JP7176604B2 - スペクトル型フローサイトメータシステム、情報処理装置および情報処理方法 - Google Patents

スペクトル型フローサイトメータシステム、情報処理装置および情報処理方法 Download PDF

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Description

本技術は、微小粒子測定装置、情報処理装置および情報処理方法に関し、特に、細胞等の微小粒子の特性を光学的に測定する微小粒子測定装置の技術に関する。
一般に、細胞、微生物及びリポソームなどの生体関連微小粒子の蛋白質を分析する場合は、フローサイトメトリ(フローサイトメータ)が広く利用されている。フローサイトメトリは、流路内を1列になって通流する微小粒子に特定波長のレーザ光(励起光)を照射して、各微小粒子から発せられた蛍光や散乱光を検出することにより、複数の微小粒子を1個ずつ分析する方法である。このフローサイトメトリでは、光検出器で検出した光を電気的信号に変換して数値化し、統計解析を行うことにより、個々の微小粒子の種類、大きさ及び構造などを判定することができる。
基礎医学及び臨床分野において、網羅的解釈を進めるために、フローサイトメトリにおいても、複数の蛍光色素を使用したマルチカラー分析が普及してきている。しかし、マルチカラー分析のように一度の測定で複数の蛍光色素を使用すると、それぞれの検出器に目的以外の蛍光色素からの光が漏れ込み、分析精度が低下する。そこで、従来のフローサイトメータでは、目的の蛍光色素から、目的の光情報のみを取り出すため、蛍光補正を行っている。しかしながら、スペクトルが近接している蛍光色素の場合、検出器への漏れ込みが大きくなるために、蛍光補正ができないような事象が発生する。
ここで、フローサイトメータにおける蛍光検出には、フィルタなどの波長選択素子を用いて不連続な波長域の光を複数選択し、各波長域の光の強度を計測する方法の他に、連続した波長域における光の強度を蛍光スペクトルとして計測する方法もある。例えば特許文献1には、蛍光スペクトルの計測が可能なスペクトル型フローサイトメータとして、微小粒子から発せられる蛍光を、プリズム又はグレーティングなどの分光素子を用いて分光するものが開示されている。スペクトル型フローサイトメータは微小粒子から測定された蛍光データを、染色に使用した蛍光色素のスペクトル情報によりデコンボリューションすることで、各微小粒子の蛍光量を分析するシステムである。
一例として、特許文献1のスペクトル型フローサイトメータは、分光された蛍光を、検出波長域が異なる複数の受光素子が配列された受光素子アレイを用いて検出する。また、受光素子アレイには、PMT又はフォトダイオードなどの受光素子を一次元に配列したPMTアレイ又はフォトダイオードアレイ、あるいはCCD又はCMOSなどの2次元受光素子などの独立した検出チャネルが複数並べられたものが用いられている。
特開2013-61244号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、スペクトル分離性能のさらなる向上が図れないおそれがある。
そこで、本技術では、このような状況に鑑みてなされたものであり、ノイズを低減してスペクトル分離性能を向上させた微小粒子測定装置を提供することを主目的とする。
本技術は、微小粒子からの光を検出する複数の検出器を有する検出部と、複数の検出器ごとの増倍率を設定する増倍率設定部と、設定された増倍率に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、検出器により検出された値を、算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成するスペクトル生成部と、を備えるスペクトル型の微小粒子測定装置を提供する。
また、本技術は、微小粒子からの光を検出する複数の検出器ごとの増倍率を設定する増倍率設定部と、設定された増倍率に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、検出器により検出された値を、算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成するスペクトル生成部と、を備える情報処理装置を提供する。さらに、本技術は、プロセッサが、微小粒子からの光を検出する複数の検出器ごとの増倍率を設定するステップと、設定された増倍率に基づいて補正係数を算出するステップと、検出器により検出された値を、算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成するステップと、を含む情報処理方法を提供する。
本技術によれば、ノイズを低減してスペクトル分離性能を向上させた微小粒子測定装置を提供することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果、または、それらと異質な効果であってもよい。
本技術に係る微小粒子測定装置の構成例を示す概略図である。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置の構成例を示すブロック図である。 本技術に係る第1実施形態のデータ解析部の構成例を示すブロック図である。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置を用いた計測により得られた蛍光色素の単染色粒子を混合した際の励起のスペクトルチャートを示すグラフである。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置を用いた計測により得られた蛍光色素ごとの単染色粒子の各励起のスペクトルチャートを示すグラフである。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置を用いた計測により得られた条件設定用サンプル中の選択した有効データを示すグラフである。 本技術に係る第1実施形態の5つの蛍光色素のデータから求めたPMTの個別ゲイン設定値および補正係数の値を示すグラフである。 本技術に係る第1実施形態の選択した有効データに対してPMTの各チャンネルを個別に上限値までゲイン調整した状態を示す図である。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置を用いた5つの蛍光色素のデータを含むデータに対する補正係数の演算処理を説明する図である。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置を用いて算出された基準スペクトルを示すグラフである。 基準スペクトルを用いて多重染色サンプルの蛍光分離を行うUnmixingについての一般的な最小二乗法(LSM)と重み付け最小二乗法(WLSM)の計算式である。 本技術に係る第1実施形態の特性カーブの一例を示すグラフである。 本技術に係る第1実施形態の微小粒子を複数混合したサンプルを用いた校正を説明する図である。 本技術に係る第1実施形態の感度評価用の蛍光強度が8段階に調整された微小粒子が混合された8ピークビーズの測定を示す図である。 本技術に係る第1実施形態の代表的な蛍光色素の蛍光波長帯域ごとにデータを切り出したスペクトル形状を示す図である。 本技術に係る第1実施形態の蛍光色素の蛍光波長帯域ごとの8個のピークの分離性能のプロットの一例を示すグラフである。 本技術に係る第1実施形態の蛍光色素の蛍光波長帯域ごとの8個のピークの分離性能のプロットの一例を示すグラフである。 本技術に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、いずれの実施形態を組み合わせることもできる。本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。また、以下に説明する実施形態は、いずれかの一または複数の実施形態を組み合わせることもできる。なお、図面については、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
説明は以下の順序で行う。
1.微小粒子測定装置の概要
2.第1の実施形態(微小粒子測定装置の構成例)
(2-1)微小粒子測定装置の構成例
(2-2)データ解析部の構成例
(2-3)微小粒子測定装置の動作例
(2-4)実施例
3.ハードウェア構成例
<1.微小粒子測定装置の概要>
図1を用いて、本技術に係る微小粒子測定装置の概要について説明する。本実施形態では、微小粒子測定装置の一例として、スペクトル型フローサイトメータを用いて説明する。
図1は、本技術に係る微小粒子測定装置の構成例を示す概略図である。図1に示すように、微小粒子測定装置であるスペクトル型フローサイトメータ1は、一例として、レーザ光源11、レンズ12、流体光学システム13、フィルタ検出器14、ユーザインターフェース15、を備えている。また、スペクトル型フローサイトメータ1は、スペクトルを検出するための、プリズム16およびアレイ型の高感度検出器(PMT)17を備えている。なお、本実施形態では、光の検出器としてPMT17を用いているが、検出器はこれに限らず、APDなどであってもよい。
スペクトル型フローサイトメータ1は、フローセルを通流する細胞やビーズなどの微小粒子にレーザ光源11からの光を照射し、微小粒子から発せられる蛍光及び散乱光などを検出することによって、各微小粒子の特性を光学的に測定する微小粒子測定装置である。また、流体光学システム13は、フローセル(流路)中で一列に整列させた微小粒子から得られる光学的情報を検出することにより、微小粒子の解析や分取を行うシステムである。
例えば細胞の蛍光を検出する場合、蛍光色素により標識した細胞にレーザ光などの適当な波長かつ強度を有する励起光を照射する。そして、蛍光色素から発せられる蛍光をレンズ12などで集光し、フィルタ検出器14のフィルタ又はダイクロイックミラーなどの波長選択素子を用いて適当な波長帯域の光を選択し、選択された光をPMT(photo multiplier tube)17などの受光素子を用いて検出する。このとき、波長選択素子と受光素子とを複数組み合わせることによって、細胞に標識された複数の蛍光色素からの蛍光を同時に検出し、解析することも可能である。さらに、複数波長の励起光を組み合わせることで解析可能な蛍光色素の数を増やすこともできる。
一般に、フローサイトメータにおける蛍光検出には、フィルタなどの波長選択素子を用いて不連続な波長帯域の光を複数選択し、各波長帯域の光の強度を計測する方法の他に、連続した波長帯域における光の強度を蛍光スペクトルとして計測する方法がある。蛍光スペクトルの計測が可能なスペクトル型フローサイトメータ1では、微小粒子から発せられる蛍光を、プリズム16又はグレーティングなどの分光素子を用いて分光する。そして、分光された蛍光を、検出波長帯域が異なる複数の受光素子が配列された受光素子アレイ17を用いて検出する。受光素子アレイ17としては、PMTの受光素子を一次元に配列したPMTアレイを用いている。なお、受光素子アレイには、フォトダイオードなどの受光素子を一次元に配列したフォトダイオードアレイ、あるいはCCD又はCMOSなどの2次元受光素子などの独立した検出チャネルが複数並べられたものも用いることができる。
フローサイトメトリなどに代表される微小粒子の解析では、分析対象となる微小粒子にレーザなどの光を照射し、微小粒子から発せられる蛍光や散乱光を検出する光学的手法が多く用いられている。一例として、スペクトル型フローサイトメータ1を用いて検出された光学的情報をもとに、解析用コンピュータとソフトウェアでヒストグラムを抽出し、解析が行われる。
微小粒子の光学的解析においては、実際に被検対象となる微小粒子の光学的測定の前に、その精度等の検証や装置の動作確認・標準化等のために、クオリティーコントロール(QC:Quality Control)を行う場合がある。このクオリティーコントロールにおいては、通常、異なる蛍光強度を有する蛍光色素で標識された複数のビーズ(3ピークビーズ、6ピークビーズ、8ピークビーズ等)や広範囲のスペクトルが得られる一種類のビーズ(アラインチェックビーズ、Ultra Rainbow 蛍光粒子等)等が用いられている。
通常のスペクトル型フローサイトメータは、従来のフローサイトメータが多数配置している高感度検出器の代わりに、スペクトルを検出するためにアレイ型の高感度検出器を備えている。従来型に比べ一つの蛍光色素に対し一つの高感度検出器があるような構成ではないため、検出感度の目標値設定が困難で、さらにアレイ型検出器はPMTの数が多いため、ユーザが手動で一つ一つのPMTに対し適正な増倍率を設定することは非常に困難になる。また、スペクトル情報によるデコンボリューション処理により蛍光量を算出するに辺り、結果に影響する考慮すべきパラメータが多数存在する。現在実現されている装置においては、一般のユーザが制御可能である範囲にパラメータ自由度を制限して、簡単に操作できるように構成されているのがほとんどである。そのため、スペクトル型フローサイトメータが本来持っている、蛍光色素の分離能が最大限発揮できていない状況が生じている。本技術は、このような問題を解決することを目的としている。
<2.第1の実施形態(微小粒子測定装置の構成例)>
(2-1)微小粒子測定装置の構成例
図2は、本技術に係る第1実施形態の微小粒子測定装置の構成例を示すブロック図である。図1および図2を用いて、本実施形態に係る微小粒子測定装置の構成例について説明する。
図2に示すように、微小粒子測定装置であるスペクトル型フローサイトメータ1は、蛍光スペクトル検出部21と、情報処理装置22と、を備えている。スペクトル型フローサイトメータ1では、図1に示す、レーザ光源11、レンズ12、流体光学システム13、フィルタ検出器14が、蛍光スペクトル検出部21の役割を有し、ユーザインターフェース15が情報処理装置22の役割を有する。情報処理装置22は、機器制御部23と、データ記録部24と、データ解析部25と、を備えている。
蛍光スペクトル検出部21は、多数の微小粒子の蛍光量を検出する部分である。蛍光スペクトル検出部21で微小粒子を光学的に分析する際は、まず、レーザ光源11の光源から励起光を出射し、流体光学システム13の流路内を流れる微小粒子に照射する。次に、微小粒子から発せられた蛍光をフィルタ検出器14で検出する。具体的には、ダイクロイックミラーやバンドパスフィルターなどを使用して、微小粒子から発せられた光から特定波長の光(目的とする蛍光)のみを分離し、それを例えば32チャンネルPMT17などの検出器で検出する。このとき、例えばプリズム16や回折格子などを使用して蛍光を分光し、検出器の各チャンネルで異なる波長の光を検出するようにする。これにより、容易に検出光(蛍光)のスペクトル情報を得ることができる。分析とする微小粒子は、特に限定されるものではないが、例えば細胞やマイクロビーズなどが挙げられる。
機器制御部23は、微小粒子を測定する条件を設定し、機器の動作をコントロールする部分である。より詳しくは、機器制御部23は、微小粒子を含むサンプルの送液条件や、蛍光検出に関わるレーザ光源11の出力、蛍光検出器の感度制御、光学ステージの位置調整などのパラメータを変更し最適化を行う部分である。機器制御部23の具体的な作業手順としては、ユーザが測定対象のサンプルに対し所望の結果が得られる最適な条件に設定するために、実際のサンプルを送液し、検出された蛍光シグナルを見ながら、随時各種パラメータ調整する作業を繰り返す。容易に設定変更が可能なように、機器制御部23は、主にコンピュータによる制御ソフトウェアからユーザが機器のパラメータ変更が可能な構成になっている。
データ記録部24は、蛍光スペクトル検出部21で検出された各微小粒子のスペクトルデータを記録する部分である。データ記録部24は、蛍光スペクトル検出部21で取得された各微小粒子のスペクトル情報を、スペクトル情報以外の散乱光や時間や位置の情報と併せて記録する機能を有する。データ記録部24が有する記録機能は、主にコンピュータのメモリやディスクを用いたものである。通常の細胞解析では1つの実験条件において、数千~数百万個の微小粒子の分析を行うため、データ記録部24では、多数のスペクトル情報を実験条件ごとに整理された状態で記録されることが必要である。
データ解析部25は、データ記録部24に記録されたデータから所望の分析結果が得られるように各種データ処理を行う部分である。データ解析部25では、コンピュータなどを用いて、蛍光スペクトル検出部21で検出した各波長帯域の光強度を定量化し、使用した蛍光色素ごとの蛍光量(光強度)を求めて解析する。この解析には、実験データから算出された基準スペクトルを使用した最小二乗法による線形フィッティング等が用いられる。
基準スペクトルは、一つの蛍光色素のみで染色した微小粒子の測定データと、無染色の微小粒子の測定データの2種類を用い、統計処理によって算出する。この統計処理を適切に行うことにより、スペクトルサイトメーターで測定された実データから、もっともらしい染色に用いた蛍光色素の基準スペクトル形状と、無染色状態の微小粒子の自家蛍光の基準スペクトル形状を見積もることが必要である。
また、算出された基準スペクトルは、蛍光分子名、測定日、微小粒子の種類等の情報と共にデータ記録部24に記録される。データ解析部25で見積もられたサンプルの蛍光量(蛍光スペクトルデータ)は、データ記録部24に保存され、目的に応じてグラフで表示して微小粒子の蛍光量分布の解析が行われる。本技術の要部は、データ解析部25で測定したデータから機器制御部23で使用する設定パラメータを算出して、それを蛍光分離処理計算まで反映させるアルゴリズムである。
(2-2)データ解析部の構成例
次に、本実施形態のデータ解析部25の構成例について説明する。図3は、本実施形態のデータ解析部25の構成例を示すブロック図である。データ解析部25は、増倍率設定部31と、補正係数算出部32と、スペクトル生成部33と、データ調整部34と、基準スペクトル算出部35と、スペクトル分離部36と、検出器評価部37と、を備えている。
増倍率設定部31は、蛍光スペクトル検出部21が有する、微小粒子からの光を検出する複数の検出器であるPMT17ごとの増倍率を設定する。増倍率設定部31は、検出器の印加電圧に基づいて増倍率を設定することができる。また、増倍率設定部31は、一の蛍光色素が染色された単染色サンプルを混合したサンプル、または全ての蛍光色素により染色された多重染色サンプルの一つの測定データから自動に増倍率を設定することができる。
補正係数算出部32は、増倍率設定部31で設定された増倍率に基づいて補正係数を算出する。補正係数算出部32は、一の蛍光色素が染色された単染色サンプルを混合したサンプル、または全ての蛍光色素により染色された多重染色サンプルの一つの測定データから自動に補正係数を算出することができる。また、補正係数は、PMT17ごとに個別に設定した印加電圧から算出することができる。この補正係数は、例えば、記検出器のユニフォミティ、記複数の検出器ごとの検出した波長帯域の幅または光電変換の波長依存性に基づく値である。また、補正係数は個別ゲイン調整後に条件設定用サンプルを測定し、実データから算出してもよい。
スペクトル生成部33は、検出器であるPMT17により検出された値を、補正係数算出部32で算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成する。
データ調整部34は、蛍光スペクトル検出部21により検出された値の最大値を、増倍率設定部31で設定された増倍率に基づいて所定の閾値に自動調整する。事前に個々のPMT17全てに対し、増倍率と印加電圧の関係式を求めておくことにより、その関係式を利用して、データ調整部34では、印加電圧をあと何倍すれば最大値が閾値に達するかを自動に計算して調整することができる。なお、所定の閾値は、検出器であるPMT17の検出上限値とすることができる。
基準スペクトル算出部35は、スペクトル生成部33で生成されたスペクトルデータに基づいて基準スペクトルを算出する。算出した基準スペクトルのデータは、既知の蛍光物質を含んでなる微小粒子を事前にスペクトル型フローサイトメータ1で測定し、上述の補正係数により補正したスペクトルデータか、あるいはその蛍光物質の蛍光スペクトルを通常の蛍光分光光度計により計測して得たスペクトルデータのいずれであってもよい。
スペクトル分離部36は、基準スペクトル算出部35で算出された基準スペクトルを用いて分離する。スペクトル分離部36は、算出された補正係数に基づいて、後述の重み付けする重み付け最小二乗法を用いてスペクトル分離処理を行うことができる。
検出器評価部37は、複数の蛍光強度および粒子径が異なる微小粒子を混合した測定データを用いて検出器である各PMT17を評価する。検出器評価部37は、スペクトル型フローサイトメータ1を製造する際の検査で評価治具等を用いて、増倍率と印加電圧の関係式を求めることができる。これにより、スペクトル型フローサイトメータ1が経時変化してしまった場合でも、簡単な測定で増倍率と印加電圧の関係式を更新することができる。
(2-3)微小粒子測定装置の処理動作例
図4は、本実施形態の微小粒子測定装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。図4を用いて、本実施形態の微小粒子測定装置であるスペクトル型フローサイトメータ1の処理動作の一例について説明する。各ステップにおける詳細な動作例は後述するが、まず測定アルゴリズム全体の流れについて説明する。
ステップS401において、最初に条件設定用のサンプルの微小粒子を準備し、機器制御部23で、サンプルの微小粒子を測定する条件を設定する。測定する条件を設定すると、蛍光スペクトル検出部21は、設定した一定の条件下でサンプルの微小粒子を測定する。その際に、データ調整部34は、全ての微小粒子の蛍光値がPMT17の限界を超えない所定の値になるように全体のPMT値を自動で調整する。ここで、全体のPMT値の調整の仕方について説明する。まず、単純に上限値の値が測定された場合はPMT印加電圧を下げて測定し、再び上限値が検出された場合は繰り返しPMT印加電圧を下げる。そして、測定値が上限値以下になるまでこれを自動的に繰り返して全体のPMT値を調整する。なお、測定値が上限値を超えた場合は、真値が不明であることから何分の1の強度に調整すべきかが不明となるので、トライアンドエラーが必要となる。PMT値の調整後に、蛍光スペクトル検出部21は、一定数の微小粒子のサンプルデータを測定し、データ記録部24は、測定したサンプルデータを記録して保存する。
ステップS402において、ユーザインターフェース15の表示部は、ステップS401で測定されたサンプルデータをグラフ表示する。ユーザは、表示されたグラフから、解析対象としている微小粒子の範囲を設定して有効データを選択する。
ステップS403において、増倍率設定部31は、ステップS402で選択された有効データ群の中で全てのPMT17のチャンネルにおける有意義な最大値を算出する。増倍率設定部31は、算出した最大値と測定上限値との比率を計算し、各PMT17のチャンネルの最大値を測定限界値付近に調整するための値を求め、各PMT17のチャンネルの増倍率(ゲイン)を個別に設定する。また、補正係数算出部32は、検出値を増倍させるために求めたゲインの値の逆数を、元の波形に戻すための補正係数を算出する。
ステップS404において、まず機器制御部23で、各PMT17を個別にゲイン設定する。各PMT17を個別にゲイン設定すると、蛍光スペクトル検出部21は、実際に解析を行うためのサンプル測定を実行する。データ記録部24は、サンプル測定したデータを記録して保存する。
ステップS405において、スペクトル生成部33は、ステップS404で測定された全てのデータについて、チャンネルごとに補正係数を掛けて演算し、個別ゲイン設定により失われていた一般的な蛍光のスペクトル形状を再現してスペクトルデータを生成する。
ステップS406において、基準スペクトル算出部35は、ステップS405で補正して生成された単染色サンプルのデータから、スペクトル型フローサイトメータ1の解析で必要となる蛍光色素ごとの基準スペクトルを算出して作成する。また、スペクトル分離部36は、同じくステップS406において、補正済みの多重染色サンプルに対し重み付け最小二乗法(WLSM)を用いて蛍光分離(Unmixing処理)を行う。このUnmixing処理において、重み付け最小二乗法を使用する際に、重みパラメータに補正係数の値を反映させることで固定ノイズに対する最適化が可能となり、より精度の高い蛍光分離処理が実現できる。
(2-4)実施例
図5から図18に示す実施例を用いて、本実施形態のスペクトル型フローサイトメータ1の処理動作の各ステップにおける詳細な動作例について説明する。
[条件設定用サンプルの測定例(S401)]
図5は、スペクトル型フローサイトメータ1を用いた計測により得られた、5つの蛍光色素の単染色粒子を混合した際の488nm励起のスペクトルチャートを示すグラフである。図5Aは、各PMT17のゲインの自動調整前の励起スペクトルチャートを示し、図5Bは、各PMT17のゲインの自動調整後の励起スペクトルチャートを示す。図5の横軸はPMT17のチャンネルを表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
図6は、スペクトル型フローサイトメータ1を用いた計測により得られた、5つの蛍光色素ごとの単染色粒子の488nm励起のスペクトルチャートを示すグラフである。図6Aは、各PMT17のゲインの自動調整前の色素ごとの励起スペクトルチャートを示し、図6Bは、各PMT17のゲインの自動調整後の色素ごとの励起スペクトルチャートを示す。図6の横軸はPMT17のチャンネルを表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
条件設定用サンプルを測定するステップS401では、例えば、測定で使用する全ての蛍光色素により染色された多重染色のサンプル、もしくは単染色サンプルの全てを混合したものを使用する。図5Aに示すように、このサンプルをフローサイトメータに送液しながら、一定数のデータを計測する。その後、計測したデータ内の最大値を示すPMTチャンネルとその最大値を求める。そして図5Bに示すように、最大値が検出上限値になるように全てのアレイ型PMTのゲインを一律に自動調整する。
また通常アレイ型PMTは、ゲインを一律に増減させた場合は、計測値も一律に同じ割合で増減する。このため、図6Aおよび図6Bに示すように、複数の励起レーザとアレイ型PMT17を有している場合においても一律に各PMT17を増減させることで、若干のPMT17個体差の影響はあるが、蛍光色素のスペクトル形状はほぼ変化せずに測定ができる。この蛍光スペクトルの形状を保ち、かつPMTゲインが最適な設定にて条件設定用サンプルの測定を実施する。
[有効データの選択例(S402)]
図7は、スペクトル型フローサイトメータ1を用いた計測により得られた条件設定用サンプル中の選択した有効データを示すグラフである。図7Aは、測定したサンプル中の関心のある細胞集団だけを選び出し(ゲーティングし)、そのゲーティングした微小粒子の細胞数頻度分布を示すヒストグラムである。図7Aの横軸は側方散乱強度の積算値を表し、縦軸は側方散乱強度の最大値を表す。図7Bは、各PMT17のゲインの自動調整前の励起スペクトルチャートを示し、図7Cは、各PMT17のゲインの自動調整後の励起スペクトルチャートを示す。図7Bおよび図7Cの横軸はPMT17の波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
有効データを選択するステップS402では、ユーザが解析対象となっているデータ範囲を設定できるように、条件設定用サンプルの測定結果をユーザインターフェース15の表示部にグラフ表示する。スペクトル型フローサイトメータ1の測定においては、細胞等の生体サンプルを用いることが多く、様々な不純物を含んでいる。この測定は、解析対象が100万個に1つなど非常に数の少ない粒子に及ぶ場合もあり、ユーザごとに様々な要求が存在するため、自動的に有効データの選択を行うことは困難である。そこで、PMT17の個別ゲイン調整の基準となる有効データの選択は、表示されたグラフを見ながらユーザが有効範囲のゲート設定を行い、不純物等を取り除いたデータ群を抽出して、PMT17の個別ゲイン調整の基準となる有効データを選択する。
[PMT個別ゲイン設定と補正係数算出の例(S403)]
図8は、スペクトル型フローサイトメータ1の5つの蛍光色素のデータから求めたPMT17の個別ゲイン設定値および補正係数の値を示すグラフである。図8Aは、選択して設定された有効データに対してPMT17の各チャンネルの最大値および検出上限値を示す図である。図8Aの横軸は波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。図8Bは、5つの蛍光色素のデータから求めた各PMT17の増倍率(ゲイン)を示し、図8Cは、5つの蛍光色素のデータから求めた各PMT17の補正係数を示す。図8Bおよび図8Cの横軸はPMT17のチャンネルを表し、縦軸はそれぞれ増倍率および補正係数を表す。
PMTの個別ゲインを設定し、補正係数を算出するステップS403では、設定された有効データに対してPMT17の各チャンネルの最大値を算出する。そして検出上限値との差からあと何倍データを増大しても飽和せずに測定可能かを見積もり、PMT17の各チャンネルの個別のゲイン値を算出する。この算出の際に不要なノイズ成分の拡大を避けるため、光学フィルタや励起レーザの構成により設定上シグナルが非常に小さい領域についてはゲインの上限を設けてもよい。図8Bは、5つの蛍光色素のデータから求めた各PMT17の増倍率を示し、基準測定結果から30倍程度の上限が設定されている。また図8Cは、増倍率の逆数の値を示し、この値はスペクトル再現に必要な補正係数である。
[サンプル測定例(S404)]
図9は、選択して設定された有効データに対してPMT17の各チャンネルを個別に上限値までゲイン調整した状態を示す図である。図9の横軸は波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
サンプル測定するステップS404では、PMT17の各チャンネルを個別に上限値までゲイン調整した状態で、基準スペクトル作成用の単染色サンプルや無染色サンプル、そして解析対象となる多重染色サンプルを測定する。測定結果としては、図9に示すように、多重染色サンプルを測定した際にはPMT17の各チャンネルの多くが測定上限になることが期待される。
[補正係数の演算例(S405)]
図10は、スペクトル型フローサイトメータ1の5つの蛍光色素のデータを含むデータに対する、補正係数の演算処理を説明する図である。図10Aは、全てのPMT17のチャンネルを一律で測定上限までゲイン調整したスペクトル形状を示す。図10Bは、各PMT17のチャンネルを個別に測定上限までゲイン調整したスペクトル形状を示す。図10Cは、図10Bに示す測定されたデータに対して、補正係数を掛けた蛍光スペクトル形状を示す。図10Aから図10Cの横軸は波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
補正係数を演算するステップS405では、PMT17の各チャンネルを測定上限までゲイン調整して測定されたデータに対し、補正係数を掛けて蛍光スペクトル形状を再現させる。図10Cに示す補正後のスペクトル形状は、図10Cに示す全てのPMT17のチャンネルを一律で調整して測定したスペクトル形状とほぼ同等のスペクトル形状が再現できていることが分かる。また、図10Aおよび図10Bから、各PMT17を個別に測定上限までゲイン調整して測定したチャンネルにおいては、一律で測定上限までゲイン調整して測定した場合よりも固定ノイズが少ない測定が実現されることになる。
[基準スペクトルの作成とUnmixing処理の例(S406)]
図11は、スペクトル型フローサイトメータ1を用いて算出された基準スペクトルを示すグラフである。図11Aは、蛍光色素BV 510の算出された基準スペクトルを示し、図11Bは、Alexa Fluor 594の算出された基準スペクトルを示す。図11の横軸は波長を表し、縦軸は規格化された蛍光信号強度を表す。
基準スペクトルを作成するステップS406では、補正された単染色サンプルの測定データより平均値等を計算し基準スペクトルを算出する。図11Aおよび図11Bに示すように、PMT17アレイのゲインを一律で調整して得られたスペクトル(点線)とPMT17アレイのゲインを個別に調整後測定し補正を掛けたスペクトル(実線)とがほぼ同じであることがわかる。このように本実施形態の微小粒子測定装置の動作手順をとることで、PMT17アレイのゲインを個別で調整しても、一律調整値のスペクトル形状を再現することが可能になり、蛍光色素数が増減し個別ゲイン設定の異なる測定を実施した場合でも、基準スペクトルを流用することができる。
図12は、基準スペクトルを用いて多重染色サンプルの蛍光分離を行うための計算式である。図12Aは、Unmixingについての一般的な最小二乗法(LSM)を示し、図11Bは、Unmixingについての一般的な重み付け最小二乗法(WLSM)を示す。
Unmixing処理を行うステップS406では、ステップS405で補正済みの多重染色サンプルに対し重み付け最小二乗法(WLSM)を用いてUnmixing処理(蛍光分離)を行う。ここで、LSMを用いた場合は、信号が小さいデータはあまり重要ではないが、WLSMを用いた場合は、信号の大きさに対して重み付けを行うことでPMT17の各チャンネルのデータを有効に使うため、信号が小さいデータの影響が大きくなる。しかしあまりにも小さすぎるデータに関しては、その影響を規制するために通常は機器の固定ノイズを反映したOffsetというパラメータが設定される。
本技術は、各PMT17のゲインを個別に最適化することで、この固定ノイズを小さくし測定することを可能にしている。そのため、WLSMの解析の際にはその測定データに合わせてOffset項を調整することで、より高い蛍光分離性能を発揮することができる。単純には通常一律であったOffset項に対し、測定データの際に使用した補正係数に応じた係数を掛けることで最適な解析を実施することができる。
[個別ゲイン設定と補正係数の値の適合性]
図13および図14を用いて、本技術の重要な要素の一つである、アレイ型PMT17の個別ゲイン設定と補正係数の値の適合性について説明する。ここで、初期状態の特性であればPMT17単体での評価によって、PMT17に与える印加電圧とゲインの関係は精度よく見積もることができる。
図13は、PMT17のゲイン曲線による特性カーブの一例を示すグラフである。図13の横軸はPMT数を表し、縦軸はゲインを表す。図13に示すように、本実施形態の特性カーブは単調な曲線ではなく、かつゲインの変化も急激であるため、経年劣化による特性の変化による影響も懸念される。そのため、スペクトル型フローサイトメータ1にPMT17を組み込んだ状態でゲイン特性を再評価する手順が必要となる。ところが、PMT17のゲインは非常にレンジが広いため単純に一つの微小粒子を測定すると、値が飽和するか、または検出できない領域が存在してしまう。また、複数回、明るさを段階的に変化させた微小粒子を測定して校正することは可能だが、測定間の誤差等が生じてしまう。
これを解消すべく、図14に示すように、蛍光スペクトルがブロードな物質で作られ、粒子の大きさが異なり、かつ蛍光強度が異なる微小粒子を複数混合したサンプルを用いた校正を行う。図14Aは、混合するサンプルのスペクトル形状を示す。図14Aの横軸は波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。図14Bは、微小粒子を複数混合したサンプルの測定結果を示す。図14Bの横軸はFSC(前方散乱光:forward scatter)を表し、縦軸はSSC(側方散乱光 side scatter)を表す。図14Cは、図14Bに示す測定データに対して、ゲート設定による粒子選択したゲイン特性を示す。図14Cの横軸はPMT印加電圧を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
図14Cに示すように、通常のフローサイトメータでは前方散乱光が粒子サイズに関連しており、蛍光量とは別にゲート設定による粒子選択が可能である。その機能を用いて、混合粒子の測定結果から粒子を同定し、小さい粒子ではPMT17のゲインの大きい領域、大きい粒子ではPMT17のゲインの小さい領域の特性を評価することで、一度の測定でかつ自動的に広範囲におよぶアレイ型PMT17のゲイン特性の校正を行うことが可能となる。
[ピークビーズの測定]
図15から図18を用いて、本実施形態のピークビーズの測定について説明する。図15は、感度評価用の蛍光強度が8段階に調整された微小粒子が混合された8ピークビーズの測定を示す図である。図15Aは、全てのPMT17のチャンネルを一律で測定上限までゲイン調整したスペクトル形状を示す。図15Bは、各PMT17のチャンネルを個別に測定上限までゲイン調整したスペクトル形状を示す。図15Cは、図15Bに示す測定されたデータに対して、補正係数を掛けた蛍光スペクトル形状を示す。図15Aから図15Cの横軸は波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。
図16は、代表的な蛍光色素の蛍光波長帯域ごとにデータを切り出したスペクトル形状を示す図である。図16の横軸は波長を表し、縦軸は蛍光信号強度を表す。図17は、全てのPMT17のチャンネルを一律で測定上限までゲイン調整して8個のピークの分離性能をプロットしたグラフである。図18は、各PMT17のチャンネルを個別に測定上限までゲイン調整して8個のピークの分離性能をプロットしたグラフである。図17および図18の横軸は波長を表し、縦軸は粒子数を表す。
図15に示すように、PMT17のアレイを個別にゲイン設定した場合の固定ノイズ低減効果を確認するため、感度評価用の蛍光強度が8段階に調整された粒子が混合された8個のピークビーズの測定を実施した。そして、図16から図18に示すように、代表的な蛍光色素の蛍光波長帯域ごとにデータを切り出し、切り出したデータの8個のピークの分離性能をプロットした。図17および図18に示すように、元々8個のピークビーズの蛍光強度が高いPE領域の分離能にはほとんど変化が見られないが、その他のFITC領域、PE-CY5領域、PE-Cy7領域においては暗いビーズの区別が明確になっていることが分かった。その際、各ビーズの蛍光強度の平均値はほぼ同じであることから、スペクトル形状は確保されていることも分かる。この結果より、本技術の動作手順によって、スペクトル形状を確保しつつ、蛍光量が少ないPMT17の各チャンネルにおいて固定ノイズを低減する測定が実現できていることが確認された。
以上のように、本実施形態のスペクトル型フローサイトメータ1は、PMT17の電圧の最適化により全波長帯域において固定ノイズが小さい条件で測定が可能となり、結果として蛍光色素の分離能が向上する。また、スペクトル型フローサイトメータ1は、近接色素の分離能が改善することで、同時に使用可能な色素数を増やすことができる。
また、スペクトル型フローサイトメータ1は、多重染色サンプルを測定するだけで、最適な条件のPMTの電圧設定値を自動計算することで、ユーザが多数のパラメータを調整する負担を軽減できる。
また、スペクトル型フローサイトメータ1は、測定結果に対し、PMT17のゲインを考慮した補正係数を使用して解析に使用することで、蛍光分離で使用する基準スペクトルを流用することが可能となる。そして、異なる測定条件下でも単染色サンプルごと測定する負担を軽減できる。
さらに、スペクトル型フローサイトメータ1は、PMT17のゲイン特性の経年変化に対して、基準サンプルを測定するだけで装置に組み込んだままゲイン特性データの更新が可能となり、最適な測定条件を常に確保できる。
<3.ハードウェア構成例>
次に、図19を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図19は、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、上記の実施形態における情報処理装置10を実現しうる。
情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)903、およびRAM(Random Access Memory)905を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、上記の実施形態における情報処理装置10に含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどの表示装置、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。なお、ストレージ装置919は、上記実施形態に係る記憶部110の機能を実現し得る。
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
通信装置929は、例えば、通信ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。
なお、本明細書の情報処理装置の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、情報処理装置の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、情報処理装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報処理装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
また、本技術に係る実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
また、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
微小粒子からの光を検出する複数の検出器を有する検出部と、
前記複数の検出器ごとの増倍率を設定する増倍率設定部と、
設定された増倍率に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、
前記検出器により検出された値を、算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成するスペクトル生成部と、
を備えるスペクトル型の微小粒子測定装置。
(2)
前記複数の検出器ごとの増倍率を個別に調整する機器制御部をさらに備える(1)に記載の微小粒子測定装置。
(3)
前記検出部により検出された値の最大値を、設定された増倍率に基づいて所定の閾値に自動調整するデータ調整部をさらに備える(1)に記載の微小粒子測定装置。
(4)
前記所定の閾値は、前記検出器の検出上限値である(3)に記載の微小粒子測定装置。
(5)
生成されたスペクトルデータに基づいて基準スペクトルを算出する基準スペクトル算出部をさらに備える(1)に記載の微小粒子測定装置。
(6)
算出された基準スペクトルを用いて分離するスペクトル分離部をさらに備える(3)に記載の微小粒子測定装置。
(7)
前記スペクトル分離部は、前記算出された補正係数に基づいて重み付けする重み付け最小二乗法を用いてスペクトル分離処理を行う(6)に記載の微小粒子測定装置。
(8)
前記増倍率設定部は、前記検出器の印加電圧に基づいて増倍率を設定する(1)に記載の微小粒子測定装置。
(9)
前記補正係数は、前記検出器のユニフォミティ、前記複数の検出器ごとの検出した波長帯域の幅または光電変換の波長依存性に基づく値である(1)に記載の微小粒子測定装置。
(10)
前記増倍率設定部は、一の蛍光色素が染色された単染色サンプルを混合したサンプル、または全ての蛍光色素により染色された多重染色サンプルの一つの測定データから自動に増倍率を設定する(1)に記載の微小粒子測定装置。
(11)
前記補正係数算出部は、一の蛍光色素が染色された単染色サンプルを混合したサンプル、または全ての蛍光色素により染色された多重染色サンプルの一つの測定データから自動に補正係数を算出する(1)に記載の微小粒子測定装置。
(12)
複数の蛍光強度および粒子径が異なる微小粒子を混合した測定データを用いて前記検出器を評価する検出器評価部をさらに備える(1)に記載の微小粒子測定装置。
(13)
微小粒子からの光を検出する複数の検出器ごとの増倍率を設定する増倍率設定部と、
設定された増倍率に基づいて補正係数を算出する補正係数算出部と、
前記検出器により検出された値を、算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成するスペクトル生成部と、
を備える情報処理装置。
(14)
プロセッサが、
微小粒子からの光を検出する複数の検出器ごとの増倍率を設定するステップと、
設定された増倍率に基づいて補正係数を算出するステップと、
前記検出器により検出された値を、算出された補正係数で補正してスペクトルデータを生成するステップと、
を含む情報処理方法。
1 フローサイトメータ
11 レーザ光源
12 レンズ
13 流体光学システム
14 フィルタ検出器
15 ユーザインターフェース
16 プリズム
17 アレイ型の高感度検出器(PMT)
21 蛍光スペクトル検出部
22 情報処理装置
23 機器制御部
24 データ記録部
25 データ解析部
31 増倍率設定部
32 補正係数算出部
33 スペクトル生成部
34 データ調整部
35 基準スペクトル算出部
36 スペクトル分離部
37 検出器評価部

Claims (12)

  1. 粒子からの光を複数の検出器で検出する検出部と、
    前記複数の検出器に設定された増倍率に基づき特定された補正係数を用い、前記検出器により検出された値を補正してスペクトルデータを生成するデータ解析部と、
    前記スペクトルデータに基づき算出した基準スペクトルを記録するデータ記録部と、
    からなり、
    前記基準スペクトルは、アンミキシング処理に用いられる、スペクトル型フローサイトメータシステム。
  2. 前記データ解析部は、前記複数の検出器に設定された前記増倍率に基づき、前記補正係数を特定する、請求項1に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  3. 前記粒子は、一の蛍光色素により標識された単染色サンプルと無染色サンプルとを含み、
    前記データ解析部は、前記単染色サンプルから検出された前記スペクトルデータと前記無染色サンプルから検出された前記スペクトルデータとを用い、前記基準スペクトルを算出する、請求項1又は2に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  4. 前記データ記録部は、前記基準スペクトルに紐づけて、蛍光分子名、測定日及び粒子の種類のうち少なくとも何れか一つの情報を記録する、請求項1から3の何れか一項に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  5. 前記データ記録部は、前記基準スペクトルに紐づけて、蛍光分子名、測定日及び粒子の種類を記録する、請求項4に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  6. 前記粒子は、複数の蛍光色素により染色された多重染色サンプルを混合したサンプルであり、
    前記データ解析部は、前記多重染色サンプルから前記検出部で検出された値に対して、前記基準スペクトルを用いてアンミキシング処理を行う、前記請求項1から5の何れか一項に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  7. 前記データ解析部は、前記アンミキシング処理により、前記蛍光色素の光強度を特定する、請求項6に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  8. 前記複数の検出器ごとの増倍率を個別に調整する機器制御部をさらに備える、請求項1から7の何れか一項に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  9. 前記基準スペクトルを用いて分離するスペクトル分離部をさらに備え、
    前記スペクトル分離部は、前記補正係数に基づいて重み付けする重み付け最小二乗法を用いてスペクトル分離処理を行う、請求項1から8の何れか一項に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  10. 前記スペクトルデータを表示する表示部をさらに備える、請求項1から9の何れか一項に記載のスペクトル型フローサイトメータシステム。
  11. 粒子からの光を検出する複数の検出器に設定された増倍率に基づき特定された補正係数を用い、前記検出器により検出された値を補正してスペクトルデータを生成するデータ解析部と、
    前記スペクトルデータに基づき算出した基準スペクトルを記録するデータ記録部と、
    からなり、
    前記基準スペクトルは、アンミキシング処理に用いられる、情報処理装置。
  12. 粒子からの光を検出する複数の検出器に設定された増倍率に基づき特定された補正係数を用い、前記検出器により検出された値を補正してスペクトルデータを生成するデータ解析工程と、
    前記スペクトルデータに基づき算出した基準スペクトルを記録するデータ記録工程と、
    を行い、
    前記基準スペクトルは、アンミキシング処理に用いられる、情報処理方法。
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