JP2004220649A - 分散装置および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コニカルロータ型分散機の持つ優れた特性を生かしながら、高比重ビーズをはじめとする、あらゆる種類のビーズに対応し、分散効率に優れ、ショートパスが少なく、摩耗しにくい分散装置を提供する。
【解決手段】一端部に塗料供給口4が設けられるとともに、他端部に塗料取出口5が設けられた筒形の容器1と、筒状に形成されて前記容器1内に同心的に配設され、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータ20であって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部2aと、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部2bとを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部2a,2bの中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部2を、複数直列に配設して成るロータ20と、前記容器1内に収容された複数個のビーズとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】一端部に塗料供給口4が設けられるとともに、他端部に塗料取出口5が設けられた筒形の容器1と、筒状に形成されて前記容器1内に同心的に配設され、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータ20であって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部2aと、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部2bとを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部2a,2bの中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部2を、複数直列に配設して成るロータ20と、前記容器1内に収容された複数個のビーズとを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料を均一に分散させるための分散装置に関する。また、この分散装置を用いていわゆる塗布型の磁気記録媒体用の磁性塗料を作製して、磁気記録媒体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微粒子磁性粉を塗料化し、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体とするためには、磁性粉等の粉体と結合剤とを高い剪断力をもつ混練装置によって混練した後、この磁性塗料を分散装置に送って均一に分散することが従来より行われている。
【0003】
この分散装置としては、例えば図7に示されるような、円筒形の容器101内に複数のディスク102を所定間隔で配設し、それらの中心を貫通する軸103によってディスク102を回転させるように構成した、いわゆるディスク型分散装置が用いられてきた。
【0004】
なお図7において、104は塗料供給口、105は塗料取出口、106はスリット、107はビーズセパレータであり、容器101内には図示しない小径のビーズが多数入れられている。
【0005】
このため、塗料供給口104より供給された磁性塗料は、ディスク102の回転により形成されたビーズの循環流(図中矢印にて示される。)に乗りながら下流側へ送られ、この間、ディスク102の回転による剪断力およびビーズとの衝突による剪断力によって分散がなされて、塗料取出口105から取り出されることとなる。
【0006】
しかしながら、このようなディスク型分散装置においては、ビーズやディスク102の摩耗は比較的小さいものの、磁性塗料が十分に循環せず、ディスク102の先端部と容器101の内壁面との間の空間を通過して、ショートパスしやすい。
【0007】
さらに、磁性塗料の供給流量によっては、磁性塗料と共にビーズが下流側へと移動して、塗料取出口105付近に集中してしまい、この部分での圧力を上昇させ、摩耗の増大を生じる等の問題もある。さらには、有効剪断領域がディスクの先端部近傍のみであるため、容器101の容量当たりの分散効率も悪い。
【0008】
近年のデジタル化の急速な進展は、磁気記録媒体の高密度化への要求を一層強め、磁性塗料の高分散化、高効率化は欠かせない要件となっている。そして、それを実現する上で、高比重・超微粒子ビーズの使用に耐え、高流量分散が可能な分散機が求められるようになった。
【0009】
こうした要求に応えるべく、容器内の全容量を有効剪断領域とするアニューラ型分散装置、コニカルローター型分散機が開発された。
【0010】
【特許文献1】特開平9−16957号公報。
【0011】
図8は特許文献1に開示されたコニカルロータ型分散機の概略構成を示している。図8において、円筒形の容器111内には略円錐台形の1個のロータ112が配設され、その中心に設けた軸113を介して回転可能とされ、該ロータ112の回転により、ロータ112表面と容器111の内壁面との間にビーズの循環流(図示矢印)を形成しながら、塗料供給口114から供給された塗料に対する分散処理を行うものである。尚図8において115は塗料取出口、116はスリット、117はビーズセパレータである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
またコニカルロータ型分散機においては、例えば図1に示すように、略円錐台形のロータ部2を複数個直列に配設して円筒形の容器1内に収納することが考えられる。図1において20は、相対的に小径の円形面部2aと相対的に大径の円形面部2bとを有した略円錐台形のロータ部2を、隣接するロータ部間で円形面部2aと2bが接合するように、複数個直列に配設して成るロータである。
【0013】
ロータ20の中心には軸3が設けられ、その端部は容器1から突出し、図示しないモータの回転軸に連結されている。4は、容器1の前記ロータ部2の相対的に小径の円形面部2a側に設けられた塗料供給口、5は容器1の軸3側に設けられた塗料取出口、6は塗料取出口5付近に設けられたスリット、7はビーズセパレータである。尚容器1内には図示しない小径のビーズが収容されている。
【0014】
上記のように構成されたコニカルロータ型分散機において、磁性塗料は塗料供給口4より供給され、ロータ20の回転により分散を受けながら塗料取出口5から取り出される。
【0015】
なお、このコニカルローター型分散機においても、ディスク型分散装置と同様、図示しない小径のビーズを用いて磁性塗料を分散させるが、ビーズは、略円錐台形のロータ20の回転により、ロータ表面と容器1との間の空間に循環流(図示矢印)が形成されるため、ビーズ及び磁性塗料がビーズセパレータ7付近に集中することはない。
【0016】
しかしながら、このコニカルロータ型分散機においては、セラミックビーズなど高比重ビーズ使用の際に、ロータの回転にもかかわらず、ビーズ循環流が充分に形成されない現象が生じ、結果として、ビーズセパレータ近傍にビーズが集中し、発熱やビーズ摩耗が発生するという問題点があった。
【0017】
また、十分なビーズ循環流を形成する手段として、例えばローター表面に突起をつけるとか傾斜角度の大きいロータを用いる等の方法がある。
【0018】
しかしながら、こうした方法は、十分なビーズ循環流の形成する上では有効であるが、全体としてビーズの塗料供給側への戻りが大きく、そのため塗料供給口側でのビーズの動きが緩慢になり、分散効率の低下とビーズ同士の摺動によるビーズ磨耗が発生し、結果として品質の低下を招く。
【0019】
これを解決するためには、塗料供給口に最も近接したロータの前面に、ロータの相対的に大径の断面と同等もしくは大きい径を有するディスクを配することにより、塗料供給口側へのビーズの戻りを防ぎ、この部分での分散効率改善をはかることでも対応できる。しかし、この方法でも依然として有効せん断領域であるロータ表面にビーズをより集中させるには十分ではなかった。
【0020】
コニカルロータ型分散機は、ロータ全面を有効剪断域とするため、優れた高分散性と高効率性を持つ分散機であり、かつ、高流量分散にも応えうる分散機である。
【0021】
そこで本発明の目的は、コニカルロータ型分散機の持つ優れた特性を生かしながら、高比重ビーズをはじめとする、あらゆる種類のビーズに対応し、有効せん断領域であるロータ表面にビーズを集中させることで、分散効率に優れ、ショートパスが少なく、摩耗しにくい分散装置を提供し、また当該分散装置を用いて磁性塗料を分散させることにより、電磁変換特性に優れ、コストの低減を図ることができる磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る分散装置は、上述の目的を達成するために提案されたものであって、図4のような、斜辺の傾斜角度が10°以上20°未満に形成されたロータを、図1のように複数直列に配されることを特徴とするコニカルロータ型の分散装置である。
【0023】
一般にコニカルロータ型分散機において、セラミック等の高比重ビーズ使用の際に生ずる、ビーズ循環流形成が充分でない現象は、セラミックビーズとロータ間の相対摩擦の低さとそれによる慣性力の不足に起因するものである。
【0024】
これを解決するためには、ロータ材質の変更やロータに凹凸をつける、また、周速度を大きくすることでも対応できる。しかし、ロータ材質を変更すると、低比重ビーズ使用時に、ビーズ摩耗や機械磨耗が大きくなり、またロータに凹凸をつけることや周速度を大きくすることは、ビーズ磨耗を多くすることになる。結果的には、いずれの方法も分散の悪化を招いてしまう。
【0025】
本発明は、こうした問題を生ずること無く、高比重ビーズを含むあらゆるビーズの使用を可能にするなど、一層幅広い汎用性を提供するものである。
【0026】
すなわち本発明の分散装置は、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部に塗料取出口が設けられた筒形の容器と、筒状に形成されて前記容器内に同心的に配設されるとともに、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータであって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部と、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部とを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部の中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部を、複数直列に配設して成るロータと、前記容器内に収容された複数個のビーズとを備え、前記ロータの回転により、該ロータ表面と前記容器の内壁面との間に、前記ビーズの循環流を形成しながら、前記塗料供給口から供給された塗料に対する分散処理を施すことを特徴としている。
【0027】
また前記ロータは、隣接するロータ部間では、前記第1の円形面部と第2の円形面部とが接合されるように配設されていることを特徴としている。
【0028】
また前記ロータは、隣接するロータ部間では、前記第1の円形面部どうしが接合されるように配設されていることを特徴としている。
【0029】
また前記ロータの、前記塗料供給口側に最も近設されたロータ部の第1の円形面部には、第2の円形面部の径と同等か又はそれより大きい径を有するディスクが固設されていることを特徴としている。
【0030】
また前記ロータの、前記塗料供給口側に最も近設されたロータ部の第2の円形面部には、第2の円形面部の径と同等か又はそれより大きい径を有するディスクが固設されていることを特徴としている。
【0031】
また前記ロータは、一体成形により構成されていることを特徴としている。
【0032】
また前記ロータ部の傾斜角度は、前記ビーズの種類に応じて、前記範囲内で決定されていることを特徴としている。
【0033】
また磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いられることを特徴としている。
【0034】
そして、このような構成を有する分散装置は、従来公知のどのような塗料を分散させるために用いられてもよいが、磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いられて好適である。
【0035】
即ち、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部に塗料取出口が設けられた筒形の容器と、筒状に形成されて前記容器内に同心的に配設されるとともに、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータであって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部と、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部とを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部の中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部を、複数直列に配設して成るロータと、前記容器内に収容された複数個のビーズとを備えた分散装置に、前記塗料供給口から磁性塗料を供給するとともに、前記ロータを回転させることにより、該ロータ表面と前記容器の内壁面との間に前記ビーズの循環流を形成させながら、磁性塗料を分散させ、その後、前記塗料取出口から押し出された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布することを特徴としている。
【0036】
また前記ロータ部の傾斜角度は、前記ビーズの種類に応じて、前記範囲内で決定されていることを特徴としている。
【0037】
ところで、上述のようにして分散がなされる磁性塗料は、少なくとも強磁性粉末と結合剤を有機溶剤とともに混合されてなるものであり、各材料には従来公知のものがいずれも使用できる。
【0038】
例えば、強磁性粉末としては、酸化物磁性粉末でもよく、金属磁性粉末であってもよい。酸化物磁性粉末としては、γ−Fe2 O3 ,Co含有γ−Fe2 O3,Fe3 O4 ,Co含有γ−Fe3 O4 ,Co被着Fe3 O4 ,CrO2 等が挙げられる。
【0039】
また、金属磁性粉末としては、Fe,Co,Ni,FeCo,FeNi,Fe−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−Co−V等が挙げられ、さらに、これらの種々の特性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成分が添加されたものであっても良い。また、バリウムフェライト等の六方晶系フェライトや窒化鉄等も使用可能である。
【0040】
また、使用可能な金属磁性粉末としては、例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等が挙げられ、更に、これらの種々の特性を改善する目的でAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分が添加されたのものであっても良い。
【0041】
結合剤も、従来より使用されているものがいずれも使用可能であり、変性または非変性の塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂或いはポリエステル樹脂を使用または併用することができるし、さらに繊維系樹脂、フェノキシ樹脂あるいは特定の使用方法を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂を併用しても良い。上記の変性のために導入される基としては、強磁性粉末の分散性向上を図れる SO3 M、 OSO3 M、 COOM、 PO(OM)2 等であってよい(MはNa等のアルカリ金属原子、M′は同アルカリ金属原子又はアルキル基)。
【0042】
有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル類、エチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩化炭化水素等が使用できる。
【0043】
なお、磁性塗料中には、必要に応じてレシチン等の分散剤、ステアリン酸等の潤滑剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、酸化クロム剤の研磨剤、防錆剤等が加えられてもよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止剤及び防錆剤としては、従来公知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定されるものではない。
【0044】
上述のような磁性塗料は、非磁性支持体上に塗布された後、磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理等が施されて磁性層となる。
【0045】
この磁性塗料が塗布される非磁性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート,セルロースダイアセテート,セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミド等の高分子材料の他、アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられる。非磁性支持体にアルミニウム合金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面を硬くするようにしてもよい。
【0046】
なお、本発明を適用して製造される磁気記録媒体の構成は、上述したものに限られず、特性の改善を目的として通常採用されている付加的な要素を持たせるようにしても何ら差し支えない。例えば、非磁性支持体の磁性層が形成されている側の面とは反対側の面にバックコート層が設けられていたり、磁性層の表面性制御等を目的として磁性層の下側に下塗り層が形成されていても良い。
【0047】
このうちバックコート層は、先に磁性塗膜で例示した樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料が分散されてなる層であり、媒体の走行性を改善するために設けられる。なお、このバックコート層を分散させるに際して、上述した分散装置を用いてもよい。
【0048】
コニカルロータ型分散機は、本来、ロータ表面と容器の内壁面との間の空間全てが有効剪断領域であるため、容器の容量当たりの分散効率に優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、ロータ表面と容器の内壁面との間の空間でビーズの循環流が形成されるため、ビーズが容器の塗料取出口の配設側(バック側)に集中してしまうことがなく、この部分での必要以上の圧力上昇が防止できる。さらには、ロータとビーズとの接触による摩耗も生じにくいため、塗料内へ摩耗粉が取り込まれにくい、などの特徴を持っている。
【0049】
あわせて、本発明によって、ビーズの運動が著しく改善されるため、どのような種類のビーズを使用しても、ビーズとロータ間の相対摩擦に関係なく、充分な循環流が形成されるようになり、あらゆるビーズに対応できる広い汎用性が得られる。
【0050】
したがって、このような分散装置を磁気記録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化を抑制できるとともに、ドロップアウトも抑制できる。
【0051】
また請求項3、5に記載の発明によれば、塗料供給口近傍のビーズはロータ表面に移動し、この部分のビーズの滞留がほとんどなくなり、有効せん断領域であるロータ全面だけにビーズを集中させることができ。従って、ロータ表面でのビーズ充填率の均一化による効率アップとあわせ、塗料供給口近傍へのロータ増設などによる一層の効率アップとビーズ充填量の削減を図ることができ、結果としてビーズ磨耗によるコンタミの低減をはかることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施形態例により説明するが、本発明は以下の実施形態例に限定されるものではない。
【0053】
(実施形態例1)
本実施形態例の分散装置は、前述した図1に示すように、円筒形の容器1内に、略円錐台形で、かつ、互いに隣接するロータ部の相対向する円形面部の径が異なるように、3つのロータ部2を直列配設したロータ20を収容するとともに、多数個の小径のビーズ(図示省略)を収容し、ロータ20の回転により、このロータ表面と容器1の内壁面との間に、ビーズの循環流を形成しながら、塗料に対する分散処理を施すものである。
【0054】
ここで、容器1は、一端部に塗料供給口4が設けられるとともに、他端部に塗料取出口5が設けられ、その周面が設置面に接するごとく設置されている。なお、この容器1のバック側(塗料取出口5の配設側)には、ビーズの直径よりも狭いスリット(隙間)6を有するビーズセパレータ7が設けられている。
【0055】
ロータ20は、各種金属、ポリエチレンに代表される各種プラスチック、セラミックス等より構成すればよいが、ここではポリエチレンより構成した。また、ロータ部2の軸方向両端の2つの円形面部2a,2bの中心を結ぶ中心線を含む断面を見たとき、中心線とロータ部2の斜辺とがなす角度(以下、傾斜角度と称す。)は10°以上20°未満となされて好適であり、さらに好ましくは10°〜15°となされる。この傾斜角度が大きすぎると、ロータ20のロータ部2の相対的に小径側の部分(2a)と相対的に大径側の部分(2b)とで剪断速度の差が大きくなるため、分散装置内で分散効率にバラツキが生じてしまう。
【0056】
また、ビーズおよび塗料の循環流について着目しても、傾斜角度が大きすぎると容器1のバック側からフロント側(塗料供給口4の配設側)に戻される戻し量が、フロント側からバック側に送られる送り量に対して、多すぎるものとなってしまうため、容器1のフロント側でビーズが滞留して十分に動けなくなり、分散効率が劣化してしまう。
【0057】
逆に、傾斜角度が小さすぎると、容器1のバック側からフロント側に戻されるビーズおよび塗料の戻し量が小さくなるため、塗料の供給圧力に抗しきれず、容器1のバック側にビーズおよび塗料が集中してしまう。そして、やはりビーズが滞留して十分に動かなくなり、分散効率の劣化、ビーズの摩耗、圧力の上昇といった問題が生じる。このため、ここでは、ロータ2の傾斜角度を10.8°とした。
【0058】
また、このロータ20の中心部には軸3が貫通しており、この軸3は、ロータ20のロータ部2の相対的に大径の円形面部2bの中心から突出して、上述したビーズセパレータ7および容器1の側面を貫通し、図示しないモータに接続されている。これにより、モータを駆動させることにより、軸3を介してロータ20が回転可能となる。
【0059】
小径のビーズは、図示しないが、容器1内に多数個収容され、ロータ20の回転によって、ロータ20表面と容器1の内壁面との間で循環流を形成する。この循環流は、図中矢印にて示されるように、ロータ20の周面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻るようなものである。
【0060】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。なお、ビーズはスリット6を通過できないため、引き続き容器1内で循環することとなる。
【0061】
ビーズとしては、スチール、ガラス、各種セラミックなどのビーズを用いればよいが、ここでは、ジルコニアビーズを用いた。
【0062】
(実施形態例2)
本実施形態例の分散装置は、図2に示すように塗料供給口4に最も近い側のロータ部2の相対的に小径の円形面部2aに、該ロータの相対的に大径の円形面部2bと同等の径を有するディスク8が接合されているものである。図2において図1と共通する部材には共通符号を付し、重複説明を省略する。
【0063】
図2に示されるように、本実施形態例の分散装置においては、構成の大部分が実施形態例1と共通であるが、塗料供給口4に最も近い側のロータ部2の相対的に小径の円形面部2aに、該ロータの相対的に大径の円形面部2bと同等の径を有するディスク8が接合されている点が異なっている。
【0064】
このディスク8は、ロータ20同様ポリエチレンよりなり、図3に示されるように、その中央部に軸3の径と略等しい径を有する孔8aが設けられた円盤状に構成されている。そして、このディスク8は、孔8aによって軸3の先端部に嵌着され、ロータ部2の相対的に小径の円形面部2aに接合されることとなる。このため、ディスク8は、モータを駆動させることにより、軸3を介してロータ20と一体的に回転することとなる。
【0065】
このような構成を有する分散装置において、ロータ20とともにディスク8を回転させると、図中矢印にて示されるように、ロータ20の周面に沿って容器1のフロント側からバック側へ送られ、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻る循環流の他に、ディスク8の先端近傍から容器1のフロント側およびバック側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端近傍へ戻るような循環流が形成される。
【0066】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20およびディスク8を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20およびディスク8の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。
【0067】
なお、本実施形態例の分散装置においては、ディスク8の先端近傍から容器のフロント側およびバック側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端近傍へ戻るような循環流が形成されているため、実施形態例1の分散装置に比して、容器のフロント側でのビーズおよび塗料の動きが活発であり、分散効率が高い。
【0068】
(実施形態例3)
本実施形態例では、塗料供給口近傍のビーズをロータ表面側に移動させ、有効剪断領域であるロータ全面だけにビーズを集中させるために、図5に示すように、塗料供給口4に近い2つのロータ部2を、相対的に小径の円形面部2aどうしが接するように配設した。尚図5において図1と同一部分は同一符号をもって示している。
【0069】
図5において、ロータ20は、容器1内に、2個のロータ部2が、その相対的に小径の円形面部2aが容器のフロント側、相対的に大径の円形面部2bが容器のバック側となるように、該容器1と同心的に配されているとともに、塗料供給口4に近接する位置に配されたロータ部2に、更にもう1個のロータ部2が相対的に小径の円形面部2a同士が互いに接するように配されている。
【0070】
小径のビーズは、図示しないが、容器1内に多数個収容され、ロータ20の回転によって、ロータ20表面と容器1の内壁面との間で循環流を形成する。この循環流は、基本的には、図中矢印にて示されるように、ロータ20の周面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻るようなものであるが、最も塗料供給口に近接する位置に配されたロータ部2と隣接するロータ部2との間では、相対する二つの循環流が形成される。
【0071】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。なお、ビーズはスリット6を通過できないため、引き続き容器1内で循環することとなる。
【0072】
尚ビーズとしては、前記同様にジルコニアビーズを用いた。
【0073】
(実施形態例4)
本実施形態例の分散装置は図6に示すように、最も塗料供給口4に近接する位置に配されたロータ部2の相対的に大径の円形面部2bに、該円形面部2bの径と同等もしくは大きい径を有するディスク8が接合されているものである。
【0074】
本実施形態例の分散装置においては、構成の大部分が図5の実施形態例3と共通であるが、ロータ部2の相対的に大径の円形面部2bに、該円形面部2bの径と同等もしくは大きい径を有するディスク8が接合されている点が異なっている。
【0075】
このディスク8は、ロータ20同様ポリエチレンよりなり、図3に示されるように、その中央部に軸3の径と略等しい径を有する孔8aが設けられた円盤状のものである。そして、このディスク8は、孔8aによって軸3の先端部に嵌着され、ロータ部2の相対的に大径の円形面部2bに接合されることとなる。このため、ディスク8は、モータを駆動させることにより、軸3を介してロータ20と一体的に回転することとなる。
【0076】
このような構成を有する分散装置において、ロータ20とともにディスク8を回転させると、図中矢印にて示されるように、ビーズはロータ20の周面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻るものであるが、最も塗料供給口4に近接する位置に配されたロータ部2と隣接するロータ部2との間では、相対する二つの循環流が形成される他に、ディスク8によって、フロント側へのビーズの戻りが規制されるとともにロータ前面へのビーズの移動を促進させることができる。
【0077】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20およびディスク8を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20およびディスク8の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。
【0078】
なお、本実施形態例の分散装置においては、ディスク8によって、フロント側(塗料供給口4側)へのビーズの戻りが規制されるとともにロータ前面へのビーズの移動を促進させることができるため、実施形態例3の分散装置に比して分散効率が高い。
【0079】
(実施形態例5)
以下、上述した実施形態例2、4の分散装置を、磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いた例について説明する。具体的には、下記組成の磁性塗料を調製し、この磁性塗料を実施形態例2、4の分散装置の塗料供給口4から供給した。
【0080】
<磁性塗料組成>
金属磁性粉末 100重量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10.5重量部
ポリウレタン樹脂 10.5重量部
カーボン(帯電防止剤) 5重量部
メチルエチルケトン 150重量部
シクロヘキサノン 150重量部
なお、ロータ20は、該ロータ20における最も大径部での周速度が10m/秒となるように回転させた。
【0081】
そして、塗料取出口5から排出された磁性塗料に対して、硬化剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製、商品名ポリイソシアネート)を4重量部添加し、30分間撹拌することによって磁性塗料の調製を完了した。
【0082】
この磁性塗料を、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布し、未乾燥の状態で磁場配向処理を行った。次いで、塗膜を乾燥させて巻き取り、カレンダー処理を行った後、8ミリ幅に裁断することで磁気テープを作製した。
【0083】
ここで、上述のようにして作製された磁気テープ(実施形態例のサンプルテープ)と、従来のコニカルロータ型分散機を用いて磁性塗料の分散処理を行って作製された磁気テープ(比較例のサンプルテープ)とで、特性の比較を行った。
【0084】
両サンプルテープについてドロップアウトの発生状況を測定したところ、両者に大きな差は見られなかった。また、両サンプルテープの磁性層表面の光沢度をグロス計(入射角45°)にて測定したところ、両者に大きな差は見られなかった。
【0085】
なお、分散途中の磁性塗料の光沢度の変化を比較すると、実施形態例2、4の分散装置を用いた場合には、短時間で光沢度が高くなり分散が終了した。また、ビーズのセパレーター側への偏りに起因する、磁性塗料の温度上昇や圧力上昇、さらに、分散機への磁性塗料の流入量(以下、流量と称する)の不安定化などはなかった。一方、従来のコニカルロータ型分散機においては、光沢度の立ち上がりが悪く、最終的には実施形態例2、4の光沢度まで到達はしたが、それまでに時間を要した。
【0086】
また、ビーズセパレーター側へのビーズの偏りに起因する、温度上昇、圧力上昇が見られた。このため、温度上昇、圧力上昇のないところまで流量を引き下げて磁性塗料の分散を行った。これにより、光沢度の立ち上がりの悪さや分散処理時間の長さがうみだされた。また、分散処理時間が長いことは、磁性塗料中へのビーズなどの摩耗粉混入の原因となり、結果的に静磁気特性の悪化やドロップアウトの悪化に結びつくことから、好ましいことではない。実施形態例2、4の分散装置によって分散処理がなされると、分散処理中に摩耗が発生しにくいため、静磁気特性に優れた、また、ドロップアウトに優れた磁気テープを作製できることがわかる。
【0087】
尚前記実施形態例3、4においても、実施形態例1、2と同様に、ロータ20の中心線とロータ部2の斜辺とがなす傾斜角度を10°以上20°未満に構成すれば、より一層分散効率が高められる。
【0088】
また前記ロータ部2の傾斜角度は、使用するビーズの種類に応じて、10°以上20°未満の範囲内で適切な角度に設定するものである。例えばジルコニアビーズを用いる場合は、10°以上20°未満の範囲内でも比較的大きな傾斜角度としたほうが良好な循環流が得られる。
【0089】
またガラスビーズの場合は、前記範囲の中でも比較的小さな傾斜角度としたほうが良好な循環流が得られる。但しガラスビーズを使用した場合でも、流量を増大させたいときは、前記傾斜角度を前記範囲内で比較的大きくしたほうが良い。
【0090】
このように使用するビーズの種類に応じてロータ部の前記傾斜角度を変えることにより、各種ビーズ特性に適合させることができ、ビーズおよび塗料の滞留をなくして良好に循環させることができ、どの種類のビーズを使用した場合でも高い分散効率が得られる。
【0091】
本発明は上述した実施形態例に限定されるものではなく、種々の変形変更が可能である。またディスク8の形状も、図3に示されるものに限らず種々の変形変更が可能である。
【0092】
また実施形態例2の分散装置においては、3つのロータ部2を直列に配置した上、ディスク8をも1つ配したが、各ロータ部2のそれぞれに対して1つずつディスク8を配してもよい。尚ロータ部2を複数配置する場合の該ロータ部2の個数は3個に限らず2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0093】
また実施形態例4の分散装置においては、3つのロータ部2を直列配置した上、ディスク8をも1つ配したが、3つのロータ部のみであっても、優れた分散効果が望める。また、各ロータ部2のそれぞれに対して1つずつディスク8を配してもよい。なお、ロータ部2を複数配置する場合の該ロータ部2の個数は、3個に限られず、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0094】
また、実施形態例5においては、磁気記録媒体用の磁性塗料に対する分散処理を施すために、実施形態例2、4の分散装置を用いたが、実施形態例1、3の分散装置を用いてもよい。その他、磁性塗料の組成や、磁気テープの構成等も上述したものに限られない。
【0095】
また本発明のロータ20は、図1、図2、図5、図6に示す形状に一体成形により形成されていてもよい。
【0096】
なお、本発明に係る分散装置は、磁性塗料以外のいずれの塗料の分散用に適用されてもよい。
【0097】
【発明の効果】
(1)以上のように請求項1〜10に記載の発明によれば、ロータ接線方向のビーズの運動が格段に改善され、本来もっている有効剪断領域の大きさと合わせ、分散効率に優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、必要以上の圧力上昇や摩耗も発生しにくい。
【0098】
したがって、本発明の分散装置を磁気記録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化とともにドロップアウトも抑制できる。
(2)また請求項3、5に記載の発明によれば、有効せん断領域であるロータ表面にビーズを集中させることができ、本来もっている有効剪断領域の大きさと合わせ、分散効率に優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、必要以上の圧力上昇や摩耗も発生しにくい。
(3)また請求項4、5に記載の発明によれば、容器の塗料供給口(フロント)側におけるビーズおよび塗料の動きを活発化させることができ、より分散効率を高めることができる。
(4)また請求項7、10に記載の発明によれば、使用するビーズの種類に応じてロータ部2の前記傾斜角度を変えることにより、各種ビーズの特性に適合させることができ、ビーズおよび塗料の滞留をなくして良好に循環させることができ、どの種類のビーズを使用した場合でも高い分散効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分散装置の一構成例を示す模式的断面図。
【図2】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式的断面図。
【図3】図2の分散装置に使用したディスクの構成例を示す模式的平面図。
【図4】本発明に係る分散装置の要部拡大図。
【図5】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式的断面図。
【図6】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式的断面図。
【図7】従来型の分散装置であるディスク型分散装置を示す模式的断面図。
【図8】従来型のコニカルロータ型分散装置を示す模式的断面図。
【符号の説明】
1…容器、2…ロータ部、2a…相対的に小径の円形面部、2b…相対的に大径の円形面部、3…軸、4…塗料供給口、5…塗料取出口、6…スリット、7…ビーズセパレータ、8…ディスク、20…ロータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料を均一に分散させるための分散装置に関する。また、この分散装置を用いていわゆる塗布型の磁気記録媒体用の磁性塗料を作製して、磁気記録媒体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微粒子磁性粉を塗料化し、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体とするためには、磁性粉等の粉体と結合剤とを高い剪断力をもつ混練装置によって混練した後、この磁性塗料を分散装置に送って均一に分散することが従来より行われている。
【0003】
この分散装置としては、例えば図7に示されるような、円筒形の容器101内に複数のディスク102を所定間隔で配設し、それらの中心を貫通する軸103によってディスク102を回転させるように構成した、いわゆるディスク型分散装置が用いられてきた。
【0004】
なお図7において、104は塗料供給口、105は塗料取出口、106はスリット、107はビーズセパレータであり、容器101内には図示しない小径のビーズが多数入れられている。
【0005】
このため、塗料供給口104より供給された磁性塗料は、ディスク102の回転により形成されたビーズの循環流(図中矢印にて示される。)に乗りながら下流側へ送られ、この間、ディスク102の回転による剪断力およびビーズとの衝突による剪断力によって分散がなされて、塗料取出口105から取り出されることとなる。
【0006】
しかしながら、このようなディスク型分散装置においては、ビーズやディスク102の摩耗は比較的小さいものの、磁性塗料が十分に循環せず、ディスク102の先端部と容器101の内壁面との間の空間を通過して、ショートパスしやすい。
【0007】
さらに、磁性塗料の供給流量によっては、磁性塗料と共にビーズが下流側へと移動して、塗料取出口105付近に集中してしまい、この部分での圧力を上昇させ、摩耗の増大を生じる等の問題もある。さらには、有効剪断領域がディスクの先端部近傍のみであるため、容器101の容量当たりの分散効率も悪い。
【0008】
近年のデジタル化の急速な進展は、磁気記録媒体の高密度化への要求を一層強め、磁性塗料の高分散化、高効率化は欠かせない要件となっている。そして、それを実現する上で、高比重・超微粒子ビーズの使用に耐え、高流量分散が可能な分散機が求められるようになった。
【0009】
こうした要求に応えるべく、容器内の全容量を有効剪断領域とするアニューラ型分散装置、コニカルローター型分散機が開発された。
【0010】
【特許文献1】特開平9−16957号公報。
【0011】
図8は特許文献1に開示されたコニカルロータ型分散機の概略構成を示している。図8において、円筒形の容器111内には略円錐台形の1個のロータ112が配設され、その中心に設けた軸113を介して回転可能とされ、該ロータ112の回転により、ロータ112表面と容器111の内壁面との間にビーズの循環流(図示矢印)を形成しながら、塗料供給口114から供給された塗料に対する分散処理を行うものである。尚図8において115は塗料取出口、116はスリット、117はビーズセパレータである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
またコニカルロータ型分散機においては、例えば図1に示すように、略円錐台形のロータ部2を複数個直列に配設して円筒形の容器1内に収納することが考えられる。図1において20は、相対的に小径の円形面部2aと相対的に大径の円形面部2bとを有した略円錐台形のロータ部2を、隣接するロータ部間で円形面部2aと2bが接合するように、複数個直列に配設して成るロータである。
【0013】
ロータ20の中心には軸3が設けられ、その端部は容器1から突出し、図示しないモータの回転軸に連結されている。4は、容器1の前記ロータ部2の相対的に小径の円形面部2a側に設けられた塗料供給口、5は容器1の軸3側に設けられた塗料取出口、6は塗料取出口5付近に設けられたスリット、7はビーズセパレータである。尚容器1内には図示しない小径のビーズが収容されている。
【0014】
上記のように構成されたコニカルロータ型分散機において、磁性塗料は塗料供給口4より供給され、ロータ20の回転により分散を受けながら塗料取出口5から取り出される。
【0015】
なお、このコニカルローター型分散機においても、ディスク型分散装置と同様、図示しない小径のビーズを用いて磁性塗料を分散させるが、ビーズは、略円錐台形のロータ20の回転により、ロータ表面と容器1との間の空間に循環流(図示矢印)が形成されるため、ビーズ及び磁性塗料がビーズセパレータ7付近に集中することはない。
【0016】
しかしながら、このコニカルロータ型分散機においては、セラミックビーズなど高比重ビーズ使用の際に、ロータの回転にもかかわらず、ビーズ循環流が充分に形成されない現象が生じ、結果として、ビーズセパレータ近傍にビーズが集中し、発熱やビーズ摩耗が発生するという問題点があった。
【0017】
また、十分なビーズ循環流を形成する手段として、例えばローター表面に突起をつけるとか傾斜角度の大きいロータを用いる等の方法がある。
【0018】
しかしながら、こうした方法は、十分なビーズ循環流の形成する上では有効であるが、全体としてビーズの塗料供給側への戻りが大きく、そのため塗料供給口側でのビーズの動きが緩慢になり、分散効率の低下とビーズ同士の摺動によるビーズ磨耗が発生し、結果として品質の低下を招く。
【0019】
これを解決するためには、塗料供給口に最も近接したロータの前面に、ロータの相対的に大径の断面と同等もしくは大きい径を有するディスクを配することにより、塗料供給口側へのビーズの戻りを防ぎ、この部分での分散効率改善をはかることでも対応できる。しかし、この方法でも依然として有効せん断領域であるロータ表面にビーズをより集中させるには十分ではなかった。
【0020】
コニカルロータ型分散機は、ロータ全面を有効剪断域とするため、優れた高分散性と高効率性を持つ分散機であり、かつ、高流量分散にも応えうる分散機である。
【0021】
そこで本発明の目的は、コニカルロータ型分散機の持つ優れた特性を生かしながら、高比重ビーズをはじめとする、あらゆる種類のビーズに対応し、有効せん断領域であるロータ表面にビーズを集中させることで、分散効率に優れ、ショートパスが少なく、摩耗しにくい分散装置を提供し、また当該分散装置を用いて磁性塗料を分散させることにより、電磁変換特性に優れ、コストの低減を図ることができる磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る分散装置は、上述の目的を達成するために提案されたものであって、図4のような、斜辺の傾斜角度が10°以上20°未満に形成されたロータを、図1のように複数直列に配されることを特徴とするコニカルロータ型の分散装置である。
【0023】
一般にコニカルロータ型分散機において、セラミック等の高比重ビーズ使用の際に生ずる、ビーズ循環流形成が充分でない現象は、セラミックビーズとロータ間の相対摩擦の低さとそれによる慣性力の不足に起因するものである。
【0024】
これを解決するためには、ロータ材質の変更やロータに凹凸をつける、また、周速度を大きくすることでも対応できる。しかし、ロータ材質を変更すると、低比重ビーズ使用時に、ビーズ摩耗や機械磨耗が大きくなり、またロータに凹凸をつけることや周速度を大きくすることは、ビーズ磨耗を多くすることになる。結果的には、いずれの方法も分散の悪化を招いてしまう。
【0025】
本発明は、こうした問題を生ずること無く、高比重ビーズを含むあらゆるビーズの使用を可能にするなど、一層幅広い汎用性を提供するものである。
【0026】
すなわち本発明の分散装置は、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部に塗料取出口が設けられた筒形の容器と、筒状に形成されて前記容器内に同心的に配設されるとともに、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータであって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部と、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部とを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部の中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部を、複数直列に配設して成るロータと、前記容器内に収容された複数個のビーズとを備え、前記ロータの回転により、該ロータ表面と前記容器の内壁面との間に、前記ビーズの循環流を形成しながら、前記塗料供給口から供給された塗料に対する分散処理を施すことを特徴としている。
【0027】
また前記ロータは、隣接するロータ部間では、前記第1の円形面部と第2の円形面部とが接合されるように配設されていることを特徴としている。
【0028】
また前記ロータは、隣接するロータ部間では、前記第1の円形面部どうしが接合されるように配設されていることを特徴としている。
【0029】
また前記ロータの、前記塗料供給口側に最も近設されたロータ部の第1の円形面部には、第2の円形面部の径と同等か又はそれより大きい径を有するディスクが固設されていることを特徴としている。
【0030】
また前記ロータの、前記塗料供給口側に最も近設されたロータ部の第2の円形面部には、第2の円形面部の径と同等か又はそれより大きい径を有するディスクが固設されていることを特徴としている。
【0031】
また前記ロータは、一体成形により構成されていることを特徴としている。
【0032】
また前記ロータ部の傾斜角度は、前記ビーズの種類に応じて、前記範囲内で決定されていることを特徴としている。
【0033】
また磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いられることを特徴としている。
【0034】
そして、このような構成を有する分散装置は、従来公知のどのような塗料を分散させるために用いられてもよいが、磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いられて好適である。
【0035】
即ち、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部に塗料取出口が設けられた筒形の容器と、筒状に形成されて前記容器内に同心的に配設されるとともに、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータであって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部と、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部とを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部の中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部を、複数直列に配設して成るロータと、前記容器内に収容された複数個のビーズとを備えた分散装置に、前記塗料供給口から磁性塗料を供給するとともに、前記ロータを回転させることにより、該ロータ表面と前記容器の内壁面との間に前記ビーズの循環流を形成させながら、磁性塗料を分散させ、その後、前記塗料取出口から押し出された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布することを特徴としている。
【0036】
また前記ロータ部の傾斜角度は、前記ビーズの種類に応じて、前記範囲内で決定されていることを特徴としている。
【0037】
ところで、上述のようにして分散がなされる磁性塗料は、少なくとも強磁性粉末と結合剤を有機溶剤とともに混合されてなるものであり、各材料には従来公知のものがいずれも使用できる。
【0038】
例えば、強磁性粉末としては、酸化物磁性粉末でもよく、金属磁性粉末であってもよい。酸化物磁性粉末としては、γ−Fe2 O3 ,Co含有γ−Fe2 O3,Fe3 O4 ,Co含有γ−Fe3 O4 ,Co被着Fe3 O4 ,CrO2 等が挙げられる。
【0039】
また、金属磁性粉末としては、Fe,Co,Ni,FeCo,FeNi,Fe−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−Co−V等が挙げられ、さらに、これらの種々の特性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成分が添加されたものであっても良い。また、バリウムフェライト等の六方晶系フェライトや窒化鉄等も使用可能である。
【0040】
また、使用可能な金属磁性粉末としては、例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−Co−V等が挙げられ、更に、これらの種々の特性を改善する目的でAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等の金属成分が添加されたのものであっても良い。
【0041】
結合剤も、従来より使用されているものがいずれも使用可能であり、変性または非変性の塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂或いはポリエステル樹脂を使用または併用することができるし、さらに繊維系樹脂、フェノキシ樹脂あるいは特定の使用方法を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂を併用しても良い。上記の変性のために導入される基としては、強磁性粉末の分散性向上を図れる SO3 M、 OSO3 M、 COOM、 PO(OM)2 等であってよい(MはNa等のアルカリ金属原子、M′は同アルカリ金属原子又はアルキル基)。
【0042】
有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル類、エチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩化炭化水素等が使用できる。
【0043】
なお、磁性塗料中には、必要に応じてレシチン等の分散剤、ステアリン酸等の潤滑剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、酸化クロム剤の研磨剤、防錆剤等が加えられてもよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電防止剤及び防錆剤としては、従来公知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定されるものではない。
【0044】
上述のような磁性塗料は、非磁性支持体上に塗布された後、磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理等が施されて磁性層となる。
【0045】
この磁性塗料が塗布される非磁性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート,セルロースダイアセテート,セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミド等の高分子材料の他、アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられる。非磁性支持体にアルミニウム合金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面を硬くするようにしてもよい。
【0046】
なお、本発明を適用して製造される磁気記録媒体の構成は、上述したものに限られず、特性の改善を目的として通常採用されている付加的な要素を持たせるようにしても何ら差し支えない。例えば、非磁性支持体の磁性層が形成されている側の面とは反対側の面にバックコート層が設けられていたり、磁性層の表面性制御等を目的として磁性層の下側に下塗り層が形成されていても良い。
【0047】
このうちバックコート層は、先に磁性塗膜で例示した樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔料が分散されてなる層であり、媒体の走行性を改善するために設けられる。なお、このバックコート層を分散させるに際して、上述した分散装置を用いてもよい。
【0048】
コニカルロータ型分散機は、本来、ロータ表面と容器の内壁面との間の空間全てが有効剪断領域であるため、容器の容量当たりの分散効率に優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、ロータ表面と容器の内壁面との間の空間でビーズの循環流が形成されるため、ビーズが容器の塗料取出口の配設側(バック側)に集中してしまうことがなく、この部分での必要以上の圧力上昇が防止できる。さらには、ロータとビーズとの接触による摩耗も生じにくいため、塗料内へ摩耗粉が取り込まれにくい、などの特徴を持っている。
【0049】
あわせて、本発明によって、ビーズの運動が著しく改善されるため、どのような種類のビーズを使用しても、ビーズとロータ間の相対摩擦に関係なく、充分な循環流が形成されるようになり、あらゆるビーズに対応できる広い汎用性が得られる。
【0050】
したがって、このような分散装置を磁気記録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化を抑制できるとともに、ドロップアウトも抑制できる。
【0051】
また請求項3、5に記載の発明によれば、塗料供給口近傍のビーズはロータ表面に移動し、この部分のビーズの滞留がほとんどなくなり、有効せん断領域であるロータ全面だけにビーズを集中させることができ。従って、ロータ表面でのビーズ充填率の均一化による効率アップとあわせ、塗料供給口近傍へのロータ増設などによる一層の効率アップとビーズ充填量の削減を図ることができ、結果としてビーズ磨耗によるコンタミの低減をはかることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的な実施形態例により説明するが、本発明は以下の実施形態例に限定されるものではない。
【0053】
(実施形態例1)
本実施形態例の分散装置は、前述した図1に示すように、円筒形の容器1内に、略円錐台形で、かつ、互いに隣接するロータ部の相対向する円形面部の径が異なるように、3つのロータ部2を直列配設したロータ20を収容するとともに、多数個の小径のビーズ(図示省略)を収容し、ロータ20の回転により、このロータ表面と容器1の内壁面との間に、ビーズの循環流を形成しながら、塗料に対する分散処理を施すものである。
【0054】
ここで、容器1は、一端部に塗料供給口4が設けられるとともに、他端部に塗料取出口5が設けられ、その周面が設置面に接するごとく設置されている。なお、この容器1のバック側(塗料取出口5の配設側)には、ビーズの直径よりも狭いスリット(隙間)6を有するビーズセパレータ7が設けられている。
【0055】
ロータ20は、各種金属、ポリエチレンに代表される各種プラスチック、セラミックス等より構成すればよいが、ここではポリエチレンより構成した。また、ロータ部2の軸方向両端の2つの円形面部2a,2bの中心を結ぶ中心線を含む断面を見たとき、中心線とロータ部2の斜辺とがなす角度(以下、傾斜角度と称す。)は10°以上20°未満となされて好適であり、さらに好ましくは10°〜15°となされる。この傾斜角度が大きすぎると、ロータ20のロータ部2の相対的に小径側の部分(2a)と相対的に大径側の部分(2b)とで剪断速度の差が大きくなるため、分散装置内で分散効率にバラツキが生じてしまう。
【0056】
また、ビーズおよび塗料の循環流について着目しても、傾斜角度が大きすぎると容器1のバック側からフロント側(塗料供給口4の配設側)に戻される戻し量が、フロント側からバック側に送られる送り量に対して、多すぎるものとなってしまうため、容器1のフロント側でビーズが滞留して十分に動けなくなり、分散効率が劣化してしまう。
【0057】
逆に、傾斜角度が小さすぎると、容器1のバック側からフロント側に戻されるビーズおよび塗料の戻し量が小さくなるため、塗料の供給圧力に抗しきれず、容器1のバック側にビーズおよび塗料が集中してしまう。そして、やはりビーズが滞留して十分に動かなくなり、分散効率の劣化、ビーズの摩耗、圧力の上昇といった問題が生じる。このため、ここでは、ロータ2の傾斜角度を10.8°とした。
【0058】
また、このロータ20の中心部には軸3が貫通しており、この軸3は、ロータ20のロータ部2の相対的に大径の円形面部2bの中心から突出して、上述したビーズセパレータ7および容器1の側面を貫通し、図示しないモータに接続されている。これにより、モータを駆動させることにより、軸3を介してロータ20が回転可能となる。
【0059】
小径のビーズは、図示しないが、容器1内に多数個収容され、ロータ20の回転によって、ロータ20表面と容器1の内壁面との間で循環流を形成する。この循環流は、図中矢印にて示されるように、ロータ20の周面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻るようなものである。
【0060】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。なお、ビーズはスリット6を通過できないため、引き続き容器1内で循環することとなる。
【0061】
ビーズとしては、スチール、ガラス、各種セラミックなどのビーズを用いればよいが、ここでは、ジルコニアビーズを用いた。
【0062】
(実施形態例2)
本実施形態例の分散装置は、図2に示すように塗料供給口4に最も近い側のロータ部2の相対的に小径の円形面部2aに、該ロータの相対的に大径の円形面部2bと同等の径を有するディスク8が接合されているものである。図2において図1と共通する部材には共通符号を付し、重複説明を省略する。
【0063】
図2に示されるように、本実施形態例の分散装置においては、構成の大部分が実施形態例1と共通であるが、塗料供給口4に最も近い側のロータ部2の相対的に小径の円形面部2aに、該ロータの相対的に大径の円形面部2bと同等の径を有するディスク8が接合されている点が異なっている。
【0064】
このディスク8は、ロータ20同様ポリエチレンよりなり、図3に示されるように、その中央部に軸3の径と略等しい径を有する孔8aが設けられた円盤状に構成されている。そして、このディスク8は、孔8aによって軸3の先端部に嵌着され、ロータ部2の相対的に小径の円形面部2aに接合されることとなる。このため、ディスク8は、モータを駆動させることにより、軸3を介してロータ20と一体的に回転することとなる。
【0065】
このような構成を有する分散装置において、ロータ20とともにディスク8を回転させると、図中矢印にて示されるように、ロータ20の周面に沿って容器1のフロント側からバック側へ送られ、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻る循環流の他に、ディスク8の先端近傍から容器1のフロント側およびバック側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端近傍へ戻るような循環流が形成される。
【0066】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20およびディスク8を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20およびディスク8の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。
【0067】
なお、本実施形態例の分散装置においては、ディスク8の先端近傍から容器のフロント側およびバック側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端近傍へ戻るような循環流が形成されているため、実施形態例1の分散装置に比して、容器のフロント側でのビーズおよび塗料の動きが活発であり、分散効率が高い。
【0068】
(実施形態例3)
本実施形態例では、塗料供給口近傍のビーズをロータ表面側に移動させ、有効剪断領域であるロータ全面だけにビーズを集中させるために、図5に示すように、塗料供給口4に近い2つのロータ部2を、相対的に小径の円形面部2aどうしが接するように配設した。尚図5において図1と同一部分は同一符号をもって示している。
【0069】
図5において、ロータ20は、容器1内に、2個のロータ部2が、その相対的に小径の円形面部2aが容器のフロント側、相対的に大径の円形面部2bが容器のバック側となるように、該容器1と同心的に配されているとともに、塗料供給口4に近接する位置に配されたロータ部2に、更にもう1個のロータ部2が相対的に小径の円形面部2a同士が互いに接するように配されている。
【0070】
小径のビーズは、図示しないが、容器1内に多数個収容され、ロータ20の回転によって、ロータ20表面と容器1の内壁面との間で循環流を形成する。この循環流は、基本的には、図中矢印にて示されるように、ロータ20の周面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻るようなものであるが、最も塗料供給口に近接する位置に配されたロータ部2と隣接するロータ部2との間では、相対する二つの循環流が形成される。
【0071】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。なお、ビーズはスリット6を通過できないため、引き続き容器1内で循環することとなる。
【0072】
尚ビーズとしては、前記同様にジルコニアビーズを用いた。
【0073】
(実施形態例4)
本実施形態例の分散装置は図6に示すように、最も塗料供給口4に近接する位置に配されたロータ部2の相対的に大径の円形面部2bに、該円形面部2bの径と同等もしくは大きい径を有するディスク8が接合されているものである。
【0074】
本実施形態例の分散装置においては、構成の大部分が図5の実施形態例3と共通であるが、ロータ部2の相対的に大径の円形面部2bに、該円形面部2bの径と同等もしくは大きい径を有するディスク8が接合されている点が異なっている。
【0075】
このディスク8は、ロータ20同様ポリエチレンよりなり、図3に示されるように、その中央部に軸3の径と略等しい径を有する孔8aが設けられた円盤状のものである。そして、このディスク8は、孔8aによって軸3の先端部に嵌着され、ロータ部2の相対的に大径の円形面部2bに接合されることとなる。このため、ディスク8は、モータを駆動させることにより、軸3を介してロータ20と一体的に回転することとなる。
【0076】
このような構成を有する分散装置において、ロータ20とともにディスク8を回転させると、図中矢印にて示されるように、ビーズはロータ20の周面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側へ戻るものであるが、最も塗料供給口4に近接する位置に配されたロータ部2と隣接するロータ部2との間では、相対する二つの循環流が形成される他に、ディスク8によって、フロント側へのビーズの戻りが規制されるとともにロータ前面へのビーズの移動を促進させることができる。
【0077】
したがって、塗料供給口4から塗料を供給しながら、ロータ20およびディスク8を回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ロータ20およびディスク8の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。
【0078】
なお、本実施形態例の分散装置においては、ディスク8によって、フロント側(塗料供給口4側)へのビーズの戻りが規制されるとともにロータ前面へのビーズの移動を促進させることができるため、実施形態例3の分散装置に比して分散効率が高い。
【0079】
(実施形態例5)
以下、上述した実施形態例2、4の分散装置を、磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いた例について説明する。具体的には、下記組成の磁性塗料を調製し、この磁性塗料を実施形態例2、4の分散装置の塗料供給口4から供給した。
【0080】
<磁性塗料組成>
金属磁性粉末 100重量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10.5重量部
ポリウレタン樹脂 10.5重量部
カーボン(帯電防止剤) 5重量部
メチルエチルケトン 150重量部
シクロヘキサノン 150重量部
なお、ロータ20は、該ロータ20における最も大径部での周速度が10m/秒となるように回転させた。
【0081】
そして、塗料取出口5から排出された磁性塗料に対して、硬化剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製、商品名ポリイソシアネート)を4重量部添加し、30分間撹拌することによって磁性塗料の調製を完了した。
【0082】
この磁性塗料を、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが2μmとなるように塗布し、未乾燥の状態で磁場配向処理を行った。次いで、塗膜を乾燥させて巻き取り、カレンダー処理を行った後、8ミリ幅に裁断することで磁気テープを作製した。
【0083】
ここで、上述のようにして作製された磁気テープ(実施形態例のサンプルテープ)と、従来のコニカルロータ型分散機を用いて磁性塗料の分散処理を行って作製された磁気テープ(比較例のサンプルテープ)とで、特性の比較を行った。
【0084】
両サンプルテープについてドロップアウトの発生状況を測定したところ、両者に大きな差は見られなかった。また、両サンプルテープの磁性層表面の光沢度をグロス計(入射角45°)にて測定したところ、両者に大きな差は見られなかった。
【0085】
なお、分散途中の磁性塗料の光沢度の変化を比較すると、実施形態例2、4の分散装置を用いた場合には、短時間で光沢度が高くなり分散が終了した。また、ビーズのセパレーター側への偏りに起因する、磁性塗料の温度上昇や圧力上昇、さらに、分散機への磁性塗料の流入量(以下、流量と称する)の不安定化などはなかった。一方、従来のコニカルロータ型分散機においては、光沢度の立ち上がりが悪く、最終的には実施形態例2、4の光沢度まで到達はしたが、それまでに時間を要した。
【0086】
また、ビーズセパレーター側へのビーズの偏りに起因する、温度上昇、圧力上昇が見られた。このため、温度上昇、圧力上昇のないところまで流量を引き下げて磁性塗料の分散を行った。これにより、光沢度の立ち上がりの悪さや分散処理時間の長さがうみだされた。また、分散処理時間が長いことは、磁性塗料中へのビーズなどの摩耗粉混入の原因となり、結果的に静磁気特性の悪化やドロップアウトの悪化に結びつくことから、好ましいことではない。実施形態例2、4の分散装置によって分散処理がなされると、分散処理中に摩耗が発生しにくいため、静磁気特性に優れた、また、ドロップアウトに優れた磁気テープを作製できることがわかる。
【0087】
尚前記実施形態例3、4においても、実施形態例1、2と同様に、ロータ20の中心線とロータ部2の斜辺とがなす傾斜角度を10°以上20°未満に構成すれば、より一層分散効率が高められる。
【0088】
また前記ロータ部2の傾斜角度は、使用するビーズの種類に応じて、10°以上20°未満の範囲内で適切な角度に設定するものである。例えばジルコニアビーズを用いる場合は、10°以上20°未満の範囲内でも比較的大きな傾斜角度としたほうが良好な循環流が得られる。
【0089】
またガラスビーズの場合は、前記範囲の中でも比較的小さな傾斜角度としたほうが良好な循環流が得られる。但しガラスビーズを使用した場合でも、流量を増大させたいときは、前記傾斜角度を前記範囲内で比較的大きくしたほうが良い。
【0090】
このように使用するビーズの種類に応じてロータ部の前記傾斜角度を変えることにより、各種ビーズ特性に適合させることができ、ビーズおよび塗料の滞留をなくして良好に循環させることができ、どの種類のビーズを使用した場合でも高い分散効率が得られる。
【0091】
本発明は上述した実施形態例に限定されるものではなく、種々の変形変更が可能である。またディスク8の形状も、図3に示されるものに限らず種々の変形変更が可能である。
【0092】
また実施形態例2の分散装置においては、3つのロータ部2を直列に配置した上、ディスク8をも1つ配したが、各ロータ部2のそれぞれに対して1つずつディスク8を配してもよい。尚ロータ部2を複数配置する場合の該ロータ部2の個数は3個に限らず2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0093】
また実施形態例4の分散装置においては、3つのロータ部2を直列配置した上、ディスク8をも1つ配したが、3つのロータ部のみであっても、優れた分散効果が望める。また、各ロータ部2のそれぞれに対して1つずつディスク8を配してもよい。なお、ロータ部2を複数配置する場合の該ロータ部2の個数は、3個に限られず、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0094】
また、実施形態例5においては、磁気記録媒体用の磁性塗料に対する分散処理を施すために、実施形態例2、4の分散装置を用いたが、実施形態例1、3の分散装置を用いてもよい。その他、磁性塗料の組成や、磁気テープの構成等も上述したものに限られない。
【0095】
また本発明のロータ20は、図1、図2、図5、図6に示す形状に一体成形により形成されていてもよい。
【0096】
なお、本発明に係る分散装置は、磁性塗料以外のいずれの塗料の分散用に適用されてもよい。
【0097】
【発明の効果】
(1)以上のように請求項1〜10に記載の発明によれば、ロータ接線方向のビーズの運動が格段に改善され、本来もっている有効剪断領域の大きさと合わせ、分散効率に優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、必要以上の圧力上昇や摩耗も発生しにくい。
【0098】
したがって、本発明の分散装置を磁気記録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化とともにドロップアウトも抑制できる。
(2)また請求項3、5に記載の発明によれば、有効せん断領域であるロータ表面にビーズを集中させることができ、本来もっている有効剪断領域の大きさと合わせ、分散効率に優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、必要以上の圧力上昇や摩耗も発生しにくい。
(3)また請求項4、5に記載の発明によれば、容器の塗料供給口(フロント)側におけるビーズおよび塗料の動きを活発化させることができ、より分散効率を高めることができる。
(4)また請求項7、10に記載の発明によれば、使用するビーズの種類に応じてロータ部2の前記傾斜角度を変えることにより、各種ビーズの特性に適合させることができ、ビーズおよび塗料の滞留をなくして良好に循環させることができ、どの種類のビーズを使用した場合でも高い分散効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分散装置の一構成例を示す模式的断面図。
【図2】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式的断面図。
【図3】図2の分散装置に使用したディスクの構成例を示す模式的平面図。
【図4】本発明に係る分散装置の要部拡大図。
【図5】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式的断面図。
【図6】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式的断面図。
【図7】従来型の分散装置であるディスク型分散装置を示す模式的断面図。
【図8】従来型のコニカルロータ型分散装置を示す模式的断面図。
【符号の説明】
1…容器、2…ロータ部、2a…相対的に小径の円形面部、2b…相対的に大径の円形面部、3…軸、4…塗料供給口、5…塗料取出口、6…スリット、7…ビーズセパレータ、8…ディスク、20…ロータ。
Claims (10)
- 一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部に塗料取出口が設けられた筒形の容器と、
筒状に形成されて前記容器内に同心的に配設されるとともに、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータであって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部と、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部とを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部の中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部を、複数直列に配設して成るロータと、
前記容器内に収容された複数個のビーズとを備え、
前記ロータの回転により、該ロータ表面と前記容器の内壁面との間に、前記ビーズの循環流を形成しながら、前記塗料供給口から供給された塗料に対する分散処理を施すことを特徴とする分散装置。 - 前記ロータは、隣接するロータ部間では、前記第1の円形面部と第2の円形面部とが接合されるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の分散装置。
- 前記ロータは、隣接するロータ部間では、前記第1の円形面部どうしが接合されるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の分散装置。
- 前記ロータの、前記塗料供給口側に最も近設されたロータ部の第1の円形面部には、第2の円形面部の径と同等か又はそれより大きい径を有するディスクが固設されていることを特徴とする請求項2に記載の分散装置。
- 前記ロータの、前記塗料供給口側に最も近設されたロータ部の第2の円形面部には、第2の円形面部の径と同等か又はそれより大きい径を有するディスクが固設されていることを特徴とする請求項3に記載の分散装置。
- 前記ロータは、一体成形により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分散装置。
- 前記ロータ部の傾斜角度は、前記ビーズの種類に応じて、前記範囲内で決定されていることを特徴とする請求項1に記載の分散装置。
- 磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させるために用いられることを特徴とする請求項1に記載の分散装置。
- 一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部に塗料取出口が設けられた筒形の容器と、筒状に形成されて前記容器内に同心的に配設されるとともに、中心軸を軸として回転可能に構成されたロータであって、略円錐台形の軸方向一端面に形成された相対的に小径の第1の円形面部と、軸方向他端面に形成された相対的に大径の第2の円形面部とを有し、前記略円錐台形の斜辺と第1および第2の円形面部の中心線とのなす傾斜角度が10°以上20°未満の範囲に形成されたロータ部を、複数直列に配設して成るロータと、前記容器内に収容された複数個のビーズとを備えた分散装置に、
前記塗料供給口から磁性塗料を供給するとともに、前記ロータを回転させることにより、該ロータ表面と前記容器の内壁面との間に前記ビーズの循環流を形成させながら、磁性塗料を分散させ、その後、前記塗料取出口から押し出された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 前記ロータ部の傾斜角度は、前記ビーズの種類に応じて、前記範囲内で決定されていることを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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