以下、図面を参照して、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態では、主にピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合について説明する。ただし、本発明は、ピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合だけではなく、外力に応じて変位する変位部を有する静電容量型センサや種々の力学量センサなどを用いる場合にも適用することができ、さらに種々の変形が可能である。
(実施形態1)
図1A及び図1Bは、本発明の実施形態1に係るセンサデバイスの全体構成を示す断面図である。本実施形態では、加速度センサと共に制御ICをパッケージ化する場合を説明するが、本発明はこれに限定されず、センサのみがパッケージ化されてもよい。図1Aは平坦な基板(以下、通常基板という)を使用した場合の加速度センサデバイス100の断面図であり、図1Bは使用する基板を予め削ってセンサと制御ICの一部または全体を収納する凹形状の空間を形成した基板(以下、キャビティ基板という)を使用した場合の加速度センサデバイス100’の断面図である。
なお、本明細書においては、「制御IC」という言葉を使用するが、ICはセンサを制
御するためにだけ用いられるものではない。例えば、制御ICは、センサからの信号を増幅するなど、センサから得られる信号の処理を行う場合もある。また、制御ICは、センサから出力される信号の処理以外の処理を含む場合もある。このため、「制御IC」と書かずに、単に「IC」と記す場合もある。
図1Aを参照すると、通常基板を使用した加速度センサデバイス100は、基板101、貫通電極105、制御IC106、センサ107、配線114、115、センサ上部キャップ(制御キャップ)112、及びパッケージキャップ113を含む。
基板101は、有機材料を含み、配線を有する基板である。基板101は、導電物質を含む部分102a及び絶縁物質を含む部分102bを有する第1基板102と、絶縁物質を含み第1基板102上に配置された第2基板103と、及び絶縁物質を含み第2基板103上に配置された第3基板104とを含む3つの層により形成される。導電物質とは、金属などであり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどを用いることができる。絶縁物質には、絶縁性樹脂を用いる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等、無機フィラーを併用して用いてもよい。本実施形態では、基板101が3層からなる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、基板101の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。
センサ107は、錘部110と、錘部110に接続された可撓部109と、可撓部109に接続された支持部108と、可撓部109に配置されて可撓部109の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極111とを含む。センサ107に加速度が加わると、錘部110が変位し、この変位に伴って可撓部109が撓む。可撓部109が撓むと、可撓部109に配置されたピエゾ抵抗素子に力が加わり、ピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、センサ107に加えられた加速度の大きさ、方向などを検出する。センサ107からの信号は、電極111から配線115を通して制御IC106に伝達され、制御IC106からの信号は配線114及び貫通電極105などを通して基板101の外部に伝達される。なおセンサ上部キャップ112は、錘部110と可撓部109の上方向への過大な変位を制限し、破損を防止する。センサ上部キャップ112は省略されてもよく、センサ上部キャップ112が省略される場合は、パッケージキャップ113がセンサ上部キャップ112と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ113がセンサ上部キャップ112と同一の役割を果たす場合、図10Aに示すように、パッケージキャップ113のセンサ107に対応する部分に凸形状のストッパー113aが形成されてもよい。
図1Aに図示された加速度センサデバイス100のパッケージキャップ113は、有機材料を含み、絶縁性樹脂など、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが用いられる。ただし、従来のQFNパッケージ及びCOBパッケージとは異なり、センサ107は樹脂で封止されてはおらず、パッケージキャップ113の内側は中空である。
上述したように、図1Aに図示された本実施形態に係るセンサ107、制御IC106
、及び基板101は、有機材料を含むパッケージキャップ113により覆われてパッケージ化されている。そして、パッケージキャップ113の内側は中空である。これにより、基板101として有機材料を含む基板を用いるときには、基板101の熱膨張係数の値とパッケージキャップ113の熱膨張係数の値とが近くなるため、基板101とパッケージキャップ113との接合の信頼性が高くなる。パッケージキャップ113の熱膨張係数の値と基板101の熱膨係数の値とは、ほぼ同一であり、両者の熱膨張係数の差は、±3ppm以内である。基板101とパッケージキャップ113とを接着させる接着剤は、基板101やパッケージキャップ113の熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。また、制御IC106の仕様などの変更に合わせて配線の接続関係を変更する場合、即ち、制御IC106とセンサ107とを接続するピンコネクトの配置や配線パターンなどの設計を変更する場合、基板101としてプリント基板を用いることができるので、変更のコストがセラミックパッケージやアルミナパッケージを用いる場合よりも低減できる。さらに、セラミックパッケージの場合、パッケージ自体を薄くするとクラックが発生する可能性があるため、低背化が困難である。しかし、本実施形態では、パッケージキャップ113及び基板101に有機材料、例えば絶縁性樹脂が用いられるため、セラミックパッケージやアルミナパッケージに比べて重量が軽く、耐機械衝撃及び振動性に優れているため低背化が可能である。これにより、例えば、携帯電子機器などの小型端末への適用が可能となる。また、本実施形態に係る加速度センサデバイス100の内部は、QFNパッケージ及びCOBパッケージとは異なり、樹脂封止されずに中空であるため、センサ107の錘部110などの隙間に樹脂が入り込む虞がない。さらに、加速度センサデバイス100の内部が樹脂封止されずに中空であるため、センサ107に応力がかからず、センサ107のオフセット値がずれる虞がない。そのため、加速度センサデバイス100の性能の信頼性が維持される。
図1Bを参照して、キャビティ基板を使用した場合の加速度センサデバイス100’を説明する。尚、図1Aに示した通常基板を使用した場合の加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
図1Bを参照すると、キャビティ基板を使用した場合の加速度センサデバイス100’は、図1Aに示された加速度センサデバイス100と同様に、有機材料を含む基板101’、貫通電極105、制御IC106、錘部110と錘部110に接続された可撓部109と可撓部109に接続された支持部108と可撓部109に配置されて可撓部109の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と電極111とを含むセンサ107、配線114、115、116、センサ上部キャップ112、及び有機材料を含むパッケージキャップ113を含む。また、基板101’は、導電物質を含む部分102a及び絶縁物質を含む部分102bを有する第1基板102と、絶縁物質を含む第2基板103と、絶縁物質を含む第3基板104とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、基板101’の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板102、第2基板103、及び第3基板104に用いられる導電物質又は絶縁物質は、図1Aに示した第1基板102、第2基板103、及び第3基板104に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。また、センサ上部キャップ112は省略されてもよい。センサ上部キャップ112が省略される場合は、パッケージキャップ113がセンサ上部キャップ112と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ113がセンサ上部キャップ112と同一の役割を果たす場合、図10Bに示すように、パッケージキャップ113のセンサ107に対応する部分に凸形状のストッパー113aが形成されてもよい。
図1Bに示すように、制御IC106及びセンサ107の一部または全体を収納可能な空間(キャビティ)が形成された基板(キャビティ基板)を使用する場合のほうが、通常基板を使用した場合よりもパッケージ全体の高さを低くすることが可能である。キャビテ
ィ基板101’を使用した加速度センサデバイス100’の動作は、図1Aに示した通常基板101を使用した加速度センサデバイス100と同一であるため、ここでは説明を省略する。
図1Bに示されたセンサ107、制御IC106、及び基板101’は、有機材料を含み、例えば絶縁性樹脂であるパッケージキャップ113により覆われてパッケージ化されている。そして、パッケージキャップ113の内側は中空である。これにより、図1Aに示された加速度センサ100と同様に、基板101’として有機材料を含む基板を用いる場合には、基板101’の熱膨張係数の値とパッケージのキャップ113の熱膨張係数の値とが近くなるため、基板101’とパッケージキャップ113との接合の信頼性が高くなる。基板101’の熱膨張係数の値とパッケージキャップ113の熱膨張係数との値は、ほぼ同一であり、両者の熱膨張係数の差は、±3ppm以内である。基板101’とパッケージキャップ113とを接着させる接着剤は、基板101’やパッケージキャップ113の熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。また、制御ICの仕様の変更などに合わせて接続関係を変更する場合、(即ち、制御IC106とセンサ107とを接続するピンコネクトの配置や配線パターンなどの設計を変更する場合、)、基板101’としてプリント基板を用いることができるので、変更のコストがセラミックパッケージやアルミナパッケージを用いる場合よりも低減できる。さらに、有機材料を含むパッケージ113及び基板101’は、セラミックパッケージに比べて重量が軽く、耐機械衝撃及び振動性に優れているため、パッケージを薄くしてもクラックの発生が低減され、パッケージ全体の低背化が可能である。また、本実施形態に係る加速度センサデバイス100’の内部は、QFNパッケージ及びCOBパッケージとは異なり、樹脂封止されずに内部が中空であるため、センサ107の錘部などの隙間に樹脂が入り込む虞がない。さらに、加速度センサデバイス100の内部が樹脂封止されずに中空であるため、センサ107に応力がかからず、センサ107のオフセット値がずれる虞がない。そのため、加速度センサデバイス100’の性能の信頼性が維持される。
図1Bに示すように、キャビティ基板101’には、使用する基板を予め削り、センサ107を収納する凹形状の空間(キャビティ)が形成されている。そのため、加速度センサデバイス100’のパッケージ113は、図1Aに示された通常基板100を使用する加速度センサデバイス100のパッケージよりもさらに低背化することが可能である。さらに、基板を予め削り、第1基板102などの下層を露出させるため、貫通電極を介すことなく、第1基板102と制御IC106とは配線114で直接接続される。基板に形成された凹部(キャビティ)の深さは500μm以内であることが好ましく、特に100μm〜500μmであることが好ましい。キャビティの深さが500μmよりも大きくなると、ワイヤボンディング時に、キャピラリが基板或いはセンサと干渉してしまい、作業性が低下する。また、キャビティの深さが100μm以上であれば、低背化効果を見込むことができ、ワイヤボンディング時の作業性も維持することが可能である。
また、図1Bに示すように、センサ107の電極111と第3基板104とを配線116により接続し、さらに第3基板104の配線116の接続箇所から貫通電極105を介して、配線114の第1基板102の接続箇所に配線を形成し、センサ107と制御IC106とを接続することができる。これにより、センサ107と制御IC106との接続の自由度を高めることができる。
(加速度センサデバイスの製造方法)
図1Bに示したキャビティ基板を使用した加速度センサデバイス100’の製造方法について、図2乃至図5を参照して説明する。図2乃至図5において、図1Bに示したキャビティ基板を使用した場合の加速度センサデバイス100’と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。ここでは、加速度センサ107と
共に制御IC106をパッケージ化する場合を説明するが、本発明はこれに限定されず、センサのみがパッケージ化されてもよい。
先ず、図1Bに図示されたようなセンサ107、第1基板102と第2基板103と第3基板104とを含む基板101’、制御IC106、及び、パッケージキャップ113を製造しておく。基板101’を製造する際、図2に示すように基板101を、レーザなどを用いてエッチングし、キャビティを形成する。なお、図1Bに図示するように、一つの基板101’に複数のキャビティを形成することも可能である。当然、一つの基板101’に一つのキャビティを形成することも可能である。
次に、図3に示すように、基板上101’上に制御IC106及びセンサ107をダイアタッチ(ダイボンディング)などによってキャビティ内に接着する。次に、図4に示すように、ワイヤボンディングなど配線114、115、116及び貫通電極(図示せず、図1Bの105を参照)によって、基板101’、制御IC106、センサ107の各間を電気的に接続する。次に、図5に示すように、センサ107を覆うように基板101’上に、型501にセットされたパッケージキャップ113を接着させて封止する。その後、パッケージキャップ113がセットされた型501を外す。そして、基板101’をダイシングし、個々の加速度センサデバイスを切り離することにより、個片化する。これにより、図1Bに示されるような、加速度センサデバイス100’が得られる。
なお、パッケージキャップ113は、有機材料を含み、例えば、絶縁性樹脂で形成することができる。したがって、複数の開口部を有する金属(例えば銅)の平板である型501の片側に複数のパッケージキャップ113を、その一部が開口部に嵌めこまれてセットされた状態で形成することができる。そして、パッケージキャップ113に必要ならば接着剤を塗布などし、型501を図4における基板101’の上面に配置して面付けし、加熱・加圧することにより、パッケージキャップ113を第3基板104に接着などすることができる。ここで使用する接着剤は、基板101’やパッケージキャップ113の熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。その後、型501を外すことができる。
これに対して、セラミックパッケージの場合、基板、制御IC、及びセンサをパッケージする際、デバイスを1個ずつ個別にパッケージする必要があった。しかし、樹脂パッケージの場合、上述のように面付けが可能であり、複数のデバイスを一括でパッケージすることができる。そのため、製造工程を短縮することが可能である。さらに、制御ICにセンサをカスタマイズしてパッケージする場合、制御ICとセンサとを接続するピンコネクトの配置や配線パターンなどの設計を変更する必要がある。セラミックパッケージやアルミナパッケージの場合、その製品に合わせたパッケージを新たに製造するためにコストがかかるが、本発明の一実施形態においては、基板としてプリント基板を用いることができるので、変更は容易である。また、パッケージキャップ113と基板101’、制御IC106、及びセンサ107との間は中空であり(隙間が空いている)、基板101’、制御IC106、及びセンサ107は樹脂封止されないため、センサ107の中への樹脂の流入を防ぐ障壁を作成する必要がない。そのため、製造工程をさらに短縮することが可能である。
以上、図2乃至図5を参照して、図1Bに示されたキャビティ基板を使用した加速度センサデバイス100’の製造方法を説明したが、図1Aに記載された加速度センサデバイス100の製造方法も加速度センサデバイス100’の製造方法とほぼ同様に説明できる。但し、図1Aに記載された加速度センサデバイス100は、通常基板を用いているため、センサの収納空間が形成されていない平坦な基板101を準備する。
ここでは、図1Bに示したキャビティ基板を使用した加速度センサデバイス100’の製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されずに、個々のデバイスの実装方法や配置などに応じて、適宜変更されてもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る加速度センサデバイスを図6A及び図6Bを参照して説明する。本実施形態では、加速度センサと共に制御ICをパッケージ化する場合を説明するが、本発明はこれに限定されず、センサのみがパッケージ化されてもよい。図6A及び図6Bは、本発明の実施形態2に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。図6Aは通常基板を使用した場合のフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度セ
ンサデバイス600の断面図であり、図6Bは使用する基板を予め削ってセンサと制御ICの一部または全体を収納する凹形状の空間を形成したキャビティ基板を使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス600’の断面図である。
図6Aを参照すると、通常基板を使用した加速度センサデバイス600は、基板601、制御IC606、センサ607、電極611、センサ上部キャップ612、パッケージキャップ613、バンプ614、及び配線615を含む。
基板601は、有機材料を含み、配線を有する基板である。基板601は、例えば導電物質を含む部分602a及び絶縁物質を含む部分602bを有する第1基板602と、絶縁物質を含み第1基板602上に配置された第2基板603と、絶縁物質を含み第2基板603上に配置された第3基板604とを含む3つの層により形成される。第1基板602、第2基板603、及び第3基板604に含まれる導電物質又は絶縁物質は、実施形態1で説明したものと同様である。本実施形態では、基板601が3層からなる例を説明する。但し、本発明はこれに限定されず、基板601の層は、3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。
センサ607は、錘部610と、錘部610に接続された可撓部609と、可撓部609に接続された支持部608と、可撓部609に配置されて可撓部609の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極611とを含む。第1実施形態において説明した加速度センサと同様に、加速度がセンサ607に加わると、錘部610が変位し、この変位に伴って可撓部609が撓む。可撓部609が撓むと、可撓部609に配置されたピエゾ抵抗素子に力が加わり、ピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、加速度センサデバイス600に加えられた加速度の大きさ、方向などを検出する。センサ607からの信号は電極611から制御IC606に伝達され、制御IC606からの信号は配線615及び貫通電極605を介して基板601に伝達される。センサ上部キャップ612は、錘部610と可撓部609の上方向への過大な変位を制限し、破損などを防止する。但し、センサ上部キャップ612は省略されてもよく、その場合はパッケージキャップ613がセンサ上部キャップ612と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ613がセンサ上部キャップ612と同一の役割を果たす場合、図11Aに示すように、パッケージキャップ613のセンサ607に対応する部分にストッパー613aが形成されてもよい。ストッパー613aは、凸形状であってもよいが、これに限定されない。また、パッケージキャップ613がセンサ上部キャップ612と同一の役割を果たす場合、パッケージキャップ613を低背化して、パッケージキャップ613のセンサ607に対応する部分をセンサの可動部に近づけてもよい。
図6Aに示されるように、加速度センサデバイス600において、センサ607と制御IC606とはフリップチップ実装されており、バンプ614を介して接続されている。そのため、センサ607と制御IC606との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ607と制御IC606との接続に使用されない場合には、実装面積を小さく
でき、加速度センサデバイス600のパッケージ全体をさらに小型化することが可能となる。
図6Aに図示された加速度センサ600のパッケージキャップ613は、有機材料を含み、例えば、絶縁性樹脂が用いられる。パッケージキャップ613の内部は樹脂で封止されてはおらず、中空である。そのため、基板601として有機材料を含む基板が用いられる場合には、基板601の熱膨張係数の値とパッケージキャップ613の熱膨張係数の値とが近くなるため、基板601とパッケージキャップ613との接合の信頼性が高くなる。基板601の熱膨張係数の値とパッケージキャップ613の熱膨張係数の値とは、ほぼ同一であり、両者の熱膨張係数の差は、±3ppm以内である。基板601とパッケージキャップ613とを接着させる接着剤は、基板601やパッケージキャップ613の熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。また、制御IC606の仕様の変更などに合わせて接続関係を変更する場合、(即ち、制御IC606とセンサ607とを接続するピンコネクトの配置や配線パターンなどの設計を変更する場合、)基板601にプリント基板を用いることによりセラミックパッケージやアルミナパッケージに比べて製造コストを低減することができる。さらに、パッケージキャップ613及び基板601に有機材料、例えば絶縁性樹脂を用いることにより、耐機械衝撃及び振動性が増し、パッケージ自体の低背化が可能になる。また、加速度センサデバイス600の内側が中空状態であるため、センサ607と制御IC606との隙間に樹脂が入り込む虞がない。さらに、加速度センサデバイス600の内部が樹脂封止されずに中空であるため、センサ607に応力がかからず、センサ607のオフセット値がずれる虞がない。そのため、加速度センサデバイス600の性能の信頼性が維持される。
図6Bは、キャビティ基板を使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス600’を示す。センサが収納される空間を有するキャビティ基板を使用する場合、一般的には、通常基板を使用した場合よりもパッケージ全体を薄くすることが可能である。図6Aに示した通常基板を使用した場合の加速度センサデバイス600と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
図6Bを参照すると、キャビティ基板を使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサ600’は、図6Aに示された加速度センサデバイス600と同様に、有機材料を含む基板601’、制御IC606、錘部610と錘部610に接続された可撓部609と可撓部609に接続された支持部608と可撓部609に配置されて可撓部609の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と電極611とを含むセンサ607、センサ上部キャップ612、有機材料を含むパッケージ613、バンプ614、及び配線616を含む。基板601’は、導電物質を含む部分602a及び絶縁物質を含む部分602bを有する第1基板602と、絶縁物質を含む第2基板603と、絶縁物質を含む第3基板604とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、基板601’の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板602、第2基板603、及び第3基板604に用いられる導電物質又は絶縁物質は、図6Aに示した第1基板602、第2基板603、及び第3基板604に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。また、センサ上部キャップ612は省略されてもよい。その場合は、パッケージキャップ613がセンサ上部キャップ612と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ613がセンサ上部キャップ612と同一の役割を果たす場合、図11Bに示すように、パッケージキャップ613のセンサ607に対応する部分にストッパー613aが形成されてもよい。ストッパー613aは、凸形状であってもよいが、これに限定されない。また、パッケージキャップ613がセンサ上部キャップ612と同一の役割を果たす場合、パッケージキャップ613を低背化して、パッケージキャップ613のセンサ607に対応する部分をセンサの可動部に近づけてもよい。キャビティ基板601を使用した加速度センサデバイス600’の動作は、図6Aに示した
通常基板601’を使用した加速度センサデバイス600と同一であるため、ここでは省略する。
図6Aに示された加速度センサデバイス600のパッケージキャップ613と同様に、図6Bに図示された加速度センサデバイス600’のパッケージキャップ613は、有機材料を含み、例えば、絶縁性樹脂が用いられる。パッケージキャップ613の内部は樹脂で封止されてはおらず、中空状態である。そのため、基板601’として有機材料を含む基板を用いる場合には、基板601’の熱膨張係数の値とパッケージキャップ613の熱膨張係数の値とが近くなるため、基板601’とパッケージキャップ613との接合の信頼性が高くなる。基板601’の熱膨張係数の値とパッケージキャップ613の熱膨張係数の値とは、ほぼ同一であり、両者の熱膨張係数の差は、±3ppm以内である。基板601’とパッケージキャップ613とを接着させる接着剤は、基板601’やパッケージキャップ613の熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。また、制御IC606に合わせて接続関係を変更する場合、(即ち、制御IC606とセンサ607とを接続するピンコネクトの配置や配線パターンなどの設計を変更する場合、)基板601’にプリント基板を用いることができるので、セラミックパッケージやアルミナパッケージに比べて製造コストが低減される。さらに、パッケージキャップ613と基板601’に有機材料を用いることにより、耐機械衝撃及び振動性が増し、パッケージ自体の低背化が可能になる。また、加速度センサデバイス600’の内部が中空状態であるため、センサ607と制御IC606との隙間に樹脂が入り込む虞がない。さらに、加速度センサデバイス600’の内部が樹脂封止されずに中空であるため、センサ607に応力がかからず、センサ607のオフセット値がずれる虞がない。そのため、加速度センサデバイス600’の性能の信頼性が維持される。
また、図6Aに図示された加速度センサデバイス600と同様に、加速度センサデバイス600’のセンサ607と制御IC606とはフリップチップ実装されており、バンプ614を介して接続されている。配線をセンサ607と制御IC606との接続に使用する必要がないため、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス600’のパッケージ全体を小型化することが可能となる。キャビティ基板601’には、使用する基板を予め削り、センサ607を収納する凹形状の空間(キャビティ)が形成されているため、加速度センサデバイス600’のパッケージ613は、図6Aに示された通常基板600を使用する加速度センサデバイス600のパッケージよりもさらに低背化することが可能である。基板に形成された凹部(キャビティ)の深さは500μm以内であることが好ましく、特に100μm〜500μmであることが好ましい。キャビティの深さが500μmよりも大きくなると、ワイヤボンディング時に、キャピラリが基板或いはセンサと干渉してしまい、作業性が低下する。また、キャビティの深さが100μm以上であれば、低背化効果を見込むことができ、ワイヤボンディング時の作業性も維持することが可能である。
パッケージの寸法の一例を、図7を参照して説明する。図7は、キャビティ基板を使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイスの断面図の一部である。図6Bに図示されたフリップチップ実装の加速度センサデバイス600’と類似の構成要素には、図6Bと同一の参照番号を付与する。
図7を参照すると、例えば、A1.15mm、B0.1mm、C1.6mm、D0.17mm、E0.7mm、F0.5mm、G0.1mm、に設計する。但し、これらは一例であって、本発明はこの寸法に限定されない。それぞれの寸法は、パッケージのサイズによって変更されてもよい。
(実施形態3)
次に、本実施形態3に係る加速度センサデバイスを図12乃至図14を参照して説明する。本実施形態では、加速度センサと共に制御ICをパッケージ化する場合を説明するが、本発明はこれに限定されず、センサのみがパッケージ化されてもよい。本実施形態3に係る加速度センサデバイスは、実施形態1に係るキャビティ基板を使用した加速度センサデバイス100’の第1基板を除いては、実施形態1に係る加速度センサデバイス100’と同様の構成を有している。そのため、図1Bに示した加速度センサデバイス100’と同様の構成要素又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
図12は、本発明の実施形態3に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。図12は、キャビティ基板を使用し、多層基板である基板201の最下層に金属基板である第1基板102’が配置されている場合の加速度センサデバイス200の断面図である。図12に示される本実施形態3に係る加速度センサデバイス200は、加速度センサデバイス200に使用されている多層基板201を除いては、実施形態1に係る加速度センサデバイス100’と同様の構成を有している。そのため、図1Bに示した加速度センサデバイス100’と同様の構成要素又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
図12を参照すると、加速度センサデバイス200は、多層基板201、制御IC106、センサ107、電極111、センサ上部キャップ112、センサ下部キャップ210、絶縁層206、パッケージキャップ113、電極205、配線115、及び配線116を含む。多層基板201は、凹形状の収納空間(キャビティ)202が形成されたキャビティ基板であり、加速度センサデバイス200のパッケージ内部は中空である。
多層基板201は、金属基板である第1基板102’と、第1基板102上に配置されて絶縁物質を含む第2基板103と、第2基板103上に配置されて導電物質を含む第3基板204と、第1基板102’の一部を覆う絶縁層203と、第3基板204の一部を覆う絶縁層206とを含む5層により形成される。第3基板204に含まれる導電物質とは、金属などであり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどを用いることができる。第2基板103に含まれる絶縁物質には、絶縁性樹脂を用いる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等、無機フィラーを併用して用いてもよい。本実施形態では、多層基板201が第1基板102’及び第3基板204からなるメタル2層を含む例を説明する。但し、本発明はこれに限定されず、基板201の層は、メタル2層を含む5層以下であってもよく、メタル2層を含む5層以上であってもよい。多層基板201には、上述したように制御IC106及びセンサ107を収納する凹部(キャビティ)202がエッチングやレーザ加工などによって形成される。図12においては、第2基板103は完全にキャビティ加工されており、第3基板204はパターニングされている。さらに、図12に示す本発明の実施形態3の加速度デバイス200において、第1基板102’が底部となるように凹部(キャビティ)202が形成されている。第1基板102’はパターニングされており、多層配線基板201に形成された凹部(キャビティ)202に対応する第1基板102’aは絶縁層203に覆われている。第1基板102’は、熱伝導率が優れた金属を含み、例えば銅を含んでもよいが、これに限定されない。第1基板102’の厚さは、加速度センサデバイス200のパッケージの強度を考慮すると、15μm
〜80μmであることが好ましい。多層配線基板201に形成された凹部(キャビティ)202に対応する第1基板102’a上には制御IC106が接着剤によって実装配置される。第3基板204と多層配線基板201に形成された凹部202に対応していない第1基板102’bとは、電極パッド又は外部接続用パッドとして機能してもよい。
絶縁層203は、有機材料などの絶縁性樹脂を含み、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等、無機フィラーを併用して用いてもよい。
センサ107は、錘部110と、錘部110に接続された可撓部109と、可撓部109に接続された支持部108と、可撓部109に配置されて可撓部109の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極111とを含む。第1実施形態において説明した加速度センサと同様に、加速度がセンサ107に加わると、錘部110が変位し、この変位に伴って可撓部109が撓む。可撓部109が撓むと、可撓部109に配置されたピエゾ抵抗素子に力が加わり、ピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、加速度センサデバイス200に加えられた加速度の大きさ、方向などを検出する。センサ107からの信号は、電極111から配線115を通して制御IC106に伝達され、制御IC106からの信号は、電極205、配線116、第3基板204、貫通電極105、及び第1基板102’bを介して外部に伝達される。各配線と各電極とは絶縁樹脂でポッティングされてもよい。センサ上部キャップ112は、錘部110と可撓部109の上方向への過大な変位を制限し、破損などを防止する。センサ下部キャップ210は、センサ107内の気密状態を保持し、錘部110の下方向への過大な動きを制限する。但し、センサ上部キャップ112及びセンサ下部キャップ210は省略されてもよく、その場合は、図10Bに示すように、パッケージキャップ113のセンサに対応する部分に凸形状のストッパーを設けて、パッケージキャップ113がセンサ上部キャップ112と同一の役割を果たしてもよい。また、制御IC106がセンサ下部キャップ210と同じ役割を果たしてもよい。
絶縁層206は、カバーレイヤーとして第3基板204とパッケージキャップ113との間に配置される。絶縁層206は、有機材料などの絶縁性樹脂を含み、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等、無機フィラーを併用して用いてもよい。
図13(a)は、図12に示した加速度センサデバイス200のパッケージの一部を下面から透過して見た平面図であり、図13(b)は、図13(a)のc−c’線から見た断面図である。尚、図13(a)及び(b)において、絶縁層203、第1基板102’
、第2基板103、第3基板204、凹部(キャビティ)202、制御IC106、貫通電極105、及び絶縁層206以外の加速度センサデバイス200の構成は省略する。絶縁層203の表面にはダミーパッド209が配置されるが、ダミーパッド209は省略されてもよい。図13(a)及び(b)から明らかなように、制御IC106は、第1基板102’上に直接配置される。
図12に示されるように、多層基板201に形成された凹部(キャビティ)202内に制御IC106及びセンサ107の一部または全体が収納されるため、加速度センサデバイス200のパッケージ全体も高さを低くすることが可能である。さらに、金属基板である第1基板102’が多層基板201に使用されているため、多層基板201に形成されるキャビティが深い場合であっても、加速度センサデバイス200のパッケージ全体の強度が向上し、反りが低減される。また、第1基板102’上に制御IC106が接着剤によって実装配置されているため、例えば、第1基板102’が銅を含む場合、銅の熱膨張係数は(17.5ppm/℃)であり、樹脂の熱膨張係数(約20ppm/℃)よりも制御IC106に使用されるシリコンの熱膨張係数(3.3ppm/℃)に近いため、高温時及び低温時における応力が低減される。さらに、第1基板102’は、実施形態1で説明した第1基板102の102b部分に使用される絶縁物質よりも熱伝導率が高い金属を含む金属基板であるため、制御IC106及びセンサ107からの発熱を放熱する効果を有する。
図14は、多層基板201’に開口202’を設け、熱伝導性に優れた物質を含む金属基板217を多層基板201’の開口202’を塞ぐように配置し、多層基板201’と金属基板217とによって、凹形状の収納空間(凹部)を形成した場合の加速度センサデバイス200’の断面図である。図14を参照すると、加速度センサデバイス200’は、開口202’を有する多層基板201’、多層基板201’の開口202’を塞ぐ金属基板217、金属基板217を覆う絶縁層203、制御IC106、センサ107、電極111、センサ上部キャップ112、絶縁層206、パッケージキャップ113、電極205、配線115、及び配線116を含む。図14に記載された加速度センサデバイス200’のパッケージ内部は中空である。
多層基板201’は、導電物質を含む第1基板208、絶縁物質を含む第2基板103、導電物質を含む第3基板204及び第3基板の一部を覆う絶縁層206を含む。第1基板208及び第3基板204に含まれる導電物質とは、金属などであり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどを用いることができる。第2基板103に含まれる絶縁物質には、絶縁性樹脂を用いる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR-4、FR-5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナ等、無機フィラーを併用して用いてもよい。本実施形態では、多層基板201が第1基板208及び第3基板204からなるメタル2層、第2基板103及び絶縁層206を含む4層からなる例を説明する。但し、本発明はこれに限定されず、基板201の層は、メタル2層を含む4層以下であってもよく、メタル2層を含む4層以上であってもよい。上述のように、多層基板201’は開口202’を有しており、この開口202’を塞ぐように金属基板217が配置される。
金属基板217は、多層基板201’に設けられた開口202’を塞ぐように配置され、多層基板201’の開口202’に面する面と対向する面側は絶縁層203によって覆われる。図14に示すように、多層基板201’と金属基板217とによって、凹形状の収納空間(凹部)が形成され、金属基板217によって塞がれた多層基板201’の開口202’内の金属基板217上に制御IC106が配置される。金属基板217は、熱伝導率が優れた金属を含み、例えば銅を含んでもよいが、これに限定されない。金属基板217の厚さは、パッケージの強度を考慮すると、15μm〜80μmであることが好ましい。金属基板217部上に制御IC106が接着剤によって実装配置される。多層基板201’及び金属基板217以外の加速度センサデバイス200’の構成は、図12に記載の加速度センサデバイス200の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図14に示されるように、多層基板201’の開口202’と金属基板217とによって形成された凹形状の収納空間(凹部)に、金属基板217上に配置された制御IC106及びセンサ107の一部または全体が収納されるため、加速度センサデバイス200’のパッケージ全体も高さを低くすることが可能である。さらに、多層基板201’に形成された開口202’を塞ぐように金属基板217が配置されているため、加速度センサデバイス200’のパッケージ全体の強度が向上し、反りが低減される。また、金属基板217上に制御IC106が接着剤によって実装配置されているため、金属基板217が銅を含む場合、銅の熱膨張係数は(17.5ppm/℃)であり、樹脂の熱膨張係数(約20ppm/℃)よりも制御IC106に使用されるシリコンの熱膨張係数(3.3ppm/℃)に近いため、高温時及び低温時における応力が低減される。さらに、金属基板217は、実施形態1で説明した第1基板102の102b部分に使用される絶縁物質よりも熱伝導率が高い金属を含む金属基板であるため、制御IC106及びセンサ107からの発熱を放熱する効果を有する。
(実施形態4)
上述の実施形態1乃至実施形態3では、基板上に制御IC及びセンサを積層した構造を説明したが、本発明の加速度センサデバイスの全体構成は実施形態1乃至実施形態2で述べた構成に限定されない。図8A及び図8Bは、本発明の実施形態4に係る加速度センサデバイスの全体構成の他の例を示す断面図である。図8Aは、図1Aに記載の通常基板を使用して、制御IC106とセンサ107とを基板101上に並べて配置した場合の加速度センサデバイス800の断面図である。図8Bは、図1Bに記載のキャビティ基板を使用して、制御IC106とセンサ107とを基板101’上に並べて配置した場合の加速度センサデバイス800’断面図である。図8A及び図8Bに示すように、基板上101または101’上に制御IC106とセンサ107とを並べて配置し、必要な配線などを行い、パッケージキャップ113によって覆い、パッケージ化してもよい。この場合、図示するように制御IC106とセンサ107とは同じパッケージキャップ113により覆われてもよく、図示していないが、別々のパッケージキャップにより覆われてもよい。パッケージキャップ113は、実施形態1及び実施形態2と同様に基板101又は101’の熱膨張係数の値と近い又はほぼ同一の熱膨張係数の値を有する有機材料を含み、センサデバイスの内側は中空状態である。
図9A及び図9Bは、実施形態1乃至実施形態3のいずれかの加速度センサデバイスを用いた半導体装置を示し、例えば、センサモジュール900及び900’の一例を示す。センサモジュール900及び900’は、例えば、携帯電話、PDAなどに用いられる。なお、本明細書において半導体装置とは、半導体技術を利用して機能しうる装置全般を指し、電子部品および電子機器も半導体装置の範囲に含まれるものとする。
図9Aは、加速度センサデバイスを用いたセンサモジュール900を示す。センサモジュール900は、実装基板901及びセンサチップ902を含む。センサチップ902は
、図1A又は図1B、或いは図6A又は図6B、若しくは図8A又は図8Bに示した、有機材料を含み、配線を有する基板上に実装され、且つ有機材料を含み、例えば、絶縁性樹脂で構成されたパッケージで覆われたセンサ及び制御ICを含むセンサデバイスを含む。
実装基板901は、有機材料からなる基板であり、例えば絶縁性樹脂で構成される。実装基板901の上面には、センサチップ902の配線と電気的に接続するための配線(図示せず)が形成されている。図9Aに示すように、実装基板901上にセンサチップ902を実装する際、従来のセラミックパッケージを用いるセンサチップとは異なり、実装基板901の熱膨張係数の値とセンサチップ902のパッケージの熱膨張係数の値とが近くなるため、実装基板901とセンサチップ902のパッケージとの接続の信頼性が高くなり、大型パッケージ、薄型パッケージ、狭ギャップ実装に有利となる。実装基板901の熱膨張係数の値とセンサチップ902のパッケージの熱膨張係数の値とは、ほぼ同一であり、両者の熱膨張係数の差は、±3ppm以内である。実装基板901とセンサチップ902のパッケージとを接着させる接着剤は、実装基板901やセンサチップ902のパッケージの熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。しかし、本発明はこれに限定されず、実装基板901とセンサチップ902のパッケージとは、バンプを介して接続されてもよい。
図9Bは、センサチップ及び制御ICを含む信号処理チップを用いたセンサモジュール900’を示す。図9Aと類似の構成要素には、同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。センサモジュール900’は、実装基板901とセンサチップ902’と制御ICを含む信号処理チップ903とを含む。実装基板901は、図9Aに示された実装基板と同様である。図9Bに示された実装基板901の上面には、センサチップ902’の配線及び信号処理チップ903の配線と電気的に接続するための配線(図示せず)が形成されている。センサチップ902は、有機材料を含み、配線を有する基板上に実装され、且つ有機材料を含み、例えば、絶縁性樹脂で構成されたパッケージで覆われたセンサデバイスを含む。信号処理チップ903は、センサチップ902’のセンサから伝達される信号などの処理を行なう制御ICを含み、センサチップ902’のセンサと同様に、有機材料を含み、配線を有する基板上に実装され、且つ有機材料を含み、例えば、絶縁性樹脂で構成されたパッケージで覆われている。
実装基板901上にセンサデバイス902’及び信号処理チップ903を実装する際、従来のセラミックパッケージを用いるセンサチップとは異なり、実装基板901の熱膨張係数の値とセンサチップ902’のパッケージの熱膨張係数の値と信号処理チップ903の熱膨張係数の値とが近くなるため、実装基板901とセンサチップ902’のパッケージ及び信号処理チップ903との接続の信頼性が高くなり、大型パッケージ、薄型パッケージ、狭ギャップ実装に有利となる。実装基板901の熱膨張係数の値とセンサチップ902’のパッケージの熱膨張係数の値と信号処理チップ903の熱膨張係数の値とは、ほぼ同一であり、各々の熱膨張係数の差は、±3ppm以内である。実装基板901とセンサチップ902’のパッケージ及び信号処理チップ903とを接着させる接着剤は、実装基板901、センサチップ902’のパッケージ及び信号処理チップ903のそれぞれの熱膨張係数の値と近い熱膨張係数の値を有する樹脂であることが好ましい。しかし、本発明はこれに限定されず、実装基板901とセンサチップ902’のパッケージ及び信号処理チップ903とは、バンプを介して接続されてもよい。
以上のセンサモジュール900、900’のように、有機材料を含む実装基板に、有機材料を含む基板に実装されて、有機材料を含むパッケージに覆われるチップを実装する場合、両者の接合の信頼性が高くなるため、装置の信頼性を向上させることが可能となる。