JP2024031180A - タイヤ - Google Patents

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晃平 羽山
Kohei HAYAMA
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Abstract

【課題】転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤ2の提供。【解決手段】タイヤ2は、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有する。タイヤ2の外面2Gは、トレッド面24と、一対のサイド面28とを備える。トレッド面24は赤道面との交点である赤道PCを有する。それぞれのサイド面28は最大幅位置PWを有する。タイヤ2の正規状態において、ショルダー線分の長さLShの、基準線分の長さLBSに対する比率は85.9%以上89.3%以下である。バンド16はセンター部54と一対のサイド部56とを備える。センター部54に含まれるセンターバンドコードの剛性はサイド部56に含まれるサイドバンドコードの剛性よりも高い。【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤに関する。詳細には、本発明は乗用車に装着されるタイヤに関する。
図6に示されるように、タイヤTは、ホイールハウスHに収容される。ホイールハウスHにタイヤTが干渉しないように、タイヤTの形状は設定される。
タイヤTの形状は、操縦安定性、乗り心地、転がり抵抗、耐偏摩耗性等の性能に影響する。耐偏摩耗性の向上のために、例えば、子午線断面におけるトレッド面の輪郭線が調整される(下記の特許文献1)。
特開2013-060129号公報
近年、乗用車では、性能だけでなく外観も重視される。特に、外観に関しては、車両とタイヤとを一つのまとまりとして、見栄えの向上が求められている。
前述したように、車両BのホイールハウスHにタイヤTは収容される。ホイールハウスHにタイヤTが干渉しないように、ホイールハウスHとタイヤTとの間には隙間(図7の符号G)が設けられる。隙間Gは、後述する第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線に沿って計測される、タイヤTの外面からホイールハウスまでの距離である。
隙間Gが小さくなるほど、車両BとタイヤTとの一体感が高まる。一体感の高まりは、見栄えの向上に貢献する。
図7に点線で示されるように、ショルダー部分Sが角張った形状を有するようにトレッド面の輪郭線を修正すれば、隙間Gは小さくなり、車両BとタイヤTとの一体感は高まる。しかしこの修正はカーカスの輪郭線の変更を伴う。トレッド面の輪郭線と同じように、カーカスの輪郭線も角張った形状に修正されるので、タイヤをインフレートさせたときに、クラウン部分Cが飛び出し、ショルダー部分Sが引き込むように、タイヤは変形する。クラウン部分Cでの外径成長が促されるので、トレッド面の輪郭線が丸みを帯び、見栄え向上効果が十分に得られない恐れがある。
タイヤにおいては、変形と復元とが繰り返される。クラウン部分Cでの外径成長の増大は、トレッド部における変形量の増大を招く。そのため、転がり抵抗が増加する恐れもある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤの提供にある。
本発明に係るタイヤは、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有するタイヤであり、一対のビードと、一対の前記ビードの間を架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置するトレッドと、前記カーカスと前記トレッドとの間に位置するバンドとを備える。前記トレッドは路面と接地するトレッド面を有する。前記バンドは実質的に周方向にのびるバンドコードを含む。前記タイヤの外面は、前記トレッド面と、前記トレッド面に連なる一対のサイド面とを備える。前記トレッド面は、赤道面との交点である赤道を有する。それぞれの前記サイド面は、前記タイヤが最大幅を示す最大幅位置を有する。前記タイヤの子午線断面において、ビードベースラインと前記赤道面との交点が第一基準点であり、前記赤道を通り軸方向にのびる直線と、前記最大幅位置を通り径方向にのびる直線との交点が第二基準点であり、前記第一基準点と前記第二基準点とを結ぶ線分が基準線分であり、前記基準線分と前記タイヤの外面との交点がショルダー基準点であり、そして前記第一基準点と前記ショルダー基準点とを結ぶ線分がショルダー線分である。前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を正規内圧に調整し、前記タイヤに荷重をかけていない、正規状態において、前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率は85.9%以上89.3%以下である。前記バンドは、前記赤道面と交差するセンター部と、前記センター部の軸方向外側に位置する一対のサイド部とを備える。前記センター部は前記サイド部の剛性よりも高い剛性を有する。
本発明によれば、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤが得られる。
本発明の一実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。 バンドの形成に用いられるストリップの一部を示す斜視図である。 基準線分及びショルダー線分を説明する断面図である。 トレッド面の輪郭線を説明する断面図である。 タイヤの接地面形状を示す模式図である。 タイヤが装着される車両前部を示す側面図である。 図6のVII-VII線に沿った断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
タイヤはリムに組まれる。タイヤの内部には空気が充填され、タイヤの内圧が調整される。本発明において、リムに組まれたタイヤは、タイヤ-リム組立体である。タイヤ-リム組立体は、リムと、このリムに組まれたタイヤとを備える。
本発明においては、タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を正規内圧に調整し、このタイヤに荷重をかけていない状態は、正規状態と称される。
本発明においては、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
正規リムにタイヤを組んだ状態で測定できない、タイヤの子午線断面における各部の寸法及び角度は、回転軸を含む平面に沿ってタイヤを切断することにより得られる、タイヤの断面(以下、基準切断面)において、測定される。この測定では、左右のビード間の距離は、正規リムに組んだタイヤにおけるビード間の距離に一致するようにセットされる。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本発明において、「タイヤの呼び」は、JIS D4202「自動車用タイヤ-呼び方及び諸元」に規定された「タイヤの呼び」である。
本発明において、タイヤのトレッド部とは、路面と接地する、タイヤの部位である。ビード部とは、リムに嵌め合わされる、タイヤの部位である。サイドウォール部とは、トレッド部とビード部との間を架け渡す、タイヤの部位である。タイヤは、部位として、トレッド部、一対のビード部及び一対のサイドウォール部を備える。トレッド部の中央部分はクラウン部分とも称される。トレッド部の端の部分はショルダー部分とも称される。
本発明において、並列したコードを含むタイヤの要素、5cm幅あたりに含まれるコードの本数は、この要素に含まれるコードの密度(単位は、エンズ/5cmである。)として表される。コードの密度は、特に言及がない限り、コードの長さ方向に対して垂直な面で切断することにより得られる要素の断面において得られる。
本発明において、有機繊維コードの中間伸度は、「JIS L1017(化学繊維タイヤコード試験方法)」の「8.7 一定荷重時伸び率」に準拠し、20℃±2℃の温度、65±4%の湿度に調整された雰囲気下で求めた、有機繊維コードの「荷重-伸び」曲線において、規格で定められた一定荷重が負荷されたときの伸度(%)によって表される。中間伸度は、フィラメントの材質、繊度、撚り数等を調整するにより適宜コントロールされる。
[本発明の実施形態の概要]
[構成1]
本発明の一態様に係るタイヤは、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有するタイヤであって、一対のビードと、一対の前記ビードの間を架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置するトレッドと、前記カーカスと前記トレッドとの間に位置するバンドとを備え、前記トレッドが路面と接地するトレッド面を有し、前記バンドが実質的に周方向にのびるバンドコードを含み、前記タイヤの外面が、前記トレッド面と、前記トレッド面に連なる一対のサイド面とを備え、前記トレッド面が、赤道面との交点である赤道を有し、それぞれの前記サイド面が、前記タイヤが最大幅を示す最大幅位置を有し、前記タイヤの子午線断面において、ビードベースラインと前記赤道面との交点が第一基準点であり、前記赤道を通り軸方向にのびる直線と、前記最大幅位置を通り径方向にのびる直線との交点が第二基準点であり、前記第一基準点と前記第二基準点とを結ぶ線分が基準線分であり、前記基準線分と前記タイヤの外面との交点がショルダー基準点であり、前記第一基準点と前記ショルダー基準点とを結ぶ線分がショルダー線分であり、前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を正規内圧に調整し、前記タイヤに荷重をかけていない、正規状態において、前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が85.9%以上89.3%以下であり、前記バンドが、前記赤道面と交差するセンター部と、前記センター部の軸方向外側に位置する一対のサイド部とを備え、前記センター部が前記サイド部の剛性よりも高い剛性を有する。
このようにタイヤを整えることにより、タイヤは、ホイールハウスとの間に生じる隙間を、干渉限界隙間量に近づけることができる。隙間が小さくなるので、車両とタイヤとの一体感が高められる。一体感の高まりは、見栄えの向上に貢献できる。
このタイヤは、ホイールハウスから適度に離して配置される。タイヤがホイールハウスと干渉することが防止される。
バンドのセンター部がクラウン部分の外径成長を抑制する。トレッド部における変形量が適切に維持されるので、転がり抵抗の増加が抑えられる。
このタイヤは、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる。
[構成2]
好ましくは、前述の[構成1]に記載のタイヤにおいて、前記サイド部の軸方向幅の、前記バンドの軸方向幅に対する比率は10%以上25%以下である。
このようにタイヤを整えることにより、クラウン部分の外径成長が効果的に抑制される。このタイヤは、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。
クラウン部分の外径成長とショルダー部分の外径成長とがバランスよく整えられるので、蝶型のような歪な形状で接地形状が構成されることが防止される。偏摩耗の発生が抑えられる。トレッド部における変形量が適切に維持されるので、転がり抵抗の増加が抑えられる。
[構成3]
好ましくは、前述の[構成1]又は[構成2]に記載のタイヤにおいて、前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が88.4%以下であり、前記バンドに含まれるバンドコードのうち、前記センター部に含まれるバンドコードがセンターバンドコードであり、前記サイド部に含まれるバンドコードがサイドバンドコードであり、前記センターバンドコード及び前記サイドバンドコードのそれぞれが単一有機繊維コードであり、前記単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、前記センターバンドコードの中間伸度が前記サイドバンドコードの中間伸度よりも小さい。
このようにタイヤを整えることにより、クラウン部分の外径成長が効果的に抑制される。このタイヤは、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。
[構成4]
好ましくは、前述の[構成3]に記載のタイヤにおいて、前記センターバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下であり、前記サイドバンドコードの中間伸度が6.4%以上7.0%以下である。
このようにタイヤを整えることにより、偏摩耗の発生が効果的に抑制される。
[構成5]
好ましくは、前述の[構成1]又は[構成2]に記載のタイヤにおいて、前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が88.4%よりも大きく、前記バンドに含まれるバンドコードのうち、前記センター部に含まれるバンドコードがセンターバンドコードであり、前記サイド部に含まれるバンドコードがサイドバンドコードであり、前記センターバンドコードが複合有機繊維コードであり、前記複合有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維及びアラミド繊維であり、前記サイドバンドコードが単一有機繊維コードであり、前記単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、前記センターバンドコードの中間伸度が前記サイドバンドコードの中間伸度よりも小さい。
このようにタイヤを整えることにより、見栄え向上のために、ショルダー部分を角張った形状で構成した結果、フラットなトレッド面が構成されても、バンドが、クラウン部分の外径成長を効果的に抑制する。このタイヤは、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。
[構成6]
好ましくは、前述の[構成5]に記載のタイヤにおいて、前記センターバンドコードの中間伸度が3.3%以上3.7%以下であり、前記サイドバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下である。
このようにタイヤを整えることにより、偏摩耗の発生が効果的に抑制される。
[構成7]
好ましくは、前述の[構成1]から[構成6]のいずれかに記載のタイヤにおいて、前記トレッド面の輪郭線が軸方向に並ぶ複数の円弧を含み、前記複数の円弧が、前記赤道を通る円弧であるセンター円弧と、軸方向において最も外側に位置し、最も小さな半径を有する円弧である一対のショルダー円弧と、前記センター円弧の隣に位置し、前記センター円弧の半径よりも小さな半径を有する円弧である一対のミドル円弧と、前記ミドル円弧と前記ショルダー円弧との間に位置し、前記ミドル円弧の半径よりも小さな半径を有する一対のサイド円弧とを含み、前記センター円弧の半径の、前記ミドル円弧の半径に対する比が1.85以上2.00以下である。
このようにタイヤを整えることにより、センター円弧の半径と、ミドル円弧の隣に位置するサイド円弧の半径との差が小さく抑えられる。ショルダー部分の滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。このタイヤでは、良好な耐偏摩耗性が得られる。サイド円弧をより大きな半径を有する円弧で構成できるので、トレッド面をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤのトレッド面は、干渉限界隙間量に近い、隙間を形成することに効果的に貢献できる。このタイヤは隙間を小さくすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ2の一部を示す。このタイヤ2は、乗用車用空気入りタイヤである。
図1は、タイヤ2の回転軸を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面(以下、子午線断面)の一部を示す。図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
図1においてタイヤ2はリムR(正規リム)に組まれている。タイヤ2の内部には空気が充填され、タイヤ2の内圧が調整される。
図1において、軸方向に延びる実線BBLはビードベースラインである。このビードベースラインは、リムRのリム径(JATMA等参照)を規定する線である。
図1において符号PCで示される位置は、タイヤ2の外面2G(具体的には、後述するトレッド面)と赤道面との交点である。交点PCはタイヤ2の赤道である。赤道面上に溝が位置する場合は、溝がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて赤道PCは特定される。赤道PCはタイヤ2の径方向外端である。
図1において符号PWで示される位置はタイヤ2の軸方向外端(以下、外端PW)である。模様や文字等の装飾が外面にある場合、外端PWは、装飾がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて特定される。
正規状態において得られる第一外端PWから第二外端PWまでの軸方向距離がタイヤ2の断面幅(JATMA等参照)である。外端PWは最大幅位置とも称される。最大幅位置とは、タイヤ2が最大幅を示す位置である。正規状態において得られる最大幅は、断面幅に一致する。
図1において符号PTで示される位置はタイヤ2のトゥである。トゥPTは、タイヤ2の外面2Gと内面2Nとの境界である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、一対のチェーファー18、インナーライナー20及び一対の定着層22を備える。
トレッド4は、トレッド面24において路面と接地する。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を有する。トレッド4には溝26が刻まれる。トレッド4は、後述するカーカス12の径方向外側に位置する。
トレッド面24はタイヤ2の外面2Gの一部である。トレッド面24にはサイド面28が連なる。タイヤ2の外面2Gは、トレッド面24と、一対のサイド面28とを備える。トレッド面24は赤道PCを有し、それぞれのサイド面28は最大幅位置PWを有する。
トレッド4は、キャップ部30と、ベース部32とを備える。キャップ部30はトレッド面24を含む。キャップ部30は、耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。ベース部32はキャップ部30の径方向内側に位置する。ベース部32はその全体が、キャップ部30に覆われる。ベース部32は低発熱性の架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6はトレッド4に連なる。サイドウォール6はトレッド4の径方向内側に位置する。サイドウォール6はカーカス12の軸方向外側に位置する。サイドウォール6は、耐カット性を考慮した架橋ゴムからなる。サイドウォール6はサイド面28の一部を構成する。
それぞれのクリンチ8はサイドウォール6の径方向内側に位置する。クリンチ8はリムRと接触する。クリンチ8は耐摩耗性が考慮された架橋ゴムからなる。クリンチ8はサイド部の一部を構成する。
それぞれのビード10はクリンチ8の軸方向内側に位置する。ビード10はサイドウォール6の径方向内側に位置する。
ビード10は、コア34と、エイペックス36とを備える。コア34は周方向にのびる。図示されないが、コア34はスチール製のワイヤーを含む。エイペックス36はコア34の径方向外側に位置する。エイペックス36は径方向外向きに先細りである。エイペックス36は高い剛性を有する架橋ゴムからなる。
カーカス12は、トレッド4、一対のサイドウォール6及び一対のクリンチ8の内側に位置する。カーカス12は、一対のビード10の間、すなわち、第一のビード10と第二のビード10との間を架け渡す。カーカス12は少なくとも1枚のカーカスプライ38を含む。
このタイヤ2のカーカス12は2枚のカーカスプライ38で構成される。図示されないが、それぞれカーカスプライ38は並列された多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードは赤道面と交差する。このタイヤ2のカーカス12はラジアル構造を有する。このタイヤ2では、有機繊維からなるコードがカーカスコードとして用いられる。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
2枚のカーカスプライ38のうち、トレッド4の内側において径方向内側に位置するカーカスプライ38が第一カーカスプライ40である。トレッド4の内側において第一カーカスプライ40の径方向外側に位置するカーカスプライ38が第二カーカスプライ42である。
第一カーカスプライ40は、第一プライ本体40aと、一対の第一折り返し部40bとを含む。第一プライ本体40aは、一対のビード10の間を架け渡す。それぞれの第一折り返し部40bは、第一プライ本体40aに連なりそれぞれのビード10で軸方向内側から外側に向かって折り返される。
第二カーカスプライ42は、第二プライ本体42aと、一対の第二折り返し部42bとを含む。第二プライ本体42aは、一対のビード10の間を架け渡す。それぞれの第二折り返し部42bは、第二プライ本体42aに連なりそれぞれのビード10で軸方向内側から外側に向かって折り返される。
このタイヤ2では、第一折り返し部40bの端は最大幅位置PWの径方向外側に位置する。第二折り返し部42bの端は最大幅位置PWの径方向内側に位置する。第二折り返し部42bの端は径方向においてエイペックス36の外端とコア34との間に位置する。
第二折り返し部42bは第一折り返し部40bの軸方向内側に位置する。第二折り返し部42bの端はエイペックス36と第一折り返し部40bとの間に挟まれる。
ベルト14はトレッド4の径方向内側に位置する。ベルト14はカーカス12に積層される。前述の赤道面は、ベルト14の軸方向幅の中心においてベルト14と交差する。
このタイヤ2では、ベルト14の軸方向幅はタイヤ2の断面幅の85%以上90%以下である。
ベルト14は、第一層44と、第二層46とを備える。第一層44は第二プライ本体42aの径方向外側に位置し、第二プライ本体42aに積層される。第二層46は第一層44の径方向外側に位置し、第一層44に積層される。
図1に示されるように、第二層46の端は第一層44の端の径方向内側に位置する。第二層46は第一層44よりも狭い。第二層46の端から第一層44の端までの長さは3mm以上10mm以下である。前述のベルト14の軸方向幅は、幅広の第一層44の軸方向幅で表される。
図示されないが、第一層44及び第二層46はそれぞれ、並列した多数のベルトコードを含む。これらベルトコードはトッピングゴムで覆われる。それぞれのベルトコードは赤道面に対して傾斜する。ベルトコードの材質はスチールである。
バンド16は、径方向においてカーカス12とトレッド4との間に位置する。バンド16は、トレッド4の内側においてベルト14に積層される。
バンド16の端はベルト14の端の軸方向外側に位置する。ベルト14の端からバンド16の端までの長さは3mm以上7mm以下である。
前述の赤道面は、バンド16の軸方向幅の中心においてバンド16と交差する。バンド16の両端はそれぞれ、赤道面を挟んで相対するように配置される。バンド16は、その第一端と第二端との間を架け渡す。このバンド16はフルバンドである。このタイヤ2では、バンド16の端を覆い、軸方向に離して配置される一対のエッジバンドがさらに設けられてもよい。
図1において符号WBで示される長さがバンド16の軸方向幅である。軸方向幅WBはバンド16の第一端から第二端(図示されず)までの軸方向距離である。
バンド16は、図2に示されたストリップ48を用いて形成される。ストリップ48は並列した複数本のバンドコード50を含む。これらバンドコード50はトッピングゴム52で覆われる。ストリップ48は帯状である。ストリップ48においてバンドコード50は、ストリップ48の長さ方向にのびる。
図2に示されたストリップ48は8本のバンドコード50を含む。ストリップ48に含まれるバンドコード50の本数は8本に限られない。ストリップ48に含まれるバンドコード50の本数は2本以上15本以下の範囲で、タイヤ2の仕様等が考慮され適宜決められる。
バンド16は、ストリップ48をらせん状に巻いて構成される。バンド16はらせん状に巻かれたバンドコード50を含む。バンド16においてバンドコード50は実質的に周方向にのびる。詳細には、バンドコード50が周方向に対してなす角度は、5°以下である。バンド16はジョイントレス構造を有する。
バンド16におけるバンドコード50の密度は、31エンズ/5cm以上49エンズ/5cm以下である。このバンドコード50の密度は、基準切断面において計測される。
図示されないが、バンドコード50は、有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせて構成される。バンドコード50は、有機繊維フィラメントの撚り線であり、有機繊維コードとも称される。有機繊維としては、例えば、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が挙げられる。
本発明においては、単一の有機繊維からなる有機繊維コードが単一有機繊維コードであり、2種類以上の有機繊維を組み合わせて構成される有機繊維コードが複合有機繊維コードである。複合有機繊維コードはハイブリッドコードとも称される。
このタイヤ2のバンド16はセンター部54と一対のサイド部56とを備える。詳細には、バンド16はセンター部54と一対のサイド部56とで構成される。バンド16においてセンター部54は、その軸方向中央部分を構成する。センター部54は赤道面と交差する。それぞれのサイド部56はバンド16のセンター部54の軸方向外側に位置する。サイド部56はバンド16の軸方向外側部分を構成する。
図1において符号CSで示される位置は、センター部54とサイド部56との境界である。境界CSはセンター部54の端であり、サイド部56の内端である。バンド16の端はサイド部56の外端である。図1において符号WSで示される長さはサイド部56の軸方向幅である。軸方向幅WSは、サイド部56の外端から内端までの軸方向距離である。
前述したようにバンド16はバンドコード50を含む。本発明においては、バンド16に含まれるバンドコード50のうち、センター部54に含まれるバンドコード50がセンターバンドコードであり、サイド部56に含まれるバンドコード50がサイドバンドコードである。
このタイヤ2では、センター部54におけるセンターバンドコードの密度と、サイド部56におけるサイドバンドコードの密度とは同じである。後述するが、センターバンドコードと、サイドバンドコードとは、互いに異なる中間伸度を有する有機繊維コードからなる。
それぞれのチェーファー18は、ビード10の径方向内側に位置する。チェーファー18はリムRと接触する。このタイヤ2のチェーファー18は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。
インナーライナー20はカーカス12の内側に位置する。インナーライナー20はタイヤ2の内面2Nを構成する。インナーライナー20は空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー20はタイヤ2の内圧を保持する。
それぞれの定着層22は、軸方向に離して配置される。定着層22はベルト14の軸方向外側に位置する。定着層22の内端はキャップ部30とベース部32との間に位置する。定着層22の外端はサイドウォール6とカーカス12との間に位置する。定着層22は、粘着力が考慮された架橋ゴムからなる。
図3は、タイヤ2の子午線断面を模式的に示す。図3は外面2Gの輪郭線を示す。輪郭線は、溝、模様や文字等の装飾がないと仮定して得られる仮想外面により表される。図3の点線は、装飾の一例としてのリムプロテクターである。
詳述しないが、本発明において外面2Gの輪郭線は、例えば変位センサーを用いて、正規状態のタイヤ2の外面形状を計測することで得られる。
図3において、符号ODXで示される長さはJATMA規格に規定される新品寸法の外径最大値である。軸方向にのびる実線DLは、外径最大値ODXを示す寸法線である。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、新品寸法の外径最大値ODXは749mmである。
図3において、軸方向にのびる直線DBLは、新品寸法の外径最大値ODXより4mm小さい外径を示す、外径基準線である。両矢印dは寸法線DLから外径基準線DBLまでの径方向距離である。本発明において径方向距離dは2.0mmである。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、第一の外径基準線DBLから第二の外径基準線DBL(図示されず)までの径方向距離は745mmである。
外径最大値ODXとして、ETRTO規格に規定される新品寸法の外径最大値が用いられてもよい。
図3において、符号AWXで示される長さはJATMA規格に規定される新品寸法の総幅最大である。径方向にのびる実線WLは、総幅最大AWXを示す寸法線である。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、新品寸法の総幅最大は255mmである。
図3において、径方向にのびる直線WBLは、新品寸法の総幅最大AWXより5mm小さい総幅を示す、総幅基準線である。両矢印wは寸法線WLから総幅基準線WBLまでの軸方向距離である。本発明において軸方向距離wは2.5mmである。タイヤ2の呼びが「235/55R19」である場合、第一の総幅基準線WBLから第二の総幅基準線WBL(図示されず)までの軸方向距離は250mmである。
総幅最大AWXとして、ETRTO規格に規定される新品寸法の総幅最大が用いられてもよい。
このタイヤ2はその全体が、第一の外径基準線DBL及び第二の外径基準線DBL、並びに、第一の総幅基準線WBL及び第二の総幅基準線WBLで囲まれる領域内に収まる。言い換えれば、このタイヤ2は、JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有する。
図3において符号PB1で示される位置は、ビードベースラインと赤道面との交点である。本発明において、この交点PB1が第一基準点である。
図3において実線PCLは、赤道PCを通り軸方向にのびる直線である。実線PWLは、最大幅位置PWを通り径方向にのびる直線である。符号PB2で示される位置は、直線PCLと直線PWLとの交点である。本発明において、この交点PB2が第二基準点である。第一基準点PB1と第二基準点PB2とを結ぶ線分が基準線分であり、図3の符号LBSで示される長さが基準線分の長さである。
図3において符号PBGは、基準線分と外面2Gとの交点である。本発明において、この交点PBGがショルダー基準点である。第一基準点PB1とショルダー基準点PBGとを結ぶ線分がショルダー線分であり、図3の符号LShで示される長さがショルダー線分の長さである。
本発明においては、第一基準点PB1と第二基準点PB2とを通る直線に沿って計測される、タイヤ2の外面2Gからホイールハウス(図示されず)までの距離が、図7に示された、タイヤTと車両BのホイールハウスHとの間に形成される隙間Gである。この隙間Gが22mm未満になると、タイヤ2がホイールハウスと干渉する。言い換えれば、車両における干渉限界隙間量は22mmである。
このタイヤ2では、正規状態において、ショルダー線分の長さLShの、基準線分の長さLBSに対する比率(LSh/LBS)は85.9%以上89.3%以下である。
比率(LSh/LBS)は89.3%以下であるので、このタイヤ2は、ホイールハウスから適度に離して配置される。このタイヤ2では、ホイールハウスと干渉することが防止される。
従来タイヤでは、比率(LSh/LBS)は85.9%未満である。これに対して、このタイヤ2では、比率(LSh/LBS)は85.9%以上であり、従来タイヤに比べて、比率(LSh/LBS)が大きい。このタイヤ2では、干渉限界隙間量に近い、隙間Gが形成される。言い換えれば、このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。隙間Gが小さくなるので、車両とタイヤ2との一体感が高められる。一体感の高まりは、見栄えの向上に貢献できる。
タイヤにおいて比率(LSh/LBS)を増大させることは、トレッド面の輪郭線の修正を伴う。具体的には、ショルダー部分が角張った形状を有するように、トレッド面の輪郭線が修正される。タイヤにおいてトレッド面の輪郭線とカーカスの輪郭線(カーカスラインとも称される。)とは互いに関連付けて設定される。トレッド面の輪郭線の修正は、カーカスの輪郭線の変更を伴う。トレッド面の輪郭線と同じように、カーカスの輪郭線も角張った形状に修正されるので、タイヤをインフレートさせたときに、クラウン部分が飛び出し、ショルダー部分が引き込むように、タイヤは変形する。クラウン部分での外径成長が促されるので、トレッド面の輪郭線が丸みを帯び、見栄え向上効果が十分に得られない恐れがある。
タイヤにおいては、変形と復元とが繰り返される。クラウン部分での外径成長の増大は、トレッド部における変形量の増大を招く。そのため、転がり抵抗が高まる恐れもある。
このタイヤ2では、バンド16の剛性は、バンド16におけるバンドコード50の密度と、バンドコード50の中間伸度との調整によりコントロールされる。
このタイヤ2のバンド16は、これらの調整により、センター部54がサイド部56の剛性よりも高い剛性を有するように構成される。つまり、センター部54はサイド部56の剛性よりも高い剛性を有する。センター部54がクラウン部分Cの外径成長を抑制する。トレッド部における変形量が適切に維持されるので、転がり抵抗の高まりが抑えられる。
このタイヤ2は、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる。
このタイヤ2では、サイド部56の軸方向幅WSの、バンド16の軸方向幅WBに対する比率(WS/WB)は10%以上25%以下であるのが好ましい。
比率(WS/WB)が10%以上に設定されることにより、クラウン部分Cの外径成長が効果的に抑制される。このタイヤ2は、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。この観点から、比率(WS/WB)は15%以上であるのがより好ましい。
比率(WS/WB)が25%以下に設定されることにより、クラウン部分Cの外径成長とショルダー部分Sの外径成長とがバランスよく整えられる。蝶型のような歪な形状で接地形状が構成されることが防止されるので、偏摩耗の発生が抑えられる。この場合においても、トレッド部における変形量が適切に維持される。そのため、転がり抵抗の増加が抑えられる。この観点から、比率(WS/WB)は20%以下であるのがより好ましい。
このタイヤ2では、見栄え向上のために、前述の比率(LSh/LBS)がコントロールされる。前述したように、比率(LSh/LBS)は85.9%以上89.3%以下である。比率(LSh/LBS)が89.3%に近づくほどショルダー部分Sはより角張った形状を有する。
見栄え向上のためにショルダー部分Sを角張った形状で構成すると、トレッド面24のフラット化が促される。トレッド面24のフラット化は、クラウン部分Cの外径成長を助長する。本発明者はこの点について鋭意検討したところ、バンド16のセンター部54とサイド部56との間で剛性差が大きくなると、接地形状が矩形状又は蝶型形状になり、偏摩耗が発生しやすくなること、比率(LSh/LBS)が88.4%を超えると、バンド16全体の剛性を高める必要があることを見出した。
以下に、比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合と、比率(LSh/LBS)が88.4%よりも大きい場合とに分けて、見栄え向上のためのバンド16の剛性コントロールが説明される。
<比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合>
この場合、後述の、比率(LSh/LBS)が88.4%よりも大きい場合に比べて、トレッド面24のフラット化が抑えられる。そのため、この場合では、センターバンドコードとサイドバンドコードとには、ナイロン繊維からなるナイロンフィラメントを撚り合わせて構成され、異なる中間伸度を有するナイロンコードが用いられるのが好ましい。具体的には、センターバンドコード及びサイドバンドコードのそれぞれが単一有機繊維コードであり、単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さいのが好ましい。これにより、クラウン部分Cの外径成長が効果的に抑制される。このタイヤ2は、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。バンド16のセンター部54とサイド部56との間の剛性差を適切に維持できるので、このタイヤ2は偏摩耗の発生を抑制できる。これらの観点から、センターバンドコードの中間伸度の、サイドバンドコードの中間伸度に対する比は、0.60以上であるのが好ましく、0.73以上であるのがより好ましい。この比は、0.98以下であるのが好ましく、0.90以下であるのがより好ましい。
そして、センターバンドコード及びサイドバンドコードのそれぞれが単一有機繊維コードであり、単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さい場合、クラウン部分Cの外径成長を効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度は4.7%以上5.2%以下であるのが好ましい。さらに偏摩耗の発生も効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下であり、サイドバンドコードの中間伸度が6.4%以上7.0%以下であるのがより好ましい。
<比率(LSh/LBS)が88.4%よりも大きい場合>
この場合、前述の、比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合に比べて、トレッド面24のフラット化が促される。そのため、この場合では、センターバンドコードには、ナイロン繊維からなるナイロンフィラメントと、アラミド繊維からなるアラミドフィラメントとを撚り合わせて構成された、ハイブリッドコードが用いられ、サイドバンドコードには、ナイロン繊維からなるナイロンフィラメントを撚り合わせて構成され、ハイブリッドコードの中間伸度よりも低い中間伸度を有するナイロンコードが用いられるのが好ましい。具体的には、センターバンドコードが複合有機繊維コードであり、この複合有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維及びアラミド繊維であり、サイドバンドコードが単一有機繊維コードであり、この単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さいのが好ましい。これにより、全体として、前述の、比率(LSh/LBS)が88.4%以下である場合で示した、バンド16全体の剛性よりも高い剛性を有する、バンド16が構成される。これにより、見栄え向上のために、ショルダー部分Sを角張った形状で構成した結果、フラットなトレッド面24が構成されても、バンド16が、クラウン部分Cの外径成長を効果的に抑制する。このタイヤ2は、転がり抵抗の増加を効果的に抑えながら、見栄えの一層の向上を図ることができる。バンド16のセンター部54とサイド部56との間の剛性差を適切に維持できるので、このタイヤ2は偏摩耗の発生を抑制できる。これらの観点から、センターバンドコードの中間伸度の、サイドバンドコードの中間伸度に対する比は、0.51以上であるのが好ましく、0.71以上であるのがより好ましい。この比は、0.88以下であるのが好ましく、0.82以下であるのがより好ましい。
そして、センターバンドコードが複合有機繊維コードであり、この複合有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維及びアラミド繊維であり、サイドバンドコードが単一有機繊維コードであり、この単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、センターバンドコードの中間伸度がサイドバンドコードの中間伸度よりも小さい場合、クラウン部分Cの外径成長をより効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度は3.3%以上3.7%以下であるのが好ましい。さらに偏摩耗の発生も効果的に抑制できる観点から、センターバンドコードの中間伸度が3.3%以上3.7%以下であり、サイドバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下であるのがより好ましい。
タイヤにおいて比率(LSh/LBS)を増大させることは、トレッド面24の輪郭線の修正を伴う。そのため、ショルダー部分Sの接地圧が高まり、偏摩耗が生じることが懸念される。転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上が達成されたタイヤ2を従来タイヤと変わりなく使用し続けるには、耐偏摩耗性への影響を考慮して、トレッド面24の輪郭線を整える必要がある。
図4は、図3に示された輪郭線の一部を示す。
子午線断面においてトレッド面24の輪郭線は軸方向に並ぶ複数の円弧で構成される。言い換えれば、トレッド面24の輪郭線は軸方向に並ぶ複数の円弧を含む。
複数の円弧のうち、軸方向において中央に位置する円弧がセンター円弧である。図4において符号Rcで示される矢印はセンター円弧の半径である。センター円弧は、赤道PCを通る。センター円弧の中心は赤道面上に位置する。
複数の円弧のうち、軸方向において外側に位置する円弧がショルダー円弧である。図4において符号Rshで示される矢印はショルダー円弧の半径である。ショルダー円弧は、トレッド面24の輪郭線を構成する複数の円弧の中で、最も小さい半径Rshを有する。
このタイヤ2のトレッド面24の輪郭線は、センター円弧とショルダー円弧との間に、2つの円弧を含む。この2つの円弧にうち、センター円弧側に位置する円弧がミドル円弧であり、ショルダー円弧側に位置する円弧がサイド円弧である。図4において符号Rmで示される矢印はミドル円弧の半径であり、符号Rsで示される矢印はサイド円弧の半径である。ミドル円弧の半径Rmはセンター円弧の半径Rcよりも小さい。サイド円弧の半径Rsはミドル円弧の半径Rmよりも小さい。
このタイヤ2では、トレッド面24の輪郭線を構成する複数の円弧は、赤道PCを通る円弧であるセンター円弧と、軸方向において最も外側に位置し、最も小さな半径Rshを有する円弧である一対のショルダー円弧と、センター円弧の隣に位置し、センター円弧の半径Rcよりも小さな半径Rmを有する円弧である一対のミドル円弧と、ミドル円弧とショルダー円弧との間に位置し、ミドル円弧の半径Rmよりも小さな半径Rsを有する一対のサイド円弧とを含む。具体的には、複数の円弧は、センター円弧、一対のミドル円弧、一対のサイド円弧及び一対のショルダー円弧からなる。
図4において符号CMで示される位置はセンター円弧とミドル円弧との境界である。ミドル円弧は、境界CMにおいてセンター円弧と接する。符号MSで示される位置は、ミドル円弧とサイド円弧との境界である。サイド円弧は、境界MSにおいてミドル円弧と接する。符号SHで示される位置は、サイド円弧とショルダー円弧との境界である。ショルダー円弧は、境界SHにおいてサイド円弧と接する。符号HUで示される位置はショルダー円弧とサイド面28の輪郭線との境界である。サイド面28の輪郭線は、境界HUにおいてショルダー円弧と接する。
図4において符号WCMで示される長さは、第一の境界CMから第二の境界CMまでの軸方向距離である。軸方向距離WCMの中心は、赤道面の位置に一致する。符号WMSで示される長さは、第一の境界MSから第二の境界MSまでの軸方向距離である。軸方向距離WSMの中心は、赤道面の位置に一致する。符号WXで示される長さはこのタイヤ2の断面幅である。
このタイヤ2では、軸方向距離WCMの、断面幅WXに対する比率(WCM/WX)は25%以上40%以下であるのが好ましい。軸方向距離WMSの、断面幅WXに対する比率(WMS/WX)は45%以上60%以下であるのが好ましい。
図4において直線LSHは、境界SHでショルダー円弧と接する接線である。直線LHUは、境界HUでショルダー円弧と接する接線である。符号PEは、接線LSHと接線LHUとの交点である。本発明においては、この交点PEがトレッド4の基準端である。符号WTで示される長さは、第一の基準端PEから第二の基準端PEまでの軸方向距離である。本発明においては、軸方向距離WTがトレッド4の幅である。
このタイヤ2では、センター円弧の半径Rcの、ミドル円弧の半径Rmに対する比(Rc/Rm)は1.85以上2.00以下であるのが好ましい。
比(Rc/Rm)が1.85以上に設定されることにより、センター円弧の半径Rcと、ミドル円弧の隣に位置するサイド円弧の半径Rsとの差を小さく抑えることができる。ショルダー部分Sの滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が得られる。この観点から、比(Rc/Rm)は1.90以上であるのがより好ましい。
比(Rc/Rm)が2.00以下に設定されることにより、サイド円弧をより大きな半径Rsを有する円弧で構成できる。トレッド面24をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤ2のトレッド面24は、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できる。このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。この観点から、比(Rc/Rm)は1.95以下であるのがより好ましい。
このタイヤ2では、ミドル円弧の半径Rmの、サイド円弧の半径Rsに対する比(Rm/Rs)は2.08以上2.74以下であるのが好ましい。
比(Rm/Rs)が2.08以上に設定されることにより、ホイールハウスとの干渉を考慮しつつ、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できるトレッド面24が構成される。このタイヤ2は車両との一体感を効果的に高めることができる。この観点から、比(Rm/Rs)は2.30以上であるのがより好ましい。
比(Rm/Rs)が2.74以下に接地されることにより、ミドル円弧の隣に位置するセンター円弧の半径Rcと、サイド円弧の半径Rsとの差を小さく抑えることができる。ショルダー部分Sの滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。このタイヤ2では、良好な耐偏摩耗性が得られる。この観点から、比(Rm/Rs)は2.50以下であるのがより好ましい。
このタイヤ2では、トレッド4の幅WTの、断面幅WXに対する比率(WT/WX)は、87%以上92%以下であるのが好ましい。
比率(WT/WX)が87%以上に設定されることにより、適度な大きさを有する接地面が形成される。局所的な接地圧の高まりが抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WT/WX)は88%以上がより好ましい。
比率(WT/WX)が92%以下に設定されることにより、ショルダー部分Sの滑りが効果的に抑えられる。この場合においても、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WT/WX)は91%以下がより好ましい。
このタイヤ2では、センター円弧の半径Rcの、トレッド4の幅WTに対する比(Rc/WT)は3.90以上4.30以下が好ましい。
比(Rc/WT)が3.90以上に設定されることにより、トレッド面24をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤ2のトレッド面24は、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できる。このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。この観点から、比(Rc/WT)は3.95以上がより好ましく、4.00以上がさらに好ましい。
比(Rc/WT)が4.30以下に設定されることにより、タイヤ2がホイールハウスと干渉することが抑えられる。ショルダー部分Sの滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比(Rc/WT)は4.25以下がより好ましく、4.20以下がより好ましい。
このタイヤ2では、サイド面28の輪郭線のうち、境界HUと最大幅位置PWとの間の部分は円弧で表される。サイド面28の輪郭線は、ショルダー円弧に連なり最大幅位置PWを通る円弧である上部円弧を含む。図4において符号Ruで示される矢印は上部円弧半径である。上部円弧の中心は、最大幅位置PWを通り軸方向にのびる直線LW上に位置する。
このタイヤ2では、上部円弧の半径Ruの、トレッド4の幅WTに対する比(Ru/WT)は0.22以上0.28以下が好ましい。
比(Ru/WT)が0.22以上に設定されることにより、トレッド面24をより平坦な面に近づけることができる。このタイヤ2のトレッド面24は、干渉限界隙間量に近い、隙間Gを形成することに効果的に貢献できる。このタイヤ2は隙間Gを小さくすることができる。この観点から、比(Ru/WT)は0.23以上がより好ましく、0.24以上がさらに好ましい。
比(Ru/WT)が0.28以下に設定されることにより、タイヤ2がホイールハウスと干渉することが抑えられる。ショルダー部分Sの滑りが効果的に抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比(Rc/WT)は0.27以下がより好ましく、0.26以下がより好ましい。
図5は、このタイヤ2の接地面形状を示す。図5において、左右方向はタイヤ2の軸方向に対応する。上下方向は、タイヤ2の周方向に対応する。
前述したように、トレッド4には溝26が刻まれる。溝26は周方向にのびる溝(以下周方向溝58)を含む。このタイヤ2では、4本の周方向溝58がトレッド4に刻まれ、5本の陸部60が構成される。図5に示された接地面形状には、5本の陸部60の輪郭が含まれる。
4本の周方向溝58のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝58sがショルダー周方向溝である。ショルダー周方向溝58sの軸方向内側に位置する周方向溝58mがミドル周方向溝である。
接地面は、タイヤ接地面形状測定装置(図示されず)を用いて、正規状態のタイヤ2に正規荷重の70%の荷重を付与して、このタイヤ2を平面に接触させることにより得られる。接地面に含まれる各陸部60の輪郭をトレースすることで、図5に示された接地面形状が得られる。接地面を得るにあたってタイヤ2は、その軸方向が路面に対して平行となるように配置され、このタイヤ2には、路面に対して垂直な向きに前述の荷重がかけられる。
図5において符号GEで示される位置は接地面の軸方向外端(接地端とも称される。)である。符号WCで示される長さは、接地面の第一の軸方向外端GEから第二の軸方向外端GEまでの軸方向距離である。本発明においては、この軸方向距離WCが、正規状態のタイヤ2に正規荷重の70%の荷重を付与して、タイヤ2を平面に接触させて得られる、タイヤ2の接地面の接地幅である。
このタイヤ2では、接地幅WCの、このタイヤ2の断面幅WXに対する比率(WC/WX)は74%以上84%以下であるのが好ましい。
比率(WC/WX)が74%以上に設定されることにより、適度な大きさを有する接地面が形成される。局所的な接地圧の高まりが抑えられるので、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WC/WX)は79%以上がより好ましい。
比率(WC/WX)が84%以下に設定されることにより、ショルダー部Sの滑りが効果的に抑えられる。この場合においても、偏摩耗の発生が抑制される。この観点から、比率(WC/WX)は81%以下がより好ましい。
図5において、一点鎖線LPは、接地面における、タイヤ2の赤道PCに対応する直線である。接地面において赤道PCの特定が困難な場合は、接地幅WCの軸方向中心線がこの赤道PCに対応する直線として用いられる。両矢印P100は、直線LPを含む平面と接地面との交線の長さである。このタイヤ2では、この交線の長さP100が、接地面において、赤道PCに沿って計測される赤道接地長である。
図5において、実線LEは、接地面の軸方向外端GEを通り、直線LPに平行な直線である。実線L80は、直線LEと直線LPとの間に位置し、直線LE及び直線LPに平行な直線である。両矢印A100は、直線LPから直線LEまでの軸方向距離を表す。この距離A100は接地幅WCの半分に相当する。両矢印A80は、直線LPから直線L80までの軸方向距離を表す。この図5においては、距離A80の、距離A100に対する比率は80%に設定される。つまり、直線L80は、接地面の接地幅WCの80%の幅に相当する位置を表す。両矢印P80は、直線L80を含む平面と接地面との交線の長さである。このタイヤ2では、この交線の長さP80が、接地面において、接地幅の80%の幅に相当する位置における基準接地長である。
このタイヤ2では、図5に示された接地面において、赤道接地長P100及び基準接地長P80を特定し、赤道接地長P100の、基準接地長P80に対する比(P100/P80)で表される形状指数Fが得られる。
このタイヤ2では、形状指数Fは1.05以上1.35以下であるのが好ましい。
形状指数Fが1.05以上に設定されることにより、ショルダー部分Sの滑りが効果的に抑えられ、偏摩耗の発生が抑制される。
形状指数Fが1.35以下に設定されることにより、適度な大きさを有する接地面が形成される。局所的な接地圧の高まりが抑制されるので、この場合においても、偏摩耗の発生が抑制される。
バンド16の剛性は、センター部54とサイド部56との境界CSよりも内側で高く、この境界CSよりも外側で低い。トレッド部において周方向溝の部分は、その他の部分の剛性に比べて低い剛性を有する。そのため、周方向溝58の径方向内側に境界CSが位置する場合、タイヤ2をインフレートさせたとき、クラウン部分Cが飛び出しショルダー部分Sが大きく引き込まれる恐れがある。
しかしこのタイヤ2では、図1に示されるように、バンド16のセンター部54とサイド部56との境界CSはショルダー周方向溝58sの軸方向外側に位置する。ショルダー周方向溝58sの径方向内側に境界CSは位置しない。そのため、バンド16がクラウン部分Cの外径成長の抑制に効果的に貢献できる。このタイヤ2では、周方向溝58の径方向内側に境界CSが位置しないのであれば、この境界CSが、ショルダー周方向溝58sの軸方向内側に配置されてもよい。しかし、ショルダー部分Sを角張った形状で構成でき、見栄えの一層の向上を図ることができる観点から、境界CSはショルダー周方向溝58sの軸方向外側に位置するのが好ましい。バンド16がクラウン部分Cの外径成長をより効果的に抑制できる観点から、境界CSは、図4に示された、ミドル円弧とサイド円弧との境界MSの軸方向外側に位置し、サイド円弧とショルダー円弧との境界SHの軸方向内側に位置するのがより好ましい。言い換えれば、境界CSは軸方向において境界MSと境界SHとの間に位置するのがより好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上を達成できる、タイヤが得られる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備えた乗用車用の空気入りタイヤ(タイヤサイズ=235/55R19)を得た。
ショルダー線分の長さLShの、基準線分の長さLBSに対する比率(LSh/LBS)、サイド部の軸方向幅WSの、バンドの軸方向幅WBに対する比率(WS/WB)は下記の表1に示された通りである。
センターバンドコードには、ナイロン繊維からなる単一有機繊維コードを用いた。このことが表1のタイプの欄に[N}で表されている。センターバンドコードの中間伸度は、4.9%であった。
サイドバンドコードには、ナイロン繊維からなる単一有機繊維コードを用いた。サイドバンドコードの中間伸度は、6.7%であった。
センター部におけるセンターバンドコードの密度と、サイド部におけるサイドバンドコードの密度は同じ密度で設定された。
[比較例1]
比較例1のバンドは従来のバンドである。このバンドは、ナイロン繊維からなる単一有機繊維コード(中間伸度=4.9%)を含むストリップをらせん状に巻いて構成された。このバンドは単一の要素からなり、実施例1のようにセンター部及びサイド部は構成されていない。このバンドにおけるバンドコードの密度は、実施例1のバンドにおけるバンドコードの密度と同じ密度で設定された。
比較例1の比率(LSh/LBS)は85.4%であった。
[比較例2]
センターバンドコードに、ナイロン繊維からなる単一有機繊維コード(中間伸度=6.7%)を用い、サイドバンドコードに、ナイロン繊維からなる単一有機繊維コード(中間伸度=4.9%)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
比較例2の比率(LSh/LBS)は90.0%であった。
[実施例2]
センターバンドコードに、ナイロン繊維及びアラミド繊維からなる複合有機繊維コード(中間伸度=3.5%)を用い、サイドバンドコードに、ナイロン繊維からなる単一有機繊維コード(中間伸度=4.9%)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例2のタイヤを得た。
実施例2の比率(LSh/LBS)は89.3%であった。
[見栄え]
試作タイヤをリム(サイズ=19×7.5J)に組み、空気を充填して内圧を250kPaとした。このタイヤを試験車両に装着した。ドライバーが1名乗車し、車両を静止した状態で、隙間量G(図7参照)を測定し、干渉限界隙間量に対する比を算出した。その結果が指数で下記の表1に示されている。100に近いほど見栄えに優れる。指数が100よりも小さい場合は、隙間が小さくホイールハウスと干渉しやすいことを表し、100よりも大きい場合は隙間が大きく見栄えに不利であることを表す。
[耐偏摩耗性]
試作タイヤをリム(サイズ=19×7.5J)に組み、空気を充填して内圧を250kPaに調整した。このタイヤを摩耗エネルギー測定装置に装着した。キャンバー角を0°、スリップ角を0°に設定して、タイヤの摩耗エネルギーを測定した。赤道面における摩耗エネルギーEcと、接地端における摩耗エネルギーEsとから、耐偏摩耗性の指標としての比(Ec/Es)を求めた。その結果が比較例1を100とした指数で下記の表1に示されている。数値が大きいほど耐偏摩耗性に優れる。
[転がり抵抗]
転がり抵抗試験機を用い、試作タイヤが下記の条件でドラム上を速度80km/hで走行するときの転がり抵抗係数(RRC)を測定した。その結果が比較例1を100とした指数で下記表1の「RRC」の欄に示されている。数値が大きいほどタイヤの転がり抵抗は低い。
リム:19×7.5J
内圧:210kPa
縦荷重:6.47kN
表1に示されているように、実施例では、転がり抵抗の増加を抑えながら、見栄えの向上が達成されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された、見栄えの向上のための技術は種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
2G・・・タイヤ2の外面
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・ビード
12・・・カーカス
16・・・バンド
24・・・トレッド面
28・・・サイド面
50・・・バンドコード
54・・・センター部
56・・・サイド部

Claims (7)

  1. JATMA規格又はETRTO規格に規定される、新品寸法の外径最大値から4mm引いた値よりも小さい外径を有し、前記新品寸法の総幅最大から5mm引いた値よりも小さい総幅を有するタイヤであって、
    一対のビードと、一対の前記ビードの間を架け渡すカーカスと、前記カーカスの径方向外側に位置するトレッドと、前記カーカスと前記トレッドとの間に位置するバンドとを備え、
    前記トレッドが路面と接地するトレッド面を有し、
    前記バンドが実質的に周方向にのびるバンドコードを含み、
    前記タイヤの外面が、前記トレッド面と、前記トレッド面に連なる一対のサイド面とを備え、
    前記トレッド面が、赤道面との交点である赤道を有し、
    それぞれの前記サイド面が、前記タイヤが最大幅を示す最大幅位置を有し、
    前記タイヤの子午線断面において、
    ビードベースラインと前記赤道面との交点が第一基準点であり、
    前記赤道を通り軸方向にのびる直線と、前記最大幅位置を通り径方向にのびる直線との交点が第二基準点であり、
    前記第一基準点と前記第二基準点とを結ぶ線分が基準線分であり、
    前記基準線分と前記タイヤの外面との交点がショルダー基準点であり、
    前記第一基準点と前記ショルダー基準点とを結ぶ線分がショルダー線分であり、
    前記タイヤを正規リムに組み、前記タイヤの内圧を正規内圧に調整し、前記タイヤに荷重をかけていない、正規状態において、
    前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が85.9%以上89.3%以下であり、
    前記バンドが、前記赤道面と交差するセンター部と、前記センター部の軸方向外側に位置する一対のサイド部とを備え、
    前記センター部が前記サイド部の剛性よりも高い剛性を有する、
    タイヤ。
  2. 前記サイド部の軸方向幅の、前記バンドの軸方向幅に対する比率が10%以上25%以下である、
    請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が88.4%以下であり、
    前記バンドに含まれるバンドコードのうち、前記センター部に含まれるバンドコードがセンターバンドコードであり、前記サイド部に含まれるバンドコードがサイドバンドコードであり、
    前記センターバンドコード及び前記サイドバンドコードのそれぞれが単一有機繊維コードであり、前記単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、
    前記センターバンドコードの中間伸度が前記サイドバンドコードの中間伸度よりも小さい、
    請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記センターバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下であり、
    前記サイドバンドコードの中間伸度が6.4%以上7.0%以下である、
    請求項3に記載のタイヤ。
  5. 前記ショルダー線分の長さの、前記基準線分の長さに対する比率が88.4%よりも大きく、
    前記バンドに含まれるバンドコードのうち、前記センター部に含まれるバンドコードがセンターバンドコードであり、前記サイド部に含まれるバンドコードがサイドバンドコードであり、
    前記センターバンドコードが複合有機繊維コードであり、前記複合有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維及びアラミド繊維であり、
    前記サイドバンドコードが単一有機繊維コードであり、前記単一有機繊維コードの有機繊維がナイロン繊維であり、
    前記センターバンドコードの中間伸度が前記サイドバンドコードの中間伸度よりも小さい、
    請求項1又は2に記載のタイヤ。
  6. 前記センターバンドコードの中間伸度が3.3%以上3.7%以下であり、
    前記サイドバンドコードの中間伸度が4.7%以上5.2%以下である、
    請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記トレッド面の輪郭線が軸方向に並ぶ複数の円弧を含み、
    前記複数の円弧が、前記赤道を通る円弧であるセンター円弧と、軸方向において最も外側に位置し、最も小さな半径を有する円弧である一対のショルダー円弧と、前記センター円弧の隣に位置し、前記センター円弧の半径よりも小さな半径を有する円弧である一対のミドル円弧と、前記ミドル円弧と前記ショルダー円弧との間に位置し、前記ミドル円弧の半径よりも小さな半径を有する一対のサイド円弧とを含み、
    前記センター円弧の半径の、前記ミドル円弧の半径に対する比が、1.85以上2.00以下である、
    請求項1又は2に記載のタイヤ。
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