JP2004018800A - 熱可塑性樹脂シート - Google Patents

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Kinya Kurokawa
黒川 欽也
Hideki Totani
戸谷 英樹
Eiji Sato
佐藤 英次
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

【課題】耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂シートを提供する。
【解決手段】(A)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と共役ジエン単位5〜30質量%よりなる共重合体5〜65質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%とメチルメタクリレート15〜30質量%からなる共重合体5〜65質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%と共役ジエン単位40〜80質量%からなる共重合体30〜45質量%(ただし、30質量%は含まない)からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする熱可塑性樹脂シート。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SBS樹脂は、衝撃強度及び透明性の優れた樹脂として、広く知られているが、剛性が低いという欠点を有している。これを改良する目的で、PS樹脂の添加が行われてきた(例えば、特公昭56−50903号公報)。しかしながら、剛性は高くなるものの、衝撃強度が低下してしまう。
また、特開平7−268175号公報には、スチレン系重合体として一般用ポリスチレン、スチレン含量70質量%のスチレンブタジエンブロック共重合体及びスチレン含量40質量%のスチレンブタジエンブロック共重合体からなるスチレン系樹脂組成物が具体的に開示されている。しかしながら、このような樹脂組成物では、耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂シートは得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、シートにおける耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族ビニル単量体単位特定量と共役ジエン単位特定量よりなる共重合体2種類と、芳香族ビニル単量体単位特定量とメチルメタクリレート特定量からなる共重合体を、特定の割合で混合することにより、耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好な熱可塑性樹脂シートを見出した。
【0005】
即ち、本発明は、(A)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と共役ジエン単位5〜30質量%よりなる共重合体5〜65質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%とメチルメタクリレート15〜30質量%からなる共重合体5〜65質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%と共役ジエン単位40〜80質量%からなる共重合体30〜45質量%(ただし、30質量%は含まない)からなる熱可塑性樹脂シートである。
【0006】
本発明の熱可塑性樹脂シート中の(A)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と共役ジエン単位5〜30質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜90質量%と共役ジエン単位10〜25質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が70質量%未満、すなわち共役ジエン単位が30質量%を越えると、得られる熱可塑性樹脂シートの透明性及び剛性が低下する。また、芳香族ビニル単量体単位が95質量%を越える場合、すなわち共役ジエン単位が5質量%未満であると、得られる熱可塑性樹脂シートの耐折強度が低くなる。
【0007】
本発明の(A)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0008】
本発明の(A)共重合体に用いる共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
(A)の共重合体は、芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位とからなるブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることが好ましい。
この場合、ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエン単位を主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。
(A)のブロック共重合体は、よく知られているように有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル単量体及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。
また、(A)のブロック共重合体のブロック率及び分子量は特に限定されないが、ブロック率は50〜85%であることが好ましく、分子量(数平均分子量)は80000〜300000であることが好ましい。
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂シート中の(B)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%とメチルメタクリレート15〜30質量%からなる。好ましくは、芳香族ビニル単量体単位75〜80質量%とメチルメタクリレート20〜25質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が70質量%未満、すなわちメチルメタクリレートが30質量%を越える場合、または芳香族ビニル単量体単位が85質量%を越える場合、すなわちメチルメタクリレートが15質量%未満であると、得られる熱可塑性樹脂シートの透明性が低下する。
【0010】
本発明の(B)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0011】
本発明の(B)共重合体の製造方法については特に制限はなく、例えば乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等の重合方法が採用できる。
また、(B)共重合体は特に限定されないが、分子量(重量平均分子量)は100000〜350000であることが好ましい。
【0012】
本発明の熱可塑性樹脂シート中の(C)共重合体は、芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%と共役ジエン単位40〜80質量%からなる。好ましくは芳香族ビニル単量体単位35〜55質量%と共役ジエン単位45〜65質量%からなることである。芳香族ビニル単量体単位が20質量%未満、すなわち共役ジエン単位が80質量%を越える場合、得られる熱可塑性樹脂シートの剛性が低くなる。また、芳香族ビニル単量体単位が60質量%を越える場合、すなわち共役ジエン単位が40質量%未満であると、得られる熱可塑性樹脂シートの耐折強度が低くなる。
【0013】
本発明の(C)共重合体に用いる芳香族ビニル単量体としては、前述と同様のスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0014】
本発明の(C)共重合体に用いる共役ジエンとしては、前述と同様の1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中で1,3−ブタジエンが特に好ましい。
(C)の共重合体は、(A)の共重合体と同様に、芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有する芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位とからなるブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることが好ましい。
この場合、ブロック共重合体の構造および各ブロック部分の構造は、特に限定されない。ブロック共重合体の構造としては、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック、共役ジエンを主体とする重合体ブロックからなる例えば直線型、星型等のブロック共重合体がある。また、芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロックあるいは共役ジエンを主体とする重合体ブロック中に共重合されている芳香族ビニル単量体単位は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパー(漸減)状に分布していてもよい。
(C)のブロック共重合体は、(A)のブロック共重合体と同様に、よく知られているように有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエンのモノマーを重合することにより製造できる。
また、(C)のブロック共重合体のブロック率及び分子量は特に限定されないが、ブロック率は70〜95%であることが好ましく、分子量(数平均分子量)は50000〜150000であることが好ましい。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂シートは、(A)共重合体5〜65質量%、(B)共重合体5〜65質量%、(C)共重合体30〜45質量%(ただし、30質量%は含まない)からなる樹脂組成物を成形して得ることができる。好ましくは(A)共重合体10〜60質量%、(B)共重合体10〜60質量%、(C)共重合体30〜40質量%(ただし、30質量%は含まない)からなることであり、更に好ましくは(A)共重合体15〜59質量%、(B)共重合体11〜55質量%、(C)共重合体30〜35質量%(ただし、30質量%は含まない)からなることである。(A)共重合体が5質量%未満であるか、(B)共重合体が65質量%を超えると、得られる熱可塑性樹脂シートの耐折強度が低くなる。また、(A)共重合体が65質量%を超えるか、(B)共重合体が5質量%未満であるか、あるいは(C)共重合体が45質量%を超える場合、得られる熱可塑性樹脂シートの剛性が低くなる。
更に、本発明の熱可塑性樹脂シートは、(A)共重合体中の共役ジエン単位と(C)共重合体中の共役ジエン単位の合計が熱可塑性樹脂シート全体((A)+(B)+(C))の5〜30質量%であることが好ましい。
【0016】
シートに成形する方法としては、特に限定することなく通常の方法でよいが、例えば押出し法、カレンダー法などが挙げられる。更に多層化する際には複数の押出機によるフィードブロック法、マルチマニホールド法や押出ラミネート法、ドライラミネート法、グラビアコート等様々な手法を用いることが可能である。
本発明の熱可塑性樹脂シートの厚さは0.05〜3mm、好ましくは0.05〜2mm、より好ましくは0.05〜0.5mm、更に好ましくは0.1〜0.5mmの範囲が望ましい。食品容器やキャリアテープなどに成形する方法としては、特に限定することなく通常の方法でよいが、例えば押出し法にてシートを製造し、更に真空成形、圧空成形または熱板成形等にて成形して得る方法がある。
【0017】
本発明の熱可塑性樹脂シートは、耐折強度、すなわちシートが破断するまでの折り曲げ繰り返し回数が5,000回以上であることが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂シートの耐折強度は、通常行われているように、得られたシートを用いて耐疲労試験機にて測定することができる。
【0018】
本発明の熱可塑性樹脂シートは、本発明の目的を逸脱しない範囲内で用途に応じて他の添加剤あるいは改質剤を加えた熱可塑性樹脂シートとすることが可能である。
本発明の熱可塑性樹脂シートに必要に応じて配合することができる添加剤としては、各種安定剤、加工助剤、耐光性向上剤、軟化剤、可塑剤、帯電防止剤、防曇剤、鉱油、フィラー、顔料、難燃剤、滑剤等が挙げられる。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂シートは、例えば食品容器、キャリアテープ等の成形用として好適に用いられる。
本発明のキャリアテープは、収納する電子部品の種類によっては必ずしも導電性である必要はないが、多くの場合電子部品の静電気による破壊を防止するために、電子部品と接触する少なくとも片面が導電性であるか、または帯電防止処理してあることが好ましい。表面の導電性は1012Ω/□以下、好ましくは10 〜10Ω/□の範囲である。
本発明の熱可塑性樹脂シートに導電性を付与するには、カーボンブラック、導電性無機充填材、導電性繊維等を練り込むか、或いは、表面を導電性塗料や界面活性剤などにより帯電防止処理をすればよく、これらを併用してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂シートは、単層であることが好ましいが二層以上の多層であってもよい。本発明の熱可塑性樹脂シートをキャリアテープに用いる場合、単層で全体が導電性を有するものでも、基材層を有し、少なくとも片方の表面に導電層を有するものでも、基材層の両面に導電層を積層した3層以上の構造のものでも好ましく用いられ、また、単層または二層以上の多層の表面の少なくとも片方に導電性塗料や界面活性剤を塗布して帯電防止処理したものも好ましく用いられる。
【0020】
本発明のキャリアテープは、本発明の熱可塑性樹脂シートを単独で用いることができるが、多層構成とする場合には、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂の他、スチレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル等を主成分とする各種熱可塑性樹脂の1種以上を積層して使用することも可能である。これらの樹脂には導電性を出すために必要に応じてカーボンブラック等の導電フィラー、帯電防止剤、可塑剤などの加工助剤、各種補強剤の他、艶消し剤、無機フィラーなどを添加することが可能である。
【0021】
本発明のキャリアテープに用いる導電性塗料は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、塩酢ビ系樹脂等の樹脂分、カーボンブラック、及び溶剤を主成分とするものが好ましい。各主成分の含有量は樹脂分が1〜50重量%、カーボンブラックが1〜15重量%、及び溶剤が35〜90重量%の範囲である。導電性塗料にはこれらの主成分以外に添加物として分散剤、可塑剤等を適宜使用してもよい。
コーティング層側表面の比抵抗値は1×10Ω以上1×10Ω未満が適当である。本発明における導電性塗料の塗布方法としては、特に限定するものではないがグラビアコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法等の方法が用いられる。
また、本発明のキャリアテープに用いる界面活性剤は、通常プラスチックシートの帯電防止処理に用いられている界面活性剤から適宜選択して用いることだ出来る。
【0022】
本発明の熱可塑性樹脂シートは、圧空成形、真空成形または熱板成形等の成形法によりエンボス状に成形することによりエンボスキャリアテープとすることもできる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。これらはいずれも例示的なものであって、本発明の内容を限定するものではない。
参考例1 (A)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと8.5gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.7kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次に、ブタジエン0.5kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.4kgとブタジエン0.8kgを添加し、40分間重合させた。次にスチレン7.9kgとブタジエン2.1kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の共重合体(a−1)を得た。他の共重合体(a−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。尚、得られた共重合体(a−1〜4)の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表1に示す。
【0024】
参考例2 (B)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に、純水70.4kg、第三リン酸カルシウム300gを加え、攪拌した後、スチレン64.6kg、メチルメタクリレート15.4kg、ベンゾイルパーオキサイド267.2gを加え、密封して100℃で6時間反応させた。これを冷却した後、中和、脱水、乾燥し、共重合体(b−1)を得た。他の共重合体(b−2〜4)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。これらを表2に示す。
【0025】
参考例3 (C)共重合体の製造
内容積200リットルの重合缶に65リットルのシクロヘキサンと7.0gのテトラヒドロフラン(ランダム化剤)及び3.3kgのスチレンを仕込み攪拌を行いながら30℃にて125mlのn−ブチルリチウム(10%シクロヘキサン溶液)(開始剤)を添加後、昇温を行い、40分間重合させた。次にスチレン5.1kgとブタジエン12.6kgを添加し、40分間重合させた。その後、重合液に過剰のメタノールを添加し重合を停止させ、溶媒除去、乾燥させて目的の共重合体(c−1)を得た。他の共重合体(c−2〜5)も、仕込み量を変えた以外は、ほぼ同様の条件により作成した。尚、得られた共重合体(c−1〜5)の組成は、仕込みモノマーがほぼ完全に消費されるので、スチレン/ブタジエンの仕込み比と実質的に同じである。これらを表3に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004018800
【0027】
【表2】
Figure 2004018800
【0028】
【表3】
Figure 2004018800
【0029】
実施例1〜6
表4に示した配合割合で全量8kgになるように、(A)共重合体、(B)共重合体、及び(C)共重合体を、20リットルヘンシェルミキサーに投入しブレンド後、40mmφシート押出機(田辺プラスチックス機械(株)製、単軸フルフライトスクリュー)にて、温度200℃で押出し厚さ0.3mmのシートを作成し、このシートを使用し、耐折強度(破断するまでの折り曲げ繰り返し回数)、曇り度、全光線透過率、引張弾性率を測定した。結果は表4に示す。
【0030】
比較例1〜9
表5、6に示した配合割合で全量8kgになるように、(A)共重合体、(B)共重合体、及び(C)共重合体を、20リットルヘンシェルミキサーに投入し(前記と同じ)ブレンド後、40mmφシート押出機(田辺プラスチックス機械(株)製、単軸フルフライトスクリュー)にて、温度200℃で押出し厚さ0.3mmのシートを作成し、このシートを使用し、耐折強度(破断するまでの折り曲げ繰り返し回数)、曇り度、全光線透過率、引張弾性率を測定した。結果は表5、6に示す。
【0031】
比較例1及び2は、(B)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位とメチルメタクリレートの量が範囲外。比較例3及び4は、(C)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位の量が範囲外。比較例5及び6は、(A)共重合体中の芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単位の量が本発明の範囲外。比較例7は、(A)共重合体、(B)共重合体及び(C)共重合体の含有量が範囲外。比較例8は、(B)共重合体の含有量が範囲外。比較例9は、(C)共重合体の含有量が範囲外である。
【0032】
【表4】
Figure 2004018800
【0033】
【表5】
Figure 2004018800
【0034】
【表6】
Figure 2004018800
【0035】
尚、表4〜6における物性測定は、以下の方法で行った。
(1)耐折強度は、得られたシートを用いて、ASTM D−2176に準拠し、耐疲労試験機(東洋精機製、MIT−D)により、MD方向を長手方向とした試験片を用いて、MD方向の破断するまでの折り曲げ繰り返し回数を測定した。
【0036】
(2)透明性は、得られたシートを用いて、曇り度及び全光線透過率を、ASTM D1003に準拠し、日本電色工業製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を用いて測定した。
【0037】
(3)剛性は、ASTM D−882に従い、得られたシートを用いてMD方向の引張弾性率を測定した。
【0038】
実施例及び比較例の結果から、熱可塑性樹脂シート中の(A)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%及び共役ジエン単位5〜30質量%からなり、それ自体の含有量が5〜65質量%であり、(B)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%及びメチルメタクリレート15〜30質量%からなり、それ自体の含有量が5〜65質量%であり、(C)共重合体が、芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%及び共役ジエン単位40〜80質量%からなり、それ自体の含有量が30〜45質量%(ただし、30質量%は含まない)であるときにのみ、耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
上記で述べたとおり、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する(A)共重合体、特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及びメチルメタクリレートを含有する(B)共重合体、並びに特定の割合の芳香族ビニル単量体単位及び共役ジエン単位を含有する(C)共重合体を必須成分とし、これらを特定の割合で配合して得た本発明の熱可塑性樹脂シートは、シートにおける耐折強度、透明性、剛性に優れ、その他の物性バランスも良好であり、産業上の利用価値が極めて大きい。

Claims (7)

  1. (A)芳香族ビニル単量体単位70〜95質量%と共役ジエン単位5〜30質量%よりなる共重合体5〜65質量%、(B)芳香族ビニル単量体単位70〜85質量%とメチルメタクリレート15〜30質量%からなる共重合体5〜65質量%、(C)芳香族ビニル単量体単位20〜60質量%と共役ジエン単位40〜80質量%からなる共重合体30〜45質量%(ただし、30質量%は含まない)からなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする熱可塑性樹脂シート。
  2. (A)共重合体中の共役ジエン単位と(C)共重合体中の共役ジエン単位の合計が全体((A)+(B)+(C))の5〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂シート。
  3. (A)共重合体及び(C)共重合体が芳香族ビニル単量体単位を主体としたブロックと共役ジエン単位を主体としたブロックを有するブロック共重合体またはそれを主体とした共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂シート。
  4. (A)共重合体及び(C)共重合体の芳香族ビニル単量体単位がスチレン、共役ジエン単位がブタジエンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂シート。
  5. 破断するまでの折り曲げ繰り返し回数が5,000回以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂シートを用いた食品容器。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂シートを用いたキャリアテープ。
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