JP2004209403A - 排気ガス浄化触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】NOx吸着材である強アルカリ成分のHC吸着材への侵入を抑制することができ、HC吸着性能とNOx吸着性能の両立を図ると共に、更に高いNOx浄化性能を備えた排気ガス浄化触媒と、その製造方法を提供する。
【解決手段】HC吸着材を含む第1層1の上に、TiO2を含む第2層2を形成し、Ce及び貴金属触媒と共に電気陰性度が0.9以下のアルカリ元素の化合物をNOx吸着材として含むNOx浄化触媒層を第3層3と第4層4とに分け、表面側に位置する第4層4にRhを含有させると共に、TiO2を含む第2層2の厚さをこれら4層の合計厚さの20分の1から5分の1とする。また、第3層及び第4層の形成に際しては、上記アルカリ元素の化合物とCeをアルミナ上に同時に担持し、その後Pt及び/又はPdを担持して成る粉末を使用する。
【選択図】 図1
【解決手段】HC吸着材を含む第1層1の上に、TiO2を含む第2層2を形成し、Ce及び貴金属触媒と共に電気陰性度が0.9以下のアルカリ元素の化合物をNOx吸着材として含むNOx浄化触媒層を第3層3と第4層4とに分け、表面側に位置する第4層4にRhを含有させると共に、TiO2を含む第2層2の厚さをこれら4層の合計厚さの20分の1から5分の1とする。また、第3層及び第4層の形成に際しては、上記アルカリ元素の化合物とCeをアルミナ上に同時に担持し、その後Pt及び/又はPdを担持して成る粉末を使用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の内燃機関などから排出される排気ガスを浄化する触媒技術に係わり、特に空燃比がリーン(A/F=18以上)とリッチ(A/F=13以下)の状態を繰り返す内燃機関(リーンバーンガソリンエンジン、ディーゼルエンジン)に取り付けられて、エンジン始動時における低温時の炭化水素(HC)浄化と、リーン時の窒素酸化物(NOx)浄化をひとつの触媒で行うことができる一体型の排気ガス浄化触媒と、このような触媒の製造方法にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からリーン域のNOxを浄化する触媒は種々提案されており、例えばPtとランタンを多孔質担体に担持した触媒に代表されるように、リーン域でNOxを吸着し、ストイキ〜リッチ時にNOxを放出させ浄化する触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、低温時にHCを浄化する触媒としては、ゼオライト含む触媒に代表される(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−168860号公報
【特許文献2】
特開平11−47596号公報
【0004】
これら2つの触媒の機能を1つの触媒で果すようにするには、例えば、HC吸着材であるゼオライト層の上に貴金属とNOx吸着材であるアルカリ成分を含む層をのせ、下層ゼオライトにより低温HCの吸収を行わせる一方、上層でNOxの吸着、浄化と共に、下層で吸収したHCの浄化を行わせる方法がある。
【0005】
このような触媒を作製する場合、まず、耐熱性無機担体にゼオライト層をコーティングし、続いて、貴金属を含むアルミナ層をコーティングして、最後にアルカリ等を含浸する方法が採られる。しかし、この方法では、アルカリがゼオライト層にかなり吸収されてしまい、ゼオライト層のHC吸収機能が十分に発揮できなくなることがある。
そこで、これを防ぐために、例えば炭酸バリウム(BaCO3)のような固体のアルカリ化合物を用い、これと貴金属とアルミナを混合してスラリー化し、ゼオライト層の上にコーティングする方法が考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような方法をとることにより、確かにゼオライト層へのアルカリ吸収の大部分を抑えることができるものの、アルカリとして固体のものを使用するために、アルカリの結晶子径が大きくなり、リーン時のNOx吸収性能が悪化する。また、同時に燃料及び潤滑油内に含まれる硫黄によりアルカリが被毒を受け、NOx吸着性能が低下する(硫黄被毒)という問題があった。
これを抑えるため、アルミナ粉末に先にアルカリを付けておいて、溶け出さないようにする方法があるが、近年の厳しい排ガス規制に対応するためには、より高いNOx吸着性能を有する吸着材料として、電気陰性度が0.9以下となるような強アルカリの使用が避けられない。しかし、これらの元素は水に溶けやすく、排気ガスに含まれる水分に溶けて触媒層内を移動し、HC吸着材に侵入して細孔閉塞を起すことから、先にアルミナに付けておいてもほとんど意味をなさなくなるという問題がある。
【0007】
さらに、ハニカム担体上にこの触媒を設ける際に、ゼオライトは嵩高いことから、HC吸着性能を十分に発揮できるだけのゼオライトをコーティングすると、セルが詰まって排圧が高くなってしまうため、このゼオライト上には僅かな量のNOx浄化層しか設けることができず、十分なNOx浄化性能を発揮することができなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、リーンNOxとコールドHCの浄化を行うことができる従来の一体型触媒における上記課題に着目してなされたものであって、HC吸着材層へのアルカリの侵入を抑制して、HC吸着性能とNOx吸着性能の両立を図ると共に、更に高いNOx浄化性能を備えた排気ガス浄化触媒と、このような触媒の製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の排気ガス浄化触媒は、少なくとも4層から成る積層構造を有し、炭化水素吸着材を含む第1層と、TiO2を含む第2層と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物及びCeに加えて、Pt及び/又はPdを含む第3層と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物、Ce及びRhに加えて、Pt及び/又はPdを含む第4層がこの順序に積層されて成り、第2層の厚さがこれら4層の合計厚さに対して、20分の1〜5分の1の範囲であることを特徴とし、電気陰性度が0.9以下の上記元素としては、例えばBa、Na、K若しくはCs、又はこれらの元素を組み合わせて用いることができる。
【0010】
本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法においては、第3層及び第4層の形成に際して、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物とCeをアルミナ上に同時に担持し、その後Pt及び/又はPdを担持して成る粉末を用いるようにしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の排気ガス浄化触媒は、図1に示すように、少なくとも4層から成る積層構造を有し、HC吸着材を含む第1層1と、TiO2を含む第2層2と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物及びCeに加えて、Pt及び/又はPdを含む第3層3と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物、Ce及びRhに加えて、Pt及び/又はPdを含む第4層4がこの順序に積層された構造のものである。すなわち、HC吸着材層とNOx浄化触媒層との2層から成る従来の触媒に比べて、第2層2にTiO2が含まれると共に、NOx吸着材として電気陰性度が0.9以下の元素の化合物を含むNOx浄化触媒層が2層(第3層3及び第4層4)に分かれ、最表層側(第4層4)にRhが含まれ、TiO2を含む第2層の厚さtがこれら4層の合計厚さDの20分の1から5分の1であることを特徴としている。
【0012】
すなわち、低温時のHC吸着性能と共に、リーン時における高いNOx吸着性能を満足するためには、電気陰性度0.9以下の元素の化合物が必要であって、電気陰性度が0.9より大きい元素ではこのような特性が得られない。しかし、これらの元素は、上述のように触媒層内を移動し、HC吸着材を含む層に侵入して細孔閉塞を起こし、HC吸着性能が低下する。
本発明の排気ガス浄化触媒においては、これを抑制するために、HC吸着材層の上にTiO2層を配置するようにしている。TiO2の作用については、必ずしも明らかとなってはいないが、TiO2の撥水性によって、上記元素が排気ガスに含まれる水分中に溶け出して吸着材層に移動するのを抑制しているものと考えられる。このTiO2を含む層の厚さには、最適値があり、第2層の厚さが厚すぎると、つまりこれら4層の合計厚さの5分の1を超えると、HC吸着層へのガス拡散が抑制され、HC吸着性能が低下することになり、逆に薄すぎると、つまり第2層の厚さが4層の合計厚さの20分の1に満たない場合には、上記元素の移動を抑制するという働きが十分に得られないことになる。
【0013】
また、リーン時に電気陰性度が0.9以下の元素の化合物によって吸着されたNOxをリッチ時に脱離して浄化するには、上記アルカリ元素の化合物を含む触媒層を2層に分け、しかも表層側(第4層)にRhを含有させることが必要となる。
【0014】
このとき、貴金属触媒としてのPdは、吸着したHCの脱離浄化性能に優れるが、反面、入れすぎるとNOx浄化性能が低下する傾向があることから、Pt/Pd比を3以上に保持することが望ましい。
【0015】
一方、Ceと上記アルカリ元素が一部複合化することにより、アルカリ元素の触媒層内の移動をより効果的に抑制することができると共に、リーンでNOxを浄化する触媒において顕著なS被毒を緩和することができる。すなわち、PtとCeが界面を持つことによって、高温でCOとH2OからH2を生成することができ(水生ガスシフト反応)、この水素がS被毒解除に有効に機能するものと考えられる。
【0016】
ここで、NOx吸着材として添加される電気陰性度が0.9以下の上記元素としては、例えば、Ba、Na、K及びCsを挙げることができ、これらの元素を単独で、あるいは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明の排気ガス浄化触媒の好適形態としては、第3層及び第4層にMgを含有させ、そのMgの一部又は全部を電気陰性度が0.9以下の上記アルカリ元素と複合化させることが、当該アルカリ元素の移動をさらに有効に抑制すると共に、その化合物の結晶子径を小さくし、NOx性能、S被毒解除性能を向上させる観点から望ましい。
例えば、上記アルカリ元素がBaの場合、BaCO3単独の結晶子径は320Åであるのに対し、BaMgCO3になると250Å以下となり、熱をかけても大きく変化しないようになり(耐熱性が向上する)、NOx吸着性能が向上するだけでなく、S被毒解除性能も向上することになる。
【0018】
また、第3層及び第4層については、その一方若しくは両方がPdを含み、当該PdがCeを含む化合物、望ましくはCe−Zr複合酸化物上に担持された状態で添加されていることが好ましい。
すなわち、吸着材に吸着したHCは温度上昇によって放出され、浄化されることになるが、放出温度がHC浄化開始温度よりも低いと、十分に浄化できないうちに放出が始まることになってHC浄化性能が発揮されない。したがって、より低温においてHC浄化性能が発揮できるようにする必要があるが、これにはPdの添加が有効である。さらにO2を放出する基材としてCe含有化合物が存在することによって、HC浄化温度はさらに低温化する(280→250℃)。
【0019】
本発明の排気ガス浄化触媒の他の好適形態として、上記第3層にさらにHC吸着材を含ませることができる。
さらに高いHC吸着性能を得るためには、HC吸着材料を増やせば良いことになるが、ウォッシュコート量にも限界があり、HC吸着材料を増やすと、第3層及び第4層のNOx吸着層が少なくなってNOx性能が低下する。
そこで、HC吸着材を第3層にのみ混合することによってHC吸着性能とNOx浄化性能の両立を図る。第3層に存在するHC吸着材はTiO2による元素の侵入を抑制できないためにHC吸着性能に劣るが、トータルとしてHC吸着材量が増えることから、触媒全体のHC性能が向上することになる。また、HC吸着剤としてゼオライトを使用するとその固体酸性によって、S被毒を抑制することができる。
【0020】
本発明の排気ガス浄化触媒におけるさらに他の好適形態として、HC吸着材にβゼオライトを使用することが望ましい。
HC吸着剤としては、例えばZSM5などを使用することができるが、βゼオライトの細孔径が排ガス中のHC成分の分子の大きさに最適である。
【0021】
本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法においては、第3層及び第4層を形成するに際して、アルミナ上に、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物とCeを同時に担持した後、さらにPt及び/又はPdを担持して成る粉末を用いることが望ましい。
すなわち、PtはCeとが密に接触することにより水素生成能が向上し、S被毒解除性能が向上する。また、NOx吸着材として機能する上記元素の化合物を先にアルミナに付着させることによって、当該NOx吸着材による貴金属の被覆が防止されNOx性能も向上することになる。
【0022】
そして、上記製造方法の好適形態として、Ptをアルミナに担持させるための含浸溶液として、テトラアンミン白金水酸塩溶液を用いることが望ましく、これによって、例えばジニトロジアミン白金を使用した場合に比べてNOx浄化性能を向上させることができ、本発明製造方法における上記効果を確実なものとし、さらに向上させることができる。
なお、Ceを担持させるために用いる含浸溶液用のセリウム塩としては、酢酸セリウムが望ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0024】
(実施例1)
先ず、 酢酸セリウム(Ce(CH3CO2)3)水溶液と酢酸ナトリウム(NaCH3CO2)水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
次いで、得られた焼成物に8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Aとした。なお、この粉末AのPt担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0025】
次に、酢酸ジルコニウム(Zr(CH3CO2)4)水溶液中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌した後、120℃で一昼夜乾燥した後、900℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に6%の硝酸ロジウム(Rh(NO3)3)水溶液を含浸させて120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Bとした。得られた粉末BのRh担持濃度は2.4%、Zrの担持濃度は3%であった。
【0026】
一方、酢酸セリウム水溶液と酢酸バリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌した後、これに8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて120℃で一昼夜乾燥したのち、400℃で1時間焼成し、これを粉末Cとした。得られた粉末CのPt担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0027】
また、シュウ酸チタニルアンモニウム水溶液をアルミナに含浸させて120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Dとした。この粉末DのTi担持濃度はTiO2として60%であった。
【0028】
次に、ベータゼオライトを720g、シリカゾルを180g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して第1触媒スラリを得た。
また、上記粉末Dを810.0g、アルミナゾルを90.0g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第2触媒スラリを得た。
さらに、上記粉末Aを815.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
そして、上記粉末Bを265.6g、粉末Cを497.0g、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0029】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記第1触媒スラリを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、上記の第2触媒スラリを付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記の第4触媒スラリを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0030】
(実施例2)
TiO2粉末を648.0g、アルミナを162.0g、アルミナゾルを90.0g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第2触媒スラリを得た。
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、上記第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0031】
(実施例3)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させたのち、同様の操作を繰り返し、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、TiO2ゾルを付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰分を取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0032】
(実施例4)
粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸バリウム(Ba(CH3CO2)2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるBa担持濃度は、それぞれBaOとして7.4%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0033】
(実施例5)
粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸カリウム(KCH3CO2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるK担持濃度は、それぞれK2Oとして4.6%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0034】
(実施例6)
粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸セシウム(ScCH3CO2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるCs担持濃度は、それぞれCs2Oとして13.6%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0035】
(触媒No.7)
酢酸セリウム水溶液と酢酸マグネシウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Eとした。この粉末EのPt担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Mg担持濃度はMgOとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0036】
一方、酢酸セリウム水溶液と酢酸マグネシウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合攪拌した中にアルミナを投入して1時間室温でさらに攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して成る上記焼成物に、8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Fとした。この粉末FのPt担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Mg担持濃度はMgOとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0037】
次に、上記粉末Eを815.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Fを497.0g、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0038】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させたのち、同様に乾燥、焼成することによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0039】
(実施例8)
酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に8%の硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Gとした。この粉末GのPd担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0040】
同じく酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合攪拌した中にアルミナを投入して1時間室温でさらに攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して成る上記焼成物に、8%の硝酸パラジウム溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Hとした。この粉末HのPd担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0041】
次に、上記粉末Aを611.0g、粉末Gを204.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Cを372.8g、粉末Hを124.3、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0042】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
また、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0043】
(実施例9)
25%のZrを含有するCeO2に8%の硝酸パラジウム溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Iとした。この粉末IのPd担持濃度は1.3%であった。
同じく25%Zr含有CeO2に8%の硝酸パラジウム溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Jとした。この粉末JのPd担持濃度は3.2%であった。
【0044】
次に、上記粉末Aを611.0g、粉末Iを204.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Cを372.8g、粉末Jを124.3、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0045】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させたのち、同様の操作を繰り返し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0046】
(実施例10)
酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に2%のテトラアンミン白金水酸塩溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Kとした。この粉末KのPd担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0047】
同じく酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合攪拌した中にアルミナを投入して1時間室温でさらに攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して成る上記焼成物に、2%のテトラアンミン白金水酸塩溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Lとした。この粉末LのPd担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0048】
次に、上記粉末Kを815.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Lを497.0g、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0049】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様に余剰スラリーを除去した後、乾燥、焼成することによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
また、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
さらに、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0050】
(実施例11)
上記粉末Aを555.5g、βゼオライトを229.1g、アルミナを70.4g、アルミナゾルを45.0g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
【0051】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量220g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0052】
(比較例1)
上記粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸カルシウム(Ca(CH3CO2)2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるCa担持濃度は、CaOとしてそれぞれ7.4%、Ce担持濃度はCeO2としてそれぞれ20%であった。
【0053】
(比較例2)
上記粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸ストロンチウム(Sr(CH3CO2)2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるSr担持濃度は、SrOとしてそれぞれ4.9%、Ce担持濃度はCeO2としてそれぞれ20%であった。
【0054】
(比較例3)
上記粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸イットリウム(Y(CH3CO2)3)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるY担持濃度は、Y2O3としてそれぞれ10.8%、Ce担持濃度はCeO2としてそれぞれ20%であった。
【0055】
(比較例4)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、TiO2含有層を形成することなく、実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第2層)を形成した。
そして、この第2層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量100g/Lの触媒層(第3層)を得た。
【0056】
(比較例5)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、同じく実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量10g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0057】
(比較例6)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、同じく実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量100g/Lの第2層を形成した。
続いて、この第2層の上に、実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0058】
(比較例7)
上記粉末A及びCの調整に際して、酢酸セリウムを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。
【0059】
以上によって得られた各排気ガス浄化触媒の仕様を表1及び表2に示す。なお、NOx吸着材を構成するアルカリ元素の電気陰性度は、下記文献に拠った。
L.Pauling,“The Nature of Chemical Bond”,3rd Ed.,Cornell University Press(1960);小泉正夫訳,”化学結合論”,p81,共立出版(1962)
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
表1及び表2に示した各浄化触媒について、アルカリ成分の第1層への染み出し量を測定すると共に、下記条件による試験を行った。その結果を表3に示す。
【0063】
試験方法1
〔耐久方法〕
排気量4500ccのエンジンの排気系に各触媒をそれぞれ装着し、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃として、50時間運転した。
〔評価方法〕
耐久後の各触媒を排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に装着して、11モードを走り、排気浄化率(HC転化率)を求めた。
【0064】
試験方法2
〔耐久方法〕
排気量4500ccのエンジンの排気系に各触媒をそれぞれ装着し、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、50時間運転した。その後S被毒処理(S濃度400ppmの軽油を使用し、触媒入口温度を250℃とし、3時間運転)を行った後、S脱離処理(S=10ppm以下の軽油を使用し、触媒入口温度を650℃とし、30分運転)を行った。
〔評価方法〕
排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に触媒を装着して、リーン(A/F=30)40sec→リッチ(A/F=11)4secの運転を行い、この区間における排気浄化率(NOx転化率)をS被毒‐脱離処理の前後について求めた。なお、触媒の入口温度は250℃とした。
【0065】
【表3】
【0066】
表3に示した結果から明らかなように、HC吸着材を含有する第1層の上に、TiO2を含む第2層が所定の厚さに形成され、電気陰性度が0.9以下である元素としてNa、Ba、K及びCsの化合物をNOx吸着材と貴金属触媒とCeを含む触媒層が第3層と第4層とに分かれ、表層側の第4層にRhを含む本発明実施例1〜11に係わる排気ガス浄化触媒においては、いずれもHC吸着材を含む第1層側へのアルカリ成分の染み出し量が少なく、HC転化率及びNOx転化率共に優れていることが確認された。
【0067】
これに対し、NOx吸着材として電気陰性度が0.9を超えるCa、Cr、Yの化合物を含む比較例1〜3の」触媒においては、第1層へのアルカリ成分の染み出し量が少なく、HC転化率に優れるものの、NOx吸着性能が得られず、NOx転化率に劣るものとなった。
【0068】
また、TiO2を含む第2層がない比較例4、及び第2層を備えていても、その厚さが薄い比較例5においては、アルカリ成分の染み出し量が多くて、HC転化率に劣ることが確認された。
【0069】
さらに、TiO2を含む第2層が厚すぎる比較例6の触媒においては、HC吸着性能が得られず、NOx浄化触媒層である第3及び第4層にCeを含んでいない比較例7の触媒においては、アルカリ成分が第1層に移行しやすく、NOx転化率のみならずHC転化率にも劣る結果となった。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、HC吸着材を含む第1層の上に、TiO2を含む第2層を形成すると共に、電気陰性度が0.9以下のアルカリ元素の化合物をNOx吸着材として含むNOx浄化触媒層が第3層と第4層とに分かれ、表面側に位置する第4層にRhが含まれ、さらにTiO2を含む上記第2層の厚さをこれら4層の合計厚さの20分の1から5分の1としたことによって、高いNOx吸着性能を確保しながら、アルカリ成分のHC吸着材層への移行を防止してHC吸着性能を維持することができ、HC吸着性能とNOx吸着性能を両立させることができ、低温HC浄化とリーンNOx浄化の機能を兼ね備えたハイブリット触媒として、触媒貴金属の節減と共に、排圧上昇抑制の効果がもたらされる。
【0071】
さらに、本発明の製造方法によれば、NOx吸着材として機能する上記アルカリ元素の化合物をアルミナに先に付着させた粉末を用いて第3層及び第4層を形成するようにしていることから、NOx吸着材によって貴金属触媒が覆われるようなことがなくなり、NOx浄化性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化触媒の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1層
2 第2層
3 第3層
4 第4層
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の内燃機関などから排出される排気ガスを浄化する触媒技術に係わり、特に空燃比がリーン(A/F=18以上)とリッチ(A/F=13以下)の状態を繰り返す内燃機関(リーンバーンガソリンエンジン、ディーゼルエンジン)に取り付けられて、エンジン始動時における低温時の炭化水素(HC)浄化と、リーン時の窒素酸化物(NOx)浄化をひとつの触媒で行うことができる一体型の排気ガス浄化触媒と、このような触媒の製造方法にに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からリーン域のNOxを浄化する触媒は種々提案されており、例えばPtとランタンを多孔質担体に担持した触媒に代表されるように、リーン域でNOxを吸着し、ストイキ〜リッチ時にNOxを放出させ浄化する触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、低温時にHCを浄化する触媒としては、ゼオライト含む触媒に代表される(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−168860号公報
【特許文献2】
特開平11−47596号公報
【0004】
これら2つの触媒の機能を1つの触媒で果すようにするには、例えば、HC吸着材であるゼオライト層の上に貴金属とNOx吸着材であるアルカリ成分を含む層をのせ、下層ゼオライトにより低温HCの吸収を行わせる一方、上層でNOxの吸着、浄化と共に、下層で吸収したHCの浄化を行わせる方法がある。
【0005】
このような触媒を作製する場合、まず、耐熱性無機担体にゼオライト層をコーティングし、続いて、貴金属を含むアルミナ層をコーティングして、最後にアルカリ等を含浸する方法が採られる。しかし、この方法では、アルカリがゼオライト層にかなり吸収されてしまい、ゼオライト層のHC吸収機能が十分に発揮できなくなることがある。
そこで、これを防ぐために、例えば炭酸バリウム(BaCO3)のような固体のアルカリ化合物を用い、これと貴金属とアルミナを混合してスラリー化し、ゼオライト層の上にコーティングする方法が考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような方法をとることにより、確かにゼオライト層へのアルカリ吸収の大部分を抑えることができるものの、アルカリとして固体のものを使用するために、アルカリの結晶子径が大きくなり、リーン時のNOx吸収性能が悪化する。また、同時に燃料及び潤滑油内に含まれる硫黄によりアルカリが被毒を受け、NOx吸着性能が低下する(硫黄被毒)という問題があった。
これを抑えるため、アルミナ粉末に先にアルカリを付けておいて、溶け出さないようにする方法があるが、近年の厳しい排ガス規制に対応するためには、より高いNOx吸着性能を有する吸着材料として、電気陰性度が0.9以下となるような強アルカリの使用が避けられない。しかし、これらの元素は水に溶けやすく、排気ガスに含まれる水分に溶けて触媒層内を移動し、HC吸着材に侵入して細孔閉塞を起すことから、先にアルミナに付けておいてもほとんど意味をなさなくなるという問題がある。
【0007】
さらに、ハニカム担体上にこの触媒を設ける際に、ゼオライトは嵩高いことから、HC吸着性能を十分に発揮できるだけのゼオライトをコーティングすると、セルが詰まって排圧が高くなってしまうため、このゼオライト上には僅かな量のNOx浄化層しか設けることができず、十分なNOx浄化性能を発揮することができなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、リーンNOxとコールドHCの浄化を行うことができる従来の一体型触媒における上記課題に着目してなされたものであって、HC吸着材層へのアルカリの侵入を抑制して、HC吸着性能とNOx吸着性能の両立を図ると共に、更に高いNOx浄化性能を備えた排気ガス浄化触媒と、このような触媒の製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の排気ガス浄化触媒は、少なくとも4層から成る積層構造を有し、炭化水素吸着材を含む第1層と、TiO2を含む第2層と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物及びCeに加えて、Pt及び/又はPdを含む第3層と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物、Ce及びRhに加えて、Pt及び/又はPdを含む第4層がこの順序に積層されて成り、第2層の厚さがこれら4層の合計厚さに対して、20分の1〜5分の1の範囲であることを特徴とし、電気陰性度が0.9以下の上記元素としては、例えばBa、Na、K若しくはCs、又はこれらの元素を組み合わせて用いることができる。
【0010】
本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法においては、第3層及び第4層の形成に際して、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物とCeをアルミナ上に同時に担持し、その後Pt及び/又はPdを担持して成る粉末を用いるようにしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の排気ガス浄化触媒は、図1に示すように、少なくとも4層から成る積層構造を有し、HC吸着材を含む第1層1と、TiO2を含む第2層2と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物及びCeに加えて、Pt及び/又はPdを含む第3層3と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物、Ce及びRhに加えて、Pt及び/又はPdを含む第4層4がこの順序に積層された構造のものである。すなわち、HC吸着材層とNOx浄化触媒層との2層から成る従来の触媒に比べて、第2層2にTiO2が含まれると共に、NOx吸着材として電気陰性度が0.9以下の元素の化合物を含むNOx浄化触媒層が2層(第3層3及び第4層4)に分かれ、最表層側(第4層4)にRhが含まれ、TiO2を含む第2層の厚さtがこれら4層の合計厚さDの20分の1から5分の1であることを特徴としている。
【0012】
すなわち、低温時のHC吸着性能と共に、リーン時における高いNOx吸着性能を満足するためには、電気陰性度0.9以下の元素の化合物が必要であって、電気陰性度が0.9より大きい元素ではこのような特性が得られない。しかし、これらの元素は、上述のように触媒層内を移動し、HC吸着材を含む層に侵入して細孔閉塞を起こし、HC吸着性能が低下する。
本発明の排気ガス浄化触媒においては、これを抑制するために、HC吸着材層の上にTiO2層を配置するようにしている。TiO2の作用については、必ずしも明らかとなってはいないが、TiO2の撥水性によって、上記元素が排気ガスに含まれる水分中に溶け出して吸着材層に移動するのを抑制しているものと考えられる。このTiO2を含む層の厚さには、最適値があり、第2層の厚さが厚すぎると、つまりこれら4層の合計厚さの5分の1を超えると、HC吸着層へのガス拡散が抑制され、HC吸着性能が低下することになり、逆に薄すぎると、つまり第2層の厚さが4層の合計厚さの20分の1に満たない場合には、上記元素の移動を抑制するという働きが十分に得られないことになる。
【0013】
また、リーン時に電気陰性度が0.9以下の元素の化合物によって吸着されたNOxをリッチ時に脱離して浄化するには、上記アルカリ元素の化合物を含む触媒層を2層に分け、しかも表層側(第4層)にRhを含有させることが必要となる。
【0014】
このとき、貴金属触媒としてのPdは、吸着したHCの脱離浄化性能に優れるが、反面、入れすぎるとNOx浄化性能が低下する傾向があることから、Pt/Pd比を3以上に保持することが望ましい。
【0015】
一方、Ceと上記アルカリ元素が一部複合化することにより、アルカリ元素の触媒層内の移動をより効果的に抑制することができると共に、リーンでNOxを浄化する触媒において顕著なS被毒を緩和することができる。すなわち、PtとCeが界面を持つことによって、高温でCOとH2OからH2を生成することができ(水生ガスシフト反応)、この水素がS被毒解除に有効に機能するものと考えられる。
【0016】
ここで、NOx吸着材として添加される電気陰性度が0.9以下の上記元素としては、例えば、Ba、Na、K及びCsを挙げることができ、これらの元素を単独で、あるいは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。
【0017】
本発明の排気ガス浄化触媒の好適形態としては、第3層及び第4層にMgを含有させ、そのMgの一部又は全部を電気陰性度が0.9以下の上記アルカリ元素と複合化させることが、当該アルカリ元素の移動をさらに有効に抑制すると共に、その化合物の結晶子径を小さくし、NOx性能、S被毒解除性能を向上させる観点から望ましい。
例えば、上記アルカリ元素がBaの場合、BaCO3単独の結晶子径は320Åであるのに対し、BaMgCO3になると250Å以下となり、熱をかけても大きく変化しないようになり(耐熱性が向上する)、NOx吸着性能が向上するだけでなく、S被毒解除性能も向上することになる。
【0018】
また、第3層及び第4層については、その一方若しくは両方がPdを含み、当該PdがCeを含む化合物、望ましくはCe−Zr複合酸化物上に担持された状態で添加されていることが好ましい。
すなわち、吸着材に吸着したHCは温度上昇によって放出され、浄化されることになるが、放出温度がHC浄化開始温度よりも低いと、十分に浄化できないうちに放出が始まることになってHC浄化性能が発揮されない。したがって、より低温においてHC浄化性能が発揮できるようにする必要があるが、これにはPdの添加が有効である。さらにO2を放出する基材としてCe含有化合物が存在することによって、HC浄化温度はさらに低温化する(280→250℃)。
【0019】
本発明の排気ガス浄化触媒の他の好適形態として、上記第3層にさらにHC吸着材を含ませることができる。
さらに高いHC吸着性能を得るためには、HC吸着材料を増やせば良いことになるが、ウォッシュコート量にも限界があり、HC吸着材料を増やすと、第3層及び第4層のNOx吸着層が少なくなってNOx性能が低下する。
そこで、HC吸着材を第3層にのみ混合することによってHC吸着性能とNOx浄化性能の両立を図る。第3層に存在するHC吸着材はTiO2による元素の侵入を抑制できないためにHC吸着性能に劣るが、トータルとしてHC吸着材量が増えることから、触媒全体のHC性能が向上することになる。また、HC吸着剤としてゼオライトを使用するとその固体酸性によって、S被毒を抑制することができる。
【0020】
本発明の排気ガス浄化触媒におけるさらに他の好適形態として、HC吸着材にβゼオライトを使用することが望ましい。
HC吸着剤としては、例えばZSM5などを使用することができるが、βゼオライトの細孔径が排ガス中のHC成分の分子の大きさに最適である。
【0021】
本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法においては、第3層及び第4層を形成するに際して、アルミナ上に、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物とCeを同時に担持した後、さらにPt及び/又はPdを担持して成る粉末を用いることが望ましい。
すなわち、PtはCeとが密に接触することにより水素生成能が向上し、S被毒解除性能が向上する。また、NOx吸着材として機能する上記元素の化合物を先にアルミナに付着させることによって、当該NOx吸着材による貴金属の被覆が防止されNOx性能も向上することになる。
【0022】
そして、上記製造方法の好適形態として、Ptをアルミナに担持させるための含浸溶液として、テトラアンミン白金水酸塩溶液を用いることが望ましく、これによって、例えばジニトロジアミン白金を使用した場合に比べてNOx浄化性能を向上させることができ、本発明製造方法における上記効果を確実なものとし、さらに向上させることができる。
なお、Ceを担持させるために用いる含浸溶液用のセリウム塩としては、酢酸セリウムが望ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、当該実施例において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0024】
(実施例1)
先ず、 酢酸セリウム(Ce(CH3CO2)3)水溶液と酢酸ナトリウム(NaCH3CO2)水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
次いで、得られた焼成物に8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Aとした。なお、この粉末AのPt担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0025】
次に、酢酸ジルコニウム(Zr(CH3CO2)4)水溶液中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌した後、120℃で一昼夜乾燥した後、900℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に6%の硝酸ロジウム(Rh(NO3)3)水溶液を含浸させて120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Bとした。得られた粉末BのRh担持濃度は2.4%、Zrの担持濃度は3%であった。
【0026】
一方、酢酸セリウム水溶液と酢酸バリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入し、1時間室温で攪拌した後、これに8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて120℃で一昼夜乾燥したのち、400℃で1時間焼成し、これを粉末Cとした。得られた粉末CのPt担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0027】
また、シュウ酸チタニルアンモニウム水溶液をアルミナに含浸させて120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Dとした。この粉末DのTi担持濃度はTiO2として60%であった。
【0028】
次に、ベータゼオライトを720g、シリカゾルを180g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して第1触媒スラリを得た。
また、上記粉末Dを810.0g、アルミナゾルを90.0g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第2触媒スラリを得た。
さらに、上記粉末Aを815.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
そして、上記粉末Bを265.6g、粉末Cを497.0g、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0029】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記第1触媒スラリを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、上記の第2触媒スラリを付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記の第4触媒スラリを付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0030】
(実施例2)
TiO2粉末を648.0g、アルミナを162.0g、アルミナゾルを90.0g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第2触媒スラリを得た。
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、上記第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0031】
(実施例3)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させたのち、同様の操作を繰り返し、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、TiO2ゾルを付着させ、同様に空気流にてセル内の余剰分を取り除いて130℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0032】
(実施例4)
粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸バリウム(Ba(CH3CO2)2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるBa担持濃度は、それぞれBaOとして7.4%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0033】
(実施例5)
粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸カリウム(KCH3CO2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるK担持濃度は、それぞれK2Oとして4.6%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0034】
(実施例6)
粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸セシウム(ScCH3CO2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるCs担持濃度は、それぞれCs2Oとして13.6%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0035】
(触媒No.7)
酢酸セリウム水溶液と酢酸マグネシウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Eとした。この粉末EのPt担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Mg担持濃度はMgOとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0036】
一方、酢酸セリウム水溶液と酢酸マグネシウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合攪拌した中にアルミナを投入して1時間室温でさらに攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して成る上記焼成物に、8%のジニトロジアミン白金溶液(pH=1)を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Fとした。この粉末FのPt担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Mg担持濃度はMgOとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0037】
次に、上記粉末Eを815.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Fを497.0g、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0038】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させたのち、同様に乾燥、焼成することによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
続いて、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0039】
(実施例8)
酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に8%の硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Gとした。この粉末GのPd担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0040】
同じく酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合攪拌した中にアルミナを投入して1時間室温でさらに攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して成る上記焼成物に、8%の硝酸パラジウム溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Hとした。この粉末HのPd担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0041】
次に、上記粉末Aを611.0g、粉末Gを204.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Cを372.8g、粉末Hを124.3、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0042】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様に乾燥、焼成することによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
また、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0043】
(実施例9)
25%のZrを含有するCeO2に8%の硝酸パラジウム溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Iとした。この粉末IのPd担持濃度は1.3%であった。
同じく25%Zr含有CeO2に8%の硝酸パラジウム溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Jとした。この粉末JのPd担持濃度は3.2%であった。
【0044】
次に、上記粉末Aを611.0g、粉末Iを204.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Cを372.8g、粉末Jを124.3、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0045】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させたのち、同様の操作を繰り返し、コート量30g/Lの第2層を形成した。
続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0046】
(実施例10)
酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合して攪拌し、その中にアルミナを投入して1時間室温で攪拌した。そして、これを120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成した。
得られた焼成物に2%のテトラアンミン白金水酸塩溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Kとした。この粉末KのPd担持濃度は1.3%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0047】
同じく酢酸セリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を混合攪拌した中にアルミナを投入して1時間室温でさらに攪拌し、120℃で一昼夜乾燥した後、600℃で1時間焼成して成る上記焼成物に、2%のテトラアンミン白金水酸塩溶液を含浸させて、120℃で一昼夜乾燥した後、400℃で1時間焼成し、これを粉末Lとした。この粉末LのPd担持濃度は3.2%、Na担持濃度はNa2Oとして3.0%、Ce担持濃度はCeO2として20%であった。
【0048】
次に、上記粉末Kを815.1g、アルミナを47.4g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
また、上記粉末Bを265.6g、粉末Lを497.0g、アルミナを81.0g、アルミナゾルを56.3g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第4触媒スラリを得た。
【0049】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様に余剰スラリーを除去した後、乾燥、焼成することによって、上記担体上にコート量150g/Lの第1層を形成した。
また、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
さらに、この第3層の上に、上記第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0050】
(実施例11)
上記粉末Aを555.5g、βゼオライトを229.1g、アルミナを70.4g、アルミナゾルを45.0g、水900gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕して、第3触媒スラリを得た。
【0051】
そして、コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量30g/Lの第2層を形成した。続いて、この第2層の上に、上記第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量220g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0052】
(比較例1)
上記粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸カルシウム(Ca(CH3CO2)2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるCa担持濃度は、CaOとしてそれぞれ7.4%、Ce担持濃度はCeO2としてそれぞれ20%であった。
【0053】
(比較例2)
上記粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸ストロンチウム(Sr(CH3CO2)2)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるSr担持濃度は、SrOとしてそれぞれ4.9%、Ce担持濃度はCeO2としてそれぞれ20%であった。
【0054】
(比較例3)
上記粉末A及びCにおける酢酸ナトリウムを酢酸イットリウム(Y(CH3CO2)3)に変えたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。これらの粉末におけるY担持濃度は、Y2O3としてそれぞれ10.8%、Ce担持濃度はCeO2としてそれぞれ20%であった。
【0055】
(比較例4)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、TiO2含有層を形成することなく、実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量150g/Lの触媒層(第2層)を形成した。
そして、この第2層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量100g/Lの触媒層(第3層)を得た。
【0056】
(比較例5)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に上記実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、同じく実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量10g/Lの第2層を形成した。
さらに、この第2層の上に、実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0057】
(比較例6)
コーデェライト質モノリス担体(1.2L、400セル)に実施例1において調整した第1触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、上記担体上にコート量80g/Lの第1層を形成した。
次に、第1層の上に、同じく実施例1において調整した第2触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート量100g/Lの第2層を形成した。
続いて、この第2層の上に、実施例1において調整した第3触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返して、コート量150g/Lの触媒層(第3層)を得た。
そして、この第3層の上に、実施例1において調整した第4触媒スラリを付着させ、同様の操作を繰り返すことによって、コート層100g/Lの触媒層(第4層)を得た。
【0058】
(比較例7)
上記粉末A及びCの調整に際して、酢酸セリウムを使用しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒を作製した。
【0059】
以上によって得られた各排気ガス浄化触媒の仕様を表1及び表2に示す。なお、NOx吸着材を構成するアルカリ元素の電気陰性度は、下記文献に拠った。
L.Pauling,“The Nature of Chemical Bond”,3rd Ed.,Cornell University Press(1960);小泉正夫訳,”化学結合論”,p81,共立出版(1962)
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
表1及び表2に示した各浄化触媒について、アルカリ成分の第1層への染み出し量を測定すると共に、下記条件による試験を行った。その結果を表3に示す。
【0063】
試験方法1
〔耐久方法〕
排気量4500ccのエンジンの排気系に各触媒をそれぞれ装着し、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃として、50時間運転した。
〔評価方法〕
耐久後の各触媒を排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に装着して、11モードを走り、排気浄化率(HC転化率)を求めた。
【0064】
試験方法2
〔耐久方法〕
排気量4500ccのエンジンの排気系に各触媒をそれぞれ装着し、軽油(S=10ppm以下)を使用し、触媒入口温度を650℃とし、50時間運転した。その後S被毒処理(S濃度400ppmの軽油を使用し、触媒入口温度を250℃とし、3時間運転)を行った後、S脱離処理(S=10ppm以下の軽油を使用し、触媒入口温度を650℃とし、30分運転)を行った。
〔評価方法〕
排気量2500ccのディーゼルエンジンの排気系に触媒を装着して、リーン(A/F=30)40sec→リッチ(A/F=11)4secの運転を行い、この区間における排気浄化率(NOx転化率)をS被毒‐脱離処理の前後について求めた。なお、触媒の入口温度は250℃とした。
【0065】
【表3】
【0066】
表3に示した結果から明らかなように、HC吸着材を含有する第1層の上に、TiO2を含む第2層が所定の厚さに形成され、電気陰性度が0.9以下である元素としてNa、Ba、K及びCsの化合物をNOx吸着材と貴金属触媒とCeを含む触媒層が第3層と第4層とに分かれ、表層側の第4層にRhを含む本発明実施例1〜11に係わる排気ガス浄化触媒においては、いずれもHC吸着材を含む第1層側へのアルカリ成分の染み出し量が少なく、HC転化率及びNOx転化率共に優れていることが確認された。
【0067】
これに対し、NOx吸着材として電気陰性度が0.9を超えるCa、Cr、Yの化合物を含む比較例1〜3の」触媒においては、第1層へのアルカリ成分の染み出し量が少なく、HC転化率に優れるものの、NOx吸着性能が得られず、NOx転化率に劣るものとなった。
【0068】
また、TiO2を含む第2層がない比較例4、及び第2層を備えていても、その厚さが薄い比較例5においては、アルカリ成分の染み出し量が多くて、HC転化率に劣ることが確認された。
【0069】
さらに、TiO2を含む第2層が厚すぎる比較例6の触媒においては、HC吸着性能が得られず、NOx浄化触媒層である第3及び第4層にCeを含んでいない比較例7の触媒においては、アルカリ成分が第1層に移行しやすく、NOx転化率のみならずHC転化率にも劣る結果となった。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、HC吸着材を含む第1層の上に、TiO2を含む第2層を形成すると共に、電気陰性度が0.9以下のアルカリ元素の化合物をNOx吸着材として含むNOx浄化触媒層が第3層と第4層とに分かれ、表面側に位置する第4層にRhが含まれ、さらにTiO2を含む上記第2層の厚さをこれら4層の合計厚さの20分の1から5分の1としたことによって、高いNOx吸着性能を確保しながら、アルカリ成分のHC吸着材層への移行を防止してHC吸着性能を維持することができ、HC吸着性能とNOx吸着性能を両立させることができ、低温HC浄化とリーンNOx浄化の機能を兼ね備えたハイブリット触媒として、触媒貴金属の節減と共に、排圧上昇抑制の効果がもたらされる。
【0071】
さらに、本発明の製造方法によれば、NOx吸着材として機能する上記アルカリ元素の化合物をアルミナに先に付着させた粉末を用いて第3層及び第4層を形成するようにしていることから、NOx吸着材によって貴金属触媒が覆われるようなことがなくなり、NOx浄化性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス浄化触媒の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1層
2 第2層
3 第3層
4 第4層
Claims (8)
- 少なくとも炭化水素吸着材を含む第1層と、TiO2を含む第2層と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物及びCeと共にPt及び/又はPdを含む第3層と、電気陰性度が0.9以下の元素の化合物、Ce及びRhと共にPt及び/又はPdを含む第4層がこの順序に積層されて成り、上記第2層の厚さが第1〜第4層までの合計厚さの1/20以上1/5以下であることを特徴とする排気ガス浄化触媒。
- 電気陰性度が0.9以下の元素がBa、Na、K及びCsから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
- 第3層及び第4層がさらにMgを含み、該Mgの一部又は全部が電気陰性度0.9以下の元素と複合化していることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒。
- 第3層及び/又は第4層がCeを含有する化合物上に担持されたPdを含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- 第3層がさらに炭化水素吸着材を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- 炭化水素吸着材がβゼオライトであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- 電気陰性度が0.9以下の元素の化合物とCeをアルミナ上に同時に担持し、その後Pt及び/又はPdを担持して成る粉末を用いて第3層及び第4層を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
- Ptの出発原料がテトラアンミン白金水酸塩溶液であることを特徴とする請求項7に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
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-
2003
- 2003-01-06 JP JP2003000100A patent/JP2004209403A/ja active Pending
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