JP2004216941A - 自動車用シート及び自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の長時間走行中であっても深部静脈血栓症を簡単に予防できるようにする。
【解決手段】自動車1の車室7の床面12に設置される座部21と、当該座部21の後部に設けられた背もたれ部22と、を備えた自動車用シート5A,5Bにおいて、自動車1の走行中に着座者のふくらはぎにマッサージを行えるふくらはぎマッサージ部27を具備している。
【選択図】 図2
【解決手段】自動車1の車室7の床面12に設置される座部21と、当該座部21の後部に設けられた背もたれ部22と、を備えた自動車用シート5A,5Bにおいて、自動車1の走行中に着座者のふくらはぎにマッサージを行えるふくらはぎマッサージ部27を具備している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用シート及び自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用シートにマッサージ機能を持たせたものが、従来から知られており、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
従来の自動車用シートは、座部と当該座部の後部に設けられた背もたれ部とを有して構成されており、振動などによるマッサージ機能を背もたれ部に持たせることで、シート着座者の疲労回復を図っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−49668号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シートに長時間着座して、脚を動かさないでいると、深部静脈血栓症が生じることが、近年、知られてきている。この深部静脈血栓症は、飛行機のシートに座って長時間同じ姿勢でいることによって発症することがあるため、エコノミークラス症候群とも呼ばれる。
深部静脈血栓症は、飛行機のシートに座っているときに限らず、自動車のシートに座っているときにおいても同様に発症する可能性がある。このため、自動車の乗車時にも深部静脈血栓症への対策が必要である。
ここで、深部静脈血栓症は、軽い運動を行うことで予防できる。したがって、飛行機搭乗中の場合には、長時間同じ姿勢でいることを避け、客室内を歩き回ることなどで自然に予防が行える。
しかし、自動車の場合、車内には歩き回るほどのスペースがないため、歩き回って自然に予防を行うというわけにはいかず、長時間乗車している場合には、座ったまま体操するなどの何らかの積極的な予防策を着座者自身が講じる必要があり面倒である。
また、特許文献1に記載されているようなマッサージ機能を有する自動車用シートは、着座者の背中をマッサージすることで疲労回復等を図るものにすぎず、背中をマッサージしても深部静脈血栓症の予防とはならない。
そこで、本発明は、深部静脈血栓症の予防を行える自動車用シート及び自動車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自動車の車室の床面に設置される座部と、当該座部の後部に設けられた背もたれ部と、を備えた自動車用シートにおいて、自動車の走行中に着座者のふくらはぎにマッサージを行えるふくらはぎマッサージ部を具備していることを特徴とする。
【0006】
深部静脈血栓症を予防するには、ふくらはぎをマッサージすることによっても行えるため、本発明によれば、自動車の長時間走行中であっても、ふくらはぎをマッサージすることで、深部静脈血栓症を簡単に予防することができる。
【0007】
また、本発明では、前記座部の前部には、少なくともふくらはぎを載せることができるふくらはぎ載面部が設けられ、当該ふくらはぎ載面部には、ふくらはぎの側方に位置するように立設された側面部が設けられ、前記ふくらはぎマッサージ部は、前記側面部に設けられており、ふくらはぎを側面から押圧マッサージ可能となっているとともに、自動車の走行中にふくらはぎを側面から押圧して脚部を拘束する脚部サポートとなっているのが好ましい。
【0008】
従来、自動車用シートにおけるサポート機能としては、ランバーサポート等が一般的であるが、ふくらはぎを側面から押圧して脚部をサポートするものはなく、本発明のように、ふくらはぎを側面から押圧することで新たなサポート機能が得られる。
【0009】
また、本発明に係る自動車は、車体の左右側面の少なくともいずれか一方の側面に車体前後方向に隣接した2つ以上のドアを備え、前記自動車の車室に自動車用シートが設置された自動車であって、前記自動車用シートは、前記車室の床面に設置される座部と、前記座部の後部に設けられてリクライニング可能な背もたれ部と、前記座部の前部に設けられて上下回動可能なふくらはぎ載部と、前記ふくらはぎ載部に設けられたふくらはぎマッサージ部と、を備え、更に、前記自動車用シートは、前記座部が、前記2つのドアに対して前後方向に跨って位置し、前記背もたれ部が、前記2つのドアのうちの一方側に位置し、前記ふくらはぎ載部が、前記2つのドアのうちの他方側に位置するように、前記車室内に配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る自動車では、自動車用シートとして、座部と背もたれ部に加え、ふくらはぎ載せ部を備えているため、背もたれ部をリクライニングさせて後方に倒すとともに、ふくらはぎ載せ部を上方回動させると、シート前後方向長さが大きくなる。
したがって、シートをドアに対応させて配置すると、シートのための十分なスペースが確保できない。
そこで、上記のように、座部を2つのドアに対して前後方向に跨るように配置することで、車室内にシートを配置するための十分なスペースが確保できる。
【0011】
また、前記2つのドアの車室内面側には、それぞれ肘掛け部が設けられており、各ドアの前記肘掛け部が一つの前記自動車用シートに対する肘掛け部となっているのが好ましい。
【0012】
さらに、前記2つのドアは、運転席用のドアよりも後方にあって、前記自動車用シートが後部座席用とされているのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1を示しており、この自動車は、いわゆるリムジンとして構成されており、車体2は、左右側面にそれぞれ、3つ(複数)のドア3a,3b,3cを有している。各ドア3a,3b,3cのうち、最前側の第1ドア3aが運転席4用(又は運転席側方の助手席用)のドアであり、後ろの2つのドア(第2ドア3b及び第3ドア3c)が後部座席5用のドアである。
各ドア3a,3b、3cは、車体2に対して回動することによって開閉される回動式開閉ドアであり、本実施形態では、各ドア前部側を軸心として左右回動により開閉がなされる。
【0014】
車体2内部には、居住空間となる車室7が確保されており、この車室7は、運転席4(及び助手席)側と、後部座席5側とで前後に仕切られている。前側の運転席空間7aと、後側の後部座席空間7bとは、仕切壁8によって仕切られており、運転席空間7aの後方に広く居住性の高い後部座席空間7bが確保されている。
【0015】
車室7の後部座席空間7bにおいては、前記仕切壁8が前側の側壁となり、後部トランクルーム9との仕切壁10が後側の側壁となり、左右の第2及び第3ドア3b,3cが左右両側の側壁となっており、後部座席空間7bは、これらの側壁8,10,3b,3c並びに床面12及び天井14で囲まれた空間となっている。なお、車体2は、第2ドア3b及び第3ドア3の境界部において、床面12から天井の間を繋ぐ支柱部2aを備えており、この支柱部2aもドア3b,3cとともに後部座席空間7bの左右両側側壁の一部を構成している。
【0016】
また、後部座席空間7bの車体前後方向長さは、2つ(複数)のドア3b,3cの前後方向長さの和にほぼ対応した大きさとなっており広い空間が確保されている。なお、後部座席空間7bの前部には、キャビネット15が設けられている。
【0017】
ここで、実施形態に係る自動車1は、FR車であり、フロントのエンジンから後輪側へ向けてプロペラシャフト(図示省略)が車体の左右幅方向中央位置で延びている。図2及び図3に示すように、後部座席空間7bの床面12の左右幅方向中央位置には、前記プロペラシャフトを避けるために、前後に延びるトンネル状の突起部16が形成されており、当該突起部16の内部をプロペラシャフトが通っている。この突起部16のため、床面12の左右幅方向中央位置16は、その左右両側12a,12bよりも高くなっている。
【0018】
前後に延びる突起部16の上には、後部座席空間7bを左右に区画する区画側壁部20が立設されている。すなわち、突起部16は、区画側壁部20の台座ともなっている。区画側壁部20は、後部座席空間7bのほぼ全体を左右に区画するために、空間7b前側のキャビネット15から空間7b後側の仕切壁10の間において前後方向に延びて形成されている。
【0019】
区画側壁部20の左右両側には、それぞれ後部座席5となる自動車用シート5A,5Bがそれぞれ設置されている。すなわち、シート5A,5Bの間に区画側壁部20が設けられている。
シート5A,5Bは、左右の床面12a,12b上にそれぞれ個別に設置されており、床面12a,12b上に取り付けられる座部21と、座部21の後部に設けられた背もたれ部22と、脚のふくらはぎを載せることができるふくらはぎ載部23とを備えている。なお、ここでは、ふくらはぎ載部23は、ふくらはぎから足首の範囲まで載せることができるように長めに形成されている。
【0020】
座部21は、上面である座面が前方上向き傾斜となるように設けられている。このように座部21前側が高いため、ふくらはぎ載部23を位置させることができる。
また、この座部21は、2つのドア3b,3cの境界部である支柱部2aに対して前後方向両側に跨るように位置している。すなわち、座部21は、前後2つのドア3b,3cに跨って配置されている。なお、座部21は、床面12a,12bに対して前後方向位置が自動又は手動でスライド可能に設けられており、そのシート5A,5Bの前後方向位置が調節可能となっている。
【0021】
背もたれ部22は、後側の第3ドア3c側に位置しており、電動リクライニングによって起伏可能となっている。なお、リクライニング方式は、電動等の自動式のものに限らず、手動式であってもよい。
後部座席空間7b内において、起立状態の背もたれ部22の後方には、当該背もたれ部22が後方に倒れるのを許容するための後方空間24Aが確保されている。したがって、図2において2点鎖線で示すように背もたれ部22を後方へ倒すことによって、座部21と背もたれ部22との間でシートをほぼフラットにでき、着座者が横臥状態になれる。なお、背もたれ部22は、着座者の背中だけでなく頭部を受けることができる程度の高さを有しており、ヘッドレストをも兼ねている。
【0022】
背もたれ部22が起立状態にあるときには、当該背もたれ部22と後側側壁である仕切壁10との間の後方空間24Aは、トランクルームとは別の荷物置きスペースとして利用できる。そして、この場合、第3ドア3cは、後方空間24Aに荷物等を出し入れするためのドアとなる。すなわち、第3ドア3cがあることにより後方空間24Aを、デッドスペースとせずに荷物置きスペースとして有効活用できるのである。
【0023】
ふくらはぎ載部23は、前側の第2ドア3b側に位置しており、座部21の前側において上下に回動可能になっている。ふくらはぎ載部23は、下降させてふくらはぎ載面23aをほぼ垂直向きにした状態から、図2において2点鎖線で示すように上昇させてふくらはぎ載面23aがほぼ水平向きとなる範囲の間で、回動させることができる。ふくらはぎ載部23を上昇させて脚を載せることで、脚を伸ばしてリラックスすることができる。
【0024】
また、ふくらはぎ載面23aの左右両側には、ふくらはぎの側方に位置するように側面部23b,23bが立設されており、両側面部23b,23bの間に着座者の両脚を載せることができるようになっている。なお、ふくらはぎ載面23aの左右中央位置にも側面部を設けても良い。
後部座席空間7aにおいて、ふくらはぎ載部23の前方には、ふくらはぎ載部23が上昇するのを許容するとともに、着座者が脚を伸ばすための前方空間24Bが確保されている。座部21が2つのドア3b,3cに跨って配置されていることで、当該座部21が比較的後方に位置しており、前方空間24Bとして、脚載置部23よりも前方に広い空間を確保できている。
【0025】
また、第2ドア3bを開けた場合には、前方空間24Bは、後部座席5への乗降のための空間となる。本実施形態では、座部21の前側にふくらはぎ載部23を設けても、広い乗降空間24Bが確保されているので、乗降が容易である。また、前方空間24Bを広くとれるため、後部座席空間7bの前側に、前述のキャビネット15を設置することも可能となっており、シート5A,5Bの着座者に正対してキャビネット15が位置することにより、居住性が向上する。
【0026】
前記区画側壁部20は、背もたれ部22を後方に倒したときに側方に位置することになる後部区画部20Aと、当該後部区画部20Aよりも前側にあって当該後部区画部20Bよりも低い前部区画部20Bとを有している。図2に示すように、後部区画部20Aは、後方に倒した背もたれ部22よりも高くなるような高さを有している。この後部区画部20Aは、左右の第3ドア3cの間で、各シート5A,5Bの背もたれ部22間(後部空間24A,24A間)での目隠しとなるものであり、各シート5A,5B毎に区画されたプライベートな空間を確保している。
【0027】
後部区画部20Aは、後方に倒した背もたれ部22に横臥している着座者の頭部よりも上方にまで後部区画部20Aが位置することで、好適な空間を形成することができる。また、各シート5A,5B毎の空間を完全に区画するには、後部区画部20Aを天井14に至る高さとするのが好ましいが、後部区画部20Aを高くしすぎると、後部座席空間7bを狭く感じさせるため、本実施形態のように、後部区画部20Aの上端部を天井14よりも低くして、後部区画部20Aの上方では空間7bを区画しないようにするのが好ましい。
【0028】
なお、区画性の確保と空間狭小化防止の双方を実現するには、後部区画部20Aに、上下スライド式のスライド隔壁を設けておき、背もたれ部22を倒したときなど区画性を得えたい場合にはスライド隔壁を上昇させて高くし、背もたれ部22を起こしたときなど空間の広がりを得たい場合には、スライド隔壁を下降させて低くすればよい。
【0029】
後部区画部20Aは、前側ほど高さが小さくなるように形成されており、具体的には、後部区画部20Aの上端部が前側ほど低くなり、前端部において前側区画部20Bの後端部と同じ高さになるまで湾曲した湾曲曲面となっている。後部区画部20Aの前側が低くなっていることで、後部座席空間7bを不必要に区画して空間7bを狭く感じないようにされている。
【0030】
また、後部区画部20Aの上端面には、上方に向かって光りを照射するランプ20A−aが設置されており、後部座席空間7bの照明となっている。この照明20A−aは、倒した背もたれ部22よりも上方に位置して上方を照らしており、横臥状態の着座者に眩しさを与えることなく、照明ができる。また、複数のランプ20A−aのうち、下方に湾曲した上端面の前側に位置するランプは、前斜上方に向けて光を照らすため、後部座席空間7bの前方をも照らすことができる。
【0031】
後部区画部20Aの前端部から前方に延びる前部区画部20Bは、座部22のほぼ側方に位置しており、しかも、後部区画部20Aよりも低いため、着座者が背もたれを起こしてシート5A,5Bに着座している場合には、左右のシート5A,5B間での区画感をほとんど感じないようになっている。さらに、前部区画部20Bは、座部22よりも高い位置にあって、上端面に着座者が腕を置くことができる肘掛け部を兼ねている。この前部区画部20Bは、上端面が座部22と同様に前方上向き傾斜となっており、腕を置き易くなっている。また、前部区画部20Bは、左右両側のシート5A,5Bから腕を置けるように後部区画部20Aよりも幅広に形成されている。換言すると、後部区画部20Aは、肘掛け部として機能する必要がないため、前部区画部20Bよりも幅狭に形成されており、後部空間24A,24Aが広くなるようにしている。
【0032】
本実施形態では、区画側壁部20は、前部区画部20B(以下、「第1前部区画部」という)よりも更に前方に延びて、ふくらはぎ載部23の側方に位置する第2前部区画部20Cと、第2前部区画部20Cよりも更に前方に延びる第3前部区画部20Dとを備えている。
【0033】
第2前部区画部20Cは第1前部区画部20Bよりも、第3前部区画部20Dは第2前部区画部20Cよりも低くなるように形成されている。つまり、区画側壁部20は、横臥時の目隠しの必要性の低い前側ほど低くなるように形成されており、開放感を確保している。また、区画側壁部20の前側が低いことで、前側空間24Bにおいて、区画側壁部20(第3前部区画部20D)を跨いで着座者が左右に移動するのが比較的容易となっている。
【0034】
図3及び図4に示すように、左右の第2ドア3b及び第3ドア3cには、車室内面側にそれぞれ肘掛け部3b−1,3b−2が設けられ、さらに支柱部2aの車室内面側にも肘掛け部2a−1が設けられている。
前側の第2ドア3bの肘掛け部3b−1は、当該第2ドア3bの後部に設けられ、後側の第3ドア3cの肘掛け部3c−1は、当該第3ドア3cの前部に設けられ、肘掛け部3b−1と肘掛け部3c−1に挟まれるように支柱部2aの肘掛け部2a−1が設けられている。第2及び第3ドア3b,3cが閉まっている状態において、各肘掛け部3b−1,3c−1,2a−1の上面は面一状となって、各シート5A,5Bに対する片方の肘掛け部となっている。すなわち、各シート5A,5Bのドア側の肘掛けは、2つのドア3b,3cと支柱部2aとに分散して設けられ、2つのドア3b,3cと支柱部2aとに分散して設けられた肘掛け部が一体的となって一つのシートに対する肘掛け部となっている。また、この肘掛け部も第1前部区画部20Bの肘掛け部と同様に前方上向き傾斜としており、腕が置き易くなっている。
【0035】
以上説明した本実施形態における車室7の後部座席空間7bの構造によれば、快適な居住空間確保されており、背もたれ部2を後方に倒すとともに、脚載置部23を上昇させて、着座者の頭部から脚の範囲にかけてシート5をフルフラットにした場合に、プライベートな空間がシート毎に確保され、リラックスして睡眠をとることができる。
【0036】
また、シート5A,5Bは、座部21、背もたれ部22、ふくらはぎ載部23の各部にマッサージ部を備えており、着座者のほぼ全身にマッサージを施して施療を行えるようになっている。そして、本実施形態の車室構造によって、リラックスした横臥が得られるため、この状態でマッサージを行うことで高いマッサージ効果が得られる。
特に、自動車の走行中において、着座者のふくらはぎにマッサージを施すことで、深部静脈血栓症を簡単に予防することができる
【0037】
背もたれ部22のマッサージ部25は、揉み玉25aを電動モータ(図示省略)によって駆動させて揉み・叩き・ローリング等のマッサージを行う機械式のものであり、揉み玉25aが背もたれ部2内において上下方向に移動して、着座者の首から腰の範囲をマッサージするように構成されている。
【0038】
座部21のマッサージ部26及びふくらはぎ載部23のマッサージ部27は、空気袋26a,27a,27bを膨脹収縮させて押圧マッサージ等を行う空気式のものであり、座部マッサージ部26は、臀部及び大腿部をマッサージするように空気袋26aが配置され、ふくらはぎマッサージ部27はふくらはぎ(及び足首)をマッサージするように空気袋27a,27bが配置されている。また、ふくらはぎマッサージ部27の空気袋には、ふくらはぎ載面23aに配置されて膨脹によりふくらはぎの裏側を押圧する第1空気袋27aと、側面部23bに配置されて膨脹によりふくらはぎの側面を押圧する第2空気袋27bとがあり、第1空気袋27aと第2空気袋27bとで脚を個別に挟持できるようになっている。また、両側面部23bに配置された第2空気袋27b,27bは、両脚を左右から挟持して、両脚を拘束できるため、自動車1の走行中に第2空気袋27b,27bによって両脚を拘束することで、脚部サポートにもなる。
【0039】
なお、マッサージ用の空気袋26a,27a,27bに圧縮空気を供給する空気供給源(エアポンプ)30は、座部21の下方側に配置されており、図示しないエア配管によって各空気袋に空気が供給されるようになっている。
また、各マッサージ部25,26,27、背もたれ部22のリクライニング、ふくらはぎ載部23の上下回動等の操作は、操作器31によって行える。操作器31は、後部座席空間の左右側面である第3ドア3cの内面に設けられた操作器ホルダ32によって着脱自在に保持されている。なお、操作器ホルダ32は、支柱部2aの内面に設けても良い。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ふくらはぎマッサージ部は、空気袋に限らず、ローラ式、バイブレータ式等であってもよい。また、後部座席用のシートは、2つ設けられている必要はなく、一つでもよい。また、シートは、着座者が前方を向くように設置されているが、着座者が後方に向くように前後逆向きに設置してもよい。シートを前後逆向きに配置する場合には、背もたれ部22が第2ドア3b側に位置し、ふくらはぎ載部23が第3ドア3b側に位置するのがよい。
さらに、ドアは、車体2の左右両側に存在する必要はなく、いずれか一方側だけでもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車の長時間走行中であっても、ふくらはぎをマッサージすることで、深部静脈血栓症を簡単に予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る自動車の側面図である。
【図2】自動車の車室構造を示す側面図である。
【図3】自動車の車室構造を示す平面図である。
【図4】ドア側の肘掛け部とシートとの位置関係を示す側面図である。
【符号の説明】
1 自動車(リムジン)
2 車体
3a 第1ドア(運転席用)
3b 第2ドア(後部座席用)
3c 第3ドア(後部座席用)
4 運転席
5 後部座席(自動車用シート)
7 車室
12 床面
21 座部
22 背もたれ部
23 ふくらはぎ載部
23a ふくらはぎ載置面
23b 側面部
27 ふくらはぎマッサージ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用シート及び自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用シートにマッサージ機能を持たせたものが、従来から知られており、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
従来の自動車用シートは、座部と当該座部の後部に設けられた背もたれ部とを有して構成されており、振動などによるマッサージ機能を背もたれ部に持たせることで、シート着座者の疲労回復を図っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−49668号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シートに長時間着座して、脚を動かさないでいると、深部静脈血栓症が生じることが、近年、知られてきている。この深部静脈血栓症は、飛行機のシートに座って長時間同じ姿勢でいることによって発症することがあるため、エコノミークラス症候群とも呼ばれる。
深部静脈血栓症は、飛行機のシートに座っているときに限らず、自動車のシートに座っているときにおいても同様に発症する可能性がある。このため、自動車の乗車時にも深部静脈血栓症への対策が必要である。
ここで、深部静脈血栓症は、軽い運動を行うことで予防できる。したがって、飛行機搭乗中の場合には、長時間同じ姿勢でいることを避け、客室内を歩き回ることなどで自然に予防が行える。
しかし、自動車の場合、車内には歩き回るほどのスペースがないため、歩き回って自然に予防を行うというわけにはいかず、長時間乗車している場合には、座ったまま体操するなどの何らかの積極的な予防策を着座者自身が講じる必要があり面倒である。
また、特許文献1に記載されているようなマッサージ機能を有する自動車用シートは、着座者の背中をマッサージすることで疲労回復等を図るものにすぎず、背中をマッサージしても深部静脈血栓症の予防とはならない。
そこで、本発明は、深部静脈血栓症の予防を行える自動車用シート及び自動車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自動車の車室の床面に設置される座部と、当該座部の後部に設けられた背もたれ部と、を備えた自動車用シートにおいて、自動車の走行中に着座者のふくらはぎにマッサージを行えるふくらはぎマッサージ部を具備していることを特徴とする。
【0006】
深部静脈血栓症を予防するには、ふくらはぎをマッサージすることによっても行えるため、本発明によれば、自動車の長時間走行中であっても、ふくらはぎをマッサージすることで、深部静脈血栓症を簡単に予防することができる。
【0007】
また、本発明では、前記座部の前部には、少なくともふくらはぎを載せることができるふくらはぎ載面部が設けられ、当該ふくらはぎ載面部には、ふくらはぎの側方に位置するように立設された側面部が設けられ、前記ふくらはぎマッサージ部は、前記側面部に設けられており、ふくらはぎを側面から押圧マッサージ可能となっているとともに、自動車の走行中にふくらはぎを側面から押圧して脚部を拘束する脚部サポートとなっているのが好ましい。
【0008】
従来、自動車用シートにおけるサポート機能としては、ランバーサポート等が一般的であるが、ふくらはぎを側面から押圧して脚部をサポートするものはなく、本発明のように、ふくらはぎを側面から押圧することで新たなサポート機能が得られる。
【0009】
また、本発明に係る自動車は、車体の左右側面の少なくともいずれか一方の側面に車体前後方向に隣接した2つ以上のドアを備え、前記自動車の車室に自動車用シートが設置された自動車であって、前記自動車用シートは、前記車室の床面に設置される座部と、前記座部の後部に設けられてリクライニング可能な背もたれ部と、前記座部の前部に設けられて上下回動可能なふくらはぎ載部と、前記ふくらはぎ載部に設けられたふくらはぎマッサージ部と、を備え、更に、前記自動車用シートは、前記座部が、前記2つのドアに対して前後方向に跨って位置し、前記背もたれ部が、前記2つのドアのうちの一方側に位置し、前記ふくらはぎ載部が、前記2つのドアのうちの他方側に位置するように、前記車室内に配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る自動車では、自動車用シートとして、座部と背もたれ部に加え、ふくらはぎ載せ部を備えているため、背もたれ部をリクライニングさせて後方に倒すとともに、ふくらはぎ載せ部を上方回動させると、シート前後方向長さが大きくなる。
したがって、シートをドアに対応させて配置すると、シートのための十分なスペースが確保できない。
そこで、上記のように、座部を2つのドアに対して前後方向に跨るように配置することで、車室内にシートを配置するための十分なスペースが確保できる。
【0011】
また、前記2つのドアの車室内面側には、それぞれ肘掛け部が設けられており、各ドアの前記肘掛け部が一つの前記自動車用シートに対する肘掛け部となっているのが好ましい。
【0012】
さらに、前記2つのドアは、運転席用のドアよりも後方にあって、前記自動車用シートが後部座席用とされているのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車1を示しており、この自動車は、いわゆるリムジンとして構成されており、車体2は、左右側面にそれぞれ、3つ(複数)のドア3a,3b,3cを有している。各ドア3a,3b,3cのうち、最前側の第1ドア3aが運転席4用(又は運転席側方の助手席用)のドアであり、後ろの2つのドア(第2ドア3b及び第3ドア3c)が後部座席5用のドアである。
各ドア3a,3b、3cは、車体2に対して回動することによって開閉される回動式開閉ドアであり、本実施形態では、各ドア前部側を軸心として左右回動により開閉がなされる。
【0014】
車体2内部には、居住空間となる車室7が確保されており、この車室7は、運転席4(及び助手席)側と、後部座席5側とで前後に仕切られている。前側の運転席空間7aと、後側の後部座席空間7bとは、仕切壁8によって仕切られており、運転席空間7aの後方に広く居住性の高い後部座席空間7bが確保されている。
【0015】
車室7の後部座席空間7bにおいては、前記仕切壁8が前側の側壁となり、後部トランクルーム9との仕切壁10が後側の側壁となり、左右の第2及び第3ドア3b,3cが左右両側の側壁となっており、後部座席空間7bは、これらの側壁8,10,3b,3c並びに床面12及び天井14で囲まれた空間となっている。なお、車体2は、第2ドア3b及び第3ドア3の境界部において、床面12から天井の間を繋ぐ支柱部2aを備えており、この支柱部2aもドア3b,3cとともに後部座席空間7bの左右両側側壁の一部を構成している。
【0016】
また、後部座席空間7bの車体前後方向長さは、2つ(複数)のドア3b,3cの前後方向長さの和にほぼ対応した大きさとなっており広い空間が確保されている。なお、後部座席空間7bの前部には、キャビネット15が設けられている。
【0017】
ここで、実施形態に係る自動車1は、FR車であり、フロントのエンジンから後輪側へ向けてプロペラシャフト(図示省略)が車体の左右幅方向中央位置で延びている。図2及び図3に示すように、後部座席空間7bの床面12の左右幅方向中央位置には、前記プロペラシャフトを避けるために、前後に延びるトンネル状の突起部16が形成されており、当該突起部16の内部をプロペラシャフトが通っている。この突起部16のため、床面12の左右幅方向中央位置16は、その左右両側12a,12bよりも高くなっている。
【0018】
前後に延びる突起部16の上には、後部座席空間7bを左右に区画する区画側壁部20が立設されている。すなわち、突起部16は、区画側壁部20の台座ともなっている。区画側壁部20は、後部座席空間7bのほぼ全体を左右に区画するために、空間7b前側のキャビネット15から空間7b後側の仕切壁10の間において前後方向に延びて形成されている。
【0019】
区画側壁部20の左右両側には、それぞれ後部座席5となる自動車用シート5A,5Bがそれぞれ設置されている。すなわち、シート5A,5Bの間に区画側壁部20が設けられている。
シート5A,5Bは、左右の床面12a,12b上にそれぞれ個別に設置されており、床面12a,12b上に取り付けられる座部21と、座部21の後部に設けられた背もたれ部22と、脚のふくらはぎを載せることができるふくらはぎ載部23とを備えている。なお、ここでは、ふくらはぎ載部23は、ふくらはぎから足首の範囲まで載せることができるように長めに形成されている。
【0020】
座部21は、上面である座面が前方上向き傾斜となるように設けられている。このように座部21前側が高いため、ふくらはぎ載部23を位置させることができる。
また、この座部21は、2つのドア3b,3cの境界部である支柱部2aに対して前後方向両側に跨るように位置している。すなわち、座部21は、前後2つのドア3b,3cに跨って配置されている。なお、座部21は、床面12a,12bに対して前後方向位置が自動又は手動でスライド可能に設けられており、そのシート5A,5Bの前後方向位置が調節可能となっている。
【0021】
背もたれ部22は、後側の第3ドア3c側に位置しており、電動リクライニングによって起伏可能となっている。なお、リクライニング方式は、電動等の自動式のものに限らず、手動式であってもよい。
後部座席空間7b内において、起立状態の背もたれ部22の後方には、当該背もたれ部22が後方に倒れるのを許容するための後方空間24Aが確保されている。したがって、図2において2点鎖線で示すように背もたれ部22を後方へ倒すことによって、座部21と背もたれ部22との間でシートをほぼフラットにでき、着座者が横臥状態になれる。なお、背もたれ部22は、着座者の背中だけでなく頭部を受けることができる程度の高さを有しており、ヘッドレストをも兼ねている。
【0022】
背もたれ部22が起立状態にあるときには、当該背もたれ部22と後側側壁である仕切壁10との間の後方空間24Aは、トランクルームとは別の荷物置きスペースとして利用できる。そして、この場合、第3ドア3cは、後方空間24Aに荷物等を出し入れするためのドアとなる。すなわち、第3ドア3cがあることにより後方空間24Aを、デッドスペースとせずに荷物置きスペースとして有効活用できるのである。
【0023】
ふくらはぎ載部23は、前側の第2ドア3b側に位置しており、座部21の前側において上下に回動可能になっている。ふくらはぎ載部23は、下降させてふくらはぎ載面23aをほぼ垂直向きにした状態から、図2において2点鎖線で示すように上昇させてふくらはぎ載面23aがほぼ水平向きとなる範囲の間で、回動させることができる。ふくらはぎ載部23を上昇させて脚を載せることで、脚を伸ばしてリラックスすることができる。
【0024】
また、ふくらはぎ載面23aの左右両側には、ふくらはぎの側方に位置するように側面部23b,23bが立設されており、両側面部23b,23bの間に着座者の両脚を載せることができるようになっている。なお、ふくらはぎ載面23aの左右中央位置にも側面部を設けても良い。
後部座席空間7aにおいて、ふくらはぎ載部23の前方には、ふくらはぎ載部23が上昇するのを許容するとともに、着座者が脚を伸ばすための前方空間24Bが確保されている。座部21が2つのドア3b,3cに跨って配置されていることで、当該座部21が比較的後方に位置しており、前方空間24Bとして、脚載置部23よりも前方に広い空間を確保できている。
【0025】
また、第2ドア3bを開けた場合には、前方空間24Bは、後部座席5への乗降のための空間となる。本実施形態では、座部21の前側にふくらはぎ載部23を設けても、広い乗降空間24Bが確保されているので、乗降が容易である。また、前方空間24Bを広くとれるため、後部座席空間7bの前側に、前述のキャビネット15を設置することも可能となっており、シート5A,5Bの着座者に正対してキャビネット15が位置することにより、居住性が向上する。
【0026】
前記区画側壁部20は、背もたれ部22を後方に倒したときに側方に位置することになる後部区画部20Aと、当該後部区画部20Aよりも前側にあって当該後部区画部20Bよりも低い前部区画部20Bとを有している。図2に示すように、後部区画部20Aは、後方に倒した背もたれ部22よりも高くなるような高さを有している。この後部区画部20Aは、左右の第3ドア3cの間で、各シート5A,5Bの背もたれ部22間(後部空間24A,24A間)での目隠しとなるものであり、各シート5A,5B毎に区画されたプライベートな空間を確保している。
【0027】
後部区画部20Aは、後方に倒した背もたれ部22に横臥している着座者の頭部よりも上方にまで後部区画部20Aが位置することで、好適な空間を形成することができる。また、各シート5A,5B毎の空間を完全に区画するには、後部区画部20Aを天井14に至る高さとするのが好ましいが、後部区画部20Aを高くしすぎると、後部座席空間7bを狭く感じさせるため、本実施形態のように、後部区画部20Aの上端部を天井14よりも低くして、後部区画部20Aの上方では空間7bを区画しないようにするのが好ましい。
【0028】
なお、区画性の確保と空間狭小化防止の双方を実現するには、後部区画部20Aに、上下スライド式のスライド隔壁を設けておき、背もたれ部22を倒したときなど区画性を得えたい場合にはスライド隔壁を上昇させて高くし、背もたれ部22を起こしたときなど空間の広がりを得たい場合には、スライド隔壁を下降させて低くすればよい。
【0029】
後部区画部20Aは、前側ほど高さが小さくなるように形成されており、具体的には、後部区画部20Aの上端部が前側ほど低くなり、前端部において前側区画部20Bの後端部と同じ高さになるまで湾曲した湾曲曲面となっている。後部区画部20Aの前側が低くなっていることで、後部座席空間7bを不必要に区画して空間7bを狭く感じないようにされている。
【0030】
また、後部区画部20Aの上端面には、上方に向かって光りを照射するランプ20A−aが設置されており、後部座席空間7bの照明となっている。この照明20A−aは、倒した背もたれ部22よりも上方に位置して上方を照らしており、横臥状態の着座者に眩しさを与えることなく、照明ができる。また、複数のランプ20A−aのうち、下方に湾曲した上端面の前側に位置するランプは、前斜上方に向けて光を照らすため、後部座席空間7bの前方をも照らすことができる。
【0031】
後部区画部20Aの前端部から前方に延びる前部区画部20Bは、座部22のほぼ側方に位置しており、しかも、後部区画部20Aよりも低いため、着座者が背もたれを起こしてシート5A,5Bに着座している場合には、左右のシート5A,5B間での区画感をほとんど感じないようになっている。さらに、前部区画部20Bは、座部22よりも高い位置にあって、上端面に着座者が腕を置くことができる肘掛け部を兼ねている。この前部区画部20Bは、上端面が座部22と同様に前方上向き傾斜となっており、腕を置き易くなっている。また、前部区画部20Bは、左右両側のシート5A,5Bから腕を置けるように後部区画部20Aよりも幅広に形成されている。換言すると、後部区画部20Aは、肘掛け部として機能する必要がないため、前部区画部20Bよりも幅狭に形成されており、後部空間24A,24Aが広くなるようにしている。
【0032】
本実施形態では、区画側壁部20は、前部区画部20B(以下、「第1前部区画部」という)よりも更に前方に延びて、ふくらはぎ載部23の側方に位置する第2前部区画部20Cと、第2前部区画部20Cよりも更に前方に延びる第3前部区画部20Dとを備えている。
【0033】
第2前部区画部20Cは第1前部区画部20Bよりも、第3前部区画部20Dは第2前部区画部20Cよりも低くなるように形成されている。つまり、区画側壁部20は、横臥時の目隠しの必要性の低い前側ほど低くなるように形成されており、開放感を確保している。また、区画側壁部20の前側が低いことで、前側空間24Bにおいて、区画側壁部20(第3前部区画部20D)を跨いで着座者が左右に移動するのが比較的容易となっている。
【0034】
図3及び図4に示すように、左右の第2ドア3b及び第3ドア3cには、車室内面側にそれぞれ肘掛け部3b−1,3b−2が設けられ、さらに支柱部2aの車室内面側にも肘掛け部2a−1が設けられている。
前側の第2ドア3bの肘掛け部3b−1は、当該第2ドア3bの後部に設けられ、後側の第3ドア3cの肘掛け部3c−1は、当該第3ドア3cの前部に設けられ、肘掛け部3b−1と肘掛け部3c−1に挟まれるように支柱部2aの肘掛け部2a−1が設けられている。第2及び第3ドア3b,3cが閉まっている状態において、各肘掛け部3b−1,3c−1,2a−1の上面は面一状となって、各シート5A,5Bに対する片方の肘掛け部となっている。すなわち、各シート5A,5Bのドア側の肘掛けは、2つのドア3b,3cと支柱部2aとに分散して設けられ、2つのドア3b,3cと支柱部2aとに分散して設けられた肘掛け部が一体的となって一つのシートに対する肘掛け部となっている。また、この肘掛け部も第1前部区画部20Bの肘掛け部と同様に前方上向き傾斜としており、腕が置き易くなっている。
【0035】
以上説明した本実施形態における車室7の後部座席空間7bの構造によれば、快適な居住空間確保されており、背もたれ部2を後方に倒すとともに、脚載置部23を上昇させて、着座者の頭部から脚の範囲にかけてシート5をフルフラットにした場合に、プライベートな空間がシート毎に確保され、リラックスして睡眠をとることができる。
【0036】
また、シート5A,5Bは、座部21、背もたれ部22、ふくらはぎ載部23の各部にマッサージ部を備えており、着座者のほぼ全身にマッサージを施して施療を行えるようになっている。そして、本実施形態の車室構造によって、リラックスした横臥が得られるため、この状態でマッサージを行うことで高いマッサージ効果が得られる。
特に、自動車の走行中において、着座者のふくらはぎにマッサージを施すことで、深部静脈血栓症を簡単に予防することができる
【0037】
背もたれ部22のマッサージ部25は、揉み玉25aを電動モータ(図示省略)によって駆動させて揉み・叩き・ローリング等のマッサージを行う機械式のものであり、揉み玉25aが背もたれ部2内において上下方向に移動して、着座者の首から腰の範囲をマッサージするように構成されている。
【0038】
座部21のマッサージ部26及びふくらはぎ載部23のマッサージ部27は、空気袋26a,27a,27bを膨脹収縮させて押圧マッサージ等を行う空気式のものであり、座部マッサージ部26は、臀部及び大腿部をマッサージするように空気袋26aが配置され、ふくらはぎマッサージ部27はふくらはぎ(及び足首)をマッサージするように空気袋27a,27bが配置されている。また、ふくらはぎマッサージ部27の空気袋には、ふくらはぎ載面23aに配置されて膨脹によりふくらはぎの裏側を押圧する第1空気袋27aと、側面部23bに配置されて膨脹によりふくらはぎの側面を押圧する第2空気袋27bとがあり、第1空気袋27aと第2空気袋27bとで脚を個別に挟持できるようになっている。また、両側面部23bに配置された第2空気袋27b,27bは、両脚を左右から挟持して、両脚を拘束できるため、自動車1の走行中に第2空気袋27b,27bによって両脚を拘束することで、脚部サポートにもなる。
【0039】
なお、マッサージ用の空気袋26a,27a,27bに圧縮空気を供給する空気供給源(エアポンプ)30は、座部21の下方側に配置されており、図示しないエア配管によって各空気袋に空気が供給されるようになっている。
また、各マッサージ部25,26,27、背もたれ部22のリクライニング、ふくらはぎ載部23の上下回動等の操作は、操作器31によって行える。操作器31は、後部座席空間の左右側面である第3ドア3cの内面に設けられた操作器ホルダ32によって着脱自在に保持されている。なお、操作器ホルダ32は、支柱部2aの内面に設けても良い。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ふくらはぎマッサージ部は、空気袋に限らず、ローラ式、バイブレータ式等であってもよい。また、後部座席用のシートは、2つ設けられている必要はなく、一つでもよい。また、シートは、着座者が前方を向くように設置されているが、着座者が後方に向くように前後逆向きに設置してもよい。シートを前後逆向きに配置する場合には、背もたれ部22が第2ドア3b側に位置し、ふくらはぎ載部23が第3ドア3b側に位置するのがよい。
さらに、ドアは、車体2の左右両側に存在する必要はなく、いずれか一方側だけでもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車の長時間走行中であっても、ふくらはぎをマッサージすることで、深部静脈血栓症を簡単に予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る自動車の側面図である。
【図2】自動車の車室構造を示す側面図である。
【図3】自動車の車室構造を示す平面図である。
【図4】ドア側の肘掛け部とシートとの位置関係を示す側面図である。
【符号の説明】
1 自動車(リムジン)
2 車体
3a 第1ドア(運転席用)
3b 第2ドア(後部座席用)
3c 第3ドア(後部座席用)
4 運転席
5 後部座席(自動車用シート)
7 車室
12 床面
21 座部
22 背もたれ部
23 ふくらはぎ載部
23a ふくらはぎ載置面
23b 側面部
27 ふくらはぎマッサージ部
Claims (5)
- 自動車の車室の床面に設置される座部と、当該座部の後部に設けられた背もたれ部と、を備えた自動車用シートにおいて、
自動車の走行中に着座者のふくらはぎにマッサージを行えるふくらはぎマッサージ部を具備していることを特徴とする自動車用シート。 - 前記座部の前部には、少なくともふくらはぎを載せることができるふくらはぎ載面部が設けられ、
当該ふくらはぎ載面部には、ふくらはぎの側方に位置するように立設された側面部が設けられ、
前記ふくらはぎマッサージ部は、前記側面部に設けられており、ふくらはぎを側面から押圧マッサージ可能となっているとともに、自動車の走行中にふくらはぎを側面から押圧して脚部を拘束する脚部サポートとなっていることを特徴とする請求項1記載の自動車用シート。 - 自動車の車体の左右側面の少なくともいずれか一方の側面に車体前後方向に隣接した2つ以上のドアを備え、前記自動車の車室に自動車用シートが設置された自動車であって、
前記自動車用シートは、
前記車室の床面に設置される座部と、
前記座部の後部に設けられてリクライニング可能な背もたれ部と、
前記座部の前部に設けられて上下回動可能なふくらはぎ載部と、
前記ふくらはぎ載部に設けられたふくらはぎマッサージ部と、
を備え、
更に、前記自動車用シートは、
前記座部が、2つのドアに対して前後方向に跨って位置し、
前記背もたれ部が、前記2つのドアのうちの一方側に位置し、
前記ふくらはぎ載部が、前記2つのドアのうちの他方側に位置するように、
前記車室内に配置されている、
ことを特徴とする自動車。 - 前記2つのドアの車室内面側には、それぞれ肘掛け部が設けられており、
各ドアの前記肘掛け部が一つの前記自動車用シートに対する肘掛け部となっていることを特徴とする請求項4記載の自動車。 - 前記2つのドアは、運転席用のドアよりも後方にあって、前記自動車用シートが後部座席用とされていることを特徴とする請求項3又は4記載の自動車。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071127 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080408 |