したと判定するようにしてもよい。S11の判定は当初はNOであり、ルーチンの実行は終了する。
【0068】
レール基準マーク270が撮像されるまで、S1,S7,S8,S10,S11が繰り返し実行される。可動ガイドレール156が撮像領域内に進入し、レール基準マーク270が撮像されれば、S11の判定がYESになってS12が実行され、フラグF4がONにセットされているか否かが判定される。この判定はNOであり、S13が実行されて可動ガイドレール156の移動速度の減速指令が発せられ、可動ガイドレール156が更に減速させられるとともに、フラグF4がONにセットされる。
【0069】
次いで、S14が実行され、可動ガイドレール156がほぼ目標位置へ到達したか否か、すなわち目標位置より設定距離、手前の位置に到達したか否かが判定される。設定距離は、幅変更用モータ250の停止指令が発せられた後、幅変更用モータ250が止まったときに可動ガイドレール156のレール基準マーク270がちょうど目標位置に到達し、停止した状態となる距離である。可動ガイドレール156は、目標位置へ接近した状態では減速させられているため、目標位置への到達前に、目標位置への到達を予測して停止指令を発し、可動ガイドレール156を目標位置に停止させることが可能であり、S14においては、可動ガイドレール156がほぼ目標位置へ到達したか否かが判定される。この判定は、レール基準マーク270の中心が撮像中心より、設定距離手前の位置に到達したか否かにより行われる。この判定は当初はNOであり、ルーチンの実行は終了する。
【0070】
可動ガイドレール156がほぼ目標位置へ到達するまで、S1,S7,S8,S10,S11,S12,S14が繰り返し実行され、到達すれば、S14の判定がYESになってS15が実行され、可動ガイドレール156の停止指令が発せられ、幅変更用モータ250が停止させられるとともに、終了処理が行われる。フラグF1等をOFFにリセットする等の処理が行われるのである。このように可動ガイドレール156は、間隔変更装置158により、現在位置から目標位置へ至るのに要する距離移動させられ、コンベヤ幅が次に搬送されるプリント配線板18を案内するのに適した幅に変更される。
【0071】
このように基準マークカメラ134が可動ガイドレール156より先に目標位置に位置させられ、レール基準マーク270を撮像し、可動ガイドレール156が目標位置に到達した状態において、すなわちレール基準マーク270の中心が撮像中心に位置する状態となる状態において可動ガイドレール156を停止させることが、メインコンベヤ140の幅が次に搬送すべきプリント配線板18に適した幅になったことの確認である。可動ガイドレール156の停止後に基準マークカメラ134によりレール基準マーク270を撮像して可動ガイドレール156の位置を取得し、目標位置からずれていれば、ずれの量および方向を取得して修正するようにしてもよい。可動ガイドレール156の位置の取得により、メインコンベヤ140の幅が適切な幅になったか否かが確認されるようにしてもよいのである。
【0072】
インコンベヤ142,アウトコンベヤ144においても同様にコンベヤ幅が変更されるとともに確認される。基準板を用いてコンベヤ幅が調整されてコンベヤ142,144の幅が既知の状態とされるとともに、可動ガイドレール156の目標位置が設定され、基準マークカメラ134によるレール基準マーク280,282の撮像に基づいて可動ガイドレール156の現在の位置が得られ、可動ガイドレール156が現在の位置から目標位置へ移動させられるのである。コンベヤ140,142,144の各幅の変更の順序は問わず、例えば、変更が可能なコンベヤから変更すればよい。あるいは予め変更順序を設定しておいてもよい。コンベヤ140,142,144の幅は同じ幅に変更されることにより互いに一致させられ、プリント配線板18はコンベヤ140から144へスムーズに搬送される。コンベヤ140,142,144の各可動ガイドレール156をそれぞれ、次に搬送すべきプリント配線板18に適したコンベヤ幅が得られる目標位置であって、設定されたコンベヤ幅が得られる位置へ移動させ、基準マークカメラ134によるレール基準マーク270,280,282の撮像に基づいて停止させることにより、コンベヤ140,142,144の各可動ガイドレール156の位置が一致させられるとともに、一致が確認されるのである。コンベヤ140,142,144において各可動ガイドレール156が目標位置へ移動させられて停止させられた後、基準マークカメラ134を目標位置へ移動させてレール基準マーク270,280,282を撮像させ、レール基準マーク270,280,282の位置に基づいて各可動ガイドレール156の接近,離間方向における位置を取得し、それらが一致するか否かを確認し、一致していなければ、目標位置に対する位置ずれを修正し、各可動ガイドレール156の位置を一致させ、コンベヤ140,142,144の幅を一致させるようにしてもよい。
【0073】
電子部品24のプリント配線板18への装着時には、図示を省略する配線板供給装置、あるいは本電子部品装着システムの上流側に設けられた別の基板作業システム、例えば、接着剤塗布装置あるいはスクリーン印刷装置等からプリント配線板18が供給され、インコンベヤ142に搬入される。この際、メインコンベヤ140にプリント配線板18がなければ、プリント配線板18は停止させられることなくインコンベヤ142からメインコンベヤ140へ搬入され、停止装置220によって所定の位置に停止させられる。メインコンベヤ140にプリント配線板18があれば、プリント配線板18は停止装置294により停止させられ、インコンベヤ142上においてメインコンベヤ140への搬入に備えて待機させられる。インコンベヤ140は待機領域として機能するのである。そして、プリント配線板18への電子部品24の装着が終了し、メインコンベヤ140からアウトコンベヤ144へ搬出されれば、待機させられていたプリント配線板18は、インコンベヤ142からメインコンベヤ140に搬入される。
【0074】
プリント配線板18は停止装置220により停止させられ、プリント配線板保持装置226の支持部材によって下方から支持されるとともに、1対のエンドレスべルト164から持ち上げられ、プリント配線板保持装置226に設けられたクランプ部材により、搬送方向に平行な両縁部が案内部材210の押さえ部214に押し付けられ、クランプされる。これらクランプ部材および押さえ部214が配線板クランプ装置を構成している。
【0075】
その状態で基準マークカメラ134がXYロボット30によって移動させられ、プリント配線板18に設けられた2つの基準マーク130をそれぞれ撮像し、その撮像データが画像処理されて、プリント配線板保持装置226によるプリント配線板18の保持位置誤差が検出されるとともに、多数の部品装着個所の各X軸方向,Y軸方向の水平位置誤差が求められる。そして、装着ヘッド100がXYロボット30により移動させられ、フィーダ22の部品供給部から電子部品24を取り出す。取出し後、吸着時と装着時とで電子部品24の姿勢が変更されるのであれば、吸着ノズル154がホルダ回転装置76により回転させられる。
【0076】
そして、プリント配線板18へ移動する途中で電子部品24が、部品撮像システム300の反射鏡310上において停止させられ、部品カメラ306により撮像される。その撮像データに基づいて吸着ノズル70による電子部品24の保持位置誤差(中心位置誤差および回転位置誤差を含む)が検出され、修正されてプリント配線板18の被装着箇所に載置され、装着される。回転位置誤差はホルダ回転装置76によって吸着ノズル70を回転させることにより修正され、中心位置誤差は、XYロボット30による装着ヘッド100の移動距離の修正により修正される。この際、先に求められた部品装着個所の水平位置誤差および電子部品24の回転位置誤差の修正により生ずる電子部品24の中心位置のずれも併せて修正される。
【0077】
予定された全部の電子部品24の装着が終了したプリント配線板18は、メインコンベヤ140からアウトコンベヤ144に搬出され、アウトコンベヤ144から、図示を省略する下流側の基板作業システム,例えば、電子部品24の装着状態を検査する装着状態検査装置,半田リフローシステム等基板作業システムあるいは配線板受取装置等へ搬出される。この際、下流側システム等において直ちにプリント配線板18を受け取ることができない事情があれば、プリント配線板18は停止装置296により停止させられ、アウトコンベヤ144上において搬出に備えて待機させられる。アウトコンベヤ144は、待機領域として機能するのであり、その間、メインコンベヤ140に新たにプリント配線板18が搬入されて支持され、電子部品24の装着が行われる。このようにプリント配線板18がインコンベヤ140からアウトコンベヤ144へ搬送されるとき、各コンベヤ140,142,144において送り装置152によって送られるとともに、1対の側面216が固定ガイドレール154,可動ガイドレール156の各案内面212によって適正な隙間をもって案内される。
【0078】
このように本実施形態の電子部品装着システムにおいては、間隔変更装置158が回転角度検出装置によって回転角度が検出されない電動モータを用いて構成されているが、基準マークカメラ134およびXYロボット30を利用することにより、コンベヤ幅を精度良く、かつ安価に変更することができる。また、専用基板である基準板を用いて基準レール位置が取得され、それに基づいて可動ガイドレール156の目標位置が設定されるため、プリント配線板18の幅が変わる毎にコンベヤ幅が変更されても誤差が累積することがなく、コンベヤ幅を精度良く変更することができる。
【0079】
なお、コンベヤ幅の変更時に可動ガイドレール156の現在位置を取得する際に、基準マークカメラ134を現にコンベヤにより支持されているプリント配線板18について設定された目標位置へ移動させて撮像を行わせても、レール基準マーク270が撮像されないことがあれば、異常が発生したとして異常発生を報知装置により報知してもよく、あるいは基準マークカメラ134を移動させてレール基準マーク270を探すようにしてもよい。例えば、基準マークカメラ134を、X軸方向とY軸方向とにおいてそれぞれ、設定距離ずつ移動させては撮像を行わせ、それら移動および撮像を設定回数、繰り返し行わせ、その間にレール基準マーク270が撮像されれば、その撮像データに基づいて可動ガイドレール156の位置を取得する。移動および撮像を設定回数、行ってもレール基準マーク270が撮像されない場合には、異常の発生を報知する。
【0080】
上記実施形態において、コンベヤ幅の変更時には、可動ガイドレール156が2段階に減速されて目標位置に到達するようにされていたが、1回、減速するのみでもよく、あるいは移動の途中では減速することなく目標位置へ移動し、停止するようにしてもよい。その場合、基準マークカメラ134は、可動ガイドレール156の目標位置への到達に先立って目標位置へ移動するようにしてもよく、到達後に目標位置へ移動するようにしてもよい。いずれにしても、基準マークカメラ134は、可動ガイドレール156が停止した状態でレール基準マーク270を撮像し、その中心位置を検出してコンベヤ幅が次に搬送すべきプリント配線板18に適した幅になったか否かを確認する。レール基準マークが撮像領域の予め定められた位置、例えば、レール基準マーク270の中心位置が撮像中心と一致する位置になければ、コンベヤ幅はプリント配線板18に適した幅になっておらず、そのずれの量および方向が求められ、そのずれがなくなるように幅変更装置158に可動ガイドレール156を移動させる。
可動ガイドレール156を目標位置へ到達するより短い距離移動した状態で停止させ、その位置から目標位置へ到るまで、可動ガイドレール156を一定距離、移動させては基準マークカメラ134にレール基準マーク270を撮像させ、可動ガイドレール156が目標位置へ到達したかを確認するようにしてもよい。
【0081】
複数種類の各プリント配線板18について設定される可動ガイドレールの目標位置は、装着開始前に予め設定されていなくてもよく、例えば、装着時にプリント配線板18の種類が変わり、幅が変わってコンベヤ幅の変更が行われる毎に、可動ガイドレール156のレール基準位置,基準板の幅およびプリント配線板18の幅に基づいて設定されるようにしてもよい。
【0082】
間隔変更装置は、ステップモータを駆動源とする装置としてもよい。例えば、前記間隔変更装置158の幅変更用モータとしてステップモータを用いるのである。ステップモータは、回転角度の制御が可能なモータであり、その回転角度の制御により、可動ガイドレールを精度良く目標位置へ移動させることができ、コンベヤ幅の確認を行うことは不可欠ではない。ステップモータを駆動源とする間隔変更装置を用いたコンベヤの幅変えを、図10に示すコンベヤ幅変えルーチンに基づいて説明する。
【0083】
コンベヤ幅変えルーチンのS21においては、フラグF11がONにセットされているか否かが判定される。この判定はNOであり、S22が実行されて可動ガイドレールの現在位置が検出される。この検出は、前記実施形態のS3におけると同様に行われ、検出後、S23が実行されて可動ガイドレール156が移動を開始させられるとともに、フラグF11がONにセットされる。可動ガイドレール156の現在位置と、次に搬送されるプリント配線板18について設定された目標位置とに基づいて可動ガイドレール156の移動方向および移動距離が取得され、可動ガイドレール156が取得された方向へ取得された距離移動して目標位置へ到達するようにステップモータが制御される。
【0084】
次いでS24が実行され、可動ガイドレール156が目標位置へ到達したか否かが検出される。ステップモータが、可動ガイドレール156が目標位置へ到達するのに足るだけ作動させられたか否かが判定されるのであり、この判定は、例えば、ステップモータを作動させるパルス数をカウントし、そのカウント値が設定値になったか否かにより行われる。設定値は、可動ガイドレール156について取得された上記距離、可動ガイドレール156を移動させるために設定された値である。S24の判定は当初はNOであり、ルーチンの実行は終了する。可動ガイドレール156が目標位置へ到達すれば、S24の判定がYESになってS25が実行され、ステップモータが停止させられて可動ガイドレール156が停止させられるとともに、フラグF11がOFFにリセットされる。
【0085】
本実施形態においては、前記実施形態におけると同様に、一連の装着作業の開始時には、コンベヤ幅は基準板の案内に適した幅に調整されており、電子部品24が装着される1種類目のプリント配線板18については、可動ガイドレール156が、基準板の案内に適した位置から目標位置へ移動させられ、ステップモータは、基準板の幅と次に搬送すべきプリント配線板18の幅との差に対応する角度回転させられる。コンベヤの既知の幅と、次に搬送されるプリント配線板18の幅および適正な隙間との差に対応する角度回転させられるのである。2種類目以降のプリント配線板18については、コンベヤ幅の変更時に可動ガイドレール156は、直前に搬送されていたプリント配線板18について設定された目標位置(可動ガイドレール156の現在位置)から、次に搬送されるプリント配線板18について設定された目標位置との差に対応する角度、ステップモータが回転させられるが、これら目標位置はそれぞれ、コンベヤ幅が基準板の案内に適した幅に調整された状態での可動ガイドレール156(レール基準マーク270)の位置に基づいて取得されており、ステップモータは、実質的に、基準板の幅と、次に搬送されるプリント配線板18の幅との差に対応する角度回転させられるに等しい。
【0086】
本実施形態においては、作業性向上のため、コンベヤ幅の変更時に可動ガイドレール156は、現在の位置から目標位置へ移動させられるようにされているが、ときどき基準板を用いてコンベヤ幅を調整し、レール基準位置を取得するとともに、プリント配線板18の種類毎に可動ガイドレール156の目標位置を設定し直し、その状態において可動ガイドレール156を目標位置へ移動させ、コンベヤ幅を変更するようにしてもよい。これら再調整および再設定は、例えば、電子部品24が装着される同一種類のプリント配線板18の枚数が多い場合には、プリント配線板18の種類が変わる毎に行ってもよく、プリント配線板18の種類が設定数を超えた場合(幅変更回数が設定回数を超えた場合)に行ってもよい。基準板を用いてコンベヤ幅を再調整するが、目標位置の再設定は行わず、コンベヤ幅が再調整された状態においてコンベヤ幅が変更させられるようにするのみでもよい。
【0087】
上記実施形態においては、基板作業システムの一種である電子部品装着システムが直列に並んで設けられた複数のコンベヤを備え、それらコンベヤの幅がそれぞれ変更されるとともに、互いに一致させられるようにされていたが、図11に示すように、互いに異なる複数、例えば、4つの基板作業システム400,402,404,406にそれぞれ設けられたコンベヤ同士について幅が一致させられるようにしてもよい。基板作業システム400,402,404,406は、例えば、スクリーンを用いてクリーム状半田を印刷するスクリーン印刷システム,プリント配線板に接着剤を塗布する接着剤塗布システム,電子部品装着システムおよびプリント配線板18に装着された電子部品24の装着状態を検査する装着検査システムとされ、作業ラインを構成している。
【0088】
各システム400,402,404,406はそれぞれ、前記メインコンベヤ140と同様の配線板コンベヤ410,412,414,416を1つずつ備えるとともに、基準マークカメラ,カメラ移動装置および作業装置を備えており、プリント配線板はシステム400側からシステム406側へ送られて、各システムにおいて作業が行われる。システム400の配線板コンベヤ410はシステム402の配線板コンベヤ412に対して上流側コンベヤであり、システム404の配線板コンベヤ414はシステム402の配線板コンベヤ412に対して下流側コンベヤである。また、システム402の配線板コンベヤ412は、システム404の配線板コンベヤ414に対して上流側コンベヤである。システム402,404,406についても同様である。この場合、上流側コンベヤ,下流側コンベヤおよび配線板コンベヤのいずれにより搬送されるプリント配線板についても作業が行われる。
【0089】
システム400,402,404,406の各コンベヤ410,412,414,416の各幅はそれぞれ、前記メインコンベヤ140の幅変更と同様に変更される。システム400,402,404,406の各々について、搬送すべきプリント配線板について設定された目標位置へ可動ガイドレールが移動させられてコンベヤ幅が変更されるのであり、それにより各幅が一致させられることとなる。
【0090】
システム400,402,404,406の少なくとも1つが、コンベヤを複数備え、それら複数のコンベヤについても幅が変更させられて一致させられるようにしてもよい。
【0091】
また、作業ラインを構成するシステムは、作業装置を備えた基板作業システムに限らず、例えば、回路基板を供給する基板供給システムでもよく、回路基板を受取る基板受取システムでもよい。
【0092】
さらに、上記各実施形態において撮像装置は面撮像装置とされていたが、ラインセンサとしてもよい。ラインセンサは、一直線状に並べられた多数の撮像素子を有し、被写体と相対移動させつつ、繰り返し撮像を行うことによって二次元像が得られる。ラインセンサによって基準マークを撮像する場合、例えば、ラインセンサを撮像装置移動装置により移動させつつレール基準マークを撮像させてレール基準マークの像を取得し、その撮像結果に基づいて間隔変更装置を制御する。
【0093】
また、上記各実施形態において基準板の支持に適した状態にコンベヤ幅が調整された状態でのレール被検出部の撮像は、オペレータが撮像装置を手動で移動させることにより行われていたが、移動の少なくとも一部を自動で行うようにしてもよい。例えば、まず、撮像装置を撮像装置移動装置により自動で移動させ、撮像装置がレール被検出部に接近した状態からは手動で移動させて、レール被検出部が撮像領域内の予め設定された位置に位置するようにし、あるいはすべて撮像装置移動装置により自動で移動させるのである。基準板の幅は既知であり、レール被検出部のおおよその位置を取得することが可能であり、レール被検出部あるいはレール被検出部に近接する位置へ撮像装置を自動で移動させ、レール被検出部を撮像させることが可能なのである。
【0094】
さらに、本発明は、コンベヤを1つのみ有する基板作業システムの基板コンベヤの幅変えにも適用することができる。
【0095】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板コンベヤの幅変更方法および幅合わせ方法が実施される電子部品装着システムを概略的に示す平面図である。
【図2】上記電子部品装着システムを示す側面図である。
【図3】上記電子部品装着システムを構成する部品装着装置を示す正面図(一部断面)である。
【図4】上記部品装着装置を示す側面図である。
【図5】上記電子部品装着システムの配線板搬送装置のメインコンベヤを示す平面図である。
【図6】上記メインコンベヤを示す側面図である。
【図7】上記メインコンベヤの固定ガイドレールを可動ガイドレール側から見た状態を示す図である。
【図8】上記電子部品装着システムを制御する制御装置のうち、本発明に関連の深い部分を概略的に示すブロック図である。
【図9】上記制御装置の主体を成すコンピュータのRAMに記憶されたコンベヤ幅変えルーチンを示すフローチャートである。
【図10】本発明の別の実施形態である電子部品装着システムの制御装置の主体を成すコンピュータのRAMに記憶されたコンベヤ幅変えルーチンを示すフローチャートである。
【図11】本発明の別の実施形態である基板コンベヤの幅変更方法および幅合わせ方法を説明する図である。
【符号の説明】
16:配線板搬送装置 18:プリント配線板 24:電子部品 30:XYロボット 70:吸着ノズル 130:配線板基準マーク 132:基準マーク撮像システム 134:基準マークカメラ 140:メインコンベヤ 142:インコンベヤ 144:アウトコンベヤ 152:送り装置 250:幅変更用モータ 270:レール基準マーク 280,282:レール基準マーク 350:制御装置 400,402,404,406:基板作業システム 410,412,414,416:配線板コンベヤ
Claims (5)
- (a)回路基板を一直線に沿って送る送り装置、 (b)その送り装置により送られる回路基板の前記一直線に平行な両側面を案内する案内面をそれぞれ有する1対のガイドレール、および (c)それら1対のガイドレールの少なくとも一方を他方に対して接近,離間させることにより、それら1対のガイドレールの1対の前記案内面の間隔を変更する間隔変更装置を備えた基板コンベヤと、
それぞれその基板コンベヤと同様に前記送り装置,1対のガイドレールおよび間隔変更装置を備え、基板コンベヤの上流側に設けられた上流側コンベヤと下流側に設けられた下流側コンベヤとの少なくとも一方と、
前記基板コンベヤにより搬送され、所定位置に停止させられた回路基板に対して予め定められた作業を行う作業装置と、
前記所定位置に停止させられた回路基板の一部である基板被検出部を撮像する撮像装置と、
その撮像装置を前記所定の位置に停止させられた回路基板の表面に平行な基準平面内の任意の位置へ移動させる撮像装置移動装置と
を含む基板作業システムにおいて、前記基板コンベヤと、前記上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方との幅を一致させる方法であって、
前記撮像装置移動装置に前記撮像装置を、前記基板コンベヤの前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方の予め定められた部分であるレール被検出部を撮像可能な位置へ移動させ、撮像装置にレール被検出部を撮像させる第一撮像工程と、
その第一撮像工程の後にまたは前に、前記撮像装置移動装置に前記撮像装置を、前記上流側コンベヤと下流側コンベヤとの少なくとも一方の前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方の予め定められた部分であるレール被検出部を撮像可能な位置へ移動させ、撮像装置にレール被検出部を撮像させる第二撮像工程と、
それら第一,第二撮像工程の撮像結果に基づいて、前記基板コンベヤと、前記上流側コンベヤと前記下流側コンベヤとの少なくとも一方との幅を一致させる幅一致工程と
を含むことを特徴とする基板コンベヤの幅合わせ方法。 - さらに、
前記基板コンベヤを幅が既知の状態とする幅既知化工程と、
前記第一撮像工程における前記撮像装置の位置と、撮像された画像内における前記基板コンベヤの前記レール被検出部の位置とに基づいて、そのレール被検出部の位置を取得する位置取得工程と、
その位置取得工程において取得された位置と、前記既知の幅と、次に前記基板コンベヤが搬送すべき回路基板の幅とに基づいて決まる位置に前記基板コンベヤの前記レール被検出部が位置するように、前記基板コンベヤの前記1対のガイドレールの前記少なくとも一方を移動させる幅変え工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板コンベヤの幅合わせ方法。 - 前記幅既知化工程が、幅が既知の基準板を前記基板コンベヤに支持させ、前記1対の案内面の間隔がその基準板に適した大きさになるように基板コンベヤの幅を調整する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の基板コンベヤの幅合わせ方法。
- 前記基板被検出部と、前記基板コンベヤの前記レール被検出部との少なくとも一方として、前記回路基板と、前記基板コンベヤの前記ガイドレールとの少なくとも一方に設けた基準マークを使用することを特徴とする請求項2または3に記載の基板コンベヤの幅合わせ方法。
- 前記幅変え工程が、前記撮像装置により前記基板コンベヤの前記レール被検出部を撮像することによって、前記基板コンベヤの幅が前記次に搬送すべき回路基板に適した幅となったことを確認する幅確認工程を含むことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の基板コンベヤの幅合わせ方法。
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