JP2004212246A - 加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加速度センサチップを線膨張係数が約7の規制板や保護ケースに固着する場合に、ヤング率が10−2GPaより小さいシリコンゴム系の樹脂を用い可撓部に対して対称な4箇所で、接着面積を支持部面積の5〜50%とすることで、高耐衝撃性、高性能と低価格とを両立させた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機、携帯端末機器、玩具等に用いられる加速度検出用の半導体加速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加速度センサは、自動車のエアーバッグ作動用の大きな衝撃力を検出する用途やブレーキ制御システムなどの車両制御用途向けの小さな加速度の検出に使用されてきた。これらの自動車用途ではX軸、Y軸の加速度を測定するため1軸もしくは2軸機能で充分であった。最近は、携帯端末機器、ロボットや人体動作の検出による各種制御等の新しい用途向けに開発、実用化が進んできている。このような新用途では空間の動きを検出することが多いためX、Y、Z軸の加速度を測定できる3軸加速度センサが要求されてきている。また、微小な加速度を検出するために高分解能で、小型・薄型であることも要求されている。
【0003】
加速度センサは可撓部の動きを電気信号に変換する方法で、ピエゾ抵抗型、静電容量型、圧電型に大別される。用途によって使い分けられるが、静止加速度の検出用途ではピエゾ抵抗型と静電容量型に絞られ、これら2つのタイプはシリコン基板に半導体技術やマイクロマシン技術により立体的な構造を形成することにより小型で高感度の加速度センサを一度に大量に製造できる。特に、ピエゾ抵抗型は構造および製造プロセスが単純であり小型・薄型で低価格化に向いた加速度センサである。
【0004】
従来の加速度センサ素子構造として特開平5−41148号に記載されているものがある。その構造を図7示す。加速度センサ素子50は、センサチップ中央に錘部59、周辺に支持部52があり、錘部59は可撓部58に接続され、可撓部58は支持枠52に接続され、可撓部58には複数個のピエゾ抵抗素子60が設けられている。ピエゾ抵抗素子60は電極端子に配線パターン(図示せず)で接続されている。加速度に比例した外力が加速度センサ素子に加わると錘部59が動き、それに伴って可撓部58が変形しピエゾ抵抗素子に加わる応力が変化し、抵抗値が変わる。ピエゾ抵抗素子の抵抗変化は微小であるため、可撓部58上に4個のピエゾ素子を配してフルブリッジ回路を構成し、この抵抗変化を電圧変化として検出するものである。
【0005】
この構造において、加速度センサ素子の感度は、可撓部の長さを長く、幅を狭く、厚みを薄くするほど向上するものである。例えば、高感度品では可撓部の長さは500〜700μm、幅は80〜120μm、厚みは5〜10μmと非常に薄くなっている。このため、シリコンで形成された可撓部58は強度的に弱く、大きな衝撃力が加わると簡単に破損してしまう。そこで、高感度で高耐衝撃性を確保するために、錘部59の動きを規制する構造が採用されている。すなわち、図7に示したように、上部規制板51、下部規制板53を接着剤57などにより加速度センサ支持部52に固着することによって錘部59の動きを規制し可撓部58の破損を防止するものである。
【0006】
このような機能を果たす規制板の設置にあたっては、陽極接合、ガラス接着あるいは樹脂接着などの方法により固く接着する方法が一般に取られていた。具体的には、1個1個のセンサチップに規制板51、53の個辺を接着する方法と加速度センサおよび規制板それぞれをウエハの状態で固着した後でダイシングすることで個々の加速度センサ素子50を製造する方法とがある。前者は組立工程でのハンドリング方法の工夫、自動化などにより可撓部58の破損防止を図るとともに高い生産性を確保するという考え方であり、後者は加速度センサ個片になる前に規制板を設置し強度を上げ、組立工程を容易にするという考え方である。いずれにしても従来は、図7に示した規制板51、53の周辺の4辺全面が接着剤57によって加速度センサの支持部52全面と硬く固着されていた。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】
ところが、このように上下の規制板51、53と加速度センサチップとを硬く固着する従来の製造技術においては、固着時の残留応力による感度低下、オフセット電圧の増加や構成部材の線膨張係数差による温度ドリフトの悪化などを抑えるために、線膨張係数のほぼ一致する構成部材を選定していた。そのため、構成部材の価格が高く低価格の加速度センサの供給ができなかった。逆に低価格の材料を選定した場合には、線膨張係数の不整合により可撓部58に発生するわずかの応力のために感度が低下したり、残留応力のわずかな不均一により可撓部58の変形が生ずるためにフセット電圧が増加したり、さらには膨張係数の不整合のために温度ドリフトが悪化するなど、特性面での犠牲を避けられなかった。
【0008】
従来加速度センサの構成部材として用いられている材料例とその線膨張係数(熱膨張係数 deg−1)を表1に示す。上下規制板51、53として、表1にあるシリコン基板あるいはシリコン基板とほぼ同じ3.2x10−6の線膨張係数の高価なガラス基板を用いて特殊、高価な接合装置で固着すれば上述した技術課題は解決できるが設備が高価なことも加わって完成した加速度センサも高価なものになる。また、薄型化を狙ってセラミックス材からなる保護ケース底面を下部規制板53と兼ねる構造とする場合にはこのような接合技術は使えず、簡便な方法としてエポキシ系樹脂などにより固着する方法によるしかない。この場合には、保護ケースの線膨張係数は約7x10−6でシリコン基板(線膨張係数約2.4x10−6)とは異なることは言うまでもなく、接着樹脂の線膨張係数も大きく異なり、室温硬化の樹脂であっても硬化時の収縮応力が残留応力として残ることは避けられない。したがって、感度の低下やオフセット電圧の増加などを生じる。また、温度が変わった場合には、当然この線膨張係数差により特性のドリフトが生じてしまう。このように、加速度センサチップの支持部4辺の表裏全面において、上下規制板と、あるいは、上部規制板と保護ケースとに固着する従来方法では、高性能で小型・薄型、低価格を同時に満足することはできない。
表1 従来の加速度センサに用いられてきた構成部材とその線膨張係数
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、線膨張係数の異なる安価な材料を規制板などに使用しても特性への影響を最小限に抑え、小型・薄型で高性能、低価格の加速度センサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の加速度センサは、チップ中央に錘部、周辺に支持部があり両者を薄肉の可撓部で接続し、可撓部上に複数個のピエゾ抵抗素子から成る加速度検出部を配した加速度センサチップを上下の規制板に、あるいは、上部規制板と下部規制板を兼ねる保護ケースとに固着してなる加速度センサであって、加速度センサチップを可撓部に対して線対称となる支持部の表面および裏面の偶数箇所において、シリコンゴム系接着剤を用いて上下の規制板あるいは上部規制板と保護ケースとに固着したものである。
【0011】
本発明では、規制板設置の本来の目的に戻り加速度センサ全体の製造方法を見直すことで解決策を見出したものである。規制板設置の本来の目的は、検出範囲外の大きな衝撃力が加わった時に錘部や可撓部の動きを抑制して可撓部の破損を防止することであるから、加速度センサチップの支持部の表裏全面に渡って、上下の規制板あるいは上部規制板と保護ケース底面とに固着されている必要はない。すなわち、組立後に大きな耐衝撃力が加わっても上下の規制板が剥れなければよい、またはセンサチップ自体が保護ケースから剥れることがなければよい。この考え方に基づいて、接着樹脂を分割し、最低限必要な接着強度を得られる接着面積まで縮小して、かつ、樹脂による接着位置を可撓部から見て均一な配置となる支持部表面及び裏面において、加速度センサチップを上下規制板にあるいは上部規制板と保護ケースとに固着したものである。
本発明では、上述したウエハ状態で加速度センサウエハと規制板ウエハとを固着する従来の製造方法の適用は難しく、組立工程などで可撓部が破損しないように安定化するためラインを自動化するなどの方策をとった。接着樹脂の応力の影響を最小限にするには、全体の応力バランスも考慮し、できるだけ応力が均一に分散、最小になるように配慮した。その時に、自動化設備においては画像認識により樹脂の塗布位置を決定しやすいことも考慮する必要がある。本発明では、このような観点から樹脂の塗布、接着位置として、支持部の4つの角部、あるいは可撓部が接続される支持部の中央部4箇所とすることによって、残留応力の均一化や応力の影響を最小限に押えるものである。この結果、シリコンゴム系接着樹脂を用いた時に、線膨張係数の異なる規制板や保護ケースを固着した場合に可撓部に掛かる残留応力を最も極小にでき、特性への悪影響を許容範囲内に押えることができるものである。
【0012】
本発明の加速度センサは、シリコンゴム系接着材としてヤング率が10−2GPaより小さく、上下規制板あるいは保護ケースの線膨張係数は2x10−6より大きく、8x10−6より小さい材料としたことを特徴とする。
【0013】
接着樹脂としてのシリコンゴム系樹脂は一般的にヤング率が非常に小さいために硬化後でも柔らかく、線膨張係数差による応力などを軽減できるという特長がある。本発明においては、特にヤング率が10−2GPaより小さい場合にはその効果が大きく、規制板や保護ケースとして線膨張係数が大きく異なる材料を接着した場合でも加速度センサの特性への影響を非常に小さいものにすることができるものである。
【0014】
本発明の加速度センサは、シリコンゴム系接着樹脂の合計接着面積が支持部面積の5%〜50%であり、球形のプラスティックスペーサを介して加速度センサチップを上下の規制板あるいは上部規制板と保護ケースとに固着したことを特徴とする。
【0015】
加速度センサの用途として携帯端末機器などへの応用研究が盛んになりつつあるが、携帯端末機器などを落下させた場合には、容易に1000Gを超えるような大きな衝撃力が加わる場合があり、規制板が剥れたり、加速度センサチップそのものが剥れたりすることがある。樹脂の接着面積と規制板や加速度センサチップの接着強度との関係を調査したところ、支持部面積の5%以上の接着面積があれば、1000G以上の大きなの衝撃力が加わっても、規制板が剥れたり、加速度センサチップが剥れたりすることがなかった。また、特性への接着樹脂の応力の影響を最小に抑えるには、できるだけ接着面積は小さいことが好ましいが、支持部面積の約50%までの接着面積であれば、感度低下なども許容範囲であった。更に、この範囲の接着面積に安定して再現性良く制御することが必要になるが、シリコンゴム系の接着剤は水のように流れ易く、接着剤だけで接着面積を一定に制御することは難しい。本発明では、球形のプラスティックスペーサを重量比で約10%を樹脂に混合することで解決したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の加速度センサの実施例について図1、2および3を用いて説明する。図1は、本発明の加速度センサの展開図、図2はB−B’断面図、図3は加速度センサチップ表面(同図a)と裏面(同図b)の樹脂接着位置を示す平面図、である。本実施例は上部規制板21を有し、下部規制板は保護ケース2の内底面で代用することで薄型化を図った構造の例である。図1において加速度センサチップ100の端子14はワイヤー4で保護ケース2の端子5に接続され外部端子6に接続される。規制板21を加速度センサチップ100上面に硬質プラスチック球(図示せず)を混練した接着剤71を用いて固着、更にこの規制板21付きの加速度センサチップを同じく硬質プラスチック球を混練した樹脂7により保護ケース2に固着、最後に蓋3を保護ケース2に低融点ガラスで固着密封して加速度センサを形成した。また、ピエゾ抵抗素子15(図3参照)は図1、2では図示は省略している。本実施例で用いた構成部材を以下に示す。保護ケース2および蓋3は従来同様の線膨張係数のアルミナ系セラミックス、上部規制板21は線膨張係数が約7x10−6の低価格の硼珪酸ガラス板、また、接着樹脂7、71には線膨張係数は300x10−6と非常に大きいがヤング率が8.8x10−4GPaと逆に非常に小さいという特徴のあるシリコンゴム系樹脂(例えば、東レ・ ダウコーニング・シリコーン製の型式DA6501)を用いた。また、スペー
サーには線膨張率98x10−6の球状硬質プラスチックを重量比でシリコンゴム系樹脂にあらかじめ混合して用いた。
表2 実験に用いた構成部材とその線膨張係数
【0017】
ピエゾ抵抗素子の製造方法と加速度センサの寸法関係を簡単に説明する。約600μm厚のシリコン板に1μmのシリコン酸化層と10μm程度のシリコン層を有するSOIウェファーを使用した。フォトレジストでパターニング行いシリコン層にボロンを1〜3x1018原子/cm3打ち込みピエゾ抵抗素子を作製、ピエゾ抵抗素子に接続する配線を、金属スパッタ−、ドライエッチング装置を用いて形成した。シリコン層に可撓部13と錘部11、支持部12をフォトリソ技術とドライエッチング装置を用いて形成した。シリコン酸化層がエッチングストッパーとなるため、エッチングされるのはシリコン層のみである。ピエゾ素子面を下にしてSOIウェファーをダミー基板に接着し、SF6と酸素を導入したプラズマ内でシリコン板の約600μmをエッチングした。可撓部13と錘部11、支持部12が形成された基板を切断機でチップに分離したのち、溶剤を用い接着樹脂を溶かし加速度センサチップ100をダミー基板から取り外した。高感度な加速度センサを得るため、可撓部13の寸法は長さ500μm、幅110μm、厚み約10μmと非常に薄く平板なものとなっている。錘部11は、一辺の長さを1000μm、支持部12の幅は400μmとし、加速度センサチップ100外観形状は3mm角厚み約0.6mmとしている。
【0018】
図1に示した展開図よりセンサの実装の手順は概略以下の通りである。図3a)に示したように、加速度センサチップ100の支持部12の4つの角部表面に硬質プラスチック球を混練した接着剤71を塗布し、上部規制板21を間隔15μmで固着した後、図3b)に示した加速度センサチップ支持部の4隅に相当する位置の保護ケース2の内底面4箇所に同じく硬質プラスチック球を混練した接着剤7を塗布し、上部規制板21付きの加速度センサチップ100を組み込み、固着した。次に加速度センサチップ100の端子14と保護ケース2の端子5をワイヤー4で接続した。ワイヤーはφ25μmの裸金線を用い超音波ボンダーで溶接した。最後に蓋3を低融点ガラスなどで接着して加速度センサが完成する。
【0019】
このようにして製造された本発明においては、加速度センサチップ100は支持部の四角の表面および裏面にて、硬質プラスチック球を混合したシリコンゴム系接着剤71、7により、それぞれ上部規制板21および保護ケース2に固着されている。すなわち、シリコンゴム系樹脂による接着の様子は、図1のB−B’断面でのみ見え、図2に示した断面図のようになっている。このように可撓部13からみた場合に線対称、点対称な位置にて固着することでわずかに残留する応力を均等に分散した。また、このときの樹脂の接着面積に関しては、特性への大きな影響が生じない程度の応力しか残らない接着面積で、かつ大きな衝撃力が加わっても加速度センサチップ100や上部規制板21が剥れることのない接着強度を得られる接着面積となるように樹脂の塗布量を制御した。図4に樹脂の接着面積と感度との関係を示す。本図には、シリコンゴム系樹脂の他に参考までにエポキシ系樹脂による実験結果も一緒に示した。
【0020】
図4は、支持部12の4箇所の樹脂接着面積をほぼ同一に変えて、加速度センサチップ100を実装し感度を測定した結果と、加速度センサチップ100を未接着のまま実装(金ワイヤーで吊り下げられた状態)して感度測定した結果と一緒にグラフに示したものである。硬質プラスチック球を10wt%混合した樹脂を用いて実験した。樹脂接着面積が支持部12面積の20%になると感度は約20%低下したが、まだ許容範囲内の低下であった。一方、エポキシ系樹脂を用いた場合には、シリコンゴム系樹脂の場合より更に20%ほど感度は下がり、高感度を得るには応力の影響が大き過ぎることがわかった。このように、接着樹脂の面積によって感度が低下する理由は、樹脂が硬化するときの収縮応力によって、可撓部13に引張り応力がかかり、錘部11が動きにくくなるためと考えられる。また、支持部12の4箇所の樹脂接着面積が支持部面積の5%以上あれば、1000G以上の大きな衝撃力を加えた場合でも加速度センサチップ100や上部規制板21が剥れることはなく、耐衝撃性も問題なかった。樹脂の接着面積を大きくすれば、比例的に耐衝撃性は上がるので、必要な耐衝撃力によって、接着面積を決定すれば良いが、感度低下の観点から最小の接着面積を選ぶことが望ましい。
【0021】
以上の、実験では硬質プラスチック球の混合割合を10wt%としたが、このプラスチック球の目的は、上部規制板21や保護ケース2の内底面と加速度センサチップ100とのギャップを精度良く制御することであるから、接着樹脂1箇所当り一個以上のプラスチック球が混合されていれば実際上は問題なく、1wt%の混合比でも約10個プラスチック球が接着樹脂内に含まれ十分機能した。また、混合比の上限は上部規制板21や保護ケース2との接着強度が十分得られれば良く、40wt%の混合比でも問題なかった。
【0022】
更に温度ドリフトについて、上述の表2に示した線膨張係数が3.2x10−6と7.2x10−6の規制板ガラス(前者の価格は後者の価格の30倍以上)とについて、シリコンゴム系樹脂接着面積を20%として温度ドリフトを測定した。温度範囲−40〜85℃において、両ガラスとも、感度の温度ドリフトは約0.1%/℃(室温感度比)、オフセット電圧の温度ドリフトは約0.6%/℃(室温の感度比)と同等であった。このように本発明によれば、規制板ガラスの線膨張係数差の影響をほとんどなくすことができ、安価な材料を使うことができる。
【0023】
次に本発明になる他の実施例を図5、図6に示す。両図は図3に相当するシリコンゴム系樹脂7、71の塗布位置を示す加速度センサチップ表面および裏面の平面図、である。同一部にはわかりやすいように同一の符合を付した。図5a)および図6a)は、上部規制板21の接着位置、および加速度センサチップ100の保護ケース2への接着位置を可撓部13が接続される支持部12の4辺の中央部としたものである。図5b)および図6b)は接着可所を可撓部13の支持部12との接続部2箇所とした場合、更に図5c)および図6c)は、第1の実施例と図5a)、図6a)とを合わせた8箇所において樹脂接着した場合を示したものである。これらいずれの場合にも、図1と同様に安価で、線膨張係数が約7x10−6と大きなガラス板を規制板21にする場合、あるいは保護ケース2を下部規制板とする場合でも、感度などへの影響は小さく、小型で高性能な加速度センサを得られた。また、上述の実施例では、加速度センサチップ100を保護ケース2に接着する個所と上部規制板21を加速度センサチップ100に接着する個所を支持部12の同一の4箇所としたが、例えば、一方を支持部12の4つの角部、一方を支持部12の4辺の中央部としても良い。更に、接着剤の形状については、全て楕円形状で説明したが、ほぼ一定の形に安定して制御できれば良いのであって形は円形、三角形、四角形や不定形状など、どんな形でも良い。
【0024】
上述の説明は全てピエゾ抵抗型の加速度センサを用いて説明したが、加速度の検出方式として静電容量型もあり、この場合でも本発明の効果は同様である。静電容量型の場合には、可撓部側の稼動電極と相対しコンデンサを形成する対向電極を形成した平行板側が上部規制板の機能を合わせ持っている。この対向電極側は陽極接合などの方法でセンサチップに硬く固着される必要がある。しかし、下部規制板はピエゾ抵抗型の場合と同じであり、専用の下部規制板を設置するか、保護ケースの内底面を下部規制板として使うかである。すなわち、静電容量型の場合にも、加速度センサチップと下部規制板あるいは保護ケースとの固着に本発明を適用することで、感度の低下やオフセット電圧の増加、温度特性の劣化、などを最小限に押えられる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、線膨張係数の異なる安価な材料を規制板に使用し、線膨張係数の大きく異なる接着樹脂、などを使用しても特性への影響を最小限に抑え、小型・薄型で高性能、低価格な加速度センサを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度センサの展開図である。
【図2】図1の加速度センサのB−B’断面図である。
【図3】図1の加速度センサチップにシリコンゴム系樹脂を塗布した状態を示す平面図である。
【図4】接着樹脂面積と感度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例を示す加速度センサチップ表面の樹脂塗布位置を示す正面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す加速度センサチップ裏面の樹脂塗布位置を示す正面図である。
【図7】従来の加速度センサの断面図である。
【符号の説明】
1 保護ケースの蓋の接着剤、2 保護ケース、3 保護ケース蓋、
4 ワイヤー、5 電極端子、6 外部端子、7,71 接着剤、
11 錘部、12 支持部、13 可撓部、14 電極パッド、
15 ピエゾ抵抗素子、21 上部規制板、50 加速度センサ、
51 上部規制板、52 支持部、53 下部規制板、54 電極パッド、
57 接着材、58 可撓部、59 錘部、60 ピエゾ抵抗素子、
100 加速度センサチップ。
Claims (3)
- チップ中央に錘部、周辺に支持部があり両者を薄肉の可撓部で接続し、可撓部上に複数個のピエゾ抵抗素子から成る加速度検出部を配した加速度センサチップを上下の規制板に、あるいは、上部規制板と下部規制板を兼ねる保護ケースとに固着してなる加速度センサであって、加速度センサチップを可撓部に対して線対称となる支持部の表面および裏面の偶数箇所において、シリコンゴム系接着材を用いて上下の規制板にあるいは上部規制板と保護ケースとに固着したことを特徴とする加速度センサ。
- 上記シリコンゴム系接着材はヤング率が10−2GPaより小さく、上下規制板あるいは保護ケースの線膨張係数は2x10−6より大きく、8x10−6より小さいことを特徴とする第1項記載の加速度センサ。
- 上記シリコンゴム系接着樹脂の合計接着面積が支持部面積の5%〜50%であり、球形のプラスティックスペーサを介して加速度センサチップを上下の規制板にあるいは上部規制板と保護ケースとに固着したことを特徴とする第1項、第2項記載の加速度センサ。
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