JPH0916957A - 分散装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
分散装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH0916957A JPH0916957A JP7162156A JP16215695A JPH0916957A JP H0916957 A JPH0916957 A JP H0916957A JP 7162156 A JP7162156 A JP 7162156A JP 16215695 A JP16215695 A JP 16215695A JP H0916957 A JPH0916957 A JP H0916957A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一端部に塗料供給口4が設けられるととも
に、他端部に塗料取出口5が設けられた円筒形の容器1
と、該容器1内に配された略円錐台形のロータ2と、該
容器1内に収容された多数個の小径のビーズとを備え、
ロータ2は、その相対的に小径の円形面部2aが塗料供
給口4に近接するごとく配されるとともに、その中心部
に設けられた軸3を介して回転可能とされ、このロータ
2の回転により、ロータ2表面と容器1の内壁面との間
に、ビーズの循環流を形成しながら、塗料供給口4から
供給された塗料に対する分散処理を施すものである。 【効果】 塗料を効率よく、均一に分散させることが可
能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。ま
た、摩耗も発生しにくい。したがって、磁気記録媒体用
の磁性塗料の分散に用いると、電磁変換特性に優れた磁
気記録媒体を生産性よく製造することが可能となる。
に、他端部に塗料取出口5が設けられた円筒形の容器1
と、該容器1内に配された略円錐台形のロータ2と、該
容器1内に収容された多数個の小径のビーズとを備え、
ロータ2は、その相対的に小径の円形面部2aが塗料供
給口4に近接するごとく配されるとともに、その中心部
に設けられた軸3を介して回転可能とされ、このロータ
2の回転により、ロータ2表面と容器1の内壁面との間
に、ビーズの循環流を形成しながら、塗料供給口4から
供給された塗料に対する分散処理を施すものである。 【効果】 塗料を効率よく、均一に分散させることが可
能となり、供給する塗料の大流量化にも対応できる。ま
た、摩耗も発生しにくい。したがって、磁気記録媒体用
の磁性塗料の分散に用いると、電磁変換特性に優れた磁
気記録媒体を生産性よく製造することが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料を均一に分散させ
るための分散装置に関する。また、この分散装置を用い
ていわゆる塗布型の磁気記録媒体用の磁性塗料を作製し
て、磁気記録媒体を製造する方法に関する。
るための分散装置に関する。また、この分散装置を用い
ていわゆる塗布型の磁気記録媒体用の磁性塗料を作製し
て、磁気記録媒体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微粒子磁性粉を塗料化し、電磁変換特性
に優れた磁気記録媒体とするためには、磁性粉等の粉体
と結合剤とを高い剪断力をもつ混練装置によって混練し
た後、この磁性塗料を分散装置に送って均一に分散する
ことが従来より行われている。
に優れた磁気記録媒体とするためには、磁性粉等の粉体
と結合剤とを高い剪断力をもつ混練装置によって混練し
た後、この磁性塗料を分散装置に送って均一に分散する
ことが従来より行われている。
【0003】この分散装置としては、図9に示されるよ
うな、円筒形の容器101内に複数のディスク102が
配され、このディスク102が軸103を介して回転す
るようになされた、いわゆるディスク型分散装置が用い
られてきた。なお、このディスク型分散装置において
は、容器101内に、図示しない小径のビーズが多数入
れられている。このため、塗料供給口104より供給さ
れた磁性塗料は、ディスク102の回転により形成され
たビーズの循環流(図中矢印にて示される。)に乗りな
がら下流側へ送られ、この間、ディスク102の回転に
よる剪断力およびビーズとの衝突による剪断力によって
分散がなされて、塗料取出口105から取り出されるこ
ととなる。
うな、円筒形の容器101内に複数のディスク102が
配され、このディスク102が軸103を介して回転す
るようになされた、いわゆるディスク型分散装置が用い
られてきた。なお、このディスク型分散装置において
は、容器101内に、図示しない小径のビーズが多数入
れられている。このため、塗料供給口104より供給さ
れた磁性塗料は、ディスク102の回転により形成され
たビーズの循環流(図中矢印にて示される。)に乗りな
がら下流側へ送られ、この間、ディスク102の回転に
よる剪断力およびビーズとの衝突による剪断力によって
分散がなされて、塗料取出口105から取り出されるこ
ととなる。
【0004】しかしながら、このようなディスク型分散
装置においては、ビーズやディスク102の摩耗は比較
的小さいものの、磁性塗料が十分に循環せず、ディスク
102の先端部と容器101の内壁面との間の空間を通
過して、ショートパスしやすい。さらに、磁性塗料の供
給流量によっては、磁性塗料と共にビーズが下流側へと
移動して、塗料取出口105付近に集中してしまい、こ
の部分での圧力を上昇させ、摩耗の増大を生じる等の問
題もある。さらには、有効剪断領域がディスクの先端部
近傍のみであるため、容器101の容量当たりの分散効
率も悪い。
装置においては、ビーズやディスク102の摩耗は比較
的小さいものの、磁性塗料が十分に循環せず、ディスク
102の先端部と容器101の内壁面との間の空間を通
過して、ショートパスしやすい。さらに、磁性塗料の供
給流量によっては、磁性塗料と共にビーズが下流側へと
移動して、塗料取出口105付近に集中してしまい、こ
の部分での圧力を上昇させ、摩耗の増大を生じる等の問
題もある。さらには、有効剪断領域がディスクの先端部
近傍のみであるため、容器101の容量当たりの分散効
率も悪い。
【0005】磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させ、
低コスト化を図るためには、磁性塗料の高分散化、高効
率化が欠かせない要件となることから、近年では、ディ
スク型分散装置に代わって、容器内の全容量を有効剪断
領域とすることが可能な、いわゆるアニューラ型分散装
置が用いられるようになってきている。
低コスト化を図るためには、磁性塗料の高分散化、高効
率化が欠かせない要件となることから、近年では、ディ
スク型分散装置に代わって、容器内の全容量を有効剪断
領域とすることが可能な、いわゆるアニューラ型分散装
置が用いられるようになってきている。
【0006】アニューラ型分散装置としては、図10に
示されるような、略円筒形の容器111内に略円錐台を
なすロータ112が配され、該ロータ112が軸113
を介して回転するようになされたもの(以下、コボール
ミルと称す。)や、図11に示されるような、円筒形の
容器121内に、円柱表面に菱形の凸部126がパター
ニングされてなるロータ122が配され、該ロータ12
2が軸123を介して回転するようになされたもの(以
下、スパイクミルと称す。)がある。
示されるような、略円筒形の容器111内に略円錐台を
なすロータ112が配され、該ロータ112が軸113
を介して回転するようになされたもの(以下、コボール
ミルと称す。)や、図11に示されるような、円筒形の
容器121内に、円柱表面に菱形の凸部126がパター
ニングされてなるロータ122が配され、該ロータ12
2が軸123を介して回転するようになされたもの(以
下、スパイクミルと称す。)がある。
【0007】図10のコボールミルにおいては、ロータ
112における小径面部の中央に、略円柱状の凹部11
6が設けられ、該ロータ112が、縦型に設置される容
器111内に、該凹部116が設けられた小径面部が下
向きとなるように配されている。そして、磁性塗料は、
上記ロータ112の凹部116に対向するごとく設けら
れた塗料供給口114より供給され、ロータ112の回
転により上方へ送られて、塗料取出口115から取り出
される。なお、このコボールミルにおいても、ディスク
型分散装置と同様、図示しない小径のビーズを用いて磁
性塗料を分散させるが、ビーズが塗料取出口115付近
に集中するのを防ぐために、ロータ112の大径面部の
中心近傍から上記凹部116へ貫通する孔117が設け
られており、塗料取出口115付近に送られたビーズを
該孔117を通過させて、塗料供給口114付近に戻せ
るようになされている。
112における小径面部の中央に、略円柱状の凹部11
6が設けられ、該ロータ112が、縦型に設置される容
器111内に、該凹部116が設けられた小径面部が下
向きとなるように配されている。そして、磁性塗料は、
上記ロータ112の凹部116に対向するごとく設けら
れた塗料供給口114より供給され、ロータ112の回
転により上方へ送られて、塗料取出口115から取り出
される。なお、このコボールミルにおいても、ディスク
型分散装置と同様、図示しない小径のビーズを用いて磁
性塗料を分散させるが、ビーズが塗料取出口115付近
に集中するのを防ぐために、ロータ112の大径面部の
中心近傍から上記凹部116へ貫通する孔117が設け
られており、塗料取出口115付近に送られたビーズを
該孔117を通過させて、塗料供給口114付近に戻せ
るようになされている。
【0008】このような構成を有するコボールミルは、
図9に示されたディスク型分散装置に比して、有効剪断
領域が大きいため、分散効率が高い。また、ビーズとロ
ータ112との接触による摩耗も生じにくい。しかしな
がら、このコボールミルにおいては、塗料供給口114
から供給されたばかりの磁性塗料が、上述した孔117
を通過して、塗料取出口115へ向かってショートパス
しやすいという問題がある。
図9に示されたディスク型分散装置に比して、有効剪断
領域が大きいため、分散効率が高い。また、ビーズとロ
ータ112との接触による摩耗も生じにくい。しかしな
がら、このコボールミルにおいては、塗料供給口114
から供給されたばかりの磁性塗料が、上述した孔117
を通過して、塗料取出口115へ向かってショートパス
しやすいという問題がある。
【0009】一方、図11のスパイクミルにおいては、
孔を通過させてビーズを循環させずとも、ロータ122
に設けられた凸部126を適切にパターニングしておく
ことによって、ロータ122の回転によりビーズに対し
て上流側に戻す力を与えることができ、ビーズが塗料取
出口125側に片寄ることを防止できる。そして、塗料
供給口124から下流側に向かって押し出されてくる磁
性塗料は、ロータ122の回転による剪断力を受けると
ともに、強制的に上流側に戻す力を受けたビーズとの間
でストレスを受けて分散がなされ、最終的には塗料取出
口125から取り出される。
孔を通過させてビーズを循環させずとも、ロータ122
に設けられた凸部126を適切にパターニングしておく
ことによって、ロータ122の回転によりビーズに対し
て上流側に戻す力を与えることができ、ビーズが塗料取
出口125側に片寄ることを防止できる。そして、塗料
供給口124から下流側に向かって押し出されてくる磁
性塗料は、ロータ122の回転による剪断力を受けると
ともに、強制的に上流側に戻す力を受けたビーズとの間
でストレスを受けて分散がなされ、最終的には塗料取出
口125から取り出される。
【0010】このような構成を有するスパイクミルは、
図9に示されたディスク型分散装置に比して、有効剪断
領域が大きいため分散効率が高い。また、磁性塗料のシ
ョートパスも少ない。しかしながら、ロータ122表面
の凸部126とビーズとの接触により摩耗が生じやすい
ため、上述したコボールミルより頻繁にメンテナンスを
行う必要がある。また、摩耗粉が取り込まれた磁性塗料
を用いて磁気記録媒体を製造すると、該磁気記録媒体の
静磁気特性が劣化したり、ドロップアウトを起こしやす
いものとなったりする。
図9に示されたディスク型分散装置に比して、有効剪断
領域が大きいため分散効率が高い。また、磁性塗料のシ
ョートパスも少ない。しかしながら、ロータ122表面
の凸部126とビーズとの接触により摩耗が生じやすい
ため、上述したコボールミルより頻繁にメンテナンスを
行う必要がある。また、摩耗粉が取り込まれた磁性塗料
を用いて磁気記録媒体を製造すると、該磁気記録媒体の
静磁気特性が劣化したり、ドロップアウトを起こしやす
いものとなったりする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、分散装
置として様々な構成のものが用いられているが、分散効
率に優れているのみならず、ショートパスが少なく、摩
耗しにくい、という条件を満足するものがないのが現状
である。
置として様々な構成のものが用いられているが、分散効
率に優れているのみならず、ショートパスが少なく、摩
耗しにくい、という条件を満足するものがないのが現状
である。
【0012】そこで、本発明は、かかる従来の実情を鑑
みて提案されたものであって、分散効率に優れ、ショー
トパスが少なく、摩耗しにくい分散装置を提供すること
を目的とする。また、このような分散装置を用いて磁性
塗料を分散させることにより、電磁変換特性に優れ、コ
ストの低減が図られた磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
みて提案されたものであって、分散効率に優れ、ショー
トパスが少なく、摩耗しにくい分散装置を提供すること
を目的とする。また、このような分散装置を用いて磁性
塗料を分散させることにより、電磁変換特性に優れ、コ
ストの低減が図られた磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る分散装置
は、上述の目的を達成するために提案されたものであっ
て、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部
に塗料取出口が設けられた円筒形の容器と、容器内に同
心的に配された略円錐台形のロータと、この容器内に収
容された多数個の小径のビーズとを備え、ロータは、そ
の相対的に小径の円形面部が前記塗料供給口に近接する
ごとく配されるとともに、その中心部に設けられた軸を
介して回転可能とされ、このロータの回転により、ロー
タ表面と容器の内壁面との間に、ビーズの循環流を形成
しながら、塗料供給口から供給された塗料に対する分散
処理を施すものである。
は、上述の目的を達成するために提案されたものであっ
て、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端部
に塗料取出口が設けられた円筒形の容器と、容器内に同
心的に配された略円錐台形のロータと、この容器内に収
容された多数個の小径のビーズとを備え、ロータは、そ
の相対的に小径の円形面部が前記塗料供給口に近接する
ごとく配されるとともに、その中心部に設けられた軸を
介して回転可能とされ、このロータの回転により、ロー
タ表面と容器の内壁面との間に、ビーズの循環流を形成
しながら、塗料供給口から供給された塗料に対する分散
処理を施すものである。
【0014】上述の分散装置において、ビーズの循環流
をより適切に制御するためには、ロータの相対的に小径
の円形面部に、該円形面部の径よりも大きい径を有する
ディスクを、該ロータと一体的に回転可能に接合して好
適である。
をより適切に制御するためには、ロータの相対的に小径
の円形面部に、該円形面部の径よりも大きい径を有する
ディスクを、該ロータと一体的に回転可能に接合して好
適である。
【0015】また、互いに隣接するロータの相対向する
円形面部の径が異なるように、複数のロータが直列配置
されていてもよい。この場合も、最もフロント側に配さ
れたロータの相対的に小径の円形面部に、該円形面部の
径よりも大きい径を有するディスクが、該ロータと一体
的に回転可能に接合されて好適である。なお、複数のロ
ータのそれぞれにおける相対的に小径の円形面部に、デ
ィスクを設けてもよい。
円形面部の径が異なるように、複数のロータが直列配置
されていてもよい。この場合も、最もフロント側に配さ
れたロータの相対的に小径の円形面部に、該円形面部の
径よりも大きい径を有するディスクが、該ロータと一体
的に回転可能に接合されて好適である。なお、複数のロ
ータのそれぞれにおける相対的に小径の円形面部に、デ
ィスクを設けてもよい。
【0016】そして、このような構成を有する分散装置
は、従来公知のどのような塗料を分散させるために用い
られてもよいが、磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させ
るために用いられて好適である。
は、従来公知のどのような塗料を分散させるために用い
られてもよいが、磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させ
るために用いられて好適である。
【0017】即ち、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端
部に塗料取出口が設けられた円筒形の容器と、該容器内
に同心的に配された略円錐台形のロータと、該容器内に
収容された多数個の小径のビーズとを備え、ロータが、
その相対的に小径の円形面部が塗料供給口に近接するご
とく配されるとともに、その中心部に設けられた軸を介
して回転可能とされている分散装置を用い、塗料供給口
から磁性塗料を供給するとともに、ロータを回転させる
ことにより、該ロータ表面と容器の内壁面との間にビー
ズの循環流を形成させながら、磁性塗料を分散させ、そ
の後、塗料取出口から押し出された磁性塗料を、非磁性
支持体上に塗布するものである。
法は、一端部に塗料供給口が設けられるとともに、他端
部に塗料取出口が設けられた円筒形の容器と、該容器内
に同心的に配された略円錐台形のロータと、該容器内に
収容された多数個の小径のビーズとを備え、ロータが、
その相対的に小径の円形面部が塗料供給口に近接するご
とく配されるとともに、その中心部に設けられた軸を介
して回転可能とされている分散装置を用い、塗料供給口
から磁性塗料を供給するとともに、ロータを回転させる
ことにより、該ロータ表面と容器の内壁面との間にビー
ズの循環流を形成させながら、磁性塗料を分散させ、そ
の後、塗料取出口から押し出された磁性塗料を、非磁性
支持体上に塗布するものである。
【0018】ここで用いられる分散装置は、上述したよ
うな構成を有するものであればよい。このため、分散工
程を行うに際しては、ロータの相対的に小径の円形面部
に接合された該円形面部の径よりも大きい径を有するデ
ィスクを、該ロータと一体的に回転させてもよい。
うな構成を有するものであればよい。このため、分散工
程を行うに際しては、ロータの相対的に小径の円形面部
に接合された該円形面部の径よりも大きい径を有するデ
ィスクを、該ロータと一体的に回転させてもよい。
【0019】また、互いに隣接するロータの相対向する
円形面部の径が異なるようにロータを直列配置して、こ
れらを一体的に回転させてもよい。この場合も、最もフ
ロント側に配されたロータの相対的に小径の円形面部に
接合され、該円形面部の径よりも大きい径を有するディ
スクを、該ロータと一体的に回転させて好適である。
円形面部の径が異なるようにロータを直列配置して、こ
れらを一体的に回転させてもよい。この場合も、最もフ
ロント側に配されたロータの相対的に小径の円形面部に
接合され、該円形面部の径よりも大きい径を有するディ
スクを、該ロータと一体的に回転させて好適である。
【0020】ところで、上述のようにして分散がなされ
る磁性塗料は、少なくとも強磁性粉末と結合剤を有機溶
剤とともに混合されてなるものであり、各材料には従来
公知のものがいずれも使用できる。
る磁性塗料は、少なくとも強磁性粉末と結合剤を有機溶
剤とともに混合されてなるものであり、各材料には従来
公知のものがいずれも使用できる。
【0021】例えば、強磁性粉末としては、酸化物磁性
粉末でもよく、金属磁性粉末であってもよい。酸化物磁
性粉末としては、γ−Fe2 O3 ,Co含有γ−Fe2
O3,Fe3 O4 ,Co含有γ−Fe3 O4 ,Co被着
−Fe3 O4 ,CrO2 等が挙げられる。また、金属磁
性粉末としては、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe
−Ni,Fe−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−
B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−Al,
Fe−Co−V等が挙げられ、さらに、これらの種々の
特性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,
Cu,Zn等の金属成分が添加されたものであっても良
い。また、バリウムフェライト等の六方晶系フェライト
や窒化鉄等も使用可能である。
粉末でもよく、金属磁性粉末であってもよい。酸化物磁
性粉末としては、γ−Fe2 O3 ,Co含有γ−Fe2
O3,Fe3 O4 ,Co含有γ−Fe3 O4 ,Co被着
−Fe3 O4 ,CrO2 等が挙げられる。また、金属磁
性粉末としては、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe
−Ni,Fe−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−
B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn−Al,
Fe−Co−V等が挙げられ、さらに、これらの種々の
特性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,
Cu,Zn等の金属成分が添加されたものであっても良
い。また、バリウムフェライト等の六方晶系フェライト
や窒化鉄等も使用可能である。
【0022】また、使用可能な金属磁性粉末としては、
例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、
Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe
−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−C
o−V等が挙げられ、更に、これらの種々の特性を改善
する目的でAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn
等の金属成分が添加されたのものであっても良い。
例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、
Fe−Co−Ni、Co−Ni、Fe−Co−B、Fe
−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−Al、Fe−C
o−V等が挙げられ、更に、これらの種々の特性を改善
する目的でAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn
等の金属成分が添加されたのものであっても良い。
【0023】結合剤も、従来より使用されているものが
いずれも使用可能であり、変性または非変性の塩化ビニ
ル系樹脂、ポリウレタン樹脂或いはポリエステル樹脂を
使用または併用することができるし、さらに繊維系樹
脂、フェノキシ樹脂あるいは特定の使用方法を有する熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬
化型樹脂を併用しても良い。上記の変性のために導入さ
れる基としては、強磁性粉末の分散性向上を図れる−S
O3 M、−OSO3 M、−COOM、−PO(OM)2
等であってよい(MはNa等のアルカリ金属原子、M′
は同アルカリ金属原子又はアルキル基)。
いずれも使用可能であり、変性または非変性の塩化ビニ
ル系樹脂、ポリウレタン樹脂或いはポリエステル樹脂を
使用または併用することができるし、さらに繊維系樹
脂、フェノキシ樹脂あるいは特定の使用方法を有する熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬
化型樹脂を併用しても良い。上記の変性のために導入さ
れる基としては、強磁性粉末の分散性向上を図れる−S
O3 M、−OSO3 M、−COOM、−PO(OM)2
等であってよい(MはNa等のアルカリ金属原子、M′
は同アルカリ金属原子又はアルキル基)。
【0024】有機溶剤としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、
乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエ
ステル類、エチルエーテル、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレ
ンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩化炭化水素
等が使用できる。
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、
乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエ
ステル類、エチルエーテル、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレ
ンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩化炭化水素
等が使用できる。
【0025】なお、磁性塗料中には、必要に応じてレシ
チン等の分散剤、ステアリン酸等の潤滑剤、カーボンブ
ラック等の帯電防止剤、酸化クロム剤の研磨剤、防錆剤
等が加えられてもよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電
防止剤及び防錆剤としては、従来公知の材料がいずれも
使用可能であり、何ら限定されるものではない。
チン等の分散剤、ステアリン酸等の潤滑剤、カーボンブ
ラック等の帯電防止剤、酸化クロム剤の研磨剤、防錆剤
等が加えられてもよい。これらの分散剤、潤滑剤、帯電
防止剤及び防錆剤としては、従来公知の材料がいずれも
使用可能であり、何ら限定されるものではない。
【0026】上述のような磁性塗料は、非磁性支持体上
に塗布された後、磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理
等が施されて磁性層となる。
に塗布された後、磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理
等が施されて磁性層となる。
【0027】この磁性塗料が塗布される非磁性支持体と
しては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート,セルロースダ
イアセテート,セルロースブチレート等のセルロース誘
導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル
系樹脂、ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミド等
の高分子材料の他、アルミニウム合金,チタン合金等の
軽金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられ
る。非磁性支持体にアルミニウム合金板やガラス板等の
剛性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアル
マイト処理等の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してそ
の表面を硬くするようにしてもよい。
しては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート,セルロースダ
イアセテート,セルロースブチレート等のセルロース誘
導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル
系樹脂、ポリカーボネート,ポリイミド,ポリアミド等
の高分子材料の他、アルミニウム合金,チタン合金等の
軽金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられ
る。非磁性支持体にアルミニウム合金板やガラス板等の
剛性を有する基板を使用した場合には、基板表面にアル
マイト処理等の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してそ
の表面を硬くするようにしてもよい。
【0028】なお、本発明を適用して製造される磁気記
録媒体の構成は、上述したものに限られず、特性の改善
を目的として通常採用されている付加的な要素を持たせ
るようにしても何ら差し支えない。例えば、非磁性支持
体の磁性層が形成されている側の面とは反対側の面にバ
ックコート層が設けられていたり、磁性層の表面性制御
等を目的として磁性層の下側に下塗り層が形成されてい
ても良い。
録媒体の構成は、上述したものに限られず、特性の改善
を目的として通常採用されている付加的な要素を持たせ
るようにしても何ら差し支えない。例えば、非磁性支持
体の磁性層が形成されている側の面とは反対側の面にバ
ックコート層が設けられていたり、磁性層の表面性制御
等を目的として磁性層の下側に下塗り層が形成されてい
ても良い。
【0029】このうちバックコート層は、先に磁性塗膜
で例示した樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボ
ン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔
料が分散されてなる層であり、媒体の走行性を改善する
ために設けられる。なお、このバックコート層を分散さ
せるに際して、上述した分散装置を用いてもよい。
で例示した樹脂結合剤に導電性を付与するためのカーボ
ン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機顔
料が分散されてなる層であり、媒体の走行性を改善する
ために設けられる。なお、このバックコート層を分散さ
せるに際して、上述した分散装置を用いてもよい。
【0030】
【作用】本発明に係る分散装置は、ロータ表面と容器の
内壁面との間の空間全てが有効剪断領域であるため、容
器の容量当たりの分散効率に優れ、また、塗料がショー
トパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分
散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化に
も対応できる。
内壁面との間の空間全てが有効剪断領域であるため、容
器の容量当たりの分散効率に優れ、また、塗料がショー
トパスしにくい。このため、塗料を効率よく、均一に分
散させることが可能となり、供給する塗料の大流量化に
も対応できる。
【0031】また、この分散装置においては、ロータ表
面と容器の内壁面との間の空間でビーズの循環流が形成
されるため、ビーズが容器の塗料取出口の配設側(バッ
ク側)に集中してしまうことがなく、この部分での必要
以上の圧力上昇が防止できる。
面と容器の内壁面との間の空間でビーズの循環流が形成
されるため、ビーズが容器の塗料取出口の配設側(バッ
ク側)に集中してしまうことがなく、この部分での必要
以上の圧力上昇が防止できる。
【0032】さらに、ロータとビーズとの接触による摩
耗も生じにくいため、塗料内へ摩耗粉が取り込まれにく
い。
耗も生じにくいため、塗料内へ摩耗粉が取り込まれにく
い。
【0033】したがって、このような分散装置を磁気記
録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を
均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、
分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生
産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取
り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化を抑制でき
るとともに、ドロップアウトも抑制できる。
録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を
均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、
分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生
産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取
り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化を抑制でき
るとともに、ドロップアウトも抑制できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 本実施例の分散装置は、円筒形の容器内に、略円錐台形
のロータと、多数個の小径のビーズとが収容されてな
り、ロータの回転により、このロータ表面と容器の内壁
面との間に、ビーズの循環流を形成しながら、塗料に対
する分散処理を施すものである。
のロータと、多数個の小径のビーズとが収容されてな
り、ロータの回転により、このロータ表面と容器の内壁
面との間に、ビーズの循環流を形成しながら、塗料に対
する分散処理を施すものである。
【0036】この分散装置について、図1を参照しなが
ら説明する。
ら説明する。
【0037】ここで、容器1は、一端部に塗料供給口4
が設けられるとともに、他端部に塗料取出口5が設けら
れ、その周面が設置面に接するごとく設置されている。
なお、この容器1のバック側(塗料取出口5の配設側)
には、ビーズの直径よりも狭い隙間(スリット)6を有
する仕切板7が設けられている。
が設けられるとともに、他端部に塗料取出口5が設けら
れ、その周面が設置面に接するごとく設置されている。
なお、この容器1のバック側(塗料取出口5の配設側)
には、ビーズの直径よりも狭い隙間(スリット)6を有
する仕切板7が設けられている。
【0038】ロータ2は、各種金属、ポリエチレンに代
表される各種プラスチック、セラミックス等より構成す
ればよいが、ここではセラミックスより構成した。
表される各種プラスチック、セラミックス等より構成す
ればよいが、ここではセラミックスより構成した。
【0039】また、ロータ2の2つの円形面部2a,2
bの中心を結ぶ中心線を含む断面を見たとき、中心線と
斜辺とがなす角度(以下、傾斜角度と称す。)は10°
以下となされて好適であり、さらに好ましくは0.1°
〜2°となされる。この傾斜角度が大きすぎると、ロー
タ2の相対的に小径側の部分と相対的に大径側の部分と
で剪断速度の差が大きくなるため、分散装置内で分散効
率にバラツキが生じてしまう。また、ビーズおよび塗料
の循環流について着目しても、容器1のバック側からフ
ロント側(塗料供給口4の配設側)に戻される戻し量
が、フロント側からバック側に送られる送り量に対し
て、多すぎるものとなってしまうため、容器1のフロン
ト側でビーズが滞留して十分に動けなくなり、分散効率
が劣化してしまう。逆に、傾斜角度が小さすぎると、容
器1のバック側からフロント側に戻されるビーズおよび
塗料の戻し量が小さくなるため、塗料の供給圧力に抗し
きれず、容器1のバック側にビーズおよび塗料が集中し
てしまう。そして、やはりビーズが滞留して十分に動か
なくなり、分散効率の劣化、ビーズの摩耗、圧力の上昇
といった問題が生じる。このため、ここでは、ロータ2
の傾斜角度を2°とした。
bの中心を結ぶ中心線を含む断面を見たとき、中心線と
斜辺とがなす角度(以下、傾斜角度と称す。)は10°
以下となされて好適であり、さらに好ましくは0.1°
〜2°となされる。この傾斜角度が大きすぎると、ロー
タ2の相対的に小径側の部分と相対的に大径側の部分と
で剪断速度の差が大きくなるため、分散装置内で分散効
率にバラツキが生じてしまう。また、ビーズおよび塗料
の循環流について着目しても、容器1のバック側からフ
ロント側(塗料供給口4の配設側)に戻される戻し量
が、フロント側からバック側に送られる送り量に対し
て、多すぎるものとなってしまうため、容器1のフロン
ト側でビーズが滞留して十分に動けなくなり、分散効率
が劣化してしまう。逆に、傾斜角度が小さすぎると、容
器1のバック側からフロント側に戻されるビーズおよび
塗料の戻し量が小さくなるため、塗料の供給圧力に抗し
きれず、容器1のバック側にビーズおよび塗料が集中し
てしまう。そして、やはりビーズが滞留して十分に動か
なくなり、分散効率の劣化、ビーズの摩耗、圧力の上昇
といった問題が生じる。このため、ここでは、ロータ2
の傾斜角度を2°とした。
【0040】そして、このロータ2は、上述の容器1内
に、その相対的に小径の円形面部2aが容器のフロント
側、相対的に大径の円形面部2bが容器のバック側とな
るように、該容器1と同心的に配されている。
に、その相対的に小径の円形面部2aが容器のフロント
側、相対的に大径の円形面部2bが容器のバック側とな
るように、該容器1と同心的に配されている。
【0041】また、このロータ2の中心部には軸3が貫
通しており、この軸3は、ロータ2の相対的に大径の円
形面部2bの中心から突出して、上述した仕切板7およ
び容器1の側面を貫通し、図示しないモータに接続され
ている。これにより、モータを駆動させることにより、
軸3を介してロータ2が回転可能となる。
通しており、この軸3は、ロータ2の相対的に大径の円
形面部2bの中心から突出して、上述した仕切板7およ
び容器1の側面を貫通し、図示しないモータに接続され
ている。これにより、モータを駆動させることにより、
軸3を介してロータ2が回転可能となる。
【0042】小径のビーズは、図示しないが、容器1内
に多数個収容され、ロータ2の回転によって、ロータ2
表面と容器1の内壁面との間で循環流を形成する。この
循環流は、図中矢印にて示されるように、ロータ2の周
面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最
もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック
側からフロント側へ戻るようなものである。
に多数個収容され、ロータ2の回転によって、ロータ2
表面と容器1の内壁面との間で循環流を形成する。この
循環流は、図中矢印にて示されるように、ロータ2の周
面に沿って容器のフロント側からバック側へ送られ、最
もバック側にて反転し、容器1の内壁面に沿ってバック
側からフロント側へ戻るようなものである。
【0043】したがって、塗料供給口4から塗料を供給
しながら、ロータ2を回転させると、ビーズと共に塗料
が循環し、ロータ2の回転による剪断力と、ビーズとの
衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。
そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に
下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から
取り出される。なお、ビーズはスリット6を通過できな
いため、引き続き容器1内で循環することとなる。
しながら、ロータ2を回転させると、ビーズと共に塗料
が循環し、ロータ2の回転による剪断力と、ビーズとの
衝突による剪断力を受け、分散がなされることとなる。
そして、この塗料は、分散処理が施されながら、徐々に
下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取出口5から
取り出される。なお、ビーズはスリット6を通過できな
いため、引き続き容器1内で循環することとなる。
【0044】実施例2 本実施例の分散装置は、ロータの相対的に小径の円形面
部に、該円形面部の径よりも大きい径を有するディスク
が接合されているものである。
部に、該円形面部の径よりも大きい径を有するディスク
が接合されているものである。
【0045】この分散装置について、図2を参照しなが
ら説明する。なお、実施例1の分散装置と共通する部材
には共通符号を付し、重複説明を省略する。
ら説明する。なお、実施例1の分散装置と共通する部材
には共通符号を付し、重複説明を省略する。
【0046】図2に示されるように、本実施例の分散装
置においては、構成の大部分が実施例1と共通である
が、ロータ2の相対的に小径の円形面部2aに、該円形
面部2aの径よりも大きい径を有するディスク8が接合
されている点が異なっている。
置においては、構成の大部分が実施例1と共通である
が、ロータ2の相対的に小径の円形面部2aに、該円形
面部2aの径よりも大きい径を有するディスク8が接合
されている点が異なっている。
【0047】このディスク8は、ロータ2同様セラミッ
クスよりなり、図3に示されるように、その中央部に軸
3の径と略等しい径を有する孔8aが設けられた円盤状
のものである。そして、このディスク8は、孔8aによ
って軸3の先端部に嵌着され、ロータ2の相対的に小径
の円形面部2aに接合されることとなる。このため、デ
ィスク8は、モータを駆動させることにより、軸3を介
してロータ2と一体的に回転することとなる。
クスよりなり、図3に示されるように、その中央部に軸
3の径と略等しい径を有する孔8aが設けられた円盤状
のものである。そして、このディスク8は、孔8aによ
って軸3の先端部に嵌着され、ロータ2の相対的に小径
の円形面部2aに接合されることとなる。このため、デ
ィスク8は、モータを駆動させることにより、軸3を介
してロータ2と一体的に回転することとなる。
【0048】このような構成を有する分散装置におい
て、ロータ2とともにディスク8を回転させると、図中
矢印にて示されるように、ロータ2の周面に沿って容器
1のフロント側からバック側へ送られ、容器1の内壁面
に沿ってバック側からフロント側へ戻る循環流の他に、
ディスク8の先端近傍から容器のフロント側およびバッ
ク側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端
近傍へ戻るような循環流が形成される。
て、ロータ2とともにディスク8を回転させると、図中
矢印にて示されるように、ロータ2の周面に沿って容器
1のフロント側からバック側へ送られ、容器1の内壁面
に沿ってバック側からフロント側へ戻る循環流の他に、
ディスク8の先端近傍から容器のフロント側およびバッ
ク側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端
近傍へ戻るような循環流が形成される。
【0049】したがって、塗料供給口4から塗料を供給
しながら、ロータ2およびディスク8を回転させると、
ビーズと共に塗料が循環し、ロータ2およびディスク8
の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を
受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料
は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、
スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。
しながら、ロータ2およびディスク8を回転させると、
ビーズと共に塗料が循環し、ロータ2およびディスク8
の回転による剪断力と、ビーズとの衝突による剪断力を
受け、分散がなされることとなる。そして、この塗料
は、分散処理が施されながら、徐々に下流側へ送られ、
スリット6を介して塗料取出口5から取り出される。
【0050】なお、本実施例の分散装置においては、デ
ィスク8の先端近傍から容器のフロント側およびバック
側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端近
傍へ戻るような循環流が形成されているため、実施例1
の分散装置に比して、容器のフロント側でのビーズおよ
び塗料の動きが活発であり、分散効率が高い。
ィスク8の先端近傍から容器のフロント側およびバック
側の内壁面に向かって送られ、再びディスク8の先端近
傍へ戻るような循環流が形成されているため、実施例1
の分散装置に比して、容器のフロント側でのビーズおよ
び塗料の動きが活発であり、分散効率が高い。
【0051】実施例3 本実施例の分散装置は、互いに隣接するロータの相対向
する円形面部の径が異なるように、3つのロータが直列
配置されているものである。
する円形面部の径が異なるように、3つのロータが直列
配置されているものである。
【0052】この分散装置について、図4を参照しなが
ら説明する。なお、実施例1の分散装置と共通する部材
には共通符号を付し、重複説明を省略する。
ら説明する。なお、実施例1の分散装置と共通する部材
には共通符号を付し、重複説明を省略する。
【0053】図4に示されるように、本実施例の分散装
置は、容器1の構成と、該容器1内に小径のビーズが多
数個収容されている点が実施例1と同様である。そし
て、この容器1内には、3つのロータ(フロント側から
順に第1のロータ12、第2のロータ13、第3のロー
タ14)が、それぞれその相対的に小径の円形面部12
a,13a,14aが容器のフロント側を向き、相対的
に大径の円形面部12b,13b,14bが容器のバッ
ク側を向くように、該容器1と同心的に直列配置されて
いる。
置は、容器1の構成と、該容器1内に小径のビーズが多
数個収容されている点が実施例1と同様である。そし
て、この容器1内には、3つのロータ(フロント側から
順に第1のロータ12、第2のロータ13、第3のロー
タ14)が、それぞれその相対的に小径の円形面部12
a,13a,14aが容器のフロント側を向き、相対的
に大径の円形面部12b,13b,14bが容器のバッ
ク側を向くように、該容器1と同心的に直列配置されて
いる。
【0054】各ロータ12,13,14における相対的
に小径の円形面部12a,13a,14aの大きさ同士
は全て等しく、相対的に大径の円形面部12b,13
b,14bの大きさ同士も全て等しい。また、各ロータ
12,13,14における傾斜角度も全て等しく2°と
なされている。
に小径の円形面部12a,13a,14aの大きさ同士
は全て等しく、相対的に大径の円形面部12b,13
b,14bの大きさ同士も全て等しい。また、各ロータ
12,13,14における傾斜角度も全て等しく2°と
なされている。
【0055】また、最も容器1のフロント側に配される
第1のロータ2の相対的に小径の円形面部12aには、
実施例2同様、円形面部12aの径よりも大きい径を有
するディスク8が接合されている。
第1のロータ2の相対的に小径の円形面部12aには、
実施例2同様、円形面部12aの径よりも大きい径を有
するディスク8が接合されている。
【0056】そして、これらディスク8およびロータ1
2,13,14の各中心部には共通の軸3が貫通してお
り、この軸3は、実施例1同様、容器1の側面を貫通
し、図示しないモータに接続されている。
2,13,14の各中心部には共通の軸3が貫通してお
り、この軸3は、実施例1同様、容器1の側面を貫通
し、図示しないモータに接続されている。
【0057】このような構成を有する分散装置におい
て、ディスク8およびロータ12,13,14を回転さ
せると、図中矢印にて示されるようなビーズの循環流が
形成される。即ち、各ロータ12,13,14ごとに、
その周面に沿って容器1のフロント側からバック側へ送
られ、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側
へ戻る循環流が形成されるとともに、第3のロータ14
と第2のロータとの接合面近傍から容器1のバック側の
内壁面に向かって送られ、再びこの接合面近傍へ戻るよ
うな循環流、第2のロータと第1のロータとの接合面近
傍から容器1のバック側の内壁面に向かって送られ、再
びこの接合面近傍へ戻るような循環流、ディスク8の先
端近傍から容器1のフロント側およびバック側の内壁面
に向かって送られ、再びディスク8の先端近傍へ戻るよ
うな循環流が形成される。これは、第2のロータ13の
相対的に大径の円形面部13bは、第3のロータ14に
とって、ディスク8が設けられるのと同様の循環流形成
効果を生じさせ、第1のロータ12の相対的に大径の円
形面部12bは、第2のロータ13にとって、ディスク
8が設けられるのと同様の循環流形成効果を生じさせて
いると考えることができる。
て、ディスク8およびロータ12,13,14を回転さ
せると、図中矢印にて示されるようなビーズの循環流が
形成される。即ち、各ロータ12,13,14ごとに、
その周面に沿って容器1のフロント側からバック側へ送
られ、容器1の内壁面に沿ってバック側からフロント側
へ戻る循環流が形成されるとともに、第3のロータ14
と第2のロータとの接合面近傍から容器1のバック側の
内壁面に向かって送られ、再びこの接合面近傍へ戻るよ
うな循環流、第2のロータと第1のロータとの接合面近
傍から容器1のバック側の内壁面に向かって送られ、再
びこの接合面近傍へ戻るような循環流、ディスク8の先
端近傍から容器1のフロント側およびバック側の内壁面
に向かって送られ、再びディスク8の先端近傍へ戻るよ
うな循環流が形成される。これは、第2のロータ13の
相対的に大径の円形面部13bは、第3のロータ14に
とって、ディスク8が設けられるのと同様の循環流形成
効果を生じさせ、第1のロータ12の相対的に大径の円
形面部12bは、第2のロータ13にとって、ディスク
8が設けられるのと同様の循環流形成効果を生じさせて
いると考えることができる。
【0058】したがって、塗料供給口4から塗料を供給
しながら、ディスク8およびロータ12,13,14を
回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ディスク8
およびロータ12,13,14の回転による剪断力と、
ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされるこ
ととなる。そして、この塗料は、分散処理が施されなが
ら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取
出口5から取り出される。
しながら、ディスク8およびロータ12,13,14を
回転させると、ビーズと共に塗料が循環し、ディスク8
およびロータ12,13,14の回転による剪断力と、
ビーズとの衝突による剪断力を受け、分散がなされるこ
ととなる。そして、この塗料は、分散処理が施されなが
ら、徐々に下流側へ送られ、スリット6を介して塗料取
出口5から取り出される。
【0059】なお、本実施例の分散装置においては、各
ロータ12,13,14ごとに循環流が形成されてお
り、また、容器1の最もフロント側でのビーズおよび塗
料の動きも活発であるため、分散効率が高い。
ロータ12,13,14ごとに循環流が形成されてお
り、また、容器1の最もフロント側でのビーズおよび塗
料の動きも活発であるため、分散効率が高い。
【0060】ここで、本実施例の分散装置について、装
置内での塗料の滞留時間の分布を調べた。なお、比較の
ため、図9に示されるようなディスク型分散装置、図1
0に示されるようなコボールミル、図11に示されるよ
うなスパイクミルといった従来型の分散装置についても
同様に滞留時間の分布を調べた。
置内での塗料の滞留時間の分布を調べた。なお、比較の
ため、図9に示されるようなディスク型分散装置、図1
0に示されるようなコボールミル、図11に示されるよ
うなスパイクミルといった従来型の分散装置についても
同様に滞留時間の分布を調べた。
【0061】具体的には、各分散装置の塗料供給口4,
104,114,124から、トレーサを混入させた塗
料を一定量供給し、塗料取出口5,105,115,1
25から排出されてくる塗料中のトレーサ濃度を、近赤
外線濃度計を用いて測定した。
104,114,124から、トレーサを混入させた塗
料を一定量供給し、塗料取出口5,105,115,1
25から排出されてくる塗料中のトレーサ濃度を、近赤
外線濃度計を用いて測定した。
【0062】なお、本実施例の分散装置、コボールミ
ル、スパイクミルにおいては、ロータ2、112、12
2における最も大径部での周速度が10m/秒となるよ
うに、各ロータ2、112、122を回転させ、ディス
ク型分散装置においては、ディスク102の先端部での
周速度が10m/秒となるように、ディスク102を回
転させた。
ル、スパイクミルにおいては、ロータ2、112、12
2における最も大径部での周速度が10m/秒となるよ
うに、各ロータ2、112、122を回転させ、ディス
ク型分散装置においては、ディスク102の先端部での
周速度が10m/秒となるように、ディスク102を回
転させた。
【0063】図5に、供給されてから排出されるまでの
時間(以下、滞留時間と称す。)とトレーサ濃度との関
係を示す。なお、横軸の滞留時間は、平均滞留時間(分
散装置内の容量を流量にて割った値)を1として、この
平均滞留時間との比の値にて示した。
時間(以下、滞留時間と称す。)とトレーサ濃度との関
係を示す。なお、横軸の滞留時間は、平均滞留時間(分
散装置内の容量を流量にて割った値)を1として、この
平均滞留時間との比の値にて示した。
【0064】これより、本実施例の分散装置およびスパ
イクミルは、ディスク型分散装置やコボールミルに比し
て、トレーサ濃度のピークを示す滞留時間が平均滞留時
間に近づいていることがわかる。これは、滞留時間が極
端に短い塗料が少ない、即ち塗料がショートパスしにく
いことを示している。また、これは、分散の程度にバラ
ツキが生じにくい、即ち、塗料の分散のされ方が均等化
されていることも示している。
イクミルは、ディスク型分散装置やコボールミルに比し
て、トレーサ濃度のピークを示す滞留時間が平均滞留時
間に近づいていることがわかる。これは、滞留時間が極
端に短い塗料が少ない、即ち塗料がショートパスしにく
いことを示している。また、これは、分散の程度にバラ
ツキが生じにくい、即ち、塗料の分散のされ方が均等化
されていることも示している。
【0065】また、本実施例の分散装置とスパイクミル
とを同じ条件にて4時間稼働させ、この前後のビーズの
重量を測定して、ビーズの摩耗量を調べた。この結果、
本実施例の分散装置内のビーズの重量は0.3%しか減
少していなかったのに対し、スパイクミル内のビーズの
重量は3%も減少していたことがわかった。
とを同じ条件にて4時間稼働させ、この前後のビーズの
重量を測定して、ビーズの摩耗量を調べた。この結果、
本実施例の分散装置内のビーズの重量は0.3%しか減
少していなかったのに対し、スパイクミル内のビーズの
重量は3%も減少していたことがわかった。
【0066】これより、本実施例の分散装置は、塗料の
ショートパスが少なく、ビーズの摩耗もしにくいもので
あることがわかる。
ショートパスが少なく、ビーズの摩耗もしにくいもので
あることがわかる。
【0067】実施例4 以下、上述した実施例3の分散装置を磁気記録媒体用の
磁性塗料を分散させるために用いた例について説明す
る。
磁性塗料を分散させるために用いた例について説明す
る。
【0068】具体的には、下記組成の磁性塗料を調製
し、この磁性塗料を実施例3の分散装置の塗料供給口4
から供給した。
し、この磁性塗料を実施例3の分散装置の塗料供給口4
から供給した。
【0069】<磁性塗料組成> 金属磁性粉末 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10.5重量部 ポリウレタン樹脂 10.5重量部 カーボン(帯電防止剤) 5重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 なお、ロータ2は、該ロータ2における最も大径部での
周速度が10m/秒となるように回転させた。
周速度が10m/秒となるように回転させた。
【0070】そして、塗料取出口5から排出された磁性
塗料に対して、硬化剤としてコロネートL(日本ポリウ
レタン社製、商品名ポリイソシアネート)を4重量部添
加し、30分間撹拌することによって磁性塗料の調製を
完了した。
塗料に対して、硬化剤としてコロネートL(日本ポリウ
レタン社製、商品名ポリイソシアネート)を4重量部添
加し、30分間撹拌することによって磁性塗料の調製を
完了した。
【0071】この磁性塗料を、厚さ12μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが2μm
となるように塗布し、未乾燥の状態で磁場配向処理を行
った。次いで、塗膜を乾燥させて巻き取り、カレンダー
処理を行った後、8ミリ幅に裁断することで磁気テープ
を作製した。
レンテレフタレートフィルム上に乾燥後の厚みが2μm
となるように塗布し、未乾燥の状態で磁場配向処理を行
った。次いで、塗膜を乾燥させて巻き取り、カレンダー
処理を行った後、8ミリ幅に裁断することで磁気テープ
を作製した。
【0072】ここで、上述のようにして作製された磁気
テープ(実施例のサンプルテープ)と、スパイクミルを
用いて磁性塗料の分散処理を行って作製された磁気テー
プ(比較例のサンプルテープ)とで、特性の比較を行っ
た。
テープ(実施例のサンプルテープ)と、スパイクミルを
用いて磁性塗料の分散処理を行って作製された磁気テー
プ(比較例のサンプルテープ)とで、特性の比較を行っ
た。
【0073】両サンプルテープについてドロップアウト
の発生状況を測定したところ、両者に大きな差は見られ
なかったが、両サンプルテープの磁性層表面の光沢度を
グロス計(入射角45°)にて測定したところ、実施例
のサンプルテープの方が優れていた。
の発生状況を測定したところ、両者に大きな差は見られ
なかったが、両サンプルテープの磁性層表面の光沢度を
グロス計(入射角45°)にて測定したところ、実施例
のサンプルテープの方が優れていた。
【0074】なお、分散途中の磁性塗料の光沢度の変化
を比較すると、実施例3の分散装置を用いた場合には、
分散時間とともに光沢度が高くなり、一定時間後には光
沢度の値が一定となるのに対し、スパイクミルを用いた
場合には、分散時間とともに光沢度が高まるが、その
後、かえって光沢度が劣化してしまう。これは、スパイ
クミルを用いて長時間分散を行うと、ビーズが摩耗し、
この摩耗粉が磁性塗料中に取り込まれてしまうためであ
る。したがって、上述した両サンプルテープの磁性層表
面の光沢度についての測定結果は、スパイクミルの方が
分散効率が低いことを示しているのではなく、スパイク
ミルによって分散処理された磁性塗料に摩耗粉が取り込
まれていることを示していると考えられる。
を比較すると、実施例3の分散装置を用いた場合には、
分散時間とともに光沢度が高くなり、一定時間後には光
沢度の値が一定となるのに対し、スパイクミルを用いた
場合には、分散時間とともに光沢度が高まるが、その
後、かえって光沢度が劣化してしまう。これは、スパイ
クミルを用いて長時間分散を行うと、ビーズが摩耗し、
この摩耗粉が磁性塗料中に取り込まれてしまうためであ
る。したがって、上述した両サンプルテープの磁性層表
面の光沢度についての測定結果は、スパイクミルの方が
分散効率が低いことを示しているのではなく、スパイク
ミルによって分散処理された磁性塗料に摩耗粉が取り込
まれていることを示していると考えられる。
【0075】これより、スパイクミルによって分散処理
がなされると、分散処理中に摩耗粉が磁性塗料に取り込
まれるために、作製された磁気テープの静磁気特性を劣
化させる結果となってしまい、実施例3の分散装置によ
って分散処理がなされると、分散処理中に摩耗が発生し
にくいため、静磁気特性に優れた磁気テープを作製でき
ることがわかる。
がなされると、分散処理中に摩耗粉が磁性塗料に取り込
まれるために、作製された磁気テープの静磁気特性を劣
化させる結果となってしまい、実施例3の分散装置によ
って分散処理がなされると、分散処理中に摩耗が発生し
にくいため、静磁気特性に優れた磁気テープを作製でき
ることがわかる。
【0076】以上、本発明に係る分散装置およびこれを
用いた磁気記録媒体の製造方法について説明したが、本
発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々
の変形変更が可能である。例えば、実施例2および実施
例3の分散装置において配設したディスク8の形状は、
図3に示されるものに限られず、図6のように、円盤部
18の外縁に、略三角形状の凸部19が一体に突出形成
された形状であってもよい。また、図7のように、円盤
部28の外周部から湾曲しながら内方へ向かう切欠き溝
29が形成された形状であってもよい。さらに、図8の
ように、円盤部38の外周部に紙面に対して垂直方向に
突出したピン39が設けられたようなものであってもよ
い。
用いた磁気記録媒体の製造方法について説明したが、本
発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々
の変形変更が可能である。例えば、実施例2および実施
例3の分散装置において配設したディスク8の形状は、
図3に示されるものに限られず、図6のように、円盤部
18の外縁に、略三角形状の凸部19が一体に突出形成
された形状であってもよい。また、図7のように、円盤
部28の外周部から湾曲しながら内方へ向かう切欠き溝
29が形成された形状であってもよい。さらに、図8の
ように、円盤部38の外周部に紙面に対して垂直方向に
突出したピン39が設けられたようなものであってもよ
い。
【0077】また、実施例3の分散装置においては、3
つのロータ12,13,14を直列配置した上、ディス
ク8をも1つ配したが、3つのロータ12,13,14
のみであっても、優れた分散効果が望める。また、各ロ
ータ12,13,14のそれぞれに対して1つずつディ
スク8を配してもよい。なお、ロータを複数配置する場
合の該ロータの個数は、3個に限られず、2個であって
もよいし、4個以上であってもよい。
つのロータ12,13,14を直列配置した上、ディス
ク8をも1つ配したが、3つのロータ12,13,14
のみであっても、優れた分散効果が望める。また、各ロ
ータ12,13,14のそれぞれに対して1つずつディ
スク8を配してもよい。なお、ロータを複数配置する場
合の該ロータの個数は、3個に限られず、2個であって
もよいし、4個以上であってもよい。
【0078】また、実施例4においては、磁気記録媒体
用の磁性塗料に対する分散処理を施すために、実施例3
の分散装置を用いたが、実施例1または実施例2の分散
装置を用いてもよい。その他、磁性塗料の組成や、磁気
テープの構成等も上述したものに限られない。
用の磁性塗料に対する分散処理を施すために、実施例3
の分散装置を用いたが、実施例1または実施例2の分散
装置を用いてもよい。その他、磁性塗料の組成や、磁気
テープの構成等も上述したものに限られない。
【0079】なお、本発明に係る分散装置は、磁性塗料
以外のいずれの塗料の分散用に適用されてもよい。
以外のいずれの塗料の分散用に適用されてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に係る分散装置は、有効剪断領域が大きく、分散効率に
優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、
塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、
供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、必要以
上の圧力上昇や摩耗も発生しにくい。
に係る分散装置は、有効剪断領域が大きく、分散効率に
優れ、また、塗料がショートパスしにくい。このため、
塗料を効率よく、均一に分散させることが可能となり、
供給する塗料の大流量化にも対応できる。また、必要以
上の圧力上昇や摩耗も発生しにくい。
【0081】したがって、このような分散装置を磁気記
録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を
均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、
分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生
産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取
り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化とともにド
ロップアウトも抑制できる。
録媒体用の磁性塗料の分散に用いると、この磁性塗料を
均一に分散させることができるため、電磁変換特性に優
れた磁気記録媒体を製造することが可能となる。また、
分散装置に供給する磁性塗料を大流量化できるため、生
産性にも優れている。さらに、磁性塗料内へ摩耗粉が取
り込まれにくいことから、静磁気特性の劣化とともにド
ロップアウトも抑制できる。
【図1】本発明に係る分散装置の一構成例を示す模式的
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明に係る分散装置の他の構成例を示す模式
的断面図である。
的断面図である。
【図3】図2の分散装置に使用したディスクの構成例を
示す模式的平面図である。
示す模式的平面図である。
【図4】本発明に係る分散装置のさらに他の構成例を示
す模式的断面図である。
す模式的断面図である。
【図5】図4に示す分散装置と従来型の分散装置につい
ての、滞留時間分布を示す特性図である。
ての、滞留時間分布を示す特性図である。
【図6】ディスクの他の構成例を示す模式的平面図であ
る。
る。
【図7】ディスクのさらに他の構成例を示す模式的平面
図である。
図である。
【図8】ディスクのさらに他の構成例を示す模式的平面
図である。
図である。
【図9】従来型の分散装置であるディスク型分散装置を
示す模式的断面図である。
示す模式的断面図である。
【図10】従来型の分散装置であるコボールミルを示す
模式的断面図である。
模式的断面図である。
【図11】従来型の分散装置であるスパイクミルを示す
模式的断面図である。
模式的断面図である。
1 容器 2 ロータ 3 軸 4 塗料供給口 5 塗料取出口 6 スリット 7 仕切板 8 ディスク
Claims (9)
- 【請求項1】 一端部に塗料供給口が設けられるととも
に、他端部に塗料取出口が設けられた円筒形の容器と、 前記容器内に同心的に配された略円錐台形のロータと、 前記容器内に収容された多数個の小径のビーズとを備
え、 前記ロータは、その相対的に小径の円形面部が前記塗料
供給口に近接するごとく配されるとともに、その中心部
に設けられた軸を介して回転可能とされ、 このロータの回転により、前記ロータ表面と前記容器の
内壁面との間に、前記ビーズの循環流を形成しながら、
前記塗料供給口から供給された塗料に対する分散処理を
施すことを特徴とする分散装置。 - 【請求項2】 前記ロータの相対的に小径の円形面部
に、該円形面部の径よりも大きい径を有するディスク
が、該ロータと一体的に回転可能に接合されていること
を特徴とする請求項1記載の分散装置。 - 【請求項3】 互いに隣接するロータの相対向する円形
面部の径が異なるように、複数のロータが直列配置され
ていることを特徴とする請求項1記載の分散装置。 - 【請求項4】 最も塗料供給口に近接する位置に配され
たロータの相対的に小径の円形面部に、該円形面部の径
よりも大きい径を有するディスクが、該ロータと一体的
に回転可能に接合されていることを特徴とする請求項3
記載の分散装置。 - 【請求項5】 磁気記録媒体用の磁性塗料を分散させる
ために用いられることを特徴とする請求項1記載の分散
装置。 - 【請求項6】 一端部に塗料供給口が設けられるととも
に、他端部に塗料取出口が設けられた円筒形の容器と、
該容器内に同心的に配された略円錐台形のロータと、該
容器内に収容された多数個の小径のビーズとを備え、前
記ロータが、その相対的に小径の円形面部が前記塗料供
給口に近接するごとく配されるとともに、その中心部に
設けられた軸を介して回転可能とされている分散装置を
用い、 前記塗料供給口から磁性塗料を供給するとともに、前記
ロータを回転させることにより、該ロータ表面と前記容
器の内壁面との間に前記ビーズの循環流を形成させなが
ら、磁性塗料を分散させ、 その後、前記塗料取出口から押し出された磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法。 - 【請求項7】 前記ロータの相対的に小径の円形面部に
接合され、該円形面部の径よりも大きい径を有するディ
スクを、該ロータと一体的に回転させることを特徴とす
る請求項6記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】 前記互いに隣接するロータの相対向する
円形面部の径が異なるようにロータを直列配置して、こ
れらを一体的に回転させることを特徴とする請求項6記
載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項9】 最も塗料供給口に近接する位置に配され
たロータの相対的に小径の円形面部に接合され、該円形
面部の径よりも大きい径を有するディスクを、該ロータ
と一体的に回転させることを特徴とする請求項8記載の
磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7162156A JPH0916957A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 分散装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7162156A JPH0916957A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 分散装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0916957A true JPH0916957A (ja) | 1997-01-17 |
Family
ID=15749107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7162156A Pending JPH0916957A (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 分散装置およびこれを用いた磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0916957A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017205720A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | フロイント・ターボ株式会社 | ビーズミル |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5481560A (en) * | 1977-11-22 | 1979-06-29 | Microprocess Ag | Ball mill for agitator |
JPH0576535U (ja) * | 1992-03-25 | 1993-10-19 | 太陽誘電株式会社 | サンドミル |
JPH06114254A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-04-26 | Asada Tekko Kk | 分散攪拌機 |
JPH06279712A (ja) * | 1993-03-26 | 1994-10-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁性塗料の製造方法及び磁気記録媒体 |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP7162156A patent/JPH0916957A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5481560A (en) * | 1977-11-22 | 1979-06-29 | Microprocess Ag | Ball mill for agitator |
JPH0576535U (ja) * | 1992-03-25 | 1993-10-19 | 太陽誘電株式会社 | サンドミル |
JPH06114254A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-04-26 | Asada Tekko Kk | 分散攪拌機 |
JPH06279712A (ja) * | 1993-03-26 | 1994-10-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁性塗料の製造方法及び磁気記録媒体 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017205720A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | フロイント・ターボ株式会社 | ビーズミル |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030318 |