JP4807248B2 - 折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造及び折畳み式電子機器 - Google Patents
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Description
上部ユニット及び下部ユニットを構成する上部筐体及び下部筐体は、それぞれ、例えば、合成樹脂成形品からなり、表面側を構成するフロントケースと、裏面側を構成するリアケースとを有し、組み合されたフロントケースとリアケースとが周縁部に形成されたリブによる嵌合によって、各種構成部品が内部に収納され、又は取り着けられた状態で、着脱自在に組み立てられてなっている。
すなわち、ケーブル102,103は、上部ユニットを構成するレシーバ側基板104の裏面と、下部ユニットを構成するマイク側基板105の裏面とに取り付けられて、上部配線基板104と下部配線基板105とが接続される。
上部筐体のフロントケース106の下端部の中央部には、ヒンジ部101の軸受部を構成する円筒部が形成され、下端部の隅部には、図11乃至図13に示すように、枠状のケーブル挿通部107が形成され、さらに、ケーブル挿通部107の開口108を塞いで防水するためのパッキン部材109が配置されている(例えば、特許文献1等参照)。
次に、パッキン部材109をケーブル挿通部107に嵌め込み、上記軸部材としてのダミーヒンジ軸部111を軸受部に嵌め込む。次に、ケーブル102,103の他端を下部ユニットの回路基板に接続する。
なお、パッキン部材に代えて、ヒンジ部において、チューブ内にケーブルを通して、防水を行う技術も提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
すなわち、携帯電話機の組立て時に、図12に示すように、ダミーヒンジ軸部111を軸受部に嵌入しようとすると、例えば、ケーブル102,103を、ダミーヒンジ軸部111と筐体との間に挟み込んでしまう。
また、携帯電話機の使用時に、筐体を開閉しようとすると、図13に示すように、ケーブル102,103が筐体やダミーヒンジ軸部111と干渉して、ケーブル102,103の被覆が剥がれてしまう等の不具合が発生してしまう。
なお、図2において、パッキン部材23の下方のダミーヒンジ軸部16及びケーブル17,18と、ダミーヒンジ軸部16の下方のケーブル17,18とは、実線を用いて、透視状態で示している。
なお、フロントケース9の上端部のダミーヒンジ軸部16の配置領域に対応する部位には、ケーブル17,18を挿通するための例えば、切欠きを有するケーブル挿通部が形成されている。
すなわち、この例のヒンジ部5は、その内部にケーブル17,18が通された状態で、軸受部14に、軸部材が嵌入されることによって、上部筐体6と下部筐体7とを回動軸の周りに回動可能なように結合させるように構成されている。
上部筐体6と下部筐体7とが組み合された状態で、両円筒部15,26に軸部材としてのヒンジ軸部(不図示)が嵌入され、かつ、円筒部15及び半円筒部25とに、中空部を有するダミーヒンジ軸部16が嵌入されることによって、上部筐体6と下部筐体7とが結合されると共に、上記回動軸の周りに回動可能とされる。
また、ダミーヒンジ軸部16は、中空部を有する部材からなり、所定の箇所が軸方向に沿って切り欠かれてスリット部33が形成されている。
ダミーヒンジ軸部16は、開口端側が内部側となるように、かつ、スリット部33が下部筐体7側を向くように、軸受部14に嵌入される。これによって、ケーブル17,18は、開口端34から中心軸近傍を経由してスリット部33へ至る配置経路に沿って、配置されることとなる。
この例のパッキン部材23は、防水機能と共に、ケーブルの位置決め機能を有し、図5乃至図7に示すように、その表面(携帯電話機1の使用時には上側となる面)の周縁部がケーブル挿通部21の開口(裏面側)22の縁部に押し付けられる平板部35と、先端部でケーブル17,18の所定の部位を押える凸状部36とを有している。
この例のケーブル位置決め構造は、ケーブル挿通部21の開口22を塞ぐように配置されたパッキン部材23を構成する凸状部36の先端部に、ケーブル17,18を配置経路に沿って案内し、ケーブル17,18を押圧する押圧面38と、押圧面38に対して傾斜した側壁面39.39とを有する溝部37が形成され、ケーブル17,18のフロントケース8の厚さ方向及び長さ方向に沿った不要な動き(変位)を規制するように構成されている。
パッキン部材23は、その平板部35の表面の周縁部がフロントケース8の開口22の縁部に当接して、リアカバー11と組み合わされて組み立てられた状態で、平板部35の裏面がリアカバー11によって押圧されて弾性変形して、シールがなされる。
なお、下部筐体7のフロントケース9にも、その上端部のダミーヒンジ軸部16の配置領域に対応する部位には、ケーブル17,18を挿通するためのケーブル挿通部が形成されている。
携帯電話機1を組み立てるには、まず、図1に示すように、上部筐体6のフロントケース8の開口22から、一端がレシーバ側基板31に接続されたケーブル17,18を、ケーブル挿通部21に差し入れて、ヒンジ部5の内部を通過させ、下部筐体7のフロントケース9に形成されたケーブル挿通部を通し、他端がフロントケース9に配置されたマイク側基板32に届くように配置する。
次に、ダミーヒンジ軸部16を、図3及び図8に示すように、開口端側が内部側となるように、かつ、スリット部33が下部筐体7側を向くように、軸受部14に嵌め込む。ここで、ケーブル17,18は、溝部17の押圧面38によって、例えば、フロントケース8の厚さ方向に沿った不要な動きを規制され、溝部37の両側の側壁面39,39によって、厚さ方向に直交するフロントケース8の長さ方向に沿った不要な動きを規制されて、位置決めがなされる。
したがって、ダミーヒンジ軸部16が、ケーブル17,18を、フロントケース8やパッキン部材23との間で、挟み込んでしまうことがない。
次に、ケーブル17,18の他端を、下部ユニット7のマイク側基板32の接続部位に接続する。
また、リアカバー11と組み合わされて組み立てられた状態で、パッキン部材23は、その平板部35の表面の周縁部がフロントケース8の開口22の縁部に当接して、平板部35の裏面がリアカバー11によって押圧されて弾性変形して、シールがなされる。
また、パッキン部材23にケーブルの位置決め機能を兼ねさせたので、構成部品を増やすことなく、かつ、簡易な構成で、正確にケーブルの位置決めを行うことができる。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、パッキン部材の凸状部を廃し、ケーブルにその不要な動きを規制するための中空部材を被覆させた点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、第1の実施例と同一の構成要素については、図9及び図10において、図2及び図3で用いた符号と同一の符号を用いて、その説明を簡略にする。
すなわち、この例のヒンジ部51は、その内部にケーブル17,18が通された状態で、軸受部14に、軸部材が嵌入されることによって、上部筐体6と下部筐体7とを回動軸の周りに回動可能なように結合させるように構成されている。
ダミーヒンジ軸部16は、開口端側が内部側となるように、かつ、スリット部33が下部筐体7側を向くように、軸受部14に嵌入される。これによって、ケーブル17,18は、開口端34から中心軸近傍を経由してスリット部33へ至る配置経路に沿って、配置されることとなる。
この例のケーブル位置決め構造は、ケーブル17,18のヒンジ部51内における所定の部位に、中空部材53が嵌め込まれ、中空部材53が、パッキン部材52等に突き当たることによって、ケーブル17,18の例えばフロントケース8の厚さ方向に沿った不要な動きを規制するように構成されている。
これによって、ケーブル17,18は、ダミーヒンジ軸部16の円筒状壁部41と所定の離隔が確保され、ダミーヒンジ軸部16の中心軸近傍を経由して配置されると共に、レシーバ側基板31の接続部位から、ヒンジ部51内を通過して、マイク側基板32の接続部位へ至るまでの所定の配置経路に沿って、配置される。
例えば、上述した実施例では、パッキン部材の材料として、シリコンゴムを用いる場合について述べたが、シリコンゴムに限らず、耐候性を有するゴムとして、フッ素ゴム、多硫化ゴム等から選択して用いても良い。また、筐体は、金属製でも良いし、樹脂製としても良いし、複合筐体としても良い。
また、パッキン部材の凸状部に設けた溝部は、単一と限らず、ケーブルの本数に合わせて、別々に複数形成しても良い。また、溝部の断面形状は、略台形と限らず、例えば、略円形や、略半円形でも良い。また、溝部を、曲線状に形成するようにしても良い。
また、規制部材として、パッキン部材に兼ねさせずに、専用の規制部材を用いても良いし、筐体と一体化させて規制部材を成形しても良い。
また、中空部材に、パッキン部材に嵌合して、パッキン部材に対して位置決めするための嵌合部を形成するようにしても良い。この場合、ケーブルは中空部材を変位可能なように遊嵌状態としておいても良い。
2 筐体
3 上部ユニット(第1のユニット)
4 下部ユニット(第2のユニット)
5,51 ヒンジ部
7,76 上部筐体
8 フロントケース(第1の枠体)
9 フロントケース(第2の枠体)
14 軸受部
16 ダミーヒンジ軸部(軸部材、ダミーヒンジ)
17,18 ケーブル
21 ケーブル挿通部
22 開口
23 パッキン部材(規制部材)
31 レシーバ側基板
32 マイク側基板
37 溝部
52 パッキン部材
53 中空部材(規制部材、外装体)
Claims (9)
- 第1のユニットと第2のユニットとが、ヒンジ部を介して互いに開閉自在に結合され、かつ、前記第1のユニットを構成する所定の基板と前記第2のユニットを構成する所定の基板とが、前記ヒンジ部を経由するケーブルによって電気的に接続される構成の折畳み式電子機器における前記ケーブルの位置決め構造であって、
前記ヒンジ部は、前記所定の基板間を接続する前記ケーブルを通すケーブル挿通部と、該ケーブル挿通部の開口を塞ぐパッキン部材とを備え、
該パッキン部材には、前記ケーブル挿通部内の前記ケーブルの一部を押えるための凸状部が設けられていて、該凸状部の先端には、前記ヒンジ部の回動に伴う前記ケーブルの不要な動きを、遊隙をもって規制するための規制溝が設けられている
ことを特徴とする折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造。 - 前記パッキン部材が、防水用の部材からなることを特徴とする請求項1記載の折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造。
- 前記パッキン部材が、ゴム材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造。
- 前記パッキン部材には、前記凸状部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1記載の折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造。
- 前記規制溝は、前記ケーブルを押圧する押圧面と、押圧面に対して湾曲傾斜した一対の側壁面とを有してなることを特徴とする請求項1記載の折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造。
- 前記ケーブルが、前記規制溝に通されることによって、前記第1のユニットの厚さ方向及び長さ方向に沿った前記ケーブルの不要な動きを規制して、前記ケーブルの位置決めがなされることを特徴とする請求項1記載の折畳み式電子機器におけるケーブル位置決め構造。
- 請求項1乃至6のいずれか1に記載のケーブル位置決め構造を備えたことを特徴とする折畳み式電子機器。
- 前記第1のユニットを構成する前記所定の基板は、レシーバ側基板であると共に、前記第2のユニットを構成する前記所定の基板は、マイク側基板であることを特徴とする請求項7記載の折畳み式電子機器。
- 前記ケーブルは、前記レシーバ側基板と前記マイク側基板とを電気的に接続すると共に、前記ヒンジ部を構成する軸部材としてのダミーヒンジ内を通されていることを特徴とする請求項8記載の折畳み式電子機器。
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