JP4548572B2 - ボンド磁石組成物および該組成物からなる成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、高い磁気特性を得るために磁性粉を高濃度に配合しても、良好な成形加工性を持ち、かつ、ボンド磁石と線膨張係数が異なる部材と一体成形しても割れやカケが少ない成形品が得られるボンド磁石組成物に関する。
一般に、ボンド磁石組成物において高い磁気特性を得るためには、磁性粉をより多く配合する必要がある。しかし、磁性粉の配合量が多くなれば、組成物中のバインダー樹脂量が低下するため、成形品に割れやカケを生じ、磁石製品として致命的な欠陥となる問題があった。さらに、磁性粉の配合量が多いボンド磁石組成物を線膨張係数が異なる金属等の部材と一体成形する場合には、成形品に割れやカケがより顕著に生じるため、形状や大きさにかなりの制約を受ける問題があった。そのため、例えば、リング形状の成形品を作製する場合、まず複数個の部品を別々に成形し、それらの部品をリング状に張り合わせて磁石を作製した後、インナーやアウターを挿入する方法が広く用いられている。
上記の問題を解決する方法として、フッ化ビニリデン系ゴム等のエラストマー成分をボンド磁石組成物に添加することが提案されている。この組成物では、成形品の割れやカケをある程度抑制できるが、磁性粉の配合量が多いと流動性が不十分となるため、ボンド磁石組成物としては使用範囲を限定されるものであった(例えば、特許文献1参照。)。
また、成形品の割れやカケを抑制する別の方法として、ホワイトカーボン、タルク、マイカ等の補強剤を添加して材料の強度を高めることが提案されている。しかしながら、この方法で補強剤を添加して強度を向上させるためには2質量%以上添加する必要があり、かつ、この方法は磁性粉の配合量が少ない場合に効果が得られるものであった。したがって、高い磁気特性を有し、かつ、成形品の割れやカケを生じずに成形品を得ることのできる材料としては十分なものではなかった(例えば、特許文献2および3参照。)。
特開平9−180932号公報 特開平5−47522号公報 特開平9−223625号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い磁気特性を得るために磁性粉を高濃度に配合しても十分な流動性を有し、ウェルドマークの発生等がない良好な成形加工性を持ち、かつ、ボンド磁石と線膨張係数が異なる部材(金属シャフト、金属コア等)と一体成形しても割れやカケが少ない成形品が得られるボンド磁石組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)熱可塑性樹脂、(2)平均アスペクト比が20未満である磁性粉および(3)平均アスペクト比が60〜300であるガラスフレーク、カーボン繊維及びマイカからなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性粉を含有するボンド磁石組成物であって、前記組成物中の前記(2)の含有割合が88〜91質量%であり、前記(3)の含有割合が0.3〜1質量%であり、かつ、前記(2)と前記(3)の合計量が92質量%以下であり、金属シャフトとのインサート一体成形に用いられることを特徴とするボンド磁石組成物および当該ボンド磁石組成物を用いて金属シャフトとのインサート一体成形品を提供するものである。

本発明のボンド磁石組成物は、高い磁気特性を得るために磁性粉を高濃度に配合しても十分な流動性を有し、ウェルドマークの発生等がない良好な成形加工性を持ち、射出成形にも適応できる。また、ボンド磁石と線膨張係数が異なる金属シャフトや金属コア等と一体成形しても割れやカケが少ない成形品が得られる。この一体成形が可能になることにより、金属シャフトや金属コア等を有するボンド磁石の製造において、工程数の削減が図れ、製造コストの低減や製造時間の短縮など多くのメリットがある。
本発明を以下に詳しく説明する。本発明で用いられる熱可塑性樹脂(1)は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11、ポリアミド6,10、芳香族ポリアミド6T、芳香族ポリアミド9Tおよびこれらの共重合体、ポリアミドエラストマー等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等のポリオレフィン樹脂;ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。これらの中でも結晶性で溶融時の粘度が低く、磁性粉をより多く含有できるので、ポリアミド樹脂が好ましい。このポリアミド樹脂の中でも、特に好ましいものとして、ポリアミド6およびポリアミド12が挙げられる。
本発明で用いられる平均アスペクト比が20未満である磁性粉(2)としては、例えば、酸化鉄(フェライト)系、ネオジウム−鉄−ボロン系、サマリウム−鉄−窒素系、アルミニウム−ニッケル−コバルト系等の磁性粉が挙げられる。ここで、平均アスペクト比とは、粉体の平均長径を粉体の平均短径(鱗片状粉体の場合、短径は粉体の平均厚み)で除した数値である。これらの磁性粉の中でも、フェライト系磁性粉は、安価であるため好ましい。さらに、フェライト系磁性粉の中でも、ストロンチウムフェライトおよびバリウムフェライトが好ましい。これらの磁性粉は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。磁性粉(2)のボンド磁石組成物中の含有割合は、88〜91質量%が好ましい。含有割合が88質量%未満だと、目的とする高い磁気特性が得られない。また、含有割合が91質量%を超えると、ボンド磁石組成物の流動性の低下や成形品の強度低下を生じる問題がある。
本発明で用いられる成分(3)は、平均アスペクト比が20〜300であるガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン繊維及びマイカからなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性粉である。平均アスペクト比が20未満であると、成形時に成形収縮によって生じる内部応力の緩和効果が低く、成形品の割れやカケの十分な抑制効果が得られない。平均アスペクト比が300を超えると、成形品の外観において表面平滑性が損なわれる等の問題を生じ、さらに射出成形に用いる場合には流動性が著しく低下するため、ゲート形状の拘束を受け、金型キャビティー内に溶融した組成物が均一に入らない等の問題を生じる。
また、本発明で用いられる成分(3)の非磁性粉は、組成物中の熱可塑性樹脂の溶融温度において溶融しないものが好ましい。さらに、これらの非磁性粉の中でも、鱗片状のものが好ましい。
これら成分(3)の非磁性粉は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記成分(3)のボンド磁石組成物中の含有割合は、0.3〜質量%である。含有割合が0.3質量%未満だと、成形品の割れやカケの十分な抑制効果が得られず、含有割合が質量%を超えると、ボンド磁石組成物の流動性低下によって、ウェルドマークの発生等の成形不良や成形品の強度低下を生じる問題がある。
また、前記磁性粉(2)と前記成分(3)の合計量は、全組成物中の92質量%以下であることが好ましい。前記磁性粉(2)と前記成分(3)の合計量が92質量%を超えると、ボンド磁石組成物の流動性低下によって、ウェルドマークの発生等の成形不良や成形品の強度低下を生じる問題がある。
さらに、ボンド磁石組成物中にカップリング剤を添加することにより、前記磁性粉(2)および成分(3)とボンド磁石組成物中の熱可塑性樹脂との密着性を向上できる。このようなカップリング剤としては、例えば、シラン系、アルミニウム系、チタン系等が挙げられる。
本発明は、前記成分(3)をボンド磁石組成物中に配合することにより、ボンド磁石と線膨張係数が異なる部材との一体成形においても、成形品の割れやカケの十分な抑制効果が得られる。特に成形品が円筒形状やリング形状の場合において、割れやカケの抑制効果が大きい。
本発明のボンド磁石組成物においては、本発明の趣旨を損なわない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、滑剤、着色剤、分散剤等の添加剤類を適宜配合することができる。
本発明のボンド磁石組成物の成形方法としては、一般的な方法を用いることができる。また、通常、磁性粉を高濃度に配合した組成物を射出成形する場合、ウェルドマークが生じる問題やゲートがピンゲートの際に組成物の流動性が低いために良好な成形ができない等の問題が起こりやすい。しかし、本発明のボンド磁石組成物においては、磁性粉が高濃度であっても十分な流動性を有しているため、射出成形にも適用できる。
参考例1)
ポリアミド12樹脂(ダイセルヒュルス株式会社製の製品名「A1709P」、数平均分子量12,000)8.0質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社の製品名「OP−71」)88.7質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、NdFeBフレーク(マグネクエンチ社製の製品名「MQP−B」、平均アスペクト比20:ボールミルで粉砕後、分級し調整したもの)2.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「イルガノックス1098」)0.2質量部、金属不活性剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「MD1024」)0.3質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(実施例
ポリアミド6樹脂(宇部興産株式会社の製品名「ウベスタ1011FB」、数平均分子量11,000)9.9質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社の製品名「OP−71」)88.1質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、マイカ(株式会社クラレ製の製品名「スゾライトマイカ150S」、平均アスペクト比60)1.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(実施例
ポリアミド6,6樹脂(宇部興産株式会社製の製品名「ウベスタ2015B」、数平均分子量15,000)9.7質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社の製品名「OP−71」)89.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、カーボンファイバー(三菱化学株式会社製の製品名「ダイヤリードK223チョップドストランド」、平均アスペクト比300)0.3質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製「LOXIOLG 21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(実施例
EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)樹脂(日本ユニカー株式会社製の製品名「NUC−6070」)10.0質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)88.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、ガラスフレーク(日本板硝子株式会社製の製品名「RCF600」、平均アスペクト比60)1.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1010」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(実施例
ポリアミド6樹脂(宇部興産株式会社製の製品名「ウベスタ1011F」、数平均分子量11,000)8.0質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社の製品名「OP−71」)90.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、マイカ(株式会社クラレ製の製品名「スゾライトマイカ150S」、平均アスペクト比60)1.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
参考
ポリアミド12樹脂(ダイセルデグサ株式会社製の製品名「ダイアミドA1709P」、数平均分子量12,000)6.7質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)91.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、アルミニウムフレーク(和光純薬工業株式会社製のアルミニウム箔製粉末から分級、平均アスペクト比60)1.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、金属不活性剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックスMD1024」)0.3質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部、をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(比較例1)
ポリアミド12樹脂(ダイセルデグサ株式会社製の製品名「ダイアミドA1709P」、数平均分子量12,000)9.0質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)89.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、ガラスビーズ(東芝バロティーニ株式会社製の製品名「GB731M」、平均アスペクト比1)1.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(比較例2)
ポリアミド6樹脂(宇部興産株式会社製の製品名「ウベスタ1011FB」、数平均分子量11,000)9.5質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)89.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、ガラスファイバー(日東紡績株式会社製の製品名「CS 6E−227」、平均アスペクト比600)0.5質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(比較例3)
ポリアミド6,6樹脂(宇部興産株式会社製の製品名「ウベスタ2015B」、数平均分子量15,000)9.5質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)89.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、タルク(松村産業株式会社製の製品名「ハイフィラー5000PJ」、平均アスペクト比10)0.5質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(比較例4)
ポリアミド12樹脂(ダイセルデグサ株式会社製の製品名「ダイアミドA1709P」、数平均分子量12,000)7.2質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)88.5質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、アルミニウムペースト(旭化成株式会社製の製品名「MG−01」、平均アスペクト比60:溶剤を除去したもの)3.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、金属不活性剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックスMD1024」)0.3質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(比較例5)
ポリアミド12樹脂(ダイセルデグサ株式会社製の製品名「ダイアミドA1709P」、数平均分子量12,000)6.0質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)91.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、マイカ(株式会社クラレ製の製品名「スゾライトマイカ150S」、平均アスペクト比60)2.0質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(比較例6)
ポリアミド12樹脂(宇部興産株式会社製の製品名「ウベスタ3014U」、数平均分子量14,000)10.0質量部、ストロンチウムフェライト(日本弁柄工業株式会社製の製品名「OP−71」)89.0質量部、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製の製品名「A−1100」)0.5質量部、酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の製品名「イルガノックス1098」)0.2質量部、滑剤(ヘンケル白水株式会社製の製品名「LOXIOL G21」)0.2質量部、滑剤(日本油脂株式会社製のステアリン酸カルシウム)0.1質量部をミキサーで加熱混合して材料を均一にし、押出機で溶融混練してボンド磁石組成物を得た。
(評価用成形品の作製方法)
前記実施例1〜4、参考例1〜2および比較例1〜6で得られたボンド磁石組成物を用いて、射出成形機で、4点ピンゲート(ゲート内径1mm)の金型を使用して、直径50mm×20mmの円筒形のボンド磁石(線膨張係数:約5×10−5cm/cm/℃)に金属シャフト(ステンレス製、直径8mm、線膨張係数:約1.7×10−5cm/cm/℃)をインサートした形で一体成形した成形品を作製した。
上記で作製したボンド磁石組成物およびその成形品の評価を以下の方法で行った。実施例の評価結果を表1に、比較例の評価結果を表2に示す。
1)射出成形性
実施例および比較例で得られたボンド磁石組成物を射出成形する際の成形性を、以下の基準で評価した。
◎:良好、○:問題なし、△:高圧にて成形可能、×:成形不能
2)成形品のウェルドマーク
評価用成形品のウェルドマークの程度を目視で確認し、以下の基準で評価した。
◎:ウェルドマーク目立たず、○:ウェルドマークわずかにあり、
△:ウェルドマークあり、×:ウェルドマークによる密着不良あり
3)成形品の表面平滑性
評価用成形品の表面平滑性を拡大鏡で目視観察して、以下の基準で評価した。
◎:良好、○:一部にフローマークあり、
△:フローマークが目立つ、×:凹凸あり(不良)
4)成形品の割れやカケ
成形品のサンプルを10個用意し、恒温恒湿室(23℃、50%RH)中に24時間保存後、ヒートショック試験(ヒートショック試験機で、−40℃および120℃で各1時間ずつの保存を1サイクルとして100サイクル)を行った。ヒートショック試験後、拡大鏡で成形品の割れやカケを目視観察して、以下の基準で評価した。
◎:ヒートショック試験後も割れやカケなし、
○:ヒートショック後に割れやカケ発生(発生20%以下)、
×:成形直後に割れやカケあり
Figure 0004548572
表1に示した結果から、実施例1〜で得た本発明のボンド磁石組成物は、ピンゲートの金型においても問題なく射出成形が可能であることが分かった。また、本発明のボンド磁石組成物を用いた成形品は、ウェルドマークが少なく、表面平滑性に優れ、かつ割れやカケも発生しにくいことが分かった。
Figure 0004548572
表2に示した結果から、以下のことが分かった。
比較例1は、成分(3)の平均アスペクト比が20未満の例である。このボンド磁石組成物の射出成形性は良好であった。しかし、この組成物を用いた成形品は、割れやカケが発生した。
比較例2は、成分(3)の平均アスペクト比が300を超えた例である。このボンド磁石組成物は、高圧でないと射出成形できなかった。また、この組成物を用いた成形品は、表面平滑性が不良であった。
比較例3は、成分(3)の平均アスペクト比が20未満の例である。このボンド磁石組成物の射出成形性は良好であった。しかし、この組成物を用いた成形品は、割れやカケが発生した。
比較例4は、成分(3)の配合量が2質量%を超えた例である。このボンド磁石組成物は、高圧でないと射出成形できなかった。また、この組成物を用いた成形品は、表面平滑性が不良であった。
比較例5は、磁性粉(2)と成分(3)の合計量が92質量%を超えた例である。このボンド磁石組成物は、射出成形ができなかった。
比較例6は、成分(3)を添加しない例である。このボンド磁石組成物の射出成形性は良好であった。しかし、この組成物を用いた成形品は、割れやカケが発生した。

Claims (3)

  1. (1)熱可塑性樹脂、(2)平均アスペクト比が20未満である磁性粉および(3)平均アスペクト比が60〜300であるガラスフレーク、カーボン繊維及びマイカからなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性粉を含有するボンド磁石組成物であって、前記組成物中の前記(2)の含有割合が88〜91質量%であり、前記(3)の含有割合が0.3〜1質量%であり、かつ、前記(2)と前記(3)の合計量が92質量%以下であり、金属シャフトとのインサート一体成形に用いられることを特徴とするボンド磁石組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂(1)がポリアミドであり、かつ、前記磁性粉(2)がフェライト系磁性粉である請求項1記載のボンド磁石組成物。
  3. 前記請求項1または2記載のボンド磁石組成物と線膨張係数が異なる部材である金属シャフトとで一体成形されたことを特徴とするインサート一体成形品。
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