JPH09219312A - プラスチック磁石用組成物 - Google Patents
プラスチック磁石用組成物Info
- Publication number
- JPH09219312A JPH09219312A JP2632596A JP2632596A JPH09219312A JP H09219312 A JPH09219312 A JP H09219312A JP 2632596 A JP2632596 A JP 2632596A JP 2632596 A JP2632596 A JP 2632596A JP H09219312 A JPH09219312 A JP H09219312A
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- JP
- Japan
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- vinylidene fluoride
- ferrite
- composition
- plastic magnet
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 流動性に優れ、機械的強度を損なわずにかつ
高磁力で耐熱性に優れたプラスチック磁石成形品を与え
るプラスチック磁石用組成物を提供する。 【解決手段】 ストロンチウムフェライトまたはバリウ
ムフェライトからなるフェライト類、ＰＰＳ樹脂および
フッ化ビニリデン系ゴムからなるプラスチック磁石用組
成物により、従来のプラスチック磁石組成物に比べ、射
出成形時の流動性、加工性に優れた高磁力のプラスチッ
ク磁石用組成物を得ることができる。
高磁力で耐熱性に優れたプラスチック磁石成形品を与え
るプラスチック磁石用組成物を提供する。 【解決手段】 ストロンチウムフェライトまたはバリウ
ムフェライトからなるフェライト類、ＰＰＳ樹脂および
フッ化ビニリデン系ゴムからなるプラスチック磁石用組
成物により、従来のプラスチック磁石組成物に比べ、射
出成形時の流動性、加工性に優れた高磁力のプラスチッ
ク磁石用組成物を得ることができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ、マグロー
ル等に使用されるプラスチック磁石用組成物に関するも
のである。
ル等に使用されるプラスチック磁石用組成物に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、プラスチック磁石は寸法精度
が良く、耐熱性も比較的良好なことからポリアミド樹脂
をバインダーとしたプラスチック磁石組成物が使用され
ている。とくに高耐熱の要求される用途にはポリフェニ
レンサルファイド（以下、ＰＰＳと記す）樹脂がバイン
ダーとして用いられている。また樹脂を含有させること
で射出成形が可能となるため、さまざまな形状のプラス
チック磁石成形品を得ることができ、さらに従来２部品
を接着剤で接着することで作成されていた部品を、シャ
フト等を金型にインサートするインサート成形により一
体成形することで、低コスト化が可能になる。
が良く、耐熱性も比較的良好なことからポリアミド樹脂
をバインダーとしたプラスチック磁石組成物が使用され
ている。とくに高耐熱の要求される用途にはポリフェニ
レンサルファイド（以下、ＰＰＳと記す）樹脂がバイン
ダーとして用いられている。また樹脂を含有させること
で射出成形が可能となるため、さまざまな形状のプラス
チック磁石成形品を得ることができ、さらに従来２部品
を接着剤で接着することで作成されていた部品を、シャ
フト等を金型にインサートするインサート成形により一
体成形することで、低コスト化が可能になる。
【０００３】ところが、モータ用などに使われる磁石の
場合には、高磁力が要求されるため、プラスチック磁石
を用いるためには、プラスチック磁石中のフェライト類
の比率を高くしなければならない。しかし単純にフェラ
イト類の比率を高くすると、射出成形時における流動性
が悪くなってしまい、キャビティに材料が充填しきらな
いなどの成形不良が起きたり、インサート成形品に割れ
が生じたりするという問題がある。プラスチック磁石組
成物の流動性を向上させる添加剤としては、金属石鹸等
があるが、これら金属石鹸を用いると、それらの融点が
３００℃未満であり、本配合のようにＰＰＳ樹脂をベー
スレジンとした場合、３００℃を越す高温で成形される
ため金属石鹸の効果が少なく、混練溶融時の流動性、成
形物の機械的強度などの低下が見られる。
場合には、高磁力が要求されるため、プラスチック磁石
を用いるためには、プラスチック磁石中のフェライト類
の比率を高くしなければならない。しかし単純にフェラ
イト類の比率を高くすると、射出成形時における流動性
が悪くなってしまい、キャビティに材料が充填しきらな
いなどの成形不良が起きたり、インサート成形品に割れ
が生じたりするという問題がある。プラスチック磁石組
成物の流動性を向上させる添加剤としては、金属石鹸等
があるが、これら金属石鹸を用いると、それらの融点が
３００℃未満であり、本配合のようにＰＰＳ樹脂をベー
スレジンとした場合、３００℃を越す高温で成形される
ため金属石鹸の効果が少なく、混練溶融時の流動性、成
形物の機械的強度などの低下が見られる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性に優
れ、機械的強度を損なわずにかつ高磁力で耐熱性に優れ
たプラスチック磁石成形品を与えるプラスチック磁石用
組成物を提供するものである。
れ、機械的強度を損なわずにかつ高磁力で耐熱性に優れ
たプラスチック磁石成形品を与えるプラスチック磁石用
組成物を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、ストロンチウ
ムフェライトまたはバリウムフェライトからなるフェラ
イト類、ＰＰＳ樹脂およびフッ化ビニリデン系ゴムから
なるプラスチック磁石組成物であり、フェライト類の混
合量が８０〜９１重量％、ポリフェニレンサルファイド
樹脂の混合量が９〜２０重量％、フッ化ビニリデン系ゴ
ムの混合量が０．０５〜２．５重量％であって、フッ化
ビニリデン系ゴムがフッ化ビニリデンと５フッ化プロピ
レン、６フッ化プロピレンまたは３フッ化塩化エチレン
との共重合体であり、かつＡＳＴＭ−Ｄ１６１４に従っ
て測定した１２１℃におけるムーニー粘度が２０〜５０
であるプラスチック磁石用組成物である。
ムフェライトまたはバリウムフェライトからなるフェラ
イト類、ＰＰＳ樹脂およびフッ化ビニリデン系ゴムから
なるプラスチック磁石組成物であり、フェライト類の混
合量が８０〜９１重量％、ポリフェニレンサルファイド
樹脂の混合量が９〜２０重量％、フッ化ビニリデン系ゴ
ムの混合量が０．０５〜２．５重量％であって、フッ化
ビニリデン系ゴムがフッ化ビニリデンと５フッ化プロピ
レン、６フッ化プロピレンまたは３フッ化塩化エチレン
との共重合体であり、かつＡＳＴＭ−Ｄ１６１４に従っ
て測定した１２１℃におけるムーニー粘度が２０〜５０
であるプラスチック磁石用組成物である。
【０００６】
【発明の実施の態様】本発明におけるフェライト類の含
有量としては、８０〜９１重量％が望ましい。８０重量
％より少ない場合には、フェライト含有量に起因する磁
気特性が低下し不適当である。また、９１重量％を越え
る場合には、フェライトとＰＰＳ樹脂との混練溶融物の
流動性が悪くなり、射出成形が不可能になる。また、こ
れらのフェライト類はシラン系カップリング剤、チタネ
ート系カップリング剤などで表面処理をされていても構
わない。本発明において使用するＰＰＳ樹脂はリニアタ
イプでも架橋タイプでも構わない。また、ＰＰＳ樹脂に
必要に応じてガラス繊維などの補強剤を添加してもよ
い。
有量としては、８０〜９１重量％が望ましい。８０重量
％より少ない場合には、フェライト含有量に起因する磁
気特性が低下し不適当である。また、９１重量％を越え
る場合には、フェライトとＰＰＳ樹脂との混練溶融物の
流動性が悪くなり、射出成形が不可能になる。また、こ
れらのフェライト類はシラン系カップリング剤、チタネ
ート系カップリング剤などで表面処理をされていても構
わない。本発明において使用するＰＰＳ樹脂はリニアタ
イプでも架橋タイプでも構わない。また、ＰＰＳ樹脂に
必要に応じてガラス繊維などの補強剤を添加してもよ
い。
【０００７】本発明の特徴のひとつは、上記のフェライ
トおよびＰＰＳ樹脂にさらにフッ化ビニリデン系ゴムを
０．０５〜２．５重量％含有することである。フッ化ビ
ニリデン系ゴムを含有することにより、フェライト粒子
間の摩擦係数が小さくなり、外部磁界を加えた場合に磁
界方向にフェライトが配向しやすくなり、磁気特性が向
上するという効果がある。さらにフッ化ビニリデン系ゴ
ムを含有することにより、フェライトとＰＰＳ樹脂との
混練溶融物の流動性が向上し、より多量のフェライトの
含有が可能となり、磁気特性が向上する効果がある。
トおよびＰＰＳ樹脂にさらにフッ化ビニリデン系ゴムを
０．０５〜２．５重量％含有することである。フッ化ビ
ニリデン系ゴムを含有することにより、フェライト粒子
間の摩擦係数が小さくなり、外部磁界を加えた場合に磁
界方向にフェライトが配向しやすくなり、磁気特性が向
上するという効果がある。さらにフッ化ビニリデン系ゴ
ムを含有することにより、フェライトとＰＰＳ樹脂との
混練溶融物の流動性が向上し、より多量のフェライトの
含有が可能となり、磁気特性が向上する効果がある。
【０００８】フッ化ビニリデン系ゴムとしては特に限定
されないが、好ましくはフッ化ビニリデンと５フッ化プ
ロピレン、６フッ化プロピレンまたは３フッ化塩化エチ
レンとの共重合体である。フッ化ビニリデン系ゴムの含
有量としては０．０５重量％以上２．５重量％以下が望
ましい。これは０．０５重量％を下回ると射出成形時の
流動性向上効果が少なく、２．５重量％を越えると成形
品の機械的強度が低下するという欠点があるためであ
る。またフッ化ビニリデン系ゴムのＡＳＴＭ−Ｄ１６１
４に従って測定した１２１℃におけるムーニー粘度は２
０〜５０であることが望ましい。これは２０を下回ると
成形品の機械的強度が低下し、５０を越えると流動性向
上の効果が少ないという欠点があるためである
されないが、好ましくはフッ化ビニリデンと５フッ化プ
ロピレン、６フッ化プロピレンまたは３フッ化塩化エチ
レンとの共重合体である。フッ化ビニリデン系ゴムの含
有量としては０．０５重量％以上２．５重量％以下が望
ましい。これは０．０５重量％を下回ると射出成形時の
流動性向上効果が少なく、２．５重量％を越えると成形
品の機械的強度が低下するという欠点があるためであ
る。またフッ化ビニリデン系ゴムのＡＳＴＭ−Ｄ１６１
４に従って測定した１２１℃におけるムーニー粘度は２
０〜５０であることが望ましい。これは２０を下回ると
成形品の機械的強度が低下し、５０を越えると流動性向
上の効果が少ないという欠点があるためである
【０００９】
【実施例】本発明の実施例及び比較例を以下に示すが、
本発明がこれら実施例のみに限定されないことは勿論で
ある。 《実施例１〜２、比較例１〜４》表１に示す組成物を小
型高速ミキサーで撹拌混合し、二軸同方向連続押出機で
３００℃から３３０℃のシリンダ設定温度で溶融混練
し、造粒機でペレットを造粒した。なお、組成物中のス
トロンチウムフェライトについてはシランカップリング
剤で表面処理されているものを用いた。このペレットを
２．５オンスの射出成形機でシリンダ設定温度３１０℃
から３４０℃で射出成形を行った。フッ化ビニリデン系
ゴムとしては、ムーニー粘度が３５のフッ化ビニリデン
と５フッ化プロピレンの共重合体を使用した。
本発明がこれら実施例のみに限定されないことは勿論で
ある。 《実施例１〜２、比較例１〜４》表１に示す組成物を小
型高速ミキサーで撹拌混合し、二軸同方向連続押出機で
３００℃から３３０℃のシリンダ設定温度で溶融混練
し、造粒機でペレットを造粒した。なお、組成物中のス
トロンチウムフェライトについてはシランカップリング
剤で表面処理されているものを用いた。このペレットを
２．５オンスの射出成形機でシリンダ設定温度３１０℃
から３４０℃で射出成形を行った。フッ化ビニリデン系
ゴムとしては、ムーニー粘度が３５のフッ化ビニリデン
と５フッ化プロピレンの共重合体を使用した。
【００１０】磁力測定用には外径３０mm、厚み３．５mm
の円盤を軸配向に磁場をかけながら成形し、曲げ強さの
測定用にはＡＳＴＭ−Ｄ７９０に準拠した試験片を成形
した。また、ペレットの流動性を評価するために高化式
フローテストをノズルφ１×１、温度３００℃、荷重５
０ｋｇｆ／ｃｍ2で行った。そして、これらの磁気特
性、物理特性等の評価結果を表１に示した。
の円盤を軸配向に磁場をかけながら成形し、曲げ強さの
測定用にはＡＳＴＭ−Ｄ７９０に準拠した試験片を成形
した。また、ペレットの流動性を評価するために高化式
フローテストをノズルφ１×１、温度３００℃、荷重５
０ｋｇｆ／ｃｍ2で行った。そして、これらの磁気特
性、物理特性等の評価結果を表１に示した。
【００１１】
【表１】
【００１２】表１に示される通り、実施例１および２で
は、磁力も高く、機械強度も強い成形品ができている。
また、ペレットの流動性も高く、成形性に優れている。
一方、比較例１ではフッ化ビニリデン系ゴムの量が多い
ため、強度が極端に低下しており、逆に比較例２および
３ではフッ化ビニリデン系ゴムの量が少ないかあるいは
添加していないため、流動性が悪く、成形しにくくな
り、そのため、磁力も実施例に比べるとやや落ちてい
る。比較例４はフッ化ビニリデン系ゴムの代わりに金属
石鹸を添加した例であるが、流動性向上の効果が小さ
く、強度の低下も招いている。
は、磁力も高く、機械強度も強い成形品ができている。
また、ペレットの流動性も高く、成形性に優れている。
一方、比較例１ではフッ化ビニリデン系ゴムの量が多い
ため、強度が極端に低下しており、逆に比較例２および
３ではフッ化ビニリデン系ゴムの量が少ないかあるいは
添加していないため、流動性が悪く、成形しにくくな
り、そのため、磁力も実施例に比べるとやや落ちてい
る。比較例４はフッ化ビニリデン系ゴムの代わりに金属
石鹸を添加した例であるが、流動性向上の効果が小さ
く、強度の低下も招いている。
【００１３】
【発明の効果】本発明に従えば、従来のプラスチック磁
石組成物に比べ、射出成形時の流動性に優れたプラスチ
ック磁石組成物を得ることができ、本発明の組成物を射
出成形することで高磁力で機械強度に優れた成形品を得
ることができるので、ＯＡ機器などに使用されるモー
タ、マグロール等に使用するプラスチック磁石として工
業的に好適である。
石組成物に比べ、射出成形時の流動性に優れたプラスチ
ック磁石組成物を得ることができ、本発明の組成物を射
出成形することで高磁力で機械強度に優れた成形品を得
ることができるので、ＯＡ機器などに使用されるモー
タ、マグロール等に使用するプラスチック磁石として工
業的に好適である。
Claims (4)
- 【請求項１】 ストロンチウムフェライトまたはバリウ
ムフェライトからなるフェライト類、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂およびフッ化ビニリデン系ゴムからなる
ことを特徴とするプラスチック磁石用組成物。 - 【請求項２】 フェライト類の混合量が８０〜９１重量
％、ポリフェニレンサルファイド樹脂の混合量が９〜２
０重量％、フッ化ビニリデン系ゴムの混合量が０．０５
〜２．５重量％であることを特徴とする請求項１記載の
プラスチック磁石用組成物。 - 【請求項３】 フッ化ビニリデン系ゴムがフッ化ビニリ
デンと５フッ化プロピレン、６フッ化プロピレンまたは
３フッ化塩化エチレンとの共重合体であることを特徴と
する請求項１または２記載のプラスチック磁石用組成
物。 - 【請求項４】 フッ化ビニリデン系ゴムがＡＳＴＭ−Ｄ
１６１４に従って測定した１２１℃におけるムーニー粘
度が２０〜５０であることを特徴とする請求項１、２ま
たは３記載のプラスチック磁石用組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2632596A JPH09219312A (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | プラスチック磁石用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2632596A JPH09219312A (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | プラスチック磁石用組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09219312A true JPH09219312A (ja) | 1997-08-19 |
Family
ID=12190267
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2632596A Pending JPH09219312A (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | プラスチック磁石用組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09219312A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114477988A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-05-13 | 天通控股股份有限公司 | 一种易成型、高强度铁氧体材料及其制备方法 |
| WO2023120184A1 (ja) * | 2021-12-21 | 2023-06-29 | 戸田工業株式会社 | ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いたボンド磁石 |
-
1996
- 1996-02-14 JP JP2632596A patent/JPH09219312A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2023120184A1 (ja) * | 2021-12-21 | 2023-06-29 | 戸田工業株式会社 | ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いたボンド磁石 |
| CN114477988A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-05-13 | 天通控股股份有限公司 | 一种易成型、高强度铁氧体材料及其制备方法 |
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