JP2004216965A - 車間距離制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車間距離制御装置は、アクセルセンサがアクセル操作の開始を検出したときに、車間距離制御を中止する。そして、車間距離制御装置は、アクセルセンサがアクセル操作の終了を検出したときに、車間距離制御を復帰させる(ステップS5)。ここで、その復帰の際の設定車間距離をアクセル操作終了時の車間距離にする(ステップS4)。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両と先行車両との車間距離を所望の車間距離に一致させる車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車間距離制御装置として、車間距離をステップ的(段階的)に設定可能にし、その設定された車間距離に実際の車間距離を一致させるように車速を制御する車間距離制御装置がある(例えば特許文献1参照)。これにより、運転者は、所望の車間距離への設定を容易にすることができる。特に、車間距離を大きく変更したい場合は便利である。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−1789号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
車間距離をステップ的に設定するような構成の場合、車間距離の設定の微調整ができなくなる。例えば、運転者は、ある段階に車間距離を設定したものの、走行シーンに応じてさらにその車間距離を微調整したい場合がある。しかし、従来では、車間距離の設定の微調整ができないので、運転者が望む車間距離にすることができない。その一方で、車間距離を無段階(アナログ的)に設定できるようにすれば、車間距離を大きく変更したい場合、不便になる。
本発明は、前述の実情に鑑みてなされたものであり、運転者が簡単に所望の車間距離に設定することができる車間距離制御装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するために、請求項1記載の本発明に係る車間距離制御装置は、運転者がアクセル操作を開始したときに、自車両と先行車両との車間距離を設定車間距離に合致させる車間距離制御を中止して、運転者によるアクセル操作が終了した後に、前記車間距離制御を復帰させる。
【0006】
また、請求項4記載の発明に係る車間距離制御装置は、自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、設定車間距離を設定する車間距離設定手段と、前記車間距離検出手段が検出した車間距離が前記車間距離設定手段が設定した設定車間距離に合致するように、自車両の制駆動力を制御する制駆力制御手段と、を備えている。そして、この請求項4記載の発明に係る車間距離制御装置は、運転者によるアクセル操作をアクセル操作検出手段により検出し、前記アクセル操作検出作手段がアクセル操作の開始を検出したときに、前記制駆動力制御手段による制駆動力の制御を止めて前記車間距離制御を中止し、前記アクセル操作検出作手段がアクセル操作の終了を検出したときに、前記制駆動力制御手段による制駆動力の制御を再開させて前記車間距離制御を復帰させる処理を車間距離制御復帰手段により行う。
【0007】
このように、本発明に係る車間距離制御装置は、自車両と先行車両との車間距離を設定車間距離に合致させる車間距離制御をするものであり、運転者がアクセル操作を開始したときに、その車間距離制御を中止して、運転者によるアクセル操作が終了した後に、そのように中止していた車間距離制御を復帰させる。例えば、これにより、アクセル操作最中はその駆動力により車間距離が短くなり、アクセル操作終了後にはもとの設定車間距離に合致する車間距離になる。
特に、請求項2及び5記載の発明に係る車間距離制御では、車間距離制御の復帰時の車間距離を設定車間距離としている。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、アクセル操作をすることで運転者の意図に合致した先行車両との相対位置関係にすることができるとともに、アクセル操作終了後は車間距離制御に復帰するので、車間距離制御の利便性も確保できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態を示す概略構成図であって、図中、1FL,1FRは従動輪としての前輪であり、1RL,1RRは駆動輪としての後輪であって、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。また、図2は車両の各構成部を制御する走行制御用コントローラ30及びこの走行制御用コントローラ30により制御等される各構成部を示す。
【0010】
図1に示すように、前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRには、それぞれ制動力を発生するディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8により制御される。
制動制御装置8は、ブレーキペダル15の踏み込みを検出するブレーキ操作センサ18からの検出結果に基づいて制動油圧を発生してディスクブレーキ7に供給するように構成されている。また、制動制御装置8は、走行制御用コントローラ30から供給される制動圧指令値PBDの大きさに応じた制動油圧を発生してディスクブレーキ7に供給するように構成されている。
【0011】
また、エンジン2には、その出力を制御するエンジン出力制御装置9が設けられている。アクセルペダル14の操作状態がアクセルセンサ17により検出されており、エンジン出力制御装置9は、アクセルセンサ17の検出に基づいてエンジン2の出力を制御する。ここで、エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転数を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する方法とが考えられ、実施の形態では、例えばスロットルバルブの開度を調整する方法を採用している。
【0012】
一方、車両の前方側の車体下部には、先行車両との間の車間距離Lpsを検出するレーダ装置で構成される車間距離センサ12が設けられている。例えば、車間距離センサ12は、レーザ光を前方に掃射して先行車両からの反射光を受光することにより、先行車両と自車両との車間距離Lpsを計測するレーダ装置や電波や超音波を利用して車間距離Lpsを計測する距離センサである。
【0013】
また、車両には、自動変速機3の出力側に配設された出力軸の回転数を検出することにより、自車速VSを検出する車速センサ13が配設されている。
走行制御用コントローラ30は、車間距離センサ12により検出した車間距離Lpsと車速センサ13により検出した自車速VSとに基づいて、制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御することにより、先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら追従走行する車間距離制御(ACC制御、以下の説明では追従走行制御ともいう。)や一定の車速で走行する定速走行制御(ASCD制御)を行う。ここで、車間距離制御は、車間距離に基づいて自車両の走行速度を調節して、自車両と先行車両との相対位置関係を制御するものである。ここで、車間距離制御の目標値である設定車間距離は、具体的には車間時間を基準としたものである。なお、車間時間とは、車間距離を自車速で割ることで得られる値である。また、定速走行制御は、目標車速になるように自車両の走行速度を制御するものである。このような制御では、運転者により設定された設定車速、場合によっては制御限界値として設定されている設定車速となるように走行速度を制御するようになっている。例えば、制御限界値による設定速度の設定としては、運転者により設定した設定車速で走行していたが、先行車両との車間距離を短くしたために、運転者が設定した設定車速を、当該運転者が設定した設定車速よりも小さい制限限界値に再設定すること等が挙げられる。
【0014】
図2は、走行制御用コントローラ30及び走行制御用コントローラ30に接続されている部分の構成の詳細を示す。この図2に示すように、車両は、車速検出部19、車間検出部20並びに操作及び設定部41を備えている。
車速検出部19は、車速センサ13の検出結果に基づいて自車速VSを取得するように構成されている。例えば、車速センサ13は車速に応じてパルスを出力し、車速検出部19は、前記車速センサ13からのパルスの周期を計測して、自車速VSを算出する。車速検出部19は、この算出した自車速VSを走行制御用コントローラ30に出力する。
【0015】
車間検出部20は、車間距離センサ12の検出結果に基づいて車間距離Lpsを検出するように構成されている。例えば、車間検出部20は、車間距離センサ12がレーザ光を掃射してから先行車両の反射光を受光するまでの時間を計測し、自車両と先行車両との車間距離Lpsを算出する。
さらに、車間検出部20は、先行車両の車速VS_P、及び自車速VSと先行車両の車速VS_Pとの差分である相対速度ΔVを検出するようにも構成されている。車間検出部20は、相対速度ΔVを検出する構成として、車間距離Lpsを例えばバンドパスフィルタ処理するバンドパスフィルタを備えている。そして、車間制御部15は、検出した相対速度ΔVと車速検出部19が検出した自車速VSとに基づいて先行車両の車速VS_Pを算出する。車間検出部20は、算出したこれら車間距離Lps、相対速度ΔV及び先行車両の車速VS_Pを、走行制御用コントローラ30並びに操作及び設定部41に適宜出力する。
【0016】
操作及び設定部41は、各種操作部及びセンサを備え、その各種操作部やセンサの情報等を取得するように構成されている。すなわち、操作及び設定部41は、運転者の指示を受けて車速制御するためのスイッチ類からなり、コースト/セット(COAST/SET)スイッチ、キャンセル(CANCEL)スイッチ、レジューム/アクセル(RESUME/ACCELERATE)スイッチ及び車間距離設定スイッチを備えている。
【0017】
ここで、コースト/セットスイッチは、運転者により走行速度制御の設定開始を可能にし(セット機能)、運転者により走行速度制御中に減速設定を可能にする(コースト機能)スイッチである。また、キャンセル(CANCEL)スイッチは、運転者により走行速度制御を中止するスイッチである。また、レジューム/アクセルスイッチは、運転者により走行速度制御を復帰可能にし(レジューム機能)、運転者により走行速度制御中に加速設定を可能にする(アクセル機能)スイッチである。また、車間距離設定スイッチは、運転者により先行車両との車間距離の設定を可能にするスイッチである。
【0018】
前記車間距離の設定では、押し操作による段階的な設定、例えば長、中、短の三段階の設定が可能になっている。具体的には、長、中、短の三段階で設定可能な車間距離は、車間時間を基準として決定されている。例えば、「中」の車間距離を車間時間で2秒程度として、その「中」での車間時間に応じた車間時間を基準として「長」及び「短」の車間距離をそれぞれ決定している。
【0019】
操作及び設定部41は、このようなスイッチ操作により入力された各種信号を走行制御用コントローラ30に出力する。
また、操作及び設定部41は、アクセル操作に応じて追従走行制御の中止及び復帰の決定をする。図3はその処理手順を示す。
先ずステップS1において、操作及び設定部41は、アクセル操作がなされたか否かを判定する。例えば、操作及び設定部41は、アクセルセンサ17からのアクセル操作信号Acがオン(入力開始)され、その後オフ(入力終了)されたことにより、アクセル操作があったと判断する。ここで、操作及び設定部41は、アクセル操作があった場合、ステップS2に進む。
【0020】
ステップS2では、操作及び設定部41は、先行車両と自車両との車間距離(以下、現車間距離という。)Lpsを算出する。このステップS2は、アクセル操作の終了後に実施されるので、ここで算出した現車間距離Lpsは、運転者のアクセル操作により、アクセル操作前の車間距離よりも小さい値になる。
続いてステップS3において、操作及び設定部41は、現車間距離Lpsが安全下限距離Dthよりも大きいか否かを判定する。例えば、安全下限距離Lthは、相対車速ΔVに応じて決定される。具体的には、図4に示すように、相対速度ΔVが大きい値で、安全下限距離Lthは大きい値となる。例えば、操作及び設定部41は、この図4に示すような特性図をテーブルとして持っており、このテーブルに基づいて相対速度ΔVに対応する安全下限距離Lthを得る。例えば、安全下限距離Lthは車間時間相当での値であり、すなわち、現車間距離Lpsと安全下限距離Dthとを比較することは、車間時間相当としての車間時間(安全下限時間)と現車間距離Lとの比較をすることを意味するものになる。
【0021】
ここで、操作及び設定部41は、現車間距離Lpsが安全下限距離Lthよりも大きい場合、ステップS4に進み、現車間距離Lpsが安全下限距離Lth以下の場合、ステップS6に進む。
ステップS6では、操作及び設定部41は、安全下限距離Lthを車間距離(設定車間距離)に設定する。そして、操作及び設定部41は、後述のステップS5に進む。
【0022】
ステップS4では、操作及び設定部41は、現車間距離Lpsに対応した車間時間TAに基づいて車間距離(設定車間距離)を設定する。すなわち、操作及び設定部41は、所定の車間距離特性となるように目標車間を設定する。具体的には、操作及び設定部41は、アクセル操作終了時の現車間距離Lpsと自車速VSとから下記式により車間時間を算出し、当初用いていた車間時間をこの算出した車間時間TAに変更する。
【0023】
車間時間TA=現車間距離Lps/自車速VS
そして、操作及び設定部41は、このように変更した車間時間TA及び自車速VSに基づいて下記式により設定車間距離を決定する。
設定車間距離=更新後の車間時間TA×自車速VS
続いてステップS5において、操作及び設定部41は、設定車間距離に基づく追従走行制御を再開或いは復帰する処理を行う。具体的には、走行制御用コントローラ30は、アクセル操作があった場合に追従走行制御(具体的には追従走行制御のための制動力制御)を中止させており、操作及び設定部41は、追従走行制御の再開或いは復帰の処理として、前記ステップS4又はステップS6で設定した追従走行制御の復帰の際の設定車間距離や制御再開(復帰)命令を走行制御用コントローラ30に出力する。これにより、走行制御用コントローラ30は、この制御再開(復帰)命令の入力により、追従走行制御を中止状態から復帰させている。
【0024】
以上のように、操作及び設定部41は、アクセル操作に応じて追従走行制御の解除、又は中止及び復帰の処理を行う。
走行制御用コントローラ30は、図2に示すように、車間制御部31、車速指令値選択部32及び車速制御部33を備えている。
車間制御部31は、自車両と先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら先行車両に追従走行するように走行速度制御が実行されるように構成されている。車間制御部31は、次のように追従走行制御のための処理を行う。
【0025】
車間制御部31は、入力された車間距離Lpsを目標車間距離L*に一致させるように目標車速V*を算出する。この車間制御部31は、操作及び設定部41から入力される設定車間距離を目標車間距離L*とし、この目標車間距離L*になるような目標車速V*を算出する。
ここで、設定車間距離は、車間距離設定スイッチが操作されて設定された車間距離、又は操作及び設定部41が決定した、追従走行制御の復帰の際の車間距離である。すなわち、車間制御部31は、操作及び設定部41からの追従走行制御の再開(復帰)命令が入力された場合には、操作及び設定部41が決定した設定車間距離を目標車間距離L*とし、この目標車間距離L*になるような目標車速V*を算出する。
【0026】
車速指令値選択部32は、自車速を選択するように構成されている。
前記走行速度制御は、車間距離を目標値として走行速度制御を行う車間距離制御モードと、一定の速度を目標速度として走行速度制御を行う定速走行制御モードとの間で選択可能になっている。車速指令値選択部32は、操作及び設定部32からのこのような車間距離制御モード又は定速走行制御モードの選択情報に基づいて、車間距離制御又は定速走行制御を実現する車速指令値を選択する部分として構成されている。そして、車速指令値選択部32は、コースト/セットスイッチによるタップダウン操作やレジューム/アクセルスイッチ43によるタップアップ操作があった場合、そのタップダウン操作やタップアップ操作に基づいて設定した設定車速を自車速(目標車速)として選択する。
【0027】
車速制御部33は、目標車速V*に自車速Vsを一致させるための目標制駆動力F*を算出するように構成されている。具体的には、車速制御部33は、車速指令値選択部32における選択に応じて自車速を制御するようになっている。すなわち、前記車間距離制御モードが選択されている場合、その目標車速V*を前記車間制御部31により得た目標車速V*とし、また、前記定速走行制御モードが選択されている場合には、コースト/セットスイッチによるタップダウン操作やレジューム/アクセルスイッチ43によるタップアップ操作により設定された設定車速を目標車速V*にする。そして、車速制御部33は、このように各モード毎に、当該モードでの目標車速V*に自車速VSを一致させるように、目標制駆動力F*を算出する。例えば、車速制御部33は、目標車速V*に自車速Vsを一致させるための目標制駆動力F*を算出する車速サーボ系として構成されている。
【0028】
そして、この車速制御部33は、算出した目標制駆動力F*に基づいてエンジントルク指令値及び目標ブレーキ液圧指令値を算出し、この算出したエンジントルク指令値及び目標ブレーキ液圧指令値をエンジン出力制御装置9及び制動制御装置8にそれぞれ出力する。
エンジン出力制御装置9は、エンジントルク指令値に基づいてエンジン2を制御して所定の駆動力を出力させ、また、制動制御装置8は、目標ブレーキ液圧指令値に基づいて各輪1FL,1FR,1RL,1RRの各ディスクブレーキ7を制御して所定の制動力を出力させる。これにより、車両は、追従走行或いは定速走行用の速度で走行するようになる。
【0029】
また、走行制御用コントローラ30は、追従走行制御中のアクセル操作に対応する処理として次のような処理を行う。追従走行制御中にアクセル操作があった場合、制駆動力制御を中止し、操作及び設定部41からの制御復帰命令や制御解除命令を待つ。そして、走行制御用コントローラ30は、待機状態において、制御解除命令を受けた場合には追従走行制御を解除し、また、制御復帰命令を受けた場合には追従走行制御を再開する。走行制御用コントローラ30は、追従走行制御を開始する場合、操作及び設定部41が決定した車間距離になるように各部を制御する。
【0030】
次に動作を説明する。
追従走行制御では、車間距離設定スイッチにより設定された車間距離設定に対応した車間距離になるように、車間距離センサ12から検出した車間距離Lpsや車速センサ13から検出した自車速VS等に基づいて制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御する。また、車間距離設定スイッチが操作され、車間距離の設定値が変更された場合には、その変更後の車間距離設定に対応した車間距離になるように制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御する。このような追従走行制御により、自車両は、先行車両との間に適正な車間距離を維持しながら追従走行するようになる。
【0031】
また、定速走行制御(ASCD制御)では、設定された車速になるように、車速センサ13から検出した自車速VS等に基づいて制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御する。また、コースト/セットスイッチによるタップダウン操作やレジューム/アクセルスイッチによるタップアップ操作があった場合には、その操作に応じて制動制御装置8及びエンジン出力制御装置9を制御する。このような定速走行制御により、自車両は、適正な車速を維持しながら走行するようになる。
【0032】
次に、追従走行制御中にアクセル操作があった場合の動作を説明する。図5は、その動作を示すタイムチャートである。
先ず、図5中(A)を用いて説明する。アクセル操作があった場合(前記ステップS1)、アクセル操作フラグがONになる。そして、このアクセル操作フラグがONの期間中、現車間距離Lpsと安全下限距離Lthとを比較する(前記ステップS2及びステップS3)。
【0033】
そして、図5中(A)に示すように、現車間距離Lpsが安全下限距離Lth以上の場合、現車間距離Lpsに対応した車間時間TAで車間距離(設定車間距離)を設定し(前記ステップS4)、この設定した車間距離になるように、追従走行制御を再開する(前記ステップS5)。
これにより、例えば、運転者による車間距離設定スイッチ操作で車間距離が設定された後に、アクセル操作がなされた場合には、そのアクセル操作の終了の際の現車間距離Lpsに対応した車間時間TAで設定した車間距離(設定車間距離)になるように追従走行制御を再開する。すなわち、アクセル操作前では、運転者が車間距離設定スイッチを操作して設定した車間距離設定(車間時間)になるように追従走行制御を実施し、アクセル操作後では、そのアクセル操作終了の際の車間距離(具体的には車間時間)になるように追従走行制御を実施する。
【0034】
次に、図5中(B)を用いて説明する。図5中(B)に示すように、現車間距離Lpsが安全下限距離Lth未満の場合には、接触可能性距離判断フラグをONにするとともに、安全下限距離Lthで車間距離(設定車間距離)を設定し(前記ステップS6)、この設定した車間距離になるように、追従走行制御を再開する(前記ステップS5)。これにより、アクセル操作後には、安全下限距離Lthになるように追従走行制御が実施されるようになる。
【0035】
次に効果を説明する。
前述したように、運転者がアクセル操作を行った場合に追従走行制御を中止するとともに、そのアクセル操作が終了した場合には、追従走行制御を再開している。これにより、運転者がアクセル操作することで、車間距離を変化させることができ、自車両と先行車両との相対位置関係を運転者の意図に合致したものにすることができるとともに、アクセル操作終了後に追従走行制御を再開することで、追従走行制御の利便性をあわせて確保することができる。
【0036】
また、アクセル操作終了後の追従走行制御では、そのアクセル操作終了時の車間距離に基づいて設定した目標車間距離に基づいて制御を行っている。これにより、運転者のアクセル操作により運転者の意図にあった車間距離の設定をすることができる。
また、車間距離設定スイッチによる車間距離の設定では、段階的な設定、例えば長、中、短の三段階で設定を行うような構成になっている。その一方で、車間距離設定スイッチにより設定された車間距離(具体的には車間時間)が、アクセル操作後には、そのアクセル操作終了の際の車間距離に基づく値に変更されるようになっている。これにより、運転者は、車間距離設定スイッチを操作してステップ的に車間距離を設定することができるので、その設定を容易にすることができ、さらに、運転者は、アクセル操作することで、そのように設定した車間距離を変更することができるようになる。これにより、運転者は、車間距離設定スイッチを操作し、ある段階の車間距離を設定し、その後、アクセル操作することで、実際の走行シーン等に応じてその段階の車間距離近傍できめ細かく車間距離を変更することができる。すなわち、運転者は、設定距離を容易かつ、きめ細やかに設定することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施の形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施の形態では、目標車間距離の設定を車間時間に基づいて行っているが、これに限定されるものではない。例えば、目標車間距離の設定を、車間時間を基準にすることなく車間距離そのものとして設定するようにしてもよい。
【0038】
また、前述の実施の形態では、操作及び設定部41が、アクセル操作に基づいて追従走行制御の中止及び復帰を決定している。しかし、これに限定されるものではない。例えば、操作及び設定部41に代えて、走行制御用コントローラ30が、追従走行制御の中止及び復帰を行うようにしてもよい。
また、前述の実施の形態では、図4を示して、車間距離を判断する特性図或いはテーブルについて説明した。しかし、これに限定されるものではなく、車間距離を判断するために他の特性図或いはテーブルを用いてもよい。
【0039】
また、アクセル操作が所定操作された場合には、追従走行制御に復帰させることなく、追従走行制御を中止するようにしてもよい。例えば、アクセル操作が所定操作された場合とは、そのアクセル操作終了時点の車間距離が前記安全下限距離Dthよりもかなり小さくなるような場合、アクセル操作速度が所定速度を超えるような場合等である。
【0040】
また、前述の実施の形態では、アクセル操作終了後の追従走行制御では、そのアクセル操作終了時の車間距離に基づいて設定した目標車間距離に基づいて制御を行っている。しかし、これに限定されるものではない。アクセル操作終了後の追従走行制御では、元々設定されていた車間距離に基づいて制御を行ってもよい。この場合でも、運転者がアクセル操作することで、自車両と先行車両との相対位置関係を運転者の意図に合致したものにすることができるとともに、アクセル操作終了後に追従走行制御を再開することで、追従走行制御の利便性をあわせて確保することができる。
【0041】
なお、前述の実施の形態の説明では、車間距離センサ12、車間検出部20及び制御復帰決定部41による図3に示すステップS2は、自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段を実現しており、設定及び操作部41(具体的には車間距離設定スイッチ)は、設定車間距離を設定する車間距離設定手段を実現しており、走行制御用コントローラ30は、前記車間距離検出手段が検出した車間距離が前記車間距離設定手段が設定した設定車間距離に合致するように、自車両の制駆動力を制御する制駆力制御手段を実現しており、アクセルセンサ17は、運転者によるアクセル操作を検出するアクセル操作検出手段を実現しており、レーキ操作時の走行制御用コントローラ30による制駆力制御の中止処理並びに制御復帰決定部41による図3に示すステップS1、ステップS4及びステップS5は、前記アクセル操作検出作手段がアクセル操作の開始を検出したときに、前記制駆動力制御手段による制駆動力の制御を止めて前記車間距離制御を中止し、前記アクセル操作検出作手段がアクセル操作の終了を検出したときに、前記制駆動力制御手段による制駆動力の制御を再開させて前記車間距離制御を復帰させる車間距離制御復帰手段を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】前記実施の形態の走行制御用コントローラ等の含めた構成を示すブロック図である。
【図3】アクセル操作に応じて追従走行制御の中止及び復帰の決定をする処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】相対速度ΔVに対応する安全下限距離Lthを得るための説明に使用した特性図である。
【図5】動作の説明に使用した動作タイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
2 エンジン
3 自動変速機
7 ディスクブレーキ
8 制動制御装置
9 エンジン出力制御装置
12 車間距離センサ
13 車速センサ
14 アクセルペダル
15 ブレーキペダル
17 アクセルセンサ
18 ブレーキ操作センサ
19 車速検出部
20 車間検出部
30 走行制御用コントローラ
31 車間制御部
32 車速指令値選択部
33 車速制御部
41 操作及び設定部
Claims (8)
- 運転者がアクセル操作を開始したときに、自車両と先行車両との車間距離を設定車間距離に合致させる車間距離制御を中止して、運転者によるアクセル操作が終了した後に、前記車間距離制御を復帰させることを特徴とする車間距離制御装置。
- 前記車間距離制御の復帰後は、その復帰時の車間距離を前記設定車間距離として車間距離制御をすることを特徴とする請求項1記載の車間距離制御装置。
- アクセル操作前の設定車間距離は、運転者により段階的に入力された車間距離であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車間距離制御装置。
- 自車両と先行車両との車間距離を検出する車間距離検出手段と、
設定車間距離を設定する車間距離設定手段と、
前記車間距離検出手段が検出した車間距離が前記車間距離設定手段が設定した設定車間距離に合致するように、自車両の制駆動力を制御する制駆力制御手段と、
運転者によるアクセル操作を検出するアクセル操作検出手段と、
前記アクセル操作検出作手段がアクセル操作の開始を検出したときに、前記制駆動力制御手段による制駆動力の制御を止めて前記車間距離制御を中止し、前記アクセル操作検出作手段がアクセル操作の終了を検出したときに、前記制駆動力制御手段による制駆動力の制御を再開させて前記車間距離制御を復帰させる車間距離制御復帰手段と、
を備えたことを特徴とする車間距離制御装置。 - 前記車間距離設定手段は、前記車間距離制御の復帰後に、その復帰時の車間距離を前記設定車間距離として設定することを特徴とする請求項4記載の車間距離制御装置。
- 運転者が車間距離をステップ的に入力する車間距離入力手段を備え、
前記車間距離設定手段は、アクセル操作前に前記車間距離入力手段から入力された車間距離を前記設定車間距離として設定することを特徴とする請求項4又は5に記載の車間距離制御装置。 - 前記車間距離制御の復帰後に車間距離制御で用いる設定車間距離を制限することを特徴とする請求項2又は5に記載の車間距離制御装置。
- 前記設定車間距離及び車間距離は、車間距離を自車両で除算して得た車間時間であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の車間距離制御装置。
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