JP2004224915A - 微多孔膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が良好なポリメチルペンテン樹脂からなる微多孔膜を提供すること。
【解決手段】ポリメチルペンテン樹脂からなり、気孔率が20〜95%、最大孔径が0.01〜5μm、マトリクス突き刺し強度が0.01N以上、150℃における熱収縮率が0〜15%である微多孔膜。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリメチルペンテン樹脂からなる微多孔膜に関する。特に、電気二重層コンデンサー及びアルミニウム電解コンデンサー等のコンデンサー用セパレーター、リチウムイオン電池等の非水電解液系電池用セパレーター、ニッケル水素電池等のアルカリ電解液系電池用セパレーター、ポリマー電池用の固体電解質支持体、固体高分子型燃料電池や直接メタノール型燃料電池等の電解質膜支持体、感熱孔版印刷用途、血漿製剤やバイオ医薬品等からウィルスや細菌等の病原体を除去する医用分離フィルター、半導体製品を製造するのに使用されるフォトレジスト等のろ過に使用する電子産業用フィルター、油水分離フィルターや液ガス分離フィルター等の産業プロセス用フィルター等の広範囲な用途に利用できる微多孔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサーの電解液には、水系電解液又は有機電解液が利用されている。
水系電解液とは、水、又は水と有機溶媒との混液を電解質溶媒とするものであり、比抵抗が低い特徴を持つものの、作動電圧及び耐電圧が低いため、コンデンサーの高容量化に不利であるばかりか、短寿命である。
一方、有機電解液とは、水分を含まない有機溶媒(非水系)を電解質溶媒とするものであり、比抵抗が高くなる短所を持つものの、耐電圧は高い。したがって、有機電解液系のこの抵抗損失を低減することによって、性能上で好ましいコンデンサーと成り得る。
【0003】
コンデンサーの内部抵抗は、電極箔抵抗、引き出しリード抵抗、リードと箔の接続抵抗、誘電体抵抗、そして電解液抵抗の総和からなる等価直列抵抗として説明される。このうち、電解液抵抗には、セパレーターの膜厚が大きく影響する。従来、セパレーターを配置したコンデンサーとして一般的なものは、クラフト紙、又はマニラ麻紙等をセパレーターとするものが知られている。
しかしながら、クラフト紙等のセパレーターは、一般に50〜100μmの厚みのものが一般的であり、厚みが厚いためにコンデンサーの小型化には不利である。更に薄いものもあるが、薄くすると孔径が大きくなり、電極から脱離した金属粒子を捕捉できなくなり、短絡を生じやすくなって、コンデンサーとしての寿命が著しく縮められてしまうという問題がある。
【0004】
一方、セパレーターとして微多孔膜を用いると、脱離した金属粒子を補足するに充分な小さな孔径を維持したまま、比較的薄くすることが可能であり、コンデンサーの小型化ないし高容量化に有利である。
有機電解液系コンデンサーの製造工程では、系内に含有する水分を絶乾処理により除去する工程が一般に含まれる。絶乾処理工程は150℃以上の高温で施されるため、セパレーターにはこのような過酷な条件下での耐熱性が要求される。しかしながら、広く一般的に市販されているポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を使用した微多孔膜の場合は、その結晶融点が130〜135℃程度ないし160〜165℃程度であるので、耐熱性が不充分であり、広く一般的なコンデンサーには適用できなかったのが現状である。
【0005】
そこで、十分に高い230〜240℃の結晶融点を有する樹脂であるポリメチルペンテン樹脂を使用した微多孔膜が有用となる。しかし従来技術により製造された微多孔膜は、結晶の完全性の不足、残留歪みによる熱収縮、透過性の不足等の様々な問題点を抱え、素材が持つポテンシャルを活かせないまま今日に至っている。
特許文献1及び特許文献2には、可塑剤を使用せず、樹脂単独で構成される成形体に、熱処理、冷延伸、熱延伸を組み合わせて多孔化させた、いわゆる延伸開孔法の微多孔膜が開示されている。しかし、これらの公報の微多孔膜は、その表面にスキン層と呼ばれる透過抵抗層を持つため透過性が低いという問題があった。
【0006】
特許文献3及び特許文献4には、樹脂と比較的少量の可塑剤を混合した成形体を冷延伸により界面破壊させて多孔化させた微多孔膜が開示されている。しかし、これらの公報に記載の微多孔膜は、その細孔を冷延伸により形成させたため、歪みが残留し耐熱性が不十分であった。
特許文献5には、樹脂と可塑剤を混合し相分離させた成形体に熱延伸を加えてなる微多孔膜が開示されている。しかし、該公報の微多孔膜には、熱処理が加えられておらず、また延伸の温度も最高で150℃に留まっていたため、耐熱性が不十分であった。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−157580号公報
【特許文献2】
特開平8−332360号公報
【特許文献3】
特開平10−17692号公報
【特許文献4】
特開平10−17693号公報
【特許文献5】
特開昭60−255108号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性が良好なポリメチルペンテン樹脂からなる微多孔膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、耐熱性を満足する微多孔膜を得ることに成功し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1) ポリメチルペンテン樹脂からなり、気孔率が20〜95%、最大孔径が0.01〜5μm、マトリクス突き刺し強度が0.01N以上、150℃における熱収縮率が0〜15%である微多孔膜、
(2) 気孔率が40〜95%である上記(1)記載の微多孔膜、
(3) 上記(1)又は(2)記載の微多孔膜を用いるコンデンサー用セパレーター、
である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の微多孔膜は、シート状、又はフィルム状の形態であることが好ましい。
本発明の微多孔膜の膜厚は、好ましくは5μm〜1mm、より好ましくは10μm〜100μm、最も好ましくは20μm〜60μmである。膜厚が5μm〜1mmであれば、微多孔膜の強度の点、及び透過性能の点で十分であり、好ましい。
本発明の微多孔膜の気孔率は20〜95%であり、好ましくは40〜95%、最も好ましくは40〜60%である。気孔率が20%未満であると透過性能が不十分となり、95%を越えると微多孔膜の強度が不十分となる。
【0011】
本発明の微多孔膜の最大孔径は0.01〜5μmであり、好ましくは0.05〜5μm、最も好ましくは0.05〜2μmである。最大孔径が0.01μm未満であると電解液の含浸性が低下するため好ましくない。一方、最大孔径が5μmを越えると電極構成粒子が微細孔を透過して短絡不良を生じやすくなる。
本発明の微多孔膜の電気抵抗は、10Ωcm以下であることが好ましく、より好ましくは5Ωcm以下、最も好ましくは2Ωcm以下である。電気抵抗が10Ωcmを越えるとコンデンサーの性能に悪影響を及ぼす恐れがあり好ましくない。
【0012】
本発明の微多孔膜のマトリクス突き刺し強度は0.01N以上であり、好ましくは0.03N以上、最も好ましくは0.05N以上である。突き刺し試験における最大荷重として求められる突き刺し強度は、本質的に微多孔膜の膜厚と気孔率に左右される値であり、本発明のような高い気孔率を有する微多孔膜の強度の指標としては不適切である。したがって、本発明における微多孔膜の真の強度を評価する指標としてのマトリクス突き刺し強度とは、突き刺し試験における最大荷重を前記膜厚及び気孔率によってポリマーマトリクスの厚み1μmあたりの強度として規格化したものである。マトリクス突き刺し強度が0.01N未満であるような微多孔膜をコンデンサー用セパレーターとして用いると、微多孔膜の力学的耐久性が不足するため、短絡不良を生じ易くなる。
【0013】
本発明の微多孔膜は、150℃における熱収縮率が0〜15%であり、より好ましくは0〜13%、そして最も好ましくは0〜10%である。微多孔膜の縦横2軸方向の熱収縮率は、何れも0〜15%であることが好ましい。熱収縮率が15%を超えると、コンデンサーの使用環境や製造工程における何らかの加熱処理等に対応できず、微多孔膜の寸法変化による短絡や内部抵抗の増大を来たすため望ましくない。一方、熱収縮率が0%未満となる場合は、微多孔膜が熱膨張することを意味するが、このようなケースは極めてまれである。
【0014】
本発明の微多孔膜を製造する方法の一例を示すと、
(a) ポリメチルペンテン樹脂及び可塑剤を含む組成物を溶融混練して均一溶液とした後に冷却固化させて成形体とする工程、
(b) 可塑剤の実質的部分を抽出除去する工程、
(c) 上記工程(b)の前及び/又は後に、少なくとも1軸方向に、少なくとも1回の延伸を施す工程、
(d) 上記工程(b)及び/又は工程(c)の後に、熱固定を施す工程、
からなる。
【0015】
また、上記工程(c)及び工程(d)の少なくとも何れかの工程を、150〜240℃の温度で施す必要がある。このような高温による熱履歴を加えることで、耐熱性が良好な微多孔膜を得ることができる。
本発明において使用するポリメチルペンテン樹脂とは、ポリ4−メチルペンテン−1樹脂及びポリ3−メチルペンテン−1樹脂等のホモ重合体又は共重合体のことである。共重合体としては、ランダム共重合体、及びブロック共重合体などがある。中でも、耐熱性や成形加工性の点からポリ4−メチルペンテン−1樹脂のホモ重合体が好ましい。
【0016】
本発明の微多孔膜の特性を害さない範囲であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、環状ポリオレフィン等の樹脂を混合して使用することができる。
本発明において使用する可塑剤は、ポリメチルペンテン樹脂と混合した際に樹脂の融点以上において均一溶液を形成し、かつ、該均一溶液を冷却した際に熱誘起型相分離を発現する不揮発性溶媒である。可塑剤の形態は、概ね常温20℃において、液体であっても固体であっても差し支えない。また、可塑剤は単独で使用しても、2種以上の可塑剤を混合して使用しても差し支えない。このような可塑剤の一例としては、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)等の芳香族カルボン酸エステル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪族カルボン酸エステル、流動パラフィン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。
【0017】
本発明において使用する樹脂と可塑剤との比率については、実行可能な混練温度において均一溶液を得ることができ、かつ、成形体を形成しうるのに充分な比率である必要がある。具体的には、樹脂と可塑剤からなる組成物中に占める樹脂の質量分率は、好ましくは20〜60wt%であり、更に好ましくは30〜50wt%、そして最も好ましくは35〜45wt%である。樹脂の質量分率が20wt%未満であると、組成物の粘性が低下し過ぎるために成形性が悪くなり好ましくない。一方、樹脂の質量分率が60wt%を超えると、多孔構造の成形体が得難くなる傾向にあり、透過性能に劣るものとなり好ましくない。
【0018】
本発明において使用する抽出溶剤は、ポリメチルペンテン樹脂に対して貧溶媒であり、可塑剤に対して良溶媒であり、かつ、沸点が微多孔膜の融点より低いことが好ましい。このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレンや1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エタノールやイソプロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンや2−ブタノン等のケトン類が挙げられる。さらに、環境適応性、安全性、衛生性を考慮すると、上記溶剤の中でもアルコール類及びケトン類が好適である。
【0019】
本発明において、可塑剤の実質的部分を除去する工程の前及び/又は後に、少なくとも1軸方向に、少なくとも1回の延伸を施す。少なくとも1軸方向の延伸とは、縦方向1軸延伸、横方向1軸延伸、同時2軸延伸、又は逐次2軸延伸をさすものであり、中でも、同時2軸延伸又は逐次2軸延伸が好ましい。少なくとも1回とは、1段延伸、多段延伸、多数回延伸のことをいう。
延伸温度は、縦方向/横方向ともに、好ましくは20〜240℃であり、更に好ましくは50〜230℃であり、最も好ましくは150〜220℃である。20℃未満での延伸は産業上有用でない。延伸温度が240℃を越えると、樹脂の融解により延伸できなくなる。ただし、微多孔膜の耐熱性を向上するためには、上記温度範囲で可能な限り高温において延伸することが好ましい。
【0020】
延伸倍率は、縦方向及び/又は横方向の1軸方向の倍率で2〜10倍であることが好ましく、より好ましくは2.5〜10倍、最も好ましくは3〜10倍である。延伸倍率が2倍未満であると、気孔率が十分に増加せずに低くなり、それゆえ透過性能が低く好ましくない。延伸倍率が10倍を越えると、多孔構造の破壊が起こり微多孔膜の強度が低くなり好ましくない。
本発明の微多孔膜を製造する工程で更に熱固定を施すと、熱収縮を低減することができるため好ましい。熱固定の温度は、好ましくは150〜240℃であり、更に好ましくは150〜230℃であり、最も好ましくは150〜220℃である。150℃未満での熱固定では、微多孔膜に耐熱性を付与することができない。一方、熱固定の温度が240℃を越えると、樹脂の融解により微多孔膜の細孔が閉塞してしまう。ただし、微多孔膜の耐熱性を向上するためには、上記温度範囲で可能な限り高温において熱固定することが好ましい。
【0021】
本発明の微多孔膜を製造する工程で更に親水処理を施すと、微多孔膜への電解液の含浸性を良好にすることができるため好ましい。また、親水処理により、本来は疎水性であるポリメチルペンテン樹脂からなる微多孔膜を、血漿製剤、バイオ医薬品、上下水道水、及び半導体製品の処理水などのような水系のろ過対象液に適合する材料とすることもできる。親水処理の順序は、特に限定は無い。親水処理の方法としては、グラフト処理、コーティング処理、又は酸化処理の何れかを施すことが好ましい。
グラフト処理とは、微多孔膜への放射線の照射により重合体の分子中に生成したラジカルに、親水性官能基を有するモノマーを反応させる処理のことである。
【0022】
コーティング処理とは、自己親水性を有する薬剤やポリマーを微多孔膜にコートすることにより、重合体のマトリクスの表層に親水性を有するコート層を形成させる処理のことである。
酸化処理とは、例えばオゾンや酸などの酸化剤を使用したり、紫外線やプラズマ等を使用して、微多孔膜を構成する重合体分子に直接的に酸素含有官能基を導入する処理のことである。
本発明において使用する組成物には、さらに目的に応じて、酸化防止剤、結晶核剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を混合しても差し支えない。
【0023】
【実施例】
本発明について、以下、実施例、及び比較例に基づいて具体的に説明する。本発明に用いる試験方法は次の通りである。
(1)膜厚
ダイヤルゲージ(尾崎製作所製ピーコックNO.25)を使用して測定する。
(2)気孔率
微多孔膜の体積V(cm)と質量W(g)を測定し、次式を用いて気孔率ε(%)を計算する。式中、ρは樹脂の密度(g/cm)である。
ε=100×(1−W/(ρ×V))
【0024】
(3)マトリクス突き刺し強度
カトーテック社製圧縮試験機KES−G5を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突き刺し速度2mm/秒、測定温度23±2℃の試験条件で突き刺し試験を行い、破壊点における最大荷重E(N)を観測する。最大荷重E、気孔率ε(%)、及び膜厚t(μm)より、次式の通りに規格化してマトリクス突き刺し強度S(N)とする。
S=100×E/(t×(100−ε))
【0025】
(4)最大孔径
バブルポイント法に準拠し、湿潤液体として表面張力γが9〜24mN/mのフロンないしアルコールを使用して、湿潤曲線について、印加圧力及び空気透過量の測定を昇圧モードで行い、得られた湿潤曲線における最初のバブルが発生した圧力PBP(Pa)から、次式により最大孔径dBP(nm)を求める。
BP=10×2.860×γ/PBP
【0026】
(5)熱収縮率
縦横約10cm角に切り取った試料の寸法を測定した後、試料を150℃の熱風循環式オーブンの中に2時間置き、熱収縮試験を行う。試験終了後、試料を十分に冷却し、更に試料を23±2℃の恒温室に2時間置いた後に、再び試料の寸法を測定する。
試験前の縦横の試料寸法をL MD及びL TDとし、試験後の縦横の試料寸法をL MD及びL TDとすると、縦横の熱収縮率CMD及びCTD(%)は次式のように定義する。
MD=100×(L MD−L MD)/L MD
TD=100×(L TD−L TD)/L TD
【0027】
(6)電気抵抗
インピーダンス測定器及び測定用セルを使用する。測定用セルは、電極面積が0.785cmの白金黒電極2枚と、外直径が2cm、内直径が1cm、厚みが1mmのドーナツ状テフロンパッキン2枚を配し、両極間距離が3mmに設定されている。電解液は、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンの1:1混合溶媒に、電解質として1モル/dmの過塩素酸リチウムを溶解したものを使用する。
測定は23±2℃の恒温室にて行う。測定用セルを電解液で充たした後、交流インピーダンスを測定し、R(Ω)とする。
次に、直径2cmの円形に切り出した微多孔膜試料を電解液に含浸し、測定用セルも電解液で充たした後、微多孔膜試料をセットする。上記と同様に測定した交流インピーダンスR(Ω)より、次式の通りに算出したR(Ωcm)を電気抵抗と定義する。
R=(R−R)×0.785
【0028】
(7)高温耐久試験
縦横約10cm角に切り取った試料を金属枠に固定した後に、150℃の熱風循環式オーブンの中に2時間置き、高温耐久試験を行う。試験終了後、試料を十分に冷却し、更に試料を23±2℃の恒温室に2時間置いた後に、試料の電気抵抗を測定する。試験前及び試験後の微多孔膜の電気抵抗を以って、高温耐久性を評価する。
【0029】
[実施例1]
ポリ4−メチルペンテン−1樹脂(三井化学(株)製TPX−MX001)35wt%、流動パラフィン(松村石油(株)製)64.7wt%、及び0.3wt%の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(東京化成工業(株)製)を混合し組成物を調製した。
該組成物を、東洋精機製作所製ラボプラストミルを使用して、260℃で5分間、溶融混練し混練物を得た。得られた混練物を、260℃に加熱した圧縮成形機を使用してシート状にプレスし、続いて25℃の水中に導入して冷却固化させ、厚さ0.5mmのシート状の成形体を得た。
【0030】
得られたシート状の成形体を150℃の熱風循環式オーブン中に置き、熱固定を施し、そして2−ブタノン中に浸漬して流動パラフィンを抽出除去した後、付着した2−ブタノンを乾燥除去して多孔質成形体を得た。
次ぎに試験2軸延伸機を用い、延伸温度150℃で3×3倍の同時2軸延伸を行い、続けて150℃で熱固定を施し、微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の性能評価を行った結果を表1に示す。150℃における熱収縮率は14.2%であった。
【0031】
[実施例2]
実施例1において得られた多孔質成形体に関し、試験2軸延伸機を用いて、延伸温度165℃で3×3倍の同時2軸延伸を行い、続けて165℃で熱固定を施し、微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の性能評価を行った結果を表1に示す。150℃における熱収縮率は9.2%となり、実施例1より更に低減した。
【0032】
[実施例3]
実施例1において得られた多孔質成形体に関し、試験2軸延伸機を用いて、延伸温度175℃で3×3倍の同時2軸延伸を行い、続けて175℃で熱固定を施し、微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の性能評価を行った結果を表1に示す。150℃における熱収縮率は6.6%にも低減した。得られた微多孔膜の高温耐久試験を行ったところ、表1に示す通り、試験の前後で、電気抵抗がほぼ変化無く、耐熱性が良好であった。
【0033】
[比較例1]
ポリ4−メチルペンテン−1樹脂(三井化学(株)製TPX−MX001)40重量%、及びステアリルアルコール(東京化成工業(株)製)60重量%を混合し組成物を調製した。
該組成物を、東洋精機製作所製ラボプラストミルを使用して、260℃で5分間、溶融混練し混練物を得た。得られた混練物を、260℃に加熱した圧縮成形機を使用してシート状にプレスし、厚さ0.4mmのシート状の成形体を得た。
【0034】
得られたシート状の成形体を、50℃に加温したエタノール中に浸漬して、ステアリルアルコールを抽出除去した後、付着したエタノールを乾燥除去して多孔質成形体を得た。
次ぎに試験2軸延伸機を用い、延伸温度150℃で4×4倍の同時2軸延伸を行い、微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の性能評価を行った結果を表1に示す。150℃における熱収縮率は19.3%となった。得られた微多孔膜の高温耐久試験を行ったところ、表1に示す通り、試験の前後で電気抵抗が大きく変化し、耐熱性が低かった。
【0035】
[比較例2]
ポリ4−メチルペンテン−1樹脂(三井化学(株)製TPX−MX001)58.8重量%、及びフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(東京化成工業(株)製)41.2重量%を混合し組成物を調製した。
該組成物を、東洋精機製作所製ラボプラストミルを使用して、260℃で5分間、溶融混練し混練物を得た。得られた混練物を、240℃に加熱した圧縮成形機を使用してシート状にプレスし、140℃に温調した圧縮成形機を使用して冷却固化させて、厚さ0.2mmのシート状の成形体を得た。
得られたシート状の成形体を、試験2軸延伸機を用い、延伸温度20℃で2倍の1軸延伸を行い、更に70℃で熱固定した。
【0036】
30℃に加温したイソプロパノール中に浸漬して、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)を抽出除去した。
次ぎに試験2軸延伸機を用い、延伸温度25℃で1.5倍の1軸延伸を行い、更に70℃で熱固定して微多孔膜を得た。
得られた微多孔膜の性能は、膜厚49μm、及び気孔率18%となり、多孔化の度合いが不充分であった。また、150℃における熱収縮率は、延伸軸方向に23.8%となり耐熱性が低かった。
【0037】
【表1】
Figure 2004224915
【0038】
【発明の効果】
本発明の微多孔膜は、高い耐熱性を有するため、コンデンサー用セパレーターとして有用である。

Claims (3)

  1. ポリメチルペンテン樹脂からなり、気孔率が20〜95%、最大孔径が0.01〜5μm、マトリクス突き刺し強度が0.01N以上、150℃における熱収縮率が0〜15%である微多孔膜。
  2. 気孔率が40〜95%である請求項1記載の微多孔膜。
  3. 請求項1又は2記載の微多孔膜を用いるコンデンサー用セパレーター。
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