JP2024031216A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤ2の提供。【解決手段】タイヤ2は、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有する。タイヤ2の外面2Gは、トレッド面24と、一対のサイド面28とを備える。トレッド面24は赤道面との交点である赤道PCを有する。それぞれのサイド面28は最大幅位置PWを有する。タイヤ2の正規状態において、ショルダー線分の長さLShの、基準線分の長さLBSに対する比率が85.9%以上89.3%以下であり、ビードベースラインから最大幅位置PWまでの径方向距離HWの、断面高さHSに対する比率が51%以上62%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤに関する。詳細には、本発明は乗用車に装着されるタイヤに関する。
図15に示されるように、タイヤTは、ホイールハウスHに収容される。ホイールハウスHにタイヤTが干渉しないように、タイヤTの形状は設定される。
タイヤTの形状は、操縦安定性、乗り心地、転がり抵抗、耐偏摩耗性等の性能に影響する。耐偏摩耗性の向上のために、例えば、子午線断面におけるトレッド面の輪郭線が調整される(下記の特許文献1)。
特開2013-060129号公報
近年、乗用車では、性能だけでなく外観も重視される。特に、外観に関しては、車両とタイヤとを一つのまとまりとして、見栄えの向上が求められている。
前述したように、車両BのホイールハウスHにタイヤTは収容される。ホイールハウスHにタイヤTが干渉しないように、ホイールハウスHとタイヤTとの間には隙間(図16の符号G)が設けられる。隙間Gは、後述する第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線に沿って計測される、タイヤTの外面からホイールハウスまでの距離である。
隙間Gが小さくなるほど、車両BとタイヤTとの一体感が高まる。一体感の高まりは、見栄えの向上に貢献する。
図16に点線で示されるように、ショルダー部分Sが角張った形状を有するようにトレッド面の輪郭線を修正すれば、隙間Gは小さくなり、車両BとタイヤTとの一体感は高まる。
しかし単純にトレッド面の輪郭線を修正し、ショルダー部分Sをせり出させると、接地した際にショルダー部分Sに作用する力が高まり、圧縮歪みが増大することが懸念される。圧縮歪みの増大は、転がり抵抗を増加させる。サイド面のうち、最大幅位置の径方向外側部分では、サイド面の丸みは緩やかになり、サイドウォール部のゴムボリュームが増大することが懸念される。ゴムボリュームの増大は、転がり抵抗を増加させる。サイド面のうち、最大幅位置の径方向内側部分では、サイド面の丸みはきつくなり、リムのフランジと接触する部分のゴムボリュームが不足することが懸念される。ゴムボリュームの不足は、本来ゴムで覆われるべきカーカスコードの露出を促す。カーカスコードの露出は外観品質を低下させる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤの提供にある。
本発明に係るタイヤは、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有するタイヤである。前記タイヤの外面は、路面と接地するトレッド面と、前記トレッド面に連なる一対のサイド面とを備える。前記トレッド面は赤道面との交点である赤道を有し、それぞれの前記サイド面は、前記タイヤが最大幅を示す最大幅位置を有する。前記タイヤの子午線断面において、ビードベースラインと前記赤道面との交点が第一基準点であり、前記赤道を通り軸方向にのびる直線と、前記最大幅位置を通り径方向にのびる直線との交点が第二基準点であり、前記第一基準点と前記第二基準点とを結ぶ線分が基準線分であり、前記基準線分と前記タイヤの外面との交点がショルダー基準点であり、前記第一基準点と前記ショルダー基準点とを結ぶ線分がショルダー線分である。前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を正規内圧に調整し、前記タイヤに荷重をかけていない、正規状態において、前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率は85.9%以上89.3%以下である。ビードベースラインから前記最大幅位置までの径方向距離の、前記タイヤの断面高さに対する比率は51%以上62%以下である。
本発明によれば、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤが得られる。
本発明の第一実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。 基準線分及びショルダー線分を説明する断面図である。 トレッド面の輪郭線を説明する断面図である。 タイヤの外面の輪郭線を説明する断面図である。 タイヤの接地面形状を示す模式図である。 カーカスからタイヤの外面までの長さを説明する断面図である。 タイヤの製造に用いるモールドの一部を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。 図8のタイヤの製造で用いるモールドの一部を示す断面図である。 タイヤのサイド面を示す側面図である。 図10のXI-XI線に沿った断面図である。 凸条の変形例を示す断面図である。 タイヤのビード部を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。 バンドの形成に用いられるストリップの一部を示す斜視図である。 タイヤが装着される車両前部を示す側面図である。 図16のXVII-XVII線に沿った断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明のタイヤはリムに組まれる。タイヤの内部には空気が充填され、タイヤの内圧が調整される。本発明において、リムに組まれたタイヤは、タイヤ-リム組立体である。タイヤ-リム組立体は、リムと、このリムに組まれたタイヤとを備える。
本発明において、タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を正規内圧に調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、正規状態と称される。
本発明においては、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
正規リムにタイヤを組んだ状態で測定できない、タイヤの子午線断面における各部の寸法及び角度は、回転軸を含む平面に沿ってタイヤを切断することにより得られる、タイヤの断面(以下、基準切断面)において、測定される。この測定では、左右のビード間の距離は、正規リムに組んだタイヤにおけるビード間の距離に一致するようにセットされる。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本発明において、「タイヤの呼び」は、JIS D4202「自動車用タイヤ-呼び方及び諸元」に規定された「タイヤの呼び」である。
本発明において、ゴム組成物は、バンバリーミキサー等の混錬機において、基材ゴム及び薬品を混合することにより得られる、未架橋状態の基材ゴムを含む組成物である。架橋ゴムとは、ゴム組成物を加圧及び加熱して得られる、ゴム組成物の架橋物である。架橋ゴムは基材ゴムの架橋物を含む。架橋ゴムは加硫ゴムとも称され、ゴム組成物は未加硫ゴムとも称される。
基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びブチルゴム(IIR)が例示される。薬品としては、カーボンブラックやシリカのような補強剤、アロマチックオイル等のような可塑剤、酸化亜鉛等のような充填剤、ステアリン酸のような滑剤、老化防止剤、加工助剤、硫黄及び加硫促進剤が例示される。基材ゴム及び薬品の選定、選定した薬品の含有量等は、ゴム組成物が適用される、トレッド、サイドウォール等の各要素の仕様に応じて、適宜決められる。
本発明において、タイヤのトレッド部とは、路面と接地する、タイヤの部位である。ビード部とは、リムに嵌め合わされる、タイヤの部位である。サイドウォール部とは、トレッド部とビード部との間を架け渡す、タイヤの部位である。タイヤは、部位として、トレッド部、一対のビード部及び一対のサイドウォール部を備える。トレッド部の中央部分はクラウン部分とも称される。トレッド部の端の部分はショルダー部分とも称される。トレッド部とサイドウォール部との境界部分はバットレスとも称される。
本発明において、並列したコードを含むタイヤの要素、5cm幅あたりに含まれるコードの本数は、この要素に含まれるコードの密度(単位は、エンズ/5cmである。)として表される。コードの密度は、特に言及がない限り、コードの長さ方向に対して垂直な面で切断することにより得られる要素の断面において得られる。
本発明において、有機繊維コードの中間伸度は、「JIS L1017(化学繊維タイヤコード試験方法)」の「8.7 一定荷重時伸び率」に準拠し、20℃±2℃の温度、65±4%の湿度に調整された雰囲気下で求めた、有機繊維コードの「荷重-伸び」曲線において、規格で定められた一定荷重が負荷されたときの伸度(%)によって表される。中間伸度は、フィラメントの材質、繊度、撚り数等を調整するにより適宜コントロールされる。
[本発明の実施形態の概要]
[構成1]
本発明の一態様に係るタイヤは、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有するタイヤであって、
前記タイヤの外面が、路面と接地するトレッド面と、前記トレッド面に連なる一対のサイド面とを備え、前記トレッド面が、赤道面との交点である赤道を有し、それぞれの前記サイド面が、前記タイヤが最大幅を示す最大幅位置を有し、
前記タイヤの子午線断面において、ビードベースラインと前記赤道面との交点が第一基準点であり、前記赤道を通り軸方向にのびる直線と、前記最大幅位置を通り径方向にのびる直線との交点が第二基準点であり、前記第一基準点と前記第二基準点とを結ぶ線分が基準線分であり、前記基準線分と前記タイヤの外面との交点がショルダー基準点であり、前記第一基準点と前記ショルダー基準点とを結ぶ線分がショルダー線分であり、
前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を正規内圧に調整し、前記タイヤに荷重をかけていない、正規状態において、前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が85.9%以上89.3%以下であり、ビードベースラインから前記最大幅位置までの径方向距離の、前記タイヤの断面高さに対する比率が51%以上62%以下である。
このようにタイヤを整えることにより、タイヤは、ホイールハウスとの間に生じる隙間を、干渉限界隙間量に近づけることができる。隙間が小さくなるので、車両とタイヤとの一体感が高められる。一体感の高まりは、見栄えの向上に貢献できる。
ショルダー部分のせり出しが適切に維持されるので、接地した際にショルダー部分に生じる圧縮歪みの増大が抑えられる。しかもサイド面のうち、最大幅位置の径方向外側部分において、サイド面の丸みが緩やかになりすぎないようにサイド面が構成されるので、ショルダー部分におけるゴムボリュームの増加が抑えられる。
このタイヤでは、隙間を小さくするためにショルダー部分がせり出されるが、このショルダー部分での圧縮歪みの増大及びゴムボリュームの増加が抑えられる。このタイヤでは、転がり抵抗の増加が抑えられる。
このタイヤでは、最大幅位置が断面高さの半分を示す位置より径方向外側に配置される。そのため、このタイヤは、最大幅位置の径方向内側部分において、サイド面の丸みを緩やかに構成できる。リムのフランジと接触する部分のゴムボリュームの不足が解消されるので、この部分でのカーカスコードの露出が抑えられる。このタイヤは良好な外観品質を有する。
このタイヤは、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成できる。
[構成2]
好ましくは、前述の[構成1]に記載のタイヤにおいて、前記トレッド面が、前記サイド面に連なる一対の境界面と、一対の前記境界面の間を架け渡す本体面とを備え、前記トレッド面の輪郭線が複数の円弧を含み、それぞれの前記境界面の輪郭線が、前記複数の円弧の中で最も小さな半径を有する円弧であり、前記本体面の輪郭線の延長線と前記基準線分との交点が、第三基準点であり、前記赤道から前記第三基準点までの径方向距離が9mm以上15mm以下である。
このようにタイヤを整えることにより、このタイヤは、ショルダー部分での圧縮歪みの増大を抑えながら、ホイールハウスとの間に生じる隙間を小さくできる。このタイヤは、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる。
[構成3]
好ましくは、前述の[構成2]に記載のタイヤにおいて、前記最大幅位置と前記第三基準点とを結ぶ線分が径方向に対してなす角度が9.8度以上16.7度以下である。
このようにタイヤを整えることにより、ショルダー部分でのゴムボリュームの増加が抑えられる。このタイヤでは、転がり抵抗の増加が効果的に抑えられる。
[構成4]
好ましくは、前述の[構成2]又は[構成3]に記載のタイヤにおいて、ビードベースラインとリム幅ベースラインとの交点が第四基準点であり、前記最大幅位置と前記第四基準点とを結ぶ線分が径方向に対してなす角度が22.2度以下である。
このようにタイヤを整えることにより、リムのフランジと接触する部分のゴムボリュームの不足が効果的に解消されるので、この部分でのカーカスコードの露出が十分に抑えられる。このタイヤは良好な外観品質を有する。
[本発明の実施形態の詳細]
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係るタイヤ2の一部を示す。このタイヤ2は、乗用車用空気入りタイヤである。
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面(以下、子午線断面)の一部を示す。図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
図1においてタイヤ2はリムR(正規リム)に組まれている。タイヤ2の内部には空気が充填され、タイヤ2の内圧が調整される。
図1において、軸方向に延びる実線BBLはビードベースラインである。このビードベースラインは、リムRのリム径(JATMA等参照)を規定する線である。
図1において符号PCで示される位置は、タイヤ2の外面2G(具体的には、後述するトレッド面)と赤道面との交点である。交点PCはタイヤ2の赤道である。赤道面上に溝が位置する場合、溝がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて赤道PCは特定される。赤道PCはタイヤ2の径方向外端である。
図1において符号HSで示される長さは、ビードベースラインから赤道PCまでの径方向距離である。正規状態で得られる径方向距離HSが、タイヤ2の断面高さ(JATMA等参照)である。
図1において符号PWで示される位置はタイヤ2の軸方向外端(以下、外端PW)である。模様や文字等の装飾が外面にある場合、外端PWは、装飾がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて特定される。
正規状態において得られる第一外端PWから第二外端PWまでの軸方向距離がタイヤ2の断面幅(JATMA等参照)である。外端PWは最大幅位置とも称される。最大幅位置とは、タイヤ2が最大幅を示す位置である。
図1において符号HWで示される長さは、ビードベースラインから最大幅位置PWまでの径方向距離である。
図1において符号PTで示される位置はタイヤ2のトゥである。トゥPTは、タイヤ2の外面2Gと内面2Nとの境界である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、一対のチェーファー18、インナーライナー20及び一対の定着層22を備える。
トレッド4は、トレッド面24において路面と接地する。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を有する。トレッド4には溝26が刻まれる。トレッド4はカーカス12の径方向外側に位置する。
トレッド面24はタイヤ2の外面2Gの一部である。トレッド面24にはサイド面28が連なる。タイヤ2の外面2Gは、トレッド面24と、一対のサイド面28とを備える。
トレッド面24は赤道PCを有する。それぞれのサイド面28は最大幅位置PWを有する。外面2Gは、赤道PC及び最大幅位置PWを含む。
トレッド4は、キャップ部30と、ベース部32とを備える。キャップ部30はトレッド面24を含む。キャップ部30は、耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。ベース部32はキャップ部30の径方向内側に位置する。ベース部32はその全体が、キャップ部30に覆われる。ベース部32は低発熱性の架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6はトレッド4に連なる。サイドウォール6はトレッド4の径方向内側に位置する。サイドウォール6はカーカス12の軸方向外側に位置する。サイドウォール6は、耐カット性を考慮した架橋ゴムからなる。サイドウォール6はサイド面28の一部を構成する。
それぞれのクリンチ8はサイドウォール6の径方向内側に位置する。クリンチ8はリムRと接触する。クリンチ8は耐摩耗性が考慮された架橋ゴムからなる。クリンチ8はサイドウォール部の一部を構成する。
それぞれのビード10はクリンチ8の軸方向内側に位置する。ビード10はサイドウォール6の径方向内側に位置する。
ビード10は、コア34と、エイペックス36とを備える。コア34は周方向にのびる。図示されないが、コア34はスチール製のワイヤーを含む。エイペックス36はコア34の径方向外側に位置する。エイペックス36は径方向外向きに先細りである。エイペックス36は高い剛性を有する架橋ゴムからなる。
カーカス12は、トレッド4、一対のサイドウォール6及び一対のクリンチ8の内側に位置する。カーカス12は、一対のビード10の間、すなわち、第一のビード10と第二のビード10(図示されず)との間を架け渡す。カーカス12は少なくとも1枚のカーカスプライ38を含む。
このタイヤ2のカーカス12は2枚のカーカスプライ38で構成される。図示されないが、それぞれカーカスプライ38は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードは赤道面と交差する。このタイヤ2のカーカス12はラジアル構造を有する。このタイヤ2では、有機繊維からなるコードがカーカスコードとして用いられる。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
2枚のカーカスプライ38のうち、トレッド4の内側において径方向内側に位置するカーカスプライ38が第一カーカスプライ40である。トレッド4の内側において第一カーカスプライ40の径方向外側に位置するカーカスプライ38が第二カーカスプライ42である。
第一カーカスプライ40は、第一プライ本体40aと、一対の第一折り返し部40bとを含む。第一プライ本体40aは、一対のビード10の間を架け渡す。それぞれの第一折り返し部40bは、第一プライ本体40aに連なりそれぞれのビード10で軸方向内側から外側に向かって折り返される。
第二カーカスプライ42は、第二プライ本体42aと、一対の第二折り返し部42bとを含む。第二プライ本体42aは、一対のビード10の間を架け渡す。それぞれの第二折り返し部42bは、第二プライ本体42aに連なりそれぞれのビード10で軸方向内側から外側に向かって折り返される。
このタイヤ2では、第一折り返し部40bの端は最大幅位置PWの径方向外側に位置する。第二折り返し部42bの端は最大幅位置PWの径方向内側に位置する。第二折り返し部42bの端は径方向においてエイペックス36の外端とコア34との間に位置する。
第二折り返し部42bは第一折り返し部40bの軸方向内側に位置する。第二折り返し部42bの端はエイペックス36と第一折り返し部40bとの間に挟まれる。
ベルト14はトレッド4の径方向内側に位置する。ベルト14はカーカス12に積層される。前述の赤道面は、ベルト14の軸方向幅の中心においてベルト14と交差する。
このタイヤ2では、ベルト14の軸方向幅はタイヤ2の断面幅の70%以上90%以下である。
ベルト14は、第一層44と、第二層46とを備える。第一層44は第二プライ本体42aの径方向外側に位置し、第二プライ本体42aに積層される。第二層46は第一層44の径方向外側に位置し、第一層44に積層される。
図1に示されるように、第二層46の端は第一層44の端の径方向内側に位置する。第二層46は第一層44よりも狭い。第二層46の端から第一層44の端までの長さは3mm以上10mm以下である。前述のベルト14の軸方向幅は、幅広の第一層44の軸方向幅で表される。
図示されないが、第一層44及び第二層46はそれぞれ、並列した多数のベルトコードを含む。これらベルトコードはトッピングゴムで覆われる。それぞれのベルトコードは赤道面に対して傾斜する。ベルトコードの材質はスチールである。
バンド16は、径方向においてトレッド4とベルト14との間に位置する。バンド16はベルト14に積層される。
バンド16の端はベルト14の端の軸方向外側に位置する。ベルト14の端からバンド16の端までの長さは3mm以上7mm以下である。
図示されないが、バンド16は、らせん状に巻かれたバンドコードを含む。バンドコードはトッピングゴムで覆われる。バンドコードは実質的に周方向に延びる。詳細には、バンドコードが周方向に対してなす角度は、5°以下である。バンド16はジョイントレス構造を有する。
バンドコードは有機繊維コードである。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
バンド16は、フルバンド48と、一対のエッジバンド50とを備える。
フルバンド48はベルト14に積層される。フルバンド48はベルト14全体を覆う。フルバンド48のそれぞれの端はベルト14の端の軸方向外側に位置する。
一対のエッジバンド50は、赤道面を挟んで軸方向に離して配置される。それぞれのエッジバンド50はフルバンド48に積層される。エッジバンド50はフルバンド48の端の部分を覆う。
このバンド16がフルバンド48のみで構成されてもよい。このバンド16が一対のエッジバンド50のみで構成されてもよい。
それぞれのチェーファー18は、ビード10の径方向内側に位置する。チェーファー18はリムRと接触する。このタイヤ2のチェーファー18は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。
インナーライナー20はカーカス12の内側に位置する。インナーライナー20はタイヤ2の内面2Nを構成する。インナーライナー20は空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20はタイヤ2の内圧を保持する。
それぞれの定着層22は、軸方向に離して配置される。定着層22はベルト14の軸方向外側に位置する。定着層22の内端はキャップ部30とベース部32との間に位置する。定着層22の外端はサイドウォール6とカーカス12との間に位置する。定着層22は、粘着力が考慮された架橋ゴムからなる。
前述したように、トレッド4には溝26が刻まれる。溝26は周方向にのびる溝(以下周方向溝52)を含む。このタイヤ2では、4本の周方向溝52がトレッド4に刻まれ、5本の陸部54が構成される。
4本の周方向溝52のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝52がショルダー周方向溝52sである。ショルダー周方向溝52sの軸方向内側に位置する周方向溝52がミドル周方向溝52mである。
5本の陸部54のうち、軸方向において外側に位置する陸部54がショルダー陸部54sである。ショルダー陸部54sの軸方向内側に位置する陸部54がミドル陸部54mである。ミドル陸部54mの軸方向内側に位置する陸部54がセンター陸部54cである。
図2は、タイヤ2の子午線断面を模式的に示す。図2は外面2Gの輪郭線を示す。輪郭線は、溝、模様や文字等の装飾がないと仮定して得られる仮想外面により表される。図2の点線は、装飾の一例としてのリムガードである。
詳述しないが、本発明において外面2Gの輪郭線は、例えば変位センサーを用いて、正規状態のタイヤ2の外面形状を計測することで得られる。
図2において、符号ODXで示される長さはJATMA規格に規定される新品寸法の外径最大値である。軸方向にのびる実線DLは、外径最大値ODXを示す寸法線である。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、新品寸法の外径最大値ODXは749mmである。
図2において、軸方向にのびる直線DBLは、新品寸法の外径最大値ODXより4mm小さい外径を示す、外径基準線である。両矢印dは寸法線DLから外径基準線DBLまでの径方向距離である。本発明において径方向距離dは2.0mmである。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、第一の外径基準線DBLから第二の外径基準線DBL(図示されず)までの径方向距離は745mmである。
外径最大値ODXとして、ETRTO規格に規定される新品寸法の外径最大値が用いられてもよい。
図2において、符号AWXで示される長さはJATMA規格に規定される新品寸法の総幅最大である。径方向にのびる実線WLは、総幅最大AWXを示す寸法線である。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、新品寸法の総幅最大は255mmである。
図2において、径方向にのびる直線WBLは、新品寸法の総幅最大AWXより5mm小さい総幅を示す、総幅基準線である。両矢印wは寸法線WLから総幅基準線WBLまでの軸方向距離である。本発明において軸方向距離wは2.5mmである。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、第一の総幅基準線WBLから第二の総幅基準線WBL(図示されず)までの軸方向距離は250mmである。
総幅最大AWXとして、ETRTO規格に規定される新品寸法の総幅最大が用いられてもよい。
このタイヤ2はその全体が、子午線断面において、第一の外径基準線DBL及び第二の外径基準線DBL、並びに、第一の総幅基準線WBL及び第二の総幅基準線WBLで囲まれる領域内に収まる。言い換えれば、このタイヤ2は、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有する。
図2において符号PB1で示される位置は、ビードベースラインと赤道面との交点である。本発明において、この交点PB1が第一基準点である。
図2において実線PCLは、赤道PCを通り軸方向にのびる直線である。実線PWLは、最大幅位置PWを通り径方向にのびる直線である。符号PB2で示される位置は、直線PCLと直線PWLとの交点である。本発明において、この交点PB2が第二基準点である。第一基準点PB1と第二基準点PB2とを結ぶ線分が基準線分であり、図2の符号LBSで示される長さが基準線分の長さである。
図2において符号PBGは、基準線分と外面2Gとの交点である。本発明において、この交点PBGがショルダー基準点である。第一基準点PB1とショルダー基準点PBGとを結ぶ線分がショルダー線分であり、図2の符号LShで示される長さがショルダー線分の長さである。
本発明においては、第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線に沿って計測される、タイヤ2の外面2Gからホイールハウス(図示されず)までの距離が、図5に示された、タイヤTと車両BのホイールハウスHとの間に形成される隙間Gである。この隙間Gが22mm未満になると、タイヤ2がホイールハウスと干渉する。言い換えれば、車両における干渉限界隙間量は22mmである。
図3は、図2に示された輪郭線の一部を示す。
子午線断面においてトレッド面24の輪郭線は軸方向に並ぶ複数の円弧で構成される。言い換えれば、トレッド面24の輪郭線は軸方向に並ぶ複数の円弧を含む。
複数の円弧のうち、軸方向において中央に位置する円弧がセンター円弧である。図3において符号Rcで示される矢印はセンター円弧の半径である。センター円弧は、赤道PCを通る。図示されないが、センター円弧の中心は赤道面上に位置する。
複数の円弧のうち、軸方向において外側に位置する円弧がショルダー円弧である。図3において符号Rshで示される矢印はショルダー円弧の半径である。ショルダー円弧は、トレッド面24の輪郭線を構成する複数の円弧の中で、最も小さい半径Rshを有する。
このタイヤ2のトレッド面24の輪郭線は、センター円弧とショルダー円弧との間に、2つの円弧を含む。この2つの円弧にうち、センター円弧側に位置する円弧がミドル円弧であり、ショルダー円弧側に位置する円弧がサイド円弧である。図3において符号Rmで示される矢印はミドル円弧の半径であり、符号Rsで示される矢印はサイド円弧の半径である。ミドル円弧の半径Rmはセンター円弧の半径Rcよりも小さい。サイド円弧の半径Rsはミドル円弧の半径Rmよりも小さい。
このタイヤ2では、トレッド面24の輪郭線を構成する複数の円弧は、赤道PCを通るセンター円弧と、軸方向において最も外側に位置し、最も小さな半径Rshを有する一対のショルダー円弧と、センター円弧の隣に位置し、センター円弧の半径Rcよりも小さな半径Rmを有する一対のミドル円弧と、ミドル円弧とショルダー円弧との間に位置し、ミドル円弧の半径Rmよりも小さな半径Rsを有する一対のサイド円弧とを含む。具体的には、複数の円弧は、センター円弧、一対のミドル円弧、一対のサイド円弧及び一対のショルダー円弧からなる。
図3において符号CMで示される位置はセンター円弧とミドル円弧との境界である。ミドル円弧は、境界CMにおいてセンター円弧と接する。符号MSで示される位置は、ミドル円弧とサイド円弧との境界である。サイド円弧は、境界MSにおいてミドル円弧と接する。符号SHで示される位置は、サイド円弧とショルダー円弧との境界である。ショルダー円弧は、境界SHにおいてサイド円弧と接する。符号HUで示される位置はショルダー円弧とサイド面28の輪郭線との境界である。サイド面28の輪郭線は、境界HUにおいてショルダー円弧と接する。
図3において符号WCMで示される長さは、第一の境界CMから第二の境界CMまでの軸方向距離である。軸方向距離WCMの中心は、赤道面の位置に一致する。符号WMSで示される長さは、第一の境界MSから第二の境界MSまでの軸方向距離である。軸方向距離WSMの中心は、赤道面の位置に一致する。符号WXで示される長さはこのタイヤ2の断面幅である。
このタイヤ2では、軸方向距離WCMの、断面幅WXに対する比率(WCM/WX)は25%以上40%以下であるのが好ましい。軸方向距離WMSの、断面幅WXに対する比率(WMS/WX)は45%以上60%以下であるのが好ましい。
図3において直線LSHは、境界SHでショルダー円弧と接する接線である。直線LHUは、境界HUでショルダー円弧と接する接線である。符号PEは、接線LSHと接線LHUとの交点である。本発明においては、この交点PEがトレッド4の基準端である。符号WTで示される長さは、第一の基準端PEから第二の基準端PEまでの軸方向距離である。本発明においては、軸方向距離WTがトレッド4の幅である。
このタイヤ2では、サイド面28の輪郭線のうち、境界HUと最大幅位置PWとの間の部分は円弧で表される。サイド面28の輪郭線は、ショルダー円弧に連なり最大幅位置PWを通る円弧である上部円弧を含む。図3において符号Ruで示される矢印は上部円弧の半径である。上部円弧の中心は、最大幅位置PWを通り軸方向にのびる直線LW上に位置する。図3において符号UGで示される位置は、上部円弧の外端である。
このタイヤ2では、ショルダー円弧と上部円弧とが直線で結ばれてもよい。この場合、この直線は、境界HUにおいてショルダー円弧と接し、外端UGにおいて上部円弧と接するように描かれる。バットレスにおけるゴムボリュームの低減が可能である観点から、外面2Gの輪郭線において、境界HUと外端UGとは直線で結ばれるのが好ましい。
このタイヤ2では、サイド面28の輪郭線のうち、最大幅位置PWの径方向内側部分は、最大幅位置PWにおいて上部円弧に連なる円弧である下部円弧を含む。図3において符号Rbで示される矢印は下部円弧の半径である。下部円弧の中心は、最大幅位置PWを通り軸方向にのびる直線LW上に位置する。
前述したように、このタイヤ2では、トレッド面24の輪郭線は複数の円弧を含む。ショルダー円弧にサイド面28の輪郭線が連なる。本発明において、トレッド面24のうち、ショルダー円弧でその輪郭線が表される面が境界面である。境界面以外の部分が本体面である。
このタイヤ2では、トレッド面24は、サイド面28に連なる一対の境界面24bと、一対の境界面24bの間を架け渡す本体面24mとを備える。トレッド面24の輪郭線は複数の円弧を含み、それぞれの境界面24bの輪郭線が、トレッド面24に含まれる複数の円弧の中で最も小さな半径を有する円弧、すなわちショルダー円弧である。このタイヤ2の本体面24mの輪郭線は、センター円弧、一対のミドル円弧及び一対のサイド円弧を含む。
このタイヤ2では、正規状態において、ショルダー線分の長さLShの、基準線分の長さLBSに対する比率(LSh/LBS)は85.9%以上89.3%以下である。
比率(LSh/LBS)が89.3%以下であるので、このタイヤ2は、ホイールハウスから適度に離して配置される。このタイヤ2では、ホイールハウスと干渉することが防止される。ショルダー部分のせり出しが適切に維持されるので、接地した際にショルダー部分に生じる圧縮歪みの増大が抑えられる。しかもサイド面28のうち、最大幅位置PWの径方向外側部分において、サイド面28の丸みが緩やかになりすぎないようにサイド面28が構成されるので、ショルダー部分におけるゴムボリュームの増加が抑えられる。
このタイヤでは、隙間を小さくするためにショルダー部分がせり出されるが、このショルダー部分での圧縮歪みの増大及びゴムボリュームの増加が抑えられる。このタイヤでは、転がり抵抗の増加が抑えられる。
従来タイヤでは、比率(LSh/LBS)は85.9%未満である。これに対して、このタイヤ2では、比率(LSh/LBS)が85.9%以上であり、従来タイヤに比べて、基準線分に占めるショルダー線分の割合が大きい。このタイヤ2では、干渉限界隙間量に近い、隙間Gが形成される。言い換えれば、このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。隙間Gが小さくなるので、車両とタイヤ2との一体感が高められる。一体感の高まりは、見栄えの向上に貢献できる。
このタイヤ2では、正規状態において、ビードベースラインから最大幅位置までの径方向距離HWの、タイヤ2の断面高さHSに対する比率(HW/HS)は51%以上62%以下である。
比率(HW/HS)が51%以上であるので、このタイヤ2は、最大幅位置PWの径方向内側部分において、サイド面28の丸みを緩やかに構成できる。リムRのフランジと接触する部分のゴムボリュームの不足が解消されるので、この部分でのカーカスコードの露出が抑えられる。このタイヤ2は良好な外観品質を有する。
比率(HW/HS)が62%以下であるので、ショルダー部分におけるゴムボリュームの増加が抑えられる。このタイヤ2では、転がり抵抗の増加が効果的に抑えられる。
このタイヤ2では、比率(LSh/LBS)は85.9%以上89.3%以下であり、比率(HW/HS)は51%以上62%以下である。
このタイヤ2は、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成できる。
図4は、タイヤ2の外面2Gの輪郭線を示す。点線LMは、本体面24mの輪郭線の延長線である。このタイヤ2では、境界SHはサイド円弧の外端である。延長線LMは、サイド円弧を外端SHから延長した線である。延長線を含む円は、サイド円弧を含む円と同じである。
符号PAで示される位置は、延長線LMと基準線分との交点である。本発明において、交点PAが第三基準点である。符号HAで示される長さは、赤道PCから第三基準点PAまでの径方向距離である。
このタイヤ2では、径方向距離HAは9mm以上15mm以下であるのが好ましい。
径方向距離HAが9mm以上に設定されることにより、ショルダー部分のせり出しが適切に維持される。このタイヤ2では、接地した際にショルダー部分に生じる圧縮歪みの増大が抑えられるので、転がり抵抗の増加が抑えられる。
径方向距離HAが15mm以下に設定されることにより、隙間Gが小さくなるので、車両とタイヤ2との一体感が高められる。このタイヤ2は見栄えの向上に効果的に貢献できる。この観点から、径方向距離HAは13mm以下であるのがより好ましい。
図4において符号LWAで示される実線は最大幅位置PWと第三基準点PAとを結ぶ線分である。符号PALで示される実線は第三基準点PAを通り径方向にのびる直線である。符号θuで示される角度は、線分LWAと直線PALとがなす角度である。本発明において、この角度θuが最大幅位置PWと第三基準点PAとを結ぶ線分LWAが径方向に対してなす角度である。
このタイヤ2では、角度θuは9.8度以上16.7度以下であるのが好ましい。
角度θuが9.8度以上に設定されることにより、ショルダー部分のせり出しが適切に維持される。このタイヤ2では、接地した際にショルダー部分に生じる圧縮歪みの増大が抑えられるので、転がり抵抗の増加が抑えられる。この観点から、角度θuは9.9度以上であるのがより好ましい。
角度θuが16.7度以下に設定されることにより、隙間Gが小さくなるので、車両とタイヤ2との一体感が高められる。このタイヤ2は見栄えの向上に効果的に貢献できる。この観点から、角度θuは15.9度以下であるのがより好ましく、13.1度以下であるのがさらに好ましい。
図4において径方向に延びる実線RBLは、リム幅ベースラインである。リム幅ベースラインは、リムRのリム幅(JATMA等参照)を規定する線である。符号PRで示される位置は、ビードベースラインとリム幅ベースラインとの交点である。本発明においては、この交点PRが第四基準点である。
符号LWRで示される実線は最大幅位置PWと第四基準点PRとを結ぶ線分である。符号θbで示される角度は、線分LWRとリム幅ベースラインとがなす角度である。本発明において、この角度θbが最大幅位置PWと第四基準点PRとを結ぶ線分LWRが径方向に対してなす角度である。
このタイヤ2では、角度θbは22.2度以下であるのが好ましい。これにより、最大幅位置PWの径方向内側部分において、サイド面28の丸みを緩やかに構成できる。リムRのフランジと接触する部分のゴムボリュームの不足が解消されるので、この部分でのカーカスコードの露出が抑えられる。このタイヤは良好な外観品質を有する。この観点から、角度θbは21.9度以下がより好ましい。サイドウォール部の剛性が高まりすぎることが抑えられる観点から、角度θbは10.0度以上であるのが好ましく、20.0度以上であるのがより好ましい。
このタイヤ2では、見栄え向上のために、ショルダー部分が角張った形状を有するようにトレッド部が構成される。ショルダー部分をせり出させると、ショルダー部分の接地圧が高まり、偏摩耗が生じることが懸念される。このタイヤ2では、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成するために、耐偏摩耗性への影響が考慮される。そのために、このタイヤ2では、好ましくは、次のように、トレッド面の輪郭線が整えられる。
このタイヤ2では、センター円弧の半径Rcの、ミドル円弧の半径Rmに対する比(Rc/Rm)は1.85以上2.00以下であるのが好ましい。
比(Rc/Rm)が1.85以上に設定されることにより、センター円弧の半径Rcと、ミドル円弧の隣に位置するサイド円弧の半径Rsとの差を小さく抑えることができる。ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が得られる。この観点から、比(Rc/Rm)は1.90以上であるのがより好ましい。
比(Rc/Rm)が2.00以下に設定されることにより、サイド円弧をより大きな半径Rsを有する円弧で構成できる。トレッド面24をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤ2のトレッド面24は、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できる。このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。この観点から、比(Rc/Rm)は1.95以下であるのがより好ましい。
このタイヤ2では、ミドル円弧の半径Rmの、サイド円弧の半径Rsに対する比(Rm/Rs)は2.08以上2.74以下であるのが好ましい。
比(Rm/Rs)が2.08以上に設定されることにより、ホイールハウスとの干渉を考慮しつつ、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できるトレッド面24が構成される。このタイヤ2は車両との一体感を効果的に高めることができる。この観点から、比(Rm/Rs)は2.30以上であるのがより好ましい。
比(Rm/Rs)が2.74以下に接地されることにより、ミドル円弧の隣に位置するセンター円弧の半径Rcと、サイド円弧の半径Rsとの差を小さく抑えることができる。ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が得られる。この観点から、比(Rm/Rs)は2.50以下であるのがより好ましい。
このタイヤ2では、トレッド4の幅WTの、断面幅WXに対する比率(WT/WX)は、87%以上92%以下であるのが好ましい。
比率(WT/WX)が87%以上に設定されることにより、適度な大きさを有する接地面が形成される。局所的な接地圧の高まりが抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WT/WX)は88%以上がより好ましい。
比率(WT/WX)が92%以下に設定されることにより、ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられる。この場合においても、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WT/WX)は91%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、センター円弧の半径Rcの、トレッド4の幅WTに対する比(Rc/WT)は3.90以上4.30以下が好ましい。
比(Rc/WT)が3.90以上に設定されることにより、トレッド面24をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤ2のトレッド面24は、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できる。このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。この観点から、比(Rc/WT)は3.95以上がより好ましく、4.00以上がさらに好ましい。
比(Rc/WT)が4.30以下に設定されることにより、タイヤ2がホイールハウスと干渉することが抑えられる。ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比(Rc/WT)は4.25以下がより好ましく、4.20以下がより好ましい。
このタイヤ2では、上部円弧の半径Ruの、トレッド4の幅WTに対する比(Ru/WT)は0.22以上0.28以下が好ましい。
比(Ru/WT)が0.22以上に設定されることにより、トレッド面24をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤ2のトレッド面24は、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できる。このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。この観点から、比(Ru/WT)は0.23以上がより好ましく、0.24以上がさらに好ましい。
比(Ru/WT)が0.28以下に設定されることにより、タイヤ2がホイールハウスと干渉することが抑えられる。ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比(Rc/WT)は0.27以下がより好ましく、0.26以下がより好ましい。
図5は、このタイヤ2の接地面形状を示す。図5において、左右方向はタイヤ2の軸方向に対応する。上下方向は、タイヤ2の周方向に対応する。図5に示された接地面形状には、5本の陸部54の輪郭が含まれる。
接地面は、タイヤ接地面形状測定装置(図示されず)を用いて、正規状態のタイヤ2に正規荷重の70%の荷重を付与して、このタイヤ2を平面に接触させることにより得られる。接地面に含まれる各陸部54の輪郭をトレースすることで、図5に示された接地面形状が得られる。接地面を得るにあたってタイヤ2は、その軸方向が路面に対して平行となるように配置され、このタイヤ2には、路面に対して垂直な向きに前述の荷重がかけられる。
図5において符号GEで示される位置は接地面の軸方向外端である。符号WCで示される長さは、接地面の第一の軸方向外端GEから第二の軸方向外端GEまでの軸方向距離である。本発明においては、この軸方向距離WCが、正規状態のタイヤ2に正規荷重の70%の荷重を付与して、タイヤ2を平面に接触させて得られる、タイヤ2の接地面の接地幅である。
このタイヤ2では、接地幅WCの、このタイヤ2の断面幅WXに対する比率(WC/WX)は74%以上84%以下であるのが好ましい。
比率(WC/WX)が74%以上に設定されることにより、適度な大きさを有する接地面が形成される。局所的な接地圧の高まりが抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WC/WX)は79%以上がより好ましい。
比率(WC/WX)が84%以下に設定されることにより、ショルダー部Sの滑りが効果的に抑えられる。この場合においても、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WC/WX)は81%以下がより好ましい。
図5において、一点鎖線LPは、接地面における、タイヤ2の赤道PCに対応する直線である。接地面において赤道PCの特定が困難な場合は、接地幅WCの軸方向中心線がこの赤道PCに対応する直線として用いられる。両矢印P100は、直線LPを含む平面と接地面との交線の長さである。このタイヤ2では、この交線の長さP100が、接地面において、赤道PCに沿って計測される赤道接地長である。
図5において、実線LEは、接地面の軸方向外端PEを通り、直線LPに平行な直線である。実線L80は、直線LEと直線LPとの間に位置し、直線LE及び直線LPに平行な直線である。両矢印A100は、直線LPから直線LEまでの軸方向距離を表す。この距離A100は接地幅WCの半分に相当する。両矢印A80は、直線LPから直線L80までの軸方向距離を表す。この図4においては、距離A80の、距離A100に対する比率は80%に設定される。つまり、直線L80は、接地面の接地幅WCの80%の幅に相当する位置を表す。両矢印P80は、直線L80を含む平面と接地面との交線の長さである。このタイヤ2では、この交線の長さP80が、接地面において、接地幅の80%の幅に相当する位置における基準接地長である。
このタイヤ2では、図5に示された接地面において、赤道接地長P100及び基準接地長P80を特定し、赤道接地長P100の、基準接地長P80に対する比(P100/P80)で表される形状指数Fが得られる。
このタイヤ2では、形状指数Fは1.05以上1.35以下であるのが好ましい。
形状指数Fが1.05以上に設定されることにより、ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられ、偏摩耗の発生が抑制される。
形状指数Fが1.35以下に設定されることにより、適度な大きさを有する接地面が形成される。局所的な接地圧の高まりが抑制されるので、この場合においても、偏摩耗の発生が抑制される。
図6において、符号PBCは、基準線分(又はショルダー基準線分)と、カーカス12の輪郭線との交点である。符号LGCで示される長さは、交点PBCとショルダー基準点PBGとを結ぶ線分の長さである。長さLGCは、基準線分(又はショルダー基準線分)に沿って計測される。本発明においては、この長さLGCが、ショルダー線分のうち、カーカス12からショルダー基準点PBGまでの長さである。
前述したように、このタイヤ2では、見栄え向上のために、ショルダー部分が角張った形状を有するようにトレッド部が構成される。ショルダー部分をせり出させると、前述したように、ショルダー部分のボリュームが増加する。ボリュームの増加はタイヤ2の質量を増加させる。質量の増加は、転がり抵抗の増加を招くことが懸念される。このタイヤ2では、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成するために、好ましくは、カーカス12の輪郭線(カーカスラインとも称される。)とトレッド面24の輪郭線との間の距離、言い換えれば、カーカス12からタイヤ2の外面までの長さがコントロールされる。具体的には、ショルダー線分のうち、カーカス12からショルダー基準点PBGまでの長さLGCの、ショルダー線分の長さLShに対する比率(LGC/LSh)が6%以上12%以下であるのが好ましい。
比率(LGC/LSh)が6%以上に設定されることにより、タイヤ2をインフレートした際、カーカスラインが自然平衡形状を保つことができる。カーカス12に均一な張力が作用するので、タイヤ2の変形が小さく抑えられる。このタイヤ2では、接地した際にショルダー部分に生じる圧縮歪みの増大が抑えられる。この観点から、比率(LGC/LSh)は7%以上であるのが好ましく、8%以上であるのがより好ましい。
比率(LGC/LSh)が12%以下に設定されることにより、ショルダー部分におけるゴムのボリュームが適切に維持される。ショルダー部分のボリュームの増加が抑えられるので、見栄え向上のためにトレッド面24の輪郭線を修正し、ショルダー部分を角張った形状に整えても、タイヤ2の質量増加が抑えられる。このタイヤ2では、転がり抵抗の増加が効果的に抑えられる。この観点から、比率(LGC/LSh)は11%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。
以上説明したタイヤ2は、次のようにして製造される。詳述しないが、このタイヤ2の製造では、トレッド4、サイドウォール6、ビード10等の、タイヤ2を構成する要素のための、未加硫ゴムが準備される。
このタイヤ2の製造では、押出機等のゴム成形機(図示されず)において、未加硫ゴムの形状を整えて、タイヤ構成要素の予備成形体が準備される。タイヤ成形機(図示されず)において、トレッド4、サイドウォール6、ビード10等の予備成形体を組み合わせて、未加硫状態のタイヤ2(以下、生タイヤとも称される。)が準備される。
このタイヤ2の製造では、生タイヤは、加硫機(図示されず)のモールドに投入される。生タイヤをモールド内で加圧及び加熱し、タイヤ2が得られる。タイヤ2は、生タイヤの加硫成形物である。
このタイヤ2の製造方法は、生タイヤを準備する工程、及びモールドを用いて生タイヤを加圧及び加熱する工程を含む。なお、詳述しないが、このタイヤ2の製造では、温度、圧力、時間等の加硫条件に特に制限はなく、一般的な加硫条件が採用される。
図7は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、タイヤ用モールド62の断面の一部を示す。図7において、左右方向はタイヤ2の径方向であり、上下方向はタイヤ2の軸方向である。この紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面である。説明の便宜を図るために、以下、モールド62の次元はタイヤ2の次元により表される。
このモールド62は、トレッドリング64と、一対のサイドプレート66と、一対のビードリング68とを備える。図7においてモールド62は、トレッドリング64、一対のサイドプレート66及び一対のビードリング68が組み合わされた状態、すなわち閉じられた状態にある。このモールド62は、割モールドである。
トレッドリング64は、モールド62の径方向外側部分を構成する。トレッドリング64は、その内面に、トレッド形成面70を備える。トレッド形成面70は、タイヤ2のトレッド面24を形づける。このモールド62のトレッドリング64は、多数のセグメント72により構成される。これらセグメント72は、リング状に配置される。
それぞれのサイドプレート66は、トレッドリング64の径方向内側に位置する。サイドプレート66は、トレッドリング64の端に連なる。サイドプレート66は、その内面に、サイドウォール形成面74を備える。サイドウォール形成面74は、タイヤ2のサイド面28を形づける。
それぞれのビードリング68は、サイドプレート66の径方向内側に位置する。ビードリング68は、サイドプレート66の端に連なる。ビードリング68は、その内面に、ビード形成面76を備える。ビード形成面76は、タイヤ2のビード10の部分、具体的には、リムRに嵌め合わされる部分を形づける。
このモールド62では、多数のセグメント72、一対のサイドプレート66及び一対のビードリング68が組み合わされることにより、タイヤ2の外面を形づけるキャビティ面78が構成される。キャビティ面78は、トレッド形成面70、一対のサイドウォール形成面74及び一対のビード形成面76から構成される。
図示されないが、加圧及び加熱工程(以下、加硫工程)において、生タイヤ2rは、膨張したブラダーによってモールド62のキャビティ面78に押し付けられる。これにより、タイヤ2の外面が形づけられる。
前述したように、このタイヤ2では、見栄え向上のために、ショルダー部分が角張った形状を有するようにトレッド部が構成される。
加硫工程において、ブラダーが生タイヤ2rをキャビティ面78に押し付けるが、この生タイヤ2rのショルダー部分が当接する部分はクラウン部分が当接する部分に比べて奥に位置するため、このショルダー部分はクラウン部分に比べてやや弱い力でブラダーによってキャビティ面78に押し付けられる。ショルダー部分を十分に加硫するには、クラウン部分やビード部に比べて加硫時間を長く設定する必要がある。セグメント72、サイドプレート66及びビードリング68を同じ材質で構成した場合、クラウン部分やビード部において加硫が過剰に進行し、転がり抵抗等の性能が低下することが懸念される。
このモールド62では、サイドプレート66はセグメント72の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する。サイドプレート66を通じてショルダー部分に効果的に熱が供給される。ショルダー部分において加硫が促進されるので、クラウン部分における過加硫が防止される。このモールド62によれば、過加硫による転がり抵抗の増大が抑えられる。この観点から、サイドプレート66はセグメント72の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有するのが好ましい。具体的には、サイドプレート66の熱伝導率の、セグメント72の熱伝導率に対する比は、2.0以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。この比は、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましい。
このモールド62では、サイドプレート66はビードリング68の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する。サイドプレート66を通じてショルダー部分に効果的に熱が供給される。ショルダー部分において加硫が促進されるので、ビード部における過加硫が防止される。このモールド62によれば、過加硫による転がり抵抗の増大が抑えられる。この観点から、サイドプレート66はビードリング68の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有するのが好ましい。具体的には、ビードリング68の熱伝導率の、ビードリング68の熱伝導率に対する比は、2.0以上が好ましく、2.5以上がより好ましい。この比は、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましい。
前述したように、このモールド62では、生タイヤ2rのショルダー部分はやや弱い力でブラダーによってキャビティ面78に押し付けられる。加硫工程において、キャビティ面78とショルダー部分との間にはエアが残留することが懸念される。
図7において、符号PVで示される位置は、キャビティ面78上の、セグメント72とサイドプレート66との境界を表す。この境界PVはモールド62の割り位置である。
このモールド62では、ショルダー部分が当接する部分にセグメント72とサイドプレート66との境界PVが設けられる。境界PV、すなわち割り位置は、エアの排出ルートとして機能する。このモールド62では、ショルダー部分が当接する部分においてもエアが効果的に排出される。このモールド62によれば、外観品質に優れるタイヤ2が得られる。この観点から、ショルダー部が当接する部分にセグメント72とサイドプレート66との割り位置が設けられるのが好ましい。
図7において、符号CLmはモールド62の赤道面である。赤道線CLmは、図1に示された赤道面CLに対応する。符号BBLmはモールド62のベースラインである。このベースラインBBLmは、図1に示されたビードベースラインBBLに対応する。符号PCmはキャビティ面78の赤道である。この赤道PCmは、図1に示された赤道PCに対応する。符号PWmはキャビティ面78の最大幅位置である。この最大幅位置PWmは、図1に示された最大幅位置PWに対応する。符号PB1mは、赤道面CLmとベースラインBBLmとの交点である。この交点PB1mは、前述の第一基準点PB1に対応し、第一モールド基準点とも称される。符号PB2mは、赤道PCmを通り軸方向に延びる直線PCLmと、最大幅位置PWmを通り径方向に延びる直線PWLmとの交点である。この交点PB2mは、前述の第二基準点PB2に対応し、第二モールド基準点とも称される。
符号αで示される角度は、前述の第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線と、第一基準点PB1と境界PVとを通る直線とがなす角度を表す。境界PVが第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線よりも赤道PC側に位置する場合、この角度αは正で表される。境界PVが第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線よりも最大幅位置PW側に位置する場合、この角度αは負で表される。
このモールド62では、セグメント72とサイドプレート66との境界PVがエアの排出ルートとして効果的に機能できる観点から、角度αは―5度以上5度以下であるのが好ましく、-3度以上3度以下であるのがより好ましい。
[第二実施形態]
図8は、本発明の第二実施形態に係るタイヤ82の一部を示す。このタイヤ82は、乗用車用空気入りタイヤである。
このタイヤ82では、その外面82Gに、凸条84、セレーション領域86及びリムガード88を設けた以外は、図1に示されたタイヤ2の構成と同等の構成を有する。したがって、この図8において、図1のタイヤ2の要素と同一の要素には同一符号を付して、その説明は省略する。このタイヤ82では、その外面82Gに、凸条84、セレーション領域86及びリムガード88のいずれかが設けられてもよい。
このタイヤ82も、図1に示されたタイヤ2と同様、加硫工程において、生タイヤをモールド内で加圧及び加熱することで得られる。
図9は、このタイヤ82の製造に用いるモールド90の一部を示す。このタイヤ82の製造に用いられるモールド90も、図7に示されたモールド62の構成と同等の構成を有する。したがって、この図9において、図7のモールド62の要素と同一の要素には同一符号を付して、その説明は省略する。この図9には、モールド90のトレッドリング64及びサイドプレート66の一部が示される。
加硫工程では、生タイヤがモールド90に投入される。投入後、モールド90は閉じられる。これによりキャビティ面78が構成される。閉じられたモールド90では、トレッドリング64の合わせ面92と、サイドプレート66の合わせ面94とが突き合わせられる。これにより、モールド90における、トレッドリング64とサイドプレート66との境界(すなわち割り位置)が構成される。
モールドの割り位置には、生タイヤのゴム組成物が噛み込む。割り位置に噛み込んだゴム組成物は、タイヤにおいてバリを形成する。バリは外観を損ねる。
このモールド90では、図9に示されるように、サイドプレート66の合わせ面94とサイドウォール形成面74との境界に切り欠き96が設けられる。サイドプレート66にトレッドリング64が突き合わされることで、溝98が構成される。タイヤ82の成形時に、生タイヤのゴム組成物は溝98に流れ込む。このモールド90では、ゴム組成物は割り位置に噛み込みにくい。溝98はバリの発生を抑えることに貢献する。トレッドリング64とサイドプレート66との割り位置に対応する、タイヤ82の外面82G上の位置には、バリではなく、前述の凸条84が形成される。
このタイヤ82では、図8に示されるように、トレッド4とサイドウォール6との境界部分に、タイヤ82の外面82Gから外向きに突出し、周方向にのびる凸条84が設けられる。このタイヤ82では、凸条84はショルダー基準点PBGの径方向内側に位置する。なお、本発明において、トレッド4とサイドウォール6との境界部分とは、要素としてのトレッド4及びサイドウォール6の両方を含む部分を意味し、バットレスと呼ばれる部分に対応する。
図10は、タイヤ82のサイド面100を示す。図10の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ82の軸方向である。図11は、図10のXI-XI線に沿った、このタイヤ82の断面を示す。図11の紙面において上側がタイヤ82の径方向外側であり、下側がタイヤ82の径方向内側である。
前述したように、このタイヤ82の外面82Gには、セレーション領域86が設けられる。セレーション領域86は、サイド面100において、回転軸を中心に周方向にのびる帯状の領域である。セレーション領域86は周方向に連続してのびる。セレーション領域86は、加硫工程におけるエア残りを防止し、外観品質の向上に貢献する。
図8に示されるように、このタイヤ82では、セレーション領域86は径方向においてショルダー基準点PBGと最大幅位置PWとの間に位置する。このタイヤ82の外面82Gは、ショルダー基準点PBGと最大幅位置PWとの間にセレーション領域86を含む。セレーション領域86は凸条84の径方向内側に位置する。
図10及び11に示されるように、セレーション領域86は、複数の細溝102と、複数のリッジ104とを含む。複数の細溝102は周方向にのびる。複数の細溝102は径方向に並ぶ。言い換えれば、複数の細溝102は径方向に位置を変えて配置される。複数の細溝102はそれぞれ、タイヤ82の外面82Gから内向きに窪んだ形状を有する。複数のリッジ104はそれぞれ、隣り合う細溝102の間に位置する。セレーション領域86の外端86gが、径方向において最も外側に位置するリッジ104である。セレーション領域86の内端86nが、径方向において最も内側に位置するリッジ104である。
セレーション領域86における細溝102及びリッジ104の構成は、後述する、凸条84の高さと細溝102の最大深さとの合計に関連する事項以外は、タイヤ82の仕様に応じて適宜決められる。
セレーション領域86の外端86gと内端86nとの間に位置するリッジ104の断面形状は外向きに先細りである。リッジ104の頂はタイヤ82の外面82Gに含まれる。頂が平面で構成されてもよい。
図11において符号θaで示される角度は、リッジ104を構成する2つの斜面がなす角度である。このタイヤ2では、角度θaは60度以上120度以下である。
図5において符号hで示される長さは、凸条84の高さである。高さhは、外面82Gから凸条84の頂までの距離である。符号Lrで示される長さは、凸条84の頂からセレーション領域86の外端86gまでの距離である。
凸条84の高さhと、凸条84からセレーション領域86までの距離Lrとはタイヤ82の仕様に応じて適宜設定される。バリの発生が抑えられる観点から、高さhは0.2mm以上であるのが好ましい。空気抵抗の増加が抑えられる観点から、高さhは0.6mm以下であるのが好ましい。エア残りによる外観不良が抑えられる観点から、距離Lrは0.1mm以上10.0mm以下であるのが好ましい。
図11において符号drで示される長さは、細溝102の深さである。深さdrは、外面82Gから細溝102の底までの距離である。符号Wrで示される長さは、隣り合うリッジ104の間隔である。
このタイヤ2では、細溝102の深さdrは、径方向外側から内側に向かって徐々に深くなるように構成される。隣り合う2つの細溝102において、径方向外側に位置する細溝102は径方向内側に位置する細溝102よりも浅い。セレーション領域86に含まれる複数の細溝102のうち、最も径方向外側に位置する細溝102が最小深さdrnを有し、最も径方向内側に位置する細溝102が最大深さdrxを有する。このタイヤ82では、最小深さdrnは、最大深さdrxの20%以上60%以下の範囲で設定される。
このタイヤ82では、隣り合うリッジ104の間隔Wrは、径方向外側から内側に向かって徐々に狭まるように構成される。例えば、径方向に並ぶ3つのリッジ104に着目した場合、径方向外側に位置するリッジ104と中間に位置するリッジ104との間隔Wrは、この中間に位置するリッジ104と径方向内側に位置するリッジ104との間隔Wrよりも狭い。したがって、セレーション領域86の外端86gをなすリッジ104と、このリッジ104の径方向内側に位置するリッジ104との間隔Wrが最大間隔Wrxである。セレーション領域86の内端86nをなすリッジ104と、このリッジ104の径方向外側に位置するリッジ104との間隔Wrが最小間隔Wrnである。このタイヤ82では、最小の間隔Wrnは、最大の間隔Wrxの30%以上70%以下の範囲で設定される。
このタイヤ82においても、図1に示されたタイヤ2と同様、見栄え向上のために、ショルダー部分が角張った形状を有するようにトレッド部が構成される。
これにより、隙間Gは小さくなり、車両Bとタイヤ2との一体感は高まる。しかし、その一方で、車両前方からタイヤ82を見たときのこのタイヤ2の投影面積が増す。投影面積の増加は空気抵抗の増加を招く。
ところで、セレーション領域は、前述したように、加硫工程でのエアの排出に貢献する。従来、セレーション領域は、エアの排出を促す観点から、凸条の高さと細溝の最大深さとの合計が1.0mm以上になるように構成される。
しかしこのタイヤ82では、ショルダー部分が角張った形状で構成されるので、従来タイヤに比べて、生タイヤのサイド面がモールドのキャビティ面に接触しやすく、エアの排出が促される。そのため、凸条の高さと細溝の最大深さとの合計を、従来タイヤのそれよりも小さく設定しても、加硫工程においてエアが十分に排出される。凸条の高さと細溝の最大深さとの合計が小さいセレーション領域は、空気抵抗の低減に貢献できる。
つまり、このタイヤ82では、凸条84の高さhと細溝102の最大深さdrxとの合計が、好ましくは、0.9mm以下である。
凸条84の高さhと細溝102の最大深さdrxとの合計が0.9mm以下に設定されることにより、セレーション領域86及び凸条84による空気の流れへの影響が抑えられる。具体的には、空気の流れによって生じる力(以下、空力)がコントロールされ、空気抵抗の増加が効果的に抑えられる。このタイヤ82では、ショルダー部分が角張った形状を有することで空気抵抗が増加するもの、その増加の程度が小さく抑えられる。
このタイヤ82では、凸条84の高さhと細溝102の最大深さdrxとの合計が、好ましくは、0.5mm以上である。
凸条84の高さhと細溝102の最大深さdrxとの合計が0.5mm以上に設定されることにより、セレーション領域86及び凸条84が、加硫工程におけるエアの排出に貢献できる。このタイヤ82では、その外面82Gに、ベア等の外観不良が発生しにくい。このタイヤ82は良好な外観品質を有する。
このタイヤ82では、凸条84の高さhと細溝102の最大深さdrxとの合計に占める凸条84の高さhの割合が、細溝102の最大深さdrxの割合よりも高くてもよく、低くてもよい。合計に占める凸条84の高さhの割合が、細溝102の最大深さdrxの割合と同じであってもよい。合計に占める凸条84の高さhの割合は、タイヤ82の仕様に応じて適宜決められる。
図8において両矢印BHで示される長さは、ショルダー基準点PBGから最大幅位置PWまでの径方向距離である。符号SRで示される長さは、セレーション領域86の径方向幅である。径方向幅SRは、セレーション領域86の外端86gから内端86nまでの径方向距離である。
このタイヤ82では、セレーション領域86の径方向幅SRの、ショルダー基準点PBGから最大幅位置PWまでの径方向距離BHに対する比率(SR/BH)は、10%以上50%以下であるのが好ましい。
比率(SR/BH)が10%以上に設定されることにより、加硫工程におけるエアの排出にセレーション領域86が効果的に貢献できる。このタイヤ82では、その外面2Gに、ベア等の外観不良が発生しにくい。このタイヤ82は良好な外観品質を有することができる。この観点から、比率(SR/BH)は25%以上であるのがより好ましい。
比率(SR/BH)が50%以下に設定されることにより、セレーション領域86による空気の流れへの影響が抑えられる。具体的には、空力のコントロールが容易であり、空気抵抗の増加が効果的に抑えられる。この観点から、比率(SR/BH)は35%以下であるのがより好ましい。
例えば、図8に示されるように、このタイヤ82の凸条84の断面形状は矩形である。この凸条84の断面形状が、図12に示されるような先細り形状で構成されてもよい。
この場合、凸条84の投影面積の低減が図れる。この凸条84は、空気抵抗の低減に貢献できる。この観点から、凸条84の断面形状は先細りであるのが好ましい。
図12に示された凸条84は、頂106と、この頂106の径方向外側に位置する第一斜面108と、この頂106の径方向内側に位置する第二斜面110とを有する。
このタイヤ82では、第一斜面108及び第二斜面110は内向きに凸な形状を有する。第一斜面108及び第二斜面110の輪郭線はそれぞれ円弧で表される。図12において、符号R1で示される矢印は第一斜面108の輪郭線としての円弧(以下、第一円弧)の半径である。符号R2で示される矢印は第二斜面110の輪郭線としての円弧(以下、第二円弧)の半径である。第一斜面108の輪郭線は、その外端においてタイヤ82の外面82Gの輪郭線に接する。第二斜面110の輪郭線は、その内端においてタイヤ82の外面82Gの輪郭線に接する。
このタイヤ82では、好ましくは、第一円弧の半径R1は第二円弧の半径R2よりも大きい。これにより、空気がスムーズに流れる。このタイヤ82は、バリの発生を抑えるための凸条84を有しているにもかかわらず、空気抵抗の低減を図ることができる。この観点から、第一円弧の半径R1の、第二円弧の半径R2に対する比(R1/R2)は1.2以上2.0以下であるのがより好ましい。
スムーズな空気の流れが得られる観点から、第一円弧の半径R1は2.0mm以上であるのが好ましい。凸条84によるタイヤ82の質量への影響が抑えられる観点から、第一円弧の半径R1は10mm以下であるのが好ましく、5mm以下であるのがより好ましい。
スムーズな空気の流れが得られる観点から、第二円弧の半径R2は5.0mm以下であるのが好ましく、3.0mm以下であるのがより好ましい。凸条84がバリの発生を効果的に抑制できる観点から、第二円弧の半径R2は1.0mm以上であるのが好ましい。
図13は、図8のタイヤ82の子午線断面の一部を示す。図13には、タイヤ82のビード部が示される。
このタイヤ82は、前述したように、リムガード88を備える。リムガード88は、タイヤ82の外面82Gから外向きに突出する。リムガード88は、サイドウォール6とクリンチ8との境界部分に設けられる。リムガード88は周方向にのびる。図13の二点鎖線LVは、リムガード88が設けられていないと仮定して得られるタイヤ82の外面82Gである。
タイヤ82をリムRに組むと、リムガード88はリムRの径方向外側に位置する。図13に示されるように、径方向において、リムRと最大幅位置PWとの間にリムガード88は位置する。リムガード88はリムRから軸方向外向きに突出する。リムガード88はリムRの損傷を防止する。
リムガード88は、頂面112と、外側斜面114と、内側斜面116とを有する。外側斜面114は、頂面112の径方向外側に位置する。外側斜面114は頂面112の外端112gに連なる。内側斜面116は、頂面112の径方向内側に位置する。内側斜面116は頂面112の内端112nに連なる。
このタイヤ82では、その子午線断面において、リムガード88は、その頂面112から外面82Gに向かって裾拡がりな形状を有する。
図13において符号HGで示される長さはリムガード高さである。リムガード高さHGは、ビードベースラインから頂面112の内端112nまでの径方向距離である。リムガード高さHGは、後述する、リムガード角度、リムガード先端厚さ及びリムガード突出長さを考慮して適宜決められるが、20mm以上40mm以下の範囲で設定される。
図13において、実線LTは、頂面112の外端112gと内端112nとを通る直線である。実線LGは、頂面112の外端112gでの外側斜面114の輪郭線の接線である。角度θbは、直線LTと接線LGとがなす角度である。本発明においては、この角度θbが、タイヤ82の子午線断面において、頂面112の外端112g及び内端112nを通る直線LTと、頂面112の外端112gにおける外側斜面114の接線LGとがなす角度である。この角度θbは、リムガード角度とも称される。
このタイヤ82では、リムガード角度θbは10度以上30度以下であるのが好ましい。
リムガード角度θbが10度以上に設定されることにより、リムガード88が最大幅位置PWから適当量突出するように、このタイヤ82はリムガード88を構成できる。このタイヤ82をリムRに組んだ状態で横積みしても、リムR同士の干渉が抑えられる。
リムガード角度θbが30度以下に設定されることにより、外側斜面114の輪郭線の湾曲の程度が小さく抑えられる。このリムガード88は空力を効果的にコントロールできる。このタイヤ82では、空気抵抗の増加が効果的に抑えられる。この観点から、リムガード角度θbは15度以下であるのがより好ましい。
このタイヤ82では、リムガード角度θbは10度以上30度以下である場合、頂面112の外端112g及び内端112nを通る直線LTは赤道面に平行であるのが好ましい。これにより、空気抵抗の増加がより効果的に抑えられる。
図13において符号GTで示される長さは頂面112の幅である。頂面112の幅GTは、頂面112の外端112g及び内端112nを結ぶ線分の長さである。頂面112の幅GTは、リムガード先端厚さとも称される。
このタイヤ82では、頂面112の幅GTは4mm以上6mm以下であるのが好ましい。
頂面112の幅GTが4mm以上に設定されることにより、リムガード88の先端部分が必要な剛性を有する。このタイヤ82をリムRに組んだ状態で横積みしても、リムガード88の先端部分はつぶれにくい。このタイヤ82では、タイヤ82を横積みしても、リムR同士の干渉が抑えられる。
頂面112の幅GTが6mm以下に設定されることにより、リムガード88による空力への影響が抑えられる。このタイヤ82は、空気抵抗の増加をより効果的に抑えることができる。
図13において径方向に延びる実線RBLは、リム幅ベースラインである。符号WGで示される長さは、リム幅ベースラインから頂面112の内端112nまでの軸方向距離である。軸方向距離WGは、リムガード突出長さとも称される。
このタイヤ82では、リムガード突出長さWGは12mm以上18mm以下であるのが好ましい。
リムガード突出長さWGが12mm以上に設定されることにより、リムガード88が最大幅位置PWから適当量突出するように、タイヤ82はリムガード88を構成できる。タイヤ82をリムRに組んだ状態で横積みしても、リムR同士の干渉が抑えられる。
リムガード突出長さWGが18mm以下に設定されることにより、リムガード88による空力への影響が抑えられる。このタイヤ82では、空気抵抗の増加がより効果的に抑えられる。
[第三実施形態]
図14は、本発明の第三実施形態に係るタイヤ122の一部を示す。このタイヤ122は、乗用車用空気入りタイヤである。
このタイヤ122では、バンド124以外は、図1に示されたタイヤ2の構成と同等の構成を有する。したがって、この図14において、図1のタイヤ2の要素と同一の要素には同一符号を付して、その説明は省略する。
バンド124は、径方向においてカーカス12とトレッド4との間に位置する。バンド124は、トレッド4の内側においてベルト14に積層される。
バンド124の端はベルト14の端の軸方向外側に位置する。ベルト14の端からバンド124の端までの長さは3mm以上7mm以下である。
赤道面は、バンド124の軸方向幅の中心においてバンド124と交差する。バンド124の両端はそれぞれ、赤道面を挟んで相対するように配置される。バンド124は、その第一端と第二端との間を架け渡す。このバンド124はフルバンドである。このタイヤ2では、バンド124の端を覆い、軸方向に離して配置される一対のエッジバンドがさらに設けられてもよい。
図14において符号WBで示される長さがバンド124の軸方向幅である。軸方向幅WBはバンド124の第一端から第二端(図示されず)までの軸方向距離である。
バンド124は、図15に示されたストリップ126を用いて形成される。ストリップ126は並列した複数本のバンドコード128を含む。これらバンドコード128はトッピングゴム130で覆われる。ストリップ126は帯状である。ストリップ126においてバンドコード128は、ストリップ126の長さ方向にのびる。
図15に示されたストリップ126は8本のバンドコード128を含む。ストリップ126に含まれるバンドコード128の本数は8本に限られない。ストリップ126に含まれるバンドコード128の本数は2本以上15本以下の範囲で、タイヤ122の仕様等が考慮され適宜決められる。
バンド124は、ストリップ126をらせん状に巻いて構成される。バンド124はらせん状に巻かれたバンドコード128を含む。バンド124においてバンドコード128は実質的に周方向にのびる。詳細には、バンドコード128が周方向に対してなす角度は、5°以下である。バンド124はジョイントレス構造を有する。
バンド124におけるバンドコード128の密度は、31エンズ/5cm以上49エンズ/5cm以下である。このバンドコード128の密度は、基準切断面において計測される。
図示されないが、バンドコード128は、有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせて構成される。バンドコード128は、有機繊維フィラメントの撚り線であり、有機繊維コードとも称される。有機繊維としては、例えば、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が挙げられる。
本発明においては、単一の有機繊維からなる有機繊維コードが単一有機繊維コードであり、2種類以上の有機繊維を組み合わせて構成される有機繊維コードが複合有機繊維コードである。複合有機繊維コードはハイブリッドコードとも称される。
このタイヤ122のバンド124はセンター部132と一対のサイド部134とを備える。詳細には、バンド124はセンター部132と一対のサイド部134とで構成される。バンド124においてセンター部132は、その軸方向中央部分を構成する。センター部132は赤道面と交差する。それぞれのサイド部134はバンド124のセンター部132の軸方向外側に位置する。サイド部134はバンド124の軸方向外側部分を構成する。
図14において符号CSで示される位置は、センター部132とサイド部134との境界である。境界CSはセンター部132の端であり、サイド部134の内端である。バンド124の端はサイド部134の外端である。図14において符号WSで示される長さはサイド部134の軸方向幅である。軸方向幅WSは、サイド部134の外端から内端までの軸方向距離である。
前述したようにバンド124はバンドコード128を含む。本発明においては、バンド124に含まれるバンドコード128のうち、センター部132に含まれるバンドコード128がセンターバンドコードであり、サイド部134に含まれるバンドコード128がサイドバンドコードである。
このタイヤ2では、センター部132におけるセンターバンドコードの密度と、サイド部134におけるサイドバンドコードの密度とは同じである。後述するが、センターバンドコードと、サイドバンドコードとは、互いに異なる中間伸度を有する有機繊維コードからなる
このタイヤ82においても、図1に示されたタイヤ2と同様、見栄え向上のために、ショルダー部分が角張った形状を有するようにトレッド部が構成される。
これにより、隙間Gは小さくなり、車両Bとタイヤ2との一体感は高まる。
ところで、ショルダー部分を角張った形状を有するようにトレッド部を構成することは、トレッド面の輪郭線の修正を伴う。タイヤにおいてトレッド面の輪郭線とカーカスの輪郭線(カーカスラインとも称される。)とは互いに関連付けて設定される。トレッド面の輪郭線の修正は、カーカスの輪郭線の変更を伴う。トレッド面の輪郭線と同じように、カーカスの輪郭線も角張った形状に修正すると、タイヤをインフレートさせたときに、クラウン部分が飛び出し、ショルダー部分が引き込むように、タイヤは変形する。この場合、クラウン部分での外径成長が促されるので、トレッド面の輪郭線が丸みを帯び、見栄え向上効果が十分に得られない恐れがある。
タイヤにおいては、変形と復元とが繰り返される。クラウン部分での外径成長の増大は、トレッド部における変形量の増大を招く。そのため、転がり抵抗が高まる恐れもある。
このタイヤ122では、バンド124の剛性は、バンド124におけるバンドコード128の密度と、バンドコード128の中間伸度との調整によりコントロールされる。
このタイヤ122のバンド124は、これらの調整により、センター部132がサイド部134の剛性よりも高い剛性を有するように構成される。つまり、センター部132はサイド部134の剛性よりも高い剛性を有する。センター部132がクラウン部分の外径成長を抑制する。トレッド部における変形量が適切に維持されるので、転がり抵抗の高まりが抑えられる。この観点から、センター部132はサイド部134の剛性よりも高い剛性を有するのが好ましい。
このタイヤ122では、サイド部134の軸方向幅WSの、バンド124の軸方向幅WBに対する比率(WS/WB)は10%以上25%以下であるのが好ましい。
比率(WS/WB)が10%以上に設定されることにより、クラウン部分の外径成長が効果的に抑制される。このタイヤ122は、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。この観点から、比率(WS/WB)は15%以上であるのがより好ましい。
比率(WS/WB)が25%以下に設定されることにより、クラウン部分の外径成長とショルダー部分の外径成長とがバランスよく整えられる。蝶型のような歪な形状で接地形状が構成されることが防止されるので、偏摩耗の発生が抑えられる。この場合においても、トレッド部における変形量が適切に維持される。そのため、転がり抵抗の高まりが抑えられる。この観点から、比率(WS/WB)は20%以下であるのがより好ましい。
このタイヤ122では、図1に示されたタイヤ2と同様に、見栄え向上のために、前述の比率(LSh/LBS)がコントロールされる。このタイヤ122においても、比率(LSh/LBS)は85.9%以上89.3%以下である。比率(LSh/LBS)が89.3%に近づくほどショルダー部分はより角張った形状を有する。
見栄え向上のためにショルダー部分を角張った形状で構成すると、トレッド面24のフラット化が促される。トレッド面24のフラット化は、クラウン部分の外径成長を助長する。
しかしこのタイヤ122では、バンド124のセンター部132とサイド部134との間で剛性差が大きくなると、接地形状が矩形状又は蝶型形状になり、偏摩耗が発生しやすくなるとの知見、そして比率(LSh/LBS)が88.4%を超えると、バンド124全体の剛性を高める必要があるとの知見に基づいて、好ましくは、比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合と、比率(LSh/LBS)が88.4%よりも大きい場合とに分けて、見栄え向上のためのバンド124の剛性がコントロールされる。
<比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合>
この場合、後述の、比率(LSh/LBS)が88.4%よりも大きい場合に比べて、トレッド面24のフラット化が抑えられる。そのため、この場合では、センターバンドコードとサイドバンドコードとには、ナイロン繊維からなるナイロンフィラメントを撚り合わせて構成され、異なる中間伸度を有するナイロンコードが用いられるのが好ましい。具体的には、センターバンドコード及びサイドバンドコードのそれぞれが単一有機繊維コードであり、単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さいのが好ましい。これにより、クラウン部分の外径成長が効果的に抑制される。このタイヤ122は、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。バンド124のセンター部132とサイド部134との間の剛性差を適切に維持できるので、このタイヤ122は偏摩耗の発生を抑制できる。これらの観点から、センターバンドコードの中間伸度の、サイドバンドコードの中間伸度に対する比は、0.60以上であるのが好ましく、0.73以上であるのがより好ましい。この比は、0.98以下であるのが好ましく、0.90以下であるのがより好ましい。
そして、センターバンドコード及びサイドバンドコードのそれぞれが単一有機繊維コードであり、単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さい場合、クラウン部分の外径成長をより効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度は4.7%以上5.2%以下であるのが好ましい。さらに偏摩耗の発生も効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下であり、サイドバンドコードの中間伸度が6.4%以上7.0%以下であるのがより好ましい。
<比率(LSh/LBS)が88.4%よりも大きい場合>
この場合、前述の、比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合に比べて、トレッド面24のフラット化が促される。そのため、この場合では、センターバンドコードには、ナイロン繊維からなるナイロンフィラメントと、アラミド繊維からなるアラミドフィラメントとを撚り合わせて構成された、ハイブリッドコードが用いられ、サイドバンドコードには、ナイロン繊維からなるナイロンフィラメントを撚り合わせて構成され、ハイブリッドコードの中間伸度よりも低い中間伸度を有するナイロンコードが用いられるのが好ましい。具体的には、センターバンドコードが複合有機繊維コードであり、この複合有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維及びアラミド繊維であり、サイドバンドコードが単一有機繊維コードであり、この単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さいのが好ましい。これにより、全体として、前述の、比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合で示した、バンド124全体の剛性よりも高い剛性を有する、バンド124が構成される。これにより、見栄え向上のために、ショルダー部分を角張った形状で構成した結果、フラットなトレッド面24が構成されても、バンド124が、クラウン部分の外径成長を効果的に抑制する。このタイヤ122は、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。バンド124のセンター部132とサイド部134との間の剛性差を適切に維持できるので、このタイヤ122は偏摩耗の発生を抑制できる。これらの観点から、センターバンドコードの中間伸度の、サイドバンドコードの中間伸度に対する比は、0.51以上であるのが好ましく、0.71以上であるのがより好ましい。この比は、0.88以下であるのが好ましく、0.82以下であるのがより好ましい。
そして、センターバンドコードが複合有機繊維コードであり、この複合有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維及びアラミド繊維であり、サイドバンドコードが単一有機繊維コードであり、この単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さい場合、クラウン部分の外径成長をより効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度は3.3%以上3.7%以下であるのが好ましい。さらに偏摩耗の発生も効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度が3.3%以上3.7%以下であり、サイドバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下であるのがより好ましい。
バンド124の剛性は、センター部132とサイド部134との境界CSよりも内側で高く、この境界CSよりも外側で低い。トレッド部において周方向溝の部分は、その他の部分の剛性に比べて低い剛性を有する。そのため、周方向溝52の径方向内側に境界CSが位置する場合、タイヤ122をインフレートさせたとき、クラウン部分が飛び出しショルダー部分が大きく引き込まれる恐れがある。
しかしこのタイヤ122では、図14に示されるように、バンド124のセンター部132とサイド部134との境界CSはショルダー周方向溝52sの軸方向外側に位置する。ショルダー周方向溝52sの径方向内側に境界CSは位置しない。そのため、バンド124がクラウン部分の外径成長の抑制に効果的に貢献できる。このタイヤ122では、周方向溝52の径方向内側に境界CSが位置しないのであれば、この境界CSが、ショルダー周方向溝52sの軸方向内側に配置されてもよい。しかし、ショルダー部分を角張った形状で構成でき、見栄えの一層の向上を図ることができる観点から、境界CSはショルダー周方向溝52sの軸方向外側に位置するのが好ましい。バンド124がクラウン部分の外径成長をより効果的に抑制できる観点から、境界CSは、図3に示された、ミドル円弧とサイド円弧との境界MSの軸方向外側に位置し、サイド円弧とショルダー円弧との境界SHの軸方向内側に位置するのがより好ましい。言い換えれば、境界CSは軸方向において境界MSと境界SHとの間に位置するのがより好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤが得られる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備えた乗用車用の空気入りタイヤ(タイヤサイズ=235/55R19)を得た。
ショルダー線分の長さLShの、基準線分の長さLBSに対する比率(LSh/LBS)、ビードベースラインから最大幅位置PWまでの径方向距離HWの、タイヤの断面高さHSに対する比率(HW/HS)、赤道から第三基準点PAまでの径方向距離HA、最大幅位置PWと第三基準点PAとを結ぶ線分が径方向に対してなす角度θu及び最大幅位置PWと第四基準点PRとを結ぶ線分が径方向に対してなす角度θbは下記の表1に示された通りである。
[実施例2-4及び比較例1-4]
比率(LSh/LBS)、比率(HW/HS)、径方向距離HA、角度θu及び角度θbを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-4及び比較例1-4のタイヤを得た。比較例1は従来タイヤである。
[見栄え]
試作タイヤをリム(サイズ=19×7.5J)に組み、空気を充填して内圧を250kPaとした。このタイヤを試験車両に装着した。ドライバーが1名乗車し、車両を静止した状態で、隙間量G(図17参照)を測定し、干渉限界隙間量に対する比を算出した。その結果が指数で下記の表1に示されている。100に近いほど見栄えに優れる。指数が100よりも大きい場合は、隙間が小さくホイールハウスと干渉しやすいことを表し、100よりも小さい場合は隙間が大きく見栄えに不利であることを表す。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機を用い、試作タイヤが下記の条件でドラム上を速度80km/hで走行するときの転がり抵抗係数(RRC)を測定した。その結果が比較例1を100とした指数で下記表1の「RRC」の欄に示されている。数値が大きいほどタイヤの転がり抵抗は低い。
リム:19×7.5J
内圧:210kPa
縦荷重:6.47kN
[外観品質]
試作タイヤ(100本)の外観を観察し、フランジとの接触部分におけるカーカスコードの露出の発生状況を確認した。その結果が、発生率が5%以上であった場合を[B」、発生率が5%未満であった場合を[G」で、下記の表1の「外観品質」の欄に示されている。
表1に示されているように、実施例では、転がり抵抗や外観品質への影響を抑えながら、見栄えの向上が達成されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された、見栄えの向上のための技術は種々のタイヤにも適用されうる。
2、82、122・・・タイヤ
2G、82G・・・外面
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16、124・・・バンド
20・・・インナーライナー
24・・・トレッド面
24b・・・トレッド面24の境界面
24m・・・トレッド面24の本体面
28、100・・・サイド面
38・・・カーカスプライ
48・・・フルバンド
50・・・エッジバンド
84・・・凸条
86・・・セレーション領域
88・・・リムガード
102・・・細溝
104・・・リッジ
112・・・頂面
114・・・外側斜面
116・・・内側斜面
126・・・ストリップ
128・・・バンドコード
132・・・センター部
134・・・サイド部

Claims (4)

  1. JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有するタイヤであって、
    前記タイヤの外面が、路面と接地するトレッド面と、前記トレッド面に連なる一対のサイド面とを備え、
    前記トレッド面が、赤道面との交点である赤道を有し、
    それぞれの前記サイド面が、前記タイヤが最大幅を示す最大幅位置を有し、
    前記タイヤの子午線断面において、
    ビードベースラインと前記赤道面との交点が第一基準点であり、
    前記赤道を通り軸方向にのびる直線と、前記最大幅位置を通り径方向にのびる直線との交点が第二基準点であり、
    前記第一基準点と前記第二基準点とを結ぶ線分が基準線分であり、
    前記基準線分と前記タイヤの外面との交点がショルダー基準点であり、
    前記第一基準点と前記ショルダー基準点とを結ぶ線分がショルダー線分であり、
    前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を正規内圧に調整し、前記タイヤに荷重をかけていない、正規状態において、
    前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が85.9%以上89.3%以下であり、
    ビードベースラインから前記最大幅位置までの径方向距離の、前記タイヤの断面高さに対する比率が51%以上62%以下である、
    タイヤ。
  2. 前記トレッド面が、前記サイド面に連なる一対の境界面と、一対の前記境界面の間を架け渡す本体面とを備え、
    前記トレッド面の輪郭線が複数の円弧を含み、それぞれの前記境界面の輪郭線が、前記複数の円弧の中で最も小さな半径を有する円弧であり、
    前記本体面の輪郭線の延長線と前記基準線分との交点が、第三基準点であり、
    前記赤道から前記第三基準点までの径方向距離が9mm以上15mm以下である、
    請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記最大幅位置と前記第三基準点とを結ぶ線分が径方向に対してなす角度が9.8度以上16.7度以下である、
    請求項2に記載のタイヤ。
  4. ビードベースラインとリム幅ベースラインとの交点が第四基準点であり、
    前記最大幅位置と前記第四基準点とを結ぶ線分が径方向に対してなす角度が22.2度以下である、
    請求項2又は3に記載のタイヤ。
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