JP2004205508A - 蛍光分析装置及び蛍光分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蛍光分析装置のセットアップシステムを提供すること。
【解決手段】 多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置及び蛍光分析方法に関し、サイトメトリ(血球計)、特に、フローサイトメトリの分野に適用される。光検出器及び蛍光染料の各々に対する測定された蛍光と光検出器の利得の間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段を備え、光検出器の利得設定値の初期セットを選択し、関数関係を使用して、光検出器の利得設定値の初期セットの補償を計算する。これにより、光検出器の利得を間接的に調整することができ、標識が付された粒子に対する所望の蛍光レベルが特定され、記憶されている関数関係を使用して、所望の出力をもたらす光検出器利得が計算され、かつ、光検出器の利得が計算値に設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置及び蛍光分析方法に関し、より詳細には、サイトメトリ(cytometry;血球計)、特に、フローサイトメトリ(flow cytometry)又は走査サイトメトリ(scanning cytometry)の技術分野に適用されるものである。
フローサイトメータ及び走査サイトメータなどの粒子分析器については、当技術分野で良く知られている。これらのシステムでは、典型的には1つまたは複数のレーザである励起光に粒子の各々を露光することにより、蛍光標識が付された、例えば、分子や分析物結合ビーズ(analyte-bound bead)あるいは個々の細胞などの粒子が個々に分析され、露光による染料標識の各々からの蛍光が測定されている。粒子の各々には、スペクトルが全く異なる多数の蛍光染料の標識が付されている。通常、蛍光の検出は、多数の光検出器を使用して実施され、検出すべき全く異なる染料の各々に対して、それぞれ1つの光検出器が設けられている。フローサイトメータ及び走査サイトメータは、いずれも、例えば、BD Biosciences(カリフォルニア州サンホセ)が市販している。
多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して検出することができる他の蛍光分析装置についても知られている。例えば、蛍光標識プローブを使用して、複数の標的列からの核酸増殖反応生成物(nucleic acid amplification reaction product)を検出し、かつ、区別することができる。標的特化プローブ(target-specific probe)の各々は、スペクトルが全く異なる染料に結合されている。通常、核酸増殖生成物を分析するための分析装置は、反応混合物からの総蛍光を測定し、各染料から測定した蛍光から各標的種の周波数が決定される。
多数の染料を検出するべく多数の光検出器を使用したフローサイトメータ及び他の装置では、典型的には周波数依存型フィルタ及びダイクロイックミラーの系によって、特定の光検出器によって検出された光が、検出チャネルと呼ばれる予め決められた波長レンジに限定されるよう、収集した光を特定の波長レンジに分割している。検出チャネル及び染料は、各染料の放出スペクトルのピークが、異なる検出チャネルの周波数レンジ内になるように、すなわち、各検出チャネルが単一染料からの放出を主として検出するよう選択されているが、蛍光染料の放出スペクトルに幅があるため、染料は通常、複数の検出チャネル内で蛍光を発し、したがって、染料蛍光の測定は独立していない。他の染料の検出を意図した検出チャネル内における1つの染料の放出は、スピルオーバ(spillover)、蛍光スペクトルオーバラップ及びクロストークなどの多くの用語によって表されている。
染料蛍光測定に対するスピルオーバあるいはクロストークの影響を緩和する方法については、当技術分野で知られている。このような方法には、光検出器の各々が測定する信号を計算量で調整し、検出すべき一次染料以外の染料による寄与を補償する必要がある。フローサイトメトリの分野における例については、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3を参照されたい。WinList(商標)(Verity Software House、メイン州トプサム)は、記憶されている、フローサイトメータによって生成されたデータファイルをソフトウェア補償することができるスタンドアロンソフトウェアパッケージである。また、参照により本明細書に組み込まれている、BD FACSVantage SE Flow cytometerのためのBD FACSDiVa(商標)Optionが記述されている報告書を参照されたい(BD Biosciences、カリフォルニア州サンホセ、www.bdbiosciences.comの利用が可能)。
典型的なフローサイトメトリック分析の場合、液体媒質中に懸濁した標識が付された粒子が、一度に1つずつ狭チャネルを通って呼掛け領域(interrogation region)を通過する。識別を容易にするために、粒子には1つまたは複数の蛍光染料の標識が付されている。呼掛け領域を通過している間、標識が付された粒子が、典型的には1つまたは複数のレーザからの励起光に露光され、露光による粒子の蛍光が測定される。通常、粒子によって散乱する励起光の量についても測定される。散乱光の量及び結合標識の各々から放出される蛍光光の強度により、標識が付された粒子が特性化される。
フローサイトメトリは、極めて多数の粒子を分析するための迅速な手段を提供し、重要なことには、全体としての粒子母集団に関してのみではなく、個々の粒子に関するデータを提供している。しかしながら、通常、単一の粒子と結合した染料分子によって放出される低レベルの光を検出するためには、検出した信号を増幅しなければならない。このような低レベルの放出光を検出するべく、現在のフローサイトメータには、信号を増幅することができる光電子増倍管(PMT)及びアバランシェフォトダイオード(APD)などの光検出器が使用されている。このような光検出器は、10以上の増幅率で信号を増幅することができる。PMTあるいはAPDの増幅利得は、光検出器への入力電圧を調整することによって、あるいは下流側増幅器の利得を調整することによって、もしくはその両方を調整することによって変化させることができる。
標識が付された核酸増殖生成物を検出するための装置は、通常、個々の粒子のレベルではなく、母集団レベルで標識が付された生成物を測定しており、必要な信号増幅の程度は、分析するサンプルの体積によって様々である。信号増幅は、その必要がある場合、光検出器の出力に直列に接続された増幅器を使用することによって達成することができる。PMTあるいはAPDの場合、増幅利得は、通常、調整が可能である。
フローサイトメータを使用して特定の定量的評価を実施する前に、サンプル測値が検出システムのダイナミックレンジ内に入るよう、検出すべき染料の輝度/量に基づいて、光検出器の信号増幅度(利得)及び信号検出レンジが調整される。サンプル蛍光レベルの最大分解能を提供するためには、サンプル蛍光の期待レンジが検出可能レンジの重要な部分に及ぶよう、光検出器の利得及び信号検出レンジが設定されることが望ましい。サンプル蛍光の期待レンジがサンプル固有であるため、各種のサンプルを分析する前に、これらの装置パラメータを決定し、かつ、設定しなければならない。また、個々の装置の性能が異なっているため、これらのパラメータは、その装置に固有である。
通常、光検出器の利得及び信号検出レンジは、引き続いて、分析すべき未知のサンプルを代表する標準のサンプルを分析することによって、フローサイトメータの中で設定される。例えば、細胞を含有したサンプルを分析する前に、検出レンジの上端を設定するべく、明るく染色された細胞の期待輝度を代表する染料の量で染色されたビーズまたは細胞のサンプルが使用され、あるいは検出レンジの下端を設定するべく、標識が付されていないサンプル細胞のレベルで蛍光を発する、標識が付されていないビーズまたは細胞のサンプルが使用されている。装置及び光検出器の性能は日々変化するため、たとえ同じタイプの分析を日々実施する場合であっても、通常、この適切な設定値の決定は、部分的には日々実施されている。
複数の光検出器の個々の光検出器の利得レベルが、各チャネルにおける光の測値に影響するため、測定されるスピルオーバ蛍光の量は、光検出器の利得によって決まる。補償を決定するために使用される、染料からのスピルオーバ蛍光の相対量は、光検出器の利得設定値が選択された後、現行のフローサイトメータを使用して実験によって決定される。初期セットアップ後における装置の光検出器の利得設定値のいかなる変更も、現行の装置の設定値へのスピルオーバの測値、延いては補償の適用を不能にしてしまうことになる。染料からのスピルオーバ蛍光の相対量は、現行の装置の設定値を使用して実験によって再決定しなければならず、また、補償は、実験結果から再決定される。
米国特許出願公開第2002/0029235A1号明細書 Bagwell, C.B.; Adams, E.G. "Fluorescence Spectral Overlap Compensation for any Number of Flow Cytometer Parameters", ANN. N.Y. Acad. Sci.677, 167-184 (1993) Roederer, M. et al., "Eight Color,10-Parameter Flow Cytometry to Elucidate Complex Leukocyte Hetrogeneity", Cytometry 29,328-339 (1997) Bigos et al., 1999, Cytometry 36:36-45 Pannu et al., 2001, Cytometry 45:250-258 Davis et al.,1998, Cytometry 33,197-205
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置及び蛍光分析方法を提供することにある。
本発明による蛍光分析装置は、記憶され、測定された蛍光と光検出器の及び蛍光染料の各々に対する光検出器の信号増幅度(光検出器利得)との間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段を備えている。この表示手段は、装置のファームウェアコンポーネントあるいはソフトウェアコンポーネントに記憶することができる。この記憶されている関数関係が、光検出器の利得設定値の所与の任意のセットを補償するための計算、及び光検出器の利得設定値変更後における補償の再計算を始めとする多数の有用な新規な特徴を可能にしている。光検出器の利得設定値変更後における補償の再計算は、追加サンプルを分析することなく実施することができる。1つまたは複数の光検出器の利得設定値調整後における追加サンプル分析の必要性が排除されたことは、従来の装置に対する重大な改善である。本発明による蛍光分析装置は、記憶されている関数関係を利用した多数の有利な特徴を可能にしている。
関数関係は、セットアップ手順の実施毎に決定され、あるいはもっと少ない頻度で決定される。使用している光検出器及び関連する信号処理の安定性及び無矛盾性に応じて、関数関係を、例えば、蛍光分析装置への光検出器の設置時に一度決定するだけで十分であることが期待される。関数関係は、実験によって決定されることが好ましいが、使用している光検出器の物理特性から全体あるいは一部を決定することもできる。
他の実施態様では、本発明により、多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における補償を決定するための蛍光分析方法が提供される。この蛍光分析装置は、記憶され、測定された蛍光と光検出器及び蛍光染料の各々に対する光検出器利得との間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段を備えている。補償を決定するための蛍光分析方法は、
a)光検出器の利得設定値の初期セットを選択するステップと、
b)記憶されている関係を使用して、光検出器の利得設定値の初期セットの補償を計算するステップ
を有している。
好ましい実施形態では、関数関係は、機器セットアップ部分として決定されている。したがって、本発明により、多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における補償を決定するための蛍光分析方法が提供される。この蛍光分析方法は、
a)測定された蛍光と光検出器及び蛍光染料の各々に対する光検出器の利得との間の対をなす関数関係を決定し、かつ、記憶するステップと、
b)光検出器の利得設定値の初期セットを選択するステップと、
c)記憶されている関係を使用して、光検出器の利得設定値の初期セットの補償を計算するステップ
を有している。
光検出器の利得設定値の初期選択及びこれらの設定値の正確な補償の決定に続いて、さらに蛍光分析装置の設定値が最適化される。例えば、初期機器設定値を使用したサンプル分析によって得られる蛍光データは、データ空間内における所望の領域に存在しないため、サンプル蛍光がより望ましい領域内で測定されるよう、少なくとも1つの光検出器の利得設定値が調整される。この調整は、光検出器の利得を制御するパラメータを直接調整するか、あるいは光検出器の利得に影響される、例えば、蛍光レベルなどのデータのいくつかの特性を操作することによって間接的に実施される。
本発明により、光検出器の利得を間接的に調整することができ、標識が付された粒子に対する所望の蛍光レベルが特定され、記憶されている関数関係を使用して、所望の出力をもたらす光検出器の利得が計算され、かつ、光検出器の利得が計算値に設定される。好ましい実施形態では、図形表示を使用してデータが表示され、ユーザは、データの図形表示を操作することによって所望する結果を指定することができる。例えば、フローサイトメトリックデータの分析に広く使用されているように、ドットプロットあるいはヒストグラムの形でサンプルデータをビデオスクリーン上に表示することができ、ユーザは、マウスなどのコンピュータ座標指示器を使用して、表示されたデータを選択し、変更することができる。システムは、サンプル蛍光が再度測定された場合、所望の結果を得ることができるよう、記憶されている関数関係を使用して光検出器の利得設定値を変更する。
本発明により、1つまたは複数の光検出器の利得の直接的あるいは間接的な調整に続いて、追加サンプルを分析する必要なく、自動的に補償を再計算することができる。したがって、本発明により、多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置の補償を設定するための蛍光分析方法が提供される。この蛍光分析装置は、記憶され、測定された蛍光と光検出器の各々及び蛍光染料の各々に対する光検出器の利得との間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段を備えている。補償を設定するための蛍光分析方法は、
a)光検出器の利得設定値の初期セットを選択するステップと、
b)記憶されている関係を使用して、光検出器の利得設定値の初期セットの補償を計算するステップと、
c)光検出器の利得設定値の調整済みセットを得るべく、少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップと、
d)追加サンプルを分析することなく、調整済み光検出器の利得設定値の補償を再計算するステップ
を有している。
好ましい実施形態では、関数関係は、装置のセットアップ部分として決定されている。したがって、本発明により、多数の蛍光染料を多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置の補償を設定するための蛍光分析方法が提供される。この蛍光分析方法は、
a)測定された蛍光と光検出器の各々及び蛍光染料の各々に対する光検出器の利得との間の対をなす関数関係を決定し、かつ、記憶するステップと、
b)光検出器の利得設定値の初期セットを選択するステップと、
c)記憶されている関係を使用して、光検出器の利得設定値の初期セットの補償を計算するステップと、
d)光検出器の利得設定値の調整済みセットを得るべく、少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップと、
e)追加サンプルを分析することなく、調整済み光検出器の利得設定値の補償を再計算するステップ
を有している。
好ましい実施形態では、蛍光分析装置はサイトメータであり、走査サイトメータまたはフローサイトメータであることがより好ましいが、本発明は、多数の蛍光染料を調整可能な利得を個々に有する多数の光検出器を使用して分析するための、補償が望ましい、すなわち染料放出スペクトルのスペクトルオーバラップにより、1つまたは複数の光検出器による複数の染料からの光の測定がもたらされるあらゆる蛍光分析装置に適用することができる。好ましい実施形態では、光電子増倍管(PMT)が光検出器として使用されており、また、決定される関数関係は、光検出器の入力電圧と測定された蛍光との間の関係、あるいは光検出器の入力電圧の対数と測定された蛍光の対数との間の関係である。
一般的には、使用している光検出器及び関連する増幅器及び/又は信号プロセッサに応じて、基礎をなしている変数の関数関係は、非線形関係である。測定された蛍光及び光検出器の利得のいずれか、あるいはその両方、及び決定された変換変数間の関数関係に変換を適用することができる。線形関係によって簡潔に装置を表すことができるため、変換変数間の関数関係が概ね線形である場合、変数のこのような変換は特に望ましい。例えば、PMT光検出器を使用したフローサイトメータの場合、PMT電圧の対数と蛍光の対数の間の関数関係は、PMT電圧レンジのほぼ全体に渡って概ね線形である。したがって、変換変数の線形関数によって関数関係が良好に近似され、
Log(O)=C・Log(V)+C
で与えられる。Oは観察された蛍光強度、VはPMT電圧、C及びCは、実験によって決定されたデータに直線を当てはめることによって決定された定係数である。記憶されている関数関係は、線形関数を定義する定数のみを記録することによって、すなわち、個々の染料に対するC及びCの値を記憶することによって単純化されている。
本発明の他の実施態様は、光検出器の利得の間接的調整後における補償を再計算するための簡易方法である。この方法によれば、初期蛍光レベルに対する所望の蛍光レベルの比率を使用して、初期補償行列を直接修正することによって補償が再計算される。調整済み補償行列を計算するためのこの簡易方法は、初期の光検出器の利得設定値で測定されるレベルとは異なる、粒子の母集団に対する所望の蛍光レベルをユーザが選択する光検出器の利得設定値の間接的な調整後においてとりわけ有用である。本発明により、光検出器の調整に続いて、
a)初期の光検出器の利得設定値を使用して測定された蛍光レベルに対する所望の蛍光レベルの比率として、輝度比rを定義するステップと、
b)行調整済み補償行列を得るべく、調整済み光検出器に対応する初期補償行列の行にrを掛け合わせるステップと、
c)調整済み補償行列を得るべく、調整済み光検出器の一次染料に対応する行調整済み補償行列の列に1/rを掛け合わせるステップ
とを有し、初期補償行列から調整済み補償行列を計算する方法が提供される。
調整済み補償行列を計算するためのこの簡易方法の特徴の1つは、この方法により、ユーザによる1つまたは複数の補償値の変更によって既に修正済み(「微調整済み」)の補償行列を、補償が再計算された後の行列修正のユーザによる再入力を必要とすることなく調整することができることである。通常、補償行列の微調整は、実験サンプル(例えば、細胞)の特性と機器のセットアップに使用される標準サンプル(例えば、標識が付されたビーズ)の特性が異なっている場合に実施され、したがって、標準サンプルから計算された補償を修正することにより、実験サンプルのより正確な分析が提供される。光検出器の利得変更後における、記憶されている関数関係に基づく補償の再計算により、標準粒子への適用が可能な正確な補償が回復されるため、ユーザによる調整が排除される。対照的に、調整済み補償行列を計算するためのこの簡易方法により、光検出器の利得変更後における微調整済み補償を再計算することができ、微調整の効果が再計算後においても維持される。
記憶されている関数関係が、PMT電圧の対数と蛍光の対数との間の線形関係である実施形態では、輝度比は、関数関係の勾配(上述した方程式のC)によって決まる。したがって、調整済み補償行列を計算するための簡易方法は、記憶されている、サンプルから得られたデータ(測定された蛍光、光検出器の利得設定値)と結合した関数関係から勾配のみを参照して実行される。上述したように、予め記憶されている勾配情報と、既知の光検出器の利得設定値を使用して測定された蛍光からなる、サンプルからの記憶データとの組合せによって、記憶されている、勾配及び切片からなる表示と等価の完全な関数関係の表示が提供されていることは明らかであろう。
本発明の他の実施態様は、光検出器の利得変更後における正確な量的表示の再計算である。染料の量の定量予測を実行するための装置のセットアップにおいては、システムを較正するべく、既知の量の染料を有する量的表示標準が分析される。本発明により、量的表示標準の追加サンプルを分析する必要なく、正確な量的表示を再計算することができる。
本発明の他の利点は、極めて多数の染料の関数関係をシステムに記憶することができ、延いては染料の特定のサブセットの柔軟なアプリケーション依存型選択を可能にしていることである。また、予め決められた関数関係を決定し直す必要なく、追加または新規染料に対する関数関係をシステムに増分追加することができる。
以下の用語の定義は、分かり易くするために提供したものであり、特記のない場合には、すべての用語は、当技術分野で一般的に使用されている通りに使用される。本明細書に記載されている上述したあるいは以下に示す文献の内容は、すべて参照することによって本明細書に組み込まれるべきものである。
本明細書において使用されている「システム」及び「装置」には、ハードウェア(例えば、機械的及び電子的)コンポーネント及び関連するソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム)コンポーネントの両方が包含されている。
本明細書において使用されている「関数関係の表示(representation of a functional relationship)」は、重要な変数のレンジに渡る所与の入力変数に対する出力変数を決定することができるすべての表示を意味している。この用語には、真の関数関係の近似表示、例えば、実験データに直線または多項式を当てはめることによって得られる近似表示が包含されている。また、この用語には、変換変数間の関数関係の表示が包含されている。
本明細書において使用されている「粒子母集団」は、測定すべきパラメータに対して本質的に同じ光学特性を有する粒子、例えば、同じタイプの細胞(細胞母集団)、あるいは実際的な製造公差内におけるサイズ、形状及び組成が同じである合成ビーズ(ビーズ母集団)のグループを意味している。例えば、標識が付されていない6ミクロンのビーズ、第1の濃度の特定の染料で標識が付された6ミクロンのビーズ、及び第2の濃度の第2の特定の染料で標識が付された6ミクロンのビーズを使用して、3つの全く異なるビーズ母集団を形成することができる。ビーズは、任意の形状の粒子で構成することができ、球面である必要はない。
本発明は、利得とも呼ばれる調整可能な信号増幅度を個々に有する複数の光検出器を有する蛍光分析装置に関している。光検出器の利得が光検出器自身によって提供されるか、あるいは光検出器の出力を増幅する信号増幅器によって提供されるかは重大ではなく、したがって、本明細書においては、光検出器単独、あるいは1つまたは複数の信号増幅器が存在している場合、それらを伴った光検出器を表すべく「光検出器」という用語が使用されている。例えば、固定真性応答を有するフォトダイオード、あるいは調整可能な増幅度を有する、典型的には固定増幅レベルで使用されるアバランシェフォトダイオードからの信号は、調整可能な利得を提供する線形増幅器あるいは対数信号増幅器のいずれかを通過させることができ、その場合、光検出器の利得は、光検出器と信号増幅器の組合せによって提供される増幅度と呼ばれている。好ましい実施形態では、信号増幅を提供する光電子増倍管が使用されているが、光検出器の出力を追加増幅することも可能であり、例えば、BD FACSVantage SE Flow cytometerのためのBD FACSDiVa(商標)Option(いずれもBD Biosciences、カリフォルニア州サンホセ)では、光電子増倍管からの信号は、アナログ−ディジタル変換器によるディジタル信号への変換に先立って前置増幅器を通過している。
本発明による蛍光分析方法は、個々の光検出器に対する、測定された蛍光と光検出器の信号増幅度(利得)の設定に使用されたパラメータとの間の対をなす関数関係の決定に基づいている。例えば、PMTの入力電圧レベルは、PMTの信号増幅度の設定に使用されるパラメータであり、かつ、蛍光分析装置のセットアップ時に調整されるパラメータである。他の例として、フォトダイオードあるいはアバランシェフォトダイオードが下流側の調整可能増幅器に接続されている場合、下流側の増幅器の信号増幅度の設定に使用されるパラメータは、蛍光分析装置のセットアップ時に調整されるパラメータである。便宜上、当技術分野の慣習に従って、光検出器の利得の設定に使用されるパラメータの値を、交換可能に光検出器利得と呼ぶ。したがって、例えば、PMT利得の測度としてPMTの入力電圧(または単純にPMT電圧)が使用される。
「検出器チャネル」あるいは「検出チャネル」は、特定の光検出器によって検出される波長のレンジを意味している。通常、スペクトルが全く異なる複数の蛍光染料の個々の測定を容易にするために、複数の非オーバラップ検出器チャネルが測定される。検出する波長のレンジは、通常、当技術分野で良く知られているように、周波数依存型フィルタ及び/又はダイクロイックミラーを使用して決定される。
通常、染料及び検出器チャネルは、可能な限り、個々の染料の最大放出が異なる検出器チャネル内に存在するように、つまり個々の染料がその染料からの光を検出するべく最適化された検出器チャネルと整合するように選択されるが、染料が放出するスペクトルに幅があるため、所与の染料からの光は、1つまたは複数の他の検出器チャネル内で放出される。本明細書においては、染料の最大放出に最も接近して整合した検出器チャネル以外の検出器チャネル内の染料によって放出される光を「スピルオーバ」と呼んでいる。
本明細書においては、所与の染料に関して、染料の最大放出に最も近接して整合した検出器チャネルを、染料検出チャネルまたは一次チャネルと呼んでいる。他のすべての検出器チャネルは、所与の染料に関して、スピルオーバチャネルまたは二次チャネルで参照されている。染料及びその染料の染料検出チャネルは、「対応する」あるいは「整合した」という表現で参照されている。検出チャネルに関して、検出チャネルに対応する染料を一次染料と呼び、また、スピルオーバを検出チャネル内に放出する染料を二次染料と呼んでいる。
補償は、検出チャネル内で検出される総光量から、一次染料以外の染料からのスピルオーバによる寄与、すなわち、二次染料による寄与を有効に除去するプロセスを意味している。したがって、単一検出器チャネルから検出された光の補償後における光量は、単一染料、詳細には一次染料によって放出された光の量を表している。補償により個々の染料を個別に測定することができるため、染色された複数の粒子からのデータを容易に分析することができる。
[補償]
本発明をより深く理解するために、n個の染料を検出するためのn個のチャネルを有する蛍光分析装置を補償するための一般原理について説明する。n個のチャネル及びn個の染料には、個々の染料に対する一次検出チャネルが染料の番号と同じ番号のチャネルを有するように番号が振られているものとする(例えば、チャネル2は、染料2を検出するべく使用される)。このように番号付けされているため、スピルオーバは、異なる番号を有する検出器チャネルによって測定される染料蛍光である。この番号付けスキームは、簡潔なプレゼンテーションを目的として便宜上選択されたものであり、本発明に対する重大な実施態様ではない。
i番目の検出器チャネル内で測定(観察)される総蛍光を、個々の染料から測定される個々の蛍光の合計であるOで表し、検出器j中の染料jの蛍光、すなわち、整合検出器チャネルによって測定される蛍光をDで表すと、i番目のチャネル内のj番目の染料の蛍光は、(Sij・D)で表すことができる。スピルオーバ係数と呼ばれるSijは、チャネルi内で検出されるDの相対フラクションである。定義により、Sij=1である。i番目の検出器チャネル内で測定される総蛍光は、
=ΣSij・D ・・・(1)
で表すことができる。この合計は、検出されたn個の染料に対する合計である。方程式(1)は、個々の検出器チャネルに1つずつ、計n個の連立方程式を提供している。
補償を使用して、個々のチャネル内で測定された総蛍光から、個々の染料の整合染料検出器チャネル内の、染料スピルオーバによる寄与を含む蛍光(個々のD)が決定される。補償は、Dに対する連立方程式を同時に解くことによって実行される。個々の染料の放出が個々の染料の染料検出チャネルによってのみ検出されるスピルオーバのないシステムでは、方程式(1)は、すべてのiに対して、O=Dに単純化され、補償の必要がないことに留意されたい。
簡潔にするために、本明細書においては、行列代数を使用して上述した連立方程式及び補償修正の数学を説明するが、この表示が便宜上のものであり、かつ、プレゼンテーションを分かり易くするためのものであること、および、連立方程式の他の表示を使用することができ、それらが等価であることは明らかであろう。詳細には、ソフトウェア実施態様に必要なことは、等価計算を実行することのみであること、また、ソフトウェア実施態様の詳細が本発明の重大な態様ではないことは明らかであろう。
<1.基本補償>
観察された未補償測値のベクトルを表すOを、n個のチャネルの各々における蛍光測値のn×1列ベクトル、すなわちO=[O、・・・Oとし、また、補償済み測値のベクトルを表すDを、n個の染料の各々の染料蛍光のn×1列ベクトル、すなわちD=[D、・・・Dとし、かつ、Sをスピルオーバ係数のn×n行列Sijとすると、方程式(1)によって表される連立方程式は、
O=S・D ・・・(2)
の行列形態で表すことができ、また、補償済み蛍光値Dは、上述した方程式の両辺にスピルオーバ行列の逆数を左掛けすることによって得られる。
−1・O=D ・・・(3)
スピルオーバ行列の逆数は、補償行列と呼ばれている。
スピルオーバ行列は、個々の検出器チャネル内の単一染料の蛍光を測定し、かつ、個々の染料に対する蛍光測定を繰り返すことによって予測することができる。個々の検出器チャネル内の同一染料(または染色された粒子の同一母集団)の測値は、スピルオーバ行列の一列に対応している。各列の蛍光測値は、相対スピルオーバ係数を得るべく、一次検出チャネル内で測定された蛍光値で除すことによって正規化されている。選択されたチャネル及び染料を順序付けすることによって得られたスピルオーバ行列は、異なる染料の測定を意図した検出器チャネル中への相対スピルオーバに対応する対角(Sii=1)係数上および非対角係数上に、チャネル及び染料を有している。
スピルオーバ行列の単一列内の係数は、個々のチャネル内における染色粒子の同一母集団から測定された蛍光に対応しているため、スピルオーバ行列の考察を容易にするべく、スピルオーバ行列の単一列は、特定の染料に対応しているものとする。同様に、スピルオーバ行列の単一行内の係数は、単一チャネル内における染色粒子の異なる母集団から測定された蛍光に対応しているため、スピルオーバ行列の単一行は、光検出器に対応しているものとする。補償行列についても同様とする。したがって、補償行列及びスピルオーバ行列中の同一列は、特定の同一染料に対応し、また、補償行列及びスピルオーバ行列中の同一行は、特定の同一光検出器に対応しているものとする。
<2.自発蛍光(autofluorescence)を使用した補償>
補償についての上述の説明では、個々の染料の蛍光は、直接測定されるものとして仮定されているが、特に蛍光分析装置がフローサイトメータであるいくつかの実施形態では、所与のサイズのレンジ内の粒子のみが測定可能であり、染料分子は、測定可能な適切なサイズの粒子に結合させなければならない。実際には、染料の蛍光は、ビーズまたは細胞の母集団を一様な量の染料で標識付けし、標識が付されたビーズまたは細胞の母集団の蛍光を測定することによって、フローサイトメータ中で測定される。しかし、標識が付されていないビーズまたは細胞は、1つまたは複数の検出器チャネル内で蛍光を発することになる。自発蛍光(autofluorescence)と呼ばれるこの標識が付されていないビーズまたは細胞の蛍光により、個々のチャネル内で検出される蛍光の背景レベルが上昇する。個々の染料からの真の蛍光を正確に予測するために、染料が結合した粒子からの自発蛍光が、スピルオーバ行列の予測に先立って、測定された蛍光強度から控除される。
Aを、Aiがチャネルi内における標識が付されていない粒子から測定された蛍光である、n個のチャネル内で測定された標識が付されていない粒子(例えば、ビーズまたは細胞)の自発蛍光のn×1列ベクトル、すなわちA=[A、・・・Aとすると、方程式(2)に類似した連立方程式が、
O=S・D+A ・・・(4)
によって行列の形で得られ、また、補償済み蛍光値Dは、先ず自発蛍光を控除し、次に上述した方程式の両辺にスピルオーバ行列の逆数を左掛けすることによって得られる。
−1・(O−A)=D ・・・(5)
自発蛍光のないその前の事例の場合と同様、スピルオーバ行列は、個々の検出チャネル内の、それぞれ単一染料で一様に標識が付されたビーズ母集団の蛍光を測定し、かつ、この測定を個々の染料に対して繰り返すことによって予測することができるが、最初にビーズ自発蛍光による寄与が除去される。自発蛍光は、個々の検出器チャネル内の標識が付されていない粒子母集団の蛍光を測定することによって決定される。自発蛍光Aは、スピルオーバ行列Sの予測に先立って、観察された測値Oから控除される。スピルオーバ行列の列は、上述したように正規化されている。
通常、スピルオーバ行列は、上述したように、1つの染料で標識が付されたビーズ母集団を連続的に測定することによって予測されるが、ビーズ母集団の混合物からの蛍光を同時に測定することも可能である。その場合、個々の染料からの蛍光を独立して測定することができるよう、ビーズ母集団は区別可能でなければならない。ビーズ母集団は、放出に適切な差異がある場合は染料標識に基づいて区別することができ、あるいはビーズ母集団の区別を可能にする他の任意のビーズ特性、例えばビーズサイズなどに基づいて区別することができる。フローサイトメトリでは、測定された特性のサブセットによって識別された粒子の副母集団を選択的に分析するプロセスをゲーティングと呼んでいる。
S及びS−1が、自発蛍光による寄与のない染料のみの蛍光に対するスピルオーバ行列および補償行列に対応していることに留意されたい。サンプル粒子から得られた蛍光測値のベクトルを、S−1を使用して補償する前に、蛍光測値のベクトルから自発蛍光ベクトルが控除される。補償後、補償済み蛍光測値のベクトルDに自発蛍光ベクトルAが再び加えられる。したがって入力データの補償は、次のステップによって実行される。
1.観察された蛍光のベクトルOから自発蛍光ベクトルAを控除するステップ
2.補償済み蛍光のベクトルDを得るべく、(O−A)に補償行列S−1を左掛けするステップ
3.元の未補償粒子の自発蛍光特性を有する補償済み粒子を得るべく、DにAを加えるステップ
これらの3つのステップは、方程式5を次のように再配列することによって2つのステップにすることができる。
D+A=S−1・(O−A)+A=S−1・O−S−1・A+A=
−1・O+(I−S−1)・A
Iはn×n識別行列である。したがって入力データの補償は、次の2つのステップで等価的に実行される。
1.観察された蛍光のベクトルOに補償行列S−1を左掛けするステップ(最初の自発蛍光を控除するステップは実行しない)
2.元の未補償粒子の自発蛍光特性を有する補償済み粒子を得るべく、(I−S−1)・Aを加えるステップ
(I−S−1)・Aは、サンプル分析時に収集されるデータとは独立した一定の値のベクトルであるため、その計算は、サンプルを分析する前に一度実行するだけで良く、その値が記憶されてサンプル分析時に使用される。
フローサイトメトリの場合、データを高速で処理する必要があるため、サンプルからデータを収集している間、自発蛍光が無視されることがしばしばである。自発蛍光を無視することによってもたらされる誤差は、チャネル毎に異なる一定の値の誤差であり、個々の蛍光測値にその誤差が加算されるが、加算される量は、すべての粒子に対して同じである。これは、観察された値に自発蛍光を控除することなく補償を適用することにより、
−1・O=D+S−1・A ・・・(6)
がもたらされることに留意すれば分かる。S−1・Aは、自発蛍光測値のベクトルから引き出される、値が一定の項のベクトルであり、染色された粒子の個々の測値に対して同じであることに留意されたい。したがって、これは、補償済み蛍光値の個々のベクトルに加算される、値が一定の誤差項のベクトルを表している。実際には、自発蛍光は、通常、染料蛍光に対して些細なものであり、また、その誤差は許容可能であり、より高いデータ処理能力を達成することができる。
上述したように、S及びS−1は、自発蛍光のないスピルオーバ行列および補償行列に対応しており、自発蛍光ベクトルが控除された後、サンプル粒子から得られた蛍光測値のベクトルに適用される。この自発蛍光ベクトルは、補償決定時に使用される標識が付されていないビーズから測定されるベクトルと同じである必要はなく、また、実際に同じでないことがしばしばである。例えば、標準のセットアップビーズを使用して補償を設定することもできるが、標識が付されていないビーズの自発蛍光とは異なる自発蛍光を有する細胞を分析するためには実験が必要である。これらの相異が大きい場合、実験サンプルからのデータ収集時に、個々の細胞からの測値のベクトルから控除される自発蛍光ベクトルは、標識が付されていない実験サンプル粒子に固有の自発蛍光ベクトルでなければならない。この自発蛍光ベクトルは、標識が付されていない細胞を分析することによって測定される。
[蛍光分析装置のセットアップ]
本発明による蛍光分析方法では、蛍光分析装置のセットアップは、以下に示すステップの1つまたは複数からなっている。
1.光検出器の利得と個々の染料に対して測定された蛍光の間の関数関係を決定するステップ
2.光検出器の利得と個々の染料に対して測定された蛍光の間の関数関係の表示を記憶するステップ
3.初期の光検出器の利得設定値を選択するステップ
4.初期の光検出器の利得設定値の補償を計算するステップ
5.観察結果値のレンジを決定するべくサンプルをテストランするステップ
6.調整済みの光検出器の利得設定値を選択するステップ
7.調整済みの光検出器の利得設定値の補償修正を計算するステップ
本発明の利点は、追加サンプルをランする必要なく蛍光分析装置の設定値を調整することができることである。以下、これらのステップの各々について詳細に説明する。
<1.光検出器の利得と個々の染料の蛍光の間の関数関係の決定>
本発明による蛍光分析方法は、個々の光検出器に対する、測定された蛍光と光検出器の信号増幅度(利得)を設定するために使用されるパラメータとの間の対をなす関数関係の決定に基づいている。例えば、PMTの入力電圧レベルは、PMTの信号増幅度の設定に使用されるパラメータであり、かつ、蛍光分析装置のセットアップ時に調整されるパラメータである。便宜上、当技術分野の慣習に従って、光検出器の利得の設定に使用されるパラメータの値を、交換可能に光検出器の利得と呼ぶ。したがって、例えば、PMT利得の測度としてPMTの入力電圧(または単純にPMT電圧)が使用される。
測定された蛍光と光検出器の利得の間の対をなす関数関係は、等価的に、対数関係などの変数への変換の適用に続いて決定することができる。このような変換は、通常、線形関数関係を得るために適用される。好ましい実施形態では、決定される関数関係は、測定された蛍光の対数と光検出器の利得の対数の間の関数関係である。
関数関係は、光検出器及び検出チャネルを画定する光収集光学系(フィルタおよび/またはミラー)の物理特性である。関数関係は、実験によって決定されることが好ましいが、光検出器及び光収集光学系の物理特性から全体あるいは一部を決定することもできる。
関数関係を、フローサイトメータを使用して実験によって決定するための好ましい方法では、染料で標識が付されたビーズのサンプルの蛍光が、チャネル毎に複数の光検出器の設定値で測定される。次に、測定データから個々のチャネルの関数関係が決定される。関数関係を予測するために使用される、異なる光検出器の設定値の所望数は、部分的には光検出器の物理特性によって決まる。
個々の染料に対する関数関係は、その1つの染料で一様に標識付けされたビーズ母集団の蛍光を、チャネル毎に複数の利得設定値で測定することによって個々に決定されることが好ましいが、それぞれ異なる染料で一様に標識付けされたビーズ母集団の混合物からの蛍光を同時に測定することも可能である。その場合、ビーズ母集団は、適切なゲーティングによる区別が可能でなければならない。このようなゲーティングは、放出に適切な差異がある場合は染料標識に基づくことが可能であり、あるいは他のいくつかのビーズ特性、例えばビーズサイズなどに基づくことが可能である。
関数関係は、セットアップ手順の実施毎に決定され、あるいはもっと少ない頻度で決定される。使用している光検出器および関連する信号処理の安定性及び無矛盾性に応じて、関数関係を、例えば、蛍光分析装置への光検出器の設置時に一度決定するだけで十分であることが期待される。現在の光検出器は、矛盾しない結果を提供するだけの十分な安定性を有していないため、より頻繁に関数関係を決定することが好ましい。
光検出器の場合、その使用可能レンジ内においては、逆関数関係が良好に定義されており、したがって所与の光検出器の利得に対応する蛍光強度、あるいは所与の蛍光強度に対応する光検出器の利得のいずれかを計算することができることに留意されたい。本発明による方法には、以下で説明するように、他の変数の関数としていずれかの変数を計算する能力が利用されている。
<2.関数関係の表示>
関数関係は、上述したように、関数をデータに当てはめ、かつ、当てはめた関数を真の関数関係の近似値として使用することによって得られた実験データから決定されることが好ましい。関数をデータに当てはめるための方法については、当分野で良く知られている。好ましい実施形態では、直線またはより高次の多項式(直線は次数1の多項式である)が、最小二乗近似を使用してデータに当てはめられ、それによって得られた多項式が真の関係として使用されている。
測定された蛍光と光検出器の利得の間の関数関係、あるいは関数を実験データに当てはめることによって得られたその近似値は、特定の入力値が与えられた場合に出力値を計算することができる方法で記憶される。通常、表示は、蛍光分析装置を制御しているソフトウェアによるアクセスが可能な、コンピュータディスクなどの機械読み取り可能な記録媒体あるいは記憶装置に記憶される。関数及び関数を評価するためのアルゴリズムを表すためのデータ構造については、当技術分野で良く知られている。
関数関係が直線あるいはより高次の多項式もしくはその近似である実施形態では、関数を定義するパラメータのみを記憶することによって表示が有効に記憶されている。多項式関数を有効に記憶し、かつ、評価するために有用なコンピュータデータ構造については当技術分野で知られており、本発明においても有用である。例えば、定係数のリストで多項式の項を表し、係数を順序付けすることによって各項の変数及び指数を間接的に定義することができる。他の方法としては、それぞれ指数と対をなして記憶される非ゼロ定係数のみのリストによって多項式を表すことができ、変数についても同じく間接的に記憶することができる。
上述したように、測定された蛍光と光検出器の利得の間の関数関係は、測定された蛍光及び光検出器の利得のうちのいずれか一方または両方の対数などの変換変数を使用して決定することができる。好ましい実施形態では、測定された蛍光の対数と光検出器の利得の対数の間の関数関係が決定され、直線に当てはめられ、かつ、その直線を画定するパラメータが関数関係として記憶されている。変換変数の関数関係を使用した出力値の計算は、非変換変数に対する表示方程式を解くことによって実行される。
例えば、BD FACSCalibur(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences、カリフォルニア州サンホセ)などのPMTを使用したフローサイトメータでは、PMT電圧の対数と蛍光の対数の間の関数関係は、PMT電圧レンジのほぼ全体に渡って概ね線形である。したがって、変換変数の線形関数によって関数関係が良好に近似され、
Log(O)=C・Log(V)+C ・・・(7)
で与えられる。Oは測定された蛍光強度、VはPMT電圧、C及びCは、実験によって決定されたデータに直線を当てはめることによって決定された定係数である。記憶される関数関係の表示は、線形関数を定義する定数のみを記録することによって、すなわち、個々の染料に対するC及びCの値を記憶することによって単純化される。方程式の勾配(C)及び所与のPMT電圧のサンプルから測定された蛍光などの直線上の一点を表すデータを記憶することにより、線形関係を等価的に表すことができることについては明らかであろう。
記憶されている、PMT電圧の対数と蛍光の対数の間の上記線形関数関係を使用することにより、所与の電圧に対応する蛍光および所与の蛍光に対応する電圧が、いずれも記憶されている関数関係から直接引き出される次の方程式を使用して計算される。
O=10^(C・Log(V)+C) ・・・(8)
V=10^((Log(O)−C)/C) ・・・(9)
記号「^」は、本明細書においては指数を表している。記号式10^Xは、記号式10と等価である。
<3.初期の光検出器の利得設定値の選択>
光検出器の利得設定値の初期セットは、好ましくは意図する評価に有用と思われる設定値の近似値として選択される。この初期セットは、蛍光分析装置に記憶される、特定の評価に使用される試薬の期待蛍光に基づいて予測されたデフォルト値、または場合によっては実行済みの実験によって実験的に決定されたデフォルト値である。他の方法としては、製造者またはビーズのサプライヤによって、使用される特定のセットアップビーズの特性に基づいて初期セット利得設定値を決定し、かつ、提供することも可能である。
初期の光検出器の利得設定値の適切なセットは、引き続いて分析すべき未知のサンプルを代表した標準のセットを分析することにより、実験によって決定される。光検出器の利得設定値は、既知の輝度のサンプルから得られた測値が所望のレンジ内に入るまで調整される。初期の光検出器の利得設定値の適切なセットの選択については、当技術分野で良く知られており、例えば現在のフローサイトメータのセットアップの中で機械的に実行される。
本明細書においては、光検出器の利得設定値のセットは、便宜上、ベクトルV=[v、・・・v]で表されている。vは、光検出器iの利得設定値である。
<4.初期の光検出器の利得設定値の補償計算>
光検出器の利得設定値の初期セットが選択されると、記憶されている、測定された蛍光と光検出器の利得の間の関数関係の表示を使用して補償が計算される。実際に補償を計算するためには、補償行列の値を決定しなければならない。補償行列は、スピルオーバ行列の値を計算し、次に、補償行列を得るべくスピルオーバ行列の逆数を取ることによって決定されるか、あるいは等価的に補償行列の値を直接計算することによって決定される。補償行列は、後の使用のために蛍光分析装置に記憶される。
スピルオーバ行列の要素は、記憶されている、測定された蛍光と光検出器の利得の間の関数関係の表示を使用して決定される。個々の染料に対して、個々の検出チャネル内の関数関係を決定するべく、同じ標識が付されたビーズ母集団が使用されているため、個々の関数関係を所与の光検出器の利得値で評価することにより、光検出器の利得値の任意の特定のセットに対して、個々の検出チャネル内で測定される染料の相対蛍光が得られる。
これを形式的に記述するべく、検出器iの光検出器の利得の関数としてfij(v)で、チャネルi内で測定された染料jからの蛍光を表す。fij(v)は、記憶されている関数関係であるか、あるいは記憶されている関係が変換変数間の関数関係である場合は、光検出器の利得の関数として蛍光を解くことにより、記憶されている関係から引き出される。したがって、例えば記憶されている関数関係が方程式(7)の形、Log(O)=C・Log(V)+Cの関係である場合、fij(v)は、方程式(8)の形、O=10^(C・Log(V)+C)の関係になる。
F(v)は、関数係数fij(v)を有するn×n行列を表している。関数係数を光検出器の利得設定値の特定のセットVで評価することにより、定係数を有する行列が光検出器の利得の所与のセットに提供される。単一列内の定係数は、光検出器の利得設定値の特定のセットを使用した個々のチャネル内の染色された粒子の同一集団の蛍光に対応している。
基本非自発蛍光の場合の補償を計算するべく、個々の項を一次検出器によって測定された、列内の最大値であるべき蛍光で除すことによって個々の列を正規化することにより、スピルオーバ行列が得られる。等価的には、要素が光検出器の利得の関数である一般化スピルオーバ行列S(v)が、この場合も、上述した、スピルオーバ蛍光が非対角要素によって表される染料/検出器番号付けシステムを使用して、係数
ij(v)/fjj(v
を有するn×n行列として定義される。光検出器の利得設定値が選択されると、S(v)の関数要素を適切な利得設定値で評価することにより、選択された設定値に対して固有の一定の値のスピルオーバ行列が得られる。補償行列は、上述したように、スピルオーバ行列の逆数である。
例えば、3色検出システムを使用し、かつ、自発蛍光を考慮しない場合、染料蛍光値の行列F(v)は、
Figure 2004205508
であり、対応する一般化スピルオーバ行列S(v)は、
Figure 2004205508
である。所与の任意のV=[v、・・・v]に対するスピルオーバ行列は、S(V)の個々の項を選択された設定値で評価することによって得られ、補償行列は、スピルオーバ行列の逆数である。
自発蛍光を使用して補償を計算するべく、検出器iの光検出器の利得の関数としてfia(v)で、チャネルi内で測定された標識が付されていない粒子からの蛍光を表す。fia(v)を光検出器の利得設定値の特定のセットVで評価することにより、光検出器の利得の所与のセットに自発蛍光値のベクトルが提供される。この自発蛍光値は、染料単独の蛍光に対応する行列を得るべく、染色された粒子の蛍光に対応する個々の係数から控除される。次に、上で説明したように、個々の列を正規化することによってスピルオーバ行列が得られる。補償行列は、スピルオーバ行列の逆数である。
例えば、自発蛍光を有する3色検出システムを使用して補償を計算するべく、最初に行列F(v)から自発蛍光が控除され、染料のみの蛍光の行列
Figure 2004205508
が得られる。対応する一般化スピルオーバ行列S(v)は、列内の個々の要素を対角要素で除すことによって上記行列を正規化することによって得られる。この場合も、所与の任意のV=[v、・・・v]に対するスピルオーバ行列は、S(V)の個々の項を選択された設定値で評価することによって得られ、補償行列は、スピルオーバ行列の逆数である。
<5.観察結果値のレンジを決定するためのサンプルのテストラン>
初期選択された光検出器の利得設定値を使用してセットアップ粒子から収集されたデータに基づいて初期補償が計算されると、テストサンプル(すなわち実験サンプル)からのデータが収集され、選択された光検出器の利得設定値によって実験サンプルから所望の結果が確実に提供されるよう、収集されたデータが表示される。通常、サイトメトリックデータは、当技術分野で良く知られているように、1つまたは複数のヒストグラムまたはドットプロットで表示される。テストサンプルをランさせた後、得られたデータが期待すなわち所望のデータ空間領域に存在している場合、光検出器の利得は適切に設定されており、したがって、調整の必要はない。
<6.調整済み光検出器の利得設定値の選択>
テストサンプルをランさせた後、得られたデータが期待すなわち所望のデータ空間領域に存在していない場合、1つまたは複数の光検出器の利得が調整される。例えばデータをドットプロットで表示する場合、負のサンプルからのデータを軸に対して圧縮しないことが望ましい。光検出器の利得を大きくすることによってデータを軸から遠ざかる方向に移動させることができる。
光検出器の利得の調整は、直接的または間接的に実施することができる。光検出器の利得の間接的な調整は、光検出器の利得によって影響されるデータ特性のユーザによる調整によるものである。例えば、サンプル母集団の平均蛍光強度が特定のデータ空間領域に存在していることが望ましい場合、ユーザは所望の位置を指定することができる。次に、記憶されている、測定された蛍光と光検出器の利得の間の関数関係の表示を使用して、データ空間内の所望の位置に存在する平均蛍光強度をもたらす光検出器の利得が計算される。計算によって得られた光検出器の利得は、調整済み光検出器の利得設定値として記録される。
<7.調整済み光検出器の利得設定値の補償計算>
調整済み光検出器の利得設定値を与えられた補償行列の再計算は、上述した最初の光検出器の利得設定値に対する方法と同じ方法で実行される。調整済みの設定値に対する適切な補償行列は、新しいスピルオーバ行列の逆数である。調整済み補償行列は、後の使用のために蛍光分析装置に記憶される。
他の方法としては、光検出器の利得設定値を調整することによってもたらされる蛍光の変化に基づいて補償行列が直接調整される簡易手順を使用して、補償行列を再計算することができる。実際には、間接的な利得の調整によって最も頻繁な最適化の達成が期待される。つまり、最初に測定された平均蛍光強度とは異なる所望の平均蛍光強度のユーザによる指定が期待される。別法としては、記憶されている関数関係から、光検出器の利得設定値を調整することによってもたらされる新しい蛍光レベルを計算することもできる。本明細書においては輝度比と呼んでいる、初期蛍光強度に対する所望蛍光強度、すなわち新しい蛍光強度の比率により、補償の再計算を有効に単純化することができる。
この簡易方法を使用して、初期蛍光強度に対する所望の蛍光強度の比率として最初に輝度比rを定義することにより、最初に測定された蛍光強度とは異なる所望の蛍光強度に基づいて初期補償行列から調整済み補償行列が計算される。分かり易くするために、この方法についての以下の説明は、最初にスピルオーバ行列に対する光検出器の利得変化の影響を考慮することから始める。光検出器の利得が調整されると、調整済み光検出器に対応するスピルオーバ行列の行内すべての要素に同じ比例変化の影響が及ぶため、調整済みスピルオーバ行列を得るべく、調整済み光検出器に対応するスピルオーバ行列の行にrを掛け合わせることによってスピルオーバ行列が調整される。調整済みスピルオーバ行列は、再正規化しなければならないが、そのために必要なことは、行列の一列のみを再正規化することだけである。調整済みスピルオーバ行列中の正規化が影響を受けた列のみが、影響を受けた染料測値が初期スピルオーバ行列の正規化における除数として使用された列、すなわち、調整済み光検出器の一次染料に対応するスピルオーバ行列の列である。したがって、調整済みスピルオーバ行列は、正規化された調整済みスピルオーバ行列を得るべく、調整済み光検出器の一次染料に対応する調整済みスピルオーバ行列の列に1/rを掛け合わせることによって再正規化される。最後に、調整済み補償行列は、正規化された調整済みスピルオーバ行列の逆数と取ることによって得られる。
正規化された調整済みスピルオーバ行列の1つまたは複数の光検出器の調整後における、最初のスピルオーバ行列の形の再計算は、行列代数を使用して以下のように表すことができる。Soldで、光検出器を調整する前の、最初の光検出器の利得設定値を使用して計算されたスピルオーバ行列、または任意選択で引き続いて修正されたスピルオーバ行列を表し、Rで、検出器チャネルiの輝度比に等しい(非調整済み光検出器の輝度比は1に等しい)対角要素(i、i)、およびゼロに等しい非対角要素を有するn×n対角行列を表すと、1つまたは複数の光検出器を調整した後の正規化された調整済みスピルオーバ行列Snewは、
new=R・Sold・R−1
である。
したがって、正規化された調整済みスピルオーバ行列の逆数である調整済み補償行列は、
new −1=(R・Sold・R−1−1
=R・Sold −1・R−1
である。したがって、これは、初期補償行列に同一変換を直接適用することと等価である。変換をスピルオーバ行列ではなく、初期補償行列に直接適用することによって方法が単純化され、行列逆数化ステップを実行する必要性が除去される。
複数の光検出器の利得の変化を考慮すると、調整済み補償(またはスピルオーバ)行列を再計算するべく、調整済み補償(またはスピルオーバ)行列を、個々の調整済み光検出器を一度につき1つずつ考慮しながら連続的に計算することができることに留意されたい。
[量的表示]
多くの実施形態では、測定された蛍光強度からサンプル中に存在する染料の量の定量予測値(例えば、絶対分子数または濃度)を得ることが望ましい。使用される量的表示方法及び数学については、当技術分野で良く知られている(例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれている非特許文献4及び非特許文献5参照)。量的表示には、測定された蛍光の関数としての染料の量の測度の予測が必要である。通常、この関数は、最初に、異なる既知の量の染料を有する一連の量的表示標準を測定することにより、実験によって予測され、したがって、染料の量の関数としての蛍光の予測値が得られる。蛍光の関数としての染料(以下の方程式における「染料」)の量は、染料の量の関数としての蛍光を表す関数の逆数として得られる。したがって、
蛍光=g(染料)
である。gは実験データから予測される関数であり、したがって、
染料=g−1(蛍光)
である。
蛍光と染料の量の間の関係は、特定の蛍光分析装置のセットアップに有効であり、詳細には特定の光検出器の利得設定値に有効である。光検出器の利得が変化すると、測定される蛍光が染料粒子数の変化を何ら伴うことなく変化するため、蛍光/染料比が決定された後に光検出器の利得が変化すると、測定される蛍光の変化を補償するべく蛍光/染料比を調整しなければならない。
光検出器の利得設定値の変更後における正確な計量結果を得るための方法の1つは、gを再予測することである。量的表示標準(gを予測するために使用された)から得られた蛍光データは、光検出器の利得設定値の変化を反映させるべく、記憶されている、蛍光と光検出器の利得設定値の間の関数関係を使用して調整することができ、調整されたデータは、すべて追加量的表示標準を新しい利得設定値でランする必要なく、関数g(染料の量の関数としての蛍光)、延いてはg−1(蛍光の関数としての染料の量)を再予測するために使用される。
光検出器の利得設定値の変更後における正確な計量結果を得るための代替方法は、最初に予測されたgを使用して、測定される蛍光の変化を補償するべく新しい蛍光データを調整することである。これを説明するために、flinitial及びflnewで、それぞれ初期の光検出器の利得設定値及び調整済み光検出器の利得設定値の下での同じ量の染料からの蛍光を表すと、正しい量の染料は、最初に、記憶されている、蛍光と光検出器の利得設定値の間の関数関係を使用して、flnewからflinitialを引き出し、次にg−1(flinitial)を計算することにより、光検出器の利得設定値の変更後に測定された蛍光から得られる。好ましい線形事例の場合、flinitialは、上で説明した輝度比を使用して得られる。
flinitial=flnew・(flinitial/flnew)=flnew・(1/r)
したがって、光検出器の利得設定値の変更後における染料の量は、
染料=g−1(蛍光・(1/r))
によって得られる。
フローサイトメトリを使用した染料分子数の量的表示などの多くのアプリケーションでは、染料の量(背景蛍光を控除した後の)は、通常、測定された蛍光に比例している。つまり、蛍光/染料の比率が一定であり、等価的にg(蛍光)=α・蛍光である。αは比例定数である。この事例では、輝度比rを使用した上記計算は、著しく単純化されている。この事例では、
蛍光=g(染料)=α・染料
染料=g−1(蛍光)=(1/α)・蛍光
であり、光検出器の利得設定値の変更後の染料は、
染料=(1/α)・flnew・(1/r)
である。したがって、初期の光検出器の利得で決定された比例定数を使用して光検出器の利得変更後に測定される蛍光(flnew)から計算される染料の正確な量は、計算量に1/rを掛け合わせることによって得られる。調整済み比例定数は、等価的に、光検出器の利得設定値の変更後に、初期の光検出器の利得設定値の下で決定された比例定数αにrを掛け合わせることによって決定される。
[記憶されている関数関係の妥当性検証]
記憶されている、測定された蛍光と光検出器の利得の間の関数関係の表示の精度は、表示へのデータの適合度の測度を考慮することによって評価することができる。例えば、真の関係が概ね線形であり、かつ、真の関係の表示として最適直線を得るべく最小二乗法が使用されている場合、相関係数rは、その直線へのデータの適合度の測度を提供している。別法としては、例えば予測された表示からのデータの最大偏差など、適合度の他の測度を使用することも可能である。いずれの場合においても、適合度の測度が何らかの事前設定閾値を超えている場合、記憶されている表示は、許容可能であることが判定(検証)される。そうでない場合、使用不可として結果にフラグを立てなければならず、また、蛍光分析装置のセットアップが完了する前に、問題の発生源を修正しなければならない。数ある要因のうちのいずれの要因によっても、ビーズ母集団の品質あるいは蛍光分析装置自体の信頼性などの関数関係の予測が影響されるため、許容不可能な結果は、蛍光分析装置または試薬が何らかの面で注意を要することを唯一表している。
他の方法としては、成果を予測し、引き続いて実際の成果を測定するべく、記憶されている表示を使用して実験によって妥当性検証を実施することができる。例えば、所与の光検出器の利得を使用してビーズ母集団の期待平均蛍光強度を得るべく、記憶されている表示が使用され、次に光検出器の利得が調整され、ビーズ母集団のサンプルが分析され、予測値と得られた実際の値が比較される。
以下に示す実施例は、当分野技術者に完全な開示を提供し、かつ、本発明の実施方法及び使用方法を説明するために示したものであり、本発明者の技術的範囲を制限することを意図したものではない。実施例には、本発明によるフローサイトメトリシステムが記載されているが、以下の実施例の中で記載されている特定の蛍光分析装置及び蛍光分析システムは例示的なものに過ぎず、本発明を制限する意味で解釈してはならない。一般的に多数の蛍光染料を調整可能な利得を個々に有する多数の光検出器を使用して分析するための、補償が望ましい、すなわち、染料放出スペクトルのスペクトルオーバラップにより、1つまたは複数の光検出器による複数の染料からの光の測定がもたらされる蛍光分析装置に本発明を適用することができることは、当分野技術者には明らかであろう。
(実施例1)
図1は、実施例1で説明されている、蛍光チャネル1(FL1)における平均蛍光強度(MFI)の対数と、FITCで染色されたビーズ、PEで染色されたビーズ及び非染色ビーズ(種々の)のPMT電圧の対数との間の関係の代表的なプロットをグラフに示した図である。
また、図2は、実施例1で説明されている、蛍光チャネル2(FL2)における平均蛍光強度(MFI)の対数と、FITCで染色されたビーズ、PEで染色されたビーズ及び非染色ビーズ(種々の)のPMT電圧の対数との間の関係の代表的なプロットをグラフに示した図である。
<フローサイトメータセットアップ>
この実施例1は、本発明によるフローサイトメトリシステムのセットアップを示している。
<システム>
本発明によるフローサイトメータは、4色蛍光検出オプションを備えたBD FACSCalibur(商標)フローサイトメータ(BD Biosciences、カリフォルニア州サンホセ)を使用してシミュレートされた。このサイトメータは、青レーザ(488nm)及び赤ダイオードレーザ(〜635nm)の2つのレーザを有している。染料の蛍光を測定するべく光電子増倍管(PMT)が使用されている。以下に示す表は、前方散乱(FSC)及び側方散乱(SSC)を測定するための、個々の蛍光検出チャネル(FL1〜FL4)内における波長検出レンジを示したものである。
チャネル 波長レンジ
FSC 488/10nm
SSC 488/10nm
FL1 530/30nm
FL2 585/42nm
FL3 ≧670nm
FL4 661/16
検出器は、一次染料として以下の染料からの蛍光を検出するべく意図されている。
Figure 2004205508
<蛍光分析装置のセットアップ>
PMT電圧の対数と蛍光強度の対数の間の関数関係は、PMT電圧レンジのほぼ全体に渡って概ね線形であることが実験によって予め決定されている(データは示されていない)。したがって、変換変数の線形関数によって関数関係が良好に近似され、
Log(O)=C・Log(V)+C
で与えられる。Oは観察された測定蛍光強度、VはPMT電圧、C及びCは、実験によって決定されたデータに直線を当てはめることによって決定された定係数(それぞれ勾配および切片)である。記憶されている関数関係の表示は、線形関数を定義する定数のみを記録することによって、すなわち、個々の染料/検出器対に対するC(勾配)及びC(切片)の値を記憶することによって単純化されている。
PMT電圧の対数と蛍光の対数の間の線形関係の勾配は、測定される染料に無関係であり、任意の1つの染料から予測された勾配をすべての染料に対する勾配の予測値として使用することができることに留意されたい。したがって、記憶されている関数関係の表示に必要なことは、個々のPMTに対する勾配(C)の単一コピーが含まれていることのみである。
<関数関係の決定:方法1>
この方法1では、個々の線形関数関係の勾配および切片は、それぞれ単一染料で標識が付されたビーズのサンプルを分析することにより決定される。自発蛍光に対応する関数関係を決定するべく、染色されていないビーズ母集団のサンプルが分析される。上述したように、任意の1つの染料から予測された勾配をすべての染料に対する勾配の予測値として使用することができる。個々のPMTに対する勾配は、最も強力な信号は一次染料によって提供されるため、個々のPMTの一次染料で標識が付されたビーズのサンプルを使用して予測される。
光検出器の利得の設定及び様々な検出チャネルにおける個々の染料の相対放出の決定には、BD Calibrite(商標)ビーズ(BD Biosciences、カリフォルニア州サンホセ)が使用されている。使用されているBD CaliBRITEビーズには、標識が付されていないビーズ、FITCで標識が付されたビーズ、PEで標識が付されたビーズ、PerCP標識が付されたビーズ、及びAPCで標識が付されたビーズが含まれている。これらのビーズの蛍光は、適切なゲーティングによって明確に区別することができるため、単一サンプルチューブ内のすべてのビーズの混合物からデータを取得し、かつ、ゲーティングによってデータを個々のビーズ母集団から分離することができる。他の方法としては、個々のビーズ母集団から個別にデータを取得することもできる。いずれの場合においても、関数関係を予測するべく、ビーズの個々のサンプルから取得された蛍光データが個別に分析される。
蛍光データが複数の異なる電圧設定値で収集されるよう、分析中、PMT電圧が変更される。検出レンジの全スパンに渡って間隔を隔てた7つの異なる電圧設定値が使用され、関数関係の正確な予測を可能にするには十分であることが分かっている(データは示されていない)。他の実験では、3つの異なる電圧設定値で十分であることが分かっている(データは示されていない)。もっと多くの、あるいはもっと少ない異なる電圧設定値を使用することも可能である。標識が付された2000個のビーズから、個々の電圧設定値でデータが収集されたが、他の実験では、もっと多くの、あるいはもっと少ないビーズで十分であることが分かっている(データは示されていない)。通常、特定の蛍光分析装置及びアプリケーションに対する適切なデータポイント数は、実験によって決定することができ、また、本明細書において説明した妥当性検証方法を使用して、当てはめる関数の精度を評価することができる。
複数の電圧設定値の蛍光測値が得られると、得られたデータが対数変換され、続いて、当技術分野で良く知られている最小二乗法を使用して直線に当てはめられる。個々の染料−検出器対に対して、最適直線の勾配および切片が、対数変換変数間の線形関数関係の表示として、蛍光分析装置を制御しているソフトウェアの中に記憶される。
個々のPMTによって測定される単一ビーズ母集団の蛍光は、スピルオーバ行列の単一列に対応している。ビーズ母集団は、すべての検出器によって同時に測定されるため、すべての検出器の検出器PMT電圧が同時に変更され、すべての検出器のPMT電圧レベルの個々の段階的調整後、個々のチャネルにおけるデータが同時に収集される。したがって、スピルオーバ行列の1つの列に対応する関数関係を予測するために使用されるデータは、すべてのチャネルにおいて、ビーズサンプルからのビーズを異なるセットの電圧レベルで測定することにより、段階的に取得される。
スピルオーバ行列の他の列に対応する関数関係を予測するために使用されるデータは、同時に取得される(1つのチューブ内のすべてのビーズ)か、あるいは他の染料で標識が付されたビーズの個別サンプルを使用して手順を繰り返すことによって取得される。また、データは、正規化スピルオーバ行列及び正規化補償行列の計算に先立って、染料蛍光値から控除される自発蛍光のベクトルに対応する関数関係を予測するべく、染色されていないビーズのサンプルを使用して、同時に、あるいは個別に取得される。
<関数関係の決定:方法2>
上述した方法1の代替かつ等価方法であるこの方法2では、すべての検出器チャネルの勾配は、個々の検出器チャネル内で蛍光を発するRainbow Beads(Spherotech社、イリノイ州リバティヴィル)などのビーズの単一母集団を分析することによって同時に予測される。Rainbow Beadsのサンプルは、個々の検出器チャネル内の蛍光を、個々のチャネルの検出器PMT電圧を同時に変化させつつ同時に測定することによって分析される。個々の検出器から得られたデータは対数変換され、最小二乗法によって直線に当てはめられ、最適直線の勾配が検出器チャネルの勾配として使用される。個々の最適直線から得られる切片は、Rainbow Beadsに固有であり、したがって、使用されない。
対数変換変数のすべての線形関係の勾配が決定されると、個々に染色されたビーズの母集団毎に切片が測定され、かつ、染色されていないビーズの切片が測定される。既に勾配が分かっているため、切片の決定に必要な測値は、個々の検出器チャネル内の個々のビーズ母集団の単一測値(すなわち、PMT電圧の単一セットにおける)のみであるが、勾配をより正確に予測するためには、複数のPMT電圧設定値における測値を採用することが望ましい。ビーズの個々のサンプルの測定は、個々の検出器チャネルで同時に実施される。上述したCaliBRITEビーズからのデータは、ビーズの混合物またはビーズの個々のサンプルのいずれかから同時に取得される。したがって、一般化スピルオーバ行列内の個々の関数要素の切片は、ビーズの混合物からなる単一サンプルから取得されたデータを分析することによって得られる。
レインボービーズ及びCaliBRITEビーズからの蛍光は、前方散乱によって測定された場合、ビーズのサイズに対するゲーティングによって区別される。したがって、補助的な単純化として、レインボービーズとすべてのCaliBRITEビーズの混合物からのデータが同時に取得され、また、適切なゲーティングによって個々のビーズ母集団からのデータが区別され、かつ、個々に分析される。
以下に示す表2は、上述した方法と等価の方法によって取得された勾配及び切片を示したものである。表2に示す項目は、個々の関数関係の表示としてソフトウェアの中に記憶されている。個々の勾配及び切片は、7つの異なる電圧設定値で取得されたデータから予測されたものである。表2のNegは、自発蛍光を予測するために使用された非染色ビーズを表している。
Figure 2004205508
<初期PMT電圧設定値の選択>
次に、記憶されている関数関係を使用して、標識が付された粒子がその整合検出器チャネル内で所望の蛍光で平均して測定されることになるPMT電圧値が計算される。この実施例の場合、セットアップビーズに対する所望の「目標」蛍光値は、「標準」セットアップを得るべくBD FACSCompセットアップソフトウェア(BD Biosciences、カリフォルニア州サンホセ)を使用してセットアップされたBD FACSCaliburフローサイトメータ上の同一ビーズ母集団に対する前回の分析から得られたものである。所望の蛍光値は、標準セットアップの下で取得された蛍光値になるよう、染色された個々のビーズ母集団に対して選択されたものである。所望の蛍光値が、使用されているビーズに含まれている染料の量に固有(すなわち固有輝度)であり、したがって、使用されているビーズの個々の製造ロットに応じて異なることに留意されたい。
個々のビーズ母集団の平均蛍光強度(MFI)が目標値で測定されることになるPMT電圧設定値は、次の形の方程式を使用して得られたものである。
所望のV=10^((Log(目標MFI)−C)/C
定数C及びCは、記憶される、個々の検出器チャネル/一次染料対に対して固有の値である。上述したように、この方程式は、観察された対数変換蛍光と対数変換PMT電圧の間の関係を表す一次方程式を、蛍光の関数としての電圧に対して解くことによって得られたものである。以下に示す表3は、目標蛍光値及び計算PMT電圧設定値を示したものである。
Figure 2004205508
<補償計算>
PMT電圧が選択されると、選択された電圧を使用して、個々の検出器チャネル内の標識が付された個々のビーズ母集団及び標識が付されていない個々のビーズ母集団に対する測定平均蛍光強度が計算される。使用する方程式は、所与の染料/検出器対に対して、対数変換蛍光と対数変換PMT電圧の間の関係を表す一次方程式を、電圧を関数としての蛍光に対して解くことによって得られる。したがって、検出器チャネルi内で、電圧Vで測定された、j番目の染料で染色された粒子の母集団の平均蛍光強度は、
MFIij=10^(C1ij・Log(V)+C2ij
である。C1ij及びC2ijは、それぞれ、記憶される、i番目の検出器及びj番目の染料に対する対数変換蛍光と対数変換PMT電圧の間の関数関係の表示の勾配及び切片であり、Vは初期電圧設定値である。上述したように、勾配はPMTの特性であり、また、個々のiに対するC1ijは、すべてのjに対して同一である。非染色粒子母集団の平均蛍光は、記憶されている対応する表示を使用して同様に得られる。
以下は、得られた結果を表4の形で示したものである。電圧は、対応する検出器チャネル内の個々の一次染料の蛍光が目標値になるように選択されている。
Figure 2004205508
次に、染料単独、すなわちビーズ自体による寄与のない蛍光値を得るべく、染色されたビーズの蛍光から自発蛍光の寄与が控除される。
Figure 2004205508
この実施例では、FL1及びFL2内のPerCP及びAPCで染色されたビーズから測定された平均蛍光強度は、対応する非染色ビーズから測定された平均蛍光強度より弱くなっている。これが、実際の物理プロセス、例えば、染料による自発蛍光の消滅などが反映されたものであるとは考え難く、これらのチャネル内のこれらの染料のスピルオーバは本質的に存在しないため、これは、自発蛍光の測定における可変性が反映されたものであることの方がより現実的である。この理由により、自発蛍光が控除された後に取得された負の値はゼロに設定され、したがって、以下に示す調整済み染料蛍光の表6が得られる。
絶対値が何らかの閾値未満であるすべてのスピルオーバ値は、ゼロに設定されることが望ましい。閾値は、統計的に重要なスピルオーバ蛍光のみが考慮されるよう、実験によって決定された、蛍光測値における固有統計誤差に基づいて設定される。他の方法としては、閾値は、考慮されたすべてのスピルオーバが、実験結果の解釈を無視するだけの微々たるものになるように設定される。
Figure 2004205508
次に、その整合検出器チャネル内の染料の蛍光で除すことによって個々の列が正規化される。
Figure 2004205508
染料の正規化された蛍光値(自発蛍光が除去された)は、スピルオーバ行列の値である。したがって、この実施例の場合、スピルオーバ行列は、
Figure 2004205508
であり、また、スピルオーバ行列の逆数である補償行列は、
Figure 2004205508
である。
状況によっては、より高速の計算を可能にするべく、補償行列を単純化することが望ましく、ゼロ及び1に近い項をそれぞれゼロ及び1に丸めることが可能である。他の方法としては、個々の行を対角要素で除すことによって補償行列を正規化し、それによりすべての対角要素を1に等しくすることができる。これらの近似によって補償に必要な計算が単純化されるが、その代わりに補償の正確性が悪くなる。このような近似が特定のアプリケーションにとって妥当であるかどうかの決定に際しては、トレードオフを考慮しなければならない。
補償行列を使用して、実験で分析される粒子からデータを収集している間、検出された個々の粒子から取得されたデータが調整される。個々の事象、すなわち標識が付された粒子の検出に対して、測定された値のセットには、4つの検出器チャネルの各々における前方散乱(FSC)、側方散乱(SSC)及び蛍光強度が含まれている。正確な補償を期すために、標識が付されていない、実験で分析される粒子と同じタイプの粒子に対する前回の分析によって得られた、4つの検出器チャネルFL1、FL2、FL3及びFL4内の自発蛍光値のベクトルが、分析された粒子から取得された蛍光測値から控除され、それによって得られた染料のみの蛍光測値のベクトルが、補償済み蛍光値のベクトルを得るべく、補償行列で左掛けされる。次に、自発蛍光が再度加えられる。
データ処理速度を速くするために、補償は、最初に自発蛍光による寄与を控除することなく蛍光測値のベクトルに適用される。上述したように、自発蛍光が控除されないため、チャネル毎に異なる一定の値の誤差項のベクトルが、蛍光測値のベクトルに加算されることになるが、加算される量は、すべての粒子に対して同じである。この実施例では、染料蛍光に対する自発蛍光は些細なものであり(すべてのチャネルにおいて1/2%未満)、真の補償からの偏差がデータの解釈に重大な影響を及ぼすことはない。
この実施例では、自発蛍光の影響が小さいため、最初に自発蛍光による寄与を控除することなくスピルオーバ行列、延いては補償行列を予測することが可能であったことについては理解されよう。しかし、モデル化研究により、最初に自発蛍光による寄与を控除することなく予測された補償行列を、自発蛍光が控除された後の実験サンプルからのデータに適用した場合、適切に予測された補償行列を最初に補償を控除することなく実験サンプルからのデータに適用した場合より大きな誤差がもたらされることが分かっている。
(実施例2)
<セットアップ調整及び最適化>
上述した実施例1は、本発明によるフローサイトメータのセットアップを示したものである。蛍光分析装置をセットアップしている間、所望するレンジ内の蛍光強度測値を提供するべく電圧が設定され、かつ、適切な補償を適用するべく補償行列が引き出されるが、ユーザは、PMT電圧を直接調整するかもしくは間接的に調整することによって、あるいはスピルオーバ行列もしくは補償行列のいずれかを調整することによって蛍光分析装置のセットアップをさらに修正することができる。この実施例1で説明されているように、本発明により、追加サンプルをランする必要なく、蛍光分析装置のセットアップを調整することができる。
<PMT電圧の間接調整>
本発明によって可能な好ましい特徴は、母集団の分析データがデータ空間の所望の領域内に表示されるよう、蛍光分析装置のセットアップを自動的に再調整することができることである。好ましい実施形態では、この特徴は、重要な母集団およびデータ空間内の所望の位置の両方を、マウスなどのコンピュータ座標指示器を使用してユーザが選択することができるように実施されている。この特徴は、最初のマウスクリックが重要な母集団を表し、引き続くマウスクリックが所望の位置を指定するように実施されていることがより好ましい。この方法には、以下のステップが含まれている。
1.蛍光強度データを、典型的にはコンピュータディスプレイにドットプロットまたはヒストグラムで図形表示するステップ
2.ユーザが図形ディスプレイ中の母集団を選択するステップ
3.ユーザが、選択した母集団の所望の位置である図形ディスプレイ内の目標位置を指示するステップ
4.選択された母集団が目標位置に表示されることになる1つまたは複数のPMT電圧を計算するステップ
5.PMT電圧を計算値に調整するステップ
6.調整済みPMT電圧に基づいて調整済み補償行列を計算するステップ
蛍光強度データのドットプロットまたはヒストグラムのいずれかの形でのコンピュータディスプレイ上への図形表示については良く知られており、フローサイトメトリの分野では広く使用されている。適切なディスプレイアルゴリズムの選択および実施態様を含むディスプレイ及びユーザインタフェースの実施態様は、使用を容易にし、かつ、商業的適合を容易にするためになされた設計選択であり、本発明の重要な特徴ではない。同様に、特定の特性を表す、標識が付された粒子の母集団に対応するデータクラスタを識別するための方法についても、当技術分野で良く知られており、自動的にクラスタを識別し、かつ、母集団を包含する領域を形成するための好ましいアルゴリズムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このアルゴリズムを使用することにより、ユーザは、例えば、コンピュータマウスを使用して座標指定し、かつ、クリックすることにより、クラスタ内のポイントを指定することによって母集団全体を選択することができる。
ユーザが母集団を選択すると、通常、クラスタ探索ソフトウェアによって自動的に平均蛍光強度(MFI)が決定される。ユーザは、次に、本明細書においては輝度比と呼んでいる、最初に測定されたMFIに対する所望のMFIの比率を使用して、所望の値で測定される選択した母集団のMFIが計算されることになる所望のMFI及びPMT電圧を指定する。再位置決めが等価的に母集団蛍光の平均、中間、最大、最小または他のこのような測度に基づいていること、および手順が類似していることについては理解されよう。以下、実施例1のシステムにおける、新しく計算される新しいPMT電圧への輝度比(MFIの)の適用について説明する。
rで、特定の検出チャネルにおける、元のPMT電圧で測定された平均蛍光強度に対する、調整済みPMT電圧における所望の平均蛍光強度の比率として定義される輝度比を表すと、MFI−Vに関連する方程式を参照して、
r=MFInew/MFIoriginal=(Vnew/VoriginalC1
が得られる。Cは、記憶されている、特定の検出器に対する方程式の勾配である。平均蛍光強度MFIoriginalを使用して最初に測定された母集団を、今度は平均蛍光強度MFInewを使用して測定するために必要なPMT電圧は、
new=r(1/C1)・Voriginal
を得るべく、Vold及び所望の輝度比rの関数としてのVnewを解くことによって上の方程式から得られる。調整済みPMT電圧設定値が計算されると、蛍光分析装置の電圧設定値が新しく計算された設定値に調整される。
<補償再計算>
上述した間接調整あるいは他の任意の方法のいずれかによってPMT電圧が調整される毎に、補償行列が直接再計算されるか、あるいはスピルオーバ行列が再計算され、継いで再計算されたスピルオーバ行列の逆数が取られる。新しいスピルオーバ行列は、PMT電圧の調整済みセットを使用して、PMT電圧の最初のセットに基づく最初のスピルオーバ行列の計算と同じ方法で計算される。他の方法としては、輝度比を使用して、現行の行列の調整として新しい補償行列(または新しいスピルオーバ行列)を再計算することもできる。
上述したように、現行の補償行列の形の補償行列の再計算は、行列代数を使用して以下のように表すことができる。Sold −1で、PMT電圧の最初のセットを使用して計算され、任意選択で引き続いてユーザによって修正(微調整)された最初の補償行列を表し、Rを、検出器チャネルiの輝度比に等しい(非調整済みPMTの輝度比は1に等しい)対角要素(i、i)、及びゼロに等しい非対角要素を有するn×n対角行列とすると、1つまたは複数のPMT電圧を調整した後の新しい補償行列Snew −1は、
new −1=R・Sold −1・R−1
である。再計算に続いて、後の使用のために、調整済み補償行列が蛍光分析装置に記憶される。
(実施例3)
<量的表示>
上述した実施例1のシステムを使用した場合、粒子に対する染料の量の定量測度は、自発蛍光による寄与が除去された後に測定される染料蛍光に比例している。通常、染料の量と蛍光の間の関係は、異なる既知の量の染料を有する一連の量的表示標準を最初に測定することによって、実験によって予測されるため、染料の量の関数としての蛍光の予測値が得られる。その場合、蛍光は染料の量に比例しており、
染料=α・染料
である。αは比例定数である。蛍光の関数としての染料の量は、染料の量の関数としての蛍光を表す関数の逆数として得られるため、
染料=(1/α)・蛍光
である。
染料の量と初期PMT電圧を使用して測定された蛍光の間の関係は、輝度比を使用して、PMT電圧の変更に引き続いて調整される。輝度比rは、直接調整の場合は記憶されている関数関係を使用してPMT電圧の変化から決定され、あるいは間接調整の場合はユーザの選択に基づいて決定される。光検出器の利得設定値を変更した後の正確な関係は、
染料=(1/α)・蛍光・(1/r)=(1/(α・r))・蛍光
である。したがって、光検出器の利得が変化した後に測定された蛍光から計算される正確な染料の量は、初期の光検出器の利得設定値の下で決定された比例定数αにrを掛け合わせた後に得られる。
実施例1で説明されている、蛍光チャネル1(FL1)における平均蛍光強度(MFI)の対数と、FITCで染色されたビーズ、PEで染色されたビーズ及び非染色ビーズ(種々の)のPMT電圧の対数との間の関係の代表的なプロットをグラフに示した図である。 実施例1で説明されている、蛍光チャネル2(FL2)における平均蛍光強度(MFI)の対数と、FITCで染色されたビーズ、PEで染色されたビーズ及び非染色ビーズ(種々の)のPMT電圧の対数との間の関係の代表的なプロットをグラフに示した図である。

Claims (49)

  1. 多数の蛍光染料を分析するための蛍光分析装置であって、
    調整可能な利得を各々有する多数の光検出器と、
    該光検出器及び前記蛍光染料の各々に対する測定された蛍光と光検出器の利得の間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段と
    を備えたことを特徴とする蛍光分析装置。
  2. 前記表示は、機械読み取り可能な記憶媒体に記憶されることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分析装置。
  3. 前記蛍光分析装置がサイトメータであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分析装置。
  4. 前記蛍光分析装置がフローサイトメータであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分析装置。
  5. 前記関数関係のうちの少なくとも一方は、変換変数間の関数関係であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分析装置。
  6. 前記光検出器は光電子増倍管からなり、前記利得は入力電圧に対応していることを特徴とする請求項1に記載の蛍光分析装置。
  7. 前記関数関係のうちの少なくとも一方は、変換変数間の関数関係であることを特徴とする請求項6に記載の蛍光分析装置。
  8. 前記関数関係は、前記蛍光の対数と前記光検出器の入力電圧の対数の間の関数関係であることを特徴とする請求項7に記載の蛍光分析装置。
  9. 前記関数関係は、前記蛍光の対数及び前記光検出器の入力電圧の対数の概ね線形の関数で、その関係が、Oが観察された蛍光強度で、Vが前記光検出器入力電圧で、かつ、C及びCが個々の関数関係に固有の定係数である線形関数Log(O)=C・Log(V)+Cであることを特徴とする請求項7に記載の蛍光分析装置。
  10. 前記関数関係は定数C及びCからなることを特徴とする請求項9に記載の蛍光分析装置。
  11. 多数の蛍光染料を調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における補償を決定するための蛍光分析方法であって、前記蛍光分析装置は、前記光検出器及び前記蛍光染料の各々に対する測定された蛍光と前記光検出器の利得の間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段を備え、
    a)前記光検出器の利得設定値の初期セットを選択するステップと、
    b)前記関数関係を使用して、前記光検出器の利得設定値の前記初期セットの補償を計算するステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  12. 前記表示は、機械読み取り可能な記録媒体に記憶されていることを特徴とする請求項11に記載の蛍光分析方法。
  13. 前記蛍光分析装置がサイトメータであることを特徴とする請求項11に記載の蛍光分析方法。
  14. 前記蛍光分析装置がフローサイトメータであることを特徴とする請求項11に記載の蛍光分析方法。
  15. 前記関数関係のうちの少なくとも一方は、変換変数間の関数関係であることを特徴とする請求項11に記載の蛍光分析方法。
  16. 前記光検出器は光電子増倍管からなり、前記利得は入力電圧に対応していることを特徴とする請求項11に記載の蛍光分析方法。
  17. 前記関数関係のうちの少なくとも一方は、変換変数間の関数関係であることを特徴とする請求項16に記載の蛍光分析方法。
  18. 前記関数関係は、前記蛍光の対数と前記光検出器の入力電圧の対数の間の関数関係であることを特徴とする請求項17に記載の蛍光分析方法。
  19. 前記関数関係は、前記蛍光の対数及び前記光検出器の入力電圧の対数の概ね線形の関数で、その関係が、Oが観察された蛍光強度で、Vが前記光検出器の入力電圧で、かつ、C及びCが個々の関数関係に固有の定係数である線形関数Log(O)=C・Log(V)+Cであることを特徴とする請求項17に記載の蛍光分析方法。
  20. 前記関数関係の記憶された関係は、定数C及びCからなることを特徴とする請求項19に記載の蛍光分析方法。
  21. 多数の蛍光染料を分析するための蛍光分析装置における補償を決定するための蛍光分析方法であって、前記蛍光分析装置は、調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を備え、
    a)測定された蛍光と前記光検出器及び前記蛍光染料の各々に対する前記光検出器の利得の間の対をなす関数関係を決定し、かつ記憶するステップと、
    b)前記光検出器の信号増幅度設定値の初期セットを選択するステップと、
    c)前記関数関係を使用して、前記光検出器の信号増幅度設定値の前記初期セットの補償を計算するステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  22. 前記表示は、機械読み取り可能な記憶媒体に記憶されることを特徴とする請求項21に記載の蛍光分析方法。
  23. 前記蛍光分析装置がサイトメータであることを特徴とする請求項21に記載の蛍光分析方法。
  24. 前記蛍光分析装置がフローサイトメータであることを特徴とする請求項21に記載の蛍光分析方法。
  25. 前記関数関係のうちの少なくとも一方は、変換変数間の関数関係であることを特徴とする請求項21に記載の蛍光分析方法。
  26. 前記多数の光検出器は光電子増倍管からなり、前記利得は入力電圧に対応していることを特徴とする請求項21に記載の蛍光分析方法。
  27. 前記関数関係のうちの少なくとも一方は、変換変数間の関数関係であることを特徴とする請求項26に記載の蛍光分析方法。
  28. 前記関数関係は、前記蛍光の対数と前記光検出器の入力電圧の対数の間の関数関係であることを特徴とする請求項27に記載の蛍光分析方法。
  29. 前記関数関係は、前記蛍光の対数及び前記光検出器の入力電圧の対数の概ね線形の関数で、その関係が、Oが観察された蛍光強度で、Vが前記光検出器入力電圧で、かつ、CおよびCが個々の関数関係に固有の定係数である線形関数Log(O)=C・Log(V)+Cであることを特徴とする請求項27に記載の蛍光分析方法。
  30. 前記関数関係は定数C及びCからなることを特徴とする請求項29に記載の蛍光分析方法。
  31. 多数の蛍光染料を調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における補償を決定するための蛍光分析方法であって、前記蛍光分析装置は、前記光検出器及び前記蛍光染料の各々に対する測定された蛍光と光検出器の利得の間の対をなす関数関係の表示を行う表示手段を備え、
    a)請求項11に記載の蛍光分析方法に従って補償を決定するステップと、
    b)前記光検出器の利得設定値の調整済みセットを得るべく、少なくとも1つの前記光検出器の利得を調整するステップと、
    c)追加サンプルを分析することなく前記調整済み光検出器の利得設定値の補償を再計算するステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  32. 前記少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップは、直接実行されることを特徴とする請求項31に記載の蛍光分析方法。
  33. 前記少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップは、間接的に実行されることを特徴とする請求項31に記載の蛍光分析方法。
  34. 前記間接的に実行される利得調整が、
    a)母集団の蛍光データを得るべく、標識が付された粒子の前記母集団を分析するステップと、
    b)前記蛍光データを図形ディスプレイ上に表示するステップと、
    c)前記蛍光データを包含する前記図形ディスプレイ内の第1の領域を選択するステップと、
    d)前記蛍光データの位置を決定するステップと、
    e)第2の位置を選択するステップと、
    f)前記母集団が前記第2の位置に表示されるよう、前記関数関係を使用して、少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップと
    によって実行されることを特徴とする請求項33に記載の蛍光分析方法。
  35. 前記図形ディスプレイは、ビデオスクリーン上に表示されたドットプロット又はヒストグラムであることを特徴とする請求項34に記載の蛍光分析方法。
  36. 多数の蛍光染料を分析するための蛍光分析装置における補償を決定するための蛍光分析方法であって、前記蛍光分析装置は、調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を備え、
    d)請求項21に記載の蛍光分析方法に従って補償を決定するステップと、
    e)前記光検出器の利得設定値の調整済みセットを得るべく、少なくとも1つの前記光検出器の利得を調整するステップと、
    f)前記表示手段を使用して、前記調整済み光検出器の利得設定値の補償を再計算するステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  37. 前記少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップは、直接実行されることを特徴とする請求項36に記載の蛍光分析方法。
  38. 前記少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップは、間接的に実行されることを特徴とする請求項36に記載の蛍光分析方法。
  39. 前記間接的に実行される利得調整が、
    a)母集団の蛍光データを得るべく、標識が付された粒子の前記母集団を分析するステップと、
    b)前記蛍光データを図形ディスプレイ上に表示するステップと、
    c)前記蛍光データを包含する前記図形ディスプレイ内の第1の領域を選択するステップと、
    d)前記蛍光データの位置を決定するステップと、
    e)第2の位置を選択するステップと、
    f)前記母集団が前記第2の位置に表示されるよう、前記関数関係を使用して、少なくとも1つの光検出器の利得を調整するステップと
    によって実行されることを特徴とする請求項38に記載の蛍光分析方法。
  40. 前記図形ディスプレイは、ビデオスクリーン上に表示されたドットプロット又はヒストグラムであることを特徴とする請求項39に記載の蛍光分析方法。
  41. 統計量は、前記蛍光データのサブセットの平均値(mean)又は中間値(median)であることを特徴とする請求項39に記載の蛍光分析方法。
  42. 多数の蛍光染料を調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における蛍光分析方法であって、前記蛍光分析装置は、光検出器の利得の調整に続いて調整済み補償行列を決定するための初期補償行列を備え、前記光検出器の利得の前記調整によって、染料を含んだサンプルから測定される蛍光が第1の蛍光レベルから第2の蛍光レベルに変化し、
    a)前記第1の蛍光レベルに対する前記第2の蛍光レベルの比率として輝度比rを定義するステップと、
    b)行調整済み補償行列を得るべく、前記調整済み光検出器に対応する前記初期補償行列の行にrを掛け合わせるステップと、
    c)調整済み補償行列を得るべく、前記調整済み光検出器の一次染料に対応する前記行調整済み補償行列の列に1/rを掛け合わせるステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  43. 前記光検出器の利得の前記調整に先立って、前記光検出器の利得の調整を伴うことなく前記初期補償行列が微調整され、該微調整ステップが、
    a)微調整済みスピルオーバ行列を得るべく、前記初期補償行列の逆数の少なくとも1つの成分を調整するステップと、
    b)微調整済み補償行列を得るべく、前記正規化された微調整済みスピルオーバ行列の逆数を取るステップと
    を備えたことを特徴とする請求項42に記載の蛍光分析方法。
  44. 前記蛍光分析装置がフローサイトメータであることを特徴とする請求項42に記載の蛍光分析方法。
  45. 多数の蛍光染料を調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における蛍光分析方法であって、前記蛍光分析装置は、光検出器の利得の調整に続いて調整済み補償行列を決定するための初期補償行列を備え、前記光検出器の利得の前記調整によって、染料を含んだサンプルから測定される蛍光が第1の蛍光レベルから第2の蛍光レベルに変化し、
    a)前記第1の蛍光レベルに対する前記第2の蛍光レベルの比率として輝度比rを定義するステップと、
    b)調整済みスピルオーバ行列を得るべく、前記調整済み光検出器に対応する前記初期補償行列の逆数の行にrを掛け合わせるステップと、
    c)正規化された調整済みスピルオーバ行列を得るべく、前記調整済み光検出器の一次染料に対応する前記調整済みスピルオーバ行列の列に1/rを掛け合わせるステップと、
    d)調整済み補償行列を得るべく、前記正規化された調整済みスピルオーバ行列の逆数を取るステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  46. 前記光検出器の利得の前記調整に先立って、前記光検出器の利得の調整を伴うことなく前記初期補償行列が微調整され、該微調整ステップが、
    c)微調整済みスピルオーバ行列を得るべく、前記初期補償行列の逆数の少なくとも1つの成分を調整するステップと、
    d)微調整済み補償行列を得るべく、前記正規化された微調整済みスピルオーバ行列の逆数を取るステップと
    を備えたことを特徴とする請求項45に記載の蛍光分析方法。
  47. 前記蛍光分析装置がフローサイトメータであることを特徴とする請求項45に記載の蛍光分析方法。
  48. 多数の蛍光染料を調整可能な利得を各々有する多数の光検出器を使用して分析するための蛍光分析装置における、初期の光検出器の利得から調整済み光検出器の利得への光検出器の利得の調整に続いて、初期計量結果から調整済み計量結果を決定する蛍光分析方法であって、前記光検出器の利得の前記調整によって、染料を含んだサンプルから測定される蛍光が第1の蛍光レベルから第2の蛍光レベルに変化し、前記蛍光分析装置は、記憶された、計量結果と蛍光レベルの間の関数関係を備え、前記計量結果は、前記初期の光検出器の利得を使用して決定された前記蛍光レベルに比例し、
    a)前記第1の蛍光レベルに対する前記第2の蛍光レベルの比率として輝度比rを定義するステップと、
    b)前記調整済み光検出器利得を使用してサンプルの蛍光を測定するステップと、
    c)前記関数関係を使用して、前記サンプルの前記蛍光の初期計量結果を決定するステップと、
    d)前記調整済み計量結果を得るべく、前記初期計量結果に1/rを掛け合わせるステップと
    を備えたことを特徴とする蛍光分析方法。
  49. 前記蛍光分析装置がフローサイトメータであることを特徴とする請求項48に記載の蛍光分析方法。
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