JP2011116177A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 検出されたアクセル操作量の減少方向が検出されたときに自車両と先行車との車間距離を調整して先行車に追従させる追従走行制御又はアクセル操作量の減少方向が検出されたときの自車速に基づいて自車両を一定速走行させる定速走行制御を実行する。この時、ドライバによって車間距離又は自車速を増減させる第2車両状態調整手段を設けた。
【選択図】 図7
Description
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、制御開始時におけるスイッチ操作の煩わしさを与えることなく、ドライバの意図に沿った走行状態を実現する車両制御装置を提供することにある。
次に、ブレーキECU102において実施される本車両制御処理について説明する。図2は実施例1において実行される車両制御処理を表すフローチャートである。以下、説明においてアクセルペダル109が踏み込まれた状態をアクセルON、アクセルペダル109が離された状態をアクセルOFFと記載し、ブレーキペダル103が踏み込まれた状態をブレーキON、ブレーキペダル103が離された状態をブレーキOFFと記載する。いずれの場合も、ONとOFFの判断は、所定の閾値以上の操作が成されたか否かで判断すればよいし、スイッチ類によって判断してもよく特に限定しない。
ステップS202では、ドライバ操作が、アクセルON→OFFに変化後、アクセル・ブレーキともにOFF状態である場合ステップS203へ移行し、それ以外のときはステップS208へ移行する。尚、アクセルONとアクセルOFFの検出は、アクセル開度センサ110に設定された所定閾値を超えたか否かで判断するが、アクセルスイッチ等を別途備えてもよい。
ステップS203では、カメラ107により先行車を捕捉中か否かを判断し、捕捉中の場合にはステップS204へ移行し、捕捉していない場合にはステップS205へ移行する。
ステップS204では、先行車に対する追従走行制御を実施する。尚、この場合の車間距離(車間時間)設定は、ドライバがアクセルOFFした際の値を用いるものとする。また、設定した車間距離(車間時間)を運転席に表示し、ドライバが認識可能とする。ここで、車間時間とは、車間距離を車速で割った値であり、車間距離分の走行に要する時間を表すものである。車間時間が長いほど相対距離は大きくなり、車間時間が短いほど相対距離は小さくなる。尚、追従走行制御を実施中に、先行車が大きく加速し、追従走行制御開始時の設定車速V1に所定車速ΔV(例えば20km/h)を加算した車速を上限車速として設定する。このような上限を設定する理由は、先行車に対して追従する意図があるとはいえ、追従開始時よりもかなり高い車速まで追従を続けることは、ドライバに対して、違和感を与える可能性がある。
ステップS206では、定速走行制御を実施する。尚、この場合の設定車速V1は、ドライバがアクセルオフしたときの値、又は、先行車の喪失時における値に設定する。また、設定した車速V1を運転席に表示し、ドライバに認識可能とする。このとき、運転者がブレーキペダル103を踏み込んだ場合には、ブレーキ操作量に応じて適宜減速制御を行いつつ、定速走行制御を継続する。
ステップS207では、惰性走行(エンジンブレーキ)とする。
ステップS208では、ドライバ操作が、ブレーキONからOFFに変化後、アクセル・ブレーキともOFFの状態である場合にはステップS209へ移行し、そうでない場合にはステップS211へ移行する。尚、ブレーキONとブレーキOFFの検出は、マスタシリンダ液圧センサ104に設定された所定閾値を超えたか否かで判断するが、ブレーキスイッチ等を別途備えてもよい。
ステップS209では、カメラ107により先行車を捕捉中か否かを判断し、捕捉中の場合にはステップS210へ移行し、捕捉していない場合にはステップS207へ移行、即ち惰性走行(エンジンブレーキ)とする。
ステップS211では、アクセルON又はブレーキONの状態であり、ドライバ操作に従って自車両を加速もしくは減速する。
時刻t21において、先行車が急減速し、ブレーキ液圧ユニット101の制御応答性を超えて減速が必要な場合には、車間時間が短くなる。時刻t22において、ドライバ自身が車間距離を確保しようとしてブレーキペダルを踏み込み、ブレーキがONとなると、ブレーキ操作量に応じて減速制御を実行する(もしくは、ドライバによるブレーキ操作によって減速される)。これにより、自車両の車速は先行車の車速よりも低くなり、車間時間及び車間距離が増大し始める。この状態で、ドライバが十分に車間距離を確保できたと判断してブレーキペダルをOFFすると、このOFFした時点での車間時間TG2を設定車間時間として先行車追従走行制御を行う。しかし、時刻t24において先行車が加速したとしても、この場合には減速制御のみが許可されている。よって、ドライバが減速を意図しているのに加速されてしまうような違和感を生じることがない。
図6は実施例1の定速走行制御を表すタイムチャートである。図2のステップS202→S203→S205→S206へと進む処理に相当する。先行車のいない状態でドライバがアクセルを踏み込み操作し、加速している状態を初期状態とする。時刻t41において、ドライバがアクセルをOFF操作すると、そのときの車速を設定車速として定速走行制御を実行する。
次に、上記追従走行制御中もしくは定速走行制御中におけるドライバの手動操作反映処理について説明する。図7は実施例1の手動操作反映処理を表す表である。実施例1の車両制御装置では、車両制御許可スイッチ106がONとされた後は、ドライバのアクセルペダル操作によって定速走行制御もしくは追従走行制御が実行される。その状態でドライバが減速意図を反映させるには、ブレーキペダル操作が必要である。しかし、ブレーキペダル操作が行われると、基本的に定速走行制御もしくは追従走行制御は減速制御のみが許可され、加速制御はキャンセルされる(ステップS210)。すなわち、正規の定速走行制御や追従走行制御を行うには、改めてアクセルペダル操作が行われなければ復帰することはできず、ドライバの操作が煩雑となるおそれがある。
図8は実施例1の定速走行制御中に加速スイッチが長押しされた場合のタイムチャートである。定速走行制御中は、制御パラメータとして車速を扱っており、アクセルペダルオフ時に設定された車速V1となるように各アクチュエータが制御されている。このとき、加速スイッチ121が長押しされると、長押しされている間、設定車速V1を増加させる。そして、加速スイッチ121がOFFとなると、OFFされた時点における自車速を設定車速V1とする。このときの設定車速の上昇勾配は略一定とし、長押し時間と比例するように上昇する。尚、長押し時間の長さに応じて等比級数的に上昇させてもよいし、ドライバのスイッチ押圧力等に応じて上昇勾配を変更してもよい。同様に、減速スイッチ122が長押しされると、長押しされている間、設定車速V1を減少させる。そして、減速スイッチ122がOFFとなると、OFFされた時点における自車速を設定車速V1とする。
定速走行制御中の時刻t51において、加速スイッチ121の長押しが開始されると、設定車速が徐々に高くなるように設定される。時刻t52において、加速スイッチ121が離されると、その時点における車速を新たな設定車速V1として設定し、各アクチュエータが適宜制御されることで、時刻t53には新たな設定車速に収束して定速走行制御が継続される。
図10は実施例1の追従走行制御中に加速スイッチが長押しされた場合のタイムチャートである。追従走行制御中は、制御パラメータとして車間距離(もしくは車間時間)を扱っており、アクセルペダルオフ時に設定された車間距離となるように各アクチュエータが制御されている。このとき、加速スイッチ121が長押しされると、長押しされている間、エンジントルクを増加させる。そして、加速スイッチ121がOFFとなると、OFFされた時点における車間距離を設定車間距離として設定する。このときのエンジントルクの上昇勾配は略一定とし、長押し時間と比例するように上昇する。尚、長押し時間の長さに応じて等比級数的に上昇させてもよいし、ドライバのスイッチ押圧力等に応じて上昇勾配を変更してもよい。同様に、減速スイッチ122が長押しされると、長押しされている間、エンジントルクを減少させる。そして、減速スイッチ122がOFFとなると、OFFされた時点における車間距離を設定車間距離とする。
追従走行制御中の時刻t71において、加速スイッチ121の長押しが開始されると、エンジントルクが増大し、自車速が徐々に高くなる。これに伴い、先行車との車間距離は短くなり、車間時間も短くなる。時刻t52において、加速スイッチ121が離されると、その時点における車間距離を新たな設定車間距離として設定し、各アクチュエータが適宜制御される。尚、加速によって自車速は先行車両の先行車速よりも高くなっているため、適宜減速制御等が行われる。時刻t73において自車速が先行車速と一致すると減速制御を終了し、時刻t74において先行車速と略一致するまで増速制御が実行されて追従走行制御が継続される。
(1)第1車両状態調整手段であるアクセルペダル109と、アクセルペダル109の操作状態を検出するアクセル開度センサ110(アクセル操作状態検出手段)と、アクセル開度センサ110により検出されたアクセル操作量の減少方向が検出されたときは、自車両と先行車との車間距離を調整して先行車に追従させる追従走行制御又はアクセル操作量の減少方向が検出されたときの自車速に基づいて自車両を一定速走行させる定速走行制御を行うブレーキECU102(コントロールユニット)と、追従走行制御又は定速走行制御実行時にドライバによって車間距離又は自車速を増減させる加速スイッチ121及び減速スイッチ122(第2車両状態調整手段)と、を設けた。よって、制御開始時のスイッチ操作を排除することができる。加えて、第2車両状態調整手段により制御中の走行状態を調整できるため、ドライバの意図に沿った走行状態を実現することができる。言い換えると、定速走行制御や追従走行制御の開始はアクセルペダル(足)によって行い、その後の微調整についてはスイッチ操作(手)によって実行可能とする。こうすることで、ドライバは足によって操作している制御開始前の状態では「足」によって制御開始トリガを出し、一旦足を離して手でステアリング操作のみ実行している走行制御中の状態では「手」によって微調整を行うことで、ドライバの負担を軽減しているといえる。
(2)第2車両状態調整手段として、自車両を加速方向に制御する加速スイッチ121と、自車両を減速方向に制御する減速スイッチ122と、を備え、各スイッチの操作量に基づいて車間距離又は車速が設定される。これにより、ドライバが走行制御中の増減速意図の反映にあたり、ブレーキペダル操作やアクセルペダル操作を行う必要を回避して、更には継続的に走行制御を実行して操作性を向上することができる。
自動変速機126は、シフトレバー125からの信号に基づいて前後進切換や変速比を制御する。この自動変速機は有段式自動変速機であっても無段式自動変速機であってもよく特に限定しない。実施例1の自動変速機126はマニュアルモードを搭載しており、Dレンジが選択されているときは、アクセルペダル開度と車速に応じて予め設定された変速比を達成するように制御され、マニュアルレンジが選択されると、シフトレバー125から変速比をLow側に変更する指令(ダウンシフト指令)、もしくはHigh側に変更する指令(アップシフト指令)が出力可能とされる。これにより、現在選択されている変速比よりもLow側もしくはHigh側となる変速比に変速する。例えば、惰性走行中にダウンシフト指令が成されると、エンジンブレーキ力が増大する。ブレーキECU102は、シフトレバー125の操作信号を入力信号として入力する。
尚、ステップS210に示す減速制御のみ許可された追従走行制御処理を実行中には、増速制御は全てキャンセルされることになる点は実施例1と同様である。また、実施例1ではスイッチの長押しにより設定車速や設定車間距離等を変更し、短押しにより上限車速の変更を行ったが、実施例2では上限車速の変更は特に行わない。また、自動変速機の場合、マニュアルレンジを選択しているときにはドライバがダウンシフト動作をしていなくてもダウンシフト信号ありと判断してもよし、具体的に変速比を減速側に変更する指令を出力してから所定時間をダウンシフト信号が出力されている状態と判断するようにしてもよい。
図14は実施例2の定速走行制御中にダウンシフト操作がなされた場合のタイムチャートである。定速走行制御中は、制御パラメータとして車速を扱っており、アクセルペダルオフ時に設定された車速V1となるように各アクチュエータが制御されている。このとき、時刻t91において、ダウンシフト操作がなされると、この操作に伴ってエンジンブレーキ力が作用し、これにより車速は低下する。一方、定速走行制御側においては、このダウンシフト信号が出力されている間、設定車速V1を減少させる。このときの設定車速の減少勾配は略一定とし、ダウンシフト操作時間と比例するように下降する。そして、時刻t92において、ドライバのダウンシフト操作が終了もしくはマニュアルレンジからDレンジへの操作が行われると、その時点における自車速を設定車速V1とし、各アクチュエータが適宜制御されることで、時刻t93には新たな設定車速に収束して定速走行制御が継続される。
図15は実施例2の追従走行制御中にダウンシフト操作がなされた場合のタイムチャートである。追従走行制御中は、制御パラメータとして車間距離(もしくは車間時間)を扱っており、アクセルペダルオフ時に設定された車間距離となるように各アクチュエータが制御されている。時刻t101において、ダウンシフト操作が開始されると、エンジンブレーキ力が高まって自車速が徐々に低くなる。一方、定速走行制御側においては、このダウンシフト信号が出力されている間、車間距離を増大させる。このときの設定車間距離の増加勾配は略一定とし、ダウンシフト操作時間と比例するように上昇させる。
時刻t102において、ドライバのダウンシフト操作が終了もしくはマニュアルレンジからDレンジへの操作が行われると、その時点における車間距離を新たな設定車間距離として設定し、各アクチュエータが適宜制御される。尚、減速によって自車速は先行車両の先行車速よりも低くなっているため、適宜増速制御等が行われる。
時刻t103において自車速が先行車速と一致すると増速制御を終了し、時刻t104において先行車速と略一致するまで減速制御が実行されて追従走行制御が継続される。このように減速制御を行う場合には、ブレーキペダル操作による減速に比べて、再度アクセルペダル操作を行わなくとも追従走行制御を実行できるため、運転者に操作負担をかけることがない。
(3)第2車両状態調整手段は、車両に搭載され変速機を操作するシフトレバー125であり、シフトレバー125がシフトダウン操作されたときは車間距離を増加又は車速を減速させる。これにより、ドライバが走行制御中の減速意図の反映にあたり、ブレーキペダル操作やアクセルペダル操作を行う必要を回避して、更には継続的に走行制御を実行して操作性を向上することができる。
以上、各実施例について説明したが、上記構成に限らず他の構成でも本発明の範囲に含まれる。例えば、実施例ではアクセルペダル操作やブレーキペダル操作をトリガにして車間距離制御や定速走行制御を開始する車両制御装置について説明したが、ドライバの手動操作によって車間距離や車速を設定する制御システムにおいても本発明を同様に適用できる。
実施例ではブレーキ操作状態検出装置としてマスタシリンダ液圧センサ104を採用したが、ブレーキペダルのストロークを検出するブレーキペダルストロークセンサや、ブレーキペダル踏力を検出する踏力センサ、もしくは所定量踏み込まれたときにブレーキランプを点灯するトリガであるブレーキスイッチ等を用いてもよい。
実施例ではアクセル操作状態検出装置としてアクセル開度センサ110を採用したが、エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ等を用いてもよい。
実施例では車間距離制御起動スイッチとして車両制御許可スイッチ106を採用したが、車間距離制御起動用のスイッチと、定速走行制御起動用のスイッチを別々に設けてもよいし、これら全体的な車両制御を起動する一つのスイッチを設けてもよい。スイッチは手動に限らず音声認識でもよいし、走行環境等から自動的に起動させるようにしてもよい。
実施例では先行車認識装置としてカメラ107を採用したが、ステレオカメラ等の距離や速度を認識可能なものだけでなく、ミリ波レーダーやレーザーレーダ等を適宜採用してもよいし、単眼カメラとレーダー等との組み合わせでもよい。
実施例ではエンジンを備えた車両に適用したが、エンジンとモータにより走行するハイブリッド車両や、モータのみで走行する電動車両にも同様に採用可能である。この場合、惰性走行を行う際には、エンジンブレーキが作用したときの減速度相当をモータ等で適宜再現することができる。
実施例では、車間距離制御と定速走行制御の両方を備えた構成を示したが、いずれか一方のみを備えた構成であっても本発明を適用できる。
102 ブレーキECU(コントロールユニット)
103 ブレーキペダル
104 マスタシリンダ液圧センサ
105a 車輪速センサ
106 車両制御許可スイッチ
107 カメラ
108 エンジンECU
109 アクセルペダル
110 アクセル開度センサ(アクセル操作状態検出装置)
111 前後加速度センサ
121 加速スイッチ
122 減速スイッチ
125 シフトレバー
126 自動変速機
ENG エンジン
Claims (3)
- 第1車両状態調整手段であるアクセルペダルと、
該アクセルペダルの操作状態を検出するアクセル操作状態検出手段と、
前記アクセル操作状態検出手段により検出されたアクセル操作量の減少方向が検出されたときは、自車両と先行車との車間距離を調整して先行車に追従させる追従走行制御又はアクセル操作量の減少方向が検出されたときの自車速に基づいて自車両を一定速走行させる定速走行制御を行うコントロールユニットと、
前記追従走行制御又は前記定速走行制御実行時にドライバによって前記車間距離又は前記自車速を増減させる第2車両状態調整手段と、
を設けたことを特徴とする車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置において、
前記第2車両状態調整手段は、自車両を加速方向に制御する加速スイッチと、自車両を減速方向に制御する減速スイッチと、を備え、
前記各スイッチの操作量に基づいて車間距離又は車速が設定されることを特徴とする車両制御装置。 - 請求項1に記載の車両制御装置において、
前記第2車両状態調整手段は、車両に搭載され変速機を操作するシフトレバーであり、
前記シフトレバーがシフトダウン操作されたときは車間距離を増加又は車速を減速させることを特徴とする車両制御装置。
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