JP2004214927A - 携帯用電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子部品が収容されるケース部2a,3aと、このケース部2a,3aの端部に形成された筒状のヒンジ部2b,3bとをそれぞれ有する蓋部2及び操作部3を備え、各ヒンジ部2b,3b内を挿通して蓋部2と操作部3とを電気的に接続するフレキシブル配線基板10を有する携帯用電子機器において、蓋部2及び操作部3にヒンジ部2b,3bとケース部2a,3aとを仕切りフレキシブル配線基板10が挿通される防水キャップ14をそれぞれ設けた。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒンジ部を介して互いに連結される第1筐体及び第2筐体を備えた携帯用電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話端末等の携帯用電子機器では、ヒンジ部を介して互いに折り畳み自在に連結された第1筐体及び第2筐体とを備えたものが主流となりつつある(例えば、特許文献1参照。)。この種の携帯用電子機器においては、第1筐体に表示部が配されるとともに、第2筐体に操作キーが配される。これにより、使用者等は、各筐体を展開した状態で、電子機器の操作、電子機器の動作状態の認識等を行うことができる。
【0003】
各筐体は、電子部品等が収容される略箱状のケース部と、ケース部の端部にケース部と連通して形成された略円筒形状のヒンジ部とを有している。各ヒンジ部は互い違いとなるよう連結され、各筐体の相対的な回動が許容されるよう構成されている。各ヒンジ部内には、第1筐体と第2筐体とを電気的に接続する配線体が挿通される。この配線体は一般にはフレキシブル配線基板により構成され、これにより、各筐体間で電気的な信号の送受信が実現される。
【0004】
この携帯用電子機器によれば、各筐体のケース部とヒンジ部とは別個に形成されており、ケース部とヒンジ部との連結部分にゴムパッキン等を介在させることによりこの部分の防水が図られている。
【0005】
さらに、各筐体のヒンジ部同士の防水を図った携帯用電子機器として、各ヒンジ部の摺動部間にゴムパッキンを介在させたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−82439号公報
【特許文献2】
特開2002−221217号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、一般の携帯用電子機器では、ケース部及びヒンジ部、ヒンジ部同士等で防水が図られている。
しかしながら、雨水等が付着する程度であれば前述の構造で防水されるものの、各筐体のヒンジ部同士は摺動が許容される構成となっているので、過大な水圧が摺動部に加わる水没時においては、ヒンジ部同士で完全な防水を図ることは極めて困難である。すなわち、携帯用電子機器が水没した際に、各筐体のヒンジ部同士の間隙から水が各ケース部内へ浸入し、ケース部内の電子部品が故障するという問題点があった。
【0008】
本発明の課題は、上述した従来の問題点を解消するため、ヒンジ部を介して互いに連結された第1筐体と第2筐体とを配線体により電気的に接続しても、水没時に各筐体内の電子部品を的確に保護することができる携帯用電子機器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、例えば図1から図8に示すように、
請求項1に記載の発明では、
電子部品(例えば、多層プリント配線板7,11、液晶モジュール8、コネクタ9,12,13等)が収容されるケース部(2a,3a)と、このケース部の端部に形成された筒状のヒンジ部(2b,3b)とをそれぞれ有する第1筐体(例えば、蓋部2等)及び第2筐体(例えば、操作部3等)を備え、前記各ヒンジ部内を挿通して第1筐体と第2筐体とを電気的に接続する配線体(例えば、フレキシブル配線基板10等)を有する携帯用電子機器(例えば、携帯電話端末1等)において、
前記第1筐体及び第2筐体に、ヒンジ部とケース部とを仕切り前記配線体が挿通される防水部(例えば、防水キャップ14等)をそれぞれ設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、携帯用電子機器が水没した際に、ヒンジ部内へ水が浸入するものの、ヒンジ部とケース部とが防水部により仕切られていることから、防水部によりヒンジ部内からケース部内への水の浸入が阻止される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯用電子機器において、
前記防水部は、前記配線体を、ケース部内における延在方向と略同一の方向でヒンジ部内へ案内することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、配線体はケース部内から略同一の方向でヒンジ部内まで案内される。ここで、配線体は防水部にて支持されているので、ケース部側で配線体がねじられることはないし、ヒンジ部内で配線体が比較的安定した形状となる。
すなわち、第1筐体と第2筐体とが回動すると、配線体がねじられることとなるが、ねじりによる負荷は防水部による支持部分で受けられ、ケース部内の電子部品との接続部分までは伝達しない。また、ヒンジ部内では、配線体が安定した形状であるので、回動時に配線体がねじられたとしても、大きく変形することはない。
また、配線体の挿通位置が異なる防水部とすることにより、ヒンジ部内の配線体の曲成状態を変更することができる。これにより、各筐体の回動によるヒンジ部における配線体同士のこすれ等の調整が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1から図8は本発明の携帯用電子機器の一実施形態を示すもので、図1は蓋部及び操作部が展開した状態の携帯電話端末の上面図、図2は蓋部及び操作部が展開した状態の携帯電話端末の側面断面図である。
【0014】
図1に示すように、この携帯用電子機器は携帯電話端末1であり、第1筐体としての蓋部2と、第2筐体としての操作部3とが、ヒンジ機構4を介して互いに折り畳み自在に連結されている。蓋部2にはメイン表示部5が配され、蓋部2と操作部3とが展開した状態で、メイン表示部5に携帯電話端末1の動作状態等が表示されるようになっている。また、操作部3には操作キー6が配され、蓋部2と操作部3とが展開した状態で、操作キー6によって携帯電話端末1の操作が可能となっている。
【0015】
図2に示すように、蓋部2は、平坦な箱状に形成されており、電子部品が収容されるケース部2aと、このケース部2aの端部に形成された筒状のヒンジ部2b(後述する図4参照)とを有している。ケース部2aは、間隙2cを除いては、テープ、Oリング、耐水シート等により、防水気密が保たれている。尚、この防水構造は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
【0016】
図2に示すように、ケース部2a内には、電子部品として、多層プリント配線板(PWB)7、これに接続される液晶モジュール8等が配される。多層プリント配線板7は蓋部2の各所を電気的に接続するものであり、液晶モジュール8はメイン表示部5に画像を表示するものである。多層プリント配線板7にはコネクタ9が設けられ、このコネクタ9に蓋部2と操作部3とを電気的に接続する配線体としてのフレキシブル配線基板(FPC)10の一端が接続される。図3に示すように、フレキシブル配線基板10は従来公知のものと同様、所定の幅方向寸法を有して所定方向へ延び、一端側と他端側とを電気的に接続するものである。図4に示すように、ケース部2aとヒンジ部2bとの間には間隙2cが形成されており、フレキシブル配線基板10はこの間隙2cを通じてヒンジ部2b内へと案内される。本実施形態においては、このフレキシブル配線基板10のベースは、液晶ポリマーにより形成されている。
【0017】
また、図2に示すように、操作部3は、平坦な箱状に形成されており、電子部品が収容されるケース部3aと、このケース部3aの端部に形成された筒状のヒンジ部3bとを有している。本実施形態においては、操作部3に電池が格納される。ケース部3aは、間隙3cを除いては、テープ、Oリング、耐水シート等により、防水気密が保たれている。尚、この防水構造は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
【0018】
図2に示すように、ケース部3a内には、電子部品として、操作キー6等に接続される多層プリント配線板11等が配される。多層プリント配線板11は操作部3の各所を電気的に接続するものである。多層プリント配線板11には、電池側と電気的に接続される第1コネクタ12と、フレキシブル配線基板10の他端が接続される第2コネクタ13とが設けられる。これにより、蓋部2及び操作部3の各所に電力が供給されるとともに、蓋部2及び操作部3の各所が電気的に接続される。図5に示すように、ケース部3aとヒンジ部3bとの間には間隙3cが形成されており、フレキシブル配線基板10はこの間隙3cを通じてヒンジ部3b内へと案内される。
【0019】
本実施形態においては、図3に示すように、蓋部2のヒンジ部2bと操作部3のヒンジ部3bは、それぞれ略円筒状に形成され、互いに略同径であり軸方向に互い違いとなるよう形成されている。フレキシブル配線基板10は、図6に示すように、各ヒンジ部2b,3bの軸方向と、その幅方向とが略平行な状態で引き廻される。また、図6に示すように、フレキシブル配線基板10は、各ヒンジ部2b,3b内では、軸方向位置を変化させながら軸方向廻りに曲成するよう引き廻される。これにより、蓋部2及び操作部3が回動した際に、フレキシブル配線基板10の曲成部分が各ヒンジ部2b,3b内で弛張し、蓋部2と操作部3との電気的接続が維持される。
【0020】
蓋部2及び操作部3には、各ケース部2a,3aと各ヒンジ部2b,3bとを仕切り、フレキシブル配線基板10が挿通される防水キャップ14が設けられる。本実施形態においては、図4及び図5に示すように、各ケース部2a,3aと各ヒンジ部2b,3bとの間に、筐体内壁に突設された突出部2d,3dが位置しており、防水キャップ14が突出部2d,3dと係合する。また、防水キャップ14は、図7に示すように、フレキシブル配線基板10を、ケース部2a,3a内における延在方向と略同一の方向でヒンジ部2b,3b内へ案内する。
【0021】
図8に示すように、防水キャップ14には、例えばインサート成形等により、フレキシブル配線基板10が埋設される。図6に示すように、防水キャップ14の外周には周方向に亘って溝14aが形成され、この溝14aにOリング15が配される。図7に示すように、防水キャップ14は、間隙2c,3cに圧入されており、突出部2d,3dと圧着している。
【0022】
以上のように構成された携帯電話端末1では、水没した際に、ヒンジ部2b,3b内へ水が浸入するものの、ヒンジ部2b,3bとケース部2a,3aとが防水キャップ14により仕切られていることから、防水キャップ14によりヒンジ部2b,3b内からケース部2a,3a内への水の浸入が阻止される。そして、ケース部2a,3aの他の部分は、前述のように、従来公知と同様に防水処理が施されているので、ケース部2a,3a内へ水が浸入することはない。
【0023】
また、フレキシブル配線基板10のベースを、ポリイミド等に比べて吸水率の低い液晶ポリマーから形成したので、ヒンジ部2b,3bに浸水した状態であっても、フレキシブル配線基板10の配線体分にマイグレーション現象が生じることはない。すなわち、携帯電話端末1の水没があっても、フレキシブル配線基板10の機能が損なわれることはない。
【0024】
また、フレキシブル配線基板10はケース部2a,3a内から略同一の方向でヒンジ部2b,3b内まで案内される。ここで、フレキシブル配線基板10は防水キャップ14にて支持されているので、ケース部2a,3a側でフレキシブル配線基板10がねじられることはないし、ヒンジ部2b,3b内でフレキシブル配線基板10が比較的安定した形状となる。
【0025】
すなわち、蓋部2と操作部3とが回動すると、フレキシブル配線基板10がヒンジ部2b,3b内でねじられることとなるが、ねじりによる負荷は防水キャップ14による支持部分で受けられ、ケース部2a,3a内のコネクタ9,13との接続部分までは伝達しない。また、ヒンジ部2b,3b内では、フレキシブル配線基板10が安定した形状であるので、回動時にフレキシブル配線基板10がねじられたとしても、大きく変形することはない。
【0026】
また、フレキシブル配線基板10の挿通位置が異なる防水キャップ14とすることにより、ヒンジ部2b,3b内のフレキシブル配線基板10の曲成状態を変更することができる。これにより、蓋部2及び操作部3の回動によるヒンジ部2b,3bにおけるフレキシブル配線基板10同士のこすれ等の調整が可能となる。
【0027】
このように、本実施形態の携帯電話端末1によれば、水没した際に、防水キャップ14によりヒンジ部2b,3b内からケース部2a,3a内への水の浸入が阻止されるようにしたので、ケース部2a,3a内の電子部品を確実に保護することができる。すなわち、ヒンジ部2b,3bを介して互いに連結された蓋部2と操作部3とをフレキシブル配線基板10により電気的に接続しても、水没時に蓋部2及び操作部3内の多層プリント基板7,11等の電子部品を的確に保護することができる。
【0028】
また、本実施形態の携帯電話端末1によれば、フレキシブル配線基板10のベースを液晶ポリマーから形成したので、携帯電話端末1の水没時に、フレキシブル配線基板10の機能が損なわれることはなく、水没後の携帯電話端末1の使用に支障をきたすことはない。
【0029】
また、本実施形態の携帯電話端末1によれば、ねじりによる負荷がケース部2a,3a内のコネクタ9,13との接続部分までは伝達しないので、応力が集中し易い接続部分の負荷を減じて断線等を防止し、フレキシブル配線基板10の信頼耐久性を向上することができる。また、ヒンジ部2b,3b内ではフレキシブル配線基板10が大きく変形することはないので、ヒンジ部2b,3b内における応力集中を回避して断線を防止することができる。
【0030】
また、本実施形態の携帯電話端末1によれば、フレキシブル配線基板10の挿通位置が異なる防水キャップ14とすることにより、ヒンジ部2b,3bにおけるフレキシブル配線基板10同士のこすれ等の調整が可能であるので、携帯電話端末1のサイズ、仕様等に対応することができ、部品の共用化を促進して製造コストの低減を図ることができるし、設計自由度が飛躍的に向上する。
【0031】
尚、前記実施形態においては、本発明を携帯電話端末1に適用した場合を例にとって説明したが、PDA、携帯用パーソナルコンピュータ等の他の携帯用電子機器に適用可能なことは勿論である。
【0032】
また、前記実施形態においては、防水部として防水キャップ14を設けたものを示したが、例えばシーリング樹脂等を間隙2c,3cに充填して防水部を構成したものであってもよく、防水部の構成は前記実施形態のものに限定されるものではない。
【0033】
また、前記実施形態においては、フレキシブル配線基板10のベースを液晶ポリマーにより形成したものを示したが、ポリイミド等により形成したものであっても、雨に濡れた際における比較的少量の水の浸入であれば機能が損なわれることはないし、その他の具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、携帯用電子機器が水没した際に、防水部によりヒンジ部内からケース部内への水の浸入が阻止されるようにしたので、ケース部内の電子部品を確実に保護することができる。すなわち、ヒンジ部を介して互いに連結された各筐体を配線体により電気的に接続しても、水没時に各筐体内の電子部品を的確に保護することができる。
【0035】
また、請求項2に記載の発明によれば、ねじりによる負荷がケース部内の電子部品との接続部分までは伝達しないので、応力が集中し易い接続部分の負荷を減じて断線等を防止し、配線体の信頼耐久性を向上することができる。また、ヒンジ部内では配線体が大きく変形することはないので、ヒンジ部内における応力集中を回避して断線を防止することができる。
また、配線体の挿通位置が異なる防水部とすることにより、ヒンジ部における配線体同士のこすれ等の調整が可能であるので、携帯用電子機器のサイズ、仕様等に対応することができ、部品の共用化を促進して製造コストの低減を図ることができるし、設計自由度が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の一実施形態を示すものであって、蓋部及び操作部が展開した状態の携帯電話端末の上面図である。
【図2】蓋部及び操作部が展開した状態の携帯電話端末の概略側面断面図である。
【図3】蓋部のヒンジ部と、操作部のヒンジ部とを分解した状態の携帯電話端末の一部上面図である。
【図4】蓋部のヒンジ部付近の側面断面図である。
【図5】操作部のヒンジ部付近の側面断面図である。
【図6】フレキシブル配線基板の上面図である。
【図7】防水キャップと突出部との圧着状態を示す説明図である。
【図8】防水キャップの正面図である。
【符号の説明】
1 携帯電話端末
2 蓋部
2a ケース部
2b ヒンジ部
3 操作部
3a ケース部
3b ヒンジ部
4 ヒンジ機構
5 メイン表示部
6 操作キー
7 多層プリント配線板
8 液晶モジュール
9 コネクタ
10 フレキシブル配線基板
11 多層プリント配線板
12 第1コネクタ
13 第2コネクタ
14 防水キャップ
15 Oリング
Claims (2)
- 電子部品が収容されるケース部と、このケース部の端部に形成された筒状のヒンジ部とをそれぞれ有する第1筐体及び第2筐体を備え、前記各ヒンジ部内を挿通して第1筐体と第2筐体とを電気的に接続する配線体を有する携帯用電子機器において、
前記第1筐体及び第2筐体に、ヒンジ部とケース部とを仕切り前記配線体が挿通される防水部をそれぞれ設けたことを特徴とする携帯用電子機器。 - 前記防水部は、前記配線体を、ケース部内における延在方向と略同一の方向でヒンジ部内へ案内することを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
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