JP2014148636A - 樹脂組成物及びインサート成形品 - Google Patents

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邦明 松田
Michiaki Ogura
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Abstract

【課題】エラストマーを添加せずに耐ヒートショック性に優れる樹脂組成物を提供する。ひいてはエラストマーに起因するガスの発生を抑制する。
【解決手段】(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部と、(B)繊維径が10μm超25μm以下のガラス繊維であって、該ガラス繊維全体に対して0.2〜0.6質量%の表面処理剤が付着してなるガラス繊維5〜70質量部と、を含むことを特徴とする樹脂組成物である。さらに、(C)シラン化合物を含んでもよいが、1.0質量部以下とすることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びこれを用いたインサート成形品に関し、より詳細には、ポリアリーレンサルファイド樹脂を含む樹脂組成物及び該樹脂組成物と金属等とを用いてインサート成形されたインサート成形品に関する。
インサート成形法は、樹脂の特性と金属又は無機固体(以下、金属等と略す)の素材の特性を生かし、金属等を樹脂に埋め込む成形法であり、自動車部品や電気・電子部品、OA機器部品等の広い分野に応用され、今では一般的な成形法の一つとなっている。
しかしながら、樹脂と金属等では温度変化による膨張や収縮率(いわゆる線膨張係数)が極端に異なることから、成形品の樹脂部が肉薄であったり、肉厚の変化の大きい部分があるもの及び金属等がシャープコーナーを有していたりするものは、成形直後に割れたり、使用中の温度変化で割れたりするトラブルが多い。このため、用途や成形品の形状等がかなり制限されたものとなっているのが現状である。また、最近は、自動車の分野でもエンジン廻りの樹脂化が進み、インサート成形品も重要な部品となってきている。特にイグニッション関連部品、ディストリビューター部品等では、アルミ、銅、鉄、真鍮、各種合金等の金属部品、金属端子をポリフェニレンサルファイド(以下「PPS樹脂」と呼ぶ場合がある)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下「PAS樹脂」と呼ぶ場合がある)樹脂で包むインサート成形品が多く検討されているが、インサート部品の構造が複雑なこと、樹脂の肉厚変化部分が多いことの他に、使用する場所がエンジンルーム付近であるため高低温度変化が大きいことから、インサート成形品に要求される性能も高度である。従って、最近では長期間の高低温度変化に耐え得る樹脂、即ち高低温衝撃特性の優れた樹脂が強く求められるようになってきた。
PAS樹脂は、高い耐熱性、機械的物性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性を有していることから、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品材料等に広く使用されている。
このようなPAS樹脂において、PAS樹脂単独では、靱性に乏しく脆弱であり、インサート成形品の高温と低温とに交互に晒される場合の耐久性、いわゆる耐ヒートショック性(耐高低温衝撃性)に劣ることが知られている。耐ヒートショック性の向上を図るために、PAS樹脂に限らずエラストマーを添加することが一般的に行われている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2002−129014号公報 特開2008−214383号公報
しかしながら、エラストマーを添加すると耐ヒートショック性の向上を図ることはできるが、PAS樹脂のプロセス温度は300℃以上であるところ、一般的にエラストマーは、この高温のプロセス温度により熱劣化を生じやすい。そのため、成形時に当該エラストマーに起因するガスが発生し、成形時の金型モールドデポジットが著しく増加するという問題がある。従って、エラストマーを添加するという従来の樹脂組成物及びこれを用いたインサート成形品では、耐ヒートショック性の改良と良成形性との両立は困難であり、エラストマーを添加せずに耐ヒートショック性の向上を図ることができる方策が望まれる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、エラストマーを添加せずに耐ヒートショック性に優れる樹脂組成物及びインサート成形品を提供することにある。
上記課題を解決する手段は以下の通りである。
(1)(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部と、(B)繊維径が10μm超25μm以下のガラス繊維であって、該ガラス繊維全体に対して0.2〜0.6質量%の表面処理剤が付着してなるガラス繊維5〜70質量部と、を含むことを特徴とする樹脂組成物。
(2)さらに、(C)シラン化合物1.0質量部以下を含むことを特徴とする前記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂の310℃、せん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度が20Pa・s以上600Pa・s以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物と、金属又は無機固体類とをインサート成形してなるインサート成形品。
本発明によれば、エラストマーを添加せずに、機械的物性が大きく低下することなく、耐ヒートショック性に優れる樹脂組成物及びインサート成形品を提供することができる。特に、本発明の樹脂組成物及びインサート成形品においては、成形品の樹脂部が肉薄であったり、金属等がシャープコーナーを有していたりする場合であっても耐ヒートショック性に優れる。このように、本発明の樹脂組成物においては、エラストマーを全く用いないため、成形時においてエラストマーに起因するガスが発生することがない。従って、成形時の金型モールドデポジット発生量を少なく抑えることができる。
耐ヒートショック性の評価用試験片を示す、(a)斜視図、(b)上面図である。 図1の試験片におけるインサート金属のみを示す、(a)斜視図、(b)部分拡大上面図である。 図1の試験片における各部位の寸法を示す、(a)上面図、(b)側面図である。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部と、(B)繊維径が10μm超25μm以下のガラス繊維であって、該ガラス繊維全体に対して0.2〜0.6質量%の表面処理剤が付着してなるガラス繊維5〜70質量部と、を含むことを特徴としている。
本発明の樹脂組成物は、耐ヒートショック性を付与するためにはエラストマーを添加するという従来の技術常識を破り、エラストマーを添加せずに耐ヒートショック性の向上を可能としたものである。そして、エラストマーを添加していないが故、成形時においてエラストマーに起因するガスの発生をなくすことができる。
以下に、本発明の樹脂組成物の各成分について説明する。
[(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂(PAS樹脂)]
(A)樹脂成分としてのPAS樹脂は、主として、繰返し単位として−(Ar−S)−(但しArはアリーレン基)で構成された高分子化合物であり、本発明では一般的に知られている分子構造のPAS樹脂を使用することができる。
上記アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが挙げられる。PAS樹脂は、上記繰返し単位のみからなるホモポリマーでも良いし、下記の異種繰返し単位を含んだコポリマーが加工性等の点から好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰返し単位とするPPS樹脂が好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当である。また、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用できる。尚、本発明に用いる(A)PAS樹脂は、異なる2種類以上の分子量のPAS樹脂を混合して用いてもよい。
尚、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させるときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造または架橋構造を形成させたポリマーや、低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素等の存在下、高温で加熱して酸化架橋または熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも挙げられる。
本発明に使用する基体樹脂としてのPAS樹脂の310℃・せん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度は、耐ヒートショック性をより向上させるため、上記混合系の場合も含め20Pa・s以上が好ましく、流動性や成形性の点から、600Pa・s以下が好ましい。中でも20〜300Pa・sの範囲にあるものは、機械的物性と流動性のバランスが優れており、好ましい。更に、100〜300の範囲にあるものは、耐ヒートショック性の点から、特に好ましい。
[(B)ガラス繊維]
本発明の樹脂組成物において用いるガラス繊維は、繊維径が10μm超25μm以下のガラス繊維であって、該ガラス繊維全体に対して0.2〜0.6質量%の表面処理剤が付着してなるガラス繊維である。このようなガラス繊維を用いることにより、エラストマーを用いずとも耐ヒートショック性の向上を図ることができる。
前記ガラス繊維の繊維径は、10μm超25μm以下であるが、10μm以下では耐ヒートショック性に劣り、25μmを超えると強度(引張強度、曲げ強度)が低下する。当該繊維径は13〜23μmが好ましく、強度の点から13〜20μmがより好ましい。
一方、前記ガラス繊維は表面処理剤によって表面処理されたものであり、表面処理剤がガラス繊維全体の0.2〜0.6質量%付着してなるものである。当該表面処理剤の付着量が0.2質量%未満でも、0.6質量%を超えても耐ヒートショック性に劣る。当該表面処理剤の付着量は0.2〜0.5質量%であることが好ましい。
表面処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤などのカップリング剤、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられ、これらを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、表面処理剤は、事前にガラス繊維に付着させた状態で用いられる。
また、ガラス繊維は、PAS樹脂100質量部に対して5〜70質量部を含む。当該ガラス繊維の含有量が5質量部未満であっても、70質量部を超えても、耐ヒートショック性に劣る。当該ガラス繊維の含有量は10〜60質量部が好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
以上のような本発明において用いるガラス繊維は、市販のものを用いることができる。例えば、日本電気硝子(株)製、T−747、T−760や、日東紡績(株)製、CS3PE256、CS3PE962などが挙げられる。
[(C)シラン化合物]
本発明の樹脂組成物においては、バリの抑制及びPAS樹脂とガラス繊維界面の界面結合力向上を目的として(C)シラン化合物を配合することができる。ただし、シラン化合物の配合量が多いと耐ヒートショック性が低下するため、その配合量は(A)PAS樹脂100質量部に対して1.0質量部以下とすることが好ましい。シラン化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシアルコキシシラン、アミノアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン等のアルコキシシランが挙げられ、これらの1種または2種以上が用いられる。尚、アルコキシ基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは1〜4である。
エポキシアルコキシシランの例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノアルコキシシランの例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジアリルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニルアルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
メルカプトアルコキシシランの例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの内、エポキシアルコキシシランとアミノアルコキシシランが好ましく、特に好ましいものはγ−アミノプロピルトリエトキシシランである。
本発明の樹脂組成物において、(C)シラン化合物の配合量は、上記の通り(A)PAS樹脂100質量部に対して1.0質量部以下とすることが好ましく、0.6質量部以下とすることがより好ましい。優れた耐ヒートショック性を追求するのであればシラン化合物は配合しないことが好ましい。
なお、当該(C)シラン化合物としてはシランカップリング剤をも包含するが、既述のガラス繊維の表面処理剤としてシランカップリング剤が用いられる場合であっても、本発明においては両者を区別するものとする。すなわち、ガラス繊維の表面処理剤としてシランカップリング剤が用いられた場合であっても、そのシランカップリング剤の配合量は(C)シラン化合物の配合量には算入しない。
[他の成分]
本発明においては、上記各成分の他、滑剤、架橋PPS樹脂、COCなどを配合してもよい。
<インサート成形品>
本発明のインサート成形品は、以上の本発明の樹脂組成物と、金属又は無機固体類とをインサート成形してなることを特徴としている。
本発明のインサート成形品は、耐ヒートショック性に優れる本発明の樹脂組成物を用いるため耐ヒートショック性に優れ、特に成形品の樹脂部が肉薄であったり、金属等がシャープコーナーを有していたりする場合であってもその部分の耐ヒートショック性を確保することができる。
本発明のインサート成形品は、成形用金型に金属等をあらかじめ装着し、その外側に上記の配合樹脂組成物を充填して複合成形品としたものである。樹脂を金型に充填するための成形法としては射出、押出圧縮成形法などがあるが、射出成形法が一般的である。また、樹脂にインサートする素材は、その特性を生かし且つ樹脂の欠点を補う目的で使用されるため、成形時に樹脂と接触したとき、形が変化したり溶融したりしないものが使用される。このため、主としてアルミニウム、マグネシウム、銅、鉄、真鍮及びそれらの合金などの金属類やガラス、セラミックスのような無機固体類であらかじめ平板状、棒、ピン、ネジ等に成形されているものが使用される。
本発明のインサート成形品は、耐ヒートショック性が要求される部材に適用することができる。このような部材としては、例えば、イグニッション関連部品、ディストリビューター部品、各種センサー部品、各種アクチュエーター部品、スロットル部品、パワーモジュール部品、ECU部品、各種コネクタ部品等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜12、比較例1〜6]
各実施例・比較例において、表1及び表2に示す各原料成分をドライブレンドした後、シリンダー温度320℃の二軸押出機に投入して(ガラス繊維は押出機のサイドフィード部より別添加)、溶融混練し、ペレット化した。なお、表1及び表2において、各成分の数値は質量部数を示す。
また、使用した各原料成分の詳細を以下に示す。
(1)PAS樹脂
PPS樹脂1:(株)クレハ製、フォートロンKPS W203A(溶融粘度:30Pa・s(せん断速度:1216sec−1、310℃))
PPS樹脂2:(株)クレハ製、フォートロンKPS W214A(溶融粘度:130Pa・s(せん断速度:1216sec−1、310℃))
PPS樹脂3:(株)クレハ製、フォートロンKPS W220A(溶融粘度:220Pa・s(せん断速度:1216sec−1、310℃))
PPS樹脂4:ポリプラスチックス(株)製、無充填系PPS組成物、フォートロン(登録商標)0220A9
なお、上記PPS樹脂の溶融粘度は以下のようにして測定した。
(PPS樹脂の溶融粘度の測定)
東洋精機(株)製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmL/フラットダイを使用し、バレル温度310℃、せん断速度1216sec−1での溶融粘度を測定した。
(2)ガラス繊維
ガラス繊維1:日本電気硝子(株)製、チョップドストランド T−747(繊維径:13μm、表面処理剤量0.4質量%)
ガラス繊維2:ガラス繊維1を焼成し、表面処理剤を除去したもの
ガラス繊維3:日東紡績(株)製、チョップドストランド CS3PE256(繊維径:13μm、表面処理剤量0.25質量%)
ガラス繊維4:日本電気硝子(株)製、チョップドストランド T−760(繊維径:13μm、表面処理剤量0.5質量%)
ガラス繊維5:日東紡績(株)製、チョップドストランド CS3PE962(繊維径:13μm、表面処理剤量0.55質量%)
ガラス繊維6:日本電気硝子(株)製、チョップドストランド T−717(繊維径:13μm、表面処理剤量0.8質量%)
ガラス繊維7:日本電気硝子(株)製、チョップドストランド T−747H(繊維径:10μm、表面処理剤量0.4質量%)
ガラス繊維8:日本電気硝子(株)製、チョップドストランド T−747N(繊維径:17μm、表面処理剤量0.4質量%)
ガラス繊維9:日本電気硝子(株)製、チョップドストランド(非市販品)(繊維径:23μm、表面処理剤量0.4質量%)
(3)シラン化合物
シラン化合物1:信越化学工業(株)製、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
<評価>
(1)耐ヒートショック性
上記のようにして得られたペレットとインサート金属とを用い、射出成形により図1〜図3に示す試験片をインサート成形し、耐ヒートショック性を評価した。
ここで、耐ヒートショック性の評価に用いた試験片について説明する。試験片1は、図1に示すように、円柱形の樹脂10にインサート金属11が埋入した状態で成形されている。円柱形の樹脂10は、上記のようにして得られたペレットを用いて成形されたものである。インサート金属11は、図2に示すように、柱状であって、その上面及び底面の形状が、一側が円弧形状、他側が鋭角形状の涙型の形状をなす。鋭角形状部分は、部分拡大図:図2(b)に示すように、先端は円弧状になっており、この曲率半径rは0.2mmである。また、インサート金属11は、円柱形の樹脂10の高さよりも高く、その一部が突出している(図1(a)参照)。さらに、図3(a)に示すように、インサート金属11の円弧を一部とする円の中心Oと、樹脂10の円の中心Oとは一致せず、インサート金属11の鋭角形状側が樹脂10の側面に近接するように配置されている。そして、インサート金属11の鋭角形状の先端と、樹脂10の側面との距離dwは1mmであり、樹脂10において、インサート金属11の鋭角形状の先端近傍が肉厚の薄いウェルド部となっている。なお、図3は、試験片の寸法について数値を示しているが、その単位はmmである。
上記の試験片に対し、冷熱衝撃試験機(エスペック(株)製)を用い、−40℃にて1.5時間冷却後、180℃にて1.5時間加熱するというサイクルを繰り返し、10サイクル毎にウェルド部を観察した。ウェルド部にクラックが発生したときのサイクル数を耐ヒートショック性の指標として評価した。結果を表1及び表2に示す。当該サイクル数が125を超えると耐ヒートショック性が良好と言え、140を超えるとより良好と言える。
(2)引張強さ
ISO 527−1,2に準じて引張強さの測定を行った。なお、測定機は、オートグラフ全自動引張り試験機AGS−20kNG((株)島津製作所製)を用い、測定は、引張り速度:5mm/min、標線間距離:50mm、つかみ具間距離:115mmの条件で行った。結果を表1及び表2に示す。
Figure 2014148636
Figure 2014148636
表1及び表2より、実施例1〜12においてはいずれも耐ヒートショック性に優れることが分かる。これに対して、ガラス繊維を含まない比較例1、ガラス繊維の配合量が本発明の規定範囲よりも多い比較例2及び3、表面処理剤を除去したガラス繊維を配合した比較例4、表面処理剤の量が本発明の規定範囲よりも多いガラス繊維を配合した比較例5、及び繊維径が本発明の規定範囲よりも小さいガラス繊維を配合した比較例6は、いずれも耐ヒートショック性において満足できる結果が得られなかった。
また、実施例5は、シラン化合物を配合した点のみにおいて実施例1とは異なり、耐ヒートショック性が若干劣る結果をなった。これより、耐ヒートショック性の向上を図ることのみを考える場合には、シラン化合物を配合しないことがよいことが分かる。
1 試験片
10 樹脂
11 インサート金属

Claims (4)

  1. (A)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部と、(B)繊維径が10μm超25μm以下のガラス繊維であって、該ガラス繊維全体に対して0.2〜0.6質量%の表面処理剤が付着してなるガラス繊維5〜70質量部と、を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. さらに、(C)シラン化合物1.0質量部以下を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂の310℃、せん断速度1216sec−1で測定した溶融粘度が20Pa・s以上600Pa・s以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、金属又は無機固体類とをインサート成形してなるインサート成形品。
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