JP2004195767A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性に優れ、しかもシャウカステンでの見易さに優れた感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】透明支持体の一方の面に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層、並びにポリビニルアルコールなどの水性樹脂を含有する保護層を順次有する感熱記録体において、保護層面側の、スリット幅2mmにおける像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)を70〜100%とし、かつ感熱記録体のヘイズ値を50%以下にするものである。特に、保護層面側のスリット幅0.5mmにおける像鮮明度Bが像鮮明度Aの0.2〜0.9倍となるようにするものである。
【選択図】なし
【解決手段】透明支持体の一方の面に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層、並びにポリビニルアルコールなどの水性樹脂を含有する保護層を順次有する感熱記録体において、保護層面側の、スリット幅2mmにおける像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)を70〜100%とし、かつ感熱記録体のヘイズ値を50%以下にするものである。特に、保護層面側のスリット幅0.5mmにおける像鮮明度Bが像鮮明度Aの0.2〜0.9倍となるようにするものである。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明プラスティックフイルムなどからなる透明支持体の片面上に、ロイコ染料、呈色剤および接着剤とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録体を記録媒体として用いた記録装置はコンパクトで、しかも安価であり、かつ保守が容易であるため、超音波診断装置、X線診断装置、NMR診断装置などの医療画像用プリンターの出力媒体として広く使用されている。
【0003】
緻密な記録画像が記録される医療画像用の感熱記録体は、シャウカステンを用いて記録画像を観察するために、高い透明性と記録階調性、並びに見易さと、目に負担の少ないものが要望されている。
【0004】
シャウカステンでの見易さを高めるために、支持体に青色の透明フイルム用いた感熱記録体は公知であり、また感熱記録体の感熱記録層側の写像性(即ち、像鮮明度)を高めることにより、記録画質に優れた感熱記録体が得られることは、下記の特許文献1乃至2に記載され、またヘイズ値が30%以下の感熱記録体は下記の特許文献3に記載されているが、記録後の感熱記録体をシャウカステンで観察する際、観る角度によっては観察され難い場合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−11430号公報(段落番号0007、表1)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−234257号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開平11−115311号公報(表1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、透明性に優れ、しかもシャウカステンでの見易さに優れた感熱記録体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
透明支持体の一方の面に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層、並びに水性樹脂を含有する保護層を順次有する感熱記録体において、保護層面側の、スリット幅2mmにおける像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)を70〜100%となるようにし、かつ感熱記録体のヘイズ値を50%以下にするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、感熱記録体は、保護層面側の、スリット幅2mmでの反射法による像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)が70〜100%で、ヘイズ値が50%以下であることを特徴とし、像鮮明度Aが70%未満で、ヘイズ値が50%を越えると、記録後、シャウカステンにより記録画像部が鮮明に観察できない恐れがあり、また像鮮明度Aが100%になると、観る角度によっては光沢が強くて、観察し難い恐れがあり、80〜95%程度がより好ましい。
【0010】
特に、スリット幅0.5mmにおける像鮮明度Bを像鮮明度Aの0.2〜0.9倍、より好ましくは0.3〜0.9倍程度にすることにより、シャウカンテン適性に優れた効果が得られる。
【0011】
保護層面側の像鮮明度Aを70〜100%とするには、例えば感熱記録層面が形成される透明支持体表面、感熱記録層表面および保護層表面の光波干渉式顕微鏡(JIS B 0651-1973に準ずる)により測定された自乗平均平方根粗さ(JIS B 0601-1982に基づく)が、0.05〜1.5μm程度となるように形成することにより得られる。
【0012】
特に、保護層としてはサーマルヘッドにより80mJ/mm2の高エネルギーで保護層側から記録された記録部上の保護層面の像鮮明度C(JIS K 7105-1981に基づく)は65〜100%が好ましい。かかる保護層は、例えば保護層の水分を2%以下にしたり、保護層中の水性樹脂に対する架橋剤を水性接着剤に対して1〜20重量%程度添加して耐熱性を高めるなどの方法がある。特に、保護層の厚さを1.0〜4.0μm程度にするのが好ましい。
【0013】
さらに、像鮮明度Bを像鮮明度Aの0.2〜0.9倍とするための手段としては、例えば感熱記録層および保護層を形成するための各塗液の粘度、脱泡方法、塗布方法、塗布後の乾燥条件など設定することにより得られる。
【0014】
塗液の粘度としては、5〜100×10−2Pa・s程度が好ましく、各塗液を塗布する直前に脱泡処理し、乾燥の際の送風は、塗布面に波紋がでないようにするのが好ましい。
【0015】
透明支持体表面の自乗平均平方根粗さが0.05μm未満になると、感熱記録層が均一に形成できない恐れがあり、また1.5μmを越えると保護層側の像鮮明度と光沢性が低下して、記録画質が不鮮明になる恐れがあり、特に0.08〜0.8μm程度が好ましい。
【0016】
かかる透明支持体としては、例えば二軸延伸された市販品で、厚さが30〜250μm、ヘイズ値が10%以下のポリエチレン(PE)フイルム、ポリプロピレン(PP)フイルム、ポリスチレン(PS)フイルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムなどの樹脂フィルムなどが挙げられる。かかる透明支持体は、青色系に着色されていてもよい。
【0017】
感熱記録層表面および保護層表面の光波干渉式顕微鏡(JIS B 0651-1973に準ずる)により測定された自乗平均平方根粗さ(JIS B 0601-1982に基づく)が、0.05〜1.5μm程度となるようするには、例えば感熱記録層においては二次粒子を含む平均粒径が2μm以下のロイコ染料および呈色剤を用いたり、保護層においては二次粒子を含む平均粒径が2μm以下の顔料を用いたり、さらに各層を形成するための水性塗液を十分に脱泡、脱気するなどして形成される。
【0018】
本発明で使用されるロイコ染料および呈色剤としては、例えば各種公知のものを使用することができる。ロイコ染料としては、例えば3,3−ビス(p−メチルアミノフエニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオランなどの青発色性ロイコ染料、
【0019】
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランなどの赤発色性ロイコ染料、
【0020】
3−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどの黒発色性ロイコ染料、
【0021】
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリドなどの近赤外領域にも強い吸収波長を有する近赤外吸収性ロイコ染料などが挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また二種以上を併用することもできる。
【0022】
呈色剤の具体例としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンなどのフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレアなどの分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物などが挙げられる。
【0023】
かかるロイコ染料は、ロイコ染料のみからなる粒子の形態で用いたり、マイクロカプセル中に内包させた形態、あるいはアクリル、スチレン、ウレア、ウレタン樹脂との複合粒子の形態で用いることができるが、複合粒子の形態で用いることにより、ヘイズ値が40%以下の感熱記録体が容易に得られ、好ましい。かかる複合粒子の平均粒径としては0.3〜2.0μm程度が好ましい。
【0024】
感熱記録層中のロイコ染料と呈色剤の使用比率は用いられるロイコ染料、呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に限定するものではないが、一般に無色ないしは淡色のロイコ染料1質量部に対して1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の呈色剤が使用される。
【0025】
さらに、感熱記録層には記録感度を高めるために増感剤、および記録部の保存性を高めるために保存性改良剤を含有させることもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1、2−ジフェノキシエタン、パラベンジルビフェニル、ナフチルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステルなどの熱感度向上剤(増感剤)などが挙げられる。
【0026】
保存性改良剤の具体例としては、例えば4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(5−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などのヒンダードフェノール類;4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−グリシジルオキシ)ジフェニルスルフォンなどのジフェニルスルフォン誘導体;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤が挙げられる。
【0027】
感熱記録層は、例えば水を媒体とし、平均粒径が0.3〜2.0μmのポリウレア−ポリウレタン樹脂とロイコ染料との複合粒子、呈色剤分散液、接着剤、および必要により下記の顔料類、架橋剤類、滑剤類、ワックス類、界面活性剤類を混合攪拌して得られた感熱記録層用塗液を透明支持体上に乾燥後の塗布量が5〜35g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0028】
感熱記録層用塗液中に含有される接着剤としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着剤、およびスチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックスなどのラテックスが挙げられる。なお、接着剤の使用比率としては、感熱記録層に対して10〜45質量%が好ましい。
【0029】
感熱記録層中の助剤としては、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、スチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラーなどの顔料類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの滑剤類、パラフィン、ポリエチレンワッシク、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックスなどのワッスク類、ホウ砂、ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、ポリアミドエピクロヒドリン樹脂などの架橋剤類、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエチレンオキシドなどの界面活性剤類などがある。
【0030】
保護層に用いる水性樹脂としてしは、成膜性を有するものが好ましく、例えば完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性樹脂、およびスチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックスなどのラテックスから得られる疎水性樹脂が挙げられる。なお、水性樹脂の使用比率としては、保護層層に対して30〜95質量%が好ましい。
【0031】
なかでも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコールおよびケイ素変性ポリビニルアルコールのから選ばれる少なくとも一種からなる特定のポリビニルアルコールが好ましく、かかる特定のポリビニルアルコールとウレタン系ラテックスから得られる樹脂との併用が特に好ましい。
【0032】
ウレタン系ラテックスから得られる樹脂としては、例えば軟化点が80℃以上ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、脂肪族系ポリウレタン樹脂などがある。
【0033】
なお、特定のポリビニルアルコールとウレタン系ラテックスから得られる樹脂との使用割合については特に限定するものではないが、特定のポリビルアルコール100質量部に対して20〜500質量部、特に50〜300質量部のウレタン系ラテックスから得られる樹脂を使用するのが望ましい。
【0034】
保護層は、水性樹脂、および必要により上記の感熱記録層中の顔料類、架橋剤類、滑剤類、ワックス類、界面活性剤類などの助剤とを混合攪拌して得られた保護層用塗液を感熱記録層上に乾燥後の塗布量が1〜5g/m2程度塗布乾燥して形成される。
【0035】
各層を形成するための各塗液は、例えばカーテンコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、スライドダイコーター、バーコーターなどの各種公知のコーターにより塗布される。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量%をあらわす。
【0037】
〔実施例1〕
・ロイコ染料含有の複合粒子分散液(A液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン12部、3−ジエチルアミノ−6、8−ジメチルフルオラン5部および3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフクリド3部と、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン5部とを、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールW)11部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、TMXDI)11部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバールPVA−217EE)8.8部と界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(日信化学社製、オルフィンE1010)0.5部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物(シェル・インターナショナル・ペトロリウム社製、エピキュアT)2.5部を水22.5部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行ない、平均粒子径0.8μm(レーザー光回折法による)の、黒発色性の複合粒子分散液を調製した。まお、黒発色性の複合粒子分散液の固形分濃度が20%となるように水で調整した。
【0038】
・B液調製
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン20部、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン20部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−203)の25%水溶液20部、天然油脂系消泡剤の2%エマルジョン5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の5%水溶液10部、及び水39部からなる組成物を横型サンドミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミル UVX−2)を用いて、平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してB液を得た。
【0039】
・感熱記録層用塗液の調製
A液200部、B液56部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−235)の7%水溶液20部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(日本エイアンドエル社製、固形分48%、スマーテックスPA9281)40部、紫外線吸収剤ポリマー(新中村化学社製、固形分40%、NKポリマー PUVA−400)10部、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液8部、及び水30部からなる組成物を攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0040】
・保護層用塗液の調製
ウレタン系ラテックス(大日本インキ化学工業社製、ハイドランAP−30F、固形濃度20%)100部、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液400部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(松本油脂製薬社製、ウーポール1800、固形濃度35%)10部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(セイミケミカル社製、サーフロンS−145)の10%水溶液および水100部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
【0041】
・感熱記録体の作製
175μmの青色透明ポリエチレンテレフタレートフイルム(帝人デュポンフイルム社製、メリネックス914)の一方の面に、塗工直前に脱泡機により脱泡処理された感熱記録層用塗液と保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ25g/m2、4g/m2となるように順次塗布乾燥して感熱記録層及び保護層とを設け、感熱記録体を得た。
【0042】
〔実施例2〕
実施例1の保護層用塗液の調製において、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部の代わりに、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液300部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0043】
〔比較例1〕
実施例1の保護層用塗液の調製において、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部の代わりにカオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー50部、平均粒子径0.5μmの炭酸カルシウムの50%スラリー60部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】
〔比較例2〕
実施例1の感熱記録体の作製において、塗工直前に感熱記録層用塗液と保護層用塗液を脱泡機により脱泡処理しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】
かくして得られた各感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に示した。
【0046】
〔像鮮明度〕
写像性試験機(商品名:ICM−1DP、スガ試験機株式会社製)を用いてスリット幅2mmと0.5mmで、反射法により、像鮮明度A、B(JIS K 7105-1981に基づく)を測定した。
また、サーマルヘッドにより80mJ/mm2のエネルギーで記録された記録部の像鮮明度C(スリット幅2mm)を測定した。
【0047】
〔シャウカステン適性〕
得られた感熱記録体をプリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)の内蔵パターンでハーフトーン記録を行い、シャウカステンを用いて記録画質を目視判定した。
◎:画像が非常に鮮明に観られる。
○:画像が鮮明に観られるが、やや光沢が強く、少し観察し難い。
×:画像が少し不鮮明である。
【0048】
ヘイズ値
得られた感熱記録体のヘイズ値をヘイズメーター(TC−H IV型、東京電色社製)にて測定した。処理後の値が小さいほど、透明性に優れている。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
表1に示されているように、本発明の感熱記録体は透明性に優れ、しかもシャウカステンでの見易さに優れた感熱記録体を提供することにある効果を有するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明プラスティックフイルムなどからなる透明支持体の片面上に、ロイコ染料、呈色剤および接着剤とを含有する感熱記録層を設けた感熱記録体を記録媒体として用いた記録装置はコンパクトで、しかも安価であり、かつ保守が容易であるため、超音波診断装置、X線診断装置、NMR診断装置などの医療画像用プリンターの出力媒体として広く使用されている。
【0003】
緻密な記録画像が記録される医療画像用の感熱記録体は、シャウカステンを用いて記録画像を観察するために、高い透明性と記録階調性、並びに見易さと、目に負担の少ないものが要望されている。
【0004】
シャウカステンでの見易さを高めるために、支持体に青色の透明フイルム用いた感熱記録体は公知であり、また感熱記録体の感熱記録層側の写像性(即ち、像鮮明度)を高めることにより、記録画質に優れた感熱記録体が得られることは、下記の特許文献1乃至2に記載され、またヘイズ値が30%以下の感熱記録体は下記の特許文献3に記載されているが、記録後の感熱記録体をシャウカステンで観察する際、観る角度によっては観察され難い場合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−11430号公報(段落番号0007、表1)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−234257号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開平11−115311号公報(表1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、透明性に優れ、しかもシャウカステンでの見易さに優れた感熱記録体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
透明支持体の一方の面に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層、並びに水性樹脂を含有する保護層を順次有する感熱記録体において、保護層面側の、スリット幅2mmにおける像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)を70〜100%となるようにし、かつ感熱記録体のヘイズ値を50%以下にするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、感熱記録体は、保護層面側の、スリット幅2mmでの反射法による像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)が70〜100%で、ヘイズ値が50%以下であることを特徴とし、像鮮明度Aが70%未満で、ヘイズ値が50%を越えると、記録後、シャウカステンにより記録画像部が鮮明に観察できない恐れがあり、また像鮮明度Aが100%になると、観る角度によっては光沢が強くて、観察し難い恐れがあり、80〜95%程度がより好ましい。
【0010】
特に、スリット幅0.5mmにおける像鮮明度Bを像鮮明度Aの0.2〜0.9倍、より好ましくは0.3〜0.9倍程度にすることにより、シャウカンテン適性に優れた効果が得られる。
【0011】
保護層面側の像鮮明度Aを70〜100%とするには、例えば感熱記録層面が形成される透明支持体表面、感熱記録層表面および保護層表面の光波干渉式顕微鏡(JIS B 0651-1973に準ずる)により測定された自乗平均平方根粗さ(JIS B 0601-1982に基づく)が、0.05〜1.5μm程度となるように形成することにより得られる。
【0012】
特に、保護層としてはサーマルヘッドにより80mJ/mm2の高エネルギーで保護層側から記録された記録部上の保護層面の像鮮明度C(JIS K 7105-1981に基づく)は65〜100%が好ましい。かかる保護層は、例えば保護層の水分を2%以下にしたり、保護層中の水性樹脂に対する架橋剤を水性接着剤に対して1〜20重量%程度添加して耐熱性を高めるなどの方法がある。特に、保護層の厚さを1.0〜4.0μm程度にするのが好ましい。
【0013】
さらに、像鮮明度Bを像鮮明度Aの0.2〜0.9倍とするための手段としては、例えば感熱記録層および保護層を形成するための各塗液の粘度、脱泡方法、塗布方法、塗布後の乾燥条件など設定することにより得られる。
【0014】
塗液の粘度としては、5〜100×10−2Pa・s程度が好ましく、各塗液を塗布する直前に脱泡処理し、乾燥の際の送風は、塗布面に波紋がでないようにするのが好ましい。
【0015】
透明支持体表面の自乗平均平方根粗さが0.05μm未満になると、感熱記録層が均一に形成できない恐れがあり、また1.5μmを越えると保護層側の像鮮明度と光沢性が低下して、記録画質が不鮮明になる恐れがあり、特に0.08〜0.8μm程度が好ましい。
【0016】
かかる透明支持体としては、例えば二軸延伸された市販品で、厚さが30〜250μm、ヘイズ値が10%以下のポリエチレン(PE)フイルム、ポリプロピレン(PP)フイルム、ポリスチレン(PS)フイルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムなどの樹脂フィルムなどが挙げられる。かかる透明支持体は、青色系に着色されていてもよい。
【0017】
感熱記録層表面および保護層表面の光波干渉式顕微鏡(JIS B 0651-1973に準ずる)により測定された自乗平均平方根粗さ(JIS B 0601-1982に基づく)が、0.05〜1.5μm程度となるようするには、例えば感熱記録層においては二次粒子を含む平均粒径が2μm以下のロイコ染料および呈色剤を用いたり、保護層においては二次粒子を含む平均粒径が2μm以下の顔料を用いたり、さらに各層を形成するための水性塗液を十分に脱泡、脱気するなどして形成される。
【0018】
本発明で使用されるロイコ染料および呈色剤としては、例えば各種公知のものを使用することができる。ロイコ染料としては、例えば3,3−ビス(p−メチルアミノフエニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオランなどの青発色性ロイコ染料、
【0019】
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオランなどの赤発色性ロイコ染料、
【0020】
3−(N−エチル−N−イソペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどの黒発色性ロイコ染料、
【0021】
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリドなどの近赤外領域にも強い吸収波長を有する近赤外吸収性ロイコ染料などが挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また二種以上を併用することもできる。
【0022】
呈色剤の具体例としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンなどのフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレアなどの分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物などが挙げられる。
【0023】
かかるロイコ染料は、ロイコ染料のみからなる粒子の形態で用いたり、マイクロカプセル中に内包させた形態、あるいはアクリル、スチレン、ウレア、ウレタン樹脂との複合粒子の形態で用いることができるが、複合粒子の形態で用いることにより、ヘイズ値が40%以下の感熱記録体が容易に得られ、好ましい。かかる複合粒子の平均粒径としては0.3〜2.0μm程度が好ましい。
【0024】
感熱記録層中のロイコ染料と呈色剤の使用比率は用いられるロイコ染料、呈色剤の種類に応じて適宜選択されるもので、特に限定するものではないが、一般に無色ないしは淡色のロイコ染料1質量部に対して1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の呈色剤が使用される。
【0025】
さらに、感熱記録層には記録感度を高めるために増感剤、および記録部の保存性を高めるために保存性改良剤を含有させることもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1、2−ジフェノキシエタン、パラベンジルビフェニル、ナフチルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステルなどの熱感度向上剤(増感剤)などが挙げられる。
【0026】
保存性改良剤の具体例としては、例えば4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(5−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などのヒンダードフェノール類;4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−グリシジルオキシ)ジフェニルスルフォンなどのジフェニルスルフォン誘導体;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤が挙げられる。
【0027】
感熱記録層は、例えば水を媒体とし、平均粒径が0.3〜2.0μmのポリウレア−ポリウレタン樹脂とロイコ染料との複合粒子、呈色剤分散液、接着剤、および必要により下記の顔料類、架橋剤類、滑剤類、ワックス類、界面活性剤類を混合攪拌して得られた感熱記録層用塗液を透明支持体上に乾燥後の塗布量が5〜35g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
【0028】
感熱記録層用塗液中に含有される接着剤としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性接着剤、およびスチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックスなどのラテックスが挙げられる。なお、接着剤の使用比率としては、感熱記録層に対して10〜45質量%が好ましい。
【0029】
感熱記録層中の助剤としては、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、スチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラーなどの顔料類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの滑剤類、パラフィン、ポリエチレンワッシク、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックスなどのワッスク類、ホウ砂、ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、ポリアミドエピクロヒドリン樹脂などの架橋剤類、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエチレンオキシドなどの界面活性剤類などがある。
【0030】
保護層に用いる水性樹脂としてしは、成膜性を有するものが好ましく、例えば完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性樹脂、およびスチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックスなどのラテックスから得られる疎水性樹脂が挙げられる。なお、水性樹脂の使用比率としては、保護層層に対して30〜95質量%が好ましい。
【0031】
なかでも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコールおよびケイ素変性ポリビニルアルコールのから選ばれる少なくとも一種からなる特定のポリビニルアルコールが好ましく、かかる特定のポリビニルアルコールとウレタン系ラテックスから得られる樹脂との併用が特に好ましい。
【0032】
ウレタン系ラテックスから得られる樹脂としては、例えば軟化点が80℃以上ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、脂肪族系ポリウレタン樹脂などがある。
【0033】
なお、特定のポリビニルアルコールとウレタン系ラテックスから得られる樹脂との使用割合については特に限定するものではないが、特定のポリビルアルコール100質量部に対して20〜500質量部、特に50〜300質量部のウレタン系ラテックスから得られる樹脂を使用するのが望ましい。
【0034】
保護層は、水性樹脂、および必要により上記の感熱記録層中の顔料類、架橋剤類、滑剤類、ワックス類、界面活性剤類などの助剤とを混合攪拌して得られた保護層用塗液を感熱記録層上に乾燥後の塗布量が1〜5g/m2程度塗布乾燥して形成される。
【0035】
各層を形成するための各塗液は、例えばカーテンコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、スライドダイコーター、バーコーターなどの各種公知のコーターにより塗布される。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量%をあらわす。
【0037】
〔実施例1〕
・ロイコ染料含有の複合粒子分散液(A液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン12部、3−ジエチルアミノ−6、8−ジメチルフルオラン5部および3,3’−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフクリド3部と、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン5部とを、ジシクロへキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールW)11部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、TMXDI)11部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバールPVA−217EE)8.8部と界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(日信化学社製、オルフィンE1010)0.5部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物(シェル・インターナショナル・ペトロリウム社製、エピキュアT)2.5部を水22.5部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行ない、平均粒子径0.8μm(レーザー光回折法による)の、黒発色性の複合粒子分散液を調製した。まお、黒発色性の複合粒子分散液の固形分濃度が20%となるように水で調整した。
【0038】
・B液調製
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン20部、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン20部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−203)の25%水溶液20部、天然油脂系消泡剤の2%エマルジョン5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の5%水溶液10部、及び水39部からなる組成物を横型サンドミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミル UVX−2)を用いて、平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してB液を得た。
【0039】
・感熱記録層用塗液の調製
A液200部、B液56部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−235)の7%水溶液20部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(日本エイアンドエル社製、固形分48%、スマーテックスPA9281)40部、紫外線吸収剤ポリマー(新中村化学社製、固形分40%、NKポリマー PUVA−400)10部、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液8部、及び水30部からなる組成物を攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0040】
・保護層用塗液の調製
ウレタン系ラテックス(大日本インキ化学工業社製、ハイドランAP−30F、固形濃度20%)100部、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液400部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(松本油脂製薬社製、ウーポール1800、固形濃度35%)10部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(セイミケミカル社製、サーフロンS−145)の10%水溶液および水100部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
【0041】
・感熱記録体の作製
175μmの青色透明ポリエチレンテレフタレートフイルム(帝人デュポンフイルム社製、メリネックス914)の一方の面に、塗工直前に脱泡機により脱泡処理された感熱記録層用塗液と保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ25g/m2、4g/m2となるように順次塗布乾燥して感熱記録層及び保護層とを設け、感熱記録体を得た。
【0042】
〔実施例2〕
実施例1の保護層用塗液の調製において、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部の代わりに、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの10%水溶液300部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0043】
〔比較例1〕
実施例1の保護層用塗液の調製において、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部の代わりにカオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の60%スラリー50部、平均粒子径0.5μmの炭酸カルシウムの50%スラリー60部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】
〔比較例2〕
実施例1の感熱記録体の作製において、塗工直前に感熱記録層用塗液と保護層用塗液を脱泡機により脱泡処理しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】
かくして得られた各感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に示した。
【0046】
〔像鮮明度〕
写像性試験機(商品名:ICM−1DP、スガ試験機株式会社製)を用いてスリット幅2mmと0.5mmで、反射法により、像鮮明度A、B(JIS K 7105-1981に基づく)を測定した。
また、サーマルヘッドにより80mJ/mm2のエネルギーで記録された記録部の像鮮明度C(スリット幅2mm)を測定した。
【0047】
〔シャウカステン適性〕
得られた感熱記録体をプリンター(商品名:UP−880、ソニー社製)の内蔵パターンでハーフトーン記録を行い、シャウカステンを用いて記録画質を目視判定した。
◎:画像が非常に鮮明に観られる。
○:画像が鮮明に観られるが、やや光沢が強く、少し観察し難い。
×:画像が少し不鮮明である。
【0048】
ヘイズ値
得られた感熱記録体のヘイズ値をヘイズメーター(TC−H IV型、東京電色社製)にて測定した。処理後の値が小さいほど、透明性に優れている。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
表1に示されているように、本発明の感熱記録体は透明性に優れ、しかもシャウカステンでの見易さに優れた感熱記録体を提供することにある効果を有するものである。
Claims (2)
- 透明支持体の一方の面に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層、並びに水性樹脂を含有する保護層を順次有する感熱記録体において、保護層面側の、スリット幅2mmにおける像鮮明度A(JIS K 7105-1981に基づく)が70〜100%であり、かつ感熱記録体のヘイズ値が50%以下であることを特徴とする感熱記録体。
- 保護層面側の、スリット幅0.5mmにおける像鮮明度Bが像鮮明度Aの0.2〜0.9倍である請求項1記載の感熱記録体。
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