JP3901783B2 - 電子部品装着機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線基板(以下、基板という)に電子部品を搭載する電子部品装着機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から表面実装部品といえば抵抗やコンデンサといったチップ部品が主流であったが近年、コネクタやICといった部品が増えてきている。そこで主にチップ部品を搭載している電子部品装着機との生産時間を合わすためにもコネクタやICといった電子部品を搭載している電子部品装着機のさらなる高生産性が望まれている。
【0003】
図8は従来の電子部品装着機の全体構成を示す外観斜視図(1)とX,Yロボットの要部斜視図(2)である。これは、基板を保持固定するための基板保持固定装置1と、電子部品を吸着するノズル5を基板上の所定装着位置まで移動させるX,Yロボット2と、電子部品をノズル位置まで供給するためX,Yロボットを挾んで正面側(A矢印)から見て前側電子部品供給部3と後側電子部品供給部4(図8では裏側で表れていないが、図10に示している)とを有する。
【0004】
図9は図8の基板保持固定装置の構成とその動作状態説明のための要部側断面図であり、基板6を搬送(図8の矢印B方向,図9では紙面に対し垂直方向)する機構部は幅Dが調節可能な搬送レール7a,7bと、この搬送レール上に位置し基板6を載置し搬送する搬送ベルト8a,8b及び搬送レール7a,7bを基板搬送時にガイドする搬送レールガイド9a,9bからなる。また、基板6の下方位置には基板と当接する複数本のサポートピン10と、このサポートピン10が挿入されているサポートプレート11及びこのサポートプレート11を図9(1)の状態から図9(2)の状態のように上下(矢印C方向)に移動させる駆動装置12、この駆動装置12により上,下移動する上下アーム13から構成されている。
【0005】
図10は図8に示す基板保持固定装置1等の電子部品装着機要部の配置構成を説明する平面図であり、搬送レール7a,7bを挾んで前側電子部品供給部3、後側電子部品供給部4が配置され、この後側電子部品供給部4と搬送レール7bの間に部品認識カメラ14が1台配置されている。なお、実線ルート15が後側電子部品供給部4からの装着経路,破線ルート16が前側電子部品供給部3からの装着経路であって、いずれの場合も部品認識カメラ14でX,Yロボット2のノズル5に吸着している電子部品の位置を割り出すようになっている。
【0006】
以上のように構成された電子部品装着機の基板保持固定装置の動作について図8ないし図10を用いて説明する。図9,図10に示す搬送レール7a,7bを基板6の幅Dに予め広げておく。次に基板6が搬送レール7a,7b上を搬送ベルト8a,8bにより搬送され所定の位置に到着すると、図9(1)に示すサポートプレート11は駆動装置12の駆動により上下アーム13が上昇し、サポートピン10が図9(2)に示すように基板6と当接し基板6を保持固定する。このとき、サポートプレート11の上昇により搬送レール7a,7bが上昇し、搬送レールガイド9a,9bと搬送ベルト8a,8bで基板6を挟み込み、サポートピン10と共に基板6を保持固定する。これにより基板の反りを矯正し基板の高さを一定に保つ。その後、図8(2)に示すノズル5で前側電子部品供給部3あるいは後側電子部品供給部4から電子部品を吸着し、X,Yロボット2で移動し図10に示す部品認識カメラ14によりノズル5に吸着している電子部品の位置を割り出し、基板上に電子部品を搭載する。このときのX,Yロボット2の移動経路が図10の15,16である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近は電子部品の搭載精度向上のため電子部品の位置規正をメカ規正方式から認識による方法へと変わってきている。メカ規正方式の場合、X,Yロボットが移動中、チャックで電子部品を規正し基板に搭載していた。このときは前側電子部品供給部3と基板6が近いときは効率が良かったが、図10に示すような認識方式の場合、部品認識カメラ14で電子部品を撮像しノズル5に吸着されている電子部品の位置を割り出し基板6に搭載している。しかし、電子部品の部品認識カメラ14はサポートプレート11の外側に配置され、基板6は基板保持固定装置の前側を基準として配置されているために常に部品認識カメラ14からは遠く、図10に示すような装着経路15,16を通っていた。特に前側電子部品供給部3からの認識装着は図10のように基板6を通り越して部品認識カメラ14で電子部品の位置を認識し、逆戻りして基板6に装着するという装着経路16を取るためロボットの移動距離が長く、生産性が悪かった。
【0008】
また、基板の反りを矯正し高さを一定に保つということから全域の任意の箇所をサポートピン10で支持できるように図10に示すようにサポートプレート11は最大基板の範囲17とほぼ同じ大きさをしていた。そのため、基板の大型化に伴いサポートプレートも大きくなり平面度を確保することが難しくなっていきコストアップの要因にもつながっていた。また、搬送レールが上昇したとき図9(2)のように搬送レールのガイド9a,9bと搬送ベルト8a,8bで基板6を挟み込むため、基板の搬送レール端部付近はサポートする必要性が薄れてきている。
【0009】
本発明はこのような点に鑑み、X,Yロボットの移動量を短縮して生産性の向上を図り、かつ移動量を補正し電子部品の装着精度を低下させず、しかも最大基板の大きさに合わせる必要のないサポートプレートを用い、コストの低下を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、基板保持固定装置を挟んで前後(Y軸方向)に電子部品位置認識部を配置し、合わせて基板保持固定装置は、前側電子部品供給部から部品をピックアップするときは前側電子部品位置認識部側に移動し、後側電子部品供給部から部品をピックアップするときは後側電子部品位置認識部側に移動させ、基板に電子部品の装着を行うようにしたことで、X,Yロボットの移動距離を短縮させ、時間を節減して効率化を図ることができる。
【0011】
また、基板保持固定装置のY軸方向への移動に連動してサポートプレートが常に基板の中央部に位置するようにした移動調節機構を有することで、基板を保持固定するために最大基板と同等の大きさのサポートプレートでなくても基板の幅に応じて確実に保持することができる。
【0012】
さらに基板保持固定装置の移動前と所定量の移動後に基板保持固定装置の搬送レールの両端に設けられたマークをX,Yロボットの基板認識カメラで読み込み、画像認識処理により基板保持固定装置の位置を割り出し、設定の移動量とマーク位置から割り出した実際の移動量とを比較して位置補正を行い、X,Yロボットの移動量を補正し、正確な電子部品の基板への装着ができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について、図1から図7を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における電子部品装着機を構成する基板保持固定装置1の外観斜視図である。図1において、18は基板6のサポート部であり、一対の搬送レール7a,7bと、搬送レール7bを矢印Y方向へ移動させる送りねじ19a,19bを有する。また基板6の下面には基板6の一部を切り欠いて図示したサポートピン10がサポート部18のサポートプレート18aに設置されている。20はサポート部18を駆動装置21にて矢印X方向へ移動させる送りねじ、22はX軸部、23はX軸部22を駆動装置21aにて矢印Y方向へ移動させる送りねじである。ここでX方向送りねじ20,Y方向送りねじ23にはサポート部18と側端面が接続された連節部20a,23aを有し、送りねじ20,23の回転によりサポート部18をX,Y方向へ移動させるものである。
【0014】
図2は本実施の形態1における電子部品装着機の全体構成を示す外観斜視図である。図2において、24,25はX,Yロボット2のノズル5で吸着した電子部品の位置を割り出すための前側,後側電子部品位置認識部であり、26はノズル5と同じ場所に設置された基板認識カメラである。
【0015】
次に、以上のように構成された本実施の形態1における前側,後側電子部品供給部3,4から供給される電子部品の装着動作を図2の要部平面図である図3,図4を用いて説明する。図1に示す基板6が搬送レール7a,7bの所定の位置に到着すると図示されていない昇降装置によりサポートピン10が上昇し基板6に当接し、基板を保持固定する。基板6の保持が完了後、図2に示す基板認識カメラ26により基板6の図3に示す対角2箇所にある幾何学形状をしたマーク6aを撮像し画像認識により基板の傾きを計算しX,Yロボット2の移動量の補正を行う。まず、前側電子部品供給部3からの電子部品をノズル5によりピックアップし、X,Yロボット2の移動により、前側電子部品位置認識部24を通過してノズル5に吸着している電子部品の位置を割り出し、基板6の所定の装着位置に移動し電子部品を装着する。このとき基板保持固定装置1のサポート部18は電子部品の装着位置が前側電子部品位置認識部24の近くにくるように駆動装置21の動作により左右(X方向)に移動する。この電子部品のピックアップから装着、その間の基板保持固定装置1の移動を繰り返し、前側電子部品供給部3からの装着が終了後、基板保持固定装置1のサポート部18は駆動装置21aの動作により後方(Y方向)に移動する。
【0016】
図3はこのときのX,Yロボット2の装着経路27,28である。そして、図4に示す後側電子部品供給部4から電子部品をピックアップし後側電子部品位置認識部25を通過して電子部品の位置を割り出し装着を行う。前側と同様にこの間に基板保持固定装置1は装着位置が後側電子部品位置認識部25に近くなるように移動する。図4はこのときのX,Yロボット2の装着経路29,30である。
【0017】
(実施の形態2)
図5は本実施の形態2における電子部品装着機を構成する基板保持固定装置1の外観斜視図であり、これは基板の幅に合わせて搬送レールを移動させる移動調節機構を有するものである。図5において、31は、一対の搬送レール7a,7bのうち、7bをY軸方向へ移動させる駆動装置、32aは駆動装置31で回転する送りねじ、33aは送りねじ32aとともに回転するプーリ、34はプーリ33aとプーリ35,プーリ33bとに跨って張架されたベルト、32bはプーリ33bで回転する送りねじ、36はプーリ35で回転する送りねじ、37は送りねじ36と螺合しサポート部18と側端面が接続された連節部であり、これらにより移動調節機構を構成する。
【0018】
次に、以上のように構成された本実施の形態2における基板の幅に合わせた搬送レールの移動調節機構の動作を図6の要部平面図を用いて説明する。
【0019】
いま、駆動装置31により送りねじ32aが回転しプーリ33aの回転をベルト34がプーリ33bに伝え、送りねじ32bが回転し搬送レール7bが移動する。このときベルト34はプーリ35を同時に回転させ送りねじ36が回転し連節部37によってつながっているサポートプレート18aが移動する。ここで、プーリ33a,33bとプーリ35の比率によりサポートプレート18aの移動する割合を変えることができる。例えばプーリ33a,33bとプーリ35の歯数の比を1:4とすると図6(1),(2)のように、サポートプレート18aは常に基板6の中央をサポートピン10によりサポートすることができる。
【0020】
また、ここではベルト34を介しプーリ33a,33bとプーリ35をつないでいるが、送りねじ36に個別に駆動装置をつなぎサポートプレート18aを移動させることも可能である。そのようにするとサポートプレート18aの移動量は任意に設定可能となる。サポートプレート18aの下部には図示されてはいないがサポート部18を昇降させる駆動装置があり、サポート部18を上昇させるとサポートピン10が基板6に当接し基板を保持固定する。
【0021】
(実施の形態3)
図7は本実施の形態3における電子部品装着機の全体構成を示す外観斜視図と一部拡大図である。図7の拡大図において、38は基板保持固定装置1の搬送レールであり、39は搬送レール38の両端に設けられた基板保持固定装置の位置を割り出すために用いる幾何学形状のマークである。
【0022】
まず、基板保持固定装置を移動させる前に搬送レール38の両端に設けられたマーク39を基板認識カメラ26で読み込み、画像認識処理により基板保持固定装置1の位置を割り出す。次に基板保持固定装置1を所定の量移動させ搬送レール38のマーク39を同様に読み込み基板保持固定装置の位置を割り出す。このとき設定の移動量とマークの位置から割り出した実際の移動量とを比較しX,Yロボット2の移動量を補正する。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、電子部品の装着位置が電子部品位置認識部に近くなるように基板を移動させることでX,Yロボットの移動量を短縮することができ、生産性の向上が図れる。また、基板保持固定装置の移動位置を画像認識処理により割り出しX,Yロボットの移動量を補正することにより、電子部品の装着精度を低下させることなく電子部品の装着が可能となる。そして、最大基板の大きさに合わせたサポートプレートを設ける必要がなくなりコストが低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電子部品装着機を構成する基板保持固定装置の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1における電子部品装着機の全体構成を示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の動作を説明するための図2の要部平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の動作を説明するための図2の要部平面図である。
【図5】本発明の実施の形態2における電子部品装着機を構成する基板保持固定装置の外観斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2における移動調節機構の動作を説明する図5の要部平面図である。
【図7】本発明の実施の形態3における電子部品装着機の全体構成を示す外観斜視図と一部拡大図である。
【図8】従来の電子部品装着機の全体構成を示す外観斜視図(1)とX,Yロボットの要部斜視図(2)である。
【図9】図8の基板保持固定装置の構成とその動作状態説明のための要部側断面図である。
【図10】図8の基板保持固定装置等の電子部品装着機要部の配置構成を説明する平面図である。
【符号の説明】
1…基板保持固定装置、 2…X,Yロボット、 3…前側電子部品供給部、 4…後側電子部品供給部、 5…ノズル、 6…基板、 6a,39…マーク、 7a,7b,38…搬送レール、 8a,8b…搬送ベルト、 9a,9b…搬送レールガイド、 10…サポートピン、 11,18a…サポートプレート、 12,21,21a,31…駆動装置、 13…上下アーム、 14…部品認識カメラ、 15,29,30…後側電子部品供給部からの装着経路、 16,27,28…前側電子部品供給部からの装着経路、 17…最大基板の範囲、 18…サポート部、 19a,19b,32a,32b,36…送りねじ、 20…X方向送りねじ、 20a,23a,37…連節部、 22…X軸部、 23…Y方向送りねじ、 24…前側電子部品位置認識部、 25…後側電子部品位置認識部、 26…基板認識カメラ、 33a,33b,35…プーリ、 34…ベルト。
Claims (3)
- X,Y軸方向あるいはX,Y軸方向のいずれか一方に移動可能な基板保持固定装置と、X,Y軸方向に移動可能でY軸方向の前,後方向から供給される電子部品をピックアップし前記基板保持固定装置上の基板に搭載するX,Yロボットと、前記X,Yロボットによりピックアップした電子部品の位置を割り出すための前記基板保持固定装置を挾んでY軸方向の電子部品供給部側に各々設置された電子部品位置認識部とを有し、前記基板保持固定装置は、前側電子部品供給部から部品をピックアップするときは前側電子部品位置認識部側に移動し、後側電子部品供給部から部品をピックアップするときは後側電子部品位置認識部側に移動することを特徴とする電子部品装着機。
- 前記X,Y軸方向あるいはX,Y軸方向のいずれか一方に移動可能な基板保持固定装置のY軸方向への搬送レールの移動に連動してサポートプレートが常に基板の中央部に位置するようにした移動調節機構を有することを特徴とする請求項1記載の電子部品装着機。
- 前記基板保持固定装置上の搬送レール両端にマークを有し、前記基板保持固定装置の移動前後に前記X、Yロボットに設けた基板認識カメラを用いて前記マークを読み取り基板保持固定装置の位置の割り出し及び位置補正を行うことを特徴とする請求項1記載の電子部品装着機。
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