JP4156407B2 - 携帯型折畳式電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話や携帯型情報機器等の携帯型折畳式電子機器に関するものであり、特に、小型化や電子部品の実装の高密度化に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の折畳式携帯電話は、ヒンジ部を介して開閉可能に接続される受話部筐体及び送話部筐体と、電子部品と電気コネクタが実装され、それぞれ受話部筐体及び送話部筐体に収納される第1、第2の電子基板と、中間部がヒンジ部の空部で螺旋状に巻き回され両端部がそれぞれ電気コネクタに接続されるフレキシブルプリント基板と、を備えて概ね構成されていて、第1、第2の電子基板における電気コネクタ及びフレキシブルプリント基板の実装スペース(実装面積及び実装高さ)は、かなり大きなものとなっていた(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−300247号公報(図4)
【特許文献2】
特開2002−64604号公報(図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯電話や携帯型情報機器等の携帯型折畳式電子機器は、携帯の利便のために年々小型化の要求が強くなり、電子基板上の電子部品実装面積が確保しにくくなっている。電子部品も小型化されてきてはいるが、機器の高機能化の要求もあり部品点数が増え、また、電気コネクタのためのスペース(実装面積及び実装高さ)も必要とするので、これらの部品の電子基板上の十分な実装面積を得ること、及び小型化、薄型化することは、ますます困難になってきている。
【0005】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、電子基板上に実装されている電気コネクタを無くし、その空きスペースに電子部品を実装することにより電子部品の実装面積を確保し、また、小型化、薄型化した携帯型折畳式電子機器を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる携帯型折畳式電子機器は、ヒンジ部を介して開閉可能に接続される第1、第2の筐体と、電子部品が実装され、それぞれ該第1、第2の筐体に収納される第1、第2の電子基板部と、それぞれの一端が該第1、第2の電子基板部の端部と電気的に接続されて一体化成形され、他端部が前記ヒンジ部の空部に延在する第1、第2のフレキシブルプリント基板部と、前記第1、第2のフレキシブルプリント基板部の両他端部を電気的・機械的に接続し、前記ヒンジ部の空部に収納される接続部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる携帯型折畳式電子機器の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0008】
実施の形態1.
図1〜図5を用いて本発明の実施の形態1を説明する。図1は第1、第2のリジッドフレキシブル基板を電気コネクタで接続した状態の側面図、図2は電気コネクタをフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図、図3は円柱形の電気コネクタをフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図、図4は対向接続型コネクタを採用した場合の側面図、図5は折畳式携帯電話の筐体の一部破断斜視図である。
【0009】
図において、第1の筐体としての受話部筐体41は、矩形のボックス状をなし、下端両側には2つの第1のヒンジ43aを備えている。第2の筐体としての送話部筐体42は、矩形のボックス状をなし上端両側には2つの第2のヒンジ43bを備えている。第1、第2のヒンジには両側から2つの回動軸43cが挿入され、受話部筐体41と送話部筐体42とは、回動(開閉)可能に接続される。ヒンジ部43の中央部は空部43dとなっている。
【0010】
リジッドフレキシブルシブル基板とは、複数の信号線やアース線の導体パターンを可撓性を有する絶縁シートで被覆したフレキシブルプリント基板部の一端と、ガラス繊維や有機繊維の織布・不織布に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグにプリント配線金属箔を貼付した電子基板部と、を重ね合わせ(2枚の電子基板部でフレキシブルプリント基板部を挟む構造でも良い。)、加熱・加圧して一体化成形し、スルーホール等で両者を電気的に接続したものである。従って、リジッドフレキシブル基板1、2は、電子基板部1a、2aとフレキシブルプリント基板部1b、2bとの接続に電気コネクタを必要としないものである。第1のリジッドフレキシブル基板1は、受話部筐体41に収納設置され、第2のリジッドフレキシブル基板2は、送話部筐体42に収納設置され、その電子基板部1a、2aには、高密度に電子部品が実装される。また、フレキシブルプリント基板部1b、2bの他端部は、ヒンジ部43の空部43dまで延長されている。
【0011】
電気コネクタ3は、外形が角柱状で、フレキシブルプリント基板部1b、2bの他端のタブを重ね合わせるようにした状態で挿入することによりフレキシブルプリント基板部1b、2bを電気的・機械的に接続する。図1に示すようにタブを重ね合わせるようにして電気コネクタ3に挿入し、図2に示すように電気コネクタ3を芯にしてフレキシブルプリント基板部1b、2bを巻き込んだ形で図5のヒンジ部43の空部43d内に収納する。
【0012】
図2に示す電気コネクタ3は、外形が角柱状であるが、図3に示すように外形が円柱状の電気コネクタ13を採用しても良い。電気コネクタの外形を円柱状にすることにより、フレキシブルプリント基板部1b、2bの巻き込み部に電気コネクタの角が接触しフレキシブルプリント基板部1b、2bを損傷させるようなことを避けることができる。
【0013】
電気コネクタ3、13の端部を回動軸43cやヒンジ43aに係止するようにするか、あるいは、電気コネクタ3、13を回動軸43cやヒンジ43aと一体成形することにより、空部43d内で電気コネクタ3、13の位置が固定され、フレキシブルプリント基板部1b、2bが経年変形して撓み、空部43dのカバー(図示せず)と接触して摩擦・磨耗することを避けることができる。
【0014】
電気コネクタ3、13を受話部筐体41と供回りするように固定すれば、受話部筐体41が開いていくとき、コネクタ3、13も供回りするので、図2に示すフレキシブルプリント基板部1bの巻き半径R1は変化せず、フレキシブルプリント基板部2bの巻き半径R2は巻き込まれて小さくなるので、フレキシブルプリント基板部1bと2bの接触摩擦は回避できる。
【0015】
電気コネクタ3、13を送話部筐体42と供回りするように固定すれば、受話部筐体41が開いていくとき、コネクタ3、13は、受話部筐体41と供回りしないので、図2に示すフレキシブルプリント基板部1bの巻き半径R1は大きくなり、フレキシブルプリント基板部2bの巻き半径R2は変化せず、フレキシブルプリント基板部1bと2bの接触摩擦は回避できるが、フレキシブルプリント基板部1bの巻き半径R1が大きくなるので、空部43dのカバー(図示せず)と接触して摩擦する可能性が高くなる。従って、コネクタ3、13を受話部筐体41と供回りするように固定する方が良い。
【0016】
図4に示すように対向接続型の電気コネクタ53を採用しても良い。この場合、フレキシブルプリント基板部1bと2bは、図に垂直方向に位置をずらして配置され、電気コネクタ53に接続される。電気コネクタ53の端部を回動軸43cやヒンジ43aに係止するようにするか、あるいは、電気コネクタ53を回動軸43cやヒンジ43aと一体成形することにより、空部43d内で電気コネクタ53の位置が固定され、フレキシブルプリント基板部1b、2bが経年変形して撓み、空部43dのカバー(図示せず)と接触して摩擦・磨耗することを避けることができる。
【0017】
本実施の形態の携帯電話では、フレキシブルプリント基板部1b、2b接続用の電気コネクタが電子基板部1a、2a上には必要ないため従来技術に比較して電子基板部1a、2a上を広く電子部品の実装に利用することができる。あるいは、電気コネクタのためのスペース分だけ電子基板部1a、2aを小型化することができる。また、電気コネクタの高さ方向のスペースを必要としないので、携帯電話を薄型化することができる。
【0018】
実施の形態2.
図6及び図7を用いて本発明の実施の形態2を説明する。図6は第1、第2のリジッドフレキシブル基板を異方性導電体で接続した状態の側面図、図7は接続部をフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図である。
【0019】
図6に示すように、フレキシブルプリント基板部1b、2bの他端のタブ電極の間に異方性導電体23を挟み、治具33によりタブを挟んで加熱・加圧して接合し、図7に示すように接合部を芯にするようにしてフレキシブルプリント基板部1b、2bを巻き込み、図5のヒンジ部43の空部43d内に収納する。
【0020】
接合部を係止具(図示せず)により回動軸43cやヒンジ43aに係止することにより、空部43d内で接合部の位置が固定され、フレキシブルプリント基板部1b、2bが経年変形して撓み、空部43dのカバー(図示せず)と接触して摩擦・磨耗することを避けることができる。
【0021】
図示はしないが、フレキシブルプリント基板部1bと2bとを対向させて配置し、両タブ電極の間に異方性導電体23を挟んで重ね合わせ、治具33によりタブを挟んで加熱・加圧して接合し、従来例と同じように螺旋巻きし、この螺旋巻き部を空部43dに収納するようにしても良い。
【0022】
本実施の形態の携帯電話では、従来技術に比較して電子基板部1a、2a上を広く電子部品の実装に利用することができる。あるいは、電気コネクタのためのスペース分だけ電子基板部1a、2aを小型化することができるという実施の形態1と同様な効果を奏する上に、電気コネクタ接続に比べ接続部がコンパクトになる。
【0023】
実施の形態3.
図8を用いて本発明の実施の形態3を説明する。図8は第1、第2の電子基板部と第1、第2のフレキシブルプリント基板部の一端とを異方性導電体で接続し、他端を電気コネクタで接続し、電気コネクタをフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図である。
【0024】
図8に示すように、フレキシブルプリント基板部11b、12bの一端のタブ電極と電子基板部11a、12aの電極との間に異方性導電体23を挟み、図示しない治具により加熱・加圧して接合する。他は実施の形態1と同様である。
【0025】
本実施の形態の携帯電話では、実施の形態1及び2に比較して、異方性導電体23による接合のために電子基板部11a、12a上に若干の面積を必要とするが、従来技術のように電気コネクタを利用する場合に比べて高さ方向の寸法は小さくて済み、実装空間全体としては小型化が可能となり、携帯電話を薄型化できる。
【0026】
以上説明した実施の形態では、携帯電話の例を説明したが、本発明は携帯型折畳式情報機器等にも適用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる携帯型折畳式電子機器によれば、電子基板部とフレキシブルプリント基板部とを一体化成形し、フレキシブルプリント基板部の他端部を接続する接続部をヒンジ部の空部に収納したので、電子基板部上の電子部品の十分な実装面積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すリジッドフレキシブル基板を電気コネクタで接続した状態の側面図である。
【図2】 電気コネクタをフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図である。
【図3】 円柱形の電気コネクタをフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図である。
【図4】 対向接続型コネクタを採用した場合の側面図である。
【図5】 折畳式携帯電話の筐体の一部破断斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態2を示すリジッドフレキシブル基板を異方性導電体で接続した状態の側面図である。
【図7】 接続部をフレキシブルプリント基板部で巻き込んだ状態の側面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3を示す電子基板部とフレキシブルプリント基板部の一端とを異方性導電体で接続し他端を電気コネクタで接続した状態の側面図である。
【符号の説明】
1、2 リジッドフレキシブル基板、1a、2a、11a、12a 電子基板部、1b、2b、11b、12b フレキシブルプリント基板部、3、13、53 電気コネクタ、23 異方性導電体、41 第1の筐体(受話部筐体)、42 第2の筐体(送話部筐体)、43 ヒンジ部、43c 回動軸、43d 空部。

Claims (9)

  1. ヒンジ部を介して開閉可能に接続される第1、第2の筐体と、
    電子部品が実装され、それぞれ該第1、第2の筐体に収納される第1、第2の電子基板部と、
    それぞれの一端が該第1、第2の電子基板部と電気的に接続されて一体化成形され、他端部が前記ヒンジ部の空部に延在する第1、第2のフレキシブルプリント基板部と、
    前記第1、第2のフレキシブルプリント基板部の両他端部を電気的・機械的に接続し、前記ヒンジ部の空部に収納される接続部と、
    を備えたことを特徴とする携帯型折畳式電子機器。
  2. ヒンジ部を介して開閉可能に接続される第1、第2の筐体と、
    電子部品が実装される電子基板部と一端がこの電子基板部に電気的に接続されて一体化成形されたフレキシブルプリント基板部とから成り、該電子基板部が前記筐体に収納され、該フレキシブルプリント基板部の他端部が前記ヒンジ部の空部に延在する第1、第2のリジッドフレキシブル基板と、
    前記両他端部を電気的・機械的に接続し、前記ヒンジ部の空部に収納される接続部と、
    を備えたことを特徴とする携帯型折畳式電子機器。
  3. 前記接続部は前記ヒンジ部のヒンジまたは回動軸に係止されていることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型折畳式電子機器。
  4. 前記接続部は、前記両他端部を重ね合わせて巻き込んだ状態で前記ヒンジ部の空部に収納されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の携帯型折畳式電子機器。
  5. 前記接続部は、電気コネクタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の携帯型折畳式電子機器。
  6. 前記電気コネクタは、円柱形であり、その外周に沿って前記重ね合わせた他端部を巻き込んでいることを特徴とする請求項5に記載の携帯型折畳式電子機器。
  7. 前記電気コネクタは、前記ヒンジまたは回動軸と一体成形されていることを特徴とする請求項5または6に記載の携帯型折畳式電子機器。
  8. 前記接続部の接続手段として異方性導電体を用いていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の携帯型折畳式電子機器。
  9. ヒンジ部を介して開閉可能に接続される第1、第2の筐体と、
    電子部品が実装され、それぞれ該第1、第2の筐体に収納される第1、第2の電子基板部と、
    それぞれの一端が該第1、第2の電子基板部と異方性導電体により接続され、他端が前記ヒンジ部の空部に延在する第1、第2のフレキシブルプリント基板部と、
    前記第1、第2のフレキシブルプリント基板部の両他端部を電気的・機械的に接続し、前記ヒンジ部の空部に収納される接続部と、
    を備えたことを特徴とする携帯型折畳式電子機器。
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