JP2004221497A - 内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石 - Google Patents

内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石 Download PDF

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Yoshimichi Sakama
良通 坂間
Yuzuru Watanabe
譲 渡邊
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Abstract

【課題】ポリアミド樹脂をバインダーとして用いるプラスチック磁石は多方面で広く使用されてはいるものの、金属部品と組み合わせてインサート成型をおこなう場合、成型後に割れが発生し易いという問題を抱えている。
【解決手段】この割れの問題を金属と樹脂との熱収縮率の差の問題として捉え、ポリアミド/ポリオレフィンのアロイ樹脂に磁性粉を分散することにより、コストを押さえながらインサート成型による割れの問題を解決することが出来た。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、モータのロータや現像機のマグネットロールなど、内部に金属部分を有するプラスチック磁石に関し、特にインサート成形により作成される内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド系プラスチック磁石は寸法精度が良く、射出成型により容易に得られ、通常の使用環境での耐熱性にも優れているためOA機器用モータのロータや現像装置のマグネットロールなどに多く用いられている。また近年、単なる射出成型ではなくシャフトなどを金型に挿入しながら一体成型するインサート成型の技術も発達しており、コストダウンに大きく寄与することからさかんに使用されている。
【0003】
しかしながらポリアミド樹脂をバインダーとして用いたプラスチック磁石は一体成型する際、金属とプラスチック磁石との熱膨張係数が大きく異なるため成型品に割れを生じ易いといった欠点を有している。これは樹脂が冷却固化する際に金属と樹脂との収縮率の違いにより樹脂側に大きい内部応力が残留するためである。割れはすぐに生じる場合もあるが、経時的な劣化が進行した後に現れる場合もあり、機器の致命的な故障に結びつくおそれがある。樹脂そのものを変更し熱膨張係数を金属に近づける方法も試みられているが、強度や、他の特性が問題になったり、コストアップの要因になったりすることが多い。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−187910号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、ポリアミドを主体としてさまざまな添加物を加える試みが多く行われている。例えば特開昭57−187910号公報ではポリアミドとゴムの重合体を使用している。また特開昭63−122106号公報ではポリアミドとポリアミドエラストマーとの混合体が使用されている。さらに特開平6−287445号公報にあってはポリアミドにゴムおよび少量のポリエチレンイミンを配合して使われている。などなど、さまざまな試みがなされてはいるものの、いずれも、熱膨張係数の違いを意識した試みではなく単に柔軟性(弾性)の改善を目的としたものであり、磁気特性を上げるために磁性粉の含有率が高くなると柔軟性は低くなるため、その改善は不十分なものであった。
【0006】
本発明の目的は上記の従来の試みでは本質的問題解決が出来なかったインサート成型に係る割れを防止することであり、さらには汎用の樹脂であるポリアミド樹脂を用いることで、コストアップをもたらさないでこの問題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者達はポリアミド樹脂を用い、その添加剤に関し鋭意研究を行った結果、ある知見に至った。すなわち、ポリアミド樹脂に他の樹脂であるポリオレフィンを添加することにより、その熱膨張率を低く押さえることが出来、インサート成型の際生じる樹脂の内部残留応力を低減できることが分かった。さらに添加剤の添加量を調整することにより、磁石の曲げ破壊強度の低下を招くことなく耐割れ性の高いプラスチック磁石を得ることが出来た。
【0008】
即ち、本発明の内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石は、内部に円柱もしくは円筒状の金属部分を有し、インサート成形により形成されるプラスチック磁石において、磁性粉を分散するプラスチックがポリアミド樹脂とポリオレフィンのポリマーアロイであり、前記プラスチック磁石の熱膨張係数が2.5〜4.0×10−5(/℃)であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石は、ポリアミド樹脂とポリオレフィンの組成比率はポリオレフィン含有率が5〜22mass%であることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石は、プラスチックに分散する磁性粉がストロンチウムフェライトであり、その含有率が、磁性粉と樹脂との合計に対して89〜91mass%であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石は、曲げ破壊強度が85N/mm以上であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の、内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石とは図1に示すように、内部にアルミニウムなどの円柱もしくは円筒状の金属からなる部分を持った磁石のことでインサート成型により形成される磁石である。金属からなる内部部分とは例えばモータのロータや現像装置のマグネットロールの場合、ステンレスあるいは鉄製の回転軸そのものや、その回転軸に磁石を結合するアルミニウム製のスリーブなどのことを指す。特にアルミニウムは耐蝕性、耐腐食性、軽量度、コスト面から優れた金属である。図1はモータ用ロータであり、直径2mm、長さ8mmの中心孔1を有する外径6mm又は12mm高さ4.7mmのアルミニウム製円筒状スリーブ2にプラスチック磁石3を肉厚1mm又は4mmでインサート成型した例を示したものである。以下に述べる実施例はこのサイズのモータ用ロータで試験を行ったものである。
【0013】
【実施例】
平均粒径1.3μmのストロンチウムフェライト粉末をヘンシェルミキサーで攪拌しながら、アミノ基を有するシランカップリング剤を添加して混合、乾燥することにより磁性粉末を得た。得られた磁性粉末にポリオレフィンの含有量を変えたポリアミド6とポリオレフィンのアロイ、および滑剤であるN−ステアリル−N‘−ステアリル尿素を添加して、さらに混合した。得られた混合粉末を2軸押し出し機で混練した後、切断、冷却してペレット状の粒状組成物であるポリアミド系プラスチック磁性材料を得た。このペレットを用いて、インサート成型により図1に示すようなモータ用ロータの成形体を得た。この成形体を130℃(1hr)〜−40℃(1hr)の条件下で100サイクル熱衝撃試験を実施し成形体の外観を確認した。曲げ破壊強度、弾性率については、幅10mm、厚さ4mm、長さ80mmの板状成形体を作製し3点曲げ法(JIS,K7203)により測定した。熱膨張係数は、TMA(熱機械分析)により評価した。
【0014】
【比較例】
樹脂としてオレフィンを含有しない通常のポリアミドを用いたもの(表1中、比較例1〜4)、樹脂としてオレフィン成分が高いポリアミド6/オレフィンアロイ樹脂を用いたもの(同、比較例5〜6)、本発明に使用するポリアミド6/オレフィンアロイ樹脂と同じ樹脂であるが、磁粉に対して樹脂の配合割合が多い組成(同、比較例7)、樹脂としてポリアミド6とポリアミドエラストマーのブレンド体(ポリアミドエラストマーの含有量が8mass%のブレンド体)を使用したもの(同、比較例8)について同様に磁石の作成を行った。
【0015】
結果を表1(組成を表示)ないし表2(特性を表示)に示す。実施例1〜12の範囲では、いずれも熱衝撃試験による割れはみられなかった。実施例11と比較例8から分かるるように、曲げ破壊強さがほぼ同じ場合、熱衝撃試験に対する耐性は、曲げ弾性率より熱膨張係数に依存している。また、ポリアミド6とオレフィンをアロイ化すると熱膨張係数は低下するが、曲げ破壊強度も低下する。オレフィンの含有量が多すぎる比較例5,6から分かるるように、熱膨張係数が低い場合でも曲げ破壊強度が極端に低くなると割れが発生するため、実施例1〜4と併せて考えると熱膨張係数が、2.5〜4.0×10−5(/℃)でありかつ曲げ破壊強度が85N/mm以上であることが望ましい。また、比較例7の場合、上記条件を満たしているが、磁性粉の含有量が低く 残留磁束密度(Br)が低くなり、磁性材料としては不十分であるため、磁性粉の含有率としては、89%以上が好ましい。また、表1には示さなかったが、磁性粉の含有率が92%以上では、正常な成形体が得られなかったため含有率としては、89〜91%が好ましい。
【0016】
【表1】
Figure 2004221497
【0017】
【表2】
Figure 2004221497
【0018】
本発明でいうポリオレフィンとは通常の低密度ポリエチレン(LDPE)やポリプロピレン(PP)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E/EA/MAH)などのほかにこのようなポリオレフィンの主鎖にビニル系のポリマーであるポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)等が側鎖として結合したグラフトコポリマーのことをいう。
【0019】
【発明の効果】
本発明のポリアミド系磁性材料を使用することにより、アルミニウム金属を内側に有するインサ−ト成形品に対して割れを発生させることなくかつ高い磁気特性の製品を安価に供給することが可能となる。また,本発明は、他の金属をインサ−ト成形する場合や、ガラスフィラ−を含有した他樹脂との複合成形を行なう際にも有効な手法となる。さらに、酸化鉄系のフェライトマグネット材料については、その熱膨張係数がほぼ同じであるためすべてのマグネトブランバイト型フェライトに対して適用できることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はモータ用ロータの平面図。
【符号の説明】
1 中心孔
2 スリーブ
3 磁石

Claims (4)

  1. 内部に円柱もしくは円筒状の金属部分を有し、インサート成形により形成されるプラスチック磁石において、磁性粉を分散するプラスチックがポリアミド樹脂とポリオレフィンのポリマーアロイであり、前記プラスチック磁石の熱膨張係数が2.5〜4.0×10−5(/℃)であることを特徴とする、内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石。
  2. 前記ポリマーアロイの組成比率はポリオレフィン含有率が5〜22mass%であることを特徴とする請求項1に記載の内部に金属部分を有するポリアミドプラスチック磁石。
  3. 前記磁性粉がストロンチウムフェライトであり、その含有率が、磁性粉と樹脂との合計に対して89〜91mass%であることを特徴とする請求項1ないし2に記載の内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石。
  4. 曲げ破壊強度が85N/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし3に記載の内部に金属部分を有するポリアミド系プラスチック磁石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013098254A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Nichia Chem Ind Ltd ボンド磁石用コンパウンド

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