JP2004203227A - タイヤ基体及びタイヤの製造方法 - Google Patents

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幸夫 遠藤
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Abstract

【課題】隆起マークの色換えを生産性良く行う。
【解決手段】サイドウォール部3に、該サイドウォール部3の仮想輪郭線SLから隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マーク9を加硫成形したタイヤ基体である。隆起マーク9は、サイドウォール部3の仮想輪郭線SLからの隆起高さhが3〜7mmである。また隆起マーク9は、外側ゴム層9aと、該外側ゴム層9aとは色彩が異なる内側ゴム層9bとが前記仮想輪郭線SLよりもタイヤ軸方向外側に境界面Kを有して配される。表面研磨により、前記外側ゴム層9a又は内側ゴム層9bを選択的に露出可能とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産性を向上しうるタイヤ基体及びタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、サイドウォール部に、該サイドウォール部から隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マークを加硫成形したタイヤが知られている(例えば下記特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−275136号公報
【特許文献2】
特開平9−111041号公報
【0004】
また隆起マークは、黒色ゴムを用いて形成された「ブラックレター」や、白色ゴムを用いて形成された「ホワイトレター」など、色彩が異なる場合がある。隆起マークの色を違えるためには、通常、タイヤの成形工程おいて、隆起マークを成形する部分に所望の色のゴム材を配し、しかる後、加硫成形することにより行われる。換言すれば、ホワイトレターのタイヤを製造する場合と、ブラックレターのタイヤを製造する場合とでは、少なくともサイドウォール部に、ゴム配合が異なるサイドウォールゴムを用いる必要があった。また、これに関連して、隆起マークを成形するタイヤ加硫金型にも異なるものを用いる場合もある。
【0005】
しかしながら、このように、隆起マークの色彩に応じてサイドウォールゴムのゴム配合を変えたり、或いはタイヤ加硫金型を取り替えていたのでは、生産性の低下を招くという欠点がある。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、隆起マークが、外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とをサイドウォール部の仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配して形成され、表面の研磨により前記外側ゴム層又は内側ゴム層を露出可能とすることを基本として、生産性を向上しうるタイヤ基体及びタイヤの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、サイドウォール部に、該サイドウォール部の仮想輪郭線から隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マークを加硫成形したタイヤ基体であって、前記隆起マークは、前記サイドウォール部の仮想輪郭線からの隆起高さが3〜10mmであり、しかも隆起マークは、外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とが前記仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配され、表面研磨により前記外側ゴム層又は内側ゴム層のを露出可能なことを特徴としている。
【0008】
また請求項2記載の発明は、前記隆起マークは、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記サイドウォール部の仮想輪郭線に沿ってのびる隆起面と、この隆起面のタイヤ半径方向外側の縁からサイドウォール部に連なる外向き面と、この隆起面のタイヤ半径方向内側の縁からサイドウォール部に連なる内向き面とからなり、かつ外向き面は、サイドウォール部表面との接続部に曲率半径Roの円弧部を具えるとともに、前記内向き面は、サイドウォール部表面との接続部に曲率半径Riの円弧部を具えることを特徴とする請求項1記載のタイヤ基体である。
【0009】
また請求項3記載の発明は、前記内向き面は、前記サイドウォール部の仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向内側に凹んでタイヤ周方向にのびる凹溝状部からなるサイドウォール部表面と連なることを特徴とする請求項2記載のタイヤ基体である。
【0010】
また請求項4記載の発明は、サイドウォール部に、該サイドウォール部の仮想輪郭線から隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マークを設けたタイヤを製造するタイヤの製造方法であって、外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とが前記仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配された隆起マークを有するタイヤ基体を加硫成形する工程と、前記タイヤ基体の隆起マークの表面を研磨することにより、前記外側ゴム層又は内側ゴム層を露出させて隆起マークを形成する研磨工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には、本実施形態のタイヤ基体1の断面図を示す。本実施形態のタイヤ基体1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7とを具えた四輪自動車用のものが例示される。
【0012】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では2枚のカーカスプライ6A、6Bで構成される。カーカスコードには、本例ではポリエステルコードが採用されるが、ナイロン、レーヨン、アラミド等の有機繊維コードやスチールコード等を採用しても良い。またカーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aに前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bを設けた折り返しプライを含み、サイドウォール部3を効果的に補強している。カーカスプライ6Aの前記本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配されている。
【0013】
ベルト層7は、例えばベルトコードをタイヤ赤道に対して例えば10〜45°の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。ベルトコードは、本例ではスチールコードが採用されるが、アラミド、レーヨン等の有機繊維コードも必要に応じて用い得る。
【0014】
またタイヤ基体1のサイドウォール部3には、該サイドウォール部3の仮想輪郭線SLから隆起した標章又は文字の形状をなす隆起マーク9が加硫成形されている。前記標章は図形をも含む概念である。また前記サイドウォール部3の仮想輪郭線SLとは、図1、図2に仮想線で示すように、バットレス面10からビード部外面までをカーカス6の外面にほぼ沿って滑らかに継ぐ仮想の輪郭線であり、例えばバットレス部に設けられたプロテクタ12などを除くものである。
【0015】
前記隆起マーク9は、本実施形態では一定の高さをなし、具体的には仮想輪郭線SLからの隆起高さhが3〜10mmで形成される。隆起マーク9は、後に表面が研磨される。このため、予め研磨代を見込んだ高さとする必要がある。該隆起高さhが3mm未満では、研磨後の隆起高さが著しく小さくなり、マークの立体感が消失し識別性を低下させかつ見映えを損ねるという問題がある。逆に前記隆起高さhが10mmを超える場合、該隆起マーク9によってゴム材料が無駄に使用され易くタイヤ重量を増加させるなど好ましくない。特に好ましくは、この隆起高さhを3〜7mmとするのが望ましい。なお隆起マーク9の半径方向のマーク高さや、周方向のマーク巾などは、特に限定はされないが、いずれも20〜40mm程度の範囲で定めるのが実用上望ましい。
【0016】
本実施形態の隆起マーク9は、図2に示すように白色をなす外側ゴム層9aと、該外側ゴム層9aとは色彩が異なる本例では黒色の内側ゴム層9bとを含むとともに、最外側面には例えば0.5〜1mm程度小厚さの黒色からなるビニアゴム11が配されたものを例示している。ビニアゴム11は、本例のように外側ゴム層9aが非黒色の場合、該外側ゴム層9aを加硫中の熱などからの保護と、市場でのオゾン等による変色を防ぐもので、少なくとも隆起面13の部分が後の研磨によって除去される。
【0017】
外側ゴム層9a、内側ゴム層9bの配合、色彩などは、必要に応じて設定される。また外側ゴム層9aと内側ゴム層9bとの境界面Kは、サイドウォール部3の仮想輪郭線SLよりもタイヤ軸方向外側に位置している。隆起マーク9の仮想輪郭線SLに沿った隆起面13及び境界面Kは、仮想輪郭線SLといずれも実質的に平行となるのが望ましい。また境界面Kは、特に限定はされないが、好ましくは隆起高さhの実質的な中間に形成されるのが望ましい。
【0018】
また本実施形態の隆起マーク9は、図2に拡大して示すように、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、サイドウォール部3の仮想輪郭線SLに沿ってのびる前記隆起面13と、この隆起面13のタイヤ半径方向の最も外側の縁13oからサイドウォール部3に連なる外向き面14と、隆起面13のタイヤ半径方向の最も内側の縁13iからサイドウォール部3に連なる内向き面15とから構成されている。
【0019】
隆起マーク9の外向き面14は、サイドウォール部3との接続部に中心がタイヤ外方にある曲率半径Roの円弧部Caを含んでいる。また内向き面15は、サイドウォール部3との接続部に中心がタイヤ外方にありかつ曲率半径Riの円弧部Cbを含んでいる。生カバー成型時や加硫成形中には、トレッド部2に近いほど大きな引張力が作用する一方、ビード部4に近いほど大きな圧縮力が作用しやすい。上述の如く隆起マーク9の外向き面14と内向き面15とに円弧部Ca、Cbを具えることにより、作用する圧縮力、引張力が生じた場合であっても、クリースなどの成形不良を生じることなく隆起マーク9の周辺部分を成形することができる。即ち、図8に略示するように、円弧部Ca、Cbを設けていない場合、前記作用力によってビニアゴム11が外側ゴム層9aの内部にクリース(符合Xにて示す)し、研磨後の外観を損ね易くなる。
【0020】
前記曲率半径Roは、例えば3〜8mm、より好ましくは4〜6mmとするのが好適である。前記半径Roが8mmを超えると、研磨後の文字、マーク等の大きさにバラツキが生じ易くなる傾向があり、逆に3mm未満であると、耐久上、該円弧部でクラック等が生じ易くなる傾向がある。また曲率半径Riは、例えば3〜8mm、より好ましくは4〜6mmとするのが好適である。8mmを超えると上記と同様の不具合を生じ易く、3mm未満であるとビニアゴム11のクリースが発生し易くなる。特に好ましくは、曲率半径Ri、Roの比(Ri/Ro)は1.0〜2.0、さらに好ましくは1.0〜1.5とするのが望ましい。但し、曲率半径Riを曲率半径Roよりも小としても良い。
【0021】
また本実施形態では、内向き面15は、サイドウォール部3の仮想輪郭線SLよりもタイヤ軸方向内側に凹んでタイヤ周方向にのびる凹溝状部17からなるサイドウォール部の表面と連なっている。内向き面15は、ビード部4側に近いため、成形時には特に大きな圧縮力が作用しやすい。このため、内向き面15を、サイドウォール部3の仮想輪郭線SLよりもタイヤ軸方向内側に凹んでタイヤ周方向にのびる凹溝状部17からなるサイドウォール部3の表面と連ねるときには、前記圧縮力をこの凹溝状部17側に集中させかつ吸収できる。従って、小厚さでクリースし易いビニアゴム11に大きな圧縮力が作用するのを防ぎ、前記内向き面15の近傍にクリースなどのタイヤ不良が発生するのをより効果的に抑制しうる。
【0022】
ただし、凹溝状部17の深さdが大きすぎると、上述の作用が得られ難く不良が発生し易くなり、逆に小さすぎると上記作用を奏し難くなるため、好ましくは前記凹溝状部の仮想輪郭線SLからの最大深さdを1〜4mm、さらに好ましくは2〜4mmとするのが望ましい。また溝巾は5〜15mm、さらに好ましくは6〜10mmとするのが望ましい。
【0023】
このようなタイヤ基体1は、図示しない成形ドラム上で張り合わされたカーカス6とベルト層7との貼付体のトレッド領域にトレッドゴムを、またサイドウォール領域にサイドウォールゴムを貼り付けた生カバーを加硫金型内で加硫成形することにより製造される。
【0024】
図3には、サイドウォールゴム20の断面形状の一例を示す。
サイドウォールゴム20は、黒色かつ可撓性、耐候性などに優れた周知のサイドウォールゴム材料からなる主部21と、該主部21のほぼ中央かつ外面側に配された外側ゴム層9aを形成する本例では白色の異色ゴム部22と、この異色ゴム部22の表面を覆うとともに両端部が主部21へとのびて貼り合わされた小厚さのビニアゴム部23と、主部21のビード部側に連設されて該ビード部4の外面を形成するチェーファゴム部24とを一体化して構成される。このようなサイドウォールゴム20は、押出し成形により各ゴム部を一体化しうる他、後付けによって順次積層しても良い。なお本実施形態のサイドウォールゴム20は、そのタイヤ半径方向の外端20oがトレッド端Teに位置するとともに、その内端20iは、ビード部4に配される。
【0025】
そして、このようなサイドウォールゴム20を有する生カバーを、隆起マーク形成用の凹部を内面に有する加硫金型内で加硫することにより、図1、図2に示すような隆起マーク9を有するタイヤ基体1が製造できる。なお本実施形態では、内側ゴム部9bは、サイドウォールゴム20の主部21によって形成されるが、専用のゴム材などを配することでも良い。
【0026】
図4には、このようなタイヤ基体1から製造された空気入りタイヤTの一例を示し、図5(A)はその部分拡大図を示す。空気入りタイヤTは、加硫成形されたタイヤ基体1の隆起マーク9の表面(隆起面13)を例えばバフ掛け等によって研磨することにより製造される。このとき、研磨量を小とし、例えばビニアゴム11だけ或いはビニアゴム11と外側ゴム層9aの表面の一部分だけを研磨するとき、白色の外側ゴム層9aを隆起マーク9を表面に露出させた空気入りタイヤを製造することができる。この場合、隆起マーク9はいわゆるホワイトレターとして形成できる。なお隆起面13だけを研磨するとき、隆起マーク9の外向き面13や内向き面14には黒色のビニアゴム11が残ることとなる。この部分の研磨は必要に応じて行われる。研磨するとき、隆起マーク9の外向き面13や内向き面14にも白色ゴムを露出できる。
【0027】
図4(B)には、タイヤ基体1から製造された空気入りタイヤTの他の例を示している。この空気入りタイヤTは、加硫成形されたタイヤ基体1の隆起マーク9の表面(隆起面13)をバフ掛け等によって研磨し、前記ビニアゴム11及び外側ゴム層9aを全て除去したものを示す。即ち、研磨量を「ビニアゴム11の厚さ+外側ゴム層9aの厚さ」よりも大としている。これにより、黒色の内側ゴム層9bを隆起マーク9の表面に露出させることもできる。この場合、ブラックレターの隆起マーク9が形成できる。この形態の隆起マーク9は、前記実施形態のものより小高さとなる。また隆起面13だけを研磨するとき、隆起マーク9の外向き面13や内向き面14には黒色のビニアゴム11が残ることとなるため、全体が黒色の隆起マーク9を形成できる。
【0028】
図6には、本発明の他の実施形態の空気入りタイヤTを示す。
この空気入りタイヤTは、タイヤ基体1の隆起マーク9の隆起面13以外を研磨し、白色の外側ゴム層9aを外向き面14と内向き面15とに露出させたものを示す。この態様では、隆起面13を黒色、外向き面13及び内向き面などに白色(異色)を露出させることができる。また隆起マーク9が文字の場合、通常、一つの単語を形成するため、タイヤ周方向に複数の文字を離間して形成することが行われるが、文字毎に研磨量を違えることによって色彩を順次変化させることもでき、多用な使用方法が採用できる。
【0029】
また図7には、タイヤ基体1の他の実施形態を示している。
この実施形態では、隆起マーク9に、研磨工程時に、研磨量の基準を示す段差状の基準面21が形成されたものを例示している。該基準面21は、本実施形態では、外側ゴム部9aを露出させる際に基準となる第1の基準面21aと、内側ゴム部9bを露出させる際に基準とする第2の基準面21bとを含むものが示されている。各基準面21a、21bは、例えば外向き面14又は内向き面15に形成されており、隆起面13と略平行で小巾に外方にはみ出すステップ状のはみ出し面により形成されたものが例示される。
【0030】
第1の基準面F1は、隆起面13からビニアゴム11の厚さよりも僅かにタイヤ軸方向内側に形成されており、また第2の基準面21bは、境界面Kよりも僅かにタイヤ軸方向内側に形成されている。研磨工程を行う際には、隆起面13をバフ掛けして行くが、研磨された隆起面13がこの各基準面F1又はF2とほぼ整一すれば、外側ゴム層9a又は内側ゴム層9bを効率良く外表面に露出させることができる。従って、研磨量の過不足を無くし、見映え良く隆起マーク9を形成するのに役立つ。
【0031】
以上説明したように、構成を同じとするタイヤ基体1であっても、隆起マーク9の研磨量を違えることにより、隆起マーク9の色彩を事情に応じて変えることができる。従って、例えば生産ラインなどにおいても、隆起マークの色を違えるために、その都度、ゴム配合やタイヤ加硫金型を変更する必要が無い、これにより、タイヤの生産性が大幅に向上する。また上記実施形態では、隆起マーク9を色彩が異なる2層のゴムで形成した場合を例示したが、色彩が異なる3層以上のゴム層で形成することもでき、また色彩も黒又は白に限定されるものでもない。
【0032】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載の発明では、サイドウォール部に、該サイドウォール部の仮想輪郭線から隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マークを加硫成形したタイヤ基体であって、前記隆起マークの高さを規制するとともに、隆起マークは、外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とが前記仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配され、表面研磨により前記外側ゴム層又は内側ゴム層を露出可能としている。従って、研磨量を調節することにより、色彩が異なる外側ゴム層、内側ゴム層のいずれかを選択的に外面に露出させることができる。つまり、一つのタイヤ基体から隆起マークが異なる少なくとも2種のタイヤを製造できるため、タイヤの生産性を向上するのに役立つ。
【0033】
また請求項2記載の発明のように、隆起マークは、タイヤ子午線断面において、サイドウォール部の仮想輪郭線に沿ってのびる隆起面と、この隆起面のタイヤ半径方向外側の縁からサイドウォール部にのびる外向き面と、この隆起面のタイヤ半径方向内外側の縁からサイドウォール部にのびる内向き面とからなり、かつ外向き面とサイドウォール部表面とが連なる外の接続部を曲率半径Roの円弧で形成するとともに、前記内向き面とサイドウォール部表面とが連なる内の接続部を前記曲率半径Roよりも小さい曲率半径Riの円弧で形成されているため、加硫中に作用する圧縮力、引張力によってもしわなどを生じることなく表面を成形でき、隆起マークの外向き面ないし内向き面に成形不良などが生じるのを防止できる。
【0034】
また前記内向き面は、ビード部側に近いため、加硫成形時には比較的大きな圧縮力が作用しやすい。このため、請求項3記載の発明のように、内向き面を、前記サイドウォール部の仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向内側に凹んでタイヤ周方向にのびる凹溝状部からなるサイドウォール部表面と連ねるときには、前記圧縮力をこの凹溝状部で吸収できる。従って、前記内向き面近傍にしわなどの成形不良が発生するのをより効果的に抑制しうる。
【0035】
また請求項4記載の発明のように、サイドウォール部に、外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とが前記仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配された隆起マークを有するタイヤ基体を加硫成形する工程と、このタイヤ基体の隆起マークの表面を研磨することにより、前記外側ゴム層又は内側ゴム層のいずれかを露出させて隆起マークを形成する研磨工程とを含むときには、一つのタイヤ基体から隆起マークが異なる少なくとも2種のタイヤを製造できるため、タイヤの生産性を向上するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すタイヤ基体の断面図である。
【図2】そのサイドウォール部の部分拡大図である。
【図3】サイドウォールゴムの断面形状の一例を示す断面図である。
【図4】本実施形態の空気入りタイヤの一例を示す斜視図である。
【図5】(A)、(B)は、本実施形態の空気入りタイヤの一例を示す隆起マークの断面図である。
【図6】本実施形態の空気入りタイヤの他の例を示す隆起マークの断面図である。
【図7】本実施形態の空気入りタイヤの他の例を示す隆起マークの断面図である。
【図8】サイドウォールゴムの断面形状の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ基体
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
9 隆起マーク
9a 外側ゴム層
9b 内側ゴム層
SL サイドウォール部の仮想輪郭線
K 境界面

Claims (4)

  1. サイドウォール部に、該サイドウォール部の仮想輪郭線から隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マークを加硫成形したタイヤ基体であって、
    前記隆起マークは、前記サイドウォール部の仮想輪郭線からの隆起高さが3〜10mmであり、
    しかも隆起マークは、外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とが前記仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配され、表面研磨により前記外側ゴム層又は内側ゴム層を露出可能なことを特徴とするタイヤ基体。
  2. 前記隆起マークは、タイヤ回転軸を含むタイヤ子午線断面において、前記サイドウォール部の仮想輪郭線に沿ってのびる隆起面と、
    この隆起面のタイヤ半径方向外側の縁からサイドウォール部に連なる外向き面と、この隆起面のタイヤ半径方向内側の縁からサイドウォール部に連なる内向き面とからなり、
    かつ外向き面は、サイドウォール部表面との接続部に曲率半径Roの円弧部を具えるとともに、前記内向き面は、サイドウォール部表面との接続部に曲率半径Riの円弧部を具えることを特徴とする請求項1記載のタイヤ基体。
  3. 前記内向き面は、前記サイドウォール部の仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向内側に凹んでタイヤ周方向にのびる凹溝状部からなるサイドウォール部表面と連なることを特徴とする請求項2記載のタイヤ基体。
  4. サイドウォール部に、該サイドウォール部の仮想輪郭線から隆起しかつ標章又は文字の形状をなす隆起マークを設けたタイヤを製造するタイヤの製造方法であって、
    外側ゴム層と、該外側ゴム層とは色彩が異なる内側ゴム層とが前記仮想輪郭線よりもタイヤ軸方向外側に境界面を有して配された隆起マークを有するタイヤ基体を加硫成形する工程と、
    前記タイヤ基体の隆起マークの表面を研磨することにより、前記外側ゴム層又は内側ゴム層を露出させた隆起マークを形成する研磨工程とを含むことを特徴とするタイヤの製造方法。
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