JP2004230241A - 排気ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い温度域でのNOx浄化、具体的には200℃未満の低温域から450℃程度の高温域までに亘り良好なNOx浄化性能が確保された排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】排気ガス流路上に上流側触媒部及び下流側触媒部とを順次配設して成り、上流側触媒部及び下流側触媒部がアルカリ化合物を含み、上流側触媒部のNOx吸着力及び下流側触媒部最表層のNOx吸着力が下流側触媒部最表層以外の層のNOx吸着力より大きい排気ガス浄化触媒である。
NOx吸着性元素を含む水溶性塩を触媒担持基材に含浸させ、触媒貴金属を含む塩基性の貴金属液を含浸担持させた粉末をスラリー化しpHを調整し、スラリーをハニカム担体に塗布し、乾燥・焼成して排気ガス浄化触媒を製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】排気ガス流路上に上流側触媒部及び下流側触媒部とを順次配設して成り、上流側触媒部及び下流側触媒部がアルカリ化合物を含み、上流側触媒部のNOx吸着力及び下流側触媒部最表層のNOx吸着力が下流側触媒部最表層以外の層のNOx吸着力より大きい排気ガス浄化触媒である。
NOx吸着性元素を含む水溶性塩を触媒担持基材に含浸させ、触媒貴金属を含む塩基性の貴金属液を含浸担持させた粉末をスラリー化しpHを調整し、スラリーをハニカム担体に塗布し、乾燥・焼成して排気ガス浄化触媒を製造する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、自動車(ガソリン、ディーゼル)、ボイラーなどの内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を広い温度域で吸着・浄化し得る排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油資源の枯渇問題、地球温暖化問題から、自動車排気ガスを処理する触媒が要求されている。特に、NOxをより吸着・浄化できる触媒の開発が望まれており、例えば、表層に強アルカリを配置し、内層にアルカリ金属・アルカリ土類金属を配置して成る触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−176298号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる技術では、内層側にBaを配置していることから、300℃付近の中温域から450℃付近の高温域ではNOx浄化性能を示すが、200℃未満の低温域では充分なNOx浄化性能が得られなかった。
【0005】
また、従来の排気ガス浄化触媒では、リーン域にNOxを吸着し、リッチ〜ストイキ域で吸着させたNOxを脱離浄化させる際に、低温域(200℃未満)ではNOx吸着活性が低下し、これを改良すると中温域及び高温域(200℃〜450℃)でのNOx吸着活性が低下し触媒機能が低下するという問題点があった。即ち、NOx吸着力を幅広い温度域で確保することが困難であった。
【0006】
かかる問題の解決策として、本発明者らは低温域〜高温域における排気ガス浄化触媒の活性範囲を検討した。その結果、排気流路に設置したNOx吸着・浄化触媒のNOx吸着機能が、高温域では、排気ガスの流れ方向に対しては上流側から、触媒層の層厚方向(排気ガス流れに対して垂直方向)に対しては排気ガス接触面により近い部分から機能することを知見した。また、低温域では、触媒上流側及び下流側最表層部は殆どNOx吸着・浄化機能を示すことができず、下流側内層部でNOx吸着・浄化機能が有効に発揮されていることを知見した。
即ち、本発明者らは、高温域では主に触媒上流側及び触媒下流側表層部でNOxの吸着・浄化が行われること、及び低温域では触媒下流側内層部でNOxの吸着・浄化が行われることを知見した。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する課題及び新たな知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い温度域でのNOx浄化、具体的には200℃未満の低温域から450℃程度の高温域までに亘り良好なNOx浄化性能が確保された排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、排気ガスが流通する触媒部のNOx吸着力を上流側〜下流側に亘り部分的に変更することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0010】
本発明の排気ガス浄化触媒は、排気ガス流路上に上流側触媒及び積層構造を成す下流側触媒とを順次配設して成る。また、上記上流側触媒部及び上記下流側触媒部は、NOx吸着性を有するアルカリ化合物を含んで成る。
ここで、上記アルカリ化合物は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及びこれらの複合化合物を示す。かかるアルカリ化合物としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba)、及びこれらの任意の組合せにかかる元素を含む化合物、例えばNa2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3及びBaCO3などを例示できる。
【0011】
本発明は、このようなアルカリ化合物のNOx吸着力の差異に着目し、上記上流側触媒部と上記下流側触媒部の最表層とのNOx吸着力を、該下流側触媒部の最表層以外の層(以下、「下流側触媒部内層」と言う)のNOx吸着力より大きくする。即ち、触媒部のNOx吸着強度を部分的に変化させることより、広い温度範囲(200℃未満の低温域から450℃程度の高温域まで)でNOx吸着・浄化が可能となる。
また、上記アルカリ化合物の含有量(体積、重量)は、例えば、排気ガス組成、排気ガスの平均排温(350℃〜380℃のような高温域など)、排気ガス流速(高SV時など)及び含有する触媒貴金属量などに応じて、任意に調整することができ、このときはNOx浄化性能をより高めることができる。
【0012】
代表的には、上記下流側触媒部を第1触媒層及び第2触媒層を順次積層した構造とし、上記上流側触媒部及び第2触媒層のNOx吸着力を第1触媒層のNOx吸着力より大きくすることができる。このとき、上流側触媒部は構成粒子の平均粒径が2.5μm〜3.0μmであり、第1触媒層は構成粒子の平均粒径が2.5μm〜3.0μmであり、第2触媒層は構成粒子の平均粒径が2.5μm〜3.0μmであることが望ましい。
また、350℃〜450℃のような高温域のNOx触媒性能保持の観点から、上流側触媒部のNOx吸着力は下流側触媒部最表層のNOx吸着力より大きいことが好適である。
なお、第1触媒層及び第2触媒層の配置位置が逆であると、広い温度範囲に亘るNOx浄化性能が得られにくい。また、上流側触媒部は、1層から成るものでも良いし、積層構造を成していても良いが、触媒貴金属の配置などを考慮すると積層構造であることがよい。また、上流側触媒部及び下流側触媒部において、NOx吸着力の差異を逆にすると上記効果が低下する。
【0013】
また、上記上流側触媒部と上記下流側触媒部には、NOx浄化触媒成分として、例えば、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)又は白金(Pt)、及びこれらの任意の組合せに係る触媒貴金属などを適宜含有できる。これより、吸着されたNOxを良好に浄化できる。これら触媒貴金属の含有量は、調整されたNOx吸着力、言い換えればアルカリ化合物の含有量に応じて適宜調整することが望ましい。
【0014】
なお、NOx吸着性成分としてアルカリ金属やアルカリ土類金属を用いると、これらがS被毒を受けNOx吸着力が低下してしまうことがある。このときは、上記アルカリ化合物(主に炭酸塩など)の結晶子径を小さくすることにより、かかるS被毒を解除できる。ここで、「結晶子」とは、単一の結晶形が同一の方向性を持つ集合体をいい、結晶子径はXRDピークの半値幅とθを使い、次のシェラーの式により求められるものである。
(結晶子径)=λ/((半値幅×3.14/180)×COSθ)
【0015】
また、低温域と高温域でNOx吸着・浄化能を両立させるには、排気ガス浄化触媒のNOx吸着力、特にアルカリ強度のバランスが重要である。
本発明者らは、吸着NOx種がNO2吸着種として存在することを推察し、NOx吸着力を示す指標として、アルカリ化合物のNOx吸着反応を模擬した次の反応式1
MxO+2NO2+0.5O2→XM(NO3)2/X …(1)
(式中のMはアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素、Xは反応式1を満たす整数)
で表される上記MのΔG値を調整することを見出した。但し、現時点では実触媒が排気ガス条件下でこのような反応を示すかは明らかではない。
なお、上記反応式1のΔG値は、NOx吸着性元素が有するNOx吸着力のポテンシャルを示すものであり、等NOx量を吸着する際の自由エネルギー変化を示すものである。
【0016】
具体的には、上記アルカリ化合物を、上記上流側触媒部及び/又は上記下流側触媒部最表層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のギブスエネルギーをΔG1、上記下流側触媒部の最表層以外の層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のギブスエネルギーをΔG2としたとき、250℃において、上記反応式1で表される上記MのΔG値が、ΔG2>ΔG1を満たすように配合することが好適である。このときは、より広い温度範囲でNOx吸着・浄化性能を得ることができる。
また、本発明で用い得るアルカリ金属又はアルカリ土類金属のΔG値の一例を表1に示す。これらアルカリ元素は、ΔG2−ΔG1>0の関係を満たしていれば、排気ガス浄化触媒が使用される排気条件に応じて適宜選択され得る。
【0017】
【表1】
【0018】
更に、上記上流側触媒部及び/又は上記下流側触媒部に含まれるアルカリ化合物の酸化物換算重量は、触媒容量1L当り1〜50gであることが好ましく、このときはNOx吸着・浄化効果が特に大きくなり易い。1g未満ではアルカリ化合物の有するNOx吸着・浄化作用が十分に得られないことがあり、また、50gを超えて添加しても有意な増量効果が得られにくく、触媒貴金属の熱劣化が進行し易い。また、アルカリ化合物の粒子径が増大することがあり、このときは、排気ガスとの接触界面が減少し、性能が低下し易い。
【0019】
更にまた、排気ガス流路上且つ上記上流側触媒部の更に上流側に、還元剤中の水素比率を高める触媒を配設することができる。このときは、排気ガスの水素/一酸化炭素比を向上し、低温域のNOx吸着・浄化性能が更に向上し得る。これは、低温域でのNOx浄化に対し、還元剤としての水素がNOx浄化に対し高い反応活性を示すためである。また、低温部で働かない(NOxを浄化しにくい)上流側触媒部での水素(還元剤)の消費が抑制されるためである。
かかる還元剤中の水素比率を高める触媒としては、例えば、Pt/CeO2をハニカム担体に塗布した触媒体などを使用できる。
【0020】
上述した本発明の排気ガス浄化触媒は、各種形状で使用でき、耐火性無機担体に担持して用いることができる。例えば、上流側触媒部及び下流側触媒部をコーディエライト等のセラミックやフェライト系ステンレス等の金属で構成されるハニカム構造体などの一体構造型担体(モノリス担体)に配設して成るのが望ましい。
【0021】
次に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法について詳細に説明する。
かかる排気ガス浄化触媒の製造方法では、まず、NOx吸着性元素の水溶性塩(酢酸塩など)を触媒担持基材に含浸させ、触媒貴金属を含む塩基性の貴金属液を含浸担持させて粉末とする。
次いで、この粉末をスラリー化するとともにpHを調整する。このときスラリーのpHは6.5〜7.5とすることが好適である。pHが6.5未満の強酸性領域では、NOx吸着性元素が溶出してしまい、所望の積層構造が得られにくく、結果として、広い温度域でのNOx吸着・浄化が行えないことがある。pHが7.5超の強アルカリ性領域では、例えば出発塩である酢酸塩を焼成することにより生じた炭酸塩をpH調整により酢酸化することが困難となり易く、またスラリー粘度も向上するため、塗れ性が低下し目詰まりなどが生じ易い。
更に、このスラリーをハニカム担体に塗布し、乾燥・焼成して上記上流側触媒部及び下流側触媒部を形成後、上述の排気ガス浄化触媒が得られる。例えば、上記乾燥工程は100〜300℃程度、上記焼成工程は400〜700℃程度で行うことができる。
なお、上流側触媒部及び下流側触媒部を形成する際のスラリーは、各部位が所望のNOx吸着力を発揮し得るようアルカリ化合物の含有量が調整される。また、これに対応するように触媒貴金属などのNOx浄化触媒成分も適宜調整して含有することが望ましい。
【0022】
また、上記スラリーを構成する粒子の平均粒径は、例えば、上流側触媒部用スラリーは2.5〜3.5μm、下流側触媒部最表層用スラリーは2.5〜3.5μm、下流側触媒部内層用スラリーは2.5〜3.5μmであることが望ましい。また、上記アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含むアルカリ化合物の形態としては、炭酸塩、酸化物及び水酸化物などとすることが望ましい。更に、触媒担持基材としては、酸化アルミニウム粉末などを用いることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
<還元剤中の水素比率を高める触媒の調製>
酸化セリウム粉末ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt担持酸化セリウム(以下セリア)を得た。このときのPt担持濃度は1.5%であった。
更に、アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、Pt担持セリア粉末960gと、ベーマイト状アルミナ40gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。
該スラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて120℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層250g/Lを担持して還元剤中の水素比率を高める触媒を作成した。
【0025】
<粉末調製>
・Rh担持粉末;酸化アルミニウム粉末に硝酸ロジウム溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Rh担持粉末を得た。このときRhの担持濃度は2%であった。
【0026】
・Pt−Na担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Na溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Na担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Na担持粉末を得た。このときのNaの担持濃度は5%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0027】
・Pt−K担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸K溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、K担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−K担持粉末を得た。このときのKの担持濃度は5.9%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0028】
・Pt−Cs担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Cs溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Cs担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Na担持粉末を得た。このときのCsの担持濃度は23.3%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0029】
・Pt−Ba担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Ba溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Ba担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Ba担持粉末を得た。このときのBaの担持濃度は12.7%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0030】
・Pt−Sr担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Sr溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Sr担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Sr担持粉末を得た。このときのSrの担持濃度は8.6%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0031】
・Pt−Mg担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Mg溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Mg担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Mg担持粉末を得た。このときのMgの担持濃度は3.3%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0032】
・Pt−Li,Ba担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、BaとLiを原子比で8:4に含む酢酸Baと酢酸Liの混合溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Li,Ba担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Li,Ba担持粉末を得た。このときのLi,Ba混合物の担持濃度は12.7%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0033】
・比較Pt−Ba担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Ba溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Ba担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、比較Pt−Ba担持粉末を得た。このときのBaの担持濃度は25.0%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0034】
<スラリー調製>
・Na含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Na担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.0であった。
【0035】
・Na含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−Na担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.1であった。
【0036】
・K含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−K担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.0であった。
【0037】
・K含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−K担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.3であった。
【0038】
・Cs含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Cs担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.5あった。
【0039】
・Cs含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−Cs担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは13.2であった。
【0040】
・Ba含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Ba担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは9.5あった。
【0041】
・Ba含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−Ba担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは10.3であった。
【0042】
・Sr含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Sr担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは9.2であった。
【0043】
・Mg含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Mg担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは8.8であった。
【0044】
・比較Ba含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記比較Pt−Ba担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは9.8であった。
【0045】
・比較Ba含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記比較Pt−Ba担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは10.3であった。
【0046】
(実施例1)
<上流側−触媒部内層>
上記Na含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0047】
<上流側−触媒部表層>
更に上記Na含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例1の表内層ともにNaを含む上流側触媒を得た。
【0048】
<下流側−触媒部内層>
上記Mg含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0049】
<下流側−触媒部表層>
更に、上記Na含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例1の内層にMg、表層にNaを含む下流側触媒を得た。
これらを上下流に配置させ、実施例1の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0050】
(実施例2)
<上流側−触媒部内層>
上記Cs含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0051】
<上流側−触媒部表層>
更に、上記Cs含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例2の表内層ともにCsを含む上流側触媒を得た。
【0052】
<下流側−触媒部内層>
上記Sr含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0053】
<下流側−触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例2の内層にSr、表層にBaを含む下流側触媒を得た。
これらを上下流に配置させ、実施例2の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0054】
(実施例3)
同様にして、上流側表内層にK、下流側表層にBa、内層にMgを配置させた実施例3の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0055】
(実施例4)
同様にして、上流側表内層にLi,Ba、下流側表層にLi,Ba、内層にMgを配置させた実施例4の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0056】
(実施例5)
同様にして、上流側表内層にBa、下流側表層にBa、内層にSrを配置させた実施例5の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0057】
(実施例6)
同様にして、上流側表内層にBa、下流側表層にBa、内層にMgを配置させた実施例6の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0058】
(実施例7)
同様にして、上流側表層にCs、内層にBa、下流側表層にBa、内層にMgを配置させた実施例7の触媒を得たのち、後述のモデルガス評価を実施した。
【0059】
(実施例8)
上記実施例5記載の触媒の更に上流側に、上記還元剤中の水素比率を高める触媒を設置した以外は同様にして、後述のモデルガス評価を実施した。
【0060】
(比較例1)
<触媒部内層>
上記Mg含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0061】
<触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例1の内層にMg、表層にBaを含む触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0062】
(比較例2)
<触媒部内層>
上記Ba含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0063】
<触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例2の内表層共にBaを含む触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0064】
(比較例3)
<上流側−触媒部内層>
上記Na含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0065】
<上流側−触媒部表層>
更に、上記Na含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例3の表内層ともにNaを含む上流側触媒を得た。
【0066】
<下流側−触媒部内層>
上記Ba含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0067】
<下流側−触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例3の内表層共にBaを含む下流側触媒を得た。
これらを上下流に配置させ、比較例3の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0068】
(比較例4)
実施例1の触媒調整時、スラリのpH調整を行わないこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0069】
(比較例5)
実施例6の触媒調整時、スラリのpH調整を行わないこと以外は実施例6と同様にして、比較例5の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0070】
(比較例6)
Ba含有表層用スラリ及びBa含有内層用スラリの代わりに各々比較Ba含有表層用スラリ及び比較Ba含有内層用スラリを用いた以外は実施例5と同様にして、比較例6の触媒を得た後、モデルガス評価を実施した。
【0071】
(耐久試験)
上記各例の触媒を、下記耐久試験条件にて、劣化処理を施した。
使用エンジン ;日産自動車株式会社製 直列6気筒 2.0Lエンジン
使用燃料 ;レギュラーガソリン(日石三菱製 Pb0mg/usj.S=30ppm以下)
触媒入口排気温度 ;700℃
耐久時間 ;30時間
【0072】
(評価試験例)
排気量2500ccのエンジンの排気系に上記各例で得られた排気ガス浄化触媒の設置場所各々変更することで、各例の触媒入口排気温度を180℃、250℃及び400℃となるよう配置し、各々のNOx浄化率を求めた。この評価結果を表2に示す。尚、実施例8において、還元剤中の水素比率を高める触媒はエキゾーストマニフォールド直下に配置し、450℃とした。
・エンジン制御条件
・SV=60,000Hr−1
・A/F制御;リーンA/F=20(40秒)、リッチA/F=11.0(2秒)の繰り返し
・平均NOx濃度=100ppm
【0073】
NOx浄化率(%)=〔入口NOx量−触媒出口NOx量〕/入口NOx量
【0074】
【表2】
【0075】
表2より、本発明の好適範囲内である実施例1〜8で得られた排気ガス浄化触媒は、180℃付近の低温域から、比較的高いNOx浄化率を示しつつ、400℃付近の高温域のNOx浄化性能を維持させることができる。このことは、例えば、車両が低速走行した状態、即ち、エンジンが低負荷で低排気温度の状態から、高速走行時に移行した際、即ち高負荷の高排気温度の状態の幅広い車両運転条件に適用可能であることを示している。
一方、比較例1〜6では、180℃付近の低温のNOx浄化性能、あるいは400℃の高温のNOx浄化性能のいずれかに効果が見られなく、幅広い運転条件でのNOx浄化性能を維持することが困難となっている。
【0076】
以上、本発明を好適実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を浄化する触媒成分を適宜使用して排気ガス浄化触媒を構成することができる。また、各触媒部を狙にでき、即ち嵩高く形成でき、この場合はガス拡散性が良好となり、低温域ではガス拡散速度が低かった領域でもガス拡散速度が高まり、NOx吸着・浄化性能が向上し得る。更に、各触媒部にはアルカリ化合物以外のNOx吸着性成分、例えば酸化セリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化ジルコニウム、ゼオライトなどを含有することもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、排気ガスが流通する触媒部のNOx吸着力を上流側〜下流側に亘り部分的に変更することとしたため、広い温度域でのNOx浄化、具体的には200℃未満の低温域から450℃程度の高温域までに亘り良好なNOx浄化性能が確保された排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化触媒及びその製造方法に係り、更に詳細には、自動車(ガソリン、ディーゼル)、ボイラーなどの内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を広い温度域で吸着・浄化し得る排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油資源の枯渇問題、地球温暖化問題から、自動車排気ガスを処理する触媒が要求されている。特に、NOxをより吸着・浄化できる触媒の開発が望まれており、例えば、表層に強アルカリを配置し、内層にアルカリ金属・アルカリ土類金属を配置して成る触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−176298号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる技術では、内層側にBaを配置していることから、300℃付近の中温域から450℃付近の高温域ではNOx浄化性能を示すが、200℃未満の低温域では充分なNOx浄化性能が得られなかった。
【0005】
また、従来の排気ガス浄化触媒では、リーン域にNOxを吸着し、リッチ〜ストイキ域で吸着させたNOxを脱離浄化させる際に、低温域(200℃未満)ではNOx吸着活性が低下し、これを改良すると中温域及び高温域(200℃〜450℃)でのNOx吸着活性が低下し触媒機能が低下するという問題点があった。即ち、NOx吸着力を幅広い温度域で確保することが困難であった。
【0006】
かかる問題の解決策として、本発明者らは低温域〜高温域における排気ガス浄化触媒の活性範囲を検討した。その結果、排気流路に設置したNOx吸着・浄化触媒のNOx吸着機能が、高温域では、排気ガスの流れ方向に対しては上流側から、触媒層の層厚方向(排気ガス流れに対して垂直方向)に対しては排気ガス接触面により近い部分から機能することを知見した。また、低温域では、触媒上流側及び下流側最表層部は殆どNOx吸着・浄化機能を示すことができず、下流側内層部でNOx吸着・浄化機能が有効に発揮されていることを知見した。
即ち、本発明者らは、高温域では主に触媒上流側及び触媒下流側表層部でNOxの吸着・浄化が行われること、及び低温域では触媒下流側内層部でNOxの吸着・浄化が行われることを知見した。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する課題及び新たな知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広い温度域でのNOx浄化、具体的には200℃未満の低温域から450℃程度の高温域までに亘り良好なNOx浄化性能が確保された排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、排気ガスが流通する触媒部のNOx吸着力を上流側〜下流側に亘り部分的に変更することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排気ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0010】
本発明の排気ガス浄化触媒は、排気ガス流路上に上流側触媒及び積層構造を成す下流側触媒とを順次配設して成る。また、上記上流側触媒部及び上記下流側触媒部は、NOx吸着性を有するアルカリ化合物を含んで成る。
ここで、上記アルカリ化合物は、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物及びこれらの複合化合物を示す。かかるアルカリ化合物としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba)、及びこれらの任意の組合せにかかる元素を含む化合物、例えばNa2CO3、Cs2CO3、MgCO3、CaCO3及びBaCO3などを例示できる。
【0011】
本発明は、このようなアルカリ化合物のNOx吸着力の差異に着目し、上記上流側触媒部と上記下流側触媒部の最表層とのNOx吸着力を、該下流側触媒部の最表層以外の層(以下、「下流側触媒部内層」と言う)のNOx吸着力より大きくする。即ち、触媒部のNOx吸着強度を部分的に変化させることより、広い温度範囲(200℃未満の低温域から450℃程度の高温域まで)でNOx吸着・浄化が可能となる。
また、上記アルカリ化合物の含有量(体積、重量)は、例えば、排気ガス組成、排気ガスの平均排温(350℃〜380℃のような高温域など)、排気ガス流速(高SV時など)及び含有する触媒貴金属量などに応じて、任意に調整することができ、このときはNOx浄化性能をより高めることができる。
【0012】
代表的には、上記下流側触媒部を第1触媒層及び第2触媒層を順次積層した構造とし、上記上流側触媒部及び第2触媒層のNOx吸着力を第1触媒層のNOx吸着力より大きくすることができる。このとき、上流側触媒部は構成粒子の平均粒径が2.5μm〜3.0μmであり、第1触媒層は構成粒子の平均粒径が2.5μm〜3.0μmであり、第2触媒層は構成粒子の平均粒径が2.5μm〜3.0μmであることが望ましい。
また、350℃〜450℃のような高温域のNOx触媒性能保持の観点から、上流側触媒部のNOx吸着力は下流側触媒部最表層のNOx吸着力より大きいことが好適である。
なお、第1触媒層及び第2触媒層の配置位置が逆であると、広い温度範囲に亘るNOx浄化性能が得られにくい。また、上流側触媒部は、1層から成るものでも良いし、積層構造を成していても良いが、触媒貴金属の配置などを考慮すると積層構造であることがよい。また、上流側触媒部及び下流側触媒部において、NOx吸着力の差異を逆にすると上記効果が低下する。
【0013】
また、上記上流側触媒部と上記下流側触媒部には、NOx浄化触媒成分として、例えば、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)又は白金(Pt)、及びこれらの任意の組合せに係る触媒貴金属などを適宜含有できる。これより、吸着されたNOxを良好に浄化できる。これら触媒貴金属の含有量は、調整されたNOx吸着力、言い換えればアルカリ化合物の含有量に応じて適宜調整することが望ましい。
【0014】
なお、NOx吸着性成分としてアルカリ金属やアルカリ土類金属を用いると、これらがS被毒を受けNOx吸着力が低下してしまうことがある。このときは、上記アルカリ化合物(主に炭酸塩など)の結晶子径を小さくすることにより、かかるS被毒を解除できる。ここで、「結晶子」とは、単一の結晶形が同一の方向性を持つ集合体をいい、結晶子径はXRDピークの半値幅とθを使い、次のシェラーの式により求められるものである。
(結晶子径)=λ/((半値幅×3.14/180)×COSθ)
【0015】
また、低温域と高温域でNOx吸着・浄化能を両立させるには、排気ガス浄化触媒のNOx吸着力、特にアルカリ強度のバランスが重要である。
本発明者らは、吸着NOx種がNO2吸着種として存在することを推察し、NOx吸着力を示す指標として、アルカリ化合物のNOx吸着反応を模擬した次の反応式1
MxO+2NO2+0.5O2→XM(NO3)2/X …(1)
(式中のMはアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素、Xは反応式1を満たす整数)
で表される上記MのΔG値を調整することを見出した。但し、現時点では実触媒が排気ガス条件下でこのような反応を示すかは明らかではない。
なお、上記反応式1のΔG値は、NOx吸着性元素が有するNOx吸着力のポテンシャルを示すものであり、等NOx量を吸着する際の自由エネルギー変化を示すものである。
【0016】
具体的には、上記アルカリ化合物を、上記上流側触媒部及び/又は上記下流側触媒部最表層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のギブスエネルギーをΔG1、上記下流側触媒部の最表層以外の層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のギブスエネルギーをΔG2としたとき、250℃において、上記反応式1で表される上記MのΔG値が、ΔG2>ΔG1を満たすように配合することが好適である。このときは、より広い温度範囲でNOx吸着・浄化性能を得ることができる。
また、本発明で用い得るアルカリ金属又はアルカリ土類金属のΔG値の一例を表1に示す。これらアルカリ元素は、ΔG2−ΔG1>0の関係を満たしていれば、排気ガス浄化触媒が使用される排気条件に応じて適宜選択され得る。
【0017】
【表1】
【0018】
更に、上記上流側触媒部及び/又は上記下流側触媒部に含まれるアルカリ化合物の酸化物換算重量は、触媒容量1L当り1〜50gであることが好ましく、このときはNOx吸着・浄化効果が特に大きくなり易い。1g未満ではアルカリ化合物の有するNOx吸着・浄化作用が十分に得られないことがあり、また、50gを超えて添加しても有意な増量効果が得られにくく、触媒貴金属の熱劣化が進行し易い。また、アルカリ化合物の粒子径が増大することがあり、このときは、排気ガスとの接触界面が減少し、性能が低下し易い。
【0019】
更にまた、排気ガス流路上且つ上記上流側触媒部の更に上流側に、還元剤中の水素比率を高める触媒を配設することができる。このときは、排気ガスの水素/一酸化炭素比を向上し、低温域のNOx吸着・浄化性能が更に向上し得る。これは、低温域でのNOx浄化に対し、還元剤としての水素がNOx浄化に対し高い反応活性を示すためである。また、低温部で働かない(NOxを浄化しにくい)上流側触媒部での水素(還元剤)の消費が抑制されるためである。
かかる還元剤中の水素比率を高める触媒としては、例えば、Pt/CeO2をハニカム担体に塗布した触媒体などを使用できる。
【0020】
上述した本発明の排気ガス浄化触媒は、各種形状で使用でき、耐火性無機担体に担持して用いることができる。例えば、上流側触媒部及び下流側触媒部をコーディエライト等のセラミックやフェライト系ステンレス等の金属で構成されるハニカム構造体などの一体構造型担体(モノリス担体)に配設して成るのが望ましい。
【0021】
次に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法について詳細に説明する。
かかる排気ガス浄化触媒の製造方法では、まず、NOx吸着性元素の水溶性塩(酢酸塩など)を触媒担持基材に含浸させ、触媒貴金属を含む塩基性の貴金属液を含浸担持させて粉末とする。
次いで、この粉末をスラリー化するとともにpHを調整する。このときスラリーのpHは6.5〜7.5とすることが好適である。pHが6.5未満の強酸性領域では、NOx吸着性元素が溶出してしまい、所望の積層構造が得られにくく、結果として、広い温度域でのNOx吸着・浄化が行えないことがある。pHが7.5超の強アルカリ性領域では、例えば出発塩である酢酸塩を焼成することにより生じた炭酸塩をpH調整により酢酸化することが困難となり易く、またスラリー粘度も向上するため、塗れ性が低下し目詰まりなどが生じ易い。
更に、このスラリーをハニカム担体に塗布し、乾燥・焼成して上記上流側触媒部及び下流側触媒部を形成後、上述の排気ガス浄化触媒が得られる。例えば、上記乾燥工程は100〜300℃程度、上記焼成工程は400〜700℃程度で行うことができる。
なお、上流側触媒部及び下流側触媒部を形成する際のスラリーは、各部位が所望のNOx吸着力を発揮し得るようアルカリ化合物の含有量が調整される。また、これに対応するように触媒貴金属などのNOx浄化触媒成分も適宜調整して含有することが望ましい。
【0022】
また、上記スラリーを構成する粒子の平均粒径は、例えば、上流側触媒部用スラリーは2.5〜3.5μm、下流側触媒部最表層用スラリーは2.5〜3.5μm、下流側触媒部内層用スラリーは2.5〜3.5μmであることが望ましい。また、上記アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含むアルカリ化合物の形態としては、炭酸塩、酸化物及び水酸化物などとすることが望ましい。更に、触媒担持基材としては、酸化アルミニウム粉末などを用いることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
<還元剤中の水素比率を高める触媒の調製>
酸化セリウム粉末ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt担持酸化セリウム(以下セリア)を得た。このときのPt担持濃度は1.5%であった。
更に、アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、Pt担持セリア粉末960gと、ベーマイト状アルミナ40gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。
該スラリ液をコーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて120℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層250g/Lを担持して還元剤中の水素比率を高める触媒を作成した。
【0025】
<粉末調製>
・Rh担持粉末;酸化アルミニウム粉末に硝酸ロジウム溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Rh担持粉末を得た。このときRhの担持濃度は2%であった。
【0026】
・Pt−Na担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Na溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Na担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Na担持粉末を得た。このときのNaの担持濃度は5%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0027】
・Pt−K担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸K溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、K担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−K担持粉末を得た。このときのKの担持濃度は5.9%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0028】
・Pt−Cs担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Cs溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Cs担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Na担持粉末を得た。このときのCsの担持濃度は23.3%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0029】
・Pt−Ba担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Ba溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Ba担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Ba担持粉末を得た。このときのBaの担持濃度は12.7%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0030】
・Pt−Sr担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Sr溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Sr担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Sr担持粉末を得た。このときのSrの担持濃度は8.6%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0031】
・Pt−Mg担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Mg溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Mg担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Mg担持粉末を得た。このときのMgの担持濃度は3.3%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0032】
・Pt−Li,Ba担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、BaとLiを原子比で8:4に含む酢酸Baと酢酸Liの混合溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Li,Ba担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Pt−Li,Ba担持粉末を得た。このときのLi,Ba混合物の担持濃度は12.7%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0033】
・比較Pt−Ba担持粉末;酸化アルミニウム粉末に、酢酸Ba溶液を含浸、120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、Ba担持粉末を得た。その後、ヘキサアンミンPt水酸溶液を含浸した後、同様に120℃にて20時間乾燥後、空気気流中、400℃で1時間焼成し、比較Pt−Ba担持粉末を得た。このときのBaの担持濃度は25.0%、Pt担持濃度は2.5%であった。
【0034】
<スラリー調製>
・Na含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Na担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.0であった。
【0035】
・Na含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−Na担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.1であった。
【0036】
・K含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−K担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.0であった。
【0037】
・K含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−K担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.3であった。
【0038】
・Cs含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Cs担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは12.5あった。
【0039】
・Cs含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−Cs担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは13.2であった。
【0040】
・Ba含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Ba担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは9.5あった。
【0041】
・Ba含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記Pt−Ba担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは10.3であった。
【0042】
・Sr含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Sr担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは9.2であった。
【0043】
・Mg含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Pt−Mg担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは8.8であった。
【0044】
・比較Ba含有内層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記比較Pt−Ba担持粉末769gと、酸化アルミニウム粉末192gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは9.8であった。
【0045】
・比較Ba含有表層用スラリ調製;アルミナ製磁性ポッドに粒径10mmのアルミナボールと、上記Rh担持粉末192gと、上記比較Pt−Ba担持粉末769gと、ベーマイト状アルミナ38gと、イオン交換水1857gを各々投入し、3.0Hr振動粉砕した。このときの溶液のpHは10.3であった。
【0046】
(実施例1)
<上流側−触媒部内層>
上記Na含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0047】
<上流側−触媒部表層>
更に上記Na含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例1の表内層ともにNaを含む上流側触媒を得た。
【0048】
<下流側−触媒部内層>
上記Mg含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0049】
<下流側−触媒部表層>
更に、上記Na含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例1の内層にMg、表層にNaを含む下流側触媒を得た。
これらを上下流に配置させ、実施例1の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0050】
(実施例2)
<上流側−触媒部内層>
上記Cs含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0051】
<上流側−触媒部表層>
更に、上記Cs含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例2の表内層ともにCsを含む上流側触媒を得た。
【0052】
<下流側−触媒部内層>
上記Sr含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0053】
<下流側−触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、実施例2の内層にSr、表層にBaを含む下流側触媒を得た。
これらを上下流に配置させ、実施例2の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0054】
(実施例3)
同様にして、上流側表内層にK、下流側表層にBa、内層にMgを配置させた実施例3の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0055】
(実施例4)
同様にして、上流側表内層にLi,Ba、下流側表層にLi,Ba、内層にMgを配置させた実施例4の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0056】
(実施例5)
同様にして、上流側表内層にBa、下流側表層にBa、内層にSrを配置させた実施例5の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0057】
(実施例6)
同様にして、上流側表内層にBa、下流側表層にBa、内層にMgを配置させた実施例6の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0058】
(実施例7)
同様にして、上流側表層にCs、内層にBa、下流側表層にBa、内層にMgを配置させた実施例7の触媒を得たのち、後述のモデルガス評価を実施した。
【0059】
(実施例8)
上記実施例5記載の触媒の更に上流側に、上記還元剤中の水素比率を高める触媒を設置した以外は同様にして、後述のモデルガス評価を実施した。
【0060】
(比較例1)
<触媒部内層>
上記Mg含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0061】
<触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例1の内層にMg、表層にBaを含む触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0062】
(比較例2)
<触媒部内層>
上記Ba含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0063】
<触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(1.2L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例2の内表層共にBaを含む触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0064】
(比較例3)
<上流側−触媒部内層>
上記Na含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0065】
<上流側−触媒部表層>
更に、上記Na含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例3の表内層ともにNaを含む上流側触媒を得た。
【0066】
<下流側−触媒部内層>
上記Ba含有内層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して内層を形成した。
【0067】
<下流側−触媒部表層>
更に、上記Ba含有表層用スラリ液を酢酸溶液にてpH6.5から7.5に調整した後、コーディライト質モノリス担体(0.6L、900セル)に付着させ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、80℃で乾燥した後、400℃で1時間焼成し、コート層130g/Lを担持して、上記内層をコートした担体に表層を形成した。
以上により、比較例3の内表層共にBaを含む下流側触媒を得た。
これらを上下流に配置させ、比較例3の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0068】
(比較例4)
実施例1の触媒調整時、スラリのpH調整を行わないこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0069】
(比較例5)
実施例6の触媒調整時、スラリのpH調整を行わないこと以外は実施例6と同様にして、比較例5の触媒を得た後、後述のモデルガス評価を実施した。
【0070】
(比較例6)
Ba含有表層用スラリ及びBa含有内層用スラリの代わりに各々比較Ba含有表層用スラリ及び比較Ba含有内層用スラリを用いた以外は実施例5と同様にして、比較例6の触媒を得た後、モデルガス評価を実施した。
【0071】
(耐久試験)
上記各例の触媒を、下記耐久試験条件にて、劣化処理を施した。
使用エンジン ;日産自動車株式会社製 直列6気筒 2.0Lエンジン
使用燃料 ;レギュラーガソリン(日石三菱製 Pb0mg/usj.S=30ppm以下)
触媒入口排気温度 ;700℃
耐久時間 ;30時間
【0072】
(評価試験例)
排気量2500ccのエンジンの排気系に上記各例で得られた排気ガス浄化触媒の設置場所各々変更することで、各例の触媒入口排気温度を180℃、250℃及び400℃となるよう配置し、各々のNOx浄化率を求めた。この評価結果を表2に示す。尚、実施例8において、還元剤中の水素比率を高める触媒はエキゾーストマニフォールド直下に配置し、450℃とした。
・エンジン制御条件
・SV=60,000Hr−1
・A/F制御;リーンA/F=20(40秒)、リッチA/F=11.0(2秒)の繰り返し
・平均NOx濃度=100ppm
【0073】
NOx浄化率(%)=〔入口NOx量−触媒出口NOx量〕/入口NOx量
【0074】
【表2】
【0075】
表2より、本発明の好適範囲内である実施例1〜8で得られた排気ガス浄化触媒は、180℃付近の低温域から、比較的高いNOx浄化率を示しつつ、400℃付近の高温域のNOx浄化性能を維持させることができる。このことは、例えば、車両が低速走行した状態、即ち、エンジンが低負荷で低排気温度の状態から、高速走行時に移行した際、即ち高負荷の高排気温度の状態の幅広い車両運転条件に適用可能であることを示している。
一方、比較例1〜6では、180℃付近の低温のNOx浄化性能、あるいは400℃の高温のNOx浄化性能のいずれかに効果が見られなく、幅広い運転条件でのNOx浄化性能を維持することが困難となっている。
【0076】
以上、本発明を好適実施例により詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を浄化する触媒成分を適宜使用して排気ガス浄化触媒を構成することができる。また、各触媒部を狙にでき、即ち嵩高く形成でき、この場合はガス拡散性が良好となり、低温域ではガス拡散速度が低かった領域でもガス拡散速度が高まり、NOx吸着・浄化性能が向上し得る。更に、各触媒部にはアルカリ化合物以外のNOx吸着性成分、例えば酸化セリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化ジルコニウム、ゼオライトなどを含有することもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、排気ガスが流通する触媒部のNOx吸着力を上流側〜下流側に亘り部分的に変更することとしたため、広い温度域でのNOx浄化、具体的には200℃未満の低温域から450℃程度の高温域までに亘り良好なNOx浄化性能が確保された排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- 排気ガス流路上に上流側触媒部及び積層構造を成す下流側触媒部とを順次配設して成る排気ガス浄化触媒であって、
上記上流側触媒部及び上記下流側触媒部がアルカリ化合物を含み、上記上流側触媒部のNOx吸着力及び上記下流側触媒部の最表層のNOx吸着力が、該下流側触媒部の最表層以外の層のNOx吸着力より大きいことを特徴とする排気ガス浄化触媒。 - 上記下流側触媒部が第1触媒層上に第2触媒層を積層して成り、上記上流側触媒部及び第2触媒層のNOx吸着力が第1触媒層のNOx吸着力より大きいことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
- 上記上流側触媒部のNOx吸着力が下流側触媒部最表層のNOx吸着力より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒。
- 上記上流側触媒部及び/又は上記下流側触媒部最表層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のギブスエネルギーをΔG1、上記下流側触媒部最表層以外の層に含まれるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のギブスエネルギーをΔG2としたとき、250℃において、次の反応式1
MxO+2NO2+0.5O2→XM(NO3)2/X …(1)
(式中のMはアルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素、Xは反応式1を満たす整数を示す)
で表される上記MのΔG値が、ΔG2>ΔG1を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。 - 上記上流側触媒部及び/又は上記下流側触媒部に含まれる各々のアルカリ化合物が、酸化物換算で1〜50g/L含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- 排気ガス流路上且つ上記上流側触媒部の更に上流側に還元剤中の水素比率を高める触媒を配設して成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
- 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法であって、
NOx吸着性元素を含む水溶性塩を触媒担持基材に含浸させ、触媒貴金属を含む塩基性の貴金属液を含浸担持させた粉末を、スラリー化するとともにpHを調整し、その後に該スラリーをハニカム担体に塗布し、乾燥・焼成することを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。 - 上記スラリーのpHを6.5〜7.5の範囲に調整することを特徴とする請求項7に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
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