JP4650042B2 - 樹脂磁石組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂磁石組成物に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等における粉末トナーを用いた画像形成装置に組み込まれるマグネットローラは、次のような樹脂磁石組成物で構成されている。
(1)異方性磁性粉と非結晶性熱可塑性エラストマーと樹脂系滑剤を押出成形するにあたり、非結晶性熱可塑性エラストマーがエチルアクリレート(EA)分が35%以上含有するエチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)で、樹脂系滑剤は低分子量ポリプロピレンとすることにより、配向の乱れによる磁気特性の低下を最小限に抑えられるというものである。(特許文献1)
(2)押出成形材料として、エチレンエチルアクリレート共重合体(ベースポリマー)、ストロンチウムフェライト(異方性フェライト)、および低分子量ポリプロピレン(添加剤)からなるものを用い、配向ダイの内面にTiN層を形成することにより、磁気特性が高く、かつ形状精度の良いマグネットローラが得られるというものである。(特許文献2)
特開2004−198468 特開平10−106830
しかしながら、特許文献1では、押出成形物のエッジ部分等にクラックが発生する場合があり、該クラックが割れや欠けの原因となる場合がある。また、クラックを防止するために押出成形温度を下げると磁気特性が低下してしまう場合がある。
また、特許文献2でも特許文献1と同様に、押出成形物のエッジ部分等にクラックが発生する場合がある。また、クラックを防止するために押出成形温度を下げると磁気特性が低下してしまう場合がある。
(1)本発明の第1は、
樹脂および添加剤を含む樹脂成分と、強磁性体粉末とを含む、樹脂磁石組成物であって、
前記樹脂成分が、
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が互いに異なる射出成形用樹脂A(樹脂A)と、押出成形用樹脂B(樹脂B)とを含み、
前記樹脂Aと前記樹脂Bの前記MFR値の比率(樹脂A/樹脂B)が10以上であることを特徴とする、押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(2)本発明の第2は、
前記の、樹脂および添加剤を含む樹脂成分全体100重量%に対して、
前記樹脂Aを35重量%以上80重量%以下含み、かつ、
前記樹脂Bを15重量%以上60重量%以下含むことを特徴とする、
本発明の第1に記載の、押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(3)本発明の第3は、
前記樹脂A、樹脂Bのいずれかが、少なくともエチレンエチルアクリレート共重合体を含む、本発明の第1〜2のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(4)本発明の第4は、
樹脂および添加剤を含む樹脂成分と、強磁性体粉末とを含む、樹脂磁石組成物であって、
樹脂成分全体100重量%に対して、
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂A)を35重量%以上80重量%以下含み、かつ、
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂B)を15重量%以上60重量%以下含む、
ことを特徴とする、押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(5)本発明の第5は、
前記樹脂成分に加えて、可とう性向上剤(樹脂C)を含むことを特徴とする、本発明の第1〜4のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(6)本発明の第6は、
前記可とう性向上剤(樹脂C)が、水添スチレン系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする、本発明の第1〜5のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(7)本発明の第7は、
前記樹脂成分全体100重量%に対して、
前記水添スチレン系熱可塑性エラストマー(樹脂C)を10重量%以上30重量%以下含むことを特徴とする、本発明の第1〜6のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(8)本発明の第8は、
樹脂および添加剤を含む前記の樹脂成分が、樹脂磁石組成物全体100重量%に対して5重量%以上50重量%以下含まれ、かつ、
前記強磁性体粉末が、樹脂磁石組成物全体100重量%に対して50重量%以上95重量%以下含まれることを特徴とする、
本発明の第1〜7のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
本発明(請求項1〜)により、押出成形時のクラックがなくなり、また、磁気特性も向上する。
本発明(請求項)により、押出成形時のクラックがなくなり、更に成形物の可とう性が良好となり、かつ磁気特性も向上する。

(1)本発明の第1は、
樹脂および添加剤を含む樹脂成分と、強磁性体粉末とを含む、樹脂磁石組成物であって、
前記樹脂成分が、
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が互いに異なる射出成形用樹脂A(樹脂A)と、押出成形用樹脂B(樹脂B)とを含み、
前記樹脂Aと前記樹脂Bの前記MFR値の比率(樹脂A/樹脂B)が10以上であることを特徴とする、押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
射出成形用樹脂Aと、押出成形用樹脂Bとの上記のMFR比率が、10以上であると、押出成形時のクラックがなくなり、また、磁気特性も向上する
(2)本発明の第2は、
前記の、樹脂および添加剤を含む樹脂成分全体100重量%に対して、
前記樹脂Aを35重量%以上80重量%以下含み、かつ、
前記樹脂Bを15重量%以上60重量%以下含むことを特徴とする、
本発明の第1に記載の、押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
本発明では、エチレンエチルアクリレート共重合体を含むことが好ましい。
(3)本発明の第3は、
前記樹脂A、樹脂Bのいずれかが、少なくともエチレンエチルアクリレート共重合体を含む、本発明の第1〜2のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
(4)本発明の第4は、
樹脂および添加剤を含む樹脂成分と、強磁性体粉末とを含む、樹脂磁石組成物であって、
樹脂成分全体100重量%に対して、
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂A)を35重量%以上80重量%以下含み、かつ、
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂B)を15重量%以上60重量%以下含む、
ことを特徴とする、押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
樹脂Aは射出成形用樹脂であり、樹脂Bは押出成形用樹脂である。射出成形用樹脂としては、公知の任意の樹脂が使用しうる。押出成形用樹脂としては、公知の任意の樹脂が使用しうる。エチレンエチルアクリレート共重合体は、射出成形用、押出成形用のどちらの用途においても、好ましく用いられ得る。
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体を樹脂Aとして用いることは、特に好ましい。
本発明の樹脂Aは、この特定のMFR値を持つエチレンエチルアクリレート共重合体単独組成であってもよいし、他の射出成形用樹脂との混合物でも良い。
JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体を樹脂Bとして用いることは、特に好ましい。
本発明の樹脂Bは、この特定のMFR値を持つエチレンエチルアクリレート共重合体単独組成であってもよいし、他の押出成形用樹脂との混合物でも良い。
また、MFR(メルトフロー値)の測定は、JISのK6922−2に準ずる。
従来、特許文献1や2のように、強磁性体粉末とエチレンエチルアクリレート系樹脂を主とした押出成形樹脂磁石組成物を用いて、マグネットピースあるいは円筒状マグネットを押出成形していた。
本発明では、例えば図1のような押出成形装置により、樹脂磁石組成物の磁性粒子を配向着磁しながら成形し、マグネットピースを得て、該マグネットピースをシャフトの外周面に貼り合わせ図2(斜視図)図3(断面図)のようなマグネットローラを得る。
ここで上記マグネットピースは、磁性粉として異方性フェライト磁性粉の50重量%〜95重量%と、樹脂分としてMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂A)と、MFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂B)とを混合した混合樹脂(添加剤含む)を5〜50重量%とからなる混合物とし、前記混合樹脂の混合比を、樹脂A:樹脂B=35重量%〜80重量%:60重量%〜15重量%とする。更には、樹脂A:樹脂B=40重量%〜60重量%:20重量%〜40重量%とすることが望ましい。
また、添加剤としては、磁性粉の表面処理剤としてシラン系やチタネート系等のカップリング剤、流動性を良好にするポリスチレン系・フッ素系滑剤等、安定剤、可塑剤、もしくは難燃剤などを添加する。上記の磁性粉と樹脂分を混合分散し、溶融混練し、ペレット状に成形した後に、押出成形する。添加剤の重量比率は、樹脂および添加剤を含む樹脂成分の樹脂成分全体100重量%に対して、1〜10重量%が好ましく、更に2〜8重量%が好ましく、5重量が最も好ましい。
樹脂Aを35重量%未満にすると、溶融樹脂磁石組成物の流動性が低下し、その結果、樹脂磁石組成物中の磁性粒子の配向度が低下し、磁気特性が低下してしまう。また、樹脂Aが80重量%を超えると、溶融樹脂磁石組成物の流動性が良くなり過ぎ、押出成形では形状が維持できなり、押出性が低下する。
樹脂Bが60重量%を超えると、溶融樹脂磁石組成物の流動性が低下し、その結果、樹脂磁石組成物中の磁性粒子の配向が阻害され、磁気特性が低下してしまう。また、樹脂Bが15%未満になると、溶融樹脂磁石組成物の流動性が良くなり過ぎ、押出成形では形状が維持できなり、押出性が低下する。
また、樹脂AのMFR(190℃、2.16kgf)値が220g/10min未満の場合は、溶融樹脂磁石組成物の粘度が上昇し、磁性粒子の配向が阻害され、磁気特性が低下し、MFR(190℃、2.16kgf)値が280g/10minを超えると溶融樹脂磁石組成物の粘度が低下し、押出成形性が悪くなる。更に、MFR(190℃、2.16kgf)値を240〜260g/10minにすることが望ましい。
また、樹脂BのMFR(190℃、2.16kgf)値が18g/10min未満の場合は、溶融樹脂磁石組成物の粘度が上昇し、磁性粒子の配向が阻害され、磁気特性が低下し、MFR(190℃、2.16kgf)値が22g/10minを超えると溶融樹脂磁石組成物の粘度が低下し、押出成形性が悪くなる。更に、MFR(190℃、2.16kgf)値を19〜21g/10minにすることが望ましい。
成形時に印加する配向着磁磁場は、各磁極に要求される磁束密度仕様により適宜選択すればよい。また、要求磁気特性によっては成形時に配向着磁磁場を印加せず、成形後に着磁してもよい。
前記樹脂磁石組成物を用いることにより、押出成形にて成形されたマグネットピースは、クラックがなくなり、クラック起因のマグネットピースの折れが激減し、また磁気特性が向上し、磁束密度が小さいという不良が激減する。
マグネットピースは、図1のような押出成形装置を用いて、注入口から溶融樹脂磁石を、電磁石あるいは永久磁石で、金型に配置した配向着磁用ヨークにより240K・A/m〜2400K・A/mの磁場を印加しながら押出成形し、磁性粒子を所望の方向に配向着磁し、硬化させ、マグネットピースが得られる。得られたマグネットピースは、軟質塩ビ系樹脂磁石組成物を用いて押出成形されたマグネットピースよりもやや硬くなり、よって寸法精度が良好となり、後加工が不要となり、低コストで高寸法精度のマグネットピースが得られる。
また、本発明は、混合樹脂に対して可とう性向上剤(樹脂C)を含むことを特徴とするものである。
(5)本発明の第5は、
前記樹脂成分に加えて、可とう性向上剤(樹脂C)を含むことを特徴とする、本発明の第1〜4のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
また、本発明は、混合樹脂に対して水添スチレン系熱可塑性エラストマー(樹脂C)を10〜30重量%添加したことを特徴とするものである。
該水添スチレン系熱可塑性エラストマーを10重量%未満にすると、添加効果が現れず、 マグネットピースの可とう性が向上せず、また、30重量%を超えると、溶融樹脂磁石組成物の溶融粘度が上がり、その結果、溶融樹脂磁石組成物内の磁性粒子の配向が阻害され、磁気特性が低下してしまう。よって、水添スチレン系熱可塑性エラストマーを10〜30重量%添加することにより、磁気特性を維持しつつ押出成形が安定し、成形物の寸法精度が向上し、クラックも発生せず、また、成形品の可とう性が向上し、折れ等が激減する。更に、上記添加剤の量を15重量%〜25重量%とすることが望ましい。
(6)本発明の第6は、
前記可とう性向上剤(樹脂C)が、水添スチレン系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする、本発明の第1〜5のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、、
である。
(7)本発明の第7は、
前記樹脂成分全体100重量%に対して、
前記水添スチレン系熱可塑性エラストマー(樹脂C)を10重量%以上30重量%以下含むことを特徴とする、本発明の第1〜6のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
ここで、磁性粉としては、MO・nFe23(nは自然数)で代表される化学式を持つ異方性フェライト磁性粉などがあげられる。式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種または2種以上が適宜選択して用いられる。
マグネットピースの樹脂分としては、JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂A)と、MFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂B)とを混合した混合樹脂(添加剤含む)である。
また、要求される磁束密度により、強磁性体粉末が等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との混合磁性粉を使用する。等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との混合割合は要求される磁束密度により適宜決めればよいが、等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との割合は、重量比で2:8〜8:2が適切である。等方性希土類磁性粉の割合が20重量%未満の場合は、等方性希土類磁性粉を混合した効果が発現せず、また、80重量%を超える場合は、高磁気特性を得ることができるが、樹脂磁石材料が高価となってしまう。
この場合、希土類磁性粉として等方性希土類磁性粉を用いることにより、押出時に印加する磁場によって発生する押出樹脂磁石材料への磁気吸引力をあまり増大させることなく、比較的スムーズに押出成形することが可能となる。
更に、磁性粉として、異方性フェライト磁性粉、等方性フェライト磁性粉、異方性希土類磁性粉(例えばSmFeN系)、等方性希土類磁性粉(例えばNeFeB系)を単独または2種類以上を混合して使用しても良い。
上記に示した単独磁性粉あるいは混合磁性粉の含有率が50重量%未満では、磁性粉不足により、マグネットピースの磁気特性が低下して所望の磁力が得られにくくなり、またそれらの含有率が95重量%を超えると、バインダー不足となり成形性が損なわれるおそれがある。
また、本明細書においては、5つのマグネットピースをシャフトに貼り合わせた5極構成のマグネットロールを主に説明しているが、本発明は5極マグネットロールのみに限定されない。すなわち、所望の磁束密度と磁界分布により、マグネットピースの数量を選択し、磁極数や磁極位置も適宜設定すればよい。
さらに、成形と同時に磁場を印加する場合、成形物の脱型性の向上や、成形物のマグカス等のゴミ付着防止やマグネットピースの取り扱い性を容易にするために、成形後金型内あるいは金型外で一旦脱磁し、その後着磁してもよい。
また、押出成形品はマグネットピースの貼り合わせタイプではなく、円筒状のマグネット(磁極数は任意)を当該樹脂磁石組成物で押出成形してもよい。
(8)本発明の第8は、
樹脂および添加剤を含む前記の樹脂成分が、樹脂磁石組成物全体100重量%に対して5重量%以上50重量%以下含まれ、かつ、
前記強磁性体粉末が、樹脂磁石組成物全体100重量%に対して50重量%以上95重量%以下含まれることを特徴とする、
本発明の第1〜7のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物、
である。
本発明の押出成形用樹脂組成物は、以下の成形体、樹脂磁石、マグネットローラーを提供することができる。
すなわち、本発明の押出成形用樹脂磁石組成物を含む、成形体を提供することができる。
また、本発明の押出成形用樹脂磁石組成物を含む、成形体が、扇形樹脂磁石である、樹脂磁石を提供することができる。
また、本発明の押出成形用樹脂磁石組成物を含む、扇形樹脂磁石を含む、マグネットローラーを提供することができる。
以下に本発明を実施例および比較例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図3のマグネットピース材料として、磁性粉を90重量%、樹脂および添加剤を含む樹脂成分を10重量%とした。
ここで磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト磁性粉(SrO・6Fe23:同和鉱業製NF−350)を用いた。
樹脂成分としては、
樹脂としてエチレンエチルアクリレート系樹脂(射出成形用EEA樹脂:日本ユニカー製PES−250:樹脂A:JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値=250g/10min)35重量%、
エチレンエチルアクリレート系樹脂(押出成形用EEA樹脂:日本ユニカー製PES−220:樹脂B:JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値=20g/10min)60重量%を混合し、
かつ添加剤(安定剤+滑剤+可塑剤)を5重量%添加したものを用いた。
これらの磁性粉と混合樹脂(添加剤含む)を混合し、溶融混練し、ペレット状に成形し、このペレットを溶融状態にし、図1の押出成形装置を用いて、240K・A/m〜2400K・A/mの磁場を印加しながら溶融樹脂磁石の磁性粒子を配向着磁し、図3に示す各マグネットピースを押出成形した。成形されたマグネットピースをシャフト外周面に貼り合わせてマグネットローラを形成した。
マグネットローラ本体部(マグネット部)の外径はφ13.6(直径13.6mm)、マグネット本体部の長さは320mm、シャフトの外径はφ6(直径6mm)で、シャフトの材質はSUM22を使用した。
形成されたマグネットローラの両端軸部を支持し、マグネットローラを回転させながら、マグネットローラの中心から8mm離れた位置(スリーブ上)にプローブ(磁束密度センサー/Bell社製SAB4−1802)をセットし、ガウスメータ(Bell社製9640)にてマグネットローラの周方向磁束密度パターンを測定した。
主極磁力(mT)は、周方向の平均値(長手方向の3カ所での測定値)である。
また、マグネットピースの抗折強度は、万能試験機(島津製作所製AGS−H 5kN)で図4のようにマグネットピースを固定治具に固定し矢印の方向へ加圧治具を50mm/minのスピードで加圧し、折れるまでのたわみ量を測定し、そのたわみ量により成形品の可とう性を評価した。たわみ量が大きい方が、可とう性良好と判断した。
更に、マグネットピースの外観を目視により、クラックの有無を判断した。
寸法精度の評価方法は、マグネットピースの断面を1mm程度にスライスし、10倍の投影機にて所望の寸法(規格)に入っているか否かを判断した。規格中央に入っているものを◎とし、規格内に入っているものを○とし、規格外のものを×とした。
測定結果を表1に示す。

Figure 0004650042
(実施例2)
混合樹脂(樹脂成分)の内訳を、樹脂Aを55重量%、樹脂Bを40重量%とする以外はすべて実施例1と同様に行った。
(実施例3)
混合樹脂(樹脂成分)の内訳を、樹脂Aを80重量%、樹脂Bを15重量%とする以外はすべて実施例1と同様に行った。
(実施例4)
混合樹脂(樹脂成分)の内訳を、樹脂Aを35重量%、樹脂Bを50重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を10重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(実施例5)
混合樹脂(樹脂成分)の内訳を、樹脂Aを50重量%、樹脂Bを35重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を10重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(実施例6)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを70重量%、樹脂Bを15重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を10重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(実施例7)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを35重量%、樹脂Bを30重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を30重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(実施例8)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを50重量%、樹脂Bを15重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を30重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例1)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを0重量%、樹脂Bを95重量%とする以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例2)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを95重量%、樹脂Bを0重量%とする以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例3)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを30重量%、樹脂Bを65重量%とする以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例4)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを85重量%、樹脂Bを10重量%とする以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例5)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを33重量%、樹脂Bを57重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を5重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例6)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを80重量%、樹脂Bを5重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を10重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例7)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを30重量%、樹脂Bを25重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を40重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
(比較例8)
混合樹脂の内訳を、樹脂Aを45重量%、樹脂Bを10重量%とし、更に水添スチレンエラストマー(樹脂C:JSR製DYNARON 1320P)を40重量%添加する以外はすべて実施例1と同様に行った。
実施例1〜3と比較例1、2を比べると、実施例1〜3は成形品にクラックもなく、磁気特性も高いことがわかる。特に比較例2の樹脂A(射出成形用)単独では、溶融粘度が低過ぎ、押出成形不可能となっている。
よって、樹脂Aと樹脂Bを特定の割合で混合することにより、成形品のクラックが無くなり、かつ高い磁気特性を維持できていることがわかる。
実施例1〜3と比較例3、4を比べると、実施例1〜3は成形品にクラックもなく、磁気特性も高いが、比較例3は、磁気特性が低く、比較例4はクラックが発生し、また成形品の寸法精度も悪いことがわかる。
よって、樹脂Aと樹脂Bとの混合比は、樹脂A:樹脂B=35重量%〜80重量%:60重量%〜15重量%が適切であることがわかる。
実施例4〜8と比較例5〜8を比べると、実施例4〜8はクラックも無く、高い磁気特性を維持し、寸法精度と可とう性も良好で、比較例5〜8は磁気特性が低下したり、クラックが発生していることがわかる。
よって、樹脂Cの添加量は10重量%〜30重量%が適切であることがわかる。
マグネットピースの押出成形装置 本発明のマグネットローラの斜視図 本発明のマグネットローラの断面図 マグネットピースの抗折強度およびたわみ量の測定を説明する図
符号の説明
1 電磁石あるいは永久磁石
2 ヨーク
3 押出成形用金型
4 シリンダー
5 スクリュー
6 樹脂磁石組成物
7 マグネットピース
8 軸部
9 加圧治具
10 マグネットピース固定治具
11 マグネットピース固定治具ベース台
12 マグネットピースたわみ量

Claims (7)

  1. 樹脂および添加剤を含む樹脂成分と、強磁性体粉末とを含む、樹脂磁石組成物であって、
    前記樹脂成分全体100重量%に対して、
    JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minである樹脂Aを35重量%以上80重量%以下含み、かつ、
    JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minである樹脂Bを15重量%以上60重量%以下含む、
    ことを特徴とする、押出成形用樹脂磁石組成物。
  2. 前記樹脂A、樹脂Bのいずれかが、少なくともエチレンエチルアクリレート共重合体を含む、請求項記載の押出成形用樹脂磁石組成物。
  3. 樹脂および添加剤を含む樹脂成分と、強磁性体粉末とを含む、樹脂磁石組成物であって、
    前記樹脂成分全体100重量%に対して、
    JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が220〜280g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂A)を35重量%以上80重量%以下含み、かつ、
    JISK6922−2に規定されたMFR(190℃、2.16kgf)値が18〜22g/10minであるエチレンエチルアクリレート共重合体(樹脂B)を15重量%以上60重量%以下含む、
    ことを特徴とする、押出成形用樹脂磁石組成物。
  4. 前記樹脂成分に加えて、可とう性向上剤(樹脂C)を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物。
  5. 前記可とう性向上剤(樹脂C)が、水添スチレン系熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする、請求項記載の押出成形用樹脂磁石組成物。
  6. 前記樹脂成分全体100重量%に対して、
    前記水添スチレン系熱可塑性エラストマー(樹脂C)を10重量%以上30重量%以下含むことを特徴とする、請求項記載の押出成形用樹脂磁石組成物。
  7. 樹脂および添加剤を含む前記の樹脂成分が、樹脂磁石組成物全体100重量%に対して5重量%以上50重量%以下含まれ、かつ、
    前記強磁性体粉末が、樹脂磁石組成物全体100重量%に対して50重量%以上95重量%以下含まれることを特徴とする、
    請求項1〜のいずれかに記載の押出成形用樹脂磁石組成物。
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