JP2002105235A - ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過性能及び突刺強度に優れ、低い孔閉塞温
度と高い破膜温度を有し、高温オーブン特性にも優れて
いるポリオレフィン製微多孔膜を提供すること。 【解決手段】 ポリエチレン及びポリプロピレンからな
り、GPC/FTIRより求められる分子量と末端メチ
ル基濃度との相関が特定の関係を満たすことを特徴とす
る、ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
に適したポリオレフィン製微多孔膜、特にリチウムイオ
ン二次電池用セパレータとして好適に使用されるポリオ
レフィン製微多孔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンを素材とする微多孔膜
は、種々の電池にセパレータとして使用されており、な
かでも、ポリエチレン製微多孔膜は、近年、需要が急増
しているリチウムイオン二次電池において好適に使用さ
れている。ポリエチレン製微多孔膜は、電子絶縁性に優
れる、電解液含浸によりイオン透過性を有する、耐電解
液性・耐酸化性に優れる、適度の強度を持っているなど
の基本特性に加え、電池異常昇温時に120〜150℃
程度の温度において電流を遮断し過度の昇温を抑制する
孔閉塞効果を具備しており、これが好適に使用される理
由とみられる。
【0003】しかし、何らかの原因で孔閉塞後も昇温が
続く場合、膜を構成するポリエチレンの粘度低下及び膜
の収縮により、ある温度で破膜を生じ、再び急激に昇温
し暴走・爆発に至る恐れがある。また、高温、例えば、
150℃オーブンでの電池の耐熱テストにおいても、膜
を構成するポリエチレンの粘度低下及び膜の収縮により
破膜を生じ、暴走・爆発に至る恐れがある。ポリエチレ
ン微多孔膜の耐熱性を高める手段としてはポリプロピレ
ンを混合することが考えられ、これまでに、特開平4−
206257号、特開平6−223802号、特開平1
0−298324号、特開2000−133236号等
で提案がなされている。これらの方法により、破膜温度
は確かに改善方向にあるものの、必ずしも充分とは言え
ない。また、150℃オーブン試験においては、従来の
微多孔膜では破膜の可能性が高いと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電池用セパ
レータ、特にリチウムイオン二次電池用セパレータとし
て、透過性能及び突刺強度に優れ、低い孔閉塞温度と高
い熱破膜温度を有し、高温オーブン特性にも優れたポリ
オレフィン製微多孔膜を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決したものである。即ち、本発明は、(1)ポリエチレ
ン及びポリプロピレンからなるポリオレフィン製微多孔
膜であり、GPC/FTIRより求められる分子量M
(i)の常用対数値と末端メチル基濃度C(M(i))
の値との最小二乗法近似直線関係が、M(i)10万以
上100万以下の分子量範囲において、 C(M(i))=A×log(M(i))+B
(A、Bは定数) −0.015≦A≦2.000 であることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜、
(2)(a)ポリエチレン、ポリプロピレン、可塑剤、
及び酸化防止剤を窒素雰囲気下で溶融混練する工程、
(b)溶融物を押し出し、シート状に成形して冷却固化
する工程、(c)少なくとも一軸方向へ延伸を行う工
程、(d)可塑剤を抽出する工程を含むことを特徴とす
るポリオレフィン製微多孔膜の製造方法に関するもので
ある。
【0006】以下に本発明を詳述する。本発明のポリオ
レフィン製微多孔膜は、ポリエチレンとポリプロピレン
よりなり、それらの混合物より形成されていることが好
ましく、ポリエチレンがマトリクスであることがさらに
好ましい。ポリプロピレンの全膜構成材料に占める割合
としては、本願発明の効果の観点から1%以上が好まし
く、突刺強度と透気度との物性バランスの観点から30
%未満が好ましい。さらに好ましくは、1%以上10%
未満である。
【0007】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の分子量は、ポリエチレン換算の粘度平均分子量で、本
願発明の効果の観点から5万以上が好ましく、製膜性の
観点から100万以下が好ましい。より好ましくは10
万〜80万であり、15万〜60万がさらに好ましい。
本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、GPC/FTI
Rより求められる分子量M(i)の常用対数値と末端メ
チル基濃度C(M(i))の値との最小二乗法近似直線
関係が、M(i)10万以上100万以下の分子量範囲
において、 C(M(i))=A×log(M(i))+B
(A、Bは定数) −0.015≦A≦2.000 である。
【0008】GPC/FTIR測定で求められる分子量
分布と末端メチル基濃度は、いずれも本発明の微多孔膜
を構成するポリエチレンとポリプロピレンの合算値とな
る。分子量M(i)はポリエチレン換算分子量である。
末端メチル基濃度C(M(i))は、メチレン基に帰属
される吸光度I(−CH2−)(吸収波数2925cm
-1)に対するメチル基に帰属される吸光度I(−C
3)(吸収波数2960cm-1)の比I(−CH3)/
I(−CH2−)とする。ここで、C(M(i))はポ
リマーの側鎖末端のメチル基と主鎖末端のメチル基との
和となるが、側鎖末端はポリプロピレンの側鎖メチル基
にほぼ対応し、C(M(i))への影響度合いは大き
い。よって、M(i)とC(M(i))との相関によ
り、膜中のポリプロピレンの分子量分布を把握すること
が出来る。
【0009】本発明では、C(M(i))のlogM
(i)との最小二乗法近似直線関係において定数Aが−
0.015以上2.000以下にあることが必須であ
り、定数Aは−0.012以上1.000以下であるこ
とが好ましく、0以上0.500以下であることがさら
に好ましい。定数Aが−0.015より小さいことは、
膜中において、ポリプロピレンの低分子量成分がポリプ
ロピレンの高分子量成分と比較して非常に多いことを意
味しており、この場合、本発明の優れた効果は発現され
ない。定数Aが2.000を越える微多孔膜を得ること
は実質上困難である。
【0010】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の厚みは、膜強度の観点より3μm以上が好ましく、透
気度の観点より100μm以下が好ましい。より好まし
くは5〜50μmである。本発明のポリオレフィン製微
多孔膜の気孔率は、電池セパレータとして使用される場
合の電解液含浸性の観点から20%以上が好ましく、膜
強度の観点から80%以下が好ましい。より好ましくは
30〜70%である。
【0011】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の透気度は、イオン透過性の観点から1〜2000se
cであることが好ましく、80〜1000secがさら
に好ましい。本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の突刺強度は、0.9〜20.0N/25μmが好まし
く、4.5〜20.0N/25μmがさらに好ましい。
突刺強度が低いと、電池セパレータとして使用される場
合、電極材等の鋭利部が微多孔膜に突き刺さり、ピンホ
ールや亀裂が発生するので、突刺強度は高い方が好まし
い。
【0012】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の孔閉塞温度は、電池組立時の熱乾燥工程及び電池の通
常使用状態での孔閉塞防止の観点より120℃以上が好
ましく、電池異常反応時の孔閉塞性の観点より150℃
以下が好ましい。より好ましくは130〜150℃であ
る。本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜の破膜温
度は185〜300℃である。高い破膜温度を有するこ
とにより、本発明の微多孔膜を組み込んだ電池では、異
常昇温及びそれによる発火を著しく低減できると考えら
れる。
【0013】本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、M
Dを固定した状態及びTDを固定した状態で150℃オ
ーブン中に1時間おいた後でも、破膜しないことを特徴
とする。これにより、本発明の微多孔膜を組み込んだ電
池のオーブン安全性は、従来より著しく向上すると考え
られる。次に、本発明の微多孔膜の製造方法の例を説明
する。本発明の微多孔膜は、例えば、以下の(a)〜
(d)の工程を含む方法により得られる。
【0014】(a)ポリエチレン、ポリプロピレン、可
塑剤、及び酸化防止剤を窒素雰囲気下で溶融混練する工
程。 (b)溶融物を押し出し、シート状に成形して冷却固化
する工程。 (c)少なくとも一軸方向へ延伸を行う工程。 (d)可塑剤を抽出する工程。 これらの工程の順序及び回数については特に制限はない
が、(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工程
の順序、 (a)工程→(b)工程→(c)工程→
(d)工程→(c)工程の順序、或いは(a)工程→
(b)工程→(d)工程→(c)工程の順序が好まし
く、 (a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工
程の順序、 (a)工程→(b)工程→(c)工程→
(d)工程→(c)工程の順序がさらに好ましい。
【0015】本発明では、1種類或いは複数のポリエチ
レンを使用することが出来る。使用するポリエチレンと
しては、エチレンホモポリマー或いはエチレン−α−オ
レフィンコポリマーが挙げられるが、使用する全ポリエ
チレンにおけるα−オレフィン含量は2モル%以下とす
ることが好ましく、全てエチレンホモポリマーであるこ
とが好ましい。α−オレフィンコモノマーの種類には特
に制限はない。使用するポリエチレンの粘度平均分子量
は、3万〜300万であることが好ましい。使用するポ
リエチレンの重合触媒には特に制限はない。また、使用
するポリエチレンの重合方法として、一段重合、二段重
合、もしくはそれ以上の多段重合等があるが、いずれの
方法のポリエチレンも使用可能である。
【0016】本発明では、1種類或いは複数のポリプロ
ピレンを使用することが出来る。使用するポリプロピレ
ンとしては、プロピレンホモポリマー、エチレン−プロ
ピレンランダムコポリマー、エチレン−プロピレンブロ
ックコポリマーが挙げられるが、使用する全ポリプロピ
レンにおけるエチレン含量は1モル%以下とすることが
好ましく、全てプロピレンホモポリマーであることが好
ましい。使用するポリプロピレンの粘度平均分子量は1
0万〜500万であることが好ましく、20万〜100
万であることがさらに好ましい。使用するポリプロピレ
ンの重合触媒には特に制限はない。
【0017】本発明の製造方法では、酸化防止剤を添加
することが必須である。酸化防止剤の濃度は、0.3〜
3.0wt%が好ましく、0.5〜2.0wt%がさら
に好ましい。酸化防止剤としては、1次酸化防止剤であ
るフェノール系酸化防止剤が好ましく、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリチル
−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート等が挙げられる。なお、2次酸化
防止剤である、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジフォスフォ
ナイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリル−チオ−ジプ
ロピオネート等のイオウ系酸化防止剤も、必要に応じて
フェノール系酸化防止剤と併用して追加使用することが
出来る。
【0018】また、必要に応じて、ステアリン酸カルシ
ウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等の公知
の添加剤も混合して使用することが出来る。さらに、ポ
リエチレン及びポリプロピレン以外のポリマー材料や他
の有機及び無機材料についても、電池用セパレータとし
ての性能を損なうことなく、製膜性を損なうことなく、
そして本発明の要件及び効果を損なわない範囲で配合す
ることができる。
【0019】本発明の製造方法で使用される可塑剤は、
ポリエチレン及びポリプロピレンと混合した際に、その
融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒を
指す。例えば、流動パラフィンやパラフィンワックス等
の炭化水素類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジヘプチルフタレートなどが挙
げられるが、炭化水素類が好ましい。本発明の製造方法
で使用される可塑剤の(a)工程において溶融混練され
る全混合物中に占める質量割合は、膜の気孔率の観点か
ら20〜80wt%が好ましく、30〜70wt%がさ
らに好ましい。
【0020】本発明の製造方法で使用される抽出溶媒と
しては、ポリエチレン及びポリプロピレンに対して貧溶
媒であり、且つ可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点が
ポリエチレン及びポリプロピレンの融点よりも低いもの
が望ましい。このような抽出溶媒としては、n−ヘキサ
ンやシクロヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、塩化メチレン、1,1,1−トリ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒が
挙げられる。この中から適宜選択し、単独もしくは混合
して用いられる。
【0021】本発明の製造方法における(a)工程の溶
融混練の方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、
リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合後、
一軸押出し機、二軸押出し機等のスクリュー押出し機、
ニーダー、バンバリーミキサー等により溶融混練させる
方法が挙げられる。溶融混練する方法としては、連続運
転可能な押出し機が好ましく、二軸押出し機が混練性に
優れる点でさらに好ましい。可塑剤は、上記ヘンシェル
ミキサー等で原料ポリマーと混合しても良く、また、溶
融混練時に押出し機に直接フィードしても良い。
【0022】本発明の製造方法では、溶融混練を窒素雰
囲気下で行うことが必須である。高濃度の酸化防止剤を
配合すること及び溶融混練を窒素雰囲気下で行うことに
より、本発明の要件を満たし本発明の効果を有する微多
孔膜を得ることが可能となる。溶融混練時の温度は、均
一な混練物を得るために160℃以上が好ましく、本願
の要件を満たすため300℃以下が好ましい。より好ま
しくは、180〜250℃である。
【0023】次に、本発明の製造方法における(b)工
程のシート成形方法としては、例えば、T−ダイを装着
した押出し機より溶融物を押出し、冷却することによっ
て得る方法が挙げられる。冷却方法としては、冷風や冷
却水等の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却し
たロールに接触させる方法等が挙げられるが、冷媒で冷
却したロールに接触させる方法が厚み制御が優れる点で
好ましい。
【0024】本発明の製造方法における(c)工程の延
伸方法としては、例えば、一軸延伸機による延伸や、同
時二軸延伸機による延伸により行うことができる。
(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工程の順
序で製造する場合においては、延伸倍率は面倍率で20
倍以上が好ましく、40倍以上がさらに好ましい。延伸
温度は100〜135℃が好ましく、110〜130℃
がさらに好ましい。本発明の製造方法における(d)の
抽出工程では、前記の抽出溶媒に浸漬することにより全
可塑剤を抽出し、その後充分に乾燥させる。抽出によ
り、膜中の可塑剤残量を1wt%未満とすることが好ま
しい。
【0025】以上の工程を経て得られたポリオレフィン
製微多孔膜は、さらに、収縮低減のため熱固定処理を行
うことが好ましい。熱固定処理を行うことにより、高温
雰囲気下での膜の収縮を低減することが出来る。熱固定
は、例えばTDテンターにより、100〜135℃程度
の温度範囲でTD方向の応力を緩和させることにより施
すことが出来る。また、本発明の効果を損なわない範囲
で、電子線照射、プラズマ照射、界面活性剤塗布、化学
的改質などの表面処理を必要に応じ施すことが出来る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例によって
本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を
制限しない。本発明で用いた各種物性は、以下の試験方
法に基づいて測定した。 (1)定数Aの算出 GPC/FTIR測定より、微多孔膜の分子量M(i)
の分布と末端メチル基濃度C(M(i))を求める。M
(i)はポリエチレン換算分子量である。C(M
(i))は、メチレン基に帰属される吸光度I(−CH
2−)(吸収波数2925cm-1)に対するメチル基に
帰属される吸光度I(−CH3)(吸収波数2960c
-1)の比I(−CH3)/ I(−CH2−)である。
logM(i)とC(M(i))との相関について、M
(i)10万以上100万以下の分子量範囲で最小二乗
法直線近似することにより、定数Aは得られる。 C(M(i))=A×log(M(i))+B
(A、Bは定数)
【0027】なお、GPC/FTIR測定は以下の条件
で行った。 [装置] Waters社製 ALC/GPC 150C型 [測定条件] カラム:昭和電工(株)製AT−807S(1本)と東
ソー(株)製GMH−HT6(2本)を直列に接続 移動相:トリクロロベンゼン(TCB) カラム温度:140℃ 流量:1.0ml/分 試料調製:20〜30mgの微多孔膜を、0.1wt%
の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを溶
解させたTCB溶液20mlへ140℃に加温して溶解
させる 検出器:パーキンエルマー(株)社製FT−IR 17
60X
【0028】(2)膜厚(μm) 東洋精機製の微小測厚器(タイプKBM)を用いて室温
23℃で測定した。 (3)気孔率(%) 10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、
その体積(cm3 )と重量(g)を求め、それらとポリ
エチレンの全構成材料に占める重量比(WPE、wt
%)、ポリプロピレンの全構成材料に占める重量比(W
PP、wt%)、ポリエチレンの密度(ρPE、g/c
3)、ポリプロピレンの密度(ρPP、g/cm3)よ
り、次式を用いて計算した。 気孔率=(体積−重量×((WPE/100)/ρPE
(WPP/100)/ρ PP))/体積×100
【0029】(4)透気度(sec) JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計
(東洋精器(株)製G−B2型)により測定した。 (5)突刺強度(N/25μm) カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用
いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/
secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷
重として生の突刺強度(N)が得られる。これに25
(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより25μm膜
厚換算突刺強度(N/25μm)を算出した。
【0030】(6)孔閉塞温度(℃)及び破膜温度
(℃) 厚さ10μmのニッケル箔を2枚(A、B)用意し、一
方のニッケル箔Aを縦15mm、横10mmの長方形部
分を残してテフロン(登録商標)テープでマスキングす
ると共に、他方のニッケル箔Bには測定試料の微多孔膜
を置き、微多孔膜の両端をテフロンテープで固定した。
このニッケル箔Bを規定の電解液に浸漬して微多孔膜に
電解液を含浸させた後、これらニッケル箔A、Bを張り
合わせ2枚のガラス板で両側を押さえた。このようにし
て作成したニッケル箔電極を25℃のオーブンに入れ2
00℃まで2℃/minで昇温した。この際のインピー
ダンス変化を交流1V、1kHzの条件下で測定した。
この測定において、インピーダンスが1000Ωに達し
た時点の温度を孔閉塞温度とした。また、孔閉塞状態に
達した後、再びインピーダンスが1000Ωを下回った
時点の温度を破膜温度とした。
【0031】なお、規定の電解液の組成比は以下の通り
である。 溶媒の組成比(体積比):炭酸プロピレン/炭酸エチレ
ン/δ−ブチルラクトン=1/1/2 溶質の組成比:上記溶媒にてLiBF4を1mol/リ
ットルの濃度になるように溶かす (7)150℃オーブン試験 60×40mm長方角の試料を微多孔膜よりMDが長
手方向、TDが長手方向となるようにそれぞれ切り取
り、外寸60mm、内寸40mm、厚さ1mmの正方形
のSUS枠に、枠内が試料で全て覆われるように中心位
を合わせて置き、試料が枠に重なった部分をテフロン粘
着テープで固定することにより、MD固定試料、T
D固定試料を作成する。作成した試料は、あらかじめ1
50℃に設定したオーブンへ速やかに入れる。この時、
試料に直接熱風が当たらないよう置く場所に注意する。
1時間経過後、試料をオーブンより取り出し、状態を観
察する。
【0032】(8)粘度平均分子量Mv ASTM D4020に基づき、デカリン溶媒における
135℃での極限粘度[η]を求める。ポリエチレンの
Mvは次式により算出した。 [η]=6.77×10-4Mv0.67 ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出し
た。 [η]=1.10×10-4Mv0.80 (9)密度(g/cm3) ASTMーD1505に準拠し、密度勾配管法(23
℃)で測定した。
【0033】
【実施例1】Mv30万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレン95wt%(WPE)とMv4
0万、密度(ρPP)0.91g/cm3のホモのポリプ
ロピレン5wt%(WPP)をタンブラーブレンダーを用
いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物9
9.4wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−
テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]を0.6wt%添
加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレン
ドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られた
ポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った後に、二
軸押出し機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給し
た。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度
75.9cSt)を押出し機シリンダーにポンプにより
注入した。
【0034】溶融混練し押し出される全混合物中に占め
る流動パラフィン量比は55wt%となるように、フィ
ーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温
度200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量1
5kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダイ
を経て表面温度30℃に制御された冷却ロール上に押出
しキャストすることにより、厚み1600μmのゲルシ
ートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二
軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、
TD倍率6.4倍、設定温度120℃である。
【0035】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.4倍、最終延伸倍
率1.1倍、最大延伸時設定温度115℃、最終延伸時
設定温度127℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度の測定を行った。さらに、150℃オーブン試験
を実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方
向への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなか
った。以上の測定結果を表1に記載した。また、GPC
/FTIRのチャートを図1に示した。
【0036】
【実施例2】Mv30万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレン95wt%(WPE)とMv4
0万、密度(ρPP)0.91g/cm3のホモのポリプ
ロピレン5wt%(WPP)をタンブラーブレンダーを用
いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物9
9.0wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−
テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]を1.0wt%添
加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレン
ドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られた
ポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った後に、二
軸押出し機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給し
た。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度
75.9cSt)を押出し機シリンダーにポンプにより
注入した。
【0037】溶融混練し押し出される全混合物中に占め
る流動パラフィン量比は55wt%となるように、フィ
ーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温
度200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量1
5kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダイ
を経て表面温度30℃に制御された冷却ロール上に押出
しキャストすることにより、厚み1350μmのゲルシ
ートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二
軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、
TD倍率6.4倍、設定温度121℃である。
【0038】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、最終延伸倍
率1.3倍、最大延伸時設定温度123℃、最終延伸時
設定温度128℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度の測定を行った。さらに、150℃オーブン試験
を実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方
向への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなか
った。以上の測定結果を表1に記載した。
【0039】
【実施例3】Mv20万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレン95wt%(WPE)とMv4
0万、密度(ρPP)0.91g/cm3のホモのポリプ
ロピレン5wt%(WPP)をタンブラーブレンダーを用
いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物9
9.0wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−
テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]を1.0wt%添
加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレン
ドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られた
ポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った後に、二
軸押出し機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給し
た。
【0040】また流動パラフィン(37.78℃におけ
る動粘度75.9cSt)を押出し機シリンダーにポン
プにより注入した。溶融混練し押し出される全混合物中
に占める流動パラフィン量比は50wt%となるよう
に、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件
は、設定温度200℃、スクリュー回転数200rp
m、吐出量15kg/hで行った。続いて、溶融混練物
を、T−ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロ
ール上に押出しキャストすることにより、厚み1050
μmのゲルシートを得た。
【0041】次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二
軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、
TD倍率6.4倍、設定温度118℃である。次に、メ
チルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充
分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチ
ルエチルケトンを乾燥除去した。さらに、TDテンター
熱固定機に導き、熱固定を行った。熱固定条件は、最大
延伸倍率1.5倍、最終延伸倍率1.3倍、最大延伸時
設定温度123℃、最終延伸時設定温度128℃であ
る。得られた微多孔膜について、GPC/FTIRの測
定を行い、定数Aを算出した。また、膜厚、気孔率、透
気度、突刺強度、孔閉塞温度、破膜温度の測定を行っ
た。さらに、150℃オーブン試験を実施したところ、
MD固定/TD固定共に、非固定方向への幾分かの収縮
は見られたが、破膜は生じていなかった。以上の測定結
果を表1に記載した。
【0042】
【実施例4】Mv40万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレン95wt%(WPE)とMv4
0万、密度(ρPP)0.91g/cm3のホモのポリプ
ロピレン5wt%(WPP)をタンブラーブレンダーを用
いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物9
9.0wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−
テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]を1.0wt%添
加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレン
ドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られた
ポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った後に、二
軸押出し機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給し
た。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度
75.9cSt)を押出し機シリンダーにポンプにより
注入した。
【0043】溶融混練し押し出される全混合物中に占め
る流動パラフィン量比は60wt%となるように、フィ
ーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温
度200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量1
2kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダイ
を経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出
しキャストすることにより、厚み1250μmのゲルシ
ートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二
軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、
TD倍率6.4倍、設定温度121℃である。
【0044】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、最終延伸倍
率1.3倍、最大延伸時設定温度122℃、最終延伸時
設定温度127℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度の測定を行った。さらに、150℃オーブン試験
を実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方
向への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなか
った。以上の測定結果を表1に記載した。
【0045】
【実施例5】Mv53万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレン95wt%(WPE)とMv4
0万、密度(ρPP)0.91g/cm3のホモのポリプ
ロピレン5wt%(WPP)をタンブラーブレンダーを用
いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物9
9.0wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−
テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]を1.0wt%添
加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレン
ドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られた
ポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った後に、二
軸押出し機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給し
た。また流動パラフィン(37.78℃における動粘度
75.9cSt)を押出し機シリンダーにポンプにより
注入した。
【0046】溶融混練し押し出される全混合物中に占め
る流動パラフィン量比は65wt%となるように、フィ
ーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温
度200℃、スクリュー回転数210rpm、吐出量1
2kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダイ
を経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出
しキャストすることにより、厚み950μmのゲルシー
トを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸
延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、T
D倍率6.4倍、設定温度121℃である。
【0047】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、最終延伸倍
率1.3倍、最大延伸時設定温度123℃、最終延伸時
設定温度128℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度の測定を行った。さらに、150℃オーブン試験
を実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方
向への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなか
った。以上の測定結果を表1に記載した。
【0048】
【比較例1】Mv30万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレン95wt%(WPE)とMv4
0万、密度(ρPP)0.91g/cm3のホモのポリプ
ロピレン5wt%(WPP)をタンブラーブレンダーを用
いてドライブレンドした。得られた純ポリマー混合物9
9.7wt%に酸化防止剤としてペンタエリスリチル−
テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3wt%添
加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレン
ドすることにより、ポリマー等混合物を得た。得られた
ポリマー等混合物は窒素置換を行うことなく、二軸押出
し機へフィーダーにより供給した。また流動パラフィン
(37.78℃における動粘度75.9cSt)を押出
し機シリンダーにポンプにより注入した。溶融混練し押
し出される全混合物中に占める流動パラフィン量比は5
5wt%となるように、フィーダー及びポンプを調整し
た。溶融混練条件は、設定温度200℃、スクリュー回
転数250rpm、吐出量15kg/hで行った。
【0049】続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表
面温度30℃に制御された冷却ロール上に押出しキャス
トすることにより、厚み1350μmのゲルシートを得
た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を
行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率
6.4倍、設定温度120℃である。次に、メチルエチ
ルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬
して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチル
ケトンを乾燥除去した。
【0050】さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱
固定を行った。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、
最終延伸倍率1.3倍、最大延伸時設定温度124℃、
最終延伸時設定温度129℃である。得られた微多孔膜
について、GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算
出した。また、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉
塞温度、破膜温度の測定を行った。さらに、150℃オ
ーブン試験を実施したところ、MD固定/TD固定共
に、破膜して枠より外れていた。以上の測定結果を表1
に記載した。
【0051】
【比較例2】Mv30万、密度(ρPE)0.95g/c
3のホモのポリエチレンのみ(つまりWPE=100
%、WPP=0%である)を99.7wt%に、酸化防止
剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]を0.3wt%添加し、タンブラーブ
レンダーを用いてドライブレンドすることにより、ポリ
マー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は窒素
置換を行うことなく、二軸押出し機へフィーダーにより
供給した。また流動パラフィン(37.78℃における
動粘度75.9cSt)を押出し機シリンダーにポンプ
により注入した。溶融混練し押し出される全混合物中に
占める流動パラフィン量比は55wt%となるように、
フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設
定温度200℃、スクリュー回転数250rpm、吐出
量15kg/hで行った。
【0052】続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表
面温度30℃に制御された冷却ロール上に押出しキャス
トすることにより、厚み1800μmのゲルシートを得
た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を
行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率
6.4倍、設定温度126℃である。次に、メチルエチ
ルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬
して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチル
ケトンを乾燥除去した。
【0053】さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱
固定を行った。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、
最終延伸倍率1.3倍、最大延伸時設定温度123℃、
最終延伸時設定温度128℃である。得られた微多孔膜
について、GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算
出した。また、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉
塞温度、破膜温度の測定を行った。さらに、150℃オ
ーブン試験を実施したところ、MD固定/TD固定共
に、破膜して枠より外れていた。以上の測定結果を表1
に記載した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、
透過性能及び突刺強度に優れ、低い孔閉塞温度と高い破
膜温度を有し、高温オーブン特性にも優れている。それ
により、従来の微多孔膜よりも高性能な二次電池を得る
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のGPC/FTIRのチャート図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA17 AA17A AA24 AA24A AD00 AD11 CA01 CA02 CA03 CB01 CB03 CB16 CB17 CB28 CB31 CB34 CB37 CB43 CC02X CC22X CC45 DA02 DA10 DA22 DA23 DA49 5H021 BB01 BB02 BB04 BB05 BB13 EE04 EE31 HH00 HH07 5H029 AJ01 AM03 AM07 CJ02 CJ06 CJ28 DJ04 DJ14 EJ11 EJ12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン及びポリプロピレンからな
    るポリオレフィン製微多孔膜であり、GPC/FTIR
    より求められる分子量M(i)の常用対数値と末端メチ
    ル基濃度C(M(i))の値との最小二乗法近似直線関
    係が、M(i)10万以上100万以下の分子量範囲に
    おいて、 C(M(i))=A×log(M(i))+B
    (A、Bは定数) −0.015≦A≦2.000 であることを特徴とする、ポリオレフィン製微多孔膜。
  2. 【請求項2】 (a)ポリエチレン、ポリプロピレン、
    可塑剤、及び酸化防止剤を窒素雰囲気下で溶融混練する
    工程、(b)溶融物を押し出し、シート状に成形して冷
    却固化する工程、(c)少なくとも一軸方向へ延伸を行
    う工程、(d)可塑剤を抽出する工程を含むことを特徴
    とする、ポリオレフィン製微多孔膜の製造方法。
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