JP2004224946A - ブリスターパック用熱可塑性樹脂シート - Google Patents

ブリスターパック用熱可塑性樹脂シート Download PDF

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Kinya Kurokawa
欽也 黒川
Hideki Totani
英樹 戸谷
Eiji Sato
英次 佐藤
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Denka Co Ltd
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Abstract

【課題】折り曲げ性、透明性、剛性、耐白化性に優れ、その他の物性バランスも良好なブリスターパック用熱可塑性樹脂シートを提供する。
【解決手段】(A)芳香族ビニル単量体単位60〜95質量%と共役ジエン単位5〜40質量%よりなる共重合体5〜85質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる共重合体5〜85質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる共重合体1〜45質量%からなる熱可塑性樹脂組成物を成形したブリスターパック用熱可塑性樹脂シート。それを用いたブリスター成形体及びブリスターパック。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り曲げ性、透明性、剛性、耐白化性に優れ、その他の物性バランスも良好なブリスターパック用熱可塑性樹脂シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SBS樹脂は、衝撃強度及び透明性の優れた樹脂として、広く知られているが、剛性が低いという欠点を有している。これを改良する目的で、PS樹脂の添加が行われてきた(例えば、特公昭56−50903号公報)。しかしながら、剛性は高くなるものの、衝撃強度が低下してしまう。
また、特開平7−268175号公報には、スチレン系重合体として一般用ポリスチレン、スチレン含量70質量%のスチレンブタジエンブロック共重合体及びスチレン含量40質量%のスチレンブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系樹脂組成物が具体的に開示されている。しかしながら、このような樹脂組成物では、衝撃強度、透明性、剛性等の物性バランスの良好な熱可塑性組成物は得られていなかった。
【0003】
【特許文献1】
特公昭56−50903号公報
【特許文献2】
特開平7−268175号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、折り曲げ性、透明性、剛性、耐白化性に優れ、その他の物性バランスも良好なブリスターパック用熱可塑性樹脂シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ビニル単量体単位特定量と共役ジエン単位特定量よりなる共重合体2種類と、芳香族ビニル単量体単位特定量と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位特定量からなる共重合体を、特定の割合で混合し成形した熱可塑性樹脂シートを用いた折り曲げ性、透明性、剛性、耐白化性に優れ、その他の物性バランスも良好なブリスターパック用熱可塑性樹脂シートを見出した。
【0006】
即ち、本発明は、(A)芳香族ビニル単量体単位60〜95質量%と共役ジエン単位5〜40質量%よりなる共重合体5〜85質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる共重合体5〜85質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる共重合体1〜45質量%からなる熱可塑性樹脂組成物を成形したブリスターパック用熱可塑性樹脂シートである。
【0007】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形したブリスターパック用熱可塑性樹脂シート中の(A)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位60〜95質量%と共役ジエン単位5〜40質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜90質量%と共役ジエン単位10〜25質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が60質量%未満、すなわち共役ジエン単位が40質量%を越えると、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの透明性及び剛性が低下する。また、芳香族ビニル単量体単位が95質量%を越える場合、すなわち共役ジエン単位が5質量%未満であると、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの折り曲げ性、耐白化性が低くなる。
【0008】
本発明の(A)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0009】
本発明の(A)共重合体に用いる共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
(A)の共重合体は、芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位とからなるブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることが好ましい。
この場合、ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。
(A)のブロック共重合体は、よく知られているように有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル単量体及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。
また、(A)のブロック共重合体のブロック率及び分子量は特に限定されないが、ブロック率は50〜85%であることが好ましく、分子量(数平均分子量)は80000〜300000であることが好ましい。
【0010】
本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シート中の(B)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜80質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位20〜25質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が70質量%未満、すなわち(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位が30質量%を越える場合、または芳香族ビニル単量体単位が95質量%を越える場合、すなわち(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位が5質量%未満であると、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの透明性が低下する。
【0011】
本発明の(B)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0012】
本発明の(B)共重合体に用いる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート等のアクリル酸エステル等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
(B)共重合体の製造方法については特に制限はなく、例えば乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等の重合方法が採用できる。
また、(B)共重合体は特に限定されないが、分子量(重量平均分子量)は100000〜350000であることが好ましい。
【0013】
本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シート中の(C)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる。好ましくは芳香族ビニル単量体単位35〜55質量%と共役ジエン単位45〜65質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が20質量%未満、すなわち共役ジエン単位が80質量%を越える場合、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの剛性が低くなる。また、芳香族ビニル単量体単位が60質量%以上の場合、すなわち共役ジエン単位が40質量%以下であると、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの折り曲げ性、耐白化性が低くなる。
【0014】
本発明の(C)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0015】
本発明の(C)共重合体に用いる共役ジエンとしては、前述と同様の1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
(C)の共重合体は、(A)の共重合体と同様に、芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位とからなるブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることが好ましい。
この場合、ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエンを主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。
(C)のブロック共重合体は、(A)のブロック共重合体と同様に、よく知られているように有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。
また、(C)のブロック共重合体のブロック率及び分子量は特に限定されないが、ブロック率は70〜95質量%であることが好ましく、分子量(数平均分子量)は50000〜150000であることが好ましい。
【0016】
本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シートは、(A)共重合体5〜85質量%、(B)共重合体5〜85質量%、(C)共重合体1〜45質量%からなる。好ましくは(A)共重合体10〜55質量%、(B)共重合体10〜75質量%、(C)共重合体15〜35質量%からなることである。(A)共重合体が5質量%未満であるか、(B)共重合体が85質量%を超えるか、あるいは(C)共重合体が1質量%未満である場合、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの折り曲げ性、耐白化性が低くなる。また、(A)共重合体が85質量%を超えるか、(B)共重合体が5質量%未満であるか、あるいは(C)共重合体が45質量%を超える場合、得られるブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの剛性が低くなる。
更に、本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シートは、(A)共重合体中の共役ジエン単位と(C)共重合体中の共役ジエン単位の合計が全体((A)+(B)+(C))の5〜30質量%であることが好ましい。
【0017】
シートに成形する方法としては、特に限定することなく通常の方法でよいが、例えば押出し法、カレンダー法などが挙げられる。更に多層化する際には複数の押出機によるフィードブロック法、マルチマニホールド法や押出ラミネート法、ドライラミネート法、グラビアコート等様々な手法を用いることが可能である。
本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シートの厚さは0.05〜3mm、好ましくは0.1〜1mmの範囲が望ましい。ブリスターパック用熱可塑性樹脂シートを成形する方法としては、特に限定することなく通常の方法でよいが、例えば押出し法にてシートを製造することにより得ることができる。
次いで、このシートを真空成形、圧空成形または熱板成形等にて成形し、商品を収納する1個または複数の凹部を有するプラスチックシートを回分式にまたは連続的に成形し、必要に応じて、次に加熱して上下または左右の端縁の少なくとも2方または3方を折り返し加工し、凹部を閉塞するように紙等の基材、いわゆる台紙を挿入するための各折り返し部を形成することによりブリスター成形体を得ることができる。
更に、ブリスターパックは、通常行われるように、折り返し部を有しないブリスター成形体の凹部に商品を挿入した後にブリスター成形体のフランジ部と基材シートとを熱溶着等の方法によって接着するか、または折り返し部を有するブリスター成形体の折り返し部に基材シートを挿入し、必要に応じてステイプラの止め針等によって留めることにより作成することができる。
【0018】
本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シートは、本発明の目的を逸脱しない範囲内で用途に応じて他の添加剤あるいは改質剤を加えることが可能である。
本発明のブリスターパック用熱可塑性樹脂シートに必要に応じて配合することができる添加剤としては、各種安定剤、加工助剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤、鉱油、フィラー、顔料、難燃剤、滑剤等が挙げられる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。
参考例1 (A)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと8.5gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.3kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次に、ブタジエン0.9kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.0kgとブタジエン1.2kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン6.5kgとブタジエン3.5kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の共重合体(a−1)を得た。他の共重合体(a−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。尚、得られた共重合体(a−1〜4)の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表1に示す。
【0020】
参考例2 (B)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に、純水70.4kg、第三リン酸カルシウム300gを加え、攪拌した後、スチレン64.6kg、メチルメタクリレート15.4kg、ベンゾイルパーオキサイド267.2gを加え、密封して100℃で6時間反応させた。これを冷却した後、中和、脱水、乾燥し、共重合体(b−1)を得た。他の共重合体(b−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。これらを表2に示す。
【0021】
参考例3 (C)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと7.0gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.3kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次にスチレン5.1kgとブタジエン12.6kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の共重合体(c−1)を得た。他の共重合体(c−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。尚、得られた共重合体(c−1〜4)の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表3に示す。
【0022】
【表1】
Figure 2004224946
【0023】
【表2】
Figure 2004224946
【0024】
【表3】
Figure 2004224946
【0025】
実施例1〜6
表4に示した配合割合で全量8kgになるように、(A)共重合体、(B)共重合体、及び(C)共重合体を、20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、40mmφ押出機(田端社製、単軸ダルメージスクリュー)にて、温度200℃で押出しペレット化した。このペレットを使用し、40mmφシート押出機(田辺プラスチックス機械(株)製、単軸フルフライトスクリュー)にて、温度200℃で押出し厚さ0.5mmのシートを作成し、このシートを使用し、折り曲げ性、曇り度、全光線透過率、引張弾性率を測定した。結果は表4に示す。
【0026】
上記の厚さ0.5mmのブリスターパック用熱可塑性樹脂シートをシート温度160℃で真空成形し((株)浅野研究所製真空成形機を使用)、商品を収納する1個の凹部を有するプラスチック成形体を成形した。次に加熱して左右の端縁の2方を折り返し加工し、凹部を閉塞するように台紙を挿入するための各折り返し部を形成することによりブリスター成形体を得た。更に、ブリスター成形体の凹部に商品としてマウスを配置し、ブリスター成形体の折り返し部に台紙を挿入し、ステイプラの止め針によって留めてブリスターパックを作成し、これを評価した。結果は表4に示す。
【0027】
比較例1〜9
表5に示した配合割合で全量8kgになるように、(A)共重合体、(B)共重合体、及び(C)共重合体を、20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、40mmφ押出機(田端社製、単軸ダルメージスクリュー)にて、温度200℃で押出しペレット化した(前記と同じ)。このペレットを使用し、40mmφシート押出機(田辺プラスチックス機械(株)製、単軸フルフライトスクリュー)にて、温度200℃で押出し厚さ0.5mmのシートを作成し、折り曲げ性、曇り度、全光線透過率、引張弾性率を測定した。結果は表5に示す。
【0028】
上記の厚さ0.5mmのブリスターパック用熱可塑性樹脂シートをシート温度160℃で真空成形し((株)浅野研究所製真空成形機を使用)、商品を収納する1個の凹部を有するプラスチック成形体を成形した。次に加熱して左右の端縁の2方を折り返し加工し、凹部を閉塞するように台紙を挿入するための各折り返し部を形成することによりブリスター成形体を得た。更に、ブリスター成形体の凹部に商品としてマウスを配置し、ブリスター成形体の折り返し部に台紙を挿入し、ステイプラの止め針によって留めてブリスターパックを作成し、これを評価した。結果は表5に示す。
【0029】
比較例1及び2は、(A)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位の量が本発明の範囲外。比較例3及び4は、(B)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の量が範囲外。比較例5及び6は、(C)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位の量が範囲外。比較例7は、(A)共重合体及び(B)共重合体の含有量が範囲外。比較例8は、(A)共重合体、(B)共重合体、(C)共重合体の含有量が範囲外。比較例9は、(C)共重合体の含有量が範囲外である。
【0030】
【表4】
Figure 2004224946
【0031】
【表5】
Figure 2004224946
【0032】
尚、表4、5における物性測定は、以下の方法で行った。
(1)シートの折り曲げ性は、得られたシートを180度に折り曲げた後、もとにもどして以下のように評価した。
○:白化が見られない。
△:若干白化が見られる。
×:白化が見られる、あるいは割れる。
(2)シートの透明性は、得られたシートを用いて、曇り度及び全光線透過率を、ASTM D1003に準拠し、日本電色工業製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を用いて測定した。
(3)シートの引張強度は、ASTM D−882に従い、得られたシートを用いてMD方向を測定した。
(4)シートの剛性は、ASTM D−882に従い、得られたシートを用いてMD方向の引張弾性率を測定した。
(5)ブリスターパックの評価は、ブリスターパックのステイプラの止め針によって留められた箇所を以下の基準により評価することにより行った。
○:白化が見られない。
△:若干白化が見られる。
×:白化が見られる、あるいは割れる。
【0033】
実施例及び比較例の結果から、組成物中の(A)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位60〜95質量%と共役ジエン単位5〜40質量%からなり、それ自体の含有量が5〜85質量%であり、(B)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなり、それ自体の含有量が5〜85質量%であり、(C)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなり、それ自体の含有量が1〜45質量%であるときにのみ、成形したブリスターパック用熱可塑性樹脂シートが折り曲げ性、透明性、剛性、耐白化性に優れ、その他の物性バランスも良好であることがわかる。
【0034】
【発明の効果】
上記で述べたとおり、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する(A)共重合体、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含有する(B)共重合体、並びに特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する(C)共重合体を必須成分とし、これらを特定の割合で配合し成形したブリスターパック用熱可塑性樹脂シートは、折り曲げ性、透明性、剛性、耐白化性に優れ、その他の物性バランスも良好であり、産業上の利用価値が極めて大きい。

Claims (7)

  1. (A)芳香族ビニル単量体単位60〜95質量%と共役ジエン単位5〜40質量%よりなる共重合体5〜85質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位5〜30質量%からなる共重合体5〜85質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%未満と共役ジエン単位40超〜80質量%からなる共重合体1〜45質量%からなる熱可塑性樹脂組成物を成形したブリスターパック用熱可塑性樹脂シート。
  2. (A)共重合体中の共役ジエン単位と(C)共重合体中の共役ジエン単位の合計が全体((A)+(B)+(C))の5〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載のブリスターパック用熱可塑性樹脂シート。
  3. (A)共重合体及び(C)共重合体が芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有するブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載のブリスターパック用熱可塑性樹脂シート。
  4. (A)共重合体及び(C)共重合体の芳香族ビニル単量体がスチレン、共役ジエンがブタジエンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のブリスターパック用熱可塑性樹脂シート。
  5. (B)共重合体の芳香族ビニル単量体がスチレン、(メタ)アクリル酸エステル系単量体がメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のブリスターパック用熱可塑性樹脂シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂シートを成形してなるブリスター成形体。
  7. 請求項6項記載のブリスター成形体を用いたブリスターパック。
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