JP4909849B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
車速制限装置は、乗員のアクセル操作に関わらず、自車両の走行速度が乗員により設定された制限速度を超えないように、エンジン出力を制限制御して車速制限制御を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
一方、車間制御装置は、自車両と先行車両との車間距離が予め設定した距離以下にならないように車速制御を行うものである。
また、両装置の機能は運転者の操作介入(アクセル、ブレーキ)時の作動状態が異なることから、単に車速制限装置に車間制御装置の車間制御を付加しただけでは使い勝手の面で課題を残していた。
請求項1に係る発明は、自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段(例えば、後述する実施例における車速センサ11)と、乗員により設定された制限速度を記憶する制限速度記憶手段(例えば、後述する実施例における記憶部17)と、乗員のアクセル操作に関わらず前記走行速度検出手段により検出される走行速度が前記制限速度以下となるように車速制限制御を行う車速制限手段(例えば、後述する実施例における電子制御装置30、第1電子制御装置40)と、車両に搭載され自車両の進行方向前方に存在する先行車両との車間距離および相対速度を検出する先行車両検出手段(例えば、後述する実施例におけるレーダ装置12)と、前記走行速度検出手段の出力に基づいて制限車間距離を算出する制限車間距離算出手段(例えば、後述する実施例における制限車間距離算出部34,44)と、前記先行車両検出手段により検出された車間距離が前記制限車間距離算出手段により算出された制限車間距離以下とならないように、車間距離が減少するにしたがって制限速度を減少させる制限速度変更手段(例えば、後述する実施例における制限速度変更部32,42)と、前記走行速度検出手段の出力に基づいて目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段(例えば、後述する実施例における目標車間距離算出部51)と、前記先行車両検出手段により検出された車間距離が前記目標車間距離算出手段により算出された目標車間距離となるように先行車両に対して追従走行制御を行う追従走行制御手段(例えば、後述する実施例における第1電子制御装置40、第2電子制御装置50)と、を備え、前記追従走行制御手段は前記追従走行制御が前記乗員によるアクセル操作が行われた場合に解除されるものであり、前記制限車間距離と前記目標車間距離とは同一の走行速度に対して算出されるにあたって、前記制限車間距離の方が前記目標車間距離よりも小さい値として算出されることを特徴とする車両用走行制御装置(例えば、後述する実施例における車両用走行制御装置1)である。
<参考例>
初めに、この発明に係る車両用走行制御装置に関連する技術の参考例を図1および図2の図面を参照して説明する。
参考例における車両用走行制御装置1は、運転者(乗員)のアクセル操作に関わらず自車両の走行速度が制限速度以下となるように車速制限制御を行うことができるとともに、先行車両の後方を走行する際にこの車速制限制御を実行することにより自車両と先行車両との車間距離が乗員の設定した車間距離(制限車間距離)以下とならないように車間制御を行うことができるように構成されている。
レーダ装置12は、例えばレーザ光やミリ波等の電磁波を自車両の進行方向前方に向けて発信すると共に、この発信した電磁波が自車両の外部の物体(例えば、先行車両)によって反射されたときにその反射波を受信し、発信した電磁波と受信した電磁波(反射波)とを混合してビート信号を生成し、該ビード信号に基づいて先行車両を検出するとともに、該先行車両と自車両との車間距離および相対速度を算出し、電子制御装置30へ出力する。
車速制限制御を実行していないときに運転者(乗員)が設定/減少スイッチ13を操作すると、その出力信号が電子制御装置30へ出力され、電子制御装置30においてその時点における自車両の走行速度が制限速度として設定される。
一方、車速制限制御が実行されているときに運転者が設定/減少スイッチ13を操作すると、その出力信号が電子制御装置30へ出力され、電子制御装置30において設定/減少スイッチ13の1回の操作に対して一定値(例えば1km/h)ずつ制限速度を減少する処理が実行される。
中断スイッチ15により車速制限制御を停止した後に、運転者がこの再開/増加スイッチ14を操作すると、その出力信号が電子制御装置30へ出力され、電子制御装置30において、車速制限制御を停止する前に設定されていた制限速度が再び制限速度に設定される。
つまり、設定/減少スイッチ13と再開/増加スイッチ14の操作により運転者は制限速度を所望の値に設定することができる。
制限速度設定部31は、設定/減少スイッチ13、再開/増加スイッチ14、車速センサ11、記憶部17からの入力信号等に基づいて制限速度を設定する。
制限車間距離算出部34は、制限車間距離選択スイッチ16により選択された等級(S,M,L)に対応する車間時間tsと、車速センサ11により検出された自車両の走行速度Vに基づいて、制限車間距離Dsを算出する(Ds=V・ts)。
詳述すると、図2(A)に示すように、自車両と先行車両との車間距離が車間制御許可距離X1よりも大きいときには、先行車両は車間制御の制御対象から除外され、制限速度は制限速度設定部31において設定された制限速度に保持される。なお、車間制御許可距離X1は制限車間距離Dsよりも大きい距離に設定されている(X1>Ds)。一方、図2(B),(C)に示すように、自車両と先行車両との車間距離が車間制御許可距離X1以下になると、先行車両を制御対象と認識し、車間距離が小さくなるにしたがって制限速度を徐々に小さく変更していく。また、車間距離が車間制御許可距離内において大きくなっていくときには、車間距離が大きくなるにしたがって制限速度を制限速度設定部31において設定された制限速度に近づいていくように増大させていく。
加速装置18は例えばエンジンへの燃料供給装置などから構成され、減速装置19は例えばブレーキ装置などから構成されており、いずれも電子制御装置30から入力される入信号(目標出力、制動指令)に基づいて制御される。
次に、この発明に係る車両用走行制御装置の実施例を図3から図7の図面を参照して説明する。
この発明の実施例における車両用走行制御装置1は、参考例において説明した車速制限制御と車間制御を行うことができることに加えて、先行車両との車間距離を一定に保ちながら先行車両に追従走行する追従走行制御を行うことができるように構成されている。
車速センサ11、設定/減少スイッチ13、再開/増加スイッチ14、中断スイッチ15、制限車間距離選択スイッチ16、記憶部17、加速装置18、減速装置19については、参考例のものと同じであるので説明を省略する。
なお、実施例における加速装置18、減速装置19、表示装置20は、第1電子制御装置40から入力した入力信号に基づいて制御される。
また、車速制御部43は、後述する第2電子制御装置50から入力される目標車速信号に基づいてエンジンの出力制御を行って目標出力を算出し、目標出力に対応する出力信号を加速装置18へ出力する。このときも、必要に応じてブレーキ圧制御などによる制動制御を行って減速するようにしてもよく、その場合には車速制御部43から減速装置19へ制動指令を出力する。
レーダ装置12は、参考例におけるレーダ装置12と同じであり、検出した先行車両と自車両との車間距離および相対速度を算出し、第2電子制御装置50へ出力する。この車間距離情報および相対速度情報は第2電子制御装置50を介して第1電子制御装置40へ入力される。
解除スイッチ23は、追従走行制御を停止するためのスイッチである。
目標車間距離算出部51は、目標車間距離選択スイッチ21により選択された等級(S,M,L)に対応する車間時間tcと、車速センサ11により検出された自車両の走行速度Vに基づいて、目標車間距離Dcを算出する(Dc=V・tc)。
先行車両の車速が設定車速Vcよりも遅い場合には、先行車両の車速を目標車速に設定して、自車両を減速制御し、先行車両の速度まで減速した後は、先行車両の速度変化に合わせるとともに車間距離を目標車間距離Dcに保って追従走行を行うように目標車速を設定する。また、先行車両が減速したときは、車間距離を目標車間距離Dcに保ちながら減速制御を行い、先行車両が加速したときは、車間距離を目標車間距離Dcに保ちながら設定車速Vcまで加速制御を行う。なお、目標車間距離Dcは自車両の走行速度に応じて変化し、自車両の走行速度が遅くなれば目標車間距離Dcは短くなり、自車両の走行速度が速くなれば目標車間距離Dcは長くなる(Dc=V・tc)。そして、先行車両が存在しなくなると、設定速度Vcまでゆっくり加速制御を行った後、設定速度Vcで定速走行制御へ移行する。
車間制御可能な車速制限制御と追従走行制御とを同時に作動させた自車両が、車間制御許可距離以遠に存在する先行車両の後方を例えば設定車速で定速走行している場合に、前記先行車両が自車両の走行速度よりも遅い速度で走行しているときを想定する。この場合、自車両は先行車両に徐々に接近していき、車間距離が短くなっていく。
(1)自車両の同一走行速度において比較したときに、車速制限制御における制限車間距離Dsを、追従走行制御における目標車間距離Dcよりも小さい値、すなわち短い距離に設定する。
(2)車速制限制御における車間制御許可距離X1を追従走行制御における車間制御許可距離X2よりも小さい値に設定する。
(3)追従走行制御において必要とされる減速度(以下、必要減速度という)が、車速制限制御または追従走行制御により発生可能な最大減速度の所定割合以下の場合は、制限速度変更部42による制限速度の変更を行なわない。つまり、追従制御を目的とした制限速度の変更を行なわない。
前述したように、追従走行制御における目標車間距離Dcは、目標車間距離選択スイッチ21により選択された等級(S,M,L)に対応する車間時間tcと、車速センサ11により検出された自車両の走行速度Vに基づいて算出する(Dc=V・tc)。
そして、車速制限制御における制限車間距離Dsは、目標車間距離Dcから、予め定められた車間時間減算量Δtsに相当する距離を減じることにより算出する。詳述すると、制限車間距離選択スイッチ16により選択された等級(S,M,L)に対応する目標車間距離Dcから、車速センサ11により検出された自車両の走行速度Vに予め定められた車間時間減算量Δtsを乗じた積を減ずることにより、制限車間距離Dsを算出する(Ds=Dc−V・Δts)。
このようにすると、同一の等級(S,M,L)において制限車間距離選択スイッチ16により設定される車間時間tsを目標車間距離選択スイッチ21により設定される車間時間tcよりも短い時間に設定することができる。
そして、図6(A)に示すように、追従走行制御による減速制御が極めて緩やかに行われている間に運転者が操舵を行って自車両を車線変更すると、追従走行制御を継続しつつ、車速制限制御による減速が始まる前に車線変更を行うことができ、自車両を殆ど減速させずにスムーズに先行車両を追い越すことができる。
なお、車線変更に際し、運転者がアクセルペダルを踏み込むことで追従走行制御を一時的に解除して、先行車両を追い越すこともできる。
したがって、図6(B)に示すように、前述した(1)に記載の手段の場合と同様に、追従走行制御による減速制御が極めて緩やかに行われている間に運転者が操舵を行って自車両を車線変更すると、追従走行制御を継続しつつ、車速制限制御による減速が始まる前に車線変更を行うことができ、自車両を殆ど減速させずにスムーズに先行車両を追い越すことができる。
車間制御許可距離X1,X2を具体的に例示すると、例えば、車間制御許可距離X1を50mに設定して、車速制限制御の制御領域を5〜50mとし、追従走行制御における車間制御許可距離X2を100mに設定して、追従走行制御の制御領域を5〜100mとする。
追従走行制御においては乗員の乗り心地を考慮して、追従走行制御における減速度を先行車両との車間距離に応じて例えば0〜0.2Gの範囲において変更し、車間距離が小さくなるにしたがって減速度を大きくなるように制御する。これにより、追従走行制御では車間距離が目標車間距離Dcよりも十分に大きい位置から減速制御を開始することができ、相対速度が小さい先行車両に対しても緩やかに減速させて追従走行することができる。
なお、前記(1)〜(3)に記載の手段を2つ以上組み合わせて採用することも可能である。
11 車速センサ(走行速度検出手段)
12 レーダ装置(先行車両検出手段)
17 記憶部(制限速度記憶手段)
30 電子制御装置(車速制限手段)
32 制限速度変更部(制限速度変更手段)
34 制限車間距離算出部(制限車間距離算出手段)
40 第1電子制御装置(車速制限手段、追従走行制御手段)
42 制限速度変更部(制限速度変更手段)
44 制限車間距離算出部(制限車間距離算出手段)
50 第2電子制御装置(追従走行制御手段)
51 目標車間距離算出部(目標車間距離算出手段)
Claims (3)
- 自車両の走行速度を検出する走行速度検出手段と、
乗員により設定された制限速度を記憶する制限速度記憶手段と、
乗員のアクセル操作に関わらず前記走行速度検出手段により検出される走行速度が前記制限速度以下となるように車速制限制御を行う車速制限手段と、
車両に搭載され自車両の進行方向前方に存在する先行車両との車間距離および相対速度を検出する先行車両検出手段と、
前記走行速度検出手段の出力に基づいて制限車間距離を算出する制限車間距離算出手段と、
前記先行車両検出手段により検出された車間距離が前記制限車間距離算出手段により算出された制限車間距離以下とならないように、車間距離が減少するにしたがって制限速度を減少させる制限速度変更手段と、
前記走行速度検出手段の出力に基づいて目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、
前記先行車両検出手段により検出された車間距離が前記目標車間距離算出手段により算出された目標車間距離となるように先行車両に対して追従走行制御を行う追従走行制御手段と、
を備え、
前記追従走行制御手段は前記追従走行制御が前記乗員によるアクセル操作が行われた場合に解除されるものであり、
前記制限車間距離と前記目標車間距離とは同一の走行速度に対して算出されるにあたって、前記制限車間距離の方が前記目標車間距離よりも小さい値として算出されることを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記追従走行制御手段および前記車速制限手段はいずれも先行車両を制御対象から除外するか否かを判断する閾値として車間制御許可距離を設定し、該車間制御許可距離以遠の先行車両を制御対象から除外するとともに該車間制御許可距離以内の先行車両を制御対象とするものであり、前記車速制限手段における車間制御許可距離は前記追従走行制御手段における車間制御許可距離よりも小さい値に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
- 前記追従走行制御手段により算出された追従走行制御において必要とされる減速度が、前記追従走行制御手段により発生可能な最大減速度に1より小さい所定係数を乗算した値以下の場合は、前記制限速度変更手段による制限速度の変更を行なわないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用走行制御装置。
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