JP2004226208A - 漏水検知装置および漏水検知方法 - Google Patents

漏水検知装置および漏水検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮水シートの外部に配置した基準電極に流した電流が遮水シートの損傷箇所以外から漏洩する場合であっても、遮水シートの損傷箇所を高い精度で検知することを可能にする装置および方法を提供する。
【解決手段】本発明の漏水検知装置は、遮水部2に敷設された遮水シート4の上部に配置される1つ以上の検知電極7と、遮水部2の外部の地盤1に配置される基準電極8と、基準電極8に電流を供給する電源9と、検知電極7を通して流れた電流を測定する電流測定手段10と、遮水シート4の上部において、検査対象領域11を限定するとともに、検査対象領域11内に少なくとも1つの検知電極7aが含まれるように配置されるガード電極12とを含み、検査対象領域11内に含まれる少なくとも1つの検知電極7のうちの1つを移動させるとともに、少なくとも1つの検知電極7に流れる電流を測定することにより、検査対象領域11内における漏水を検知することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏水検知装置および漏水検知方法に関し、より詳細には、最終処分場などに敷設される遮水シートの漏水を、電極を使用して検知する場合に、遮水シートの損傷箇所以外から電流が漏洩する場合にも、その損傷箇所からの漏水を高い精度で検知することを可能にし、さらには損傷箇所以外の漏水箇所も高い精度で検知することを可能にする漏水検知装置および漏水検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最終処分場では貯蔵物からの有害物質を含んだ浸出水が周辺土壌に漏れ出すことを防止するために、遮水シートを二重にしたもの、遮水シートと粘性土などを組み合わせたものといった遮水構造が構築されている。この遮水構造は、最終処分場の施工完了時に、遮水シートに損傷箇所が存在しないことが品質管理上から重要とされている。この遮水シートの損傷箇所を簡便に検査する方法として、電気的に検査する方法や物理的手段により検査する方法が用いられている。
【0003】
漏水が生じる可能性がある箇所は、現場における遮水シートの接合部が多いことから、処分場での遮水シートの検査は、遮水シート接合時の溶着部における真空試験や加圧試験を数箇所で行い、その部分での絶縁不良箇所が存在するか否かを判断している場合が多い。処分場における安全性向上のためには、この接合部のすべてにおいて検査することが望ましいが、上述した真空試験や加圧試験といった物理的手段により検査する方法では、使用する検査装置の大きさや形状の問題があり、また、接合部すべてを検査する労力および時間を考慮すると実施することが困難であった。また、処分場には、遮水シートを敷設後、遮水シートを被覆する厚さ0.5m程度の保護土が設けられ、施工時における重機による作業中の遮水シート損傷も生じる場合がある。このように保護土の施工後においては、上述した真空試験や加圧試験を行うことが困難であった。
【0004】
また、施工完了時に行われる電気的に検査する方法としては、供用時の漏水検知を目的としたシステムを準用したものとして、遮水シートと遮水シートを敷設する地盤との間に、点電極、線電極、面電極といった下部電極を設置し、上部電極を用いて遮水シート上から電圧を印加させながら上部電極と下部電極との間の電流、電位または電気抵抗を測定するといった装置や方法が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。その他、既に敷設した遮水シートの外部に印加電極を設置し、遮水シートの上部に検知電極を設置して電気的な検査を行う装置および方法が知られている(特許文献3参照。)。
【0005】
しかしながら、上記電気的に検査する方法は、施工途中の任意の時点で検査を行うことが困難であるとともに、処分場の施工途中において、遮水シートの損傷箇所を順次に検査する場合、検査領域の周囲が電気的に絶縁されていないことが多く、検査のために供給した電流が、その周囲から検査領域に流れるため、検査結果から損傷箇所の有無を判断することが困難になっていた。
【0006】
検査領域の周囲から漏洩する電流を阻止し、検査領域のみの検査を行うことができるものとして、貫通孔の開口部を覆う網状のガード電極を設けて、その貫通孔を通して流れる電流を阻止する技術が知られている(特許文献4参照。)。これは、漏洩する箇所に予めガード電極を設け、漏洩する箇所に流れる電流がすべてガード電極を通して流れるようにすることで、検査領域である遮水シート内部に電流が漏洩しないようにするものである。しかし、遮水シートの周囲からの漏洩や、遮水シートの接合部からの漏洩については、ガード電極を設置するために、予め電流が漏洩する箇所を特定することが困難であり、また、その全体にガード電極を設置するのは、コストがかかるとともに、労力および時間を要するといった問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−240508号公報(第2頁−第4頁、第1図)
【特許文献2】
特許第3233398号公報(第1頁−第10頁、第2図−第6図)
【特許文献3】
特開平7−120343号公報(第2頁−第4頁、第1図)
【特許文献4】
特開2001−021438号公報(第2頁、第8頁、第11図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上述した問題に鑑み、最終処分場の凹所に遮水シートおよび保護砂層などを設置した後に、遮水シートの上部に複数の検知電極と、遮水シートが敷設された遮水部の外部の地盤に印加電極である基準電極と、少なくとも1つの検知電極が含まれる検査対象領域を指定するガード電極とを配置するだけで、遮水シートの外部に配置した基準電極に流した電流が遮水シートの損傷箇所以外から漏洩する場合においても、高い精度で遮水シートの損傷箇所を検知することができ、かつ損傷箇所を特定することを可能にし、さらには損傷箇所以外の漏水箇所である、例えば、遮水シートの絶縁不良箇所の存在も検知し、その位置を特定することを可能にする漏水検知装置および漏水検知方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は、本発明の漏水検知装置および漏水検知方法を用いることで解決される。
【0010】
本発明の請求項1の発明によれば、地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知装置であって、
前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に配置される1つ以上の検知電極と、
前記遮水部の外部の前記地盤に配置される基準電極と、
前記基準電極に電流を供給する電源と、
前記検知電極を通して流れた電流を測定する電流測定手段と、
前記遮水シートの上部において、検査対象領域を限定するとともに、該検査対象領域内に少なくとも1つの前記検知電極が含まれるように配置されるガード電極とを含み、
前記検査対象領域内に含まれる前記少なくとも1つの検知電極のうちの1つを移動させるとともに、前記少なくとも1つの検知電極に流れる電流を測定することにより、該検査対象領域内における漏水を検知することを特徴とする、漏水検知装置が提供される。
【0011】
本発明の請求項2の発明によれば、前記1つ以上の検知電極は、前記検査対象領域内のみに配置されており、前記ガード電極とともに前記1つ以上の検知電極を移動して前記検査対象領域を順次変更することを特徴とする漏水検知装置が提供される。
【0012】
本発明の請求項3の発明によれば、前記1つ以上の検知電極は、前記遮水シートの上部に予め配置された複数の検知電極であり、前記ガード電極を移動して前記検査対象領域を順次変更することを特徴とする漏水検知装置が提供される。
【0013】
本発明の請求項4の発明によれば、前記ガード電極は、線電極である漏水検知装置が提供される。
【0014】
本発明の請求項5の発明によれば、前記ガード電極は、複数の点電極である漏水検知装置が提供される。
【0015】
本発明の請求項6の発明によれば、前記遮水構造は、前記遮水シートの上部に保護土が設置され、前記ガード電極は、前記保護土に埋設される漏水検知装置が提供される。
【0016】
本発明の請求項7の発明によれば、地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知方法であって、該方法は、
前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に1つ以上の検知電極と、前記遮水シートの上部において、検査対象領域を限定するとともに、該検査対象領域内に少なくとも1つの前記検知電極が含まれるように配置されるガード電極とを配置する段階と、
前記地盤に配置した基準電極に電流を供給し、前記検査対象領域に含まれる前記少なくとも1つの検知電極のうちの1つを移動させるとともに、前記少なくとも1つの検知電極に流れる電流を測定する段階とを含む、漏水検知方法が提供される。
【0017】
本発明の請求項8の発明によれば、前記1つ以上の検知電極は、前記検査対象領域内のみに配置されており、前記ガード電極とともに前記1つ以上の検知電極を移動して前記検査対象領域を順次変更する段階をさらに含む漏水検知方法が提供される。
【0018】
本発明の請求項9の発明によれば、前記1つ以上の検知電極は、前記遮水シートの上部に予め配置された複数の検知電極であり、前記ガード電極を移動して前記検査対象領域を順次変更する段階をさらに含む漏水検知方法が提供される。
【0019】
本発明の請求項10の発明によれば、前記方法は、前記遮水シートの上部に設置された保護土に前記ガード電極を埋設する段階を含む漏水検知方法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面をもって本発明の漏水検知装置および漏水検知方法について詳細に説明する。図1は、最終処分場の概略的な断面を示すとともに、本発明の漏水検知装置を設置したところを示した図である。本発明が適用される最終処分場は、地盤1の凹所と、この凹所に沿って地盤1上に設置された遮水部2とから構成されている。地盤1の凹所は、地表から基礎地盤に向かって掘りこんで人工的に形成されていても良く、また、山間部等の沢や谷間を用いる場合には、その地形を用いることもできる。このような凹所内には、遮水部2が設けられ、遮水部2内に廃棄物が投棄される。
【0021】
図1に示す遮水部2は、廃棄物に隣接する保護土3と、この保護土3に隣接する図示しない保護不織布と、その下側に敷設される遮水シート4と、遮水シート4の下側に設けられた保護土5とから構成されている。保護土3は、処分場施工時における重機作業に起因する損傷を防止し、廃棄物が投棄される際の遮水シート4を保護するために設置される。この保護土3は、必要とされる高さまで設置することができる。また、図示しない保護不織布は、保護土3の設置時において遮水シート4を保護するために設けられる。遮水シート4としては、合成ゴムまたはプラスチック製のシート、具体的にはメタロセン系触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、またはチーグラー・ナッタ系触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)などのオレフィン系樹脂などから形成される遮水シートが用いられる。また、その厚さや材質などは、必要な遮水性、耐久性が得られるものであればいかなるものであっても良い。
【0022】
上述した保護土5は、敷設する遮水シート4の保護に加えて難透水性構造として二重遮水構造とすることも可能であり、この難透水性構造を、土質材料からなる土質遮水層またはアスファルトからなる遮水層とされており、具体的には、粘性土またはベントナイト混合土、アスファルト、コンクリートといった透水性の低い材料が用いられ、これらを適宜組み合わせて用いることも可能である。保護土5は、必要に応じて設けることができ、地盤1の凹所において遮水シート4を充分に保護できるのであれば、設けなくても良い。
【0023】
図1に示す実施の形態では、さらに、施工時における遮水シート4の接合において、その接合が不充分であるため、絶縁不良箇所Bが存在している。また、遮水シート4には、重機作業などに起因してできた損傷箇所Cも存在している。したがって、図1に示す実施の形態では、この絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cを通して電流が流れるようになっている。図1に示す実施の形態では、絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cがそれぞれ1つずつ示されているが、本発明においては、これらがいかなる数存在していても、遮水シート4の損傷箇所Cが存在することを検知し、損傷箇所Cの位置を特定することができる。
【0024】
以下に本発明の漏水検知装置について説明する。本発明の漏水検知装置は、保護土3上の凹所内の底面部6に配置される1つ以上の検知電極7と、遮水部2の外部の地盤1に配置される基準電極8と、基準電極8に電流を供給する電源9と、検知電極7を通して流れた電流を測定する電流測定手段10と、遮水シート4上において、検査対象領域11を限定するとともに、検査対象領域11内に少なくとも1つの検知電極7が含まれるように配置されるガード電極12とを含んでいる。なお、図1に示す実施の形態では、検査対象領域11にのみ検知電極7が配置された本発明の漏水検知装置の第1の実施の形態を示している。本発明の漏水検知装置は、さらに、電流測定手段10により測定された検知電極7を通して流れた電流値を取得し、取得した電流値を使用して電流分布を算出し、表示するための図示しないコンピュータシステムを含むことができる。また、本発明においては、供給する電流量や特定の検知電極7のみを接続して特定の回路を形成するためのスイッチを備える制御装置を含むことができる。
【0025】
本発明に用いることができる検知電極7としては、基準電極8から供給される電流が遮水シート4の損傷箇所Cを通して流れるのを検知することができ、その位置を特定するために、検査対象領域11内に1つ以上配置されていれば良い。したがって本発明では、検知電極7は、1つであっても良く、検査対象領域11内を、この1つの検知電極7を移動させることにより複数の電流測定値、および電流分布を得ることができ、これにより、損傷箇所Cを検知することができる。本発明では、例えば5個の検知電極7を用い、1つを移動させる検知電極7として、その他4個を所定位置に設置した検知電極7として使用し、各検知電極7に流れる電流測定値の変化を検出することにより損傷箇所Cを検知することもできる。また、このように所定位置に4個の検知電極7を設置して用いる場合には、4個の検知電極7の各々に電流を流してその電圧値および電流値から接地抵抗を求めることができ、この接地抵抗を加味して、より高い精度で損傷箇所Cを検知することができる。さらに、本発明では、検知電極7は、予め遮水部2の底面部6の全体に所定間隔で設置する複数の検知電極と、設置された各検知電極間を移動させるために使用する検知電極とにより構成することもできる。本発明に用いることができる検知電極7としては、保護土3上の凹所内の底面部6に設置され、竣工検査を目的とするような場合や腐食したとしても交換が容易であれば、耐腐食性の材料に限らず、電極として使用できるものであればいかなる材料であっても良いが、供用時の漏水検知にも使用する場合には、上部に廃棄物が投棄される場合には、耐腐食性の材料から製造されたものを用いることもできる。また、検知電極7は、いかなる形状、大きさであっても良く、保持性を向上させるために保護土3に向く側に突起などを設けた構造とすることができ、保護土3の内部または保護土3の底部で遮水シート4の直上に設置することもできる。上記接地抵抗は、測定した電流および電圧を使用し、今まで知られたいかなる式を使用して計算することができる。
【0026】
本発明に用いることができる基準電極8としては、導電性ものであればいかなる材質でも良く、例えば、鉄、銅、鉛、アルミニウム、パラジウムなどの金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン、ポリパラフェニレンといった導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイトなどのものを用いることができる。また、本発明に用いることができる基準電極8は、平板、円柱状などいかなる形状であっても良い。さらに、基準電極8も、検知電極7と同様に、保持性を向上させるために地盤1に向く側に突起などが設けられた構造とされていても良い。また、地盤1に設置されるのであれば、図1に示す位置でなくても、遮水シート4の下部に設置されていても良い。
【0027】
本発明に用いることができる電源9としては、直流電流および交流電流を供給することができる電源を用いることができるが、鋼製といった金属電極を用いる場合、直流電流といった一方向に流れる電流を使用すると、一方の金属電極(例えば、検知電極7)が電気分解されるため、これを抑制するべく所定周期(数秒)で電圧を正と負で交互にして供給する交番電流を使用することが好ましい。また、本発明においては、測定条件を変えないためにも、定電流であることが好ましい。本発明においては、定電流を上述した制御装置に供給し、制御装置において電流の供給方向をスイッチを使用して所定周期で切り替えることにより、所定周期の交番電流を供給することができる。電流測定手段10としては、検知電極7を通して流れる電流を測定できるものであればいかなるものであっても良い。さらに、本発明においては、検査対象領域11内にある検知電極7で、損傷箇所Cを通して流れる電流を検出する場合、主にガード電極12に流れることとなるため、少量の電流を増幅して検出することができる電流増幅器を用いることができる。
【0028】
本発明に用いることができるガード電極12としては、少なくとも1つの検知電極7が含まれるように、検査対象領域11を限定することができるものであればいかなる構造であっても良く、また、基準電極8から供給される電流が流れるように導電性であればいかなる材料から製造されていても良い。本発明においてガード電極12としては、鋼製のワイヤといったものを線電極として使用し、これを少なくとも1つの検知電極7が含まれるように、かつ任意の範囲を取り囲むように配置したものをガード電極12とすることができる。この場合、ガード電極12により囲まれた領域を検査対象領域11とすることができる。また、上述した検知電極7や基準電極8に使用される点電極を複数用い、これらを上記任意の範囲を取り囲むように配置することで、これらをガード電極12とすることもできる。なお、複数の点電極をガード電極12として使用する場合、各点電極の間を通して検査対象領域の外部を流れる電流が流入しないように、検査対象領域11の範囲によって適切な間隔で、適切な数の点電極を配置する必要がある。
【0029】
本発明において検査対象領域11は、上述したように、ガード電極12により囲まれた領域とすることもできるし、上述した5個の検知電極7を用いる場合、4個の設置した検知電極7で囲まれた領域とすることもできる。検査対象領域11は、ガード電極12により囲まれた領域内の、遮水シート4の上部の任意の範囲とされ、かつ少なくとも1つの検知電極7が含まれ、検査する者が任意に指定することができるものである。検査対象領域11は、ガード電極12により囲まれているため、このガード電極12により囲まれた領域外を流れる電流は、ガード電極12を通して流れ、検査対象領域11内の検知電極7へはほとんど流れないようになっている。したがって、検査対象領域11内に損傷箇所Cが存在する場合、領域外を流れる電流の影響を受けることなく、領域内の検知電極7により、損傷箇所を通して流れる電流を検出することができる。
【0030】
図1に示す実施の形態では、電源9から基準電極8に電流が供給され、基準電極8からは、地盤1、絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所C、保護土3を順に通り、検知電極7へと電流が流れる。検知電極7の周囲には、保護土3の所定深さ位置に埋設されるようにガード電極12が配置されており、絶縁不良箇所Bを通り、保護土3を通して流れる電流は、検知電極7およびガード電極12へと流れ、ガード電極12により囲まれることにより領域が限定された検査対象領域11内の検知電極7へは、ほとんど流れないようになっている。また、図1に示す実施の形態では、ガード電極12により囲まれることにより領域が限定された検査対象領域11内に損傷箇所Cが存在するため、損傷箇所Cを通して流れた電流は、検知電極7およびガード電極12へと流れる。この場合、ガード電極12により囲まれた領域の外へは、ほとんど流れない。このように、ガード電極12を配置することにより、ガード電極12により囲まれた領域の内部と外部とが電気的に遮断されたような状態となるため、漏水箇所Cを通して流れた電流は、ガード電極12により囲まれた領域の外部を流れる電流の影響を受けることなく、検査対象領域11内にある検知電極7により高い精度で検出することができる。
【0031】
図1に示す実施の形態では、検査対象領域11内に損傷箇所Cが存在するため、損傷箇所Cに近い検知電極7ほど大きな電流が検出され、損傷箇所Cから遠い検知電極7ほど電流の検出が小さくなる。本発明では、ガード電極12を移動させ、それぞれの検査対象領域11において該領域内の検知電極7を通して流れる電流を測定することで、底面部6全体、または遮水構造の傾斜部である法面部を含めた遮水シート4の上部全体において、損傷箇所Cを検知することができる。また、本発明の漏水検知装置は、遮水シート4の損傷箇所Cに限らず、絶縁不良箇所Bについても検知することができる。本発明においては、検知電極7のうちの1つを移動させ、この移動させた検知電極に流れる電流を測定することにより、検査対象領域11内において複数の位置で電流測定値、およびその測定値からその検査対象領域11における電流分布を得、その電流分布のピークを示す位置を損傷箇所Cとして特定することができる。
【0032】
また、検査対象領域11内に複数の損傷箇所Cがある場合であっても、上述した検知電極を移動させて走査し、電流分布のピークを複数検出することにより、複数の損傷箇所Cの位置を特定することができる。このように本発明の漏水検知装置は、複数の損傷箇所Cおよび絶縁不良箇所Bが存在する場合であっても、損傷箇所Cおよび絶縁不良箇所Bを検知し、その損傷箇所Cおよび絶縁不良箇所Bの位置を特定することができる。なお、上記電流がほとんど流れないというのは、ガード電極12により囲まれた領域の内部と外部とを完全に絶縁状態にすることができないため、内部から外部へまたは外部から内部へ微量に電流が流れるものの、検査対象領域11内の検知電極7により、検査対象領域11内に存在する損傷箇所Cを通して流れる電流を検出する場合、ガード電極12により囲まれた領域外を流れる電流により受ける影響が著しく小さいことを意味し、具体的には、ガード電極12により囲まれた領域外を流れる電流により、検査対象領域11内において得られた電流分布の損傷箇所Cの位置におけるピークが不明瞭にはならないものであることを意味する。したがって、ガード電極12は、損傷箇所Cの位置において明確なピークを得ることができる程度に、ガード電極12により囲まれた領域外を流れる電流を遮断し、その電流による影響を防止することができる。
【0033】
図2は、図1に示した本発明の漏水検知装置の第1の実施の形態において、遮水部2の底面部6に検知電極7およびガード電極12を配置したところを示した図である。図2に示す底面部6は、矩形とされ、底面部6には、図1に示す遮水シート4を敷設した後、図示しない保護不織布が設置され、その上に保護土3が設置されている。保護土3上の所定範囲に複数の検知電極7が配置され、その周りを取り囲むように線電極であるガード電極12が配置されている。検知電極7は、それぞれ図示しない電流測定手段に接続され、ガード電極12は、直接電源に、または電流測定手段を介して電源に接続されている。また、地盤1には、基準電極8が設置されていて、図示しない電源から電流が供給されるようになっている。
【0034】
図2に示す実施の形態では、基準電極8から地盤1を通して破線で示された絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cを通して遮水部2内部の保護土3へと電流が流れ、さらには各検知電極7へと流れている。ここで、検査対象領域11は、4つの検知電極7で囲まれた領域とされている。絶縁不良箇所Bを通して保護土3へと流れた電流は、ガード電極12に流れるため、この検査対象領域11内にある検知電極7には、ほとんど電流が流れなくなっている。1つの検査対象領域11において検査が終了すると、ガード電極12および検知電極7を移動させて次の位置で検査を行うことができる。ここで、次の位置とは、検査が終了した領域に隣接する検査が終わっていない領域をいう。ガード電極12を移動させて遮水シート4の上部全体を検査することで、遮水シート4全体において絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cが存在するか否か、存在する場合にはどの領域に、絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cがいくつ存在するかを検知することができる。
【0035】
具体的には、図2に示すように、検知電極7のうちの1つ(移動電極13)を移動させ、検査対象領域11内の各検知電極7を通して流れる電流を測定することで、その領域内に漏水箇所が存在するか否かを検知することができ、各位置において移動電極13に流れる電流を測定し、検査対象領域11における電流分布を得ることにより漏水箇所の位置および数を検知することができる。すなわち、検査対象領域11内に損傷箇所Cが存在する場合、移動電極13の移動により損傷箇所Cと移動電極13との距離が変化するため、各検知電極7で検出される電流が変化する。これにより、検査対象領域11内に損傷箇所Cが存在することを検知することができる。図2に示す実施の形態のように、検知電極7を4つと1つの移動電極13とを使用する場合、4つの検知電極7と移動電極13とに流れる電流の合計は、移動電極13の移動によっては変化しないものの、損傷箇所Cに最も近い位置に移動電極13が配置された場合、検査対象領域11内における検査において、移動電極13において最も大きい電流が検出され、その他の検知電極7において最も小さい電流が検出される。これにより、上記電流分布によらず、損傷箇所Cを特定することもできる。なお、この電流分布を作成することなく損傷箇所Cを特定する場合には、少なくとも1つの検知電極7と1つの移動電極13の2つの電極が必要である。本発明においては、電流分布を作成することで、上述したように、1つの移動電極13のみを使用して損傷箇所Cを検知することもできる。
【0036】
図3は、本発明の漏水検知装置の第2の実施の形態を示した図である。図3に示す実施の形態では、保護土3の上に予め所定の間隔で複数の検知電極7が設置され、そのうちの4つを取り囲むように線電極であるガード電極12が配置されている。検知電極7は、それぞれ図示しない電流測定手段に接続され、ガード電極12は、直接電源または電流測定手段を介して電源に接続されている。また、地盤1には、基準電極8が設置されていて、図示しない電源から電流が供給されるようになっている。
【0037】
図3に示す実施の形態では、基準電極8から地盤1を通して破線で示された絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cを通して遮水部2内部の保護土3へと電流が流れ、さらには各検知電極7へと流れている。図3において検査対象領域11は、図2に示す実施の形態と同様に、4つの検知電極7で囲まれた領域とされている。絶縁不良箇所Bを通して保護土3へと流れた電流は、ガード電極12に流れるため、この検査対象領域11内にある検知電極7には、ほとんど電流が流れなくなっている。1つの検査対象領域11において検査が終了すると、ガード電極12を移動させて次の位置で検査を行うことができる。ガード電極12を移動させて遮水シート4の上部全体を検査することで、遮水シート4全体において絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cが存在するか否か、存在する場合にはどの領域に、絶縁不良箇所Bおよび損傷箇所Cがいくつ存在するかを検知することができる。具体的には、図3に示すように、検査対象領域11内の検知電極7を通して流れる電流を測定することで、その領域内に漏水箇所が存在するか否かを検知することができ、検知電極7のうちの1つである移動電極13を移動させ、各位置において移動電極13に流れる電流を測定し、検査対象領域11における電流分布を得ることにより漏水箇所の位置および数を検知することができる。なお、図3に示す実施の形態では、図2に示す実施の形態と同様に、電流分布を得ることなく、検査対象領域11内において最も大きい電流を移動電極13により検出し、その他の検知電極7において最も小さい電流を検出することにより損傷箇所Cを特定するようにしてもよい。
【0038】
図4は、本発明の漏水検知装置の第3の実施の形態を示した図である。図4に示す実施の形態では、遮水部2の底面部6を取り囲むようにガード電極12が配置され、底面部6の所定領域に複数の検知電極7が配置されている。図4に示す実施の形態では、検知電極7は、5個とされ、そのうちの4個によって検査対象領域11が形成され、残りの1つによって検査対象領域11内を移動させて測定を行い、電流分布を得ることができるようにされている。この残りの1つが、移動電極13とされる。この検査対象領域11において検査が終了すると、検知電極7を移動し、上述した次の位置において検査を行うことができる。なお、絶縁不良箇所Bを通して流れる電流は、ガード電極12に流れるため、底面部6へはほとんど流れなくなっている。図4に示す実施の形態では、遮水シート4に損傷箇所Cが存在する場合、どの位置に検知電極7を配置しても電流が検出される。しかしながら、検出される電流の大きさは、損傷箇所Cに近いほど大きくなる。これにより、検知電極7を各位置に移動させて、その検知電極7に流れる電流を測定し、その大きさを見ることで、検査対象領域11がどの位置の場合に最も大きい電流値を示すか、また、移動電極13がどの位置で最も大きい電流値を示すかによって、その領域内に漏水箇所が存在するか否か、また、漏水箇所の位置はどこか、数はいくつかを検知することができる。図4に示す実施の形態では、検知電極7を5個として説明したが、1個など、いかなる数であっても良い。なお、検知電極7が1個〜3個の場合、検査対象領域11は、ガード電極12で囲まれた領域すべてとなる。
【0039】
図5は、図2に示すようにしてガード電極12を移動させて検査する場合の、損傷箇所Cが存在する検査対象領域11を拡大したところを示した図である。ここでは、図2に示す本発明の漏水検知装置の1の実施の形態についてのみ説明するが、図3に示す第2の実施の形態および図4に示す第3の実施の形態についても同様である。図5(a)は、保護土3にガード電極12を配置した場合の平面図を示し、図5(b)は、図5(a)に示す矢線S−Sで切断し、拡大した断面図を示す。図5(a)では、4つの検知電極7a、7b、7c、7dを取り囲むように線電極であるガード電極12が設置され、各電極には、導線が接続されている。なお、ガード電極12で囲まれた領域内には、上記検知電極7a、7b、7c、7dとは別に、検査対象領域11内を移動させる検知電極である移動電極13が配置されている。また、各電極の下には、保護土3が設置されていて、さらに下に遮水シートが敷設され、遮水シートには、破線で示される損傷箇所Cが存在している。ガード電極12は、図5(b)に示されるように保護土3の所定深さ位置に埋設される。電流は、地盤、保護土5を通り、損傷箇所Cおよび絶縁不良箇所を通して保護土3に流れている。ガード電極12の外部を流れる電流は、上記絶縁不良箇所を通して流れた電流であり、矢線に示すようにガード電極12を通して流れるため、ガード電極12の内部の4つの検知電極7a〜7dおよび移動電極13にはほとんど流れなくなっている。なお、ガード電極12は、ガード電極12により囲まれた領域の内部と外部とを完全に絶縁した状態にするものではないため、4つの検知電極7a〜7dおよび移動電極13への電流の流れを完全に遮断することはできず、電流が微量に流れることとなるが、上述したように、検査対象領域11において得られる電流分布には影響を与えない程度のものである。
【0040】
図5(a)、(b)に示す実施の形態では、上述したように、他に絶縁不良箇所が存在するため、上述したように損傷箇所Cの有無によらず、4つの検知電極7a〜7dおよび移動電極13に電流が流れることとなるが、いずれも検査対象領域11において得られる電流分布に影響を与えない程度にわずかなものであることから、損傷箇所Cが存在する場合には、損傷箇所Cを通して流れる電流により、4つの検知電極7a〜7dおよび移動電極13を通してより多くの電流が検出される。また、図5(b)に示す実施の形態では、損傷箇所Cに最も近い位置に配置される移動電極13において、他の検知電極7a、7bに比べて大きい電流を検出することができる。本発明においては、予め健全な遮水シート4において、図5(a)、(b)に示すようにガード電極12を配置し、ガード電極12により囲まれた領域の外部から内部へ流入する電流を測定しておき、その値を閾値として使用し、その閾値を超える電流を検出することにより漏水を検知することもできる。なお、本発明において損傷箇所C以外に絶縁不良箇所といった漏水箇所が存在しない場合には、ガード電極12により囲まれた領域の外部を流れる電流がなく、その影響を受けることもないため、上記4つの検知電極7a〜7dおよび移動電極13を通して流れる電流を検出することで損傷箇所Cの存在を検知することができる。また、図5(a)に示すように、ガード電極12を矢線に示すように移動させて次の検査対象領域11を限定し、その検査対象領域11において他に損傷箇所が存在しないかどうかを検査することができる。このように順次、ガード電極12を移動させ、それぞれの検査対象領域11において、それぞれの検査対象領域11内における検知電極に流れる電流を測定することで、どの領域に損傷箇所Cが存在するかを検知することができる。
【0041】
図6は、図5に示す検査対象領域11において移動電極13を使用して、損傷箇所の位置を特定しているところを示した図である。図6に示す実施の形態では、矢線Eに示すように移動電極13を移動させながら、電流値を図示しない電流測定手段により測定している。測定した電流値は、上述したコンピュータシステムに入力され、コンピュータシステムにおいて電流分布を作成し、表示することができる。測定される電流値は、損傷箇所Cが存在する位置において最も高い値を示し、この最も高い位置を損傷箇所Cとして特定することができる。これを電流分布で表示すると、ピークとして表される。本発明において2以上のピークが検出された場合、2以上の損傷箇所が存在し、それぞれの位置を損傷箇所として特定することができる。また、本発明においては、各検査対象領域11において、移動電極13を使用して走査し、ピークを有する検査対象領域11を損傷箇所Cが存在する領域として特定するとともに、その位置を特定することもできる。
【0042】
図7は、本発明の漏水検知装置を使用して絶縁不良箇所および損傷箇所が存在する場合に、上述した本発明の第1の実施の形態の漏水検知装置を使用して、損傷箇所が存在する検査対象領域を特定し、移動電極を使用して測定し、作成した電流分布と、同様の領域においてガード電極12を用いない場合の電流分布とを示した図である。図7(a)は、ガード電極12を用いない場合の電流分布を示し、図7(b)は、本発明のガード電極12を用いた場合の電流分布を示している。なお、各電流分布における座標は、図に示すx軸およびy軸が、x軸方向位置(m)およびy軸方向位置(m)を示し、z軸方向が、検知電極および移動可能な検知電極により測定された電流値(A)を示す。単位については、x軸およびy軸については、メートル(m)、z軸については、アンペア(A)としているが、基準電極から供給する電流量、保護土や漏水箇所における電気抵抗に応じて、ミリアンペア(mA)またはマイクロアンペア(μA)などとすることもできる。図7(a)では、0.004A〜0.005Aの電流が検出された領域、0.005A〜0.006Aの電流が検出された領域、0.006A〜0.007Aの電流が検出された領域、0.007A〜0.008Aの電流が検出された領域がそれぞれ色分けされて示されている。同様に、図7(b)では、0.0006A〜0.0008Aの電流が検出された領域、0.0008A〜0.001Aの電流が検出された領域、0.001A〜0.0012Aの電流が検出された領域、0.0012A〜0.0014Aの電流が検出された領域、0.0014A〜0.0016Aの電流が検出された領域がそれぞれ色分けされて示されている。
【0043】
図7(a)に示す電流分布では、絶縁不良箇所から流れ込む電流の影響により、明確なピークを得ることができず、損傷箇所を特定することが困難となっている。しかしながら、図7(b)に示す電流分布では、絶縁不良箇所からの漏洩電流がガード電極に流れ込むことにより、その電流の影響が遮断され、損傷箇所における位置で明確なピークを得ることができる。この場合、ガード電極に流れる電流も多いため、実際に検出することができる電流値は小さくなるものの、上述したように明確なピークを得ることができる。
【0044】
【発明の効果】
上述したように、本発明の漏水検知装置および漏水検知方法は、絶縁不良箇所や排水管取り付け部など遮水シートの損傷箇所以外に電流漏洩が存在する場合であっても、高い精度でその損傷箇所を検知し、損傷箇所の位置を特定することを可能とする。また、絶縁不良箇所についても検知し、位置の特定をすることができる。さらに、施工時の遮水シート全体の漏水箇所の有無を容易、かつ安価で検査することを可能にする。
【0045】
本発明の漏水検知装置は、構成が簡単であるため、安価で提供することが可能である。また、遮水シート下部に電極を配置する必要がなく、装置の設置も容易であるため、処分場の施工工程を短縮することができ、施工管理も容易であり、漏水検知装置が組み込まれていない処分場に後から設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終処分場の概略的な断面を示すとともに、本発明の漏水検知装置を設置したところを示した図。
【図2】図1に示した本発明の漏水検知装置の第1の実施の形態において、遮水部の底面部に本発明に用いられる検知電極およびガード電極を設置したところを示した図。
【図3】本発明の漏水検知装置の第2の実施の形態を示した図。
【図4】本発明の漏水検知装置の第3の実施の形態を示した図。
【図5】図2に示すようにして本発明に用いられるガード電極を移動させて検査する場合の、損傷箇所が存在する検査対象領域を拡大したところを示した図。
【図6】図5に示す検査対象領域において移動可能な検知電極を使用して、損傷箇所の位置を特定しているところを示した図。
【図7】本発明の漏水検知装置を使用して絶縁不良箇所および損傷箇所が存在する場合に、上述したようにして損傷箇所が存在する検査対象領域を特定し、移動可能な検知電極を使用して測定し、作成した電流分布と、同様の領域においてガード電極を用いない場合の電流分布とを示した図。
【符号の説明】
1…地盤
2…遮水部
3…保護土
4…遮水シート
5…保護土
6…底面部
7、7a、7b、7c、7d…検知電極
8…基準電極
9…電源
10…電流測定手段
11…検査対象領域
12…ガード電極
13…移動電極
B…絶縁不良箇所
C…損傷箇所

Claims (10)

  1. 地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知装置であって、
    前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に配置される1つ以上の検知電極と、
    前記遮水部の外部の前記地盤に配置される基準電極と、
    前記基準電極に電流を供給する電源と、
    前記検知電極を通して流れた電流を測定する電流測定手段と、
    前記遮水シートの上部において、検査対象領域を限定するとともに、該検査対象領域内に少なくとも1つの前記検知電極が含まれるように配置されるガード電極とを含み、
    前記検査対象領域内に含まれる前記少なくとも1つの検知電極のうちの1つを移動させるとともに、前記少なくとも1つの検知電極に流れる電流を測定することにより、該検査対象領域内における漏水を検知することを特徴とする、漏水検知装置。
  2. 前記1つ以上の検知電極は、前記検査対象領域内のみに配置されており、前記ガード電極とともに前記1つ以上の検知電極を移動して前記検査対象領域を順次変更することを特徴とする、請求項1に記載の漏水検知装置。
  3. 前記1つ以上の検知電極は、前記遮水シートの上部に予め配置された複数の検知電極であり、前記ガード電極を移動して前記検査対象領域を順次変更することを特徴とする、請求項1に記載の漏水検知装置。
  4. 前記ガード電極は、線電極である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の漏水検知装置。
  5. 前記ガード電極は、複数の点電極である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の漏水検知装置。
  6. 前記遮水構造は、前記遮水シートの上部に保護土が設置され、前記ガード電極は、前記保護土に埋設される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の漏水検知装置。
  7. 地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知するための漏水検知方法であって、該方法は、
    前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に1つ以上の検知電極と、前記遮水シートの上部において、検査対象領域を限定するとともに、該検査対象領域内に少なくとも1つの前記検知電極が含まれるように配置されるガード電極とを配置する段階と、
    前記地盤に配置した基準電極に電流を供給し、前記検査対象領域に含まれる前記少なくとも1つの検知電極のうちの1つを移動させるとともに、前記少なくとも1つの検知電極に流れる電流を測定する段階とを含む、漏水検知方法。
  8. 前記1つ以上の検知電極は、前記検査対象領域内のみに配置されており、前記ガード電極とともに前記1つ以上の検知電極を移動して前記検査対象領域を順次変更する段階をさらに含む、請求項7に記載の漏水検知方法。
  9. 前記1つ以上の検知電極は、前記遮水シートの上部に予め配置された複数の検知電極であり、前記ガード電極を移動して前記検査対象領域を順次変更する段階をさらに含む、請求項7に記載の漏水検知方法。
  10. 前記方法は、前記遮水シートの上部に設置された保護土に前記ガード電極を埋設する段階を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の漏水検知方法。
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