JP2008297349A - 多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶剤を用いる必要がなく(環境負荷が低く)、膜中の無機充填剤を容易に抽出除去することができ、高性能の多孔質フィルムを生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。また、多孔質フィルムからなる非水電解質電池用セパレータ、及び非水電解質電池用セパレータを備えた非水電解質電池を提供することを目的とする。
【解決手段】重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを10重量%以上含む樹脂成分、無機充填剤、及びグリフィン法によって定義されるHLB値が6以上の界面活性剤を含有する樹脂シートを延伸処理して延伸フィルムを作製し、その後、水又水溶液を用いて前記延伸フィルムから前記無機充填剤を抽出除去することを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂成分を含む多孔質フィルムの製造方法、該多孔質フィルムからなる非水電解質電池用セパレータ、及び該非水電解質電池用セパレータを備えた非水電解質電池に関する。
リチウムなどの軽金属を電極とする非水電解液電池は、エネルギー密度が高く自己放電も少ないため、電子機器の高性能化、小型化などを背景として利用範囲を大きく広げてきている。このような非水電解液電池の電極としては帯状の正極、負極、及びセパレータを積層し巻回して構成することにより、広い有効電極面積を確保した渦巻状巻回体が用いられている。
セパレータは、基本的には両極の短絡を防止するとともに、その微多孔構造によりイオンを透過させて電池反応を可能とするものであるが、誤接続などにより異常電流が発生した場合に電池内部温度の上昇に伴い樹脂が熱変形して微多孔を塞ぎ電池反応を停止させる、いわゆるシャットダウン機能(SD機能)を有するものが安全性向上の観点から採用されている。このようなSD機能を有するセパレータとしては、例えば、ポリエチレン製微多孔膜やポリエチレンとポリプロピレンとの多層構造の微多孔膜などが知られている。
このような微多孔膜は、例えば以下の方法により製造されている。
樹脂成分と無機粉体及び/又は無機繊維及び鉱物オイルからなる混合物を混練・加熱溶融しながらシート状に成形した後、該シートを延伸し、次に鉱物オイルを抽出除去してセパレータを製造する方法が提案されている(特許文献1)。
また、超高分子量ポリエチレンを主成分とするポリエチレンフィルムを、ポリエチレンを膨潤させることのできる第1溶媒に接触させながら延伸し、該延伸フィルムを前記第1溶媒よりもポリエチレンを膨潤させる能力の小さい第2溶媒に接触させ、延伸フィルム中に残存する溶媒を低減することを特徴とするポリエチレン多孔質膜の製造方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、前記方法は、大量の有機溶剤を用いる必要があるため生産性が悪いという問題があった。特に、微多孔膜の機械的強度を向上させるために超高分子量ポリエチレンを用いた場合には、押出し成型や延伸のために粘度を下げる必要があり、そのため大量の有機溶剤を用いざるを得ない。
一方、有機溶剤を用いない微多孔膜の製造方法として、高密度ポリエチレン樹脂とゴム成分と充填剤を含む樹脂組成物を延伸する方法が提案されている(特許文献3)。しかし、該方法においても樹脂組成物の粘度を下げ、充填剤表面からのポリエチレン樹脂の界面剥離性を高めて多孔化を促進させるために可塑剤を加えることが必要であり、延伸後には多量の有機溶剤で可塑剤を抽出除去する必要がある。また、得られた微多孔膜を電池用セパレータとして用いる場合、充填剤が微多孔膜中に残存しているとイオンの移動が妨げられたり、高温時のシャットダウン機能が不十分になるため、充填剤を抽出除去することが望ましいが、膜中の充填剤を抽出除去することは非常に困難であった。
特開平10−50287号公報 特開平11−181134号公報 特開2005−343933号公報
そこで、本発明の目的は、有機溶剤を用いる必要がなく(環境負荷が低く)、膜中の無機充填剤を容易に抽出除去することができ、高性能の多孔質フィルムを生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。また、多孔質フィルムからなる非水電解質電池用セパレータ、及び非水電解質電池用セパレータを備えた非水電解質電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記製造方法により上記目的を達成できることを見出した。
即ち、本発明の多孔質フィルムの製造方法は、重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを10重量%以上含む樹脂成分、無機充填剤、及びグリフィン法によって定義されるHLB値が6以上の界面活性剤を含有する樹脂シートを延伸処理して延伸フィルムを作製し、その後、水又水溶液を用いて前記延伸フィルムから前記無機充填剤を抽出除去することを特徴とする。
本発明の多孔質フィルムの製造方法は、延伸フィルム中に無機充填剤とグリフィン法によって定義されるHLB値が6以上の界面活性剤を添加したことに特徴がある。無機充填剤を加えることにより多孔質フィルムの孔径を調節することができる。また、無機充填剤を用いているため、その抽出除去の際に抽出溶剤として水又は水溶液を用いることができる。また、グリフィン法によって定義されるHLB値が6以上の界面活性剤を加えることにより原料混練時の粘度が下がるため樹脂シートの成形性が向上するだけでなく、延伸フィルムの親水性が向上するため、膜中の無機充填剤が抽出除去されやすくなる。
前記無機充填剤は平均粒径0.05〜5μmの炭酸カルシウムであることが好ましく、前記水溶液は酸性水溶液であることが好ましい。炭酸カルシウムは酸性水溶液で迅速に溶解抽出されるため好ましい。また、平均粒径が0.05μm未満の場合には、粒子間の凝集力が大きくなって2次粒子による粗大な孔が多く生成するため、セパレータとしての機能を低下させる傾向にある。一方、平均粒径が5μmを超える場合には、孔径が大きくなるため、セパレータとしての機能を低下させる傾向にある。
本発明の非水電解質電池用セパレータは、上記多孔質フィルムからなるため、透過性能および機械的強度に優れると共に、高温での耐破膜性に優れ、特に高性能電池に好適に使用することができる。従って、このような非水電解質電池用セパレータを備えた非水電解質電池は、特に安全性に優れた高性能電池であり、種々の用途に適用することができる。
本発明の多孔質フィルムは、重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを10重量%以上含む樹脂成分、無機充填剤、及びグリフィン法によって定義されるHLB値が6以上の界面活性剤を含有する樹脂シートを延伸処理して延伸フィルムを作製し、その後、水又水溶液を用いて前記延伸フィルムから前記無機充填剤を抽出除去することにより製造される。
樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテンなどのポリオレフィン樹脂、エチレン−アクリルモノマー共重合体などの変性ポリオレフィン樹脂などがあげられる。多孔質フィルムの機械的強度を高くする観点から、重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを樹脂成分中に10重量%以上用いることが必要であり、好ましくは20重量%以上である。前記超高分子量ポリエチレンは、ホモポリマーであってもよく、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、及びオクテン等のα−オレフィン単位を4モル%以下の割合で含む共重合体であってもよい。
また、重量平均分子量50万以下のポリオレフィン類、熱可塑性エラストマーおよびグラフトコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を添加してもよい。これら樹脂を添加することにより低温でシャットダウン機能を発現させることができる。
重量平均分子量50万以下のポリオレフィン類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、エチレン−アクリルモノマー共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの変性ポリオレフィン樹脂があげられる。
熱可塑性エラストマーとしてはポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリジエン系、塩ビ系、ポリエステル系、ポリアミド系、及びポリウレタン系などの熱可塑性エラストマーがあげられる。
グラフトコポリマーとしては、ポリオレフィン鎖を有するものであれば特に制限されず、例えば、主鎖にポリオレフィン、側鎖にポリオレフィンとは非相溶性のビニル系ポリマーなどを有するグラフトコポリマーがあげられる。グラフト成分としては、ポリアクリル類、ポリメタクリル類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキシアルキレン類が好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも重量平均分子量50万以下のポリオレフィン樹脂、特に低融点のポリエチレンや、結晶性を有するポリオレフィン系エラストマー、溶融温度の低いポリメタクリル類を側鎖に有するグラフトコポリマーなどが、低いシャットダウン温度をもたらす点で好ましい。
これら樹脂は、樹脂成分中に30〜90重量%添加することが好ましく、より好ましくは40〜80重量%である。添加量が30重量%未満の場合には、シャットダウン機能が十分に発揮されず、90重量%を超える場合には多孔質フィルムの機械的強度が低下する傾向にある。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどの塩化物、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうち、炭酸カルシウムは弱酸性水溶液で迅速に溶解抽出されるため好適である。
前記無機充填剤は、平均粒径が0.05〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
また、前記無機充填剤の添加量は、樹脂成分100重量部に対して50〜400重量部であることが好ましく、より好ましくは100〜200重量部である。無機充填剤の添加量が50重量部未満の場合には、多孔質フィルムの空孔が少なくなって膜の透過性が低下するため電池用セパレータとしての性能が悪くなる傾向にある。一方、無機充填剤の添加量が400重量部を超える場合には、無機充填剤の凝集力が大きくなって分散不良が起こり、均一な微細空孔を形成しにくくなる傾向にある。
界面活性剤は、水溶性の観点からグリフィン法によって定義されるHLB値(=20×親水部の式量の総和/分子量)が6以上のものを用いることが必要であり、好ましくはHLB値が10以上のものである。HLB値が6未満の場合には、湿潤性が乏しくなるため水又は水溶液を延伸フィルム内部に迅速に浸透させることが困難になり、無機充填剤を完全かつ迅速に溶解抽出することが困難になる。
HLB値が6以上の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、及びポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルなどが挙げられる。具体的には、
HLB値9.2〜17.3のポリオキシエチレンラウリルエーテル、
HLB値11.9〜17.5のポリオキシエチレンセチルエーテル、
HLB値9.0〜16.6のポリオキシエチレンオレイルエーテル、
HLB値10.7〜16.5のポリオキシエチレンステアリルエーテル、
HLB値13.0のポリオキシエチレン牛脂肪酸エーテル、
HLB値9.8〜17.9のポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、
HLB値9.5〜18.7のポリオキシエチレンノルフェノールエーテル、
HLB値9.5〜17.7のポリオキシエチレンラウレート、
HLB値13.8〜18.1のポリオキシエチレンパルミテート、
HLB値8.0〜18.2のポリオキシエチレンステアレート、
HLB値7.9〜17.2のポリオキシエチレンオレエート、
HLB値12.8のポリオキシエチレン牛脂肪酸エステル、
HLB値16.7のポリオキシエチレンソルビタン・モノラウレート、
HLB値15.6のポリオキシエチレンソルビタン・モノパルミテート、
HLB値14.9のポリオキシエチレンソルビタン・モノステアレート、
HLB値15.0のポリオキシエチレンソルビタン・モノオレエート、などが挙げられる。
特に、化学的安定性の観点からポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることが好ましい。
また、前記界面活性剤の添加量は、無機充填剤の添加量や平均粒径などによって変わるが、無機充填剤の添加量が多くなるほど、平均粒径が小さくなるほど界面活性剤の添加量は増加する傾向にある。界面活性剤の添加量は、無機充填剤100重量部に対して5〜15重量部であることが好ましい。
なお、前記樹脂シート中には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、耐電防止剤、造核剤等の添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
次に、本発明による多孔質フィルムの製造方法について説明する。
本発明による多孔質フィルムの製造には、乾式製膜法に関する公知の方法を利用することができる。例えば、前記樹脂成分と無機充填剤と界面活性剤とを混練し、加熱溶融した後、冷却して樹脂シートを形成する。その後、樹脂シートを一軸方向以上に延伸し、水又水溶液を用いて延伸フィルムから無機充填剤を抽出除去することにより製造できる。
樹脂成分と無機充填剤と界面活性剤とを混練して樹脂シートを形成する工程は、公知の方法により行うことができる。例えば、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いてバッチ式で混練し、次に、冷却された金属板に混合物を挟み込み、冷却して急冷結晶化によりシート状に成形する方法、又はTダイなどを取り付けた押出機などを用いてシート状に成形する方法などがあげられる。なお、混練は、適当な温度条件下であればよいが、好ましくは100〜200℃である。
このようにして得られる樹脂シートの厚みは特に限定されないが、3〜20mmが好ましく、更にヒートプレスなどの圧延処理を行って0.5〜3mmの厚みにしてもよい。圧延処理の温度は100〜140℃が好ましい。
前記樹脂シートの延伸処理の方式としては、特に限定されるものではなく、通常のテンター法、ロール法、インフレーション法またはこれらの方法の組み合わせであってもよく、公知の延伸方式も適用することができる。二軸延伸の場合、縦横同時延伸または逐次延伸のいずれでもよい。膜の均一性、強度の観点から、なかでも同時二軸延伸にて製膜するのが好ましい。延伸処理の温度は、100〜140℃であることが好ましい。
その後、得られた延伸フィルムから無機充填剤を抽出除去して多孔質構造を形成する。抽出溶剤としては、添加した無機充填剤を溶解する水又水溶液を適宜選択して用いる。無機充填剤として炭酸カルシウムを用いた場合には、酸性水溶液を用いることが好ましい。酸としては、塩酸、硝酸などの無機酸、酢酸、クエン酸などの有機酸が好ましく用いられる。硫酸、リン酸、シュウ酸などの難溶性のカルシウム塩を生成する酸は、抽出効率を下げるため好ましくない。
抽出方法は特に制限されないが、例えば、延伸フィルムを水又水溶液中に浸漬して無機充填剤を溶解抽出する方法、水又水溶液を延伸フィルムにシャワーする方法などがあげられる。
無機充填剤を除去して多孔質フィルムを得た後、収縮率抑制のため熱処理を行うのが好ましい。その際、一回で熱処理する一段式熱処理法でも、又は最初に低温でまず熱処理し、その後さらに高温での熱処理を行う多段式熱処理法でもよく、あるいは昇温しながら熱処理する昇温式熱処理法でもよい。但し、通気度等の多孔質フィルムの元の諸特性を損なうことなく処理することが望ましい。熱処理する際の温度は、多孔質フィルムの組成にもよるが、110〜140℃が好ましい。熱処理時間は0.5〜2時間程度である。
本発明の多孔質フィルムの厚みとしては1〜60μm、好ましくは5〜50μmである。その空孔率は、20〜80%が好ましく、25〜75%がより好ましい。その通気度としては、例えばJIS P8117に準拠した方法で100〜1000秒/100cc、好ましくは100〜600秒/100ccである。そのシャットダウン温度としては150℃以下、好ましくは140℃以下である。その機械的強度は、例えば、突き刺し強度にて1.5N以上が好ましく、2N以上がより好ましい。なお、該突き刺し強度の測定方法は、後述の実施例に記載の方法があげられる。
本発明の多孔質フィルムは、透過性能及び機械的強度に優れると共に、特に高温での耐破膜性に優れるものである。該多孔質フィルムを非水電解質電池用セパレータとして使用することにより、非水電解質電池の様々な大きさや用途に対してより安全性を向上させることができる。
本発明の多孔質フィルムは従来のセパレータと同様に、正極と負極の間に介在せしめた状態で用いて電池を組み立てることができる。この際の正極、負極、電池ケース、電解液等の材質やこれら構成要素の配置構造も何ら格別なことは要求されず、従来と同様で良く、例えば特開昭63−205048号公報に示される通りであってよい。
本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、各種特性については、下記要領にて測定を行なった。
〔重量平均分子量〕
ウォーターズ社製のゲル浸透クロマトグラフ[GPC−150C]を用い、溶媒にo−ジクロロベンゼンを、また、カラムとして昭和電工(株)製の[Shodex−80M]を用いて135℃で測定した。デー夕処理は、TRC社製データ収集システムを用いて行なった。分子量はポリスチレンを基準として算出した。
〔フィルム厚〕
1/10000 シックネスゲージによる測定とフィルム断面の10000倍走査型電子顕微鏡写真に基づいて求めた。
〔空孔率〕
多孔質フィルムの単位面積S(cm)あたりの重さW(g)、平均厚みt(μm)、及び密度d(g/cm)を下記式に代入して求めた。
空孔率(%)=〔1−(10×W/S・t・d)〕×100
〔針刺(突き刺し)強度〕
カトーテック(株)製圧縮試験機「KES−G5」を用いて、室温(25℃)で針刺試験を行った。得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、針刺強度とした。針は直径0.5mm、先端の曲率半径0.25mmのものを用い、2cm/secの速度で突き刺しを行った。
〔通気度〕
JIS P8117に準拠して測定した。
〔シャットダウン温度〕
25mmφの筒状の試験室を有し、試験室が密閉可能なSUS製のセルを用い、下部電極はφ20mm、上部電極は10mmφの白金板(厚さ1.0mm)を使用した。24mmφに打ち抜いた測定試料を電解質に浸漬して電解質を含浸し、電極間に挟み、セルにセットした。電極はセルに設けられたばねにて一定の面圧がかかるようにした。電解質はプロピレンカーボネートとジメトキシエタンを容量比で1:1の割合で混合した溶媒に、ホウフッ化リチウムを1.0mol/Lの濃度になるように溶解したものを用いた。このセルに熱伝対温度計と、抵抗計を接続して温度と抵抗を測定できるようにし、180℃恒温器中へ投入し、温度と抵抗を測定した。100〜150℃の平均昇温速度は10℃/分であった。この測定により、抵抗が100Ω・cmに達した時の温度をシャットダウン温度とした。
実施例1
高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、7800M)80重量%、重量平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン(融点137℃)20重量%からなる樹脂成分38重量部、平均粒径0.15μmの超微粒子炭酸カルシウム(丸尾カルシウム製、MSK−PO)57重量部、及びポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(東京化成製、HLB値:12.4)5重量部を均一に混合し、160℃の温度で二軸押出機にて溶解混練りし、厚さ4mmのシートに押し出し成形した。該シート成形体を一定のテンション下で引取り、10℃の冷却水にて冷却されたロールに挟んで厚さ1mmの樹脂シートを作製した。その後、該樹脂シートを温度128℃、速度10mm/secで同時に縦横4.0×4.0倍に二軸延伸して延伸フィルムを作製した。該延伸フィルムを1%塩酸水溶液に1時間浸漬して超微粒子炭酸カルシウムの抽出処理を行い、その後、122℃で2時間熱処理して多孔質フィルムを作製した。
実施例2
高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、7800M)の代わりに重量平均分子量25万の無水マレイン酸変性PE(日本ポリエチレン製、ADTEX ER403A)を用いた以外は実施例1と同様の方法で多孔質フィルムを作製した。
実施例3
高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、7800M)60重量%、重量平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン(融点137℃)40重量%からなる樹脂成分50重量部、平均粒径0.15μmの超微粒子炭酸カルシウム(丸尾カルシウム製、MSK−PO)45重量部、及びポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(東京化成製、HLB値:12.4)5重量部を均一に混合し、160℃の温度で二軸押出機にて溶解混練りし、厚さ4mmのシートに押し出し成形した。その後、実施例1と同様の方法で多孔質フィルムを作製した。
比較例1
ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(東京化成製、HLB値:12.4)の代わりに、非湿潤性の可塑剤であるフタル酸ジオクチル(HLB値:4.5)を用いた以外は実施例1と同様の方法で多孔質フィルムを作製した。
比較例2
超微粒子炭酸カルシウム(丸尾カルシウム製、MSK−PO)の代わりに平均粒径0.6μmの硫酸バリウム(堺化学製、B−55)を用いた以外は実施例1と同様の方法で多孔質フィルムを作製した。
比較例3
高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、7800M)80重量%、重量平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン(融点137℃)20重量%からなる樹脂成分の代わりに、高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、8000F)100重量%からなる樹脂成分を用いた以外は実施例1と同様の方法で樹脂シートを作製した。該樹脂シートは成形性が悪く、延伸時に破断したため多孔質フィルムを作製できなかった。
実施例及び比較例で得られた多孔質フィルムを上記の方法で評価した結果を表1に示す。
Figure 2008297349
表1の結果が示すように、本発明の多孔質フィルムは、電池用セパレータとして好適に使用することができる。一方、比較例1の多孔質フィルムは、空孔率が0%であり、電池用セパレータとして使用することはできなかった。また、比較例2の多孔質フィルムは、シャットダウン機能を有していなかった。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを10重量%以上含む樹脂成分、無機充填剤、及びグリフィン法によって定義されるHLB値が6以上の界面活性剤を含有する樹脂シートを延伸処理して延伸フィルムを作製し、その後、水又水溶液を用いて前記延伸フィルムから前記無機充填剤を抽出除去することを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。
  2. 前記無機充填剤が平均粒径0.05〜5μmの炭酸カルシウムであり、前記水溶液が酸性水溶液である請求項1記載の多孔質フィルムの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法により製造される多孔質フィルム。
  4. 請求項3記載の多孔質フィルムからなる非水電解質電池用セパレータ。
  5. 請求項4記載の非水電解質電池用セパレータを備えた非水電解質電池。
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