JP2006209822A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェット・オン・ドライ方式により、上層の磁性層を50nm以下の薄層に形成する場合において、磁性塗料の乾燥を緩和し、優れた配向効率を実現し、高い角形比を有する磁気記録媒体を作製する。
【解決手段】支持体1上に、下層非磁性層2と、膜厚50nm以下の磁性層3とが積層形成されている磁気記録媒体10を製造する方法において、磁性層3の形成工程の前工程として、下層非磁性層2上に溶剤層を塗布形成し、磁性層の乾燥速度を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、下層非磁性層と、極めて薄層の磁性層(記録層)を有する、高密度型磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
近年、デジタル記録等により、情報量の増大化が進行しており、磁気記録媒体の分野においては、更なる高密度化、短波長記録化へ向かうことが予想される。
これに伴い、特に高感度型の再生用磁気ヘッド(MRヘッドやGMRヘッド)を具備するシステムに供される磁気記録媒体においては、短波長出力、及び電磁変換特性(C/N特性)を向上させるために、磁気特性を改善し、かつスペーシングロスやモジュレーションノイズの低減化のために、磁性層の薄層化、及び表面の平滑化が図られてきた。
このような薄層の記録層を有する磁気記録媒体として、支持体上に下層非磁性層と、磁性層(記録層)とが積層された構成のものが開発、商品化されてきた。
このような、いわゆる薄層重層型の磁気記録媒体の代表的な成膜方法としては、例えば、非磁性支持体上に塗布された下層非記録層が湿潤状態にあるうちに磁性分散液を同時または逐次に塗布する、いわゆるウェット・オン・ウェット方式が挙げられる。
この成膜方法は、生産性やコストの面から優れているが、下層非磁性層と、上層磁性層の塗布液の粘弾性特性が近似していないと重層塗布が良好に実施できず、塗布欠陥や磁性層表面状態の劣化を招来し、優れた表面性を有する磁気記録媒体が得られないという問題を有している。
このような問題を解決するために、従来、種々の検討が行われてきたが、下層非磁性層が湿潤状態において、上層を塗布するウェット・オン・ウェット塗布方式は、下層非磁性層と磁性層との間の界面の乱れによる塗布欠陥が不可避的に生じてしまうという課題が残されていた。このような塗布欠陥は、ノイズ発生の原因となり、電磁変化特性の劣化を招来し、今後、更なる記録層の薄層化を図る上での課題となっていた。
一方、他の重層塗布方式として、支持体上に下層非磁性層を塗布した後、乾燥処理とカレンダー処理を行って表面を平滑化し、さらに電子線照射による硬化処理を施した後に、磁性層を形成するという方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
この方法は、上述したようなウェット・オン・ウェット方式と異なり、下層非磁性層を乾燥状態とした後に磁性塗料を塗布するので、下層非磁性層と磁性層との層間の界面の乱れによる塗布欠陥が生じにくく、特に極めて磁性層を薄層に形成する超高密度型の磁気記録媒体において、磁性層に微小ピンホールが現われ難いという利点を有している。
しかしながら、上述したような、いわゆるウェット・オン・ドライ方式により、上層の磁性層を、例えば50nm以下もの薄層に形成する場合、製造工程中、下層から溶剤の提供が受けられないため、上層の磁性層の乾燥速度が極めて速くなり、その後工程において、磁場配向処理を行う際に、磁性粉の配向度が上がらず、良好な電磁変換特性を得られなくなってしまうという問題が生じた。
このような問題を解決するためには、上層磁性層の乾燥速度を緩やかにすることが必要である。従来においては、磁性塗料の希釈量を増やすこと(例えば、特許文献3参照。)、磁性塗料の溶剤成分に沸点の高い材料を選定することや、下層非磁性層表面に電子線照射硬化して下層の溶剤吸収度を低減化させること(例えば、特許文献4参照。)等の方法が提案された。
特開2000−207732号公報 特開2001−84553号公報 特開2003−340348号公報 特開2002−367159号公報
しかしながら、有機溶剤によって磁性塗料の希釈量を高くすると、必然的に分散性が不安定になり、また、溶剤の種類を限定すると、磁性層そのものの磁気特性が制約されてしまったり、塗布性が悪化したりする等の問題が生じた。
また、従来公知のウェット・オン・ドライ方式における、下層表面に電子線照射により硬化処理を行って溶剤吸収度を低減化させる場合においては、硬化条件の制御が、実用上困難であり、磁性塗料塗布後、カレンダー処理を行うと、層構成が劣化してしまう等の問題を有していた。
そこで本発明においては、極めて薄層の磁性層のピンホールの発生を抑制し、かつ配向性に関する不良の問題も解決し、優れた膜質を有し、高い角形比を有する重層塗布型の高密度磁気記録媒体を作製する方法を提供することとした。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、支持体上に下層非磁性層と膜厚50nm以下の磁性層とが積層形成されている磁気記録媒体の製造する方法であって、前記支持体上に、少なくとも結合剤樹脂と非磁性顔料とを含有する非磁性塗料を塗布し、乾燥処理を施し、下層非磁性層を形成する工程と、前記下層非磁性層上に、溶剤を塗布して溶剤層を形成する工程と、前記溶剤層上に、少なくとも結合剤樹脂と、磁性粉末とを含有する磁性塗料を塗布し、磁性層を形成する工程とを有するものとする。
本発明方法によれば、下層非磁性層と、その上層の磁性層との界面におけるゆらぎが抑制され、ピンホールの発生が効果的に低減化できた。
また、磁性層の乾燥速度が効果的に低減化できるので、良好な配向が得られ、高い角形比を有する超薄層の高密度型磁気記録媒体を作製することができた。
また、希釈溶剤の種類を限定されることなく、磁性塗料の分散性についても適正な条件を選択できるので、磁気特性の劣化を招来すること回避でき、製造条件の自由度を高く保つことができた。
また、本発明方法によれば、磁性層塗布用のコーターと、磁場配向用の配向装置とが距離的に離れた場所に設置されている装置構成であっても、磁性層の乾燥が抑制できるので、装置設計の自由度を広く確保することができた。
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
本発明は、図1に示すように、長尺状の支持体1に下層非磁性層2と膜厚50nm以下の磁性層3とが積層形成されている磁気記録媒体10を製造する方法に関するものである。
磁気記録媒体10は、例えば、図2に示すような連続走行する長尺状の支持体1に対し、所定の塗布液を塗布するエクストルージョン型の塗布手段を具備する製造装置100を適用して作製することができる。
この製造装置100は、連続的に走行する支持体1の走行方向(図中、矢印方向)に、下層非磁性層形成部101と、溶剤層形成部102と、磁性層形成部103とが配置されており、更に、磁性塗料が塗布された後に磁場配向を行う配向装置104と、乾燥処理を行う乾燥装置105とが設けられている。
先ず、下層非磁性層形成部101において、長尺状の支持体1上に、少なくとも結合剤樹脂と非磁性顔料とを含有する非磁性塗料をダイ110により塗布する。
支持体1は、従来公知のテープ型の磁気記録媒体の基体として使用されるものをいずれも適用できる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のプラスチック等が挙げられる。
下層非磁性層2は、少なくとも結合剤樹脂、非磁性顔料、及び各種添加剤を、有機溶剤を用いて混合、調製した塗料を塗布し、これに乾燥処理を施すことによって形成される(下層非磁性層の乾燥装置は図示せず。)。
非磁性顔料としては、従来、磁性層の下層として形成する非磁性層用の無機微粒子粉末をいずれも使用可能である。
例えば、アルミナ、酸化鉄、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、ゲータイト、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、あるいは組合せて用いてもよい。形状は、針状、球状、板状、サイコロ状のいずれでもよい。
また、最終的に得られる磁気記録媒体に適用する高感度型磁気ヘッド(MRヘッドやGMRヘッド)の静電破壊を抑制するため、導電剤を添加することが好ましい。導電剤は公知のものいずれも使用可能であり、たとえば、カーボンブラックや導電性酸化チタン等が挙げられる。
下層非磁性層2を構成する結合剤樹脂としては、従来公知のバインダー樹脂がいずれも適用可能である。
例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒト樹脂またはこれらの混合物等が挙げられる。
特に、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等と剛性を付与するとされているセルロース誘導体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。これらは、イソシアネート化合物を架橋剤としてより耐久性を向上させたりしても良い。
塗料調整用の有機溶剤としては、従来公知の溶剤をいずれも適用可能である。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
次に、溶剤層形成部102において、乾燥状態の下層非磁性層2に対して、溶液ディスペンサ120により供給量を制御された溶剤をダイ110により塗布して溶剤層を形成する。
この溶剤としては、従来公知の溶剤をいずれも適用可能であり、上記下層非磁性層2の塗料調製用の溶剤をいずれも適用することができる。但し、この溶剤層は、後述する磁性層3を形成する磁性塗料調製用の溶剤と共通の材料を適用することが好ましく、二種以上を混合した溶剤を用いる場合には、磁性塗料の溶剤と混合比率を同一もしくは近似したものとすることが望ましい。
具体的な例として、磁性層及び溶剤層に、それぞれ、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの混合溶剤を用いる場合、溶剤層のトルエン含有量を増加させると、いわゆるソルベント・ショックを引き起こしやすくなる。一方、溶剤層におけるシクロヘキサノンの含有量を増加させると、下層非磁性層2の表面が乾燥状態となることを抑制する効果が高く得られ、メチルエチルケトンの含有量を増加させると、溶剤層を薄層に塗布することができるようになる。
このように、後述する磁性塗料の塗布工程の前工程として、下層非磁性層2に対して溶剤層を塗布形成することにより、乾燥状態にある下層非磁性層2の表面を湿潤状態とすることができる。
これにより、その後工程で磁性塗料が塗布されたとき、磁性塗料中に、下層から溶剤が供給されるようになり、磁性塗料の乾燥速度が緩和され、最終的に得られる、膜厚50nm以下程度の磁気記録媒体において、85%以上の角形比を実現できることが確かめられた。
次に、磁性層形成部103において、磁性層3を形成する。
磁性層3は、少なくとも磁性粉末と結合剤樹脂とを、有機溶剤を用いて、混合、調製した塗料を、精密ギアポンプ130により制御してダイ110に供給し、これにより塗布することによって形成される。
磁性粉末としては、従来塗布型の磁気記録媒体用に適用されている強磁性粒子をいずれも適用可能である。
例えば、強磁性酸化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、今日磁性バリウムフェライト、強磁性合金粉末、強磁性白金鉄、強磁性窒化鉄等が挙げられる。
磁性層3形成用の結合剤は、塗布型の磁気記録媒体に適用されるバインダーであれば、いずれも適用することができる。具体的には、上述した下層非磁性層形成用の結合剤樹脂をいずれも適用できる。
また、磁性塗料調製用の有機溶剤としては、従来、塗料調製用の溶剤として用いられているものをいずれも適用可能であり、上述した下層非磁性層形成用の有機溶剤をいずれも適用できる。
磁性層3の膜厚は、50nm以下とする。本発明は極めて高密度記録型の磁気記録媒体を作製することを目的とするものであり、高感度型の再生用磁気ヘッド(MRヘッド、GMRヘッド)を用いて信号再生をする場合、磁性層の膜厚が50nmを超えると、再生ヘッドの諸元(MR素子の飽和磁束密度、膜厚、及びSAL(Soft-Adjacent-Layer)膜の飽和磁束密度、膜厚等)の条件によっては飽和してしまい、電磁変換特性(C/N)が劣化するためである。
その後、磁性塗料中の磁性粒子が自由度を有する程度に未乾燥である状態で配向装置104において磁場配向が行われ、続いて乾燥装置105において乾燥処理が施され、巻き取りが行われ、次工程に送り込まれ、最終的に目的とする磁気記録媒体が得られる。
〔実験例1〜42〕
サンプル磁気テープを作製し、特性を測定した。
(磁性層形成用塗料組成)
強磁性粉末:Fe−Co系針状磁性粉:100重量部
(長軸長60nm、短軸長16nm、保磁力213kA/m、磁化量127Am/kg)
第1の結合剤:塩化ビニル系共重合体(平均重合度300):9重量部
第2の結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂:9重量部
(量平均分子量41200、Tg40℃)
潤滑剤:ステアリン酸:1重量部
:ステアリン酸ブチル:2重量部
溶剤:メチルエチルケトン:20重量部
:トルエン:20重量部
:シクロヘキサノン:10重量部
上記材料をニーダーで混練処理し、さらにメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンで希釈した後、サンドミル分散し上層記録層用分散液とした。
その後、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤「コロネートL」)を4重量部添加し、攪拌して磁性層形成用の塗料を調整した。
(下層非磁性層用の分散液組成)
第1の無機粒子:α−酸化鉄
(長軸長50nm、BET値87m2/g):100重量部
第2の無機粒子:カーボンブラック:24重量部
(粒径20nm、DBP吸油量120ml/100g)
第1の結合剤:塩化ビニル系共重合体(平均重合度300):9重量部
第2の結合剤:ポリエステル系ポリウレタン樹脂:9重量部
(量平均分子量41200、Tg40℃)
潤滑剤:ブチルステアレート:2重量部
:ステアリン酸:1重量部
有機溶剤:メチルエチルケトン:20重量部
:トルエン:20重量部
:シクロヘキサノン:10重量部
上記材料を混練処理し、さらに溶剤で希釈した後、サンドミル分散し、下層非磁性層用の分散液とした。
その後、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製硬化剤(コロネートL))を、3重量部添加し、下層非磁性層用の塗料を調製した。
(溶剤層形成用の溶剤組成)
有機溶剤:メチルエチルケトン:20重量部
:トルエン:20重量部
:シクロヘキサノン:10重量部
すなわち、上記磁性層形成用の調製溶剤と同一の混合比率(メチルエチルケトン:トルエン:シクロヘキサノン=2:2:1)の溶剤を用いた。
(支持体(ウェブ))
帝人製、登録商標ネオテックスフィルム(膜厚4.5μm)を使用した。
支持体上に、下層非磁性層形成用の塗料を、実験例1〜21においては、乾燥膜厚0.5μmとなるように、実験例22〜42においては、乾燥膜厚1.0μmとなるように、予めダイを制御してそれぞれ塗布し、次に、乾燥処理を行った。
続いて、溶剤層を膜厚0、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、5.0μmの中から所定のものに設定して形成した。
次に、磁性塗料の塗布を行い、最終的に得られる磁性層の膜厚が40nmになるように制御して磁性塗料の塗布を行った。
ここで、塗布速度を100〜300m/minの範囲で変化させ、塗布用のコーターから配向装置に到達するまでの時間を調整した。
走行速度が速いほど配向装置に到達するようになる(到達時間1.8〜0.6秒)が、走行速度が速すぎると、膜形成が困難になるため、塗布速度の上限は、300m/minとした。
磁性層塗布後、配向装置104で磁性層の配向処理を行い、続いて乾燥装置105で乾燥処理を行い、その後、所定の磁気記録媒体の製造工程を経ることにより、目的とするサンプル磁気テープ(実験例1〜42)を得た。
これらのサンプル磁気テープに対し、磁性層の角形比を測定し、磁性層形成面の微小ピンホールの有無、及び磁気テープの形状の評価を行った。
なお、磁気特性は、東英工業製VSM−P7によって測定し、磁性層形成面の微小ピンホールは日立製作所製FE−SEM S900により評価し、磁気テープの形状は、菱化システム製の光学式粗度計SMX550N−AS50によって評価した。
なお、微小ピンホールについては、実用上良好な再生特性が得られない場合を×として評価した。
磁気テープの形状については、テープ両端にカールが発生した場合を△、テープが円筒状にカールしてしまったものを×、として評価した。
下記表1、表2に、サンプル磁気テープ(実験例1〜42)の作製条件(下層非磁性層膜厚、塗料の塗布速度(走行速度)、溶剤層膜厚、磁性層膜厚)と、最終的に得られた磁気テープの磁性層の角形比、微小ピンホール、及び磁気テープ形状の評価の結果を示した。
Figure 2006209822
Figure 2006209822
上記表1、表2に示すように、磁性層形成の前工程として、下層非磁性層上に、溶剤層を形成しなかったもの(サンプル1、8、15、22、29、36)は、塗布速度(走行速度)を上げて塗布用のコーターから、配向装置に到達するまでの時間を短縮させても、磁性塗料中の溶剤の乾燥速度が極めて高いため、磁性粉の配向効果が上がらず、角形比は60%〜75%程度となってしまい、実用上充分な角形比が得られなかった。
一方、表1、表2の結果から、磁性層形成の前工程として、下層非磁性層上に、溶剤層を形成することにより、磁性塗料中の溶剤の乾燥が抑制され、磁性粉の配向効果を向上されることが分ったが、溶剤層の膜厚が0.3μmであると、未だ充分には磁性塗料の溶剤乾燥抑制効果が得られず、磁性粉の配向効果が上がらず、角形比は60%〜75%程度となってしまい、実用上充分な角形比が得られなかった(サンプル2、9、16、23、30、37)。
また、このように溶剤量が極めて少ない状態であると、塗布抜けが発生して塗布面がスジ状になり、表面形状の悪化を招来した。
磁性層の前工程として、下層非磁性層上に、溶剤層を膜厚0.5μm以上に形成することにより、磁性塗料中の溶剤の乾燥が抑制され、磁性粉の配向効果を向上され、特に溶剤層の膜厚を0.5〜1.0μmの範囲に設定したもの(サンプル3、4、10、11、17、18、24、25、31、32、38、39)は、85%以上の角形比が得られた。
一方、溶剤層の膜厚を1.5μm以上とすると、磁性層に対する溶剤の供給量が過剰となり、成膜後の磁性層表面に、スジ状のピンホールが多数発生し、表面形状の悪化を招来した。
さらに、溶剤層の膜厚を2.0μm以上とすると、成膜工程において溶剤過剰状態となり、オーバーフローが発生した。
また、乾燥処理を経た後、最終的に作製された磁気テープが端部からカールしてしまい、特に溶剤層の膜厚を5.0μmとすると、テープ全体が円筒状にカールした状態となってしまった。
上述したことから、いわゆるウェット・オン・ドライ方式により、上層の磁性層を50nm以下の薄層とした高密度記録型の磁気記録媒体を作製する場合、磁性塗料の塗布工程の前工程として、下層非磁性層の上に、溶剤層を形成することにより、下層部から磁性層へ、溶剤の供給が行われるようにすることができ、磁性層の乾燥速度が効果的に緩和され、磁場配向処理を行う際に、充分に磁性粉の配向を行うことができ、良好な電磁変換特性が得られた。
また、溶剤層の塗り抜けを防止し、磁性層への溶剤供給量を適切にし、磁性層形成面の表面形状や磁気テープ形状を実用上良好なものとするためには、溶剤層の膜厚は、0.5〜1.0μmとすることが望ましいことが分った。
本発明方法において作製する磁気記録媒体の一例の概略断面図を示す。 本発明方法において適用する磁気記録媒体の製造装置の一例の概略構成図を示す。
符号の説明
1……支持体、2……下層非磁性層、3……磁性層、10……磁気記録媒体、100……製造装置、101……下層非磁性層形成部、102……溶剤層形成部、103……磁性層形成部、104……配向装置、105……乾燥装置、110……ダイ、120……容積式ディスペンサ、130……精密ギアポンプ

Claims (3)

  1. 支持体上に、下層非磁性層と、膜厚50nm以下の磁性層とが積層形成されている磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記支持体上に、少なくとも結合剤樹脂と非磁性顔料とを含有する非磁性塗料を塗布し、乾燥処理を施し、下層非磁性層を形成する工程と、
    前記下層非磁性層上に、溶剤を塗布して溶剤層を形成する工程と、
    前記溶剤層上に、少なくとも結合剤樹脂と、磁性粉末とを含有する磁性塗料を塗布し、磁性層を形成する工程とを有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記下層非磁性層の膜厚が、1.0μm以下であり、
    前記溶剤層の膜厚が、湿潤状態において、0.5〜1.0μmとなるようにすることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 最終的に得られる磁気記録媒体が、信号再生用磁気ヘッドとして、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)、若しくは巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRヘッド)を適用するものであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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